更新日: 2020年12月15日

【報告】第3回健康都市連合国際大会開催報告

第3回健康都市国際大会ロゴ

大会概要

大会の趣旨

「すべての人々にとって、できる限り高い健康水準を享受することは基本的な権利である」というWHO憲章前文にあるとおり、健康であること、健康であり続けることへの人々の共通の願いを実現するため、世界の都市がネットワークを組み、力を合わせて取り組んでいこうというのがWHO健康都市の取り組みです。

市川市では2004年(平成16年)11月、WHO憲章の精神を尊重した「健康都市いちかわ」宣言を行いました。これによりWHOが世界で取り組んでいる「健康都市プログラム」に参加し、同じ目的で参加する各都市と連携して、市民の健康を高めていきます。

健康都市の推進は保健・医療の分野だけでなく、福祉や環境、教育、文化、街づくりなど広い分野で、市民の健康の向上を目指し地域を挙げて活動していこうとするものであり、さらに、同じ目的をもった都市が結束することで大きなパワーとなることが期待されています。
AFHCは、WHO西太平洋地域の諸国で健康都市を進める都市が集まり2003年に結成された組織ですが、今では10カ国89都市21団体が加盟する組織となっています。

この結束と情報交換の場となるAFHCの国際大会は2年毎に開催されます。
2004年のマレーシア・クチン市、2006年中国・蘇州市に引き続き2008年(平成20年)の開催は市川市が担当することになりました。

AFHCは世界に開かれた組織ですので、大会にはWHO西太平洋地域のみならず世界各国から健康都市に取り組む都市の首長や行政関係者、専門家が一堂に会します。

この大会は市川市における健康都市の取り組みをさらに活発にするばかりでなく、市川市を世界に知らしめる好機であります。市行政、民間団体、関係機関や大学など、市の総力を上げた取り組みにより、健康都市連合の歴史に永く残る大会を目指すものです。

  

大会の特徴

1. 世界の都市から首長や行政関係者、専門家が訪れ、一堂に会します
AFHC加盟都市、非加盟都市の市長・副市長及びWHO等の国際機関の代表者が市川市に集結します。

2. グローバルな話題を討議します
WHO世界健康デーのテーマ「ヘルスセキュリティー」をメインテーマに据え、都市の安全や食の問題など幅広い分野について討議し、持続可能な健康都市の取り組みを見出します。

3. 市民・民間企業も参加できます
AFHC加盟都市だけではなく、市民、企業、関連団体等も参加し、世界各国の関係者と幅広く交流します。

大会運営基本方針

1. 健康都市いちかわの連携強化
市民・地域・企業・団体・大学・行政など、あらゆる関係機関が一体となって国際大会を開催し、それを契機に強まった連携のもとで持続性のある「健康都市いちかわ」を目指します。

2. 健康都市連合及び国内における健康都市の連携強化
メンバー間で生活の質の向上や健康に関する共通した問題について知識や経験を共有し、更に、国内及び国際的なネットワークの構築に寄与します。

3. 市川市らしさを演出し、参加者の満足感が得られる大会の開催
市川市及び市川市民が中心となって、WHO、健康都市連合に加盟する国内及び国外の都市並びに関係団体が連携を図り大会を運営します。
大会で使用する施設等については、市川市内の大学及び市川市の既存施設を有効に活用します。
市川市民に理解を求め、積極的な市民参加により大会を運営し、市民の健康への取り組みを促進します。

内容

大会名: 第3回健康都市連合国際大会

メインテーマ: 健康で安全な都市社会 ~それを実現する健康都市の取組み~

 世界は今、様々な健康の危機にさらされている。経済発展とともに都市化、国際化が進み、今やボーダーレスの時代となった。それに伴い、感染症、食の安全、犯罪、環境汚染、といった健康に対する脅威も世界中に広まった。この脅威に対して緊急対策が必要である。2007年の世界保健デー(シンガポール)のテーマは「国際的な健康の安全保障(International Health Security)」である。世界が直面している健康の安全(ヘルス・セキュリティ)について、健康都市の立場から協議する。各都市が直面している健康の脅威とは?予防策は何か?対応策は?今後の発展に繋げられるのか?市民、地域、行政、連合が一体となって、健康で安全な暮らしの実現を可能にしくための方法を探し出す。AFHC憲章が掲げる「持続的な方法により都市居住者の健康を守り促進し、生活の質を向上させる」という目標実現に近づけるとよい。このメインテーマを受け、分科会にて10 のテーマについて討議する。

