更新日: 2021年3月25日

自然環境政策専門員の観察日記(2020年度)

生活環境整備課の鈴木専門員が、市内の自然で見つけた生きものたちを皆さまへご紹介するコーナーです。
野鳥や昆虫、植物など、たくさんの生きものをピックアップしていく予定です。
皆さまの身近にも、様々な自然が広がっているかもしれません。
ぜひお楽しみください。

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2021年3月

24日 タヌキ

市内のタヌキは70年位前に絶滅したと考えられていましたが、30年位前から再度、目撃されるようになりました。現在では市内全域に、広く生息が確認されています。
先日、江戸川沿いの斜面林で二匹のタヌキに出会いました。夜行性ですが、昼間でも出会うことがあります。市街地に出没することもありますが、静かに見守ってあげましょう。
二匹のタヌキ
用をたすタヌキ(夜間撮影)

2021年2月

24日 ムラサキツバメ

チョウは卵・幼虫・蛹・成虫と様々な形で冬を越し、その形は種類によって決まっています。大町自然観察園で、成虫で越冬するムラサキツバメに出会いました。南方系のシジミチョウですが、1990年代後半から関東地方にも分布を拡げ、今では市内でも普通に見られるようになりました。
分布拡大の一因には、温暖化の可能性もあります。冬の間はじっとしているのですが、暖かい日差しの日には動き出します。深い紫色に輝くオスが翅を広げていました。

翅を広げるオス
じっと春を待つ

2020年12月

21日 キジ

生物多様性モニタリングの調査員の方から、江戸川河川敷に羽根が散乱しているとの報告がありました。
現地に行ってみると茶色いシックな羽根がたくさん落ちていました。羽根の模様や大きさからキジの雌、状況からオオタカの餌食になったと思われました。
かつては市内の多くの場所に生息していたキジですが、現在では江戸川河川敷など数か所でしか観察されません。畑や田んぼ、草原などキジの棲む環境が少なくなったことが主な原因です。
ちなみにキジは国のシンボルとして選ばれた「国鳥」です。
 
キジ(雄)
散乱していた羽根

2020年11月

26日 トラツグミ

ツグミやアオジなど冬鳥が勢揃いし、市内で観察される野鳥が最も多い季節となりました。里見公園で鳥類調査をしている時、羽根が散乱しているのを見つけました。羽根の特徴から冬鳥のトラツグミだとわかりました。体の模様がトラに似ていることが、名前の由来です。
トラツグミは千葉県レッドリストで最重要生物(A)に指定されています。オオタカなどの猛禽類に襲われたようですが、贅沢な食事をしたものです。
 
トラツグミ
散乱した羽根

2020年9月

28日 トビハゼ

江戸川放水路の干潟で、水辺の生き物を観察してきました。干潟では様々な生き物が生息していますが、今回はトビハゼを紹介します。
魚でありながら発達した胸びれを利用して、泥の上をぴょんぴょんと跳ね回る様子は、とてもユーモラスです。干潮時に泥の上でゴカイなどを探して食べ、潮が満ちてくると岸辺の石や木などにはい上がります。環境省レッドリストでは準絶滅危惧種(NT)、千葉県レッドリストでは重要保護生物(B)に指定されています。
 
目がかわいい
胸びれを利用して移動
公民館オンライン講座「いちかわ生き物見っけ隊!」では、江戸川放水路の干潟の生き物を紹介しています(令和2年10月30日まで)。

公民館オンライン講座についてはこちらをご覧ください。
 

2020年8月

17日 スズミグモ

じゅん菜池緑地で見慣れないクモを見つけました。
最初に目についたのは、特徴的な大きな巣網です。中心にドーム状の網があり、周りにジョロウグモの網も、いくつもくっついていて、より大きな巣網となっていました。
巣網の中心には、獲物を捕らえて食事中の大きく綺麗なクモがいました。特徴的な巣網からスズミグモと判明、市内での記録は少ないと思われます。
スズミグモは南方系のクモで、温暖化の影響を受けて分布が北上していると話題にもなっています。
 
ヒグラシを捕えたスズミグモ
特徴的なドーム型の巣網

2020年7月

13日 サワガニ

大町自然観察園の湧き水が流れる水路で、サワガニに出会いました。
一生を渓流などで過ごす純淡水性のカニで、きれいな水にしか棲めないので、環境の指標生物にもなっています。
色彩には赤、青、褐色などがあります。移動能力が低いため、地域ごとに遺伝的分化が進んでいるとされます。
千葉県レッドデータブックで要保護生物(カテゴリーC)に指定されています。
褐色系の個体と子ガニ
青色系の個体

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千葉県市川市南八幡2丁目20番2号

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