更新日: 2024年7月23日
令和3年5月 市川市議会 中核市移行に関する特別委員会
令和3年5月20日(木曜)午前10時
場所
第1委員会室
出席委員
- 委員長
- 松井 努
- 副委員長
- 中山幸紀
- 委員
- 長友正徳
中村よしお
髙坂(こうさか)進
石原よしのり
かつまた竜大
宮本 均
竹内清海
金子 正
岩井清郎
欠席委員
なし
説明のため出席した者の職氏名
- 危機管理室長
- 二宮賢司
- 危機管理課長
- 染谷俊存
- 危機管理課副参事
- 森田かおり
- 総務部次長
- 福田雅人
- 人事課長
- 後藤貴志
- 人事課人材育成担当室長
- 山影聡香
- 給与課長
- 吉成 悟
- 企画部長
- 佐野滋人
- 中核市準備担当理事
- 鹿倉信一
- 企画部次長
- 小沢俊也
- 中核市移行準備課長
- 山室繁央
- 財政部次長
- 田中雅之
- 財政課長
- 遠山 忠
- 福祉部次長
- 高久 聡
- 福祉政策課長
- 池田孝広
- こども政策部次長
- 秋本賢一
- こども施設入園課長
- 小島信也
- こども施設運営課長
- 藤田俊雄
- こども施設計画課長
- 横山京子
- 保健部次長
- 河野謙一
- 健康支援課長
- 高橋一三
- 環境部次長
- 伊藤幸仁
- 生活環境保全課長
- 石橋久男
会議に付した事件
- 中核市移行に関する問題に関する調査・検討について
会議概要
午前10時開議
○松井 努委員長 ただいまから中核市移行に関する特別委員会を開会する。
○松井 努委員長 中核市移行に関する調査・検討についてを議題とする。
まず、追加資料についてである。本資料については、これより理事者に対し説明を求めるが、これに対する質疑は、通告による質疑を終えた後、挙手により行うことに御異議ないか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松井 努委員長 御異議なしと認める。よってそのとおり決した。
資料を配付し、御説明願いたい。
〔資料配付〕
○中核市移行準備課長 資料について御説明する。事前に資料2「保健所からの情報提供と法的根拠について」として配付していたが、最新の情報として資料に追記するものである。資料2の左下、「【参考】県への要望状況」の欄において、令和2年5月1日付の要望について記載しているが、その後、令和3年4月13日付の要望に対しては、別紙のとおり、県から4月30日付で回答があった。委員の皆様に資料配付した時期が4月30日より前だったため、当該内容を記載できず、最新の情報として別紙のとおり追加で配付させていただいた。あわせて、令和2年11月に県内各市町村の要望に対し、県から各市町村の担当課長宛てに通知が発出されていることを追記するものである。
○松井 努委員長 説明は終わった。
○石原よしのり委員 前回の中核市移行に関する特別委員会が3月23日に行われた後、いろいろな新聞記事において、このことが報道されている。その中で、委員長のコメントが掲載されているが、これについて疑問があるので伺いたい。
3月30日の朝日新聞の朝刊記事であるが、中核市移行、慎重な議論を市川市議会の委員会が経費23億円増の見通しがついてと記載されている。最後には松井委員長は、移行は悪いことではないだろうが、費用がかかる。結論を急ぐと逆にできなくなるので、時間をかけたいと話されたと記載されている。このコメントが特段どうというわけではないが、ここで記載されている中に、移行は悪いことではないのだろうとのコメントがあるが、この委員会の位置づけは、よい悪いも含めてゼロから、メリット、デメリットを含め、本当に移行すべきなのか、移行するに当たってはどうすればよいのかと議論することだと思うので、委員長の考えとこの委員会の立ち位置、立場をもう一度委員長から伺いたい。
○松井 努委員長 朝日新聞の記事か。
○石原よしのり委員 そうである。
○松井 努委員長 朝日新聞の記者から取材や電話があったことはない。1紙だけ電話があった。その新聞の名前は控えさせていただくが、御存じのように、特別委員会を設置した経緯は、議会として委員会を設置し、そこで慎重に議論するためなので、私が悪いことである、ないなどと記載があるようだが、それは記憶にない。新聞記者は懇意にしている方なので、話したのは、何も言いようがなく、今から議論をするので、慎重に審査をし、委員会でまず議論し、それによって定例会に諮り、質疑を行い、慎重に進めるべきであると発言したと記憶しているので、今石原委員が言われたように、私が特別委員会について、よい悪いについて述べた記憶はない。御理解いただきたい。
○石原よしのり委員 この委員会は、よい悪いも、是非も、進める、進めないも含めてニュートラルで我々は審査していくことでよいか。
○松井 努委員長 そうである。
○石原よしのり委員 この記事では悪いことのように書かれているが、委員長の言われている意図そのままではなく理解されたと理解してよいか。
○松井 努委員長 委員会として、委員長としても、今日も含め、まだ委員会は設置されたばかりで、慎重に審査を行い、なおかつ、ここで出した結論や答えが全てではなく、きちんと諮るべきで、当然議論される。並行しながら慎重に進めていくとのスタンスは変わらず、あくまでもニュートラルだと思うので、御理解いただきたい。
○松井 努委員長 次に、通告による質疑に入るが、あらかじめ各委員から質疑の通告が提出されている。そこで、本日の審査に当たり、限られた時間の中でより効率的な審査を行うため、初回の質疑を省略し、通告に対する答弁から入ることにしたいので、御了解願いたい。
理事者においては、簡潔に要を得た答弁を願いたい。また、各委員においては初回の答弁の後、再質疑の発言方法を総括、または一問一答から選択していただきたい。なお、質疑の発言順序は通告順なので、御了承願いたい。
それではまず、創生市川、岩井委員の質疑通告に対する答弁を願いたい。
○中核市移行準備課長 大項目1つ目、中核市移行に対してのデメリットについて答弁する。
中核市移行に伴い、県から移譲される事務については、地方自治法において、都道府県が一体的に処理することが中核市で処理することに比べて効率的な事務、中核市において処理することが適当でない事務、これら以外の事務と定義されている。つまり県が行う事務のうち、中核市へ移行する要件が備わり、力がある基礎自治体が実施したほうが効率的な行政運営や市民サービスが向上する事務が移譲される。このことから、県から事務が移譲されることにより、市民サービスの低下や行政の非効率化などのデメリットはないものと考えている。移譲される事務については、法律、政令等を根拠に移譲される法定移譲事務と県から移譲を検討する法定外移譲事務がある。今後、法定外移譲事務を含め移譲事務については、県と対等な立場で十分な協議を行い、単に役割を変更する移譲ではなく、市が実施することで市民サービスや行政の効率化につながるよう進めていく。
○財政課長 大項目の2つ目、影響見込額についての質疑について答弁する。
影響見込額は、新型コロナウイルス感染症が終息した後の額として捉えてよいか。万一、新たな感染症が発生した場合にはどのような見込額が想定されるかとの質疑になるが、事前に配付した中核市移行に伴う移譲事務等の概要の影響見込額については、新型コロナウイルス感染症の影響を受けず、あくまでも中核市への移行により、通常見込まれる影響額を示したもので、平常時における額として捉えているものである。また、新たな感染症が発生した場合の見込額については、中核市移行に伴う移譲事務にどの程度の影響があるかは現時点では把握できていない。
続いて、大項目3つ目、移譲事務等の費用対効果についての質疑に答弁する。
歳出見込額が款単位であることにつき、移譲事務等の内容ごとに計上しないと、その費用対効果が判断できないとの質疑であるが、今回、中核市移行に伴う歳出見込額のうち、移譲が想定される事務事業の事業費部分については、個々の移譲事務の内容ごとに経費を積み上げて積算した。しかしながら、人件費については、移譲事務の内容ごとに必要な人件費を割り振ることが難しく、それぞれの事務の目的別である款ごとに積算をしたため、今回の資料では事業費と人件費を合わせて民生費、衛生費などの款ごとに記載している。
○危機管理課長 大項目4つ目、保健所からの情報提供について答弁する。
感染症法について、法律では、感染症に係る届出について、医師は該当者を診断したときは、直ちに最寄りの保健所長を経由し、都道府県知事、保健所を設置する市はその市長に届け出なければいけないと定められている。保健所を持たない市町村への情報提供については、法令上、特段の位置づけはない。都道府県の判断に委ねられている。これについて、国からの事務連絡の中では、都道府県と市町村で十分に協議することとされている。情報提供については、法の定めに基づき、県と市がそれぞれの役割に応じて運用されるものと認識している。
○岩井清郎委員 一問一答で伺う。最初の中核市移行に対してのデメリットについて、本当にデメリットはないのか。私は長い間議員を務めているが、こういう問題が出たとき、必ずメリットとデメリットをまず考える。そして、どちらがどうなのか検証する。これを聞いたら、市民は、中核市になったら市川市は夢の国になると思う。この説明をもし市民向けにどこかの会場で行い、デメリットはないと答えたら、市民はどう思うか。私にはその感覚、感性が理解できない。本当にデメリットはないのか、もう一度伺いたい。
○中核市移行準備課長 デメリットとして捉えていないが、移行に当たり課題があることは十分認識している。例えば人材の確保が課題になると認識しており、保育所や特別養護老人ホームの指導監査の業務を市で実施することになるが、そこには知識、経験を持った人材を確保しなければならないと思っている。このような課題は解決しなければいけないと思っている。また、県の教職員の研修などについても、市で実施することにより、他の教職員と接する機会が減ることについては、市町村間の交流を確保する機会を設けるなど、課題については十分対応する必要があると考えている。
○岩井清郎委員 デメリットはないが、課題はあると、分かったような、分からないような答弁である。もし私が答弁するとすれば、デメリットはあると答弁する。年間二十数億円のお金がかかることは、そのほかにたくさんある事業をストップする、やめる、延ばすことになると思う。市民は、受けられるサービスが受けられなくなる、これはデメリットである。要は、デメリットがあることははっきり言うべきだと思う。それを課題にすり替えている。さらにこれからいろいろな問題が出てくる。それを1つずつ解決するのは行政の使命で、仕事である。根本の考え方で、今の説明を市民にしたら、とんでもないと言われると私は思うが、行政は、そんなことはない、デメリットはない、これが正しいと、説明するのか。これ以上このことは突っ込まないが、もう一度伺いたい。
○中核市移行準備課長 最初に答弁したとおり、移譲事務について、市民サービスを向上させる、行政の効率化を図る目的で移譲されるので、基本的にはそこに対してのサービスが低下するデメリットはないと考えている。そのために、デメリットとの表現をするかであるが、課題として捉えているので、解決すべき課題はあると思っている。
○岩井清郎委員 このことについてはこれ以上もう質疑しないが、今の私とのやり取りを聞いていた方がどんな気持ちで今の市の姿勢を受け取ったか、これは聞いた方の判断に任せる。
次は、影響見込額である。1番目のコロナが終息した後の平常時にはこの金額になることについては理解した。新たな感染症が発生したときの金額は分からないのは当たり前である。分からないのであれば、すごい額がかかるかもしれないし、少額で終わるかもしれない。少額ならばよいが、相当な額が負担になるとなれば、市川市単独ではなく、少なくとも県全体で、今保健所を運営している市は少ないわけで、運営していない市のことを考えたら、これは県が大々的に行うべき事業である。それは国との関連の中で行うべきことである。中核市になれば、市民にとってプラスになることがあることは承知しているが、分からないとの答弁であるから、高額になったときにはすごい金額を市川市が負担することになる。当たり前であるが、一応伺いたい。
○財政課長 確かに今回のような新たな感染症が拡大するなどの緊急事態が生じた場合は、中核市としての役割が大きく期待され、業務量や財政出動も大幅に増加することが想定される。したがって、中核市に移行した場合は、緊急事態も想定した財政運営が必要になると思われる。現時点では影響度合いは把握できていないが、例えば今回コロナウイルス感染症の影響が、2年度決算には大きく反映されていると思われるので、今後、船橋市や柏市などの先行自治体で保健所等の情報収集を行い、本市が移行した場合に置き換えた場合、どの程度影響するのか検証は必要になると考えている。
○岩井清郎委員 それは当たり前のことである。答弁できないと思う。それだけ大きな額が出るときに、市川市は対応できるとは思うが、本来ならば、1市で負担するのではなく、他市と一緒に負担する、そういう発想も片や置いて、常に考えていく必要があると私は思っているので、それは課題である。これからの課題として、私も考える。
次は、歳出の款単位についてである。先ほど人件費が、割り振りができないから事業ごとに出せないと伺ったが、人件費を除いた分で細かい項目で積算することも私はできると思う。いろいろ項目を見ていると、大きな金額が事業としてかかるもの、それほどかからないもの、いろいろある。ただ、款でまとめると全くわからない。もう少し詳しく資料を出すことはできないか。
○財政課長 資料の作成方法については、今質疑されたとおり、例えば歳出見込額のうち、事業費部分については、移譲される事業ごとの経費が分かるよう、今後、事業単位で示した資料を作成するなどの対応を図りたいと考えている。
○岩井清郎委員 この款ごとに出ている数字は全部積算である。細かく積算しているので、その数字を出せばよい。事業と人件費は全部トータルだが、財政の専門家であるから、大体この事業は3人でできる、これは1人でできる、この事業は0.3人でできるなど、ある程度は人件費も何らかの形で数値化できると思う。もちろん人件費の金額を出したら、それが訂正できないとまでは言わない。計算し人件費を説明していただきたいと思うが、そういう数値も何とか積算していただきたい。
○財政課長 今現在の歳出見込額の積算が、他市の中核市の経費を参考にしている。今後、本市における人件費の制度的なものを考えていく中で、事業に対してどのぐらい人件費がかかるのかを少し考えながら、人件費についてもある程度の案分ができないか検討いきたいと考えている。
○岩井清郎委員 私は、多分この数字を積算している裏にはもうその数字は積算できていると思う。そうでなければ、この数字は出てこない。そういう事業費と人件費を合わせた1項目ごとの費用を我々に示していただきたい。
次は、情報提供である。これからの時代、多分情報の通達の方法が根本的に変わると思う。現在の方法ではよくないとして今いろいろなことが動いている。県全体の市町村に相当な情報が流れてくる制度は、多分国がつくると思う。そうしなければ、やはり国民が納得できない、理解できない、今そういう状況である。現在の状況については理解した。これは再質疑しても、相手があることで、今ここでどうなると答弁できないと思うので、とにかくお願いしておきたいのは、これから情報伝達の方法は大きく変化していくであろうから、そこについて十分先を見込んで、市川市の中においてもよく考えていただきたい。時間が残っているが、中身で勝負であるから、私はこれで終わる。
