更新日: 2021年1月18日

市川二期地区埋立計画(中止)

市川二期地区埋立計画

 平成5年3月に策定された市川二期・京葉港二期地区埋立計画は、千葉県が県西地域の都市環境の改善を進めるための用地確保と、新東京国際空港・東京・横浜に至る国際・湾岸軸上の立地条件を生かした、自然と人間とが共生できる都市づくりを目指し、広域公園を利用した廃棄物の最終処分場や下水道終末処理場用地をはじめ、第二東京湾岸道路や住宅・商業用地、都市再開発用地、海浜レクリエーション用地の確保など、市川二期地区470ha、京葉港二期地区270haの計740haを埋め立てる内容のものでした。
 その後、千葉県は、知事の諮問機関である県環境会議からの環境保全のあり方についての提言(平成7年11月)を受けて、3年間、約6億4千万円の費用をかけ三番瀬の環境の現況や当初計画における環境予測を調査するとともに、専門家らが参加した計画策定懇談会や公開シンポジウムでの意見、地元自治体からの要望等を踏まえ、平成12年2月、埋立面積を約7分の1(市川二期地区90ha、京葉港二期地区11ha、計101ha)に縮小した見直し計画(案)を環境会議に報告しました。
 
市川二期地区計画の土地利用
当初計画 見直し計画(案) 備 考
 土地利用区分 面積  土地利用区分 面積
 都市再開発用地 40ha  街づくり支援用地 25ha 住工混在解消のための都市整備
 広域公園用地
 (廃棄物最終処分場)
50ha  公園緑地 22ha 海浜へのパブリックアクセス等最小限の土地の確保
廃棄物最終処分場は設置しない
 下水道終末処理場用地 55ha  下水道終末処理場用地 20ha 内陸部における用地確保が困難
 海浜レクリェーション用地(35ha)
 野外学習用地(10ha)
 鳥類のための緑地(10ha)
55ha 人工海浜、公園・緑地を一体として、これらの機能を代替する
 業務・商業系用地(75ha)
 住宅用地(90ha)
165ha 近隣の諸計画(市川塩浜駅周辺地区等)で代替
 漁港・道路・護岸用地(105ha)
 (広域幹線道路用地を含む)
105ha  漁港・道路・護岸用地(23ha)
 (広域幹線道路用地を含む)
23ha 漁港機能向上のための土地確保
第二東京湾岸道路等の用地確保
合   計 470ha 合   計 約90ha

  この縮小案では、都市環境の改善のための最小限の土地利用を確保する一方で、三番瀬の主要な干潟はすべて保全するとともに、第二東京湾岸道路のルートを変更、さらに、三番瀬の海岸線は船橋海浜公園の前面の人工海浜を除き直立護岸の形となっていることから、公園緑地と一体となった人工海浜(干潟)を整備することで海へのパブリックアクセス(市民の自由な利用)を確保する内容となっています。
 
 千葉県環境会議は、この見直し計画(案)の報告を受けて、下部組織である環境調整検討委員会での検討を経て、平成13年3月、縮小案について、環境への配慮がなされていると評価する一方、土地利用についてのさらなる精査や事業実施前後の環境調査が必要などとする最終提言を発表しています。
 
 平成13年4月に千葉県知事に就任した堂本暁子知事が、「現行の埋立計画はいったん白紙に戻し、自然の保全と里海の再生を目指す新たな計画を、地元住民をはじめ幅広く意見を聞きながらつくりあげていく。」と表明したことから、新たな計画の具体的な内容や埋立計画に関連して先送りされてきた課題の解決方法が、どのように提示されるのかが注目されています。
 市川市としては、里海の再生を目指すという知事の考えは尊重できるものの、埋立計画に関連する課題が先送りされつづけている状況にあり、待てる問題と待てない問題があることから、平成13年5月、堂本知事あてに『海の再生と行徳臨海部の課題解決に関する要望書』を提出しています。
 その後、堂本知事は、平成13年9月の定例県議会の冒頭のあいさつで、市川二期地区・京葉港二期地区(101ha)の埋立計画は行なわないことを表明し、干潟の保全と自然の再生を目指す新たな計画について、具体的な計画の策定に入っていくことを明らかにしました。
 さらに、埋立計画に関連している課題については、
1)下水道終末処理場については、現在、代替案などを含め、調査・検討を進めているが、まずはじめに、今までの経緯や都市計画制限など整理すべき課題が残されている江戸川第一終末処理場計画地(市川市本行徳石垣場・東浜地区)について検討を進めていきたい。そのため、市川市や地権者の方々などと十分に話しあっていく。
2)第二東京湾岸道路については、三番瀬の自然環境と調和のとれた計画となるよう、国に相談してきたところであり、その方向性について理解が得られたので、今後、計画の具体化に向けた働きかけをしていく。
3)街づくり支援用地については、内陸部において必要に応じて対応するよう、市川市と協議する。
4)具体的な再生計画は、東京湾と同様の大都市圏において環境保全と回復に成功したサンフランシスコ湾の再生計画なども参考にしながら、「千葉方式」として国の内外に誇れるようなものにしたい。このため、今後は専門家だけでなく、地元住民、環境保護団体、漁業関係者等の方々の参加を得て、具体的な再生計画を策定していくことを言明しています。

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