文化財(国指定)法華経寺五重塔

法華経寺 五重塔(ごじゅうのとう)

法華経寺五重塔

本阿弥光室が、父・光徳の3回忌と母・妙光の5回忌にあたる元和8年(1622)に、加賀藩主・前田利光の援助を受けて建てたもので、総高は31.6メートル。江戸時代初期の様式をとどめる県下唯一の五重塔です。落ち着いた和様の形式を持ち、各層の大きさは方三間、初層から四層まで軒二重繁垂木で、最上層の垂木だけを扇垂木としているところはこの時代の傾向を示しています。

細部の装飾は少なく、蓑束と格子、窓下の格狭間以外には彫刻なども見当たらず、外部全体は朱塗で仕上げられています。屋根は銅板瓦棒葺で、二層以上はぐるりと回縁高欄がありますが、初層は高欄がなく、四面とも中央に桟唐戸があり、両脇に連子窓をつけています。塔の内部は初層だけが部屋としての体裁をもち、心柱を囲んで金箔を施した四天柱が立ち、高欄を巡らせて須弥壇が作られています。柱上部や組物には美しい彩色模様があります。

関東地方には江戸時代以前の五重塔は少なく、法華経寺のほかには3基残るだけです。

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