開催日: 2008年10月23日(木)~10月26日(日)

開催地: 千葉県市川市、市川市文化会館、和洋女子大学 、千葉商科大学 他

主催: 健康都市連合(AFHC)、市川市、第3回健康都市連合国際大会実行委員会

共催: 世界保健機関 西太平洋地域事務局(WHO / WPRO)

テクニカルサポート: WHO健康都市研究協力センター

   

後援: 厚生労働省、外務省、総務省、千葉県、(財)ちば国際コンベンションビューロー、社団法人 全国保健センター連合会

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参加者: 健康都市連合加盟都市、非加盟都市、関連団体、市民、民間企業、学術団体 等

会議公式言語: 英語、日本語

大会スケジュール:
 【10月23日(木)】
   参加登録受付、併催イベント
 【10月24日(金)】
   視察、理事都市会議、市長ミーティング、併催イベント
 【10月25日(土)】
   開会式、基調講演、市長サミット・市川宣言、絵日記発表、WHOフォトジャーナリズム、WHO・AFHC賞セレモニー、歓迎夕食会、併催イベント
 【10月26日(日)】
   AFHC総会、新理事都市会議、分科会、閉会式、WHO神戸センター主催セミナー
 ※併催イベントは、市民参加型イベント、WHO神戸センター(WKC)主催セミナーなど

参加登録料:11,000円
 【参加登録料に含まれる費用】
    ・各種学術会議への参加費
    ・視察費
    ・開会式・基調講演・表彰式への参加費
    ・抄録集、コングレスバッグ等の費用

宿泊施設: 幕張周辺のホテル・施設

大会案内リーフレット(PDF:約1134KB)

分科会内容

1.都市間ネットワークをさらに強固にする支部活動

《ファシリテーター》
 市川市 保健スポーツ部 部長 岡本博美
 フリンダース大学公衆衛生学 教授 Frances Baum (予定)
《キーワード》
 情報共有、都市間ネットワーク、支部活動
《セッションの目的》
 各国に結成されつつある連合支部組織の「現状と取り組み事例」を通して、支部活動の課題を理解(整理)し、今後、未結成の国がどのように結成にこぎつけ、また、どうしたら有効な支部活動を展開できるかを探る。
《期待される効果》
 ・未結成の国への結成のきっかけ作りとなる。
 ・既に支部を結成している国は、他国の取り組み事例を参考に、さらに充実した支部活動の展開を追及できる。
 ・健康都市プログラムが、都市間のネットワークを活動の基本的な形態としているところから、セッションを通じ健康都市そのものへの理解を深められる。

2.セティングアプローチの展開

《ファシリテーター》
 慶應義塾大学 名誉教授 井関 利明
《キーワード》
 地域の健康、職場における健康、部門間協力、持続可能なセティング・アプローチ
《セッションの目的》
 社会・文化的背景の異なる中での“projects to promote health”の諸事例を学ぶ。
 部門間協力(inter-sectoral partnership)の優れた諸事例(good practice)を学ぶ。
 プロジェクト推進に有効な技法・手法・評価法を学ぶ。
《期待される効果》
 ・ 各都市の成功事例、失敗事例からの教訓
 ・ 部門間協力の進め方、障害克服の仕方
 ・ プロジェクト成功の要因と条件の確認
 ・ セティング・アプローチの理論化と評価法

