会議録 (2005年9月 第8日目 2005年9月21日 )

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発言者:田口 修水と緑の部長

 治水対策の6点に関する質問にお答えいたします。質問が多岐にわたっておりますので、少しお時間をいただきたいと思います。
 初めに、本市の地域的な特性についてお答えいたします。本市は、千葉県の北西部に位置し、西は江戸川を隔てて東京都に相対し、南は東京湾に面しております。都心から20qの圏内にあることからも、近郊住宅都市として発展してまいりました。また、南部の埋立地区への多くの企業進出により、京葉工業地帯の一翼を担っております。地形は、北部から南部に向かってやや傾斜しており、南部はおおむね標高2ないし3mの平たん地であり、北部一帯は標高20m程度の小高い台地を形成しております。本市を流れる主な河川は、江戸川のほか真間川水系の各河川、高谷川、秣川及び旧江戸川があり、これらに加えて東京湾が本市の雨水の放流先となっております。
 次に、河川流域の視点から本市を見ますと、河川の流末である東京湾に面していることからも、本市を流れる多くの河川の流域の下流部に本市は位置しております。したがいまして、本市を流れる河川の流量は、上流市などに比べて多くなることからも、河川の排水能力はより高いものが求められる上、本市における河川の治水上の重要度も相対し、より高いものでございます。また一方、河川や海などに地域の雨水排水を行う下水路の視点から本市を見ますと、排水先である河川や海との高さの関係から、自然の地形勾配で地域の排水を行うことのできる自然排水区と、ポンプ場により強制的に排水を行う必要のある強制排水区の面積がほぼ同等の割合となっております。
 区域的には、自然排水区は、本市は地形が北部から南部に傾斜していることから、本市中央部の真間川付近を境に、本市北側のおおむねの区域及び後から地盤が形成された臨海部の埋立地区などが自然排水区となっております。河川流域では、真間川水系河川のうち大柏川、国分川、春木川などの真間川本川以外の河川流域内のほとんどが自然排水区となっております。これに対して強制排水区は、臨海部の埋立地区を除く本市の南側の多くの区域であります。河川流域では、真間川本川、秣川、高谷川及び旧江戸川の河川流域内のほとんどの区域であり、東京湾に直接注ぐ行徳地区―――これは埋立地区以外でございますが―――などが強制排水区となっております。
 自然排水区と強制排水区の治水安全度の違いにつきましては、排水区の河川の整備状況等により一概には言えませんが、下水道としての整備コストについては、強制排水区はポンプ場の建設が必要なことからも、自然排水区の方が有利となります。このため、同規模で下水道として同レベルの整備を行おうとした場合、強制排水区の方が整備費用がかかるため、限られた財源の中では自然排水区より整備期間を要するものとなります。
 本市における特性といたしましては、自然排水区と強制排水区がほぼ同じ面積ではありますが、本市における人口密度の高い区域は強制排水区内に集中しております。このため、下水道として治水対策に対しての多くの市民ニーズにこたえるには、整備費用と時間はかかりますが、強制排水区の重点的な整備が必要となります。
 以上、河川及び下水道の視点、すなわち治水対策の視点から見ました本市の特性をまとめますと、1つとして、多くは東京湾に面した低地で平たん地であり、広域的に雨水の集まりやすい位置であること。2つ目として、これにより必要な河川の施設規模が大きく、整備に費用と時間がかかること。3つ目に、下水道整備として、人口の集中した市街地整備には下水道ポンプ場が必要であることなどから、本市域における治水施設の整備は相応の費用を要するものであり、水害に対しての対策はもとより容易ではないものであると言えます。
 本市の古くから水害に苦しめられてきた経緯はご存じのとおりでございますが、これに対して、特に昭和30年代から県、市により抜本的な河川改修及び下水道整備を進め、確実に治水安全度の向上を図ってまいりました。しかしながら、それを上回る形で高度成長時代の著しい都市化の進展に伴う保水・遊水機能の低下は進み、大雨時における雨水の流出はさらに増加し、多くの大都市が抱える都市型水害に対するもろもろの問題を本市も抱えている状況であります。
 2つ目に、現在までの取り組みの経過と成果ということです。まず、雨水につきましては、1時間の降雨量50oに対応できる計画整備を進めており、下水道事業といたしましては、昭和33年の狩野川台風の被害を契機にしまして、昭和36年、単独公共下水道事業として合流式の下水道で菅野処理区282haの整備に着手いたしまして、昭和51年度に事業を完了しております。また、都市下水路事業といたしましては、船橋市に隣接する中山地区113haを昭和52年より整備に着手いたしまして、平成9年に二俣地区13haを加えまして、単独公共下水道として合流式の下水道で西浦処理区124haの整備に着手しており、現在までに47haが整備されております。同じく都市下水路事業として北方地区55haを昭和59年より整備に着手しまして、昭和63年度に完了いたしております。なお、流域関連公共下水道事業としては、昭和47年より分流式下水道で市川南排水区の雨水整備に着手しまして、行徳地区、国府台地区にて143haの整備を行っております。なお、近年整備を行いました西浦処理区、行徳地区、国府台地区においては、浸水対策として一定の効果を上げております。
