更新日: 2021年3月5日

自然環境政策専門員の観察日記 生物多様性へようこそ(2015年)

自然環境課の鈴木専門員が、市川市を歩いてみつけた「生物多様性」

鳥・昆虫・樹木・草花。時にはそれ以外のカテゴリーの生きものも!?

生きものたちの世界は、皆様のお宅のまわりにも広がっています☆

2015年 12月21日

モズのはやにえ

モズは主に昆虫やカエル、トカゲなどを食べる肉食の小鳥です。
「はやにえ」はこれらの獲物を木の枝などに差してあるものです。
はやにえを行う理由は、食料の保存等いくつかのの説がありますが、はっきりとはわかっていません。
大柏川調節池緑地では、モズのはやにえをよく観察することができます。新鮮なコバネイナゴのはやにえを見つけました。

モズ(オス)
はやにえ(コバネイナゴ)

2015年 11月24日

カワセミ(翡翠)

大町自然観察園でカワセミに出会いました。コバルトブルーに輝く美しい姿から「清流の宝石」と呼ばれます。
月一度、園内の鳥類調査をしていますが、50%以上の確率で観察することが出来ます。
じっくり観察していれば、池に飛び込んで小魚を捕まえる様子も見ることができます。市内は河川や池の水辺環境が豊かなので、意外に出会うチャンスは多い鳥です。
千葉県レッドデータブックではCランク(要保護生物)となっています。
背中は美しいコバルトブルー
カワセミ
腹は鮮やかなオレンジ色
カワセミ

2015年 11月2日

不思議なアリと珍しいクモ

 10月31日に里見公園で自然環境講座を開催しました。少し寒かったですが、豊かな自然に触れ合うことが出来ました。
  いろいろな生き物達を観察しましたが、ちょっと地味なアリとクモをご紹介します。
  森の園路で見つけたのはトゲアリでした。名前の通り背中にトゲのあるアリですが、その生態が変わっています。
  トゲアリの女王は他種のアリの巣に侵入して、その女王を殺して巣をのっとるのです。不思議な生態ですね。
  また、石組みの隙間に巣を構えていたのは、キシノウエトタテグモでした。原始的なクモ類で、トンネル状の巣の入り口に扉をつけることからその名があります。
  千葉県レッドデータブックではBランク(重要保護生物)となっています。
トゲアリ
キシノウエトタテグモの巣穴

2015年 10月13日

白サギと赤トンボ

大柏川で小魚を狙う白サギに出会いました。
白サギというのは白いサギを総称して呼んでいて、ダイサギ・チュウサギ・コサギなど数種類がいます。
同様に赤トンボは赤トンボの総称で、代表としてはアキアカネがあり、その他にもナツアカネ、ノシメトンボ、コノシメトンボ、マイコアカネなど何種類もいます。
市内には川や池、田んぼを散見することができるので、白サギと赤トンボに出会う機会は多いものです。
しかし、市内の水辺環境が減少するにつれて、これら水辺環境を生息環境とする生きものたちは、少なくなってきているようです。
ダイサギ(左)とコサギ(右)
マイコアカネ(左)とコノシメトンボ(右)

2015年 10月5日

赤いカニと黒いカニ

江戸川を歩きました。

里見公園近くの旧坂川には土の岸があり、アシ等が生えています。土には直径5~6cmぐらいの穴がいくつも開いています。
少し離れてじっとしていると、穴の中ならカニが出てきます。
赤いカニと黒いカニがいるのがわかります。
赤いカニはベンケイガニ、黒いカニはクロベンケイガニです。脚に毛が生えていて、弁慶を連想させるためにその名がつきました。

ベンケイガニ
クロベンケイガニ
両種とも千葉県レッドデータブックに掲載されています。
ベンケイガニ(千葉県レッドデータブックBランク:重要保護生物)
クロベンケイガニ(同:Dランク:一般保護生物)


2015年 9月25日

雨のじゅん菜池緑地公園で・・・

 小雨の中、じゅん菜池公園に出かけてみました。
斜面林の下で、長さ50cm程の怪しい生き物を発見!ミスジコウガイビルの一種でした。
プラナリアなど扁形(へんけい)動物という生き物の仲間で、ヒルとつきますが、血を吸われることはありません。
夜間湿ったところを徘徊し、ミミズやナメクジ、カタツムリなどを食べます。

また、近くの木には大きなカタツムリもいました。カタツムリの殻には右巻きと左巻きがあり、種類も違います。
写真は右巻きのミスジマイマイです。雨の日ならではの出会いでした。
最近、カタツムリ見ましたか?
ミスジコウガイビルの一種
ミスジマイマイ
 

