更新日: 2018年10月31日

市川市基本構想

市川市基本構想

 
 総合計画「基本構想」概要 (PDF 223KB)                                                                      
 

1 まちづくりの基本理念

 私たちは、「人間尊重」「自然との共生」「協働による創造」の3つを基本理念としてまちづくりを進めます。
 市川の今日までの発展は、先人たちの英知とたゆまぬ努力によって築き上げられてきたまちづくりの成果です。
 さらに、私たちは将来を見極め、世代を超えて、誰もが共感できる平和で豊かな社会をつくりたいと願います。

 豊かさの受け止め方はさまざまですが、生涯を通して誰もが一人の人間として夢や生きがいを持って安心して生活できるよう、思いやりや慈しみの心のもとで、すべての人を認め合う「人間尊重」を基本とし、多様な自然や、そこに生息する生物などと相互に良好な関係を保ち、豊かな地域社会を目指す「自然との共生」、さまざまな価値観や立場を認め合い、ともに力を合わせて地域社会を築き上げていく「協働による創造」の3つを基本理念とします。

 この基本理念を、市民共通の価値基準とし、自信と誇りを持って次代に引き継げる「私たちのまち いちかわ」を築いていきます。

2 将来都市像

 まちづくりの目標である将来都市像は、概ね25年後の市川の将来像をあらわすもので、次のとおり定めます。
 『ともに築く 自然とやさしさがあふれる 文化のまち いちかわ』

3 まちづくりの基本目標と施策の方向

  市川の将来都市像を実現するための基本目標と施策の方向を次のとおり定め、まちづくりを進めます。
 [基本目標]
1 真の豊かさを感じるまち
2 彩り豊かな文化と芸術を育むまち
3 安全で快適な魅力あるまち
4 人と自然が共生するまち
5 市民と行政がともに築くまち

基本目標1  真の豊かさを感じるまち

 私たちは、人生のどの時代においても、誰もが夢と活力に満ちた真の豊かさを実感できるようなまちをつくります。
 誰もが幸せな人生のために、自由に夢を描き、その実現を強く望んでいます。夢の実現には、私たち一人ひとりの努力が必要です。また、それぞれの目標に応じて、幅広い可能性の中から自分の意思で進む方向を自由に選択できる社会をつくることも必要です。
 
 このため、すべての人々が生涯を通して、いつでもどこでも学びたいときに学べること、仕事や地域活動と子育てを両立できること、産業活動が活発で雇用が安定するとともに、新しいビジネスに挑戦しやすい環境とすることなど、夢の実現に向けたさまざまな取り組みを進めなければなりません。
 
 さらに、社会全体でお互いを支え合う仕組みが用意されているなら、誰もが安心して夢の実現に向けて挑戦することができると考えます。
安心して生活を送るには、万一のときに介護や医療などの心配がないこと、心が通いお互いを支え合う地域社会をつくることなどが必要です。このため、市民サービスの向上はもちろんのこと、ボランティアや企業などがそれぞれの立場で社会に貢献しやすい環境づくりを目指します。
 
 また、家庭や身近な地域の中で、子どもから高齢者までが一緒に暮らすことは、世代間の対話、連携、助け合いを生み、そこから生活の知恵を学ぶこともできます。このような多世代が融合し、支え合い高め合うことのできる地域社会の実現に努めます。
 これらの取り組みを通して、誰もが人生のすべての時代に、夢を描き心豊かに生きることのできるまちをつくります。そして、市川で暮らし、育った人々が「ふるさと」として誇りに思い、心に残るまちを目指します。
 
