鬼越のお不動さま

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京成鬼越駅の近くに、「鬼越山、神明寺」というお寺があります。このお寺には、お不動様がまつってあり、これを「小栗判官厄除出世不動」といいます。

また、お寺の門の左がわには大きないちょうの木があって、毎年秋のなると、黄金色のぎんなんがたくさんなります。この木は「小栗官馬つなぎのいちょう」といいます。

小栗官とは、いったい何者なのでしょう。そして、どうしてこの市川にその名がのこっているのでしょう。

今から600年ほどむかしのことです。鎌倉に小栗小太郎助重という武士がいました。小栗小太郎は、若いのに学問も武芸もよくできるし、知恵もすぐれていたので、幕府からも重くとりたてられ、悪者をとりしまる、「判官」という役についていました。

(中略)

「父上は、いずこか。」
小栗小太郎は父の身を心配しながら、従者をひとりしたがえただけで、下総の葛飾(今の市川新田あたり)にさしかかりました。

「しまった。どろ沼だ。」
小栗判官は、馬もろとも暗黒のどろ沼に落ち込んでそまったのです。

もどろうとしても、後からは追っ手がせまり、頭の上をヒューンヒューンと矢がとびかうので、矢をよけるだけでせいいっぱいです。

(中略)

「ああ、絶対絶命。今はこれまでだ。残念だが敵の手にかかるより、自分で腹を切って果てよう。」

覚悟を決めた小栗小太郎は、従者に向かって、

「おまえはなんとか小栗城までたち帰り、私のことを伝えてくれ。そして、父上を助け、我が汚名をそそぐように・・・・・。」

といって刀をぬきました。そして、いつも持っている守り仏の不動明王を、ふところからだしておしいだき、ひたいに当てて、

「どうぞ、我が身にひきかえ、一族一門のぶじと発展をたのみます。」

と、目をつぶって、一心にいのりました。いのり終わって、ゆっくりと目をあけた小栗判官は、驚きの声をあげました。

「おおっ、これはなんとしたことだ。不思議なこともあるものだ。」

(省略)

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