会議録 (2003年2月 第6日目 2003年3月5日 )

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発言者:谷本久生教育総務部長

PFI事業によるメリットについてのお尋ねでございますが、初めにPFI事業の概要について、若干触れさせていただきます。PFI事業とはプライベート・ファイナンス・イニシアチブということで、民間資金と経営能力を活用した社会資本整備と訳されておれます。従来、公共施設の整備は自治体がみずから設計、建設、維持管理、運営を行ってまいりましたが、これらを民間の資金、経営能力、技術的能力を活用して整備する新しい手法でございます。また、実施方法も、従来は設計、建設、維持管理、運営をそれぞれ別々に民間業者に発注し、あるいはまた自治体みずから行うのが一般的でございましたが、PFIでは設計から運営までを一体の契約として締結し、1つの事業を一括して実施するものでございます。PFIは1980年代にイギリスで考案された制度で、日本におきましても、平成11年7月に法律が整備され、現在は各自治体でPFI方式を導入した施設整備が進められているところでございます。学校施設の事例といたしましては、本市の今回の事業のほか、14年9月にオープンしております東京都調布市、14年12月に契約済みの滋賀県野洲町、この2月に実施方針を公表した三重県四日市市がございます。
 本市のPFI事業によるメリットでございますが、今回、市川市立第七中学校校舎・給食室・公会堂整備等並びに保育所整備PFI事業、それと市川市ケアハウス等整備PFI事業の2つの事業で事業者を募集したところ、3つのグループから提案がございました。それらを建築、教育、児童福祉、老人福祉等の専門的知識を有する5名の外部の方々による内容の審査と提案額による総合評価で優先交渉権者を決定させていただいたところでございます。今回のPFI事業としましては、校舎等では通常のPFI方式でのやり方である建設費と、その後15年間の維持管理費の総額、ケアハウス等につきましては、厚生労働省の考えがまとめられましたPFI方式でのケアハウス整備のマニュアルに従い、建設費の比較で評価したものでございます。決定グループであります大成建設を代表とするグループの提案内容と市の実施した場合との比較でメリットについてご説明しますと、まず、コスト削減が図れた点でございます。それによりますと、校舎等は従来方式で行った場合、支払い総額で73億円が見込まれます。そこから、補助金、起債等の特定財源を除いて、市の負担額はおよそ56億円と見込んだところ、PFI方式でございますと、支払い総額は51億円で、特定財源を除いた市の負担額は45億円が見込まれます。市の負担額のトータル比較では、従来方式が56億円に対しまして、PFI方式が45億円となっております。
 なお、PFIの導入に当たっての額の比較は、先ほどご質問者もお話しありましたが、これは長期間の事業の経済価値を比較することから、将来負担すべきものを現在の貨幣価値に置きかえて比べるやり方、現在価値に換算して比べるやり方がとられております。これは、例えば事業期間中――本市の場合15年で設定しておりますが、期間中の必要額が同額であっても、事業開始当初に多額の支出を必要とする場合と、15年先に多くの支出を必要とするケースでは、経済的価値に違いが生じてまいります。その間に金利によるコストや物価上昇等が発生するため、将来の方が貨幣価値が落ちていくというのが一般的で、このような考え方によるものでございます。現在価値への換算は、将来の年度ごとの支出に対して一定の割引率を乗じて計算しますが、この割引率はPFIでは一般的に国土交通省のPFI事業指針から来ております4%が用いられておりますので、本事業でもその4%を使用させていただいております。このような方法で先ほどの従来方式の市負担56億円とPFI方式の市負担45億円を現在価値で比べますと、49億円対34億円に換算することができます。この額に平成16年度に市が買い取りますケアハウス等の買い取り額を含めますと、総額では従来方式が約60億に対し、PFI方式は44億4,000万となります。これによりまして26%の削減となるものでございます。
 このように、今回コストの削減が可能となった要因としましては、考えられますものは、まず工期の短縮がございます。従来方式では16年9月に学校部分を、17年1月に他の施設のオープンを想定しておりましたが、今回の提案では16年9月にすべての施設をオープンできることとなり、4カ月の工期短縮となっております。2つ目の要因としましては、工法、構造の工夫がございます。これは、学校の3階部分の上に乗る4階のケアハウスとの間に設備階を設けたり、あるいは床の施工等での工夫等も幾つかございます。そのほかにも、また市の想定しました段階では8階建てであったものが、近隣住民への配慮だけでなく、運営効率も考えた中で、5階建てで建設できることなどがございます。以上のほかにも、建設全体をシンプルな長方形として建設費の抑制を図ったり、学校とケアハウスの避難階段を供用として床面積を減らしたり、自然採光、自然通風を確保し、エネルギーの消費量を減らすなど、民間事業者ならではの創意工夫が十分盛り込まれた意欲的な提案となっております。
 また、メリットの大きなものの1つとしまして、支出の平準化が挙げられます。従来方式では建設年度に建設費の全額を支出しなければなりませんが、この額は44億6,000万が想定されますが、PFI方式では建設費の分割払いができることになります。今回の事業では、建設費として予定しております37億を完成年度の16年度に9億円支払い、残り28億円を15年間の分割払いとし、建設費の毎年の支出を2億円弱に平準化しての支出が可能となっております。
 このように、PFI事業には数々のメリットが期待できるものと考えております。
 次に、PFI事業における事務的ノウハウの取得という点でございますが、第七中学校の整備事業は、本市にとっても初めての学校における複合施設であり、また全国的にも前例のない複合施設でのPFI方式でございます。第七中学校にPFI方式の導入を本格的に検討を始めまして平成13年度に教育委員会へ七中建設担当室を設置し、また平成14年度に企画政策課内に総合的にPFI推進を検討するためのPFI担当を配置し、事務を進めてまいりました。現在に至るまでの間は担当職員の研修会への出席や先進市からの情報収集、さらにはPFIコンサルタントのアドバイスや県の支援を受けながら、内閣府や総務省との協議、また日本PFI協会からの助言を踏まえまして、文部科学省や厚生労働省との協議等、数々の新しい事務を進めてまいりました。これらはすべて初めての手法のため、検討過程ではさまざまな課題が生まれ、その解決に努力を重ねてまいりました。このような経過を経まして、昨年7月に特定事業の選定を行い、その後、事業者を公募し、優先交渉権者を選定したところでございます。
 これまでの一連の事務作業は、先ほどお話ししましたように、全国的にも例がないことであり、大変難しいものがございました。また、これらに要しました事務経費は13年度の事業手法調査委託料の800万円、あるいは14年度当初予算で計上しましたPFIアドバイザリー業務委託料3,400万や、あるいは本事業への担当職員、教育委員会、企画政策課の中で5名が今携わっておりますが、そういう人件費等が該当するものと思われます。このように、事務作業は多くの労力と経費と時間がかかりましたが、先ほどお答えしましたとおり、導入に当たっては、それ以上に大きなメリットが生まれたものと確信しております。
 今、多くの自治体におきましてPFI方式の検討が始まり、本事業の公表以降、数多くの自治体関係者から問い合わせや視察が参っております。視察件数でも、現在までに19市で69名の方が来ております。そのほかにも、市川市へ研修生の受け入れや、あるいは国の外郭団体へPFI事業の将来的な方向に向けての検討会へのメンバーへの参加とか、そのようにいろいろな面で活用しているところでございます。このように、この事業がいかに全国から、また注目されているかということを新たに認識したところでございます。この事業推進に当たりまして得たノウハウは大変貴重な財産になり、今後も生かせるものと考えております。
 以上でございます。

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