 
 ●施策の方向――――――――――――― 真の豊かさを感じるまち
 (1)健康で安心して暮らせる、地域福祉の充実したまちをつくります
健康で安心して暮らせるよう、保健、医療、福祉の連携のもと、生涯にわたる心と体の健康づくりを進めます。
必要で最適な医療が受けられるよう、医療施設相互の連携を深め、救急医療や在宅医療などの地域医療体制の充実を図ります。
住み慣れた地域で健やかにすごせるよう互いに助け合い、支え合うことができる地域主体の福祉社会の実現を目指します。
安心して子どもを産み、健やかに育てられる環境づくりを進めます。
すべての人々が安全で安心して暮らせるよう、ユニバーサルデザインのまちづくりを進めます。
高齢者の知識と経験を、地域社会の中で活用できる環境の整備を進めます。
(2)豊かな人間性を育み、創造力あふれる子どもを育てます
一人ひとりの個性を尊重し、豊かな感性と創造力を持った子どもを育てる教育環境の整備を進めます。
ゆとりある学習環境の中で、自ら選択して学び、実践する子どもを育てます。
地域、学校、家庭が連携し、社会の一員としての自覚を持った、心身のバランスのとれた子どもたちを育成します。
(3)生きがいを見いだす、いきいきとした生涯学習社会をつくります
誰もが、楽しく心豊かに、それぞれのライフステージに応じた学習活動ができる環境の整備を進めます。
学習成果が、社会の中で適切に評価され、発揮できるような体制づくりを進めます。
(4)誰もが安心して働くことができる環境をつくります
高齢者、障害者、女性など、就業意欲を持ったすべての人々が安心して働くことができるよう、就労機会の拡充と雇用の安定確保を図ります。
勤労者の良好な労働環境づくりを進めます。
(5)人権を尊重し、世界平和に貢献します
男女が社会の対等なパートナーとして、その能力と個性を発揮し、ともに責任を担う男女共同参画社会をつくります。
人権の尊さを認識し、すべての人が個人として尊重される地域社会をつくります。
異なる民族や文化との交流を通して、世界の人々と共生できる地域に根ざした国際化の実現に取り組みます。
人類が平穏に生活できるような世界を目指し、文化、教育、スポーツなど、さまざまな分野での国際交流を推進し、世界平和に貢献していきます。

基本目標2  彩り豊かな文化と芸術を育むまち

 私たちは、日々の暮らしの中に「ゆとり」、「やすらぎ」、「楽しみ」、「遊び」などを求めます。そして、それらを生み出すため、暮らしの中に彩りのある文化と芸術を育みます。
 市川の文化は、万葉の歌などに象徴される歴史文化や、市川にゆかりのある多くの芸術家、文化人の活動などにより広く知られてきました。これらを、市民生活に活かすとともに、市川の個性として外に向かって発信し、交流を深めるなど、まちづくりに活用していく必要があります。
 
 一方、このような市川固有の文化的資産に加え、地域の人々の生き方、暮らし方から生まれ、人々の暮らしの中に息づく「まちの文化」といえるものがあります。
 
 まちの文化とは、身近な芸術・文化活動や私たち一人ひとりの価値観、生活様式から、市民活動までも含めた暮らし方すべてを幅広く文化として捉えるものです。
 
 暮らしが多様化してゆとりが生まれ、自分自身の生活を重視するこれからの時代は、この「まちの文化」が人生に豊かさをもたらす重要な要素にもなります。そして、これを高めることは私たちの暮らしの中の豊かさを高めることにつながります。
 
 このため、身近な芸術・文化活動、生涯学習活動や公共心を持って、地域に貢献する活動を活発化させるなど、多くの人々が参加して、お互いの生活に潤いをもたらす地域づくりが必要です。さらに、これらの活動を担う人材を育成し、地域に根づかせていく必要があります。また、国際化の進展によるさまざまな交流の中で、新しい文化の創造にも努めなければなりません。
 このようにして私たちは、「まちの文化」と従来の文化的資産や芸術的資産を融合し、日々の暮らしの中に取り入れ、楽しみ、味わい、創造することにより、響き合う彩り豊かな市川の文化を育み、交流と活気が生まれるまちをつくります。
 
 
 ●施策の方向――――――――― 彩り豊かな文化と芸術を育むまち
 (1)芸術・文化を身近に感じるまちをつくります
心に感動を与え、生活にやすらぎと潤いをもたらす優れた芸術と、身近に接する機会を拡充します。
より多くの市民が、気軽に芸術・文化活動を行えるように支援します。
(2)文化的資産や伝統文化をまちの活性化に活かします
文化的資産を後世に継承するため、整備・保存するとともに、広く発信し、まちの活性化に活かします。
地域の風俗・習慣や伝統芸能を保存、継承し、地域の活性化につなげます。
(3)暮らしの中で「まちの文化」を育みます
さまざまな文化や習慣を持った人々との交流の機会を充実し、相互理解を深めながら、新たな融合文化の創造を図ります。
暮らしの中の文化を大切にし、ふれあいや思いやりの心を持って地域活動などを行い、生活に潤いをもたらす「まちの文化」を育てます。

基本目標3  安全で快適な魅力あるまち

 私たちは、安全で快適な都市環境のもとで、人と人とが交流する魅力に満ちたまちづくりを進めます。
 安全は安心して暮らすための必須の条件です。このためには、災害に強いまちをつくり、生命や暮らしを脅かす犯罪や交通事故などの危険から人々を守り、環境に負荷をかけず、自然と調和したまちをつくらなければなりません。
 
 また、これまでの機能性、効率性に加え、ゆとりや潤いといった快適性を重視したまちづくりが必要です。道や広場など都市の生活空間の質を高め、それぞれの地域や場所の特性を活かした魅力づくりを進めるとともに、事業活動が活発になるような都市環境づくりを目指します。
 
