本文

由緒ある古い温泉地に行くと、明治・大正・昭和の文人たちの足跡を見かけることありませんか。例えば文学碑が建立、記念館が建設されていたり、温泉宿に「文豪○○先生執筆のお部屋」が当時のまま保存されていることもあります。温泉地に来る観光客のなかには、こうした文人のゆかりを訪ねて来る方も少なからずいるようです。
文人墨客たちは何故、湯治場を好んで訪れたのでしょう。第一の理由として、「原稿を書く静かな環境をもとめた」すなわち執筆の場、第二の理由として「小説舞台として温泉の鄙びた地を選んだ」、そして最後の理由、現代人にも通ずる「湯治療養のため」が大きな理由のようです。第二の理由に付随しますが、その温泉地が生まれ故郷だから小説舞台として選んだという文人もいます。
今回の特集では、いくつかの主要温泉と文人の関係をあらわした日本地図を掲示しました。その過程でできたささやかな温泉と文人墨客データベースをご紹介いたします。検索の際は、漢字(表記形:例「夏目漱石」など)でお願いします。
今後も「温泉を舞台とした作品」や「文人たちの足跡があるお宿」をもしご存知でしたら、ぜひお知らせください。
※この特集展示は、2004(平成16)年1月から2月にかけて、中央図書館で開催されました。

著者: 作品名・内容: 温泉名・所在県名:
寒い冬や仕事に疲れたあなたが、くつろいであたたまることができるお気に入りの温泉宿をみつけましょう。
「温泉力(別冊太陽107号)」

平凡社
副題に「日本最強の温泉場めぐり」とあるように、全国約20ヵ所の古来から湯治場として有名な温泉を選び抜いて、写真満載で紹介。温泉力=温泉の何がそんなに魅力があるのかを探る。
温泉教授・松田忠徳の日本百名湯
「名作を生んだ宿」
矢島 裕紀彦とサライ編集部/編 小学館
今回の特集のタネ本。最近では小説家先生たちはホテルで缶詰にされて原稿を書かされると聞きますが、昔の文豪たちは、自ら旅に出て執筆。全25名の作家たちゆかりの宿を紹介。作家ゆかりの品や原稿などの写真も多数収録。
「温泉百話」

中村昭/著 青弓社
東京大学卒の医学博士で日本温泉気候物理医学会理事でもある著者が選び抜いて語る温泉の雑学いろいろ。古今東西の文人が愛し、作品にも描かれた数々の温泉も紹介されています。また湯治の効能、海外の温泉療法等、科学的な側面もあり。
「温泉教授・松田忠徳の日本百名湯」
松田忠徳/著 日本経済新聞社
札幌国際大学観光学部教授で温泉文化論を講義している著者が選ぶ日本百名湯。同じ著者の「温泉教授の温泉ゼミナール」(光文社新書)<外部リンク>では、ホンモノの温泉の見分け方、温泉をより楽しむための知識をわかりやすく紹介。