会議録 (2008年6月 第9日目 2008年6月18日 )

印刷する(印刷表示用ウィンドウを開く)

会議録内検索


前の発言へ 次の発言へ 最初の発言へ 一覧へ戻る 発言検索

発言者:矢作政雄消防局長

 消防行政について、福祉施設の防火対策のお尋ねにお答えいたします。
 ご案内のように、我が国の少子高齢化及び超高齢化社会への変遷は、他の先進国でも類を見ないほどのスピードで進んでおります。そのような社会構造の変化を背景に、精神的、あるいは肉体的にハンディキャップを持った方や、高齢者の介護をさまざまな理由により家族が行うことができなかったり、既存施設への入所が大変に厳しいという問題が発生してきました。そうした中で、これらの人々の受け入れ施設としましてケアホームやグループホームと呼ばれる施設が平成12年ごろから建設されるようになりました。市川市内にも防火対象物としまして27対象物、30施設が存在していることを消防局では把握しております。それらの施設は、消防法を初めとします法規制の対象外となっていたり、届け出を怠っているケースが多いことから、思わぬ事件や事故が各地でたびたび発生するようになりました。一例を挙げますと、平成18年1月8日に発生しました長崎県大村市のグループホームやすらぎの里さくら館の火災では7名の方が、その記憶が薄れかけた本年6月2日には神奈川県綾瀬市のケアホームハイムひまわりで3名の方が亡くなる火災が発生しました。
 そこで、これらの小規模な福祉施設の火災でなぜ悲惨な犠牲者が出てしまうのか、防火上の問題から、その原因を検証してみますと、1点目としましては、出火原因の特異性が挙げられます。入所者に喫煙する方がおりますと、たばこ、ライター、マッチなどの不始末により出火したり、こたつや電気カーペットなどの電気器具の使用によりますコードの接触不良やコンセントのトラッキングによる出火、そして、不幸な現実ですが、放火により出火する可能性もあります。2点目は、火災の早期発見及び通報に関する問題です。特に夜間では、当直職員が少ないことや入所者の介護従事に追われることが多いため、火災の発見や消防機関に対する通報がおくれたり、火災が発生した場合には職員がパニック状態に陥り、的確な通報を行えないケースが見られます。3点目は、初期消火に失敗してしまうケースです。先ほども申し上げましたが、職員が少ないことから、火災発生時には通報、避難介助等を優先的に行うため、初期消火に手が回らないというのが現状です。また、石油系の材料でつくられましたソファーや衣類、布団等が使用されていることが多いため延焼拡大速度が早く、極めて短い時間で火災規模が大きくなってしまうことで、消火の困難性も一段と高まってしまいます。4点目は、避難に係る問題です。特定の職員が出入り口の施錠管理を行っていたり、入所者が容易に屋外に出ることが難しい構造であったり、身体的な理由で自力で避難することができないなどのことから、通報や消火をしながら限られた職員で入所者全員を速やかに避難させることはなかなか容易なことではありません。5点目は、教育訓練等防火管理に係るものです。職員が防火管理講習や防火教育、訓練を受けていない場合は、火災の際に迅速、かつ的確な対応をすることは期待できません。また、そのような状況では、定期的な消防訓練等が行われているケースはまれであり、職員が設置されている消防用設備等の使用方法や有効な通報、避難の手順を理解していないことが多く、喫煙など火の取り扱いの制限を行っている場合であっても、それが徹底されていないというのが実情でございます。さらに、収容人員が30人未満の防火対象物では、防火管理者を選任する義務は課せられていないため、有効な防火管理体制の確立が進まない状況となっております。
 このようなことから、火災発生時に自力で避難することが著しく困難な社会福祉施設等の火災を防止するとともに、被害の軽減を図ることを目的に、平成19年6月13日付で消防法施行令の一部が改正され、消火器、自動火災報知設備、火災通報装置、延べ面積275平方メートル以上の施設にはスプリンクラー設備の設置が、さらに収容人員10人以上の施設には防火管理者を選任しなければならなくなりました。しかしながら、この法令は平成21年4月1日施行ということで、残念なことに、そのはざまで悲惨な火災が発生してしまいました。本市では、そのようなことのないように念入りな実態調査を行いまして、火災の防止及び防火安全対策の徹底を図ってまいります。
 以上でございます。

前の発言へ 次の発言へ 一覧へ戻る 発言検索


●このページに掲載されている情報の問い合わせ
市川市 議会事務局 議事課
〒272-8501
千葉県市川市南八幡2丁目20番2号
議事グループ 電話:047-334-3759 FAX:047-712-8794
調査グループ 電話:047-712-8673 FAX:047-712-8794