文化財(国指定)法華経寺法華堂

法華経寺 法華堂(ほっけどう)

法華堂の画像
法華堂

寺伝によれば法華経寺開基である富木常忍が建立した建物といわれ、当時銭四貫文(よんかんもん)で建てられたと伝わることから四貫堂(しかんどう)とも呼ばれます。

造りは正面5間、側面4間で、四囲に切目縁をめぐらし、屋根は入母屋造銅板瓦棒葺の中規模の仏堂です。柱はすべて円柱で上部を丸く細めた綜の手法を取り入れ、軒は二重半繁垂木で平三斗の斗キョウを組みます(キョウは木へんに共)。

間取りは正面の1間を三方吹放の外陣(げじん)とし、その奥に低い中敷居を置いた内陣を設け、その間を蔀戸(しとみど)を吊って区切っています。内陣は左右に脇陣があり、両側面と背面には嵌板張と桟唐戸(さんからと)を用いています。中央の3間四方は格天井張ですが、来迎柱や来迎壁がなく、厨子は後方の板壁に接して安置されています。

法華堂の建築様式は、このようにやや装飾的な禅宗様式を基調にして、和風の要素を取り入れており、落ち着いた簡素な造りをもっているといえます。創建は室町時代と推定され、何回も修理されていますが、初期の面影をよく残し、日蓮宗本堂として建立された中では最古に属するものです。

附 棟札(むなふだ)

寛文10年(1670年)に修理した際の棟札で、その記述から山を開き、建物を揚げ、来迎柱を取り替え、軒の縁回りを修理、屋根を葺き替えるなど、大修理を行ったことが分かります。

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