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新緑の行楽シーズンに合わせて、「旅」をテーマにした図書や市川ゆかりの資料の展示を行いました。
※この特集展示は、2004(平成16)年5月1日から6月20日にかけて、中央図書館で開催されました。
協力:市川図書館友の会

の各テーマで関連図書を集めて約300冊


市川における文学は、日本最古の歌集『万葉集』に、都からの旅人高橋虫麻呂、山部赤人らによって「真間の手児奈」が詠まれたことに始まる。以降、「真間」は旅情を誘う「歌枕」の地として、多くの和歌に詠まれるようになる。中世には、『義経記』などに市川が登場する。
江戸時代、松尾芭蕉は『鹿島詣』で市川の様子を記している。江戸時代はまた、庶民も多く旅に出るようになり、今日の旅行ガイドに当たる『江戸名所図会』『成田参詣記』などに、市川の風物がイラストとともに描かれる。上田秋成『雨月物語』にある「浅茅が宿」も、市川の旅文学といえよう。

明治27年に総武線が開通すると、正岡子規、田山花袋など、多くの文人が市川を訪れ、その作品に「市川」を著した。市川ゆかりの作品として、伊藤左千夫『野菊の墓』、山本有三『波』、中野孝次『ブリューゲルの旅』、三島由紀夫『遠乗会』、井上ひさし『四千万歩の男』、山下清『裸の大将放浪記』、浮谷東次郎『がむしゃら1500キロ』、山本一力『草笛の音次郎』などが挙げられる。郭沫若『日本脱出記』も、壮絶な旅の記録といえよう。
図書館で特別コレクションとしている荷風、魁夷、星野道夫については「旅」とは、どんなものだったのだろうか。
永井荷風は、アメリカからヨーロッパに遊学した経験を基に『ふらんす物語』『あめりか物語』を発表し、文学界に新しい地平を切り拓いた。
東山魁夷は、北欧や国内をくまなく歩き、画題を求めた。
星野道夫も、「きっと、人はいつも、それぞれの光を捜し求める長い旅の途上なのだ」のことばを残し、旅先に消えていった。
ほかに、旅関係の著作の多い市川ゆかりの人としては、五木寛之、石川文洋、さだまさしなどがいる。

東山魁夷は、北欧や国内をくまなく歩き画題を求めた。
絵画コーナーでは以下の作品を展示

市川市在住の脚本家である水木作品で旅に関わる代表的な作品は、放浪の画家、山下清を描いた「裸の大将」であろう。また「白鳥の来る湖」は、新潟での紀行文。
