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市川ゆかりの著作家 式場隆三郎

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更新日: 2015年7月12日

式場隆三郎(1898-1965)

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式場隆三郎(しきばりゅうざぶろう)。精神科医、市川式場病院の創設者。1999(平成11)年、市川市名誉市民に選ばれる。

1.文学と美術

式場隆三郎(スケッチ画像)
 1898(明治31)年、新潟県中蒲原郡五泉町(いまの五泉市)に生まれる。1911年旧制村松中学に入学し、母方の叔父の影響で雑誌「ホトトギス」を知り文学に傾倒して、文芸誌、校友会誌の編集にあたった。やがて、旧制の新潟医学専門学校にすすむが、文学の道も捨てきれず、吉田璋也らと文化団体を結成、文芸雑誌を刊行した。そのころから「白樺派」の武者小路実篤、柳宗悦、志賀直哉らに師事、美術にも深い関心を寄せていた。美術に関してはいずれ、ゴッホやロートレック、ゴーギャンといったヨーロッパの画家たちを先駆けて紹介し、精神科医の立場から研究して伝記を書き上げるという偉業を果たすこととなる。また昭和二十年代後半には、国立西洋美術館の基となる松方コレクション日本復帰運動をはじめ、その建設に多大な貢献を果たす。
 

2.民芸運動へ傾倒

市民文庫の式場隆三郎氏コーナー
 学校を卒業して、精神病理学の研究をすすめるかたわら、柳宗悦(やなぎむねよし)が提唱の民芸運動に参画してバーナード・リーチ、浜田庄司(はまだしょうじ)、千家元麿(せんげもとまろ)、河合寛次郎(かわいかんじろう)、寿岳文章(じゅがくぶんしょう)らと終生かわらぬ親交を重ねている。
 1925(大正14)年に木喰仏の全国調査に参加、1929(昭和4)年には欧州視察にて、ヨーロッパ各地の美術や民芸を調査。その後も民芸関係で沖縄や北京などに赴いている。 民芸理論を実現させた建築についても語っており、1939(昭和14)年、式場病院構内に建てた自宅は、柳宗悦設計、浜田庄司建築監督によるものである。

⇒民芸運動関連の著作リストのページへ


3.市川との関わり

 本業の医学に関しては、市川との関わりも深い。昭和11(1936)年市川市国府台に精神病院(式場病院)を開院、その経営にあたった。また八幡学園の顧問となり、そこで少年・山下清(やましたきよし)を知り、その作品を世に出した。特に昭和20〜30年代は、同じ市川に住む建築家、岸田日出刀(きしだひでと)らとともに地域文化発展の主導者として活躍された。
 

4.出版事業の展開

1937(昭和12)年、実業之日本社刊行の『四十からの無病生活法』はベストセラーとなる。
1940(昭和15)年、鱒書房のコバルト叢書より『処女のこころ』『人妻の教養』も数年越しのベストセラーとなる。
戦後の昭和21(1946)年、日刊新聞「東京タイムズ」を創刊、出版ブームの先駆けとして東京タイムズ社内にロマンス社創立。娯楽雑誌「ロマンス」をはじめ「婦人世界」「映画スター」などの月刊雑誌を発刊。
1948(昭和23)年には日比谷出版社を創立、長崎の永井隆(ながいたかし)博士を知り、『長崎の鐘』などの出版に尽力した。

5.建築との関わり「二笑亭」

 没後35年にして、式場隆三郎氏を再び世に知らしめたのは、1989(平成元)年、求竜堂から刊行された『二笑亭綺譚−五十年目の再訪』であった。 (筑摩書房より1993年文庫版でも刊行)
 
 昭和のはじめ、深川門前仲町の一角に狂人が造ったという奇々怪々な屋敷「二笑亭」(にしょうてい)が実在した。『二笑亭綺譚』(昭森社 1939)は、式場隆三郎自らが精神科医の立場から取材した貴重なドキュメントである。取材には、建築家の立場として、谷口吉郎(たにぐちよしろう)氏も同行している。この当時の様子については、約40枚程の白黒写真から伺い知ることができる。昇れない梯子、使えない部屋、節穴にガラスを嵌めた覗き穴等々、常人では到底思いつかないような趣向の数々は、今で言うならば赤瀬川原平(あかせがわげんぺい)氏が提唱していた「超芸術トマソン」の元祖と言えるだろう。さらに式場隆三郎の描写も丁寧かつ的確、その場で案内されているような臨場感にあふれており、ポスト・モダンを予見していた氏の先見性が伺える名作である。
 
 平成版『二笑亭綺譚』では、隆三郎氏の元祖『二笑亭綺譚』を再録するほかに、隆三郎氏の息子・隆成氏による後年の調査記録をメインとして、藤森照信のエッセイ、赤瀬川原平の小説、岸武臣の復元模型写真が一緒に掲載されている。

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