更新日: 2021年9月30日
【終了しました】市川市立図書館開館50周年・市川手児奈文学賞創刊記念シンポジウム
2000年という千年紀を契機に、市川を文芸の香り高いまちとして再発見してもらうことを目的に設けた「市川手児奈文学賞」。
2000年はまた、市立図書館が昭和25年9月に市川小学校内に開館してから50周年を迎えた年でもあります。
それを記念して、市川の文芸振興を目ざして新たな風を沸き起こすべく、シンポジウムが開催されました。
『市川の文芸風土と図書館の未来シンポジウム記録集』、発言内容をそのまま記録した「逐語版」ならびに当日の配布資料『シンポジウム「市川の文芸風土と図書館の未来」配布資料』は、市内の各図書館などで閲覧できます。
会場 | 生涯学習センター(メディアパーク市川)2階グリーンスタジオ |
日時 | 平成13年3月22日(木曜)午後1時30分から午後4時 |
パネリスト・コーディネーター
神作光一(かんさく・こういち)さん 東洋大学大学院修了。1961年1972年に東洋大学文学部教授となり現在に至る。その間、文学部長や学長を歴任、図書館運営にも携わる。また、和歌研究者として和歌文学会などの代表委員、歌人として「花實」で選者や編集委員もつとめる。『現代学生百人一首』の創設者でもある。八幡に在住し、『市川の文学』(市川市教育委員会 1982)を監修した。「市川手児奈文学賞」では監修にあたる。 |
渕上千津(ふちがみ・ちづ)さん 1964年より俳人能村登四郎氏に師事し、1970年「沖」創刊と同時に入会、現在「沖」同人・副会長。句集に『雪代紬』『露芝』『坪庭』がある。俳句とほぼ同時に読書会活動をはじめ、1967年より「市川市読書会連絡協議会」会長を18年間務める。並行して「千葉県読書会連絡会議」会長を6年間兼務、現在幹事。「市川手児奈文学賞」では俳句の選考に当たる。平田在住。 |
小川俊彦(おがわ・としひこ)さん 1960年文部省図書館職員養成所卒業。大田区立図書館、日本図書館協会事務局勤務を経て、 1990年より市川市立図書館長として招かれる。中央図書館を中心とする生涯学習センターの立ち上げに関わり、中央図書館長・生涯学習センター長を歴任。現在、NPO「図書館の学校」常務理事として、図書館運営をサポートする。 |
コーディネーター:吉井道郎(よしい・みちお)さん 鎌倉アカデミアで三枝博音、高見順に師事。新大阪新聞社などを経て、日本の近現代史の著述を中心とするフリー作家となる。『校歌は生きている』(市川市教育委員会 1987)の執筆、公民館講座での講師のほか、「市川よみうり」に連載中の「昭和の市川史断片」で「市川市立図書館史」「水木洋子」などを取り上げる。「市川手児奈文学賞」では編集に当たる。中国分在住。 |
内容
シンポジウム開催の趣旨 | 2000年に向けた新たな文芸の息吹を |
パネリストの紹介 | 新しい世紀に向けたきっかけに |
市川に文芸ルネッサンスの新しい風を | 15年つづく「現代学生百人一首」 |
ユニークな市川市読書会連絡協議会の活動 | 時代とともに変わっていく図書館 |
市川市立図書館の歴史 | 読書会活動と古典芸能を聞く会 |
市川の読書活動を支えた著名作家たち | 『市川の文学』編纂と索引の必要性 |
荷風に関する質問 | 市川の図書費事情とコレクション |
文学の案内板と資料購入の英断 | 読連協終結の背景と図書館の役割 |
現代の若者気質 | デジタル資料の利点と弱点 |
図書館は貸本屋ではない | 人間性の探求を可能にする図書館へ |
図書館から出版文化を考える | 図書館の開館時間 |
手児奈と夢と | 市民の協力へのお礼 |
特色ある図書館をめざして | 郷土資料コーナーの取り組み |
資料編 |
記録集の発刊にあたって
市川市長 千葉光行
本記録集は、平成13年3月22日に生涯学習センターにおいて、市川市立図書館開館50周年と「市川手児奈文学賞」創刊を記念して開催された、シンポジウム「市川の文芸風土と図書館の未来」の記録集です。市川市では、平成12年度に、市川市が保有する文化芸術の魅力を、市民はもとより市内外の方にもアピールし、活力あふれる文化芸術都市になることを目指して、「市川2000年文化振興事業 (ホットアート2000)」を展開しました。
その一環として、「市川手児奈文学賞」を設け、全国から「2000年市川を詠む」をテーマに短詩型文芸を募集し、市川の文芸風土に対する関心を深めてもらう企画をいたしました。その結果、短歌371首、俳句607句、川柳284句もの作品が全国から寄せられ、市川への熱い思いにあふれた入選作品は、『二〇〇〇年市川を詠む [市川百歌百句]』という形で作品集にまとめられました。
平成12年度はまた、市立図書館が昭和25年9月に市川小学校内に開館してから50周年を迎えた年でもありました。
市川は、万葉の時代から文学の舞台となり、多くの文人墨客により、文芸作品に形象化されてきました。また、公共図書館サービスも、戦後間もない時期から、千葉県下では牽引的役割を果たしてきており、平成6年11月にオープンした生涯学習センター内の中央図書館は、全国的にも誇れるサービスを展開しているところです。
今回のシンポジウムは、こうした市川の文芸風土の豊かさを、市民と行政が一緒になって見つめ直し、真の文化芸術都市になるための手がかりにしようと開催されたわけです。
開催に当たっては、神作光一先生を始めとする市川手児奈文学賞選考委員の皆さまのご尽力を賜りました。また、市川市俳句協会、川柳新潮社、市川子どもの本の会のご協力も得ることができました。何より、シンポジウムのテープ起こしやワープロ原稿作成といった根気のいる作業については、市川図書館友の会の皆さまのボランタリー精神あふれる協力なくしては、行うことができませんでした。ここに、感謝申し上げます。
市川市では、平成13年度より、新しい総合計画「I&Iプラン21」がスタートし、基本目標の一つに、「彩り豊かな文化と芸術を育むまち」を掲げました。並行して、こうした基本目標をより実効性のあるものとするために、図書館や博物館を始めとする関係部署とも連携を図りながら、「文化振興ビジョン」の策定も進めているところです。
本シンポジウムの記録集が、市民と行政の協働による真の文化芸術都市づくりへの、貴重な提言として利用されることを願ってやみません。 平成14年3月
このページに掲載されている
情報の問い合わせ
市川市文学ミュージアム
(市川市 文化国際部 文化施設課)
〒272-0015
千葉県市川市鬼高1丁目1番4号 生涯学習センター(メディアパーク市川)2階
- 電話
- 047-320-3334
- FAX
- 047-320-3356