2015年 9月4日

秋の田んぼ

大野町4丁目の田んぼに行ってみました。
一部は既に稲刈りが終わっており、刈り取りの終わった田んぼで、アオサギが獲物を探していました。
ドジョウかザリガニでもいるのでしょうか?  
これから稲刈りをする田んぼには、鳥よけのネットがかけられていましたが、スズメたちが、少しだけ自然の恵みをついばんでいました。
田んぼは、生きものがとても多様な環境です。
アオサギ
スズメの群れ

2015年 9月1日

江戸川の秋 見つけた

里見公園下の江戸川河川敷では、秋の七草の一つ、フジバカマが咲き始めました。
まだ一分咲きですが、9月の中旬~下旬には見頃になると思います。同じ場所では、クレマチスの仲間のセンニンソウも白い可憐な花をたくさん付けています。
他にもシロバナサクラタデやキンミズヒキなど、在来の野草がいろいろ楽しめます。
これらの遺伝子が絶えないように、大切にしたいものです。
秋の七草 フジバカマ
クレマチスの仲間 センニンソウ

2015年 8月21日

カメの甲羅干し

川や公園の池で、カメが甲羅干しをする様子をよく見かけます。
多くはミシシッピアカミミガメで、ペットショップで売られている通称ミドリガメが大きくなったものです。
雑食性で水生植物、魚類、両生類、甲殻類等さまざまなものを食べるので、生態系への影響が心配されています。
野外で確認される多くの個体が、遺棄か逸出が原因とされ、飼育に関するマナーの向上が望まれます。

新浜で不思議な体勢で甲羅干しするミシシッピアカミミガメを見ました。

 

スーパーマン??
ミシシッピアカミミガメ
普通の甲羅干し
ミシシッピアカミミガメ

2015年 8月18日

黒いアゲハチョウ

  15年前に市内で見かける黒いアゲハチョウは、ほとんどクロアゲハでした。
 ところが近年見かける黒いアゲハチョウは、ほとんどナガサキアゲハです。ナガサキアゲハは南方系のチョウで温暖化により分布を広げていると考えられています。
 真間山近くのクサギの花に黒いアゲハチョウが5頭飛来していましたが、クロアゲハは1頭のみでした。
ナガサキアゲハ:後翅が丸い
クロアゲハ:後翅に尾状の突起

2015年 8月4日

エノキ(榎)の木陰

 里見公園下の江戸川河川敷にエノキが2本あり、素晴らしい木陰をつくりだしています。
昔、一里塚には榎などの木が植えられ、木陰で旅人が休息を取れるように配慮されていました。
横に広がる樹形をした、落葉樹のエノキを選んだ先人の知恵に敬服します。
エノキの木陰でじっとしていたら、スズメ位の大きさの小さなキツツキのコゲラがやってきました。
エノキ
コゲラ

2015年 8月4日

森の落とし物

 里見公園はクスノキやタブノキなどの大木があり、豊かな森となっています。
森にはいろいろな生き物が棲んでいます。
枯葉の上をピョンピョンと跳ねるニホンアマガエルに出会いました。
そして、地面に怪しげな羽が!
落とし主はフクロウのようです。上を見上げましたが、残念ながらフクロウは確認できませんでした。
ニホンアマガエル
フクロウの羽

2015年 7月21日

小さな猛禽類のチョウゲンボウ

 江戸川の土手を歩いていたら、チョウゲンボウに出会いました。
ハト位の大きさのハヤブサの仲間です。
主にバッタ等の昆虫類を食べますが、時にはスズメ等の小鳥を捕まえることもあります。
ダイサギが近づいてきたら、チョウゲンボウが飛び去ってしまいました。市川市では海岸付近の建物等で繁殖もしています。
チョウゲンボウ(千葉県レッドデータブックDランク:一般保護生物)
ダイサギ(同:Cランク:要保護生物)
チョウゲンボウ
ダイサギとチョウゲンボウ

カマキリとチョウ

 市川市にはタブノキやクスノキが多く植えられています。
タブノキもクスノキもクスノキ科でアオスジアゲハの食樹となっています。先日、街かどのタブノキにアオスジアゲハの幼虫を見つけました。しかし、今日はいませんでした。
その代わりにいたのがハラビロカマキリの子供です。アオスジアゲハがいなくなった原因はこいつかもしれません。
近くの若葉にはアオスジアゲハの新たな卵が産みつけられていました。都市の中で繰り広げられる自然の厳しさを垣間見ました。
ハラビロカマキリ
アオスジアゲハの卵

夏のカモメ

 江戸川沿いでカモメの仲間に出会いました。
冬鳥のイメージが強いカモメですが、夏にも見ることができます。
市川市で夏に見られるカモメの仲間はウミネコです。「ミャーオ」という鳴き声からその名前があります。
群れの中に一羽だけ茶色いカモメがいました。今年生まれのウミネコの若鳥でした。
カモメの仲間は雑食性で何でも食べ、死んで打ち上げられた魚なども食べるので「海の掃除屋さん」と呼ばれることもあります。
ウミネコの群れ
成長(左)と若鳥(右)

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