文化財(市指定)庚申五層塔
庚申五層塔(こうしんごそうとう)
庚申待ちの風習が日本に伝わったのは平安時代ですが、一般庶民にまで広がったのは室町時代末ごろで、江戸時代になってから流行しています。
人々は道端に病鬼を払うという青面金剛(しょうめんこんごう)や、猿田彦(さるたひこ)、庚申の「さる」から転じた庚申猿を彫った石塔を立てました。これが庚申塔です。猿田彦は道案内の神であったため、道祖神ともなって道標の役目を果たし、現在も各地に多種多様の庚申塔が残っています。
碑のように板状の庚申塔が多い中で、子安神社の庚申五層塔は五重塔をかたどっていて全国的にも珍しく、千葉県内では唯一のものです。塔身114センチメートルで、高さ39センチメートルの基壇と15センチメートルの台石の上に乗っています。あまり複雑な造りはなく、青面金剛などの彫刻もありません。基壇正面に銘文があり、左右面には岡本伊兵衛ら建立者9名の名前が浅く彫られています。
元禄三庚午年
奉待庚申神講衆
十月貳八日
とあることから、建てられたのが元禄3年(1690)であることが分かります。
庚申(こうしん)待ち
中国の道教の教えでは、庚申(かのえさる)の日は睡眠中に体内から三尸(さんし)という虫が抜け出して、天帝にその人の罪科を告げるというので、人々は集まって眠らない風習が生まれました。
庚申待ちは通常、村単位などの集団で行われ、その集まりのことを庚申講(こうしんこう)、庚申会(こうしんえ)ともいいます。
アクセス
- 所在地
- 柏井町3-654
- 交通
- JR総武線下総中山駅入口からバス「柏井」下車徒歩7分
子安神社の境内にあり、見学は自由。
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