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あま水浸透推進モデル事業

ページID:0001767 更新日:2025年10月27日 印刷ページ表示

事業の目的・経緯

  市川市では、市民あま水条例の施行にあわせて、平成17年度よりあま水浸透推進モデル事業を開始しました。
 モデル事業の目的は、「雨水浸透施設の効果を明確化し、浸透施設の設置促進を図る」ことで、平成23年度まで効果のモニタリングや解析を行いました。
 またモデル地区の住民の方々をはじめ、市民団体、学識者、施工業者の方々にもご協力をいただき、研究会・連絡会議を全8回開催し、意見交換や結果報告を行いました。

浸透施設仕組み模式図

※「雨水浸透施設」とは
 簡単にいうと、穴の開いたザルのような構造の桝(ます)や管(かん)で、周りに砕石と透水シートを巻いて設置します。
 通常の雨水桝や管に流れてきた雨水はこれらを通過して下流の側溝や合流式下水道管へ全て流れていきますが、浸透施設を介すと雨水を地面に浸み込ませることができ、下流へ流れる雨量を減らすことができます。
 雨水浸透桝、雨水浸透管(トレンチ)などがあります。

モデル地区

 モデル地区に選定した市川1丁目の一部、八幡4・5丁目の一部は、1972年以来、合流式公共下水道(雨水・汚水を同一の管で流す下水道)が供用されていますが、当初の予定を上回る市街化の進展により豪雨時には管路から雨水があふれ、道路冠水の常襲地区となっています。
 また、中国分2,3,4丁目地区は、市の北部の高台に位置しローム層で雨水が浸透しやすい土壌の地区ですが、市街化が進んで建物が密集し雨水の多くが土壌へ浸透せずに道路側溝に流れ出し、道路冠水の常襲地区になっています。

 そこでこれらの地区の宅地等に雨水浸透施設を集中的に設置し、

  • 合流式下水道管への雨水流出抑制
  • 下水道コストの削減
  • 浸水被害の軽減
  • 地下水涵養   などの効果を見えやすくするためにモデル地区に選定しました。

  モデル事業設置実績図

浸透効果検証結果

効果検証概要一覧表

表1
 項目  検証方法 検証結果
1.浸透能力の検証 平成18年度に設置した浸透桝で、現地浸透試験を実施し、雨水浸透能力を確認し、市基準と比較。

浸透強度1mm/hr~3mm/hr
 (※実験地点数が少ないため参考値)

 モデル事業で八幡4・5丁目地区に設置した全浸透桝で、地区全体に対して1mm/hr~3mm/hrの雨水を浸透可能と見込まれる。

2.流出抑制効果の検証 5ヵ年分の実測データ(降雨量、下水道管内流量)より、降雨が地表(宅地・道路等)から下水道管に流れ出る割合(流出率)、浸透施 設設置前後で比較
  • 流出抑制効果あり
浸透施設設置後の方が流出率が低く、流出抑制効果が認められた。
3.下水道コスト削減効果の検証 汚水・雨水の流出量の減少による下水道コストを浸透施設設置前後で比較。
  • コスト削減効果あり
    • 現況の設置率3%で、  年間90万円のコスト削減。
    • 設置率50%では、
       年間1100万円削減。(ただしシミュレーションによる参考値)
4.合流改善効果の検証
(雨天時に合流式下水道管を流れる下水が浄化処理をされずに河川へ放流されることによる水質汚濁、公衆衛生上の問題の改善効果)
雨天時の「未処理放流回数」と「未処理放流負荷量」(汚濁物質の量)を、浸透施設設置前後で比較。
浸透施設設置による雨水流出削減分が未処理放流負荷量の削減として計算。
 
5.地下水涵養効果の検証 5ヵ年分の地下水位実測データより、地下水涵養効果の検証。
  • 地下水涵養効果あり
地下水位が上昇傾向にあり、地下水涵養効果が認められた。
6.水循環系健全化効果
(都市化の進展で早まった水循環の速度や、地表部に偏った雨水流出経路を自然の状態に近づける効果)
水循環モデル(SHERモデル)を用い、蒸発散や地下流出も含めた水収支計算を行い、浸透施設の効果を検証。
  • 水循環系の健全化効果あり
    • 蒸発散量増加
       (ヒートアイランド化防止効果)
    • 表面流出量の減少
       (流出抑制効果)
    • 地下への浸透量の増加 (地下水涵養効果、
      (河川水質・流況改善効果)

検証結果の評価及び今後の事業展開

検証結果の評価

  1. 流出抑制効果
     流出抑制効果については定量評価には至りませんでしたが、浸透施設設置による一定の効果は認められました。
    今後の課題として、浸透施設による流出抑制量を下水道計画(排水施設の規模縮小等)に反映する場合には、浸透施設設置数の将来予測や浸透能力の適切な評価に基づく精密な検証が必要となります。
  2. 地下水涵養効果
     台地部では地下水位が上昇傾向あることが確認できましたが、浸透施設設置後5年間の地下水位観測しか行っていないため、浸透施設設置効果も地下水位上昇の一因である、という推察となります。
  3. 下水道コスト削減、合流改善、水循環健全化
    ​ シミュレーションに用いた数値のいくつかが仮定によるもの(市の基準値や隣接市内の水文データ等)であるため概算ではありますが、上記の3項目について、いずれも効果が見込まれるという結果が得られました。

今後の展開

上記の効果検証結果は概算や推察を含まれますが、浸透施設設置の効果が確認できたことから、これをもってあま水浸透モデル事業は終了します。
今後は以下のとおり浸透施設の普及促進を図ることとします。

  • 公共施設への浸透施設設置
     治水面で効果的な浸透施設の配置、維持管理の容易な施設を検討し、公共施設(道路側溝等)への浸透施設設置を進めていきます。
  • 浸透施設設置指導等
     浸透適地内に建築される際に、市民あま水条例へのご協力を引き続きお願いしていきます。
     また、宅地開発条例における浸透施設設置指導を引き続き行います。
     事業者・市民の方々におかれましては、市川市の良好な水循環系の保全のためにご協力をお願いいたします。
  • 既存建築物への浸透施設の普及促進(助成金制度)
     浸透適地内で、あま水条例施行以前に建築された既存建築物に浸透施設を設置する場合、助成金制度があります。
     浸透施設を設置された方から、「(切りっぱなしの雨樋を浸透桝に設置したことで)庭の水はけが良くなった」、「前面道路の冠水頻度が低減した」といったご意見もいただいておりますので、ぜひご活用ください。
  • 地下水涵養効果については、今後も地下水位観測を続け検証していきます。

モデル事業にご協力いただいた皆様へ

  • モデル事業にご協力いただきました自治会、市民、関係者の皆様には厚く御礼申し上げます。
    今後とも雨水浸透施設設置促進にご協力をお願いいたします。
  • 浸透桝の維持管理について浸透桝は細かい土砂等で穴が目詰まりすると浸透機能が落ちるので、年1回程度、点検・清掃していただけますようお願いします。

浸透桝の掃除方法はこちらをご参照ください(→​掃除マニュアルリンク [PDFファイル/226KB])。

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