 そして、生活を便利で広がりのあるものにしてくれる情報通信技術を、行政サービスやまちづくりに活かすことも欠かせません。
 
 さらに、主要な道路や臨海部の整備などの機会を活かしながら、広域的な視点に立って、人にやさしい安全で快適な都市の整備を図ることも重要です。
 
 快適で高水準の都市環境のもとには、多彩な人々が集まり、新たな都市活動を生み出す地域の力が芽生えます。そしてこの力により、市川の個性や機能が高められ、さらに人材が集まるようになります。この好ましい循環のなかで、未来を担う世代も育ちます。
 このようにして、私たちは、快適な都市環境のもとで、市川ならではの地域の魅力により、人が集まり、育ち、自らの力で発展するまちをつくります。
 
 
 ●施策の方向――――――――――― 安全で快適な魅力あるまち
 (1)安全で安心して暮らせるまちをつくります
災害から市民の生命と財産を守るため、消防・防災体制の充実、都市基盤の整備を進め、災害に強いまちづくりを推進します。
交通安全対策や、防犯活動を積極的に進め、安全で安心できる生活環境づくりを進めます。
(2)快適な暮らしを支え、質の高い都市基盤整備を進めます
高齢者や障害のある人に配慮した歩道の整備など、すべての人々が安全で快適に生活できるよう、人にやさしいまちづくりを進めます。
市民生活の利便性や円滑な経済活動が行えるよう、広域的な幹線道路と連携した地域内道路の整備を進めます。
新しい時代に合わせた交通手段も見据え、総合的な交通体系の整備、確立を図ります。
効率的で計画的な下水道の整備を進め、河川の水質を保全し、清潔で快適な生活環境をつくります。
都市の成熟化に応じて、老朽化した公共施設の適切な維持管理を行うほか、他の用途への転換など有効な施設利用を図ります。
(3)自然、歴史、社会環境などを活かして、バランスのとれた魅力ある土地利 用を図ります
地域の生活・文化・産業・自然環境などの特性を活かした適切な土地の有効利用を図ります。
利便性や防災機能の向上のため、主要駅周辺における再開発や、既成市街地の再整備を図ります。
自然や文化的資産などを活用しながら、快適性、安全性などに配慮した景観の形成を進めます。
(4)産業を振興し、活力あるまちをつくります
商店及び商店街の活性化を図り、にぎわいと出会いのあるまちをつくるため、地域のふれあいを大切にした商業環境づくりを促進します。
産業構造の変化や技術的な革新にも対応できるよう、企業の経営基盤を強化するとともに、新産業の振興、集積を図ります。
市民と共存する都市型農業と水産業の振興を図り、市民が身近な農産物や水産物などの恵みを享受できるように努めます。

基本目標4  人と自然が共生するまち

 私たちは、快適で住み良い環境を目指して、その保全と創造に努め、自然と共生するまちを次世代に引き継いでいきます。
 市川には、川や海、黒松や北部台地の緑など、心の中に「ふるさと」をイメージさせる自然が残されています。また、私たちの生活に欠かせないエネルギー資源も自然の恩恵に支えられています。
 
 しかし、今日の大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会は、地球規模での環境に深刻な影響を及ぼしています。
 
 自然の循環は地球的な広がりを持ち、江戸川や真間川など身近にある川も、私たちの生活を支えながら東京湾へ、そして世界をつなぐ太平洋へと流れています。同様に、私たちの日常生活から発生する環境への負荷が、地域、都市と次第に大きな流れとなって地球環境にまで影響を及ぼしていきます。私たちは、このような循環という自然の摂理を理解し、一人ひとりの生活が地球環境問題と無縁でないことを自覚して、身近な地域で地球環境に配慮した取り組みを実践する必要があります。
 
 そのため、省資源・循環型の社会を実現させるとともに、大気汚染、水質汚濁、地下水・土壌汚染などの防止や環境への負荷の軽減に努めなければなりません。
 
 さらに、貴重な自然を大切に保全し、失われた自然をとりもどすことも重要です。北部を中心とした農地や東京湾の漁場も今や大切な都市の自然であり、このような自然を都市づくりに活かすとともに、身近に親しめる緑と水辺空間の新たな整備が必要です。
 自然環境は、市川に生まれ育つ子どもたちが、未来をつくっていくための重要な土壌となります。私たちは、一人ひとりの自覚と実践により、かけがえのない自然を守り、自然と共生するまちをつくります。
 