○松井 努委員長 次に、創生市川、金子正委員の質疑通告に対する答弁を願いたい。
○中核市移行準備課長 私からは、まず中核市移行に伴う施設整備についての(1)保健所の設置の方向性について答弁する。
まず、現施設との関連性については、市川保健所は築50年以上経過しており、築年数や今後の保健所機能の向上などを考えると、将来的には基本的に市で建設することが必要になると考えている。一方、設計から建設までは一定の期間を要することから、円滑な中核市への移行と引き継いだ業務をいち早く市民サービスに反映することを考慮し、一時的には現在の市川保健所を活用することも考えなければならないと思っている。また、市川保健所では、本市と浦安市の2市を管轄しており、中核市移行により本市が保健所を設置した場合、浦安市は引き続き県が管轄することになり、保健所の整備と併せ、これまで築き上げた圏域での医療提供体制の維持や向上も含め、県との協議が必要になると考えている。
次に、設置場所等については、まず、保健所の機能や役割を踏まえ、その規模を検討した上で場所を選定する必要がある。施設の規模は、現在の市川保健所の業務や市の保健センター業務との関係、また検査業務の範囲などのほか、迅速な業務を行うために必要な情報通信設備など、必要な機能に応じた規模が必要になる。設置場所については、保健所は市民の健康を守る拠点として、災害時における交通インフラとの関係や、健康づくりやスポーツ施策との関連性、また市内各地域からのアクセスなど、様々な視点での検討が必要と考えているので、様々な意見を伺いながら、設置場所を選定する。
設置整備の費用については、既存の施設を活用するのか、別の場所に新設するのか、複合化するのか、また土地を新たに購入する必要があるのか、対応により大きく変わるので、現時点で説明することは難しいが、様々な意見を伺った上で、計画を示していく。
○生活環境保全課長 私からは、大項目1点目、中核市移行に伴う施設整備のうち、(2)の動物愛護センター施設整備に関する3点の質疑に答弁する。
初めに、アの事業の現状である。千葉県動物愛護センターは、県の動物愛護管理行政の中核を担っており、本所は富里市、東葛飾支所は柏市にある。現在、市川保健所で引取りや捕獲された動物は東葛飾支所に移送されている。具体的な業務内容は、動物愛護精神の普及啓発、危険な動物の飼育等に関する許可や指導、犬、猫の引取り、飼い主への返還や譲渡等を実施している。
次に、イの施設整備の具体的な方向性についてである。動物関連行政については、従来の動物から人への危害を防止することに重点を置いたものから、近年は動物愛護や適正飼養の推進、殺処分の削減、災害対策の強化等がより強く求められるようになった。多様化するニーズに対応するには、市単独で動物愛護センターを整備する方向が望ましいものと考えている。なお、建設には一定の期間を要することから、今後、千葉県との協議が必要であると考えている。
次に、ウの設置場所・整備費用等についてである。動物愛護センターの設置場所については、収容された動物の鳴き声等による周辺の生活環境に与える影響への配慮のほか、動物愛護教室の開催、犬、猫の譲渡会、不妊、去勢手術の実施など、市民が動物愛護活動団体等の学びや活動支援の拠点にもなることから、施設の機能や規模、利便性等を含め、様々な意見を伺いながら十分精査する必要があると考えている。整備費用については、現時点では施設の規模や設備等が定まっていないので、具体的にはわからないが、本市と同程度の人口規模の川口市では、平成30年度に犬、猫の収容施設、事務所、倉庫等を含め、延べ床面積322㎡の施設を約2億円で整備している。
○中核市移行準備課長 続いて、保健所の運営についての資料にある主な移譲事務等の内容、12項目それぞれの配置人員の内訳、資格要件について答弁する。
保健所の運営に係る増員分は、おおむね60人程度を見込んでいる。職種は、医師、薬剤師、獣医師、保健師、臨床検査技師、管理栄養士、精神保健福祉士及び事務職などを想定している。資料の項目について、これらの職員と既存の保健センターの職員などで対応していくことを想定している。職員数については、現在の市川保健所や近隣の類似自治体の人数を参考に全体を算出しており、業務別の詳細な人数、また人件費の算出に至るような詳細な人数まではまだ算出できていないが、現時点で想定できる範囲で答弁する。
まず1項目について、保健・医療・福祉に関する業務である。保健所全般の業務であるが、地域保健に関する事項や医事、薬事に関する事項、また地域住民の健康の保持及び増進を図るための調査研究の事項などが法で定められており、担当する職種は、薬剤師、保健師、事務職を想定しており、おおむね10人分程度の事務量を見込んでいる。
続いて、2項目について、災害対応、保健所全般については、保健所自体の機能であり、移譲事務としての項目ではないが、保健所が地域防災計画において情報収集体制に組み込まれ、情報収集体制が強化されるほか、避難者のメンタル的な支援などが強化される。関連する移譲事務は、精神疾患の治療等に関する相談及び指導などとなるが、災害対応については、保健所全体を想定している。
続いて、3項目について、健康、危機管理、保健所全般の移譲事務は、感染症に関する調査、情報収集、厚生労働大臣への報告、圏域支所等の連携、就業制限、その他の措置、新型インフルエンザ感染症に関する措置などがあり、医師である所長の指示の下、保健所全体で当たることを想定している。
続いて、4項目について、精神障がい者等の支援の移譲事務は、精神疾患の治療等に関する相談及び指導があり、担当する職種は、保健師、精神保健福祉士を想定しており、7人分程度の事務量になると見込んでいる。
続いて、5項目について、特定不妊治療の費用助成の移譲事務は、不妊に悩む方への特定治療支援事業があり、担当する職種は、保健師、事務職を想定しており、3人分程度の事務量になると見込んでいる。
続いて、6項目について、小児慢性特定疾病医療費の支給認定事務は、小児慢性特定疾病支給認定、児童福祉法等に定められる事務になるが、担当する職種は、保健師、事務職を想定しており、2人分程度の事務量になると見込んでいる。
続いて、7項目について、飲食店の営業許可等の移譲事務は、飲食店の営業許可や違反営業者に対する改善命令などがあり、担当する職種は、薬剤師、獣医師、臨床検査技師などを想定しており、8人分程度の事務量になると見込んでいる。
続いて、8項目について、国民健康栄養調査の実施の移譲事務は、国民健康栄養調査の執行に関する事務が健康増進法等に定められており、担当する職種は、管理栄養士、事務職を想定しており、3人分程度の事務量になると見込んでいる。
続いて、9項目について、医薬品販売の許可、立入検査の移譲事務は、医薬品製造販売業の許可や医薬品販売事業者等に対する立入検査などがあり、担当する職種は薬剤師を想定しており、2人分程度の事務量を見込んでいる。
続いて、10項目について、食中毒への対応については、食中毒を診断した医師から保健所への報告、また食中毒防止等のための食品と事業者に対する助言指導などがあり、担当する職種は薬剤師、獣医師などを想定しており、8人分程度の事務量になると見込んでいる。
続いて、11項目、12項目について、動物愛護に関する事務と迷い犬の捕獲になるが、こちらは動物愛護センター全体として、人数は8人程度になると想定している。犬、猫の引取り、譲り渡しに関することは、担当する職種は獣医師、事務職を想定しており、この事務は4人程度の事務量になると思う。また、迷い犬の保護は、担当する職種は獣医師を想定しており、2人分程度の事務量になると見込んでいる。その他の動物愛護センターの事務を含め、全部で8人程度と見込んでいる。
千葉県からの移譲事務や外部委託する範囲などを踏まえ、今後、適切な職員配置になるよう検討していく。
○人事課長 私からは、保健所の運営についてのうち、(2)の配置人員の育成内容とスケジュールについて答弁する。
初めに、配置人員の育成内容についてである。職員の配置においては、まずは採用試験を実施し、新たに職員を採用することで人材を確保し、配置したいと考えている。その上で、新規採用職員など、保健所の経験のない職員のみでの運営は困難であることから、現在の市川保健所に勤務する職員や他の保健所で現に勤務している職員を派遣、または割愛採用により配置してもらえるよう、県と協議していく。そこで、特に保健所勤務の経験がない新規採用職員などについては、県や保健所を持つ他市との協議を十分に行った上、その一部を移行前に採用し、派遣研修により、実務を経験させることで育成していきたいと考えている。
次に、スケジュールであるが、人材の育成には一定の期間を要することになる。他市の状況を見ると、柏市は移行の3年前、船橋市は2年前から段階的に派遣研修を実施し、人材を育成している。保健所勤務の経験のある職員をどれだけ確保できるかにもよるが、保健所の運営が円滑に行われるよう計画的に人材育成を行っていく。
○生活環境保全課長 大項目3点目、産廃収集運搬・処分業の許可・指導に関する2点の質疑に答弁する。
初めに、(1)の県事業として行われている現状の問題点、課題である。県では、廃棄物指導課で産業廃棄物の収集運搬・処分業に関する許可の業務を行っている。また、県下10か所にある地域振興事務所では、不法投棄に関し、パトロール、指導等に関する業務を行っている。問題点、課題として、各地域振興事務所では、複数の市を所管していることから、本市だけに特化した迅速な対応は難しく、産廃問題に対する初動対応の迅速化が課題である。このような課題に対応するため、指導権限の移譲と組織体制の整備が必要であると考えている。
次に、(2)の一般廃棄物と併せた全般事務の一元化による具体的なメリットは、中核市移行に伴い、事務処理の効率化と迅速化を図ることができるものと考えている。これは産業廃棄物については県、一般廃棄物は市の所管と分かれている廃棄物に関する相談や指導等が一元化されるためである。
○金子 正委員 まず、中核市移行に伴う施設整備についてである。今回いただいた資料の中で、移譲事務の内容、効果、あるいは歳出見込額と歳入見込額などの資料が提出されたが、最終的に約24億6,000万円、当初、23億円と伺っていたが、1億6,000万円繰り上がり、だんだん心配になるが、これはランニングコストしか含まれていない。イニシャルコストは含まれていないと欄外に記載されている。保健所あるいは動物愛護センター等の施設整備、移譲事務が移譲され、採用する職員人件費、移譲事務システム費用、これらは含まれていない。したがって、我々は、中核市は権限を持って市民サービスを拡大していることはそれなりの価値があると思っているが、要は費用対効果、たまたま市川市が不交付団体で、その費用を全部単独で市で負担しなければならない。そこに費用対効果の課題があることが最大のテーマだと思う。
そこで、保健所をつくるにはどのぐらいかかるのか、あるいは動物愛護センターはどれぐらいかかるか質疑したわけであるが、今、答弁を伺い、保健所については県との協議が必要で、浦安との問題もどうするか、単独で運営するのか、今の施設を使うのか、県との細かい協議をした上で、現施設をいつまで市と県が一緒に使用していくのかなど、はっきり言ってメリットがない。そういうものが全く見えない中で、我々に中核市になったほうがよいのかを判断しろと言われても無理な話であると思う。今の答弁では、愛護センターについては、約4億円で富里かどこかでつくったようであるが、他市の例から見ると十数億円の予算をまた別に考えなければならないとの印象がある。この辺がはっきりしてこないと判断のしようがない。
そこで伺うが、保健所についてどうするか、浦安のことをどうするか、県との協議が進む状況、お互いに定期的な協議の期間はスタートしているのか、あるいはいつ頃になればはっきりしてくるのか伺いたい。
○松井 努委員長 一問一答でよいか。
○金子 正委員 各大項目の中で、一問一答である。
○中核市移行準備課長 現在も県とは協議を進めているが、まだ具体的にどうするかお互いに示せない状況である。具体的にどのようなことができるのか、できないのかをきちんと整理して話をしないといけないと思っている。時期については、まだ特に定めはなく、いつまでにどうしようとまでは県とは話していないが、なるべく速やかに方向性を出さなければいけないと思っている。
○金子 正委員 協議が進んでいるが、具体的に皆さんに判断してもらう材料、保健所についてはどれぐらい施設整備費がかかるかも分からない。どこか他市の議会へ行き話を伺っているとよく言われているが、保健所建設に対し、どちらが運営するにしろ、基本的にはあるものを使えばよい気がするが、今老朽化しているならば、他市の例も含めて保健所建設は、どの程度市川市が負担しなければならないのか、あるいはこういう施設整備費までも不交付団体については一切援助が出ないのか伺いたい。動物愛護については分かった。
○中核市移行準備課長 他市では様々な例があるが、まず一から新設した例として、越谷市では、市立の看護専門学校の跡地に新設しており、夜間急患診療所なども含めて総額19億7,000万円をかけて整備している。次に、既存の施設を改修した例として、水戸市が既存の保健センターを改修、増築しており、初期費用として18億5,000万円をかけて整備している。また、県の施設を譲り受けた例として、川口市は、平成7年にできた県の保健所を譲渡され、併せて市庁舎の改修などを行っている。県の保健所の改修費用で4,000万円のほか、市庁舎に検査施設を改修したことで4億7,000万円、合計5億1,000万円で整備している。
○金子 正委員 市川市がまだ具体的な施設規模、施設内容が決まっていないので、積算できていないと言いながら、我々は判断材料がどうしても必要なので、イニシャルコストとしてどのぐらいかかるかが市民に示されないと、やはりこれは中核市になるべきかならないかの判断は難しい。不交付団体だとやはり市川市が建設費は全部負担するのか。
○財政課長 建設事業費のうち、例えば借り入れを行った場合、公債費の償還があり、それが交付税の算定上、歳入されることはあるが、今回の保健所の建設に関しては、交付税上の影響はない。
○金子 正委員 やはり20億円レベルのイニシャルコストがかかる。その建設費を借り入れるとなると、24億プラスアルファがかかる。判断材料が1つ示されたとして進めていきたいと思う。
次に、大きな2番目であるが、保健所の内容がよく分かった。人員的には60人プラスアルファ、保健師がいるから、新たに60人ぐらい採用だと。資格がある人はこれだけ必要と伺った。費用別に何人、何人と示されたので、よく分かった。大事なのは、新規採用については、研修等を含めると、やはり他市では3年、2年のレベルの研修が必要だと伺った。市長が宣言したのは9月で、2年半あった。2年半かけるならよいが、市長が目指すのは5年の4月であるから、現段階でちょうど2年になる。残り2年で、まだ委員会で市川市はそれを目指そうと決定していない中で、今のようなスケジュールが示されたとして、令和5年4月は、とんでもない時間ではないか、現実的に無理があるのではないか。安定して人材を確保したいと言われても、保健所を配置するとなれば、これから多分委員会で採決するまで時間がかかるので、このスケジュールが今示されたのはとんでもないスケジュールのそご、現実的ではない。これについていかがか。
○人事課長 保健所勤務の経験のある職員をどれだけ確保できるかによるが、今まさに行われている中核市移行に関する今後の議論の進捗を踏まえ、できるだけ速やかに移行できるよう準備を進めてまいりたいと考えている。
