更新日: 2020年4月1日
健康都市とは?
■WHO(世界保健機関)の提唱する「健康都市」 WHOで健康都市という考えが生まれたのは、ヨーロッパを中心とする国々の都市で、人口の集中により生活環境が激変し、それが人々の健康に大きく影響するという深刻な状況を抱えるようになったことに遡ります。 WHOは健康都市(Healthy City)を「都市の物的・社会的環境の改善を行い、そこに住む人々が互いに助け合い、生活のあらゆる局面で自身の最高の状態を達成するために、都市にある様々な資源を幅広く活用し、つねに発展させていく都市」としています。 これまでの健康は、個人の責任によると考えられてきましたが、都市に住む住民の健康には、水や空気、安全な食べ物の確保、居住環境、都市の整備、教育など、個人の努力だけではどうにもならない要因が複雑に絡み合って影響しています。子ども・高齢者・病者・障がい者・低所得者・失業者等、健康被害の不利益を受けやすい人々を含め、都市に生活する人々の身体的、精神的、社会的健康水準を高めるためには、都市のいろいろな条件を整える必要があります。 このような認識のもとで、保健・医療とは無縁であった活動領域の人々にも健康の問題に深く関わってもらい、都市住民の健康を確保するための仕組みを構築しようという取り組みが、WHOの健康都市の取り組みです。 |
■「健康都市」って具体的にはどんな都市? なかなか健康都市の定義を読んだだけでは、具体的にどんな都市のことを示しているのか、わかりにくいかもしれません。もう少しかみくだいてご説明いたしましょう。 まず、「健康」というと、皆さんはどんなことを思い浮かべますか? ジョギングやウォーキング、スポーツなどで身体を鍛えたり、脂っこいものや塩分を控えるなど食事面で気を遣ったり…。 それとも、タバコやお酒を止めるとか、怪我や病気など身体の調子の悪い部分を治すために病院に通うとか…。 もちろん、これらのことは、個人の健康に大きく関わっている重要なことです。 しかし、個人の努力だけで果たして健康を維持・向上できるのでしょうか? |
では次に、「健康都市」と聞いて、どんな都市をイメージしますか? 「行政が、たくさんの健康診断とか健康教室などの保健・医療の事業を行っている都市?」 確かに、個人が健康に気を遣うだけでなく、行政が皆さんをサポートしていく事業を行ったり、サービスを提供することも必要なことです。しかし、今の社会環境において、健康に影響しているのは保健・医療の分野だけなのでしょうか? 例えば、「最近、ちょっと体重が増えて身体が重いな」と感じて、「家の周りを散歩でもしようかな」と考えたとき、どんなところでウォーキングをしたいと思いますか? きっと、景色が良くて、緑のにおいがするような空気の澄んだ場所で、子供たちが笑って遊んでいる風景が見えたりする道を歩きたいと感じたりするのではないでしょうか? また、汗をかいた後は、おいしい水を飲みながら、静かにくつろげる場所でゆったりしたり、周りの人たちと楽しくお話をしたりしたいと感じたりするのではないでしょうか? |

逆に、車が激しく往来して排気ガスが充満する、マンションや高層ビルの間のコンクリートの道を黙々と歩いていても、気持ち的にも身体にもあまり良いことではないですよね。 |
「健康」って、食事とか運動のような「個人の健康づくり」だけでなく、「人を取り巻く環境づくり」もすごく大切なことなんですよね。 実は、このような考えに基づき、健康を個人の責任としてのみ捉えるのではなく、みんなで、まちや社会の環境そのものを健康にしていこうとする取り組みがWHO(世界保健機関)の提唱する「健康都市」の取り組みなのです。 |
■本市の目指す「健康都市いちかわ」とは? 皆さんが自分の人生プランを考えたとき、それぞれの様々な形の「しあわせ」のイメージがあると思います。 では、本市が目指す、しあわせな「健康都市いちかわ」の都市像とはどんなものなのでしょうか? 本市の目指す「健康都市」は、お子さんからお年寄り、病気を患っていたり、障害をお持ちの方々も含め、皆さんが「安心して健やかに、自分の能力を生かしながら、生き生きと暮らしている」、そんな笑顔がいっぱいあふれているまちです。 |
花にたとえるとしたならば、まちじゅうに花が咲きほこっているようなイメージです。 |
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健康の花を育てていくには、花はもちろん、これを取り巻くさまざまな環境も大切です。 きれいな花が咲きつづけるために、太陽の光や、土壌へのたっぷりな水分や養分が必要です。 同じように、皆さん一人ひとりが笑顔で暮らせる「健康都市いちかわ」をつくっていくためには、市民の皆さん、企業、学校、行政など、みんなで支え続けていくことが必要不可欠です。力を合わせて「健康都市いちかわ」の実現を目指していきましょう。 |