更新日: 2021年3月2日

河川遊水池等水生生物生態調査概要

調査概要

(1)調査時期及び調査場所

調査河川と調査地点
 市川市内の小河川において、各水域の生物相互および環境との生態的関係、水系間の生物の移動や生態的つながりを明らかにするとともに、「市川市自然環境保全再生指針」に基づいた各水系、事業地の管理目標などの根拠になる資料を得ることを目的とした調査をおこないました。
  調査は、平成20年11月、平成21年2月、8月、10月、平成22年5月、10月に真間川各水域について生物相互及び環境との生態的関係、水系間の生物の移動や生態的つながりを明らかにするための調査をおこないました。
 また、平成21年2月と8月に河川の物理的環境及び植生環境等の調査を平成22年1月には、大柏川東側上流部の湧水の状況調査を実施しました。

 
 
 
 
  河川遊水池等水生生物生態調査の詳細につきましては、環境清掃部 環境政策課にて、 河川遊水池等水生生物生態調査報告その1・その2・その3・その4の閲覧または貸し出しをおこなっております。
 
調査時期と調査箇所の一覧表
 

(2)水生動物の生息状況

 真間川水系で確認された水生動物の種類数は、92種類でした。
 その内、節足動物の昆虫類が35%(30種類)、魚類が27%(27種類)、節足動物の軟甲類(エビ・カニ類やヨコエビ類など)が11%(12種類)と全体の73%を占めていました。
水生動物の生息状況

河川環境の現況

(1)物理的環境

 真間川水系の河川の大半は、直線的でコンクリート護岸となっており、また、治水の問題から河床が掘削され、護岸天端から河床までが5m以上と高くなっています。
 縦断方向、横断方向ともに河床の形状が単調で、水生動物の生息環境としては厳しい状況にあります。
 水域の連続性については、各河川で平水時に水生動物の移動支障となる河道内構造物がなく、海域からの連続性が保たれています。
 一方、河川に流入する水路との連続性については、現状では流入部の落差が大きく、湧水を水源とする長田谷津からの水路を除いては、連続性が乏しいのが現状です。
真間川上流の写真と断面模式図
国分川下流の写真と断面模式図
大柏川の写真と断面模式図

(2)化学的環境

 真間川に流入する大柏川等の水質は、平成元年に比較して改善がみられ、BOD年平均値が7~10mg/lとなっています。
 しかしながら、魚類等の水生生物の生息環境の面で望ましい水環境となるためには一層の改善が望まれます。

(3)河川環境の現況

 河道内には、抽水植物であるヨシ、マコモ、ヒメガマ、沈水植物であるオオカナダモが繁茂しています。
 これらの水生植物は魚類の産卵場、隠れ場所など生息空間の提供や水質浄化、流路の蛇行など生物多様性の保全に重要な役割を果しています。
 しかし、過剰に繁茂すると泥質の堆積、枯葉の堆積が顕著になり底泥の悪化が進むことから注意が必要です。
 貴重な水生生物としては、湧水に依存するホトケドジョウ、スナヤツメが挙げられます。
 外来生物は、「特定外来生物」がウシガエル、カダヤシ、ブルーギルの3種類、「要注意外来生物」がミシシッピアカミミガメ、タイリクバラタナゴ、アメリカザリガニ等の5種類であり、真間川水系の状況からは、他の河川等への広がりを防ぐことが課題になっています。
 物理的環境のところで解説したとおり、各河川とも水生動物の移動支障となる河道内構造物がなく、海域からの連続性が保たれています。
 このことは、魚類やエビ・カニ類の分布状況からも推測することができます。
 一方、河川に流入する水路との連続性については、連続性が乏しいのが現状です。
水生植物が繁茂している様子
希少生物であるスナヤツメとホトケドジョウの写真
外来生物であるウシガエルとコリドラス属の一種の写真

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