 河川改修事業としては、千葉県が昭和54年から真間川の改修工事に着手して、同年に総合治水対策特定河川として建設省の指定を受け、県と市川、松戸、鎌ヶ谷、船橋の流域4市によります真間川流域総合治水対策協議会を設定いたしました。また、昭和56年、61年、平成5年の3度の台風により、真間川、国分川、大柏川が河川激甚災害対策特別緊急事業に指定され、平成元年の台風では、大柏川が河川災害復旧助成事業に採択され、平成9年度までに事業は完了しております。
 本市といたしましても、昭和63年から平成14年までに都市基盤河川改修事業により真間川の中・上流部の整備を行っておりまして、さらに平成7年からは大柏川の上流部の河川改修事業に着手しております。また、流域貯留浸透事業としても、雨水貯留施設を小中学校や公園、調整池などに貯留し、最大降雨時での雨水流出量の放流を抑制する対策をしております。
 真間川水系の特筆すべき治水効果としては、国分川分水路が掲げられます。これは、松戸市和名ヶ谷地先で国分川洪水の一部を分水し、国分川と坂川の間をトンネルで坂川へ導いて江戸川へ放流するものであります。この工事は、江戸川へ放流する柳原排水機場の整備を含めて平成9年に完了しておりますが、1時間の降雨量50oに対応できる分水路となっておりまして、以前は1秒間に120tの水が市川市に流れておりましたが、以降は100tの水が坂川へ流れることになりまして、残りの20tが市川市に流れてくる計算になっております。ちなみに、平成8年9月の台風17号の折には、1時間の最大降雨量が31oでございましたが、分岐点下流部の国分川でははんらん等による被害はありませんでした。
 雨水排水事業といたしましては、昭和56年の台風24号の水害を契機といたしまして、昭和60年に1時間の降雨量50oに対応できる真間川の河川改修計画と整合を図りました市川市雨水排水基本計画を策定いたしまして、雨水幹線排水路や排水機場の整備を行ってまいりました。なお、この計画は下水道区域を除いた区域で、幹線排水路は整備延長229qに対しまして131qが整備されております。整備率は57.3%でございます。また、排水機場の整備については26の機場が計画されている中で、20機場が稼働されております。低地域の浸水解消に努めておるところであります。
 しかしながら、近年多発しております集中豪雨等に対しまして、平成13年より低地域浸水対策事業といたしまして、道路下にマンホールポンプを設置し、浸水区域の雨水を下流の整備済みであります幹線水路に強制排水する工事を行っております。そのほかの取り組みといたしましては、開発行為等による流出抑制施設の設置や盛り土の抑制などの指導を行っております。また、平成10年度より保水区域におきまして、雨水浸透升の設置に係る補助金を助成する雨水浸透施設設置助成制度、さらに、平成13年度からは、市内全域におきまして宅地内の降雨を貯留する雨水小型貯留施設設置に係る補助金を助成する雨水施設設置助成制度を創設してまいりました。なお、今年度より浸透効果の高い場所として市長が定める区域について、市民の責務として雨水浸透升の設置に努めていただけるよう市民あま水条例を制定しておりまして、市の責務といたしましても、市川1丁目地区と中国分地区の一部の地域で雨水浸透升を設置いたします。
 3番目に、今後の総合的な取り組みについてです。菅野処理区におきましては、平成15年度に真間・菅野排水区についての雨水排水基本計画の見直しを行いまして、排水区の増強に必要な貯留管等の検討を行ってまいりました。今後は、真間・菅野地区における真間川への放流量等につきまして千葉県と協議を行ってまいります。
 市川南排水区におきましては、当区域に縦断的に計画されている外環道路による分断対策並びに都市化の進展を踏まえた計画下水量の見直しが必要であることから、現在、計画の見直し作業を進めております。具体的には、外環道路による分断を考慮した管渠や、江戸川へ排水する新たな排水機場の配置等について検討を行っておりまして、現在、関係機関等との協議を進めておりまして、協議完了後、下水道事業の認可変更をしてまいります。