○金子 正委員 皆さんはそう言わざるを得ないので、5年の4月がある限り、我々議会も含めて振り回されるだけである。この辺は、弾力的に市長に判断してもらわなければならない。このスケジュールを見てよく理解できた。
最後の産廃であるが、行徳富士を思い出した。千葉市長の頃、私が議員になったばかりのときで、いまだに解決できていなく、それほど産廃業者は一筋縄ではいかない。これは、今県で対応してもあの状態で、先ほど人員を投入して、それなりの人材なのは答弁があったが、どうなのか。これは県警と県庁で産廃の許認可である。一般廃のような業者は市川市内で健全な業者であるが、産廃は県全体、日本中で行っているようなしたたかな業者があり、行徳富士の課題などは全く大変である。産廃を扱う指導や許可、許可の取消しが去年で21件あったと伺っている。それから行政代執行、業者が言うことを聞かないから、市がしようがなく、あるいは県がしようがなく残土処理したのは数知れない。新聞記事のネタになるような問題が市川市にも行徳富士としてあり、成田でもいろいろある。そういう問題を多く抱えている中で、本当に対応ができるのか伺いたい。
○生活環境保全課長 産業廃棄物に関する県事業が移譲された場合の増員や体制等について答弁する。
移譲後の体制については、現行の一般廃棄物に加え、産業廃棄物に関する許可、指導などの業務が新たに増えるため、廃棄物全般を一括で所管する専属の部署が必要であり、またそのための職員の増員も必要であると考えている。また、職員については、特段必要とする資格はないと思われるが、先ほど御質疑にもあったとおり、廃棄物の不適正処理に対する改善命令、あるいは不法投棄に関する取締等の業務に従事するため、廃棄物処理法をはじめとする関連法令と業務に精通し、また不当な行為や圧力に屈しない厳格な対処ができるような人材の確保と育成が必要であると考えている。
○金子 正委員 今、市民部にそういう人が来ている。そのレベルだと思う。中核市になった場合には、全部産廃許可については、一般廃と一緒に行わなければいけないのか、この辺は場合によっては県警に行ってもらったほうがよいとの判断や選択肢があるか伺いたい。
○生活環境保全課長 やはり産業廃棄物に関する取締りや指導に関しては、経験が非常に必要であるので、県からの派遣等も選択肢の一つとして考えていく必要があると考えている。
○金子 正委員 私が産廃について、いろいろな事業の中からここで環境部の決意を伺ったのは、この仕事が大変難しい、大変だからである。そういう点では、県の多くの事業が移譲されたり、屈強な対応をする人を集めたりしなければならないような仕事のようなので、どうなるか分からないが、いずれにしても、その辺を明らかにしていきたいと思ったからである。
○松井 努委員長 次に、公明党、宮本委員の質疑通告に対する答弁を願いたい。
○財政課長 私からは、大項目の1つ目、中核市移行に関わる影響額についての質疑に答弁する。
まず、(1)財源内訳について、歳出予算の財源についての質疑であるが、今回積算した歳出予算額は、近隣の中核市等における経費を参考として、移譲が想定される事業について、事業費とそれに関わる人件費をそれぞれ積み上げて積算した。その結果、今後、県との協議により決定していく部分もあるが、現時点では約20億9,000万円と見込んでいる。この歳出予算額の財源の内訳と主な内容であるが、初めに、国庫支出金として、特定不妊治療への市の助成に対する特定不妊治療支援事業費補助金が1億1,000万円、また、小児慢性特定疾病の医療費への市の助成に対する小児慢性特定疾病医療費国庫負担金が5,000万円で、合わせて約1億6,000万円の交付を見込んでいる。
次に、県支出金では、特別養護老人ホーム等を整備する事業者に対し、市が支出する開設準備のための補助金に対して、介護施設等整備事業補助金約9,000万円の交付を見込んでいる。
最後に、その他として、飲食店の営業許可申請など、保健所等で行う事務処理に対する各種手数料として、約5,000万円の収入を見込んでいる。これらを合わせると、特定財源の合計は約3億円となるので、市からの持ち出しとなる一般財源は、歳出見込額全体で約17億9,000万円となる見込みである。
続いて、同じ項目の(2)性質別内訳のうち事業費について答弁する。
歳出見込額のうち、人件費を除いた事業費の内容についての質疑であるが、事業を実施するのに必要なランニングコストとしての事業費は全体で約13億9,000万円を見込んでいる。このうち事業費の主な内容になるが、民生費関係では、特別養護老人ホーム等を整備する事業者に対し、市が支出する建設補助金約4億6,000万円の増、また、低所得の高齢者を対象とした入所施設であるケアハウスなどの軽費老人ホームを運営する社会福祉法人が、その入居者に対してサービス費用の一部を減免した場合に市が支出する補助金として約1億4,000万円が新たに生ずるなど、民生費全体の事業費では約8億1,000万円と見込んでいる。
次に、衛生費のうち、保健所関係経費になるが、特定不妊治療に対する市の助成金として約2億1,000万円、小児慢性特定疾病の医療費に対する市の助成金として約1億1,000万円、また保健所の管理、運営経費として約2億円など、保健所関係の事業費全体では、約5億5,000万円と見込んでいる。この民生費と保健所関係の事業費を合わせると約13億6,000万円となり、人件費を除いた事業費全体の大部分を占めることになる。
続いて、同じ大項目になるが、(3)普通交付税への影響について答弁する。
中核市移行により、基準財政需要額、基準財政収入額、交付基準額の試算結果にどのような影響があると考えているかとの質疑になるが、普通交付税の算定は、毎年7月の本算定作業の結果を踏まえ確定をするので、令和2年度の普通交付税の算定結果に基づき答弁する。
まず、令和2年度の普通交付税の算定の状況は、基準財政収入額が約713億円、基準財政需要額が約643億円で、交付基準額は約70億円の収入超過である。
次に、この令和2年度の計算方法を基に中核市に適用される算式を当てはめて試算した結果、基準財政収入額はほぼ変動がない一方で、基準財政需要額は約666億円と23億円程度増加が見込まれる。
以上のことから交付基準額における収入超過額は約47億円と現在よりは縮小するものの、現段階では中核市へ移行したとしても、普通交付税は不交付のままであることが見込まれている。ただし、この試算であるが、令和2年度の普通交付税算定で用いられた各種基礎数値をベースで行っているので、収入面では景気変動による増減もあり、需要面では、例年計算過程で使用する単位費用や補正係数などの見直しがなされているなど、大きく変動する要因がある。そこで、まずは7月に実施する予定の最新の普通交付税の算定結果を踏まえ、改めて中核市へ移行した場合の普通交付税の試算を行う予定としている。
最後に、同じ大項目(4)の今後の財政運営指針について答弁する。
中核市への移行により、今後どのような財政運営が必要となると考えているのか。中期財政計画や経常収支比率、行財政改革の視点を踏まえての質疑である。まず基本的な考え方になるが、本市は普通交付税の不交付団体であり、この点からすると、一般的には財政力が高く、比較的財政に余裕があると見られている。確かに本市ではこれまでほぼ普通交付税を受けることなく財政運営を行ってきたが、今回、中核市移行に伴い、新たに24億6,000万円の負担増となる。現段階では、普通交付税による補塡が見込めない状況にあることから、これまで行ってきた行政サービスに加え、新たに移譲される中核市としての行政サービスを継続的に提供していくためには、自ら財源を捻出する必要があり、これは決して楽観視できないと考えている。
そこでまずは、計画的な財政運営を行う目的で、毎年予算編成時に策定をしている中期財政計画に現在は見込まれていない中核市の視点を反映させた上で、財源を捻出するための方策を検討するなど、中核市移行後における財政運営の継続性を担保していく必要があると考えている。
次に、経常収支比率に関しては、中核市移行後の財政運営の継続性を図る上で重要な指標であり、その動向に注視していくべきであると認識している。そこで、中核市への移行による経常収支比率への影響についてであるが、本市が中核市移行後も不交付団体であると前提した上で、今回積算したランニングコストの約20億9,000万円をベースとして、あくまで市税等の経常一般財源は今後一定であると仮定して積算したところ、およそ2ポイント程度の悪化があるものと試算している。目標値は特に設定していないが、コロナ禍の影響で経常収支比率の上昇が今検討される中で、これ以上さらに指数が上昇すると、財政の硬直度が高まるので、これについては避ける必要があると考えている。
最後になるが、市川市独自の行財政改革についてであるが、これまで本市では各種計画等を定めて、歳入面では市税収納率の向上、財政調整基金残高の確保や使用料、手数料の見直しなど、歳出面では、定員の適正化や人事給与制度の見直し、民間委託の推進などにより、現在の財政運営の安定性が保たれているものと考えている。しかしながら、同様の取組をもって中核市移行に伴い必要となる財源の全てを直ちに捻出することは難しいと考えているので、歳入面ではこれまでの取組を継続することで、歳入の確保に努めるとともに、歳出面では、今後、新たな見直しを検討することも必要であると考えている。
○中核市移行準備課長 次の項目、中核市移行に伴う施設設置について答弁する。
中核市移行により、新たに必要となる施設については、現時点では、保健所と動物愛護センターを想定している。他市の例では、ほかに食肉衛生検査所を持つ中核市があるが、本市には市内に屠畜場がないことから、現時点では不要と考えている。また、専門的な検査機関として、衛生研究所や衛生試験所を所有している中核市もあるが、現在の市川保健所が取り扱っている件数や検査業務における委託の活用、こういったことを考えると、現時点では個別の施設を設置するまでの必要性は低いと考えている。保健所は、基本的に市独自での設置が可能なものと考えている。一方で、場所の選定を含め、新たに建設するまでに期間を要すること、また浦安市の管轄などを踏まえると県との協議が必要であると考えている。
動物愛護センターも同様に、市独自で設置が可能だと考えているが、生活環境に配慮した場所の選定や建設までに時間を要する期間を踏まえると、一時的に業務の委託等を依頼することも想定されるので、その場合は県との協議が必要と考えている。
○生活環境保全課長 大項目3点目、動物愛護に関する2点の質疑に答弁する。
初めに、(1)の動物愛護等業務に関する市川市の基本的な考え方についてである。現在、市では、県との役割分担の下に、動物愛護管理行政のうち、狂犬病予防の一部業務のほか、ペットの適正飼養などの普及啓発業務を中心に取り組んでいる。中核市移行では、犬、猫の引取りから譲渡、返還等まで一括して所管できるようになることから、殺処分ゼロを目指して宣言するなど、動物の愛護と管理に関する施策の充実と強化を通して、人と動物が共生するまちづくりを一層推進していくことができるものと考えている。移譲される事業については、今後、県と協議を進めていく必要があるが、犬、猫の引取りなど、現時点で約30事業、事業費は、動物収容施設の維持管理等で2,500万円程度を見込んでいる。事業の推進に当たっては、獣医師会や業界団体、動物ボランティア団体など、様々な主体との連携や協働により取り組んでいくことが大切であると認識している。
次に、(2)の施設について答弁する。
本市の動物愛護管理行政を推進していくためには、その拠点となる自前の動物愛護センターを整備することが望ましいと考えている。現時点では、施設に必要な機能や規模、設置場所等の方向性が決まっていないので、決まったタイミングで委員の意見を伺いたいと考えている。
○宮本 均委員 先に質疑した2人の委員に対する答弁で、2番目、3番目の質疑項目については大方理解できた。
上から1つずつ質疑するが、どうしても現時点では、近隣の中核市の経費を参考にして市川市に当てはめる方法しかないのは分かった。再質疑になるが、特別養護老人ホーム等を整備する事業者に対する補助額が、中核市に移行すると4.6億円になる。現状ではもっと少ないと思う。それは、移行により、逆に市に全部任せることになるのか伺いたい。
○松井 努委員長 一問一答でよいか。
○宮本 均委員 そうである。
○財政課長 特別養護老人ホーム等の建設補助金について答弁する。
これまで事業者に対して市からの補助金のほか、県からも直接補助金が交付されていたが、中核市移行に伴い、県の補助金の対象外となることが見込まれている。そこで、今回の歳出見込額には中核市移行前に県が支出していた補助金相当額を代わりに市が負担すると仮定し、今回の影響額に見込んだものである。これまでは本市は、老人ホームの部分と併設のショートステイがあり、1億6,000万円程度の補助を行っていたが、それに対して県が約4億5,000万円の補助を行っていた。その分を踏まえ、今回4億6,000万円を見込んだわけであるが、これについては、確定事項ではなく、市の裁量の余地があると考えている。県等に対して費用の負担については働きかけを行いつつも、中核市としてどの程度の補助が妥当であるのかなど、財政面での視点や他市の補助の状況等を踏まえながら、今後、検討していく必要があると考えている。
今回積算した約20億9,000万円の歳出見込額については、これから各事業について詳細な制度設計を行う中で、ある程度調整をしていく部分があると思っているので、今後、変動していく可能性があるものと考えている。
○宮本 均委員 よく分かった。
次に、(4)の財政運営指針であるが、これは答弁にあったように、現状、歳入の確保の方法は、即効性がある具体策はもうないと思う。ただ、歳入確保に努めるとは一体何をするのか。市税の収納率に関しては、ほぼほぼ現実、100%に近い数字を出しているので、そこは望めない。唯一、1個あるとすれば、手数料、使用料増の取組は、1回だけ今下げて、再度上げるのは大変かもしれないが、あるとすればここが1個思いつくところである。これは質疑ではない。そう考えると、歳入の確保が今以上望めない中で、経常収支比率の2ポイント上昇の予測を大まかに立てている。それでコロナの影響でさらに悪化してしまうと考えると、やはり期間目標値は定めていないと伺ったが、従来では一定ラインの数値を決めていると思うが、その数値の決め方が今後かなり難しいと思う。その上で、中核市のいろいろ試算する上で、現状ではこれ以上細かい数字はもう出てこないと思う。私どもが要求するのはさらなる詳細な金額になるので、早く詳細を積算できるような手は打つべきだと思う。
金子委員が質疑したように、建物に関しては、保健所と動物愛護センターの2つをどうするかでほぼ金額が決まると思う。ただ、県の協議等が必要との答弁をされているが、方向性が決まらない状況で県と協議をどのように進めるのか疑問が正直湧いた。早いところ方向性を決めて、建てるなら建てる、その前提で県と協議を進めなければ、県から建物はどうするのかと言われたときに、まだ決まっていないでは協議が終わってしまう気がする。
最後に、もう1点伺いたい。中核市移行に伴う施設設置についてであるが、もし施設を新たにつくることに方向性が決まったとすれば、当然市川市には公共施設等総合管理計画があり、この部分の個別計画はまだできていない。中核市だからこれは特別で、特別の上の特別が重なり、個別計画なしの建築、またはどこかを使うことになれば、事情が変わってくるかと思う。たしか大前提の床面積がさらに削減できた。数字的にはうろ覚えであるが、それが覆されてしまうので、そことの整合性について伺いたい。
