更新日: 2018年11月12日
平成13年度収蔵美術作品展 女性美と衣裳美/出展作品
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同時開催 市川の文化人展「洋画家中山忠彦・美の世界展」 |
<洋画>
「皎然」(1991) 97.5×131.0cm 第23回日展出品
伊藤清永 いとう きよなが(1911~2001)
洋画家。兵庫県出身。東京美術学校で岡田三郎助に師事し、豊麗な色彩とフォルムによる女性人物画に独自の境地をひらき、現代日本の洋画界を代表する一人であったが、今年6月逝去。文化勲章、文化功労者章受賞。白日会会長として有為の人材を育成した。今回「市川の文化人展」でご紹介した中山忠彦氏もそのひとりである。
「射光」(1991) 114.0×164.0cm
松沢茂雄 まつざわ しげお(1929~)
洋画家。千葉県出身。1980年の「第3回現代の裸婦展」にて大賞に輝き、画壇で大きな評価を得た。またこの年「日仏現代美術展」ビブリオテーク・デ・ザール賞の1席を受賞。独自の点描画による大作を発表し、裸婦の画家、点描の画家として確固たる地位を築く。中山在住。現在、市川美術会参事。
<素描>
伊東深水 いとう しんすい(1898~1972)
日本画家。東京都出身。鏑木清方に師事。1914年の文展に初入選し、早熟の才能を示し注目された。1958年日本芸術院会員となる。健康的な下町娘を好んで題材とし、現代の浮世絵師を自負し、現代美人日本画家としての地位を確立した。木版画作品も多く手掛けている。
「南方風俗スケッチ」について |
伊東深水の写生メモ |
<日本画>
「春の雨」(1991) 173.5×211.5cm 第23回日展出品
立石春美 たていし はるみ(1906~1994)
日本画家。佐賀県出身。伊東深水に師事する。帝室展、日本美術院展等で長く活動し、朝倉賞等を受賞。師の深水ゆずりの婦人像に本領を発揮し、装飾性に優れた華麗な画面で評価が高い。長く東菅野に在住。
○作品の人物はお召しの着物に紅型風染帯か。昭和初期を思わせるような着こなしである。
「残夏」(1972) 182.0×130.5cm
宮内英好 みやうち えいこう(1905~1997)
日本画家。東京都出身。東京女子美術学校卒業。蔦谷龍岬、中村岳陵に師事する。人物画を得意とする。関東大震災により生家を焼失し、八幡に移住。22歳で帝展初入選、以来入選3回、その後、日展入選16回。蓮尾氏と同じく「市展」及び市川美術会の発展に寄与する。また、後年は市内を中心に学生や主婦のために日本画の指導にあたる。
○作品の人物は紬の着物につづれの染帯か。
「樂韻」(1962) 198.5×174.0cm 日本美術院再興第47回展覧会出品
蓮尾辰雄 はすお たつお(1905~1989)
日本画家。福岡県出身。東京美術学校卒業。前田青邨に師事する。院展特待。人物画を得意とする。市川市美術展覧会、通称「市展」の草創期に日本画において立石春美、富取風堂、東山魁夷などと名を連ねる。
○衣裳は和装の手前の人物が絣の着物につづれの帯、奥の人物が夏らしく紗の着物。洋装の人物の髪型、服装・靴のデザインからして、昭和30年前半を思わせる作品である。
<工芸>
「花たより」(1990) 和服一点 第37回日本伝統工芸展出品
松崎澄子 まつざき すみこ(1935~
藍型染色家。千葉県出身。植物染を長浜重太郎、藍型染を松原利夫、紅型を屋宣元六に師事する。日本染色展において日本経済新聞社賞受賞。現在、日本工芸会正会員、千葉県美術会理事、市川市美術会常任理事。北方在住。中山法華経寺参道に工房を構える。
○絽の着物で、野ばらの静けさと優しさを表現したもの。
