更新日: 2024年4月1日
妊娠中に気をつけたい感染症
妊婦健診で調べる感染症
○風疹ウイルス
免疫のない女性が妊娠中に初めて感染した場合、赤ちゃんに胎内感染して、聴力障害・視力障害・先天性心疾患などの症状(先天性風疹症候群)を起こすことがあります。
○B型肝炎/C型肝炎ウイルス
赤ちゃんに感染しても多くは無症状ですが、まれに肝炎ウイルスが肝臓に炎症を起こす病気。肝炎・肝硬変・肝がんへと進行することがあります。
○ヒトT細胞白血病ウイルスー1型(HTLV-1)
母乳を介し、HTLV-1に感染する可能性があります。感染しても多くは無症状で、感染してから40年以上経過した後に発症することがあります。
○梅毒
赤ちゃんの神経や骨などに異常をきたし、流産、早産、子宮内死亡、胎児発育遅延や先天梅毒(脳障害、難聴、皮膚・眼・歯・骨の異常)などを起こすことがあります。
○性器クラミジア
性行為により感染します。流産や早産の原因になったり、産道感染すると新生児肺炎や結膜炎を起こすことがあります。
○HIV
性行為によりHIVに感染すると、エイズ(後天性免疫不全症候群)を引き起こします。
○B群溶血性レンサ球菌(GBS)
上行性感染・産道感染すると、軽い呼吸障害・哺乳力低下などの症状から始まり、重症化すると肺炎・敗血症・細菌性髄膜炎などに進行し、死亡あるいは後遺症を残す危険があります。
感染症の感染経路
食品からの病原体
○トキソプラズマ(加熱不十分な肉や洗っていない果実や野菜で見出されることがある原虫)
→これらの食品を口にすることにより感染することがあります。
ペットからの病原体
○トキソプラズマ→猫がトキソプラズマに感染した小動物や生肉を食べることにより猫を介し感染することがあります
○オウム病→オウム病に感染している鳥(オウム・インコなど)との接触により感染することがあります
こどもたちからの病原体
○流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
○サイトメガロウイルス感染症
○エンテロウイルス感染症
○伝染性紅斑 など
→これらに感染しているこどもと接触することで、感染することがあります。
性交渉からの病原体
○性器ヘルペス感染症
○淋菌感染症(淋病)
○梅毒
○トリコモナズ感染症
○B型肝炎
○HIV感染症
→これらの病気は性交渉によって広がります。
その他の病原体
赤ちゃんとお母さんの感染予防対策5カ条
妊娠中は家族・産後は自分にワクチンで予防しましょう。
ただし、妊娠中はワクチンを接種できません。特に風疹は妊娠中に感染すると、胎児に先天性風疹症候群を起こすことがあります。
そこで、妊婦健診で、風疹抗体を持っていない、あるいは抗体の値が低い場合、同居の家族に麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)を接種してもらいましょう。
手をよく洗いましょう。
調理時に生肉を扱う時、ガーデニングをする時、動物(猫など)の糞を処理する時などは、使い捨ての手袋をつけるか、その後、丁寧に手を洗いましょう。
体液に注意しましょう。
ご自分のお子さんのおむつでも使い捨ての手袋をつけて処理するか、その後丁寧に手を洗いましょう。
また、家族でも歯ブラシ等は共有せず、食べ物の口移しはやめましょう。
妊娠中の性生活ではコンドームを着用し、オーラルセックスは避けましょう。
しっかり加熱したものを食べましょう。
妊娠中は食べないようにしましょう。
生野菜はしっかり洗いましょう。
人ごみは避けましょう。
こどもはいろいろな感染症にかかりやすく、こどもを介して感染する病気もあります。
特に熱や発疹のあるこどもには注意しましょう。
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