 田尻・高谷排水区におきましては、下水道事業未認可地区であります。この地区は、国、県、市等の関係機関により、外環東側サービス道路地下空間に既設の下水道機能をつけかえる方向で結論が出ておりまして、これは下水道幹線を縦断的に整備してまいりまして高谷川下流部に接続するもので、高谷川下流の高谷川排水機場を現行の毎秒7.4tから毎秒12tに増設する計画となっております。現在、関係機関と協議を進めておりまして、協議完了後、下水道事業の認可を取得してまいります。今後については、高谷川の河川改修工事及び外環道路の進捗状況を踏まえまして、下水道事業として雨水幹線排水路の整備に着手してまいりたいと考えております。
 市の事業といたしまして都市基盤河川改修事業がございますが、当面の目標である1時間の降雨量50oに対応できるよう、大柏川の上流部においても河川改修工事を進めてまいります。また、県事業といたしまして、春木川の河川改修工事や国分川調節池の掘削工事がございますが、今後も千葉県に引き続き早期の完成ができるよう要望してまいります。
 行徳地域においては、都市再生整備計画、いわゆるまちづくり交付金によりまして市川市の地域防災計画に位置づけられております押切ポンプ場、相之川第2ポンプ場、新井ポンプ場と下水道幹線の新井排水路の整備を、下水道計画に基づいて今年度から平成21年度までの5カ年間で整備をしてまいります。また、市の北部から中部を縦断する外環道路については、流出抑制施設の設置や下水道計画に基づく貯留施設等について、外環事業者であります国に協力をお願いしてまいります。
 4番目の浸水、冠水等の被害の多発地域に対する取り組みです。浸水、冠水等被害多発地域に対する当面の対策といたしましては、平成13年度より実施しております低地域浸水対策事業に引き続き、今年度と来年度にかけまして浸水対策事業を検討しております。これは、平成16年の台風22号、23号の影響による浸水並びに道路冠水をした地域について対策を検討するものであります。今年度は、これらの地域について排水路の整備や移動ポンプ車、毎分5tで2台でございますが、この導入により河川へ直接排水を行い、さらなる浸水対策を図ってまいります。また、水防体制についても、連絡体制の強化並びに早期の移動ポンプの配置及び土のう等による水防活動により対応を図ってまいります。
 しかし、幹線排水路や排水機場の整備については、相当の時間と期間を要しますので、暫定的ではございますが、既設排水路の流れに支障が生じないよう、定期的に維持管理に努めてまいります。
 5番目の想定雨量に対する考え方です。本市の内水対策の計画想定雨量は、国、県の指導に基づき1時間当たりの最大降雨量が50oの計画降雨を想定し、治水施設の規模を決め、整備が進められております。この50oの想定雨量は、まず第1段階として、早期かつ広域的に普及すべき整備目標であると認識していただければと思います。なお、本市の下水道計画上、この時間当たり50oの降雨は、統計的に5年に1度の確率で発生する大雨となっております。これは、雨の降り方は全国的には異なることから、国では全国的に、各都市において、まず5年に1度の確率で発生する大雨に対する下水道としての雨水対策を行うよう指導しているものであります。また、将来的には10年に1度の大雨だとか、長期的にはさらに強い雨、30年や50年に1度の降雨にも耐え得る治水施設の整備を目指すべく示されておりますが、まずは多くの方々に早期に一定レベルの治水安全度を確保できるよう、5年に1度の大雨に対応する施設整備を目指そうとするものであります。
 本市におきましても、まず早期に、より多くの皆様に第1目標である1時間当たり降雨50o対応の施設整備を普及できることを目途に進めてまいりますとともに、将来的にはより安全な、水害に強いまちづくりを目指し検討を図ってまいります。
 最後に、大規模浸水被害時の対策についてお答えいたします。平成13年6月13日の水防法の改正に伴い、国土交通大臣が洪水予報を行うことができる洪水予報河川に指定されている1級河川江戸川に加え、新たに県管理河川についても知事が洪水の予報を行えることとなりました。また、国土交通大臣または知事が洪水予報河川の浸水想定区域を指定し、公表することとなっております。それを受けて、国土交通省関東地方整備局江戸川河川事務所において、平成17年3月28日に1級河川江戸川の浸水想定区域の指定及び公表がなされたところであります。また、平成17年7月1日施行の水防法の改正に伴い、浸水の想定区域に含まれる市町村は、地域防災計画に洪水予報及び避難場所を定め、記載した印刷物を住民に配布し、周知することとなりました。また、1級河川真間川の浸水想定図を、千葉県においてことしの11月末に指定及び公表する予定であります。本市においても、1級河川真間川の浸水想定は欠かすことのできない河川でありますので、その結果を踏まえ、市川市のハザードマップの作成を行う計画で現在作業を進めているところであります。
 今後、市民の方々において災害時に円滑かつ迅速な避難の確保の措置ができるようなハザードマップを来年度に配布する予定で作業を進めております。
 以上でございます。

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