更新日: 2018年10月24日
藤田喬平 プロフィール
|市川の文化人|藤田喬平プロフィール| |
平成14年10月31日(木)、市川市名誉市民であるガラス工芸家藤田喬平氏が、平成14年度文化勲章を受章され、授賞式 が平成14年11月3日に皇居で行われました。
この度の受賞は、市川市民にとりましても、大変名誉なことであります。藤田喬平氏の受賞 を市民と共に心よりお喜び申し上げたいと思います。
平成17年「追想 藤田 喬平ガラスの世界」が開催されました。
平成14年11月16日(土)~12月1日(日)まで市川市文化会館で開催する「市川市収蔵美術作品展」で、藤田氏の作品を2点紹介します。
平成12年度の市川の文化人展「藤田喬平の世界展」でも紹介しました。
プロフィール
藤田喬平氏は、東京美術学校(現東京芸術大)で彫金を学び、1946年の第1回日展にも入選しましたが、ガラス工芸に転向しました。日本の伝統美を現代的視点でとらえた作品は、国 際的にも評価が高く、“現代の琳派”と評されています。色ガラスに金箔を混ぜた「飾筥(かざりばこ)」は、独自の分野を確立したと国内外で高い評価を受けました。
大正10 (1921年) |
現在の東京都新宿区百人町に生まれる | |
昭和19 (1944年) |
23歳 | 東京美術学校工芸科彫金部卒業 |
昭和22 (1947年) |
26歳 | 岩田工芸硝子に入社 |
昭和30 (1955年) |
34歳 | 市川市北方に転居 |
昭和32 (1957年) |
36歳 | 上野松坂屋にて第1回「藤田喬平手吹きガラス器新作展」開催 |
昭和36 (1961年) |
40歳 | 日本橋高島屋にて「藤田喬平硝子工芸創作展」開催。以降毎年開催 |
昭和39 (1964年) |
43歳 | 日本橋高島屋第4回個展にて、流動ガラス「虹彩」発表 |
昭和42 (1967年) |
46歳 | 日本橋高島屋第7回個展にて、流動ガラス十数点発表 |
昭和48 (1973年) |
52歳 | 日本橋高島屋第13回個展にて、飾筥最初の作品「菖蒲」発表 |
昭和50 (1975年) |
54歳 | デンマークの「世界のスタジオグラス展」に招待出品。日本を代表するガラス作家として高い評価を受ける。海外へ招待出品が頻繁となる |
昭和51 (1976年) |
55歳 | 日本ガラス工芸協会会長就任 |
昭和53 (1978年) |
57歳 | 日本橋高島屋第18回個展にて、ベネチアアムラーノ島にて制作の新作「カンナ文様ガラス器」発表 |
昭和55 (1980年) |
59歳 | 『藤田喬平手吹きガラス作品集』(アート社)刊行 |
昭和56 (1981年) |
60歳 | スウェーデン・オレフォース社にてクリスタル・ガラス作品を制作。千葉県立美術館にて第1回「千葉美術工芸展」に、代表委員として出品。 以降平成6(1994年)まで毎年出品 |
昭和58 (1983年) |
62歳 | 『藤田喬平版画集』(現代版画センター)刊行 |
昭和59 (1984年) |
63歳 | 日本橋高島屋第25回個展にて、「風」「創生」など新たな造形上の大作発表 |
昭和60 (1985年) |
64歳 | NHK日曜美術館「アトリエ訪問―ガラスに日本美をこめて―」放映 |
昭和61 (1986年) |
65歳 | 第25回「日本現代工芸美術展」に招待出品し文部大臣賞受賞。『雅びの夢―藤田喬平ガラス』(京都書院)刊行 |
平成元 (1989年) |
68歳 | 恩賜賞・日本芸術院賞受賞。日本芸術院会員に就任 |
平成3 (1991年) |
70歳 | 朝日新聞社主催「古希記念 藤田喬平の世界展」開催(東京、大阪、京都、横浜高島屋巡回) |
平成4 (1992年) |
71歳 | 富山市民プラザ・アートギャラリーにて「藤田喬平ガラス造形の世界展」開催 |
平成6 (1994年) |
73歳 | 勲三等瑞宝章受賞 |
平成8 (1996年) |
75歳 | 宮城県松島に藤田喬平美術館開館 |
平成9 (1997年) |
76歳 | 文化功労者となる。紺綬褒章受賞 |
平成10 (1998年) |
77歳 | アメリカ、ガラス・アート・ソサエティーよりライフタイム・アチーブメント・アウォード受賞 |
平成11 (1999年) |
78歳 | 市川市名誉市民となる |
平成12 (2000年) |
79歳 | 『2000年記念 藤田喬平のガラス』(求龍堂)刊行。日本橋三越にて「一期一会 小倉遊亀・藤田喬平展」開催。「市川の文化人展―藤田喬平の世界展」開催 |
平成13 (2001年) |
80歳 | デンマーク コペンハーゲン装飾美術館にて個展開催。傘寿記念個展開催 |
平成14 (2002年) |
81歳 | 文化勲章受章 |
主要参考文献
『藤田喬平美術館・作品集』 | 藤田喬平美術館 1996年 |
『藤田喬平のガラス芸術展』図録 | 黄金崎ガラスミュージアム 1998年 |
『2000年記念 藤田喬平のガラス』 | 求龍堂 2000年 |
『City Voice No.27』「アトリエ訪問 藤田喬平さん」 | 市川市 2000年 |
多彩な色彩と文様で独創性溢れる「飾筥」「オブジェ」「花器」 きっかけなど何もなかった。とにかく小さい頃からガラスがやりたかった。専門の学校もなく、東京美術学校で彫金を専攻。実際の技術はガラス工芸会社で覚えたが、一年半で退社。以来ずっと一人でガラスとつきあってきた。「人間ていうのはどんどん変わる」。空気や生活の中から生まれたその時々の心を表現し続ける。その藤田さんが独自の”日本の美”を追求したのが飾筥。金・プラチナ箔によって装飾された作品が世界の注目の的に。しかし、立ち止まったりはしない。「ガラスは形が自由自在。透明にも半透明にもなれる。可能性が一番あるよ。」今は「形のないイメージを形にする」オブジェづくりに意欲を見せる。そして一年の数ヶ月は外国へ。「ガラスは世界中どこでも同じ。僕は最初からインターナショナルを目指していたんだ。」どうやら、長年の研鑚と独創性が認められ、平成元年日本芸術院会員、平成9年文化功労者、平成11年市川市名誉市民の顕彰を受けた。 (ちらしより) |