 
 ●施策の方向――――――――――――― 人と自然が共生するまち
 (1)自然を大切にし、やすらぎと潤いのあるまちをつくります
貴重な自然環境や多様な生態系を保全するため、人と自然が共生できる仕組みとライフスタイルの確立を進めます。
市内に点在する斜面樹林や農地の緑、市街地の黒松など良好な緑地の保全、創造に努め、緑豊かな環境づくりを進めます。
本市の貴重な財産である湧水、川、海などの水環境を活かし、人々が気軽に親しめる水辺空間の保全、創造に取り組みます。
自然の中で営まれる農業や漁業の環境保全機能を活かしたまちづくりを進めます。
(2)環境への負荷の少ないまちをつくります
市民、事業者、行政が一体となって、省資源、省エネルギーの推進に取り組み、環境負荷の少ないまちをつくります。
環境に関する教育や学習の機会を拡充し、環境活動を活性化します。
新たな環境汚染物質への対応をはじめとする環境保全の取り組みを充実し、安全で住みよいまちをつくります。
(3)廃棄物の発生を抑制し資源循環型のまちをつくります
市民、事業者、行政が一体となり、廃棄物の減量化や資源化を積極的、計画的に推進し、ごみを出さない生活様式の確立を図ります。
持続的に発展が可能な社会を目指し、限られた資源を有効に利用する資源循環型社会を構築します。

基本目標5  市民と行政がともに築くまち

 私たちは、豊かな未来を築くために市民と行政が協働してまちづくりを進めます。
 社会の発展とともに物の豊かさを手に入れることができるようになった今日、私たちは、自分の価値観に基づき、自分らしい生き方を追求するようにもなりました。しかし、その一方で社会に対する関心や責任感が薄らいでいくことのないようにすることも大切です。個人生活の充実は社会とともにあり、誰もが自分らしく生きられる社会をつくるために、その役割をともに分かち合うことが必要です。
 
 本来、まちづくりは社会全体の幸福を高めることが目標です。しかし、個人の価値観が多様化した今日では、社会全体の幸福への理解も一様ではなくなりました。地球環境問題や少子高齢社会への対応、地方分権の推進など、これからのまちづくりの課題を解決するためには、社会を構成するすべてのものが協働して取り組まなければなりません。
 
 そのため、従来の市民と行政の関係を改めて見直し、新しい「対等と協力」の関係のもとで、よりよいまちづくりの方向を見極め、行動していくことが重要です。
 
 市民と行政が情報を共有し、知恵を出し合い、役割を分担し、その実践に向けた体制の充実を図っていきます。
 これらの取り組みを通して、市川の豊かな未来のために、市民と行政が対等な関係で「ともに考え」、「ともに選び」、「ともに行動する」、市民と行政が協働するまちをつくります。
 
 
 ●施策の方向―――――――――――― 市民と行政がともに築くまち
 (1)市民と行政とのパートナーシップのもとでまちをつくります
多くの市民が市政に参加できる機会や仕組みづくりを充実します。
情報公開を積極的に進め、市政に関する情報の共有化を図ります。
(2)まちづくりのための新しいコミュニティをつくります
市民一人ひとりが地域への愛着を持ち、地域活動や市民同士の交流を通して、住みよい地域社会を形成できるようなコミュニティづくりを進めます。
ボランティア活動やNPO活動などへの参加意欲を高めるとともに、自発的活動を支援します。
(3)分権時代にふさわしい行財政運営を推進します
都市の自主性や自立性を高め、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図ります。
市民の多様な行政需要に対応するため、簡素で効率的な行政運営と健全で安定した財政運営の確立を図ります。
市域を超えて広がる市民生活や経済活動に対応するため、近隣自治体をはじめ、国、県との連携による広域行政を推進します。
(4)情報通信技術を市民生活の向上に活かします
情報通信技術を通して、市民サービスの向上を図り、誰もがより快適に暮らせるまちづくりを進めます。
これからの情報社会において、すべての市民が等しくその恩恵を享受し、また、不利益を被ることがないよう環境整備を進めます。

4 むすびに

   市川のまちは、人々が住み、働き、学び、憩う場として、はるか縄文の時代から現在、そして未来へと、時代の流れや社会の変化を受けながら、姿を変えて生き続けていきます。
 私たちは、一人ひとりが輝きながら安心していきいきと暮らし、笑顔と思いやり、愛着と誇りを持って、この市川に住み続けていきたいと願い、心の底からふるさとと呼べるまちをつくり、次世代へと引き継いでいかなければなりません。
 この基本構想は、21世紀の第一四半世紀を展望したまちづくりの目標を、市民と行政が共有し、協働して実現していくための道標(みちしるべ)となるものです。
 
 私たちは、目標とするまちづくりが確実に実現し、大きな成果をあげられるよう、施策を常に検証・評価し、ここに定める市川の将来都市像に一歩ずつ近づくよう努めていきます。

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