○中核市移行準備課長 公共施設個別計画については、現在、行政経営課で所管しているが、私から答弁すると、まず個別計画については、築年数や他の施設等の関連性等において、順序を決めて、それぞれの施設が位置づけられている。また、新たな施設の必要性がある際には、随時個別計画については、整合性を取り変更している。この保健所や動物愛護センターについても建設するとなれば、当然個別計画の中に位置づけて、他の施設との整合性を図っていくものと認識している。
○宮本 均委員 質疑は以上で終わるが、新たな財源捻出で、もう一つできるところは給与改定になる。ただ、これはなかなか難しい。即効性といえば人件費しか思いつかないが、ただ、それを進めて中核市になるのかという話になると思う。そこは最後の最後かと思う。唯一、いわゆる職員側のデメリットとして可能性が残っているのは、給与改定も併せて行い財源を確保しつつ、中核市へとなれば、モチベーションの維持どころか、やめていただきたいとの話になると思う。その将来像は見えているわけで、むしろこれから財源捻出などと言わなくても、早々できるものではないのは理解しているので、別の方法で財政運営に取り組んでいただきたいと思う。
○松井 努委員長 次に、無所属の会、石原よしのり委員の質疑通告に対する答弁を願いたい。
○中核市移行準備課長 まず、大項目1つ目、保健所情報の共有について答弁する。
まず、申入れについてである。令和2年5月1日付、京葉広域行政連絡協議会での千葉県知事に対する要望においては、市川市長、船橋市長、浦安市長の連名で、入院者数や自宅療養者数などの感染者の内訳、医療機関別の確保病床数、入院病床数、空きの病床数の随時更新、医療資材の在庫状況など、各自治体が活用できる情報を迅速かつ漏れなく共有することを要望した。要望の場においては、県としても情報共有のできる範囲や頻度については問題意識を持っている旨の発言があった。
なお、各市町村からの情報提供等について要望が多いことから、県として、令和2年11月11日付で県内各市町村の新型コロナウイルス感染担当課長宛てに、感染者の年代、居住地、発症日、主な行動履歴などについて保健所を通じてプレスリリース前に市町村に提供するとともに、市町村からの個別の要請に対し、可能な範囲で必要な情報を提供してきた。今後も必要な情報の提供に努めると通知が発出されている。その後、本日、追加で資料を追記させていただいたが、令和3年4月13日、京葉広域行政連絡協議会の中で、市川市、浦安市として、地域単位での新規感染者の感染経路、重症度や変異株感染の状況、医療提供体制への影響など、各自治体が活用できる情報を迅速かつ漏れなく共有することを要望した。これに対しては、千葉県から今年の4月30日付で、管内市町村と円滑な情報共有ができる連絡体制を引き続き確保するよう、県保健所に対して指示を徹底した旨の回答があった。
一方、変異株については、保健所設置市の独自の公表は妨げないが、市町村別の発表については、新規感染者に占める変異株の割合を注視しながら検討していくと回答があったことから、保健所設置市と市町村では、情報の取扱いについて差が出ている状況である。
続いて、(2)独自の保健所を持っている市の申入れの部分になる。(2)の申入れについては、まず京葉広域行政の枠組みの中での要望であったので、保健所の有無は関係なく要望している。なお、令和3年4月13日の要望については、保健所設置市である船橋市が該当しない項目については、市川市、浦安市からの要望と分かるように提出している。さきの答弁のとおり、保健所設置市と他の市町村では情報に差異があることが明らかであり、このような仕組みの中で独自の保健所を持っている船橋市では、例えば変異株の情報など迅速かつ独自に情報の開示ができていると考えている。
また、船橋市などの保健所設置市では、医師である保健所長の判断の下に市の対応を行っていると考えられる。県の保健所の場合は、人事異動などにより、定期的に所長が変更となるが、市の保健所長は定期的な異動が想定されないため、継続して新規感染者の状況に精通することができることで、より市の実情を踏まえた判断ができるものと考えている。
続いて、次の項目、施設整備について答弁する。
市川保健所は、築50年以上経過しており、築年数や利便性の向上を考えると、将来的には市で建設することが必要になると考えている。一方で、南八幡の保健センターは築39年、南行徳保健センターは築23年であるので、まだもう少しの間使用することは可能だと考えている。
保健所の機能については、これまで本市の保健衛生を担ってきた保健センターの複合化も視野に入れて、総合的に保健衛生行政を推進するための方向性を考えていく必要がある。
施設の規模については、現在の市川保健所の業務や市の保健センター業務との関係、また市で行う検査業務の範囲では迅速な業務を行うために、必要な情報通信の設備など、必要な機能に応じた規模が必要になる。
保健所は、市民の健康を守る拠点として、災害時における交通インフラとの関係や健康づくりやスポーツ施策との関連性、市内各地域からのアクセスなど、総合的な検討が必要と考えており、今後、様々な意見を伺いながら、施設の規模や建設場所を選定した上で、概算費用を算出していきたいと考えている。
○人事課長 私からは、専門職の人材について、2点の質疑に答弁する。
初めに、(1)の幹部職員の人材確保についてである。移行当初の保健所長をはじめとする幹部職員については、保健所での勤務経験のある職員を新規採用により確保したいと考えているが、困難な場合は、県からの派遣、または割愛採用により配置してもらえるよう、県と協議をする。その後の人材確保について、他市においては県からの派遣職員が派遣期間満了に伴い、年々引き揚げていく中で、一部の幹部職員については、人材育成に時間を要することから、県からの継続的な人的支援が必要になると伺っている。本市においても、幹部職員の確保、人材育成が大きな課題であると捉え、他市にはない本市の採用試験の特徴である年齢・学歴制限撤廃による採用や通年採用などの手法を活用し、保健所の勤務経験や専門職としての経験が十分にあり、次の幹部候補となり得る職員を採用するなど、将来を見据え、計画的に採用していきたいと考えている。
次に、(2)新たに採用する専門職の人材育成についてである。専門職については、これまでも保健師、栄養士、獣医師などの採用を行っているが、年齢・学歴制限を撤廃した採用試験を実施することで、専門職としての経験を十分積んだ職員も採用している。保健所勤務となる専門職の職員の採用についても同様に、年齢・学歴制限を撤廃した試験を実施することで、若手に限定せず、経験や年齢構成なども考慮しながら、幅広く採用していきたいと考えている。採用後の育成については、県などと協議を行った上で、移行前に派遣研修を行うことや、移行後に経験のある職員からの職場内研修、外部研修への積極的な参加、また国、県、他市との人事交流などを行うことにより、能力の向上に努めていきたいと考えている。
○石原よしのり委員 一問一答で質疑する。最初に、保健所情報の共有については、ほかの方も質疑しているとおりだが、昨年9月に村越市長が市川市で保健所を設置したいと発言した最も大きな理由だったはずである。今回、コロナ対応をするに当たり、県の保健所、あるいは県から情報はきちんとタイムリーに得られないので、市民に対して安心の保健行政をするためには、市で保健所を持たなければいけないとしたのがきっかけであった。ここが整えば、本当に中核市になる前提が大きく変わるので大変重要な問題である。
今、質疑したのは、今回、昨年5月に船橋市、浦安市と共同で、コロナ感染情報が十分に得られていないので、こういう情報はしっかりと共有していただきたいとの要望を出した。それに対して、口頭では若干問題意識を持っているとの回答があり、11月には直接の回答ではないが、県から市のウイルス感染症担当課長宛てに、これまでも要請に応じて可能な情報は提供したが、今後も必要な情報の提供に努めると、善処するとの回答があった。今年の4月には、地域単位で変異株の感染の状況など、いろいろな情報を共有していただきたいと話を出したところに対しての回答が4月31日で、管内市町村と円滑な情報共有ができる連絡体制を引き続き確保するよう、県保健所に対して徹底することを指示したと回答があった。保健所と市に対して、連絡体制を引き続き確保するよう徹底しなさいと指示をしたと言っている。引き続きであればこれまでと一緒である。この程度の回答しか来ていない。改善がどこまで見られたのか非常に分かりにくい。
再質疑は、去年5月の要望に対し、その後、県の情報提供で変わった点、そして今回の今年4月より後に、これだけ新たな情報が来たなどの変化、あるいは回答の前後で改善した点、そこを分かるように答弁を伺いたい。
○中核市移行準備課長 まず、現在、外部に公表できる情報は、感染者数、年代、性別、職業、推定感染経路、発症日、検査確定日、入院者数、ホテル療養者数、療養場所の調整中の数、自宅療養者の数、こちらは保健所から情報提供をいただき、また市からも外部に公表できる情報である。このうち、入院者数とホテル療養者数、療養場所の調整中の数については、令和2年9月11日から公表できるようになったものである。また、自宅療養者数については、令和3年度2月11日から公表できることになったものである。直接要望に対してではないが、順を追って情報の範囲等が拡大されているので、県としても対応してくれているものと考えている。
また、併せて要望に対する回答で連絡体制の設定が指示されているので、要望によって円滑な情報に寄与しているものと考えている。
○石原よしのり委員 当然いろいろなところからの要望があり、国の指導もあり、あるいは国民、市民からいろいろな不満が出て、そのような情報は若干出てくるようになったのだと思う。まさにこれが大きな課題であるが、ちょうど3月に行われた千葉県知事選挙で今回知事になられた熊谷市長は、公約で一番最初に言っていたのが、各自治体との連携を大変強化していきたいと言っていた。千葉市長を務めていて、県との連絡が悪い、一緒に協力していきたい、いろいろな情報が来ないとの話を切に感じたと思う。そこを大きく公約に上げ、当選された。そういう意味で、千葉県知事が替わった後の動きや、連絡が多くなったことなど、そういうのは何かあるのか伺いたい。
○中核市移行準備課長 直接知事が替わったことと影響があるかは計りかねるところであるが、4月13日の要望については、4月30日付で、以前に比べて早い回答があったものと考えている。
○石原よしのり委員 コロナ関係で、千葉県の新型コロナ感染症対策本部会議があり、ここがほとんどの大きなことを決定している。ここは、当然ながら、市川の市長などが出席しているわけではないが、中核市の市長が出席している。熊谷氏になり変わったことは、ここに千葉県の市長会の会長、今は流山市長、それから町村会の会長も会議にオブザーバーで参加している。こういう変化がある。最初に岩井委員が発言しているが、この流れは決定してきている。どんどん新しい知事の下で、自治体と連携が進むと思っているので、その辺の動きをきちんとあなた方は把握を、しっかりしていただけなければいけない。
さらに、市長会の会長から、我々普通の市が連絡をもらわなければいけない。そういうところも含め、しっかりできるのではないかと思うが、見解だけ伺いたい。
○中核市移行準備課長 あらゆる手段を使い、情報共有、情報の連携を図ることは大切なことだと思っている。
○石原よしのり委員 次に、質疑第1項目の2つ目は、船橋市も決して県から情報をしっかり得ていない。だからこそ、去年4月の要望書は連名で提出した。中核市になったとしても、情報を得られていない話をして、私の質疑は、保健所を市で運営してもしていなくても、結局は県との関係をこれから構築していかなければ、いろいろな情報が来るとするのは違うのではないかとの話をした。それに対して、要望項目に若干差があると答弁があった。その要望項目の差は、今だんだん改善されてきて、出てきたものがそこを埋めているわけである。そういう意味では、中核市になれば情報が来るとするのは違うと思う。もちろん保健所を運営すれば、独自の保健所の情報は得られる市で程度の差だと思うので、これについての再質疑はしないが、中核市になればよいとばら色のことを答弁し続けないでいただきたい。
2つ目の施設整備であるが、これは先ほど金子委員の質疑に対する答弁で、越谷市は保健所を新設したときに、夜間診療所を含めて19億7,000万円で、水戸市で保健センターを改修、増築したとき、保健所を増築し18億5,000万円、川口市は市庁舎を一部改修し、改修費用が5億円ぐらいかかったと伺った。
今、宮本委員の回答などで答弁され、どんなものを市川市がつくるかが決まらなければ、県との協議もそこで止まってしまうと指摘もあった。私も全くそう思っている。せっかくつくるからには、保健センターと保健所は機能を見直し、一体的にいろいろな施策ができることを目指すと答弁している。そうすると、一体的な統合した施設をつくることも当然考えているだろうし、まだ決まっていないと思うが、そういうことも含め、やはり本市は、いまだ場所や具体的な設計は決まっていないが、本来の中核市として保健行政をしっかりするためには、こういうのが望ましいと、やはりそこから決めていかなければいけないと思う。それは恐らく適切な利便性や先ほどの要因を含めて、場所をしっかりと確保した上で、保健センターと保健所の一体的な機能を持つもの、船橋市を見ても分かるように、夜間診療所や病児保育の機能を持つもの、こういうものをつくると言わないと、中核市になり保健所を設置しても、こんなに私たちは安心した将来と言えない、納得できないわけである。そこを、できる、できない、いつできるとは別にして、こういうものを運営したい、そのときには何十億ぐらいかかるとまで答弁した上で、それに向けてこれから検討していく中でいろいろ変更があることを言わないといけないと思うが、そういう意味で、総合的なのがよいのか、そのときにはそれなりの費用がかかるのか、その辺は検討しているのか。
○中核市移行準備課長 施設の具体的な検討については、今の段階で答弁できるものはまだないが、設置場所の候補地、または保健センターと保健所機能をどういった形で一体的にするかについては、現在、内部で検討を進めているので、できるだけ早く答弁できるようにしたいと考えている。
○石原よしのり委員 これ以上伺っても答えないと思うので、本来、市の便利なところに場所を確保して、しっかりしたものを建てれば50億円、何十億円かかることぐらいは想像がつくので、結構である。
次、幹部職員の専門職の人材について。当然、中核市になったとき、柏市の場合も、船橋市の場合も、所長は県からの派遣等であった。その後、転籍されており、割愛採用で転籍して、所長は替わった。当然そうなると思う。ただ、いつまでも派遣や出向をお願いできるわけではないし、割愛採用も、1回きりだと思うので、その後どうするかが非常に大きな問題である。さらに言うと、今、採用する人たちは、年齢・学歴制限撤廃採用があるとはいえ、募集すれば、若い人、新卒を中心に恐らく大勢集まると思う。
どのように経験ある人を採用するかについて、今の人事制度は決して十分とは思っていない。人事課長にも時々話しているが、やはり年齢撤廃採用で過去の経験をきちんと評価した制度になっていると思わない。そこはそういう制度に変えていく必要がある。そうでないとしっかりとした人を採用できないと思うが、もし中核市になるならば、早急にそういうところまで変えられるか。見直しをできるのか、答弁願いたい。