3.健康都市の評価方法と持続可能な取り組み

《ファシリテーター》
 明治大学理工学部 建築学科 准教授 山本 俊哉
《キーワード》
 モニタリング、適合インジケーター、証拠に基づく評価、地域に基づくプログラム、地域参加、パートナーシップ
《セッションの目的》
 健康都市プロジェクトの評価は、持続可能な展開を図る上で、ますます重要性が高まっている。このセッションでは、地方タバコ税や多言語サービス、都市計画や総合計画等、各都市の先行的な取組みの評価事例を報告していただくとともに、評価指標や論理モデル、住民参加、ネットワークづくり等、健康都市プロジェクトの評価の支援方法について話し合う。
《期待される効果》
 ・地域に根ざしたプログラムの実行
 ・効果的なリーダーシップ
 ・モニタリングシステム
 ・評価指標の改善等、健康都市プロジェクトのPDCAサイクルに係る知見や課題等
 ・住民参加の促進
 ・地域関係者と研究者の協働
 ・適応可能な評価指標づくり等、評価の支援方法の在り方や、評価に関する新たなアプローチ等
 ・効果的で持続的な取組みに関する可能性

4.安全な都市生活をおくるために

《ファシリテーター》
 東京歯科大学市川総合病院・角膜センター長 篠崎 尚史
《キーワード》
 安全環境と取り組み
《セッションの目的》
 このセッションは主に2つのテーマで構成されております。
 ・気候変動の予防と緩和
 ・健康の危機と犯罪のリスク削減と緩和
 地球温暖化および健康を脅かす危機に対する政策について発表を行います。
《期待される効果》
 ・他市の事例から学ぶ
 ・効果的な政策に焦点をあてる
 ・危機に備える
 ・他市に適用する方法をさぐる
 ・健康都市間ネットワーク強化について考える

5.地域の発展につながる健康都市の取り組み

《ファシリテーター》
 毎日新聞社 夕刊編集部長 野沢 和弘
《キーワード》
 経済発展、健康の決定要因の改善、NGO・NPO活動
《セッションの目的》
 グローバリゼーションによって「市場」の存在感が地域づくり、健康都市の実現にも大きな影響を及ぼす時代。公と民の連携、役割分担が地域の経済や文化、コミュニケーションの発展に重要な要因を占めるのではないかと言われる。市民、行政、研究者の立場から各地域での実践を発表し、現代的な健康都市づくりについて検証する。
《期待される効果》
 国・地域によって健康都市づくりの背景や前提条件は異なるが、それを踏まえた上で、行政の役割や「民」との関係の変容の中で、両者の連携について共通した発想や実践に向けた戦略を学ぶことができる。 飢餓や戦乱を脱してそれなりに安定した国情を迎えた時代、健康都市をどう作っていくかは各国共通の課題であることを再確認し、今後の研究や実践の土台を共有することができる。

6.健康都市の取り組みにおけるITの活用

《ファシリテーター》
 千葉商科大学 政策情報学部 教授 丹羽 宗弘
《キーワード》
 IT、健康都市
《セッションの目的》
 IT技術は、500年以上前の印刷技術をはるかにしのぐ情報革命を世界にもたらした。とくに、I T技術によって双方向性コミュニケーションが可能になったことで、人々のライフスタイルは大きく変わりつつある。本セッションは、Healthy City実現のため、IT技術を利用した地域住民の健康管理プログラムおよびその効果的な運用方法を提案することを目的としている。
《期待される効果》
 1) 地域住民の健康管理にふさわしいIT技術の利用法が提案できる
 2) 健康管理システムの運用上の問題点がシミュレートできる
 3) 双方向性コミュニケーションにより、住民の意見が行政へ迅速にフィードバックされ、より完成度の高いHealthy City の構築が可能となる。

7.次世代に引き継ぐ健康都市

《ファシリテーター》
 千葉大学教育学部養護教諭養成課程 准教授 岡田 加奈子
《キーワード》
 健康の社会的決定要因、社会的弱者、少子化、ヘルシースクール、ユニバーサルデザイン
《セッションの目的》
 現在、幼児虐待や、シングルマザーの増加、いじめによる引きこもり、自殺問題、家庭内暴力(DV)、高齢者の生きがい探し等、都市には問題が山積みである。都市問題が肥大化する中、少子化により次世代の担い手は減少しているという厳しい現状がある。ではどのようにして現在抱える課題を解決し、平和な社会を次世代に繋げられるのだろうか?健康の社会的決定要因、社会的弱者や少子化対策、ヘルシースクール、ユニバーサルデザイン等について検討する。
《期待される効果》
 現在、様々な問題があるが、問題解決に向け、次世代につなげられる各国の対策を共有出来る。

