更新日: 2023年11月6日

ヒアリについて

厳しかった寒さも峠を越し、春の気配が感じられるようになりました。
どこかに隠れていた虫たちも、少しずつ姿を見せはじめるようになります。
ここで、気になるのは、近年話題になった「ヒアリ」の状況です。
南米原産のヒアリは攻撃性が強く、刺された場合体質によってはアナフィラキシー症状を起こす可能性がある人体にとって危険な生物です。
生態系や農業への影響も懸念され、外来生物法に基づく「特定外来生物」に指定されています。
しかし、アリを見かけたからといって、むやみに怖がる必要はありません。
皆様の近くには、昔から、多くの在来のアリが生活しています。
また、在来のアリには、外敵であるヒアリの侵入を防いでくれる役割も期待されています。
ヒアリへの警戒は必要ですが、正しい知識を持つことが大切です。
この度、環境省から「ヒアリ防除の基本的な考え方」が公表されましたので、その概要を次のとおり紹介いたします。

水際対策に注力

コンテナヤードやコンテナ内で見つかった事例が多く、定着(継続的に生存可能な子孫をつくること)は報告されていません。
そこで、海外由来のコンテナと、コンテナが置かれている場所での対策、侵入させないための水際対策が中心になります。

肉眼でわかるヒアリの特徴

  • 体長は2.5~6ミリメートル
  • 頭部・胸部・腹柄部(胸部と腹部の間)は暗赤褐色で、腹部は黒褐色
  • 全体的に光沢があり、ツヤツヤしている
  • 集団の場合には、大きさに連続的な変異が見られる
ヒアリ
ヒアリの働きアリと女王アリ

疑わしいアリを見つけたら

昨年の事例から、ヒアリが、いきなり皆様の身近に出現する可能性は低いと考えられますが、もし、疑わしいアリを見つけたら、環境省のヒアリ相談ダイヤルか都道府県の環境部局に相談することとされています。

ヒアリである疑いが高いときは

ヒアリであると同定されると、環境省や都道府県が専門的見地から駆除方法を検討します。
定着や拡散を防ぐため(働きアリの大量死など巣に異変が生じると女王アリが危険を感じて、逃げ出すことがあります)、科学的知見に基づき適切な駆除方法を検討し、計画的に駆除することが必要だからです。
ヒアリであると同定されるまで、また、駆除が実施されるまでには一定の日数がかかります。
それまでは、巣に近づかないようにして下さい。
なお、巣から離れたところにいる働きアリは、一般的な衛生害虫と同様に考え、土地や施設の管理者がスプレー式殺虫剤で駆除することができます。

参照:環境省ホームページ「特定外来生物ヒアリに関する情報」

市川市からのお願い~アリを嫌わないで

過去に市が実施した生物調査では、市内に40種以上の在来のアリが確認されています。
中には毒針を持っているアリや姿形がヒアリに似たアリもいますが、昔から人々と共存し、身近な昆虫として親しまれてきました。
社会性を持った暮らしぶりは、子供たちが自然を学ぶうえでの格好の教材にもなります。
また、在来のアリは、ヒアリの翅アリ(新女王)を攻撃し、わたしたちを守ってくれる「仲間」です。
在来のアリがいない場所は、ヒアリにとって絶好の棲家になってしまうのです。
在来のアリをむやみに嫌わないでいただくようお願いします。

このページに掲載されている
情報の問い合わせ

市川市 環境部 自然環境課

〒272-8501
千葉県市川市南八幡2丁目20番2号

自然共生グループ
電話 047-712-6307(野生生物関係)
FAX 047-712-6308
動物愛護グループ
電話 047-712-6309(犬の登録・地域猫など)
FAX 047-712-6308
行徳野鳥観察舎
電話 047-702-8045
FAX 047-702-8047