○人事課長 今の質疑、再度の処遇の観点の部分かと思うが、例えば今でも制度的に専門職については、採用後、過去の経験を10割換算しているものもある。全く行政と関係のない民間企業で経験している方は8割との計算があるが、行政に関連の深い業務についている方は10割換算で採用できるので、問題ないのではないかと思う。
○石原よしのり委員 問題ないと伺ったが、そこはきちんともう1回見直したほうがよい。そうでないと、今までの方は、生え抜きに比べて非常に差がある待遇なのは結構多いわけである。そこはしっかりしていただきたいと思う。
いずれにしても、専門職の方々が市川市の職員になってからの職場は、県のようにいろいろなところに職場があるわけではないので、異動もなかなかできないし、そこに固定になると。人材育成といっても、本当に限られた流れになる。そこら辺をしっかりしていただかないと、今後、このような専門職を市川市が運営していくのは非常に難しいと思っている。そういう意味で、人事交流、これも本格的に検討していかないと間に合わないと思う。それをしっかりと行っていただきたいと思う。
それから、期間について、2年前、3年前からみんな研修に出しているのに、基本的に我々は令和5年4月を前提に置いたら、間に合わない。どこかの時点で、少なくとも事務局レベルでは、この5年4月については、決まったことのような状態から早く外れたほうがよいと思うが、5年4月についてはどの程度こだわっているのか。
○中核市移行準備課長 令和5年4月については、当初、市長等から話があったことを踏まえると、議会等の了承を得た上で、準備がスムーズに進んだ場合について、最短でいけば2年半程度とお伝えしていると認識しているので、なるべく速やかに移行することを私どもは進めるべきだと考えている。
○石原よしのり委員 最短は単なる条件だと理解した。
本当にいろいろな課題がある。この課題が乗り越えられなければ、やはりできないとの結論になると思うので、そこはしっかりとこれからも検討していただきたいと思う。
○松井 努委員長 この際、暫時休憩する。
午前11時51分休憩
午後1時開議
○松井 努委員長 再開する。
○松井 努委員長 次に、緑風会第1、竹内委員の質疑通告に対する答弁を願いたい。
○財政課長 私からは大項目の1つ目、歳出見込額についての質疑に答弁する。
まず、イニシャルコストとランニングコストについて答弁する。今回の歳出見込額は、移行後に継続的に事業を進めていくための事業費及びそれに伴う人件費、いわゆるランニングコストのみである。このランニングコストの内訳のうち、事業費については、先順位者の方にも答弁させていただいたが、特別養護老人ホーム等の整備や小児慢性特定疾病医療費の助成、特定不妊治療に対する支援、保健所の管理運営経費など約13億9,000万円、人件費については、中核市移行に伴い採用する医師や薬剤師、獣医師、保健師などの正規職員及び会計年度任用職員の人件費として約7億円を見込んだものである。
次に、今回の資料には含まれていないが、中核市移行に必要となるイニシャルコストについては、移行準備期間中に想定される経費、初期費用を想定している。ソフト面は、移譲事務を円滑に進めるため、県に派遣する職員の人件費や事業を実施するためのシステム導入経費が、また、ハード面は、保健所や動物愛護センターを新たに設置するとした場合の建設事業費などが想定されるが、施設の設置場所や規模、設置方法などについては、今後県と協議を進めていく中で精査していくものであるため、現段階においては積算が難しい状況である。
続いて、同じく大項目、歳出見込額についてのうち、財源として権限移譲事務交付金は交付されるのかについて答弁する。
条例による事務処理の特例に関わる市町村交付金、いわゆる権限移譲事務交付金については、地方自治法第252条の17の2における、条例による事務処理の特例に基づいて知事の権限とされている事務を、権限移譲を受けて市町村長が処理する場合、当該市町村交付金の要綱に基づいて、処理件数に応じて県から交付される交付金である。中核市の移行に伴う県からの移譲事務のうち、法令により中核市の権限と規定されている法定の移譲事務については、当該交付金の対象とはならない。一方で法定移譲事務に関連する法定外の移譲事務については、一部対象となるものがある。ただし、法定外移譲事務は今後県との協議により決定されるものであり、実際の交付金の有無については、当該交付金の算定方法に基づくので現時点では積算ができておらず、今回の資料の中では見込めていない。また、県からの委託金もあるが、こちらは本来、県が行う事務を市が受託して行った場合に交付されるもので、中核市の移行については、事業主体が県から市になるものであることから、権限移譲事務については、県の委託金の対象とはならない。
○中核市移行準備課長 同じ項目の中の保健所の共同設置について答弁する。
保健所については、移譲事務の内容や必要な設備などについて千葉県と協議していく。浦安市の管轄については、浦安市と県の協議が基本になるが、浦安市の意見も伺いながら検討していくものと認識している。
保健所を共同で設置している他市の例は、島根県と松江市が共同設置し、松江市と安来市を所管している例がある。この例では、島根県、松江市双方の議会の議決を経て規約を決める。松江市が代表団体となり、職員の選任や身分の取扱いを行う。1人の所長の下、配置された職員が双方の業務を行う。指揮命令は、松江市の業務は松江市長、安来市域の業務は島根県知事がそれぞれ行うこととなる。費用は、代表団体である松江市が予算計上し、県は負担金を支払う内容である。松江市の人口が約20万人、安来市の人口が3万6,000人で合計約23万6,000人であるので、本市と浦安市の状況と比較すると、保健所の規模については一定の差があると考えられる。浦安市との管轄については、基本的に千葉県と浦安市の協議となるが、本市としても、これまでの浦安市との関係性を踏まえ、様々な事例を研究して浦安市の意見も伺いながら千葉県と協議を行っていきたいと考えている。
○こども施設計画課長 大項目2つ目の待機児童解消について答弁する。
県内の一般市において、保育園の設置認可申請書は、設置する市を経て千葉県へ提出する。手続の流れを申し上げると、保育事業者は市に認可申請書を提出し、市は申請に基づき、設置主体や必要となる保育士の確保、設備の要件など、認可基準を満たしているかを事前に確認し、基準に達しているものを千葉県に送付する。千葉県においても所定の審査が行われ、設置基準を満たしていると認められると千葉県知事から保育園設置が認可される。本市が中核市に移行し、認可権限者となった場合には本市が一括して審査するため、申請書受理から認可までの審査期間の短縮が図れる。具体的には、4月に開園するためには前年の11月末が千葉県への提出期限となるが、本市に権限が移譲された場合は最大で12月末まで延長が可能となり、審査期間が4か月間から3か月間程度に短縮されると見込んでいる。この審査期間の短縮により、これまで以上に保育事業者の募集期間を長く取れることから効率的な保育園整備につながると考えている。
○竹内清海委員 委員長に申し上げる。歳出見込額の中の保健所について、別に切り離して一問一答で質疑したい。
○松井 努委員長 結構である。
○竹内清海委員 まず、歳出見込額についてもう一度伺いたい。既に先順位者への答弁で、歳出見込額については大分分かってきた。歳出見込額は政令市移行後に事業を進めていくための事業費と人件費。そのランニングコストの見込額は事業費で13.9億円、プラス人件費の7億円で、これはほぼ確定した金額と理解するしかないのかと思う。
また、イニシャルコストについてはソフト面とハード面があり、ソフト面は中核市に移行し移譲事務を円滑にするため、県に職員を派遣する人件費やシステム導入費、またハード面は保健所の建設事業費等々、その辺が多くあるのかと考えている。本来伺いたかったが、まだまだ不透明な部分がたくさんあり、今きちんとした答弁はできないとのことで、結果は残念であるが、分かった。
続いて、歳入の確保については非常に難しい。中核市となると、大変多くの移譲事務を処理しなければならない。しかし、法令により、中核市の権限として規定されている法定移譲事務は交付金の対象にならないと伺った。また、県からの委託金については、本来、県が行う事務を市が受託して行った場合に交付されるものであり、事業主体が当然県から市になり、移譲事務の対象にはならない。歳入にはならないわけである。考えてみると、歳入の確保と言えるほど期待できないのかなと思うので、これは今後考えていかなければいけないと思う。権限移譲事務交付金等々をもらえるような何かよい方法はないのか。この辺を精査していただきたい。
そこで、1点だけ再質疑する。先ほど宮本委員の質疑の中で、中核市移行後のランニングコストにおける一般財源の影響額が17.9億円との答弁があった。財政に与える影響は大変大きいのかと思う。歳入確保に向けた対策について伺いたい。
○財政課長 歳入の確保に向けた対策について答弁する。
中核市移行で移譲される事務に対する事業費の一部については、ある程度の特定財源は見込めるが、新たに生ずる17億9,000万円の一般財源の負担は非常に大きいと考えている。その財源を確保する観点から、歳入確保に向けた対策はとても重要であると認識している。抜本的な対策はなかなか難しいところではあるが、まずは安定的に自主財源を確保していくためには、県内でも高い水準にある市税収納率をこれからも維持していくことも重要であると思うし、その他の市債権についても、しっかりと収納対策を講じなければならないと考えている。
また、中核市に移行することにより移譲される事務については、保健所の運営など、どの事業も市民生活に欠かせない事業であるので、国や県に対して一定の負担を求めるなどの要望を、併せて行っていきたいと考えている。
○竹内清海委員 中核市へ移行することによる財政影響については、いろいろ伺っていると、どうしても歳出事業費についての議論に偏りがちかと思う。
そこで、安定的な財政運営を行う上でも、歳入の確保の観点からも様々な検討を行うことが大変大事なことであると私は考えている。今、答弁を伺ったように、国や県に対して積極的に働きかけていくことは大変大きな意味のあることだと思っている。また、先ほど答弁されていたが、市川市の市税収納率は非常に高いので、ぜひ落とさないようにしっかり頑張っていただきたい。いずれにしても、市川市としても、しっかり対応していただくよう要望させていただき、この質疑は終わる。
次に、保健所の浦安市との共同運用についてである。島根県と松江市の共同設置の事例について伺った。人口規模は大分違うが、共同運用していることは分かった。市川市の例に置き換えれば、浦安市分は千葉県が管轄することになるわけである。千葉県と市川市で共同設置した保健所が市川市と浦安市を管轄するので、もちろん市川市だけで決められる問題ではなくて、千葉県や浦安市の意向を十分に把握しなければならないことと私も理解している。
その上で伺うが、保健所を共同で設置すればスケールメリットを生かした運営ができると思う。当然、両方の市で1つの保健所を持つので、私もよいのかなと思っている1人である。千葉県からの負担金を受けることもできるので、財政負担を減らせるのではないかと考えるが、共同設置の場合の財政的なメリットについて伺いたい。
○中核市移行準備課長 保健所を共同設置した場合は、医師である1名の所長の下に、共同設置の保健所に配置された職員が都道府県の業務と中核市の業務を担うことになる。したがって、メリットは、県の職員と市の職員が同じ保健所の組織において共同で業務に当たることになるので、施設整備や職員の配置を合理的に行うことで設備費用や人件費等の削減の効果が期待できる可能性がある。また、島根県の例では、2市を管轄するため歳出の額も大きくなるが、当然ながら規模も大きくなるので、それに見合った県からの負担金をもらう仕組みになろうかと思う。一方で、仕組みが複雑になることで経費がかかってしまうことも考えられるので、よく事例を検証して検討してみる必要があると考えている。
○竹内清海委員 財政的なことはよく分かった。一定の効果を想定できるものの、検討してみないとよく分からないことも事実だと思う。
もう1点、共同設置した場合の運営面について伺いたい。共同で設置することで、それぞれの管轄に対して知事と市長の両方が指揮命令すると伺ったが、複数の指揮命令の系統があると課題もあるように思うが、先例市の事例はどのような課題が生じているのか、把握しているものがあれば伺いたい。
○中核市移行準備課長 1つの組織で県と市の双方の責任を受け持つことになるので、明確な指揮命令や適正な事務の配分、また職員の配置が難しいことや、一貫した人事や人材育成などが難しくなる可能性がある。また、保健所の予算の執行や事業を行うに当たり、常に県と市との調整が必要になることや、県と市の両方のシステム、文書処理システムやメールシステムを使い分ける必要もあると伺っている。
保健所を県と共同設置した場合には、県の保健所としての業務を中核市が行うことになるので、中核市が単独で設置する保健所よりも広い範囲の業務を行う必要がある。また、市が代表団体になる場合には当該保健所の業務に対応したルールづくりも市が行うことになるので、業務が煩雑になることが課題と伺っている。
○竹内清海委員 やはり様々な課題があることはよく分かった。数少ない事例のようであるので検討してみる価値もあると思う。
中核市への移行に当たっては多額の費用が必要になることが議論になる。財政負担を少しでも減らすように様々な知恵を絞って考えていかなくてはならない。今回は保健所の共同設置について例を挙げたが、このような事例をよく研究するとともに、財政負担を軽減できる方策については、ほかにもいろいろ事例はあるかと思う。ぜひ研究していただきたい。よろしくお願いしたい。
最後に、保育園の設置許可について。中核市に移行することでどの程度の審査期間が短縮され、効率的な整備ができるのかと伺い、答弁で、審査期間の短縮が1か月程度図れると伺った。本市の待機児童の多い地域は、以前は駅周辺に集中していたが、最近、市川市内は駅から離れた地域でもピンポイント的に待機児童が多いと伺った。
そこで、今回、配られた資料の中に保育園の待機児童解消が載っていたので、保育園を1つの事例として質疑した。保育園の公募の申請期間を短くできると記載があったので、その辺はある程度分かったが、中核市移行後の認可手続変更による担当部署の職員の体制について伺いたい。待機児童の多い地域の保育園整備について柔軟な対応が図られるかも併せて伺いたい。
○こども施設計画課長 まず、保育園の整備に向けての柔軟な対応について答弁する。
本市は保育園整備に当たり、待機児童が多い地域、保育需要が高い地域を指定して保育園を設置する事業者を公募してきた。審査期間などの短縮に伴って、これまで事業者の募集の締切りを7月末までとしていたが、これを最長で10月頃まで約3か月間延長することが可能となる。この延長された期間を利用し、保育園が不足している地域への追加募集を柔軟に実施することができ、より多くの整備が可能となり、待機児童の解消に資するものと考えている。
次に、職員体制については、本市は設置認可の事務において、申請書類の確認という認可審査に準じた事務を現在も担っていることから、職員体制に大きく影響するものではないと考えているが、今後、県と移譲事務について協議を進める中で、企画部とともにしっかりと検討していきたいと考えている。
○竹内清海委員 スムーズな対応ができると伺った。
そこで、例えば追加募集、公募期間の延長により、どの程度の園児の定員確保が期待できるのか伺いたい。
