更新日: 2018年10月26日

中山忠彦・美の世界展

市川の文化人中山忠彦プロフィール

 市川の文化人展、第3回となる平成13年度は、国府台在住の洋画家中山忠彦氏を採り上げ、「中山忠彦・美の世界展」を開催しました。
中山忠彦・美の世界展ポスター

平成13年9月15日(土)~24日(月) 
午前10時~午後6時 市川市文化会館 
※18日(火)は休館。21日(金)は午後8時まで。
24日(休)は午後3時まで。

出展作品リストはこちら

ギャラリー対談
9月15日(祝)午後2時~3時30分。
美術評論家・瀧悌三氏が、中山氏と作品の魅力を見事に語ってくれました。

同時開催
市川市収蔵美術作品展
―女性美と衣裳美―

※好評のうちに終了しました。

市川の文化人展/収蔵美術作品展開催にあたって

 市川市は歴史的、文化的な土壌の豊かなところです。その土地柄を好んで市川には多くの芸術家や文化人が住んでいます。この方々の業績を広く紹介することで、魅力ある市川を再発見してもらいたいと考え、平成11年度より「市川の文化人展」を開催し、今年で3回目を迎えます。今回は、皆様から要望の多かった洋画家中山忠彦氏にご協力をいただき、展覧会を開催することができました。
 中山氏は、昭和41年(1966)から市川にお住まいで、現在、日本芸術院会員で、日展や白日会を中心にご活躍です。中山氏の繊細で、気品溢れる作品を通して繰り広げられる「美の世界」をゆっくりとご鑑賞ください。

 また、今年度は収蔵美術作品展を同時開催といたします。市では、将来の美術館建設を見据え、市川ゆかりの作家の作品を現在、約750点収集しております。市民の大切な財産である作品をこれからも定期的に公開し、身近な場所で芸術に親しむ機会を増やしていきたいと考えております。今までの収蔵作品展は、新たに収蔵した作品を紹介する場でしたが、昨年度開催した「市川の美~点と線~」では、師弟関係や親子関係から市川の地にはぐくまれた美の系譜をたどることを試みました。
 今回は、中山氏の作品とともに人物、得に女性造形そして衣装などに着目した作品をご紹介したいと考えました。中山氏の作品では、ヨーロッパのアンティークコスチューム、収蔵作品では日本の伝統美である着物、そして「南方風俗スケッチ」では舞踊に関する民族衣装と、様式は異なってもそこには女性の美を追い求める作家の視点が感じられます。女性特有のしなやかな肉体の美しさと、身にまとう衣装によって表現される女性美をお楽しみください。
 近年このようなテーマによる展示が可能となりましたのも、長い年月を経て各分野の収蔵点数が増えたことによるものであり、今後はこれらの作品の有意義な活用方法と公開について考え、彩り豊かな文化事業を展開していきたいと思います。

 最後になりましたが、開催にあたり多大なるご協力をいただきました関係各位の皆様に厚くお礼申しあげます。

永遠の女性美を求めて

国府台の緑地に包まれて建つしゃれた洋館が、中山さんのアトリエだ。ラリックやガレ、ヨーロッパのアンティークな家具に囲まれた室内は、ちょっとした美術館のようだ。このアトリエから、人々を魅了する数々の作品が誕生した。初期は、裸婦なども描いていたが、良江さんと結婚してからは、一貫して良江さんをモデルに取り組んでいる。しかも、身にまとったアンティークコスチュームも重要なエレメントである。
  「YOSHIEは私の外部にある私の内部です」と言い切るその創作意欲には、一つのモティーフを通して、美への飽くなき憧憬がうかがえる。衣裳に包まれた内なる「女性美」を描こうとする作品は、単なる肖像画ではなく、「形を越えて形の奥にある見えないもの」を追い求めているのである。
  日展事務局長としても東奔西走する日本を代表する洋画家中山忠彦さんの美の世界を、油彩25点・リトグラフ4点・デッサン3点、さらに衣裳コレクションや思い出の写真などとともに紹介する。

展覧会を前に 中山 忠彦

中山忠彦姿
 市川在住の画家としてこの度皆様に作品をご覧いただくことになりました。転居してもう三十五年余になりますから、市川市民として定着したつもりではいます。画家にとって制作の環境は重要な意味を持ちますが、幸い市川で初めてアトリエらしい空間を得て仕事に集中出来たのは、まわりの自然と人々に恵まれたお蔭です。
 私の主たるテーマは女性像ですから、日常のほとんどは画室の中です。それでも時折、家内と散歩に出てみては、豊かな自然の恩恵に触れますが、一方日常の生活の上では以前とはあまり変わらず道路、下水など旧態依然であり、「文化都市」を願いながら、美術館さえもない現状は残念です。
 せめて、仕事の上では現代の私たちの失いつつある「女性の美徳」を探してみたいのです。「失われた時を求めて」と言えばプルーストですが、「見い出された時」が必ずあると信じて、相変わらず日々画室での生活を続けています。   2001年9月

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