8.食の問題を考える

《ファシリテーター》
 東京歯科大学 衛生学講座 主任教授 松久保 隆
《キーワード》
 食の安全、生産、貿易、栄養、生活習慣病
《セッションの目的》
 食は健康の社会的決定要因の一つであり、生活に密着した重要な問題である。食の供給ルートのグローバル化に伴い、食の安全問題が世界的論議となっている。また、ファーストフードや異文化の広がりにより、栄養バランスを考慮に入れない食事、ストレスの多い現代社会における肥満問題等、都市には深刻な課題が多くなってきた。このセッションでは食の安全、生産、貿易、栄養、肥満等について意見交換を行う。。
《期待される効果》
 • 健康増進経験から健康的な食生活について学習すること
 • これらの活動を他の都市に応用するためのアイデアを探索すること
 • 健康的な食生活のための取り組みをさらに推進すること

9.体を動かす場と機会

《ファシリテーター》
 和洋女子大学 家政学部 健康栄養学科 教授 中嶋 英昭
《キーワード》
 身体活動,健康運動,スポーツ
《セッションの目的》
 身体的・精神的に健康を推進する運動 (スポーツを含めた身体活動全般)は健康都市に欠かせない要素である.運動を実践することは疾病を予防し,充実感を高め,精神の安定を促すことが知られている.運動によって市民の健康を促進するには,どのようにすればよいのか.このセッションでは,日常生活の中で,無理なく継続的に運動を行えるようにするための方法について議論する。
《期待される効果》
 発表者の考え方,実践例等を聞き,議論することによってそれぞれの国,あるいは地域で実行可能な方法を模索し,今後の職場や地域社会での健康づくり運動推進に役立てる。

10.こころの健康を支える取り組み

《ファシリテーター》
 国立国際医療センター国府台病院 精神科 医長 亀井 雄一
《キーワード》
 地域社会に基づくこころの健康
《セッションの目的》
 こころの健康は「病は気から」とあるように、こころの健康(メンタルヘルス)は身体の健康状態を大きく左右する。心の病が続き、エスカレートすることで、自殺や他殺などに繋がり自分や家族のみならず、社会的に大きな問題を起こしかねない。このセッションでは、心の病の要因を再認識し、病と 闘う人達への支援策や治療法について話し合う。
《期待される効果》
 ・ 他の都市の事例から学ぶ。
 ・ 地域社会に基づくこころの健康の拡充
 ・ こころの病を支えるシステム構築
 ・ そのアイディアの他市への適用方法

実績資料

参加実績(PDF:23KB)

開会式登壇者一覧(PDF:47KB)

市長サミット登壇者一覧(PDF:15KB)

・健康都市市川宣言
  和文(PDF:23KB)
  英文(PDF:70KB)

・絵日記コンクール応募作品
  日本児童作品(PDF:12.5MB)
  韓国児童作品(PDF:23.8MB)
  オーストラリア児童作品(PDF:635KB)
  シンガポール児童作品(PDF:2.8MB)

絵日記コンクール入賞者一覧(PDF:15KB)

WHO・AFHC賞の受賞について(PDF:324KB)

新理事会メンバー一覧(PDF:5KB)

分科会総括(PDF:9KB)

大会講評(PDF:8KB)

・広報紙

  広報いちかわNo.1281(PDF:468KB)
  広報いちかわNo.1289(PDF:1.1MB)
  広報いちかわNo.1293(PDF:545KB)
  広報いちかわNo.1297(PDF:903KB)
  広報いちかわNo.1301(1.4MB)
  広報いちかわ号外(PDF:4.2MB)

このページに掲載されている
情報の問い合わせ

市川市 企画部 健康都市推進課

〒272-8501
千葉県市川市八幡1丁目1番1号

電話
047-712-8642
FAX
047-712-8763