○こども施設計画課長 答弁する。応募状況にもよるが、追加公募により、保育園が不足している地域について、40人から60人程度の定員が確保できると考えている。
○竹内清海委員 中核市移行によって、保育園の適切な施設事業運営のスピーディーな対応が図れることはよく分かった。結果、待機児童解消をはじめ保育園運営事業にとってもメリットが大変大きいと思う。今回、特別委員会配付資料の中核市移行に伴う移譲事務等の概要の担当部署、主な移譲事務等の内容の中、約半分以上が迅速な対応、時間の短縮、速やかなど、我々市民にとってメリットがあるものが大変数多く記載されている。
そんなことの中で保育園の整備も、移譲事務が早くスムーズに進むと今のように待機児童解消に大きく影響するので、1つの例として質疑したが、この中核市移行に当たっては、何としても財政負担が問題である。先ほど岩井委員が質疑していたが、市民サービスの向上の観点からすると、デメリットはないのかなと思う1人である。
いずれにしても、ランニングコストの内訳を十分に精査して、これから財政負担を幾らでも減らすように努力していただきたい。今の保育園の質疑も、今の職員の中で対応できるように伺っているので、まだまだほかにたくさんあるが、今後十分に移譲事務を精査して頑張っていただきたい。
○松井 努委員長 次に、公明党、中村委員の質疑通告に対する答弁を願いたい。
○中核市移行準備課長 まず大項目1つ目、(1)について答弁する。
法定外移譲事務に係る法令名は、医療法、動物の愛護及び管理に関する法律などがあり、約400の移譲事務数を見込んでいる。この事務数は、他市事例などを参考に、現在、本市独自で範囲の想定を行っているものである。関連する事業単位の数については、20事業程度になると見込んでいる。法定外移譲事務について、指定難病医療費助成の申請の受付は法定外移譲事務であるが、これを受ければ、法定移譲事務である小児慢性特定疾病医療費の支給事務と受付と総合的な相談体制の構築ができると見込まれる。
また、医療法では、法定移譲事務として診療所、助産所の開設許可があるが、法定外移譲事務である病院の開設の許可に係る申請の受理、これはいわゆる受付業務であるが、窓口の利便性を考慮すると、このような法定外移譲事務を併せたほうが望ましい場合が想定される。法定外移譲事務としての歳出の見込額は、現時点では約8億円と見込んでいるが、費用負担を含めて今後県と協議していく。
次に、(2)について答弁する。
法定外移譲事務については、法定移譲事務との関連性を踏まえて、市民サービスの向上と事務の効率化の視点により移譲するべきかについて、県と協議を行っていく。また、協議の結果、移譲が確定した事務については、法定、法定外を問わずに円滑な事務処理を行えるよう、事務執行体制の構築、条例、規則等の整備などを検討する。
○財政課長 続いて、同じく大項目1つ目の中核市移行に伴う移譲事務等の概要についてのうち、(3)及び(4)の質疑に答弁する。
まず、(3)事業費及び人件費の詳細について答弁する。事業費の主なものについては、先順位者に答弁したとおりであるが、それ以外の事業費を幾つか申し上げると、民生委員の活動支援に関する事業費約2,900万円、動物愛護センターの管理運営費約1,200万円、包括外部監査に係る事業費約1,500万円などがある。また、人件費の約7億円は、保健所に勤務する正規職員及び会計年度任用職員などについて見込んでいるものである。
次に、(4)のイニシャルコストの見込みについても先順位者に答弁したとおり、保健所等の設置方法などについて検討段階にあるので、現段階においては積算ができていない。そこで今後、県との連携を深めていきたいと考えている。
○中核市移行準備課長 (5)について答弁する。
現在、千葉県との協議体制については、千葉県総務部市町村課の自治振興室と中核市移行に向けた庁内の進捗状況や議会での議論などについて情報共有を図っている。また、保健所に関連して健康福祉政策課にも同席していただいている。現段階において協議、調整している内容については、正式な協力要請を行った後に設置される市と県の連絡協議会に引き継がれていくものと認識している。協議すべき内容も含めて今後県と調整していくが、主な協議内容は、施設の活用や派遣研修、全体のスケジュールなど、県との調整が必要な事項を想定している。市が目指す方向性が実現できるかなど、県と調整しながら進めるものと考えている。
続いて、次の項目、中核市移行後の健全財政の維持についての(1)は、先行市の状況について、普通交付税の不交付団体の例を参考に答弁する。
平成8年4月1日に移行した宇都宮市は、中核市移行前年度の平成7年度、移行した8年度、9年度まで普通交付税の不交付団体であった。本市同様に財源が見込めない中で、保健所整備費を除き約19億円の財政負担が必要と試算していた。これに対して、8年度決算時で約18.6億円の財政負担となったが、経常的経費の削減や中学校給食調理業務等の民間委託化、斎場の火葬業務委託などによる定数管理により市民サービスを低下させることなく対応したとのことである。
次に、平成15年4月1日に中核市に移行した岡崎市は、移行前の平成14年度は不交付団体で、移行後も変わらずに不交付団体である。移行の影響額として約20億円の財政負担となると試算していたが、この財源を捻出するため、人件費、継続費などの調整が困難な経費を除いた経費の一般財源を組織ごとの枠配分予算として、20億円を吸収できるように工夫して対応したとのことである。
また、中核市ではないが、平成18年4月1日に保健所政令市に移行した藤沢市では、17年度、18年度以降22年度まで不交付団体であった。移行の影響額として約6億円と試算しており、その捻出の策として、業務実施の内容の見直しなどにより、移行前の保健所関係業務に従事する職員配置を縮減するとともに、平成18年度から22年度の定数管理として職員の削減などに取り組んでいた。
これらの市の現在の状況であるが、宇都宮市では、令和元年度決算では普通交付税が25億円、いわゆる交付団体であるが、一般会計ベースで見ると、歳入が2,172億円、歳出は約2,133億円、差し引きした形式収支ではプラス39億円であり、翌年度への繰越財源を除いて7億円を財政調整基金に積み立てている。財政調整基金の残高が平成7年度末で約63億円だったが、令和元年度末では約145億円であり、移行後も着実な積立てができている。また、岡崎市は現在も不交付団体の扱いであるが、令和元年度の決算において、経常収支比率が87.7%、財政調整基金も約120億円と、健全な財政状況を維持している。これらの先行市の事例では、移行後も財政上に大きな問題は生じていないと考えられる。
○財政課長 続いて、同じ項目の(2)本市において強固な行財政基盤を確立するためにどのような努力をするのかとの質疑に答弁する。
これまで本市は、堅実な財政運営により健全財政を実施してきた。今後の健全性を維持していくためには、いずれ訪れる人口減少期においても、本市の強みである市税収入、特に個人市民税収入を確保していくとともに、中核市への移行により生ずる財政負担を可能な限り抑制するために、新たに移譲される事務について、いかにして合理的に行っていくかが鍵になると考えている。
そこで歳入面では、今後の人口の見通しや推移に注視しつつ、引き続き市税収納率の維持に努めるとともに、財政の基盤となる財政調整基金残高の確保や市債残高の管理を徹底していくこと。また歳出面では、中核市移行に伴い新たに移譲される事務について、県が行ってきた事務の実施方法をそのまま踏襲するのではなく、移譲される事務の事業の内容や事業費を十分精査し、既存の関連する事業との統合を図ることで事務処理の効率性を高めるなど、コスト削減につながるような事業の実施方法を検討することが重要であると認識している。
○中核市移行準備課長 次の大項目、保健所設置についての(1)について答弁する。
保健所の組織体制については、健康危機対応や災害対応は全庁的な連携が必要なこと、高齢者福祉や精神保健は福祉分野との連携が必要なこと、また、既存の保健センターの機能を総合的に推進していくことを含めた検討が必要になる。保健所の内部組織は、一般的に総務部門、地域保健部門、疾病対策部門、生活衛生部門などに大別されるが、今後、市の公衆衛生を総合的に担う観点から効率的、効果的な組織体制を検討していく。
次に、保健師の中核市移行の受け止めについてである。保健師は入庁前に臨床経験や福祉分野での勤務経験があるなど、専門職として様々な経験をしているので受け止め方も様々であると思っている。本市の保健師は、これまで保健所保健師と管内保健師業務連絡研修会で交流や研修を重ねている。また、近年は新型コロナウイルス感染症の対応として、療養施設業務や陽性者に対しての健康状態確認の電話かけなど、保健所保健師とともに様々な業務を実施したことで、保健所業務がより具体的にイメージできていると考えている。移行後は、市の公衆衛生を保健所と一体となり担うことから、保健所の業務を担う保健師は、より専門的な知識と技術を会得し、スキルアップしていく必要がある。今まで行ってきた健康教育、健康相談、家庭訪問の基本の活動を踏まえながら、保健、医療、福祉、介護等と連携した保健活動の意義や効果を検証し、中核市移行に向けて準備を進めていく。
○健康支援課長 (2)保健所設置による市民のメリットと課題について答弁する。
住民に最も身近な基礎自治体であり、地域の実情をよく知る市が保健所を持つことで、これまで保健所と保健センターがそれぞれ行ってきた地域保健行政を総合的に担い、業務を効率化するとともに、医療との連携や迅速性などの機能の強化が図れるものと考えている。現在、市の保健センターの保健師は健康診断や予防接種、健康相談、母子保健など、疾病に直接関係しない、いわゆる予防の部分について行っている。一方、保健所の保健師は、医師である所長の指揮の下、医療機関とも連携し、感染症や精神疾患など、直接医療につながる案件を担っている。これらを一体として担うことで保健師の業務範囲が拡大され、市町村が実施している健康教育や健康相談などを通じてがん対策や精神保健福祉施策など、より専門的な支援を一元的に展開していくことにより、地域で保健、医療、福祉、介護の連携が図りやすくなり、その状況に応じた市民への支援を行うことができる。また、今回の新型コロナのような感染症の対策については、適正な時期にその地域の実情に応じて対応することが求められているが、昨年度、市内に千葉県が開設した宿泊療養施設においては、本市の感染状況や病院の逼迫状況などの情報が限られていたために適切な時期に迅速に対応できず、結果、時間を要してしまったところでもある。
このようなことから、保健師など専門職は、予防に必要な知識の啓発から疫学調査、医療連携などの専門的な対応を一貫して行うとともに、国や医療機関から直接情報を入手することができる保健所の機能は、本市として感染状況や病院の逼迫状況などの情報を基に医師会と連携を図り、地域の実情に合った対策、適切な時期に的確かつ迅速な対応を市民に提供していくことができ、市民の健康や安全、安心が図れると考えている。さらに災害時においては、市に医療専門職がいることで、避難所における感染症や食中毒への対策、災害で心に傷を負った避難者へのメンタルヘルスケア、国の災害医療派遣チームの支援を受ける際の地域医療機関との連携など、市の危機管理体制と一体かつ機動的に地域の実情に応じた対応ができるようになるものと考えている。このようなことから保健所を設置することにより、これまで以上に健康で安全、安心なまちづくりが進められると考えている。
次に、課題については人材の確保や育成がある。特に保健師などの専門職は、都道府県保健所等に求められる役割と住民の健康の保持増進を目的とした基礎的な役割を併せ持つことから、知識だけでなく、技術の習得も必要になる。保健所設置に必要な人数を短期間で確保し育成していくために、県への派遣研修や県の職員を派遣していただくなど、様々な方法で職員育成に努めていきたいと考えている。
○中核市移行準備課長 次に、(3)検討委員会の設置について答弁する。
中核市の先行自治体では、保健所の開設に当たり必要な事項を検討するため、有識者による検討委員会などを設置している事例がある。学識経験者や関係団体から専門的な知見や意見をいただくことは非常に意義のあることだと思っているので、状況に応じて検討したいと考えている。
続いて、次の大項目、市川市の将来の目指すべき絵姿についての(1)について答弁する。
当該報告書では、人口、財政、産業、交通に関する現状分析や合併による効果、課題などがまとめられている。当時の将来推計では、人口は平成29年度から緩やかに減少する見込みだったが、現在も微増が続いており、歳入歳出総額ともに、財政的には報告書作成当時から約500億円の増である。一方、産業においては、卸、小売業合わせた年間消費販売額、事業所数、従業者数などは報告書作成当時から減少している。また、平成28年に都市計画道路3・4・18号、平成30年には東京外郭環状道路が開通し、さらに妙典橋の開通や北千葉道路の市川―松戸区間の事業化が決定するなど、道路インフラの整備がここ数年で飛躍的に進んでいることから、報告書当時と現在では本市の状況は大きく異なっていると考えている。
次に、中核市移行に係る検討については、行政の効率化や事務範囲の拡大による行政サービスの向上、移譲事務に係る人件費等を含めた経費などを総合的に検討し、判断を重ねてきた。既に多くの事務の権限移譲を受けていたことや、新庁舎の建て替えや下水道の整備、老朽化していく公共施設のマネジメントなど、多くの財源を必要とする事業が控えていたことなどを踏まえて検討する中で、中核市への移行を判断するまでには至っていなかった。
なお、今回のように特別委員会を設置するなど、大きな議論は行われていなかったと認識している。
○財政課長 続いて、同じ項目の(2)の質疑に答弁する。
同じ報告書における当時の将来推計では、歳出面では、老年人口と関係性が深い高齢者や生活保護などの扶助費や介護保険特別会計などの繰出金が老年人口の増加により大幅に増加し、推計の起点となる平成19年度から23年後の令和12年度には約75億円の増となる一方で、歳入面では、生産年齢人口の減少により個人市民税が約24億円の減となり、歳入歳出で約99億円のギャップが生じると試算していた。
質疑の現在の財政状況による試算であるが、平成19年度の推計値と直近の令和元年度決算について、同様の方法により比較した場合、比較する時点が若干異なるが、歳入歳出で約55億円のギャップとなり、実際には当時の推計よりもギャップは小さかったとの結果に至っている。
○中核市移行準備課長 (3)について答弁する。
人口減少が社会的な課題となる中、市民の生活を守っていくためには、市民生活に密着した福祉、保健、医療をはじめとした様々な施策を充実させ、都市としての魅力を高めていく必要がある。本市は都心から近く、立地状況にも恵まれていることから、現時点では人口も微増の状況である。
一方で、隣接する特別区や近隣市との比較において、委員の御指摘のとおり、中核市に移行しないことで都市の競争力や住宅都市としての魅力が相対的に低下するおそれもある。中核市への移行は、都市としての存在感や市の魅力を高め、イメージアップにつながるとともに、さらなる市民サービスの向上に寄与できる効果がある。また、より広い権限を持ち、事務の範囲が広がることで企業や大学、医療関係者などとの接点も増えるので、多様なアプローチも可能になると考えている。中核市移行による市川市の新たな姿も検討に含めながら議論を進めていきたいと考えている。
続いて、(4)ビジョンについて答弁する。
