文化財(国指定)絹本著色十六羅漢像

絹本著色十六羅漢像(けんぽんちゃくしょくじゅうろくらかんぞう)

絹本著色十六羅漢像

十六羅漢というのは、仏の命を受け、この世で正法を護る16人の悟りを得た修行者のことです。本像は8曲屏風一双で、画面はおのおの縦87.5センチメートル、横48センチメートルです。16枚の羅漢像のうち12枚が原画で、第1・2・5・10の4枚は江戸時代に狩野派の伊川院と晴川院が補足したものです。

宋の末期あるいは元の初期の人と推定される趙キツ(ちょうきつ、キツは王へんに矛と冏)の筆で、「四明城塘趙キツ(キツは王へんに矛と冏)筆」の署名が見られます。「四明」は中国の上海に近く、酒の産地として知られ、謡曲の猩々にも出てくるところです。むかし日本船が多く出入りした寧波(ニンポー)に隣接し、日本の画家・雪舟も滞在し勉強していました。

原画は南宋系の仏画の流れを汲み、当時中国に流行した写実的な筆法で描かれており、背景描写が省略されているのが珍しく、特徴の一つです。

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