市川市の水産業

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更新日: 2015年6月19日

市川市の水産業

市川市では東京湾に面している行徳地区で水産業が営まれています。主なものとして、

  ・塩浜地先海域を漁場とする海苔養殖とアサリ採捕の浅海養殖業

  ・東京湾内において、カレイ、スズキ等を漁獲する小型機船底引き網漁業

  ・東京湾内において、サヨリ等を漁獲する船引き網漁業

  ・市川地先海面において、カニ、カレイ等を漁獲する固定式さし網漁業

 があります。

漁業権漁場

市川には市川市行徳漁業協同組合、南行徳漁業協同組合の2組合があり、千葉県より許可を受けています。

市川における水産業の歴史

近代までの水産業は製塩業中心

市川の水産業の歴史は、近世以来近代まで、遠浅の海を利用した製塩業が中心でした。特に江戸時代には、経済的には十州塩(瀬戸内海沿岸地域で生産された塩)に比して劣勢であったにもかかわらず、政治的、軍事的な配慮から幕府によって監視と保護が加えられ、製塩業は伝統的に続けられました。しかし、全国的な流通網の整備による十州塩の圧迫と幕府の保護政策の緩みとともに停滞し、全体としては零細な経営を維持しながら明治時代にまで及びました。

製塩業から海苔養殖へと移行

一方、明治35年の旧漁業法の実施とともに市川でも漁業組合が結成され、明治42年頃には、船橋・浦安より漁場を借り受けて、本格的な海苔養殖業が始まりました。しかし、当時の海苔養殖業は、伝統的な製塩業との関係から東京湾にあってはけっして早い方ではなく、また、半農半漁の生活形態及び漁場の少なさなどから副業的な性格のものでした。

その後停滞と衰退を繰り返しながら細々と続いてきた製塩業も、大正6年の一大津波により大被害を受けその衰退は決定的なものとなりました。そうした製塩業の衰退とともに漁民は自ら漁場開墾を続け、次第に海苔養殖業へと比重を移していきました。

昭和25年には、漁業改革により新漁業法が実施され、公有水面における漁業権の獲得によって、船橋、浦安と同様の権利を持って海苔養殖業を始めることになりました。

海苔養殖業の一大変革期

なお、当初の海苔養殖業の仕事は、口では表せないほど厳しいものでした。特に、摘採時期は、早朝、手漕ぎ舟で氷を割りながら海苔ひびまで渡り、極寒の中の手摘は極めて厳しい作業であったと言われています。しかし、その割には満足のいく生産額が得られず、それのみでは生計の維持が困難という状況でありました。

一方、養殖の技術は日一日と進歩し、特に、ソダひび、行ひびで立て込む自然養殖方式から網方式へと変わった昭和11年頃より、急激な進歩が見られるようになりました。さらに、昭和35年には人工採苗技術の確立、昭和40年には冷蔵種網技術の開発、及び、多収性品種の選抜育種、昭和44年にはベタ流し養殖の普及、昭和47年には浮上筏による採苗育苗技術の確立などの技術が開発されました。同時に、機動力も進歩し、海にあっては手漕ぎから船外機、手捕みからペットまたはピアノ線方式へ、また、陸上では、手抄きから機械抄き、天日乾燥から火力乾燥へと、年々新しいものに変わってきました。こうした技術革新の進んだ昭和30〜40年代は、まさしく海苔養殖業の一大変革期であったと言えます。 さらに、近年に至っては、陸上採苗、光学顕微鏡、高速摘採船などの技術、機械、施設が活用されています。

都市化の波の中で生き残った伝統産業

東京湾沿岸の海苔養殖業は、その生産、経営においては長く全国をリードしてきた、わが国有数の伝統産業でした。市川でも、漁業組合員が漁場の確保や技術改革に大変な努力と苦労を傾け、やっと安定的な生産にこぎ着けるようになってきていました。

ところが、昭和30年頃から、この東京湾沿岸に公有水面埋立事業が進み、市川の対岸の東京都沿岸をはじめ歴史と伝統のある海苔養殖場が次々と姿を消していきました。市川でも一部ですが、漁場の放棄という局面を迎えることになりました。また、陸においては、昭和40年代、行徳・南行徳の農地に対して大規模な土地区画整理事業が進められました。このように、海と陸の双方から都市化の波をかぶって、それまでの半農半漁の生活が根底から覆されることになり、漁業者は将来への不安を抱えながらの漁業継続を余儀なくされました。 しかしながら、そのように東京湾沿岸地域全体が都市化の波に洗われ、浦安が昭和46年に漁業権を全面放棄し、また、船橋は昭和44年、48年の2回に分けて漁業権を全面放棄し、その後は漁場を縮小して短期漁業権の毎年度更新により継続している状況です。

そのように全県的に漁場が縮小されていく中にあって、市川の海苔養殖業は、技術の改良や工夫などにより名産地としての伝統を残し今日にいたっています。

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