本市が中核市に移行した後の将来の目指すべき絵姿を示すことは非常に重要なことだと考えている。市民が住みたい、住み続けたいと思えるような明確な中核市のビジョンを早急に示すためにも、速やかに調査研究を進め、議論を深めていかなくてはならないと考えている。
○中村よしお委員 時間も限られてきたので、一問一答で端的に4点、再質疑する。
最初に、中核市移行に伴う移譲事務等の概要についての(1)である。法定外移譲事務としての歳出見込額が約8億円と伺ったが、その内訳について伺いたい。
○中核市移行準備課長 法定外移譲事務の歳出見込額の主な内訳は、特定不妊治療費の助成で約2.1億円、特別養護老人ホーム等を整備する事業者の応募があり、これに補助を行う場合は建設補助金で約4.6億円のほか、備品に関する一部補助等で0.9億円などを想定している。法定外移譲事務で県が費用負担をしているものについては今後県と協議していくので、現時点ではあくまでも想定の額となる。先ほどの特別養護老人ホームの建設補助等については、他の中核市では、県の補助の対象外のケースがあることから、現時点では、その補助金相当分を想定している。
○中村よしお委員 分かった。この点であるが、そもそも推計の24.6億円の答弁を伺うと、例えば特養の建設補助金で県の補助金の対象外となる、そういうものを想定して5.5億円を計上しているが、これは24.6億円といっても、要は結局今行っている事業を基準財政需要額のところに落とし込んでいるので、これだけに引っ張られてしまうと、今後の将来の市川市の事業を考えたときに、この金額が果たして議論していく前提として本当にふさわしいものなのか。本来であれば、もう少し精査できるものもあるのではないかと指摘しておきたい。
次に移る。(2)法定外移譲事務の取扱いについての本市の考えを伺うところで、今、答弁を伺ったが、法定外移譲事務について、これは費用に見合った効果はあると考えているのか。
○中核市移行準備課長 法定外移譲事務は、法定移譲事務を実施する上で一体的に処理する必要があるものや事務に関連性があるもので、市民サービスの向上や効率性の向上に寄与するものが移譲されるものと考えている。費用負担は今後の協議にもよるが、法定外移譲事務を県に代わって市が担うことで一定の財政負担が生じるものも想定されるが、市で費用を負担する場合には、当然、市の独自性を発揮するとともに、経費に見合った最大限の効果を上げることができるよう、責任を持って事務処理を進めることで市民サービスの向上につなげていく。
○中村よしお委員 分かった。最後の答弁のところでまさしくそうだと思ったが、これは中核市に移行していくならば、県と全く同じことを市が行うことではないとの理解が必要になると感じた。
次に、中核市移行に伴う移譲事務等の概要についての(5)になる。県との協議なので内協議、また正式協議との言葉が出てきたが、どの段階になれば正式協議となるのか、具体的に伺いたい。
○中核市移行準備課長 県への正式な依頼の段階であるが、市としての方向性が固まれば、特に決められた時期はないので、時期を問わずに要請はできるものと考えている。そのためにも、まず県と市でお互いに一定の方向性を確認して、整備できてから正式に依頼する必要があると考えている。県としても、市の状況を理解した上で対応してくれていると考えているので、今後も情報を共有しながら双方の理解を深めて、正式な依頼ができるように進めていく。
○中村よしお委員 理解はしたが、県への正式な依頼の時期はいつでもできると伺ったが、私たち議会としても、この特別委員会において調査研究を鋭意進めて、適切な時期に正式協議に移っていくことについて判断していく必要があると感じた。これはこれで結構である。
次に、中核市移行後の健全財政の維持についての(2)である。中核市移行により財政負担が増し、いわゆる交付団体に転落する、財政運営が不自由になる。財政力指数を重視する向きがあると思うが、そこで、中核市移行後においても行財政基盤を確立し、引き続き健全財政を維持していくためにどのような財政指標を重視しているのか。
○財政課長 財政指標にはそれぞれ意味合いがあるため、特定の指標のみをもって財政状況をはかれるものではないと考えている。その中で普通交付税については、どの地域に暮らす住民にも一定水準の行政サービスを提供するよう財源を保障するものであるが、国が定めた基準に基づき算定されるため、普通交付税上算定された基準財政収入額と基準財政需要額は、市の実際の歳入歳出額とは異なる。このように、普通交付税は理論的な考えに基づき算定されるものであり、その交付、不交付について、市がコントロールすることは難しいと考えている。したがって、普通交付税の交付、不交付に着目するのではなく、実際の決算に基づいた財政状況を表す経常収支比率、財政調整基金残高、公債費負担比率などの指標こそが注意を払うべき重要な財政指標であり、これは中核市に移行したとしても同様であると考えている。
例えば経常収支比率は財政の弾力性を表す指標であり、中核市移行に伴う財政負担の増により上昇が懸念されるが、財政の硬直化を防ぎ、新たに生ずる行政需要に対応できるよう、中核市移行後もその推移について注視していく必要がある。また、財政調整基金については、今回の新たな感染症の拡大のような緊急事態が生じた場合、中核市としての責任と権限の下、より多くの財政出動が想定されるため、これまで以上に残高を維持していく必要が高まると考えている。
最後に、公債費負担比率については、各年度の市債の償還による負担が過大とならないよう、既存の施設の更新や中核市移行に伴う施設整備を検討する上で注意を払い、管理していくべき指標であると考えている。
○中村よしお委員 最後、1問伺いたいが、今、様々伺ってきたが、答弁の中で推定しているような答弁があった。詰めていく必要があるが、やはり限度があると思うので、今後さらに進めていただきたい。
○松井 努委員長 次に、無所属の会、長友委員の質疑通告に対する答弁を願いたい。
○中核市移行準備課長 最初の大項目、二重行政の解消について答弁する。
二重行政とは、一般的には国、県や市町村が同一の地域で同種同類の業務を行うことにより権限が重複し、住民の利便性が損なわれ、行政上の非効率を招いているケースなどが指摘されている。今回の例で言えば、例えば県の制度に市が上乗せしている場合など、県、市双方への届出が必要になるものがある。例えば特定不妊治療の助成などはこれに当たると考えている。
また、現在、市の健康支援課で行っているこころの健康相談業務と市川保健所の精神保健福祉相談業務は、対象の範囲が県と市で重複している部分がある。その他には受動喫煙対策やDV相談の業務なども同様な状況があるが、啓発活動やPRの場面において、それぞれで類似する広報活動を行うなど重複している部分もあるので、市が一元的に処理することで住民の利便性や事務処理効率も向上すると考えている。
次の(2)については、一連の処理の中で重複した処理をしている場合も、非効率を招いているものは二重行政に当たると捉えている。市で確認した上で申達したものを県で改めて審査して決定している場合、例えば障害者手帳の交付や保育所の認可などがこれに当たると考えている。
続いて、次の項目、イニシャルコストの見込みについて答弁する。
職員の派遣研修等による人件費は、派遣期間や人数について、県との協議や他団体との調整が必要になること。また、移譲事務に伴うシステム導入経費は、既存システムとの連携を考慮する必要があること。施設整備を要する保健所、動物愛護センターについては、基本実施設計の費用や建設事業費が見込まれるが、設置場所や規模により大きく異なることから、現時点では算定が難しいと考えている。
次の動物愛護センターについては、市民に身近な譲渡会の実施や地域猫活動など、動物愛護の普及啓発の拠点になる施設だと認識している。近年整備されている他市の事例では、防音・防臭対策などを十分に行って設置していると認識しているが、もちろん設置に当たっては近隣住民等への十分な配慮が必要であると認識している。設置場所については、例えば本市には豊かな自然環境の中に動植物園が立地しているが、このようなものとの連携を考慮して動物愛護の機運醸成を図っていくことなども考えられるし、ほかにも様々な視点から候補地が検討できると考えている。今後、動物愛護行政に必要とされる機能や交通の利便性、近隣住民の生活環境に配慮した場所を確保するため、設置場所や施設規模などについて様々な意見を伺いながら十分精査する必要があると考えている。
次の大項目、移譲事務の規模の変動幅について答弁する。
移譲事務の規模については、現時点において市独自で検討している限りであるが、法定移譲事務約2,400、法定外移譲事務約400と想定しており、おおむね15%程度が法定外移譲事務となる。中核市に移行している他自治体の移譲事務数を参考に見ると、柏市は合計2,801事務のうち、法定移譲事務が2,317、法定外移譲事務が484、水戸市は合計2,640事務のうち、法定移譲事務が2,026、法定外移譲事務が614、松本市は合計2,309事務のうち、法定移譲事務が1,776、法定外移譲事務が533となり、法定外移譲事務の数は移譲事務全体のおおむね2割前後となる。現時点において、本市が想定している法定外移譲事務の割合と大きな乖離はないと考えている。
法定外移譲事務については、今後県と協議を行っていく中で移譲を受けるか精査していくが、届出や受付など、法令の項目ごとの数であるので、移譲事務数は、大きな数が動く可能性がある。その一方で、大半が法定移譲事務に関連して一体的に処理する事務であることから、配付した資料の中で約90と記載している事業数に大きく変動はないものと考えている。
続いて、大項目、保健所を市で運営することのメリットについて答弁する。
まず、要望の内容について、千葉県知事に対する申入れについては京葉広域行政の枠組みとしての要望であることから、保健所の有無に関係なく、3市の連名で要望している。要望の内容は、令和3年4月13日の要望では、保健所設置市である船橋市が該当しない項目については、市川市、浦安市からの要望として明記しており、保健所設置の有無により異なる。先ほど答弁したが現状においては、保健所設置市と他の市町村では情報の取扱いに差異があることから、このような制度の上で、自身の保健所を持つ船橋市では迅速かつ独自に情報の開示ができていると認識している。
また、船橋市の保健所設置市では、医師である保健所長の判断で市としての対応が行われており、県の保健所の場合には、人事異動など定期的に所長が変更されるが、市の保健所長は定期的な異動が想定されないため、継続して市域の状況に精通することができ、より市の実情を踏まえた判断ができるものと考えている。
保健所は、健康なまちづくりを進める上で地域の公衆衛生の専門機関として医療機関や福祉施設等の中核を担い、総合的な企画機能を持つものであるので、本市が保健所を独自に運営することで、これまで以上に健康で安全、安心なまちづくりが進められると考えている。
○財政課長 続いて、大項目5つ目の歳入見込額の内訳についての質疑に答弁する。
中核市に移行した場合の本市財政に及ぼす歳入面での影響額は約3億7,000万円の減額となる見込みであるが、その要因は大きく2つに分けられる。1つは増要因であり、新たに移譲される事務に対する特定財源として約3億円が見込まれること。もう一つは減要因として、既存の事業に対する特定財源が約6億7,000万円の減となることであり、これらを合わせて、歳入全体で約3億7,000万円の減額と見込んだものである。
それぞれの内訳の主なものを申し上げると、まず、増要因の新たに移譲される事務に対する特定財源は、先ほど先順位者にも答弁したとおり、国庫支出金が約1億6,000万円、県支出金が約9,000万円、使用料及び手数料が約5,000万円で合わせて3億円となる。次に、減要因である既存の事業に対する特定財源の減については、県支出金の減によるものである。具体的には、居住地が明らかでない方などに対して、市が支出した生活保護費等に対する生活保護費負担金について約3億3,000万円の減が見込まれることや、民間事業者が国の基準を超えて保育士を配置した場合に市が支出する運営費の加算に対する保育士配置改善事業補助金が約2億6,000万円の減となるなどにより、県支出金全体では約9億4,000万円の減が見込まれている。ただし、少し複雑な部分があり、県支出金の9億4,000万円の減の中には、中核市移行に伴い、県を通じた補助から国による直接補助に切り替わったことによる減が含まれている。具体的には、県支出金が約2億7,000万円の減となる代わりに、その同額について国庫支出金が増となるものがあるため、既存の事業の特定財源は、国庫支出金と県支出金の差引きがあるので、全体としてマイナス約6億7,000万円が実質的な減となるものである。
○中核市移行準備課長 最後の大項目、中核市移行の大義名分について答弁する。
中核市へ移行することで事務権限の範囲を拡大し、自立した判断の下でサービスを提供できれば、これまで以上に健康で安全、安心なまちづくりが進められると考えている。また、これまでの伝統である財政規律を変えず、健全な財政を維持し、文教住宅都市としてのポテンシャルを最大に引き出すため、中核市への移行を目指すべきと考えているものである。
普通交付税の影響面だけに着目すると、不交付団体である本市は、移行に伴う財源額を市税収入等で賄う必要がある一方で、普通交付税の算定において不交付になることは自立した財政運営ができると見込まれていると捉えられることから、これに見合った責任を果たさなくてはいけないと考えている。
○長友正徳委員 一問一答で伺う。
まず、1番目の二重行政の解消についてであるが、答弁で、ある事業については、県の助成に上乗せして市が助成している。確かにこれは二階建て助成であるので二重なのだとは思う。これが中核市になれば一体としてできる、それは分かる。
もう一つ、申達について、市で審査した上で大丈夫だろうと県に申達する。県は改めてそれを審査して認可する。確かにそこは長期的ではないかといえば、それは仕事である。仕事は、どこかで区切りをつけて渡すわけであるので、全部が無駄ではないと思う。これは意見で申し訳ない。
2番目はイニシャルコストについての質疑で、先順位者の質疑への答弁があり状況は分かったが、我々の委員会は、いずれ適当な時期に是か非かを決めなければいけないので、いつまでもずるずると今検討中ではいかないわけで、いつまでに何を検討して、どういう結果を出すとのタイムスケジュールについてはどう考えているのか。2年後に移行する目標時期も設定されてないが、もう時間がない。イニシャルコストの算定を急がなければいけないと思うが、どのようなスケジュールで今検討されているのか。
○中核市移行準備課長 イニシャルコストについては、費用を算定するに当たり、内部でおおむねの検討ができるものと、ある程度外部に依頼し積算が必要なものなどがあると考えている。具体的なスケジュールは今答弁することができないが、例えば保健所の建設等、具体的な費用になれば、一定程度の調査の費用をかけてといったこともある。そのようなことも踏まえてスケジュールを説明できるようにしたいと考えている。
○長友正徳委員 具体的なタイムスケジュールはわからないと伺ったが、時間には限りがあるので急がないといけない。先順位者に対する答弁の中で幾つか他市の例を伺ったが、川口市が保健所に幾ら支出したかなどを暫定的に参考データとしてまとめて整理して我々に説明していただきたい。いつ何が分かるかも分からない状態で、私たちはいつまでも待たされる。これまで他市の状況を調査されているので、それを整理して、中間的な情報として議会に出していただけないかと思うが、いかがか。
