更新日: 2021年10月1日

市川の海「三番瀬」

「三番瀬」とは、古くから漁業関係者が使用していた漁場の通称名で、現在の市川市・船橋市の沖合いの浅瀬の一部を示していたものと思われます。現在では、市川市と船橋市の沖に広がる浅海域(浅瀬や干潟)を総称して「三番瀬」と呼ぶのが一般的になってきています。

この海域は、東京湾の最奥部の埋立地によって囲まれた位置にあり、水深5メートル以下の浅瀬が岸から沖合い3~4キロメートルの範囲に広がっていて、その先は急に水深が深くなっています。この浅瀬は、市川航路を境に大きく市川市側と船橋市側とに分かれ、その面積は、水深1メートル以浅の範囲で約1,200ヘクタール、水深5メートル以浅の範囲で約1,600ヘクタールあります。

三番瀬というと、船橋市側の船橋海浜公園地先に広がる干潟の風景がテレビや新聞でよく取り上げられることから、一面に広がる干潟を連想されることがありますが、市川市側の三番瀬には、主な干潟として、塩浜1丁目地先の人工干潟と浦安市の日の出地区に近い自然の干潟が合計で約30ヘクタールほどあるだけで、そのほどんどは水深5メートル以下の浅瀬となっています。

干潟や浅瀬は、水質の浄化機能のほか、魚貝や水鳥の生息場所、海苔養殖漁業やアサリ漁などの漁場、海浜レクリエーションの場となるなど様々な機能を備えており、近年、その価値が特に注目されています。

しかし、これまでの埋め立てや都市化の影響などにより、昔と比べて海の様子は大きく変化しているほか、現在の海の環境も一様ではなく、周辺の埋め立てに伴う潮流の変化や青潮の発生などにより、環境が悪化しているところもあるのが現状です。

都市に接している三番瀬の環境は、都市化の影響を受けるとともに、漁業活動など人の暮らしと深い関わりを持ちながら維持されてきたものであり、今後、自然環境の保全・再生と、漁業やレクリエーションなどの人の利用との調和を、どのように図っていくかが課題といえるでしょう。

三番瀬周辺の航空写真(平成11年5月撮影)

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