○中核市移行準備課長 他市の事例等を分からないで調査して、先日の委員会でも必要な資料をいろいろ要望いただいている。ほかのものも含めて今準備しているが、そのような施設の内容についても準備して、示すことができるものからできるだけ速やかに示したい。
○長友正徳委員 お願いしたい。
3番目の移譲事務の規模の変動幅についてであるが、法定外移譲事務について、今後、県との協議によって変わる可能性があると伺ったが、数字が変わるとのことかと思う。経費負担として今24.6億円であるが、これがどの程度変わるかとの観点ではいかがか。数%しか変わらないのか。それともこれが大幅に10億円増になることがあるのか。
○中核市移行準備課長 先ほどの24.6億円の中に、これから県と協議する内容も含んでいるので、想定されるものを最大限見積もっている状況である。例えば先ほどの特別養護老人ホームの補助を県と協議して、県が一定額を持つことになれば、24.6億円はもっと低くなると考えているので、そのような面では今後動きがあると考えている。
○長友正徳委員 24.6億円は最大値に近い数字だとの答弁だったかと思う。
次に4番目、保健所を設置することのメリットは全く不思議であるが、船橋市と市川市と浦安市、3市合同で県に対して要望した。要望内容が具体的に分からないので質疑もピンぼけになるかもしれないが、情報開示の要望であれば、何でその中に船橋市が含まれているのか。資料にもあったが、保健所設置自治体ならば情報提供先である。一般市ではないが、法の範囲では都道府県、保健所設置市、特別区、十分に情報を得ていると見られるが、何で船橋市は3市合同の要望書に含まれているのか。船橋市は一体何を要望しているのか。いわゆる情報提供を要望しているのか伺いたい。
○中核市移行準備課長 今回の感染症対策については、もちろん保健所設置市と一般市では違うが、仮に保健所設置市だとしても、国、都道府県、市町村それぞれにおいて役割が決められている。指定感染症の指定は国、重症者病床の確保は都道府県、学校の休校などは市町村が行っている。重症者病床の確保など、都道府県が行っている内容の情報については一定の情報が必要だとは思うので、必ずしも保健所設置市としても、今回の感染症対策について全ての情報を持っているわけではないと思っている。
○長友正徳委員 市川市が保健所を設置したとしても情報は来ない。何か矛盾したことを答弁していないか。
○中核市移行準備課長 全く変わらないわけではなく、都道府県保健所を持っている市町村と持ってない市町村とで情報に差があるとは認識している。船橋市が必ずしも千葉県と全く同等の情報を持っているわけではないとのことである。
○長友正徳委員 口頭ではよく分からないので、要望書や答弁書のコピーをこの委員会に配付していただくことはできないか。もしできなければ情報開示請求する。
○中核市移行準備課長 検討して、後日、回答させていただきたい。
○松井 努委員長 京葉広域行政連絡協議会の一員であるので、船橋市も特別に含んで要望書を出したのではないのか。
○中核市移行準備課長 その枠組みの中で出しているので、船橋は含まれているわけである。初回の令和2年5月のときは、特に保健所があることも関係なく、3市合同の名前で提出しようとして要望したが、前回の3年4月、それぞれの項目ごとに、これは市川市、浦安市と明確に分けて要望したところである。
○長友正徳委員 要望書を見れば、これとこれは市川市、浦安市からの要望である、それ以外は3市合同、あるいは船橋市だけか分からない。それが分かるので、その手紙を開示していただけないか。中核市になり保健所を設置しても、県に要望しなければいけない程度であれば、あまり意味ない。100%ではないが、そこを知りたい。
次に移る。5番目の歳入見込額の内訳であるが、なかなか難しくて、移譲事務について国庫支出金や県支出金が増になる。使用料手数料が増は何となく分かるが、どの移譲事務について幾ら増など、もう少しブレークダウンしたものがあると思うが、そういうものを提出していただきたい。
○財政課長 財源の事業単位での内訳とあるが、例えば次回、資料等、事業を改めて財源の内訳として提出することは可能だと考えている。
○長友正徳委員 よろしくお願いする。
同じ歳入見込額についての質疑で、さきほどの質疑は移譲事務であったが、今度は既存事業についての県からの支出金である。答弁の中で、生活保護費負担金が約3.3億円減、保育士配置改善事業補助金が9.4億円減となる。何でこれが減になるか、私は分からないが、この法的根拠は何かあるのか。もともとこれは市が行っている事業で、市が行っている事業に対して県として助成しているのだと思うが、中核市になったとしても、その関係は変わらないので、県として助成を続ければよいのではないかと思うが、中核市になると、このような助成はしないとの決め事が何かあるのか。
○財政課長 財源が減となる根拠であるが、まず生活保護費負担金については、生活保護法の規定により、居住地が明らかでない方などに対して支払われた生活保護費等については、国が4分の3、県が4分の1を負担することとされているが、平成7年4月1日付で当時の厚生省社会援護局長名で発出された通知文書によると、中核市に関しては県ではなく、市が4分の1を負担することとされている。また、保育士配置改善事業補助金については、千葉県が単独事業として実施している補助制度であり、県の補助金交付要綱において政令市及び中核市が支給対象外であることによるものである。
○長友正徳委員 分かった。
次に、最後の6番目の質疑で、ここがポイントであるが、財政負担増24.6億円。先順位者の質疑にもあったが、これだけ移譲事務に対して持ち出して資金を充てがわなければいけないわけで、税収は増えないので既存事業を24.6億円分削らなければいけない。
では、どこを削るかであるが、扶助費といった経常経費は削らないと思う。削れば、市民はみんな怒る。多分、都市計画事業、下水道事業、政策的経費。多少遅らせても目立たない、すぐに市民は怒らないところを削っていかれるのではないかと思う。どこを削るかについては午前中から一切答弁なかったが、収支の均衡を図るためにはどこか削らなければいけない。削るならば既存事業を24.6億円分削るので、それは市民に対する行政サービスの低下である。何でそういうことを自ら行うのか。
反面、市民は県民税を払っているわけである。それがトータルで幾らか分からないが、県民税の見返り、リターンとして、市民の福祉の向上で24.6億円分の県からの行政サービスが現在行われている。中核市に移行すれば、県民税は10倍以上払いつつも、県からの行政サービスがなくなる。何でそういう選択をするのか、私は理解できない。合理性が全然ない。金銭的に言えば、もし交付団体であれば、その間、国から24.6億円分あるので、まあ、よいかとなるが、それでも税の趣旨に反する。何のために県民税を払っているのか。おかしい。
もともと私は中核市の制度はおかしいと思っているが、百歩譲って国から交付税があればよいところもある。また、市民に対する行政サービスが低下するときちんと発言してもらわないことには賛否を問うことはできない。その辺はどう考えているのか。定性的に削減する、何とかする、税収はしっかり確保していくと。最後は委員から給与削減の話もあったが、そこを示せないと結論が出せない。どのようなスケジュールで具体的な対応策を伺うことができるのか。
○財政課長 先ほどから歳入面や、歳出面でも様々な対応方法は答弁している中で、確かに財源を捻出するためには、既存の事業の見直しも選択肢の一つとして当然考えていかなければならないと認識している。その際は、例えば現在計画されているビッグプロジェクトのような事業についても優先順位を定めて、場合によっては先送りをするなどの例外を設けることなく見直していくことも選択肢の一つとして考えていかなければならないが、ただ、その中でも、例えば浸水対策や防災など……。
○松井 努委員長 終わった。
先ほど長友委員から資料請求の件が出たが、委員の意見を伺った上で委員会において諮りたい。
この件について御意見はないか。
○岩井清郎委員 この文書は皆さんが見てよい。公開しないでよい文書ではないと思うので、提出いただきたい。
○松井 努委員長 ほかに意見はないか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○松井 努委員長 資料請求することに御異議ないか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松井 努委員長 御異議なしと認める。後日、資料を皆さんに配付願いたい。
○松井 努委員長 次に、立憲民主・社民、かつまた委員の質疑通告に対する答弁を願いたい。
○財政課長 私からは大項目の1つ目、影響見込額の質疑に答弁する。
支出増大に対応する方策をどのように考え、収支のバランスをどのように調整していくかについては、中核市移行に際しての大きな課題であると認識している。この課題に対応し、引き続き健全財政を維持していくためには、これまで以上に歳入に見合った歳出の実現という基本的な考え方に基づいた財政運営が重要であると考えている。その場合、歳入面においては、即効性のある方策がないため、先ほどから答弁しているとおり、これまでの取組を着実に続けていくほかはないと考えている。
具体的には、コロナ禍の影響で減収した市税収入の回復が不透明な状況下においても、これまでどおり収納率を維持することで、できる限り歳入を確保していくことが重要であると考えている。歳出面においては、限られた財源の中で既存の事業に加え、新たに中核市としての事業を実施していくことになるので、予算編成を行う中で緊急性や効率性、費用対効果などの視点に基づいて事業の優先順位を定めて、全体のバランスに配慮した予算配分を行っていく必要があると考えている。
○中核市移行準備課長 次の大項目、感染症の検査について答弁する。
千葉県の保健所では、保健所13か所のうち、検査課は7保健所に設置されており、近隣で検査課の設置されてない保健所の検査業務を実施している。
なお、市川保健所には検査課は設置されていないので、習志野保健所が所管している。業務内容は、感染症、食中毒等の健康危機管理に係る検査、エイズ対策、性感染症対策及び肝炎対策に係る検査、原子爆弾被爆者対策に係る健康診断として、尿等の一般検査、腸内細菌検査及び食品衛生に係る検査などを、保健所と県の衛生研究所が業務を分担して実施している。感染症の検査については、年間の検査数や検査業務の内容などに応じた必要な規模、機能を備えた施設整備が必要と考えている。一方で、今回の新型コロナウイルス感染症のように、検査需要が急増するケースが想定されることから、こういったケースに対応できるような体制づくりも必要になる。このため民間の検査センターなど、他の機関との協力体制も含めて、様々なリソースを活用した体制を整備できる検討をしていく。
次の大項目、人件費について答弁する。
人員の配置と人数については、先行中核市や市川保健所の人員配置状況などを参考に、現在の本市で勤務している専門職の人数と照らし合わせて、移行による正規職員約180人の増員分と会計年度任用職員の人件費と合わせた職員人件費として約7億円を見込んでいる。今後、移譲事務の内容を精査していく中で、増員する職種や人数についても精査していく。また、派遣職員を行う専門職員は移行前に採用することも必要になる。研修の期間や受け入れ先との調整なども踏まえて、予算の計上時期については、しかるべき時期に行っていく。
○かつまた竜大委員 一問一答で伺う。
まず、最初の質疑である。影響見込額についてで、支出増大に対応する方策をどのように考え、収支のバランスをどのように調整していくか。歳入歳出、これまでの取組を大きく変えることはできないが、収納率を維持していくことや、あと歳出に関しては、予算編成の中でいろいろバランスを考えていくと既に答弁を伺った。先順位者の方への答弁をいろいろ伺っていると、先ほど中村委員に対して、事務の合理化が鍵になる答弁があった。現状の県の事務を精査して統合を図っていくと。
私は勝手に想像しているが、そのような統合を図っていけば、かなり改善できる部分はあるのではないかと思うし、課題は、今回の中核市の問題で最初大きな議論になったのはやはり保健所の問題かと思うが、そもそも保健所における業務は我々もよく分かっていない。伺うと、例えば保健所においては、コロナによって、いろんな情報が県からファクスで送られてくるようなことも伺っており、それが本当なのかとの話もあるが、情報の伝達やいろんな業務に関して、かなり遅れているのではないかとの認識を私は持っている。今行っている県の保健所の業務をもっときちんと把握して、その上で改善すべきことは何なのかをしっかりチェックし、改善すべきことは改善し、業務をきちんと統合できるものは統合していけば、ランニングコストは抑えることが可能ではないかと思っている。実際、以前の委員会の中で、保健所に関しては統合されてきた。これはよい悪いとの問題はあるが、例えばこの市川は、過去においては、たしか浦安の保健所もあったはずである。それが今、市川の保健所に統合されて、隣の江戸川区などは特別区であるが、過去は小岩保健所と江戸川保健所があり、それも統合されている。
結局、保健衛生の問題に関しては、今まで日本は非常によかった、大きな問題はなかった。統合が可能であった。しかしながら、今回ここに来て、日本においては、例えばSARSやMERSの大きな問題はなかったので、医療に関しても感染症対策ができていなくて、結果的にいきなり新型コロナウイルス感染症が拡大してしまった。それによって、医療の現場においても、また保健所においても、国、そして県レベルでも大変な状況に陥っている。
そういう中においては、保健所の業務をきちんと見直して、特に今、このコロナで問題となっているのは都市部である。千葉県の中でも、今回のまん延防止ならば最初5市になり、さらに、その周りの6市で今合計11市であるが、こう言うと失礼であるが、例えば房総半島へ行けば、皆さん、そこにお住まいの方のコロナに対する意識は全く違うわけで、なおかつ市川市などは東京に隣接している。さらには、東京からの交通量の結節点であるので、やはり感染拡大が非常に心配である。なおかつ保健所の管轄である飲食店なども非常に大きい。今日、千葉県では、飲食店の新たなる対策を打ち出したようで、最初に千葉市のほうで対策していく話もあるが、まさに市川市なども、飲食店がこれだけたくさんある。保健所が管轄をしているのであれば、きちんと市川市独自にチェックするような仕組み、体制をつくるべきだと私は思う。
長くなったが、その中で最初の質疑に関して、今、私も少し意見を述べたが、例えば統合や、今までの業務を精査することの可能性に関してはどのように考えているのか。
○中核市移行準備課長 移譲される事務の中には、先ほども二重行政等の話もあったが、県と重複して処理を行っているものもある。また、例えば一般廃棄物と産業廃棄物のように、類似している業務を一体となって行うことで効率化を目指せるものもあると考えている。そのような業務を全て精査して、できるだけ重複するものは効率化を図れるように、業務の見直しについてはきちんと行っていきたいと考えているし、それを行うことによって業務のスリム化ができるものはあると考えている。
○かつまた竜大委員 承知した。まずはスタートだが、今、市の職員も分からないことだらけなので、いろいろと進めてもらいたい。その中で私たちにも情報提供していただきたい。
続いて、2番目は取り下げたので3番目の質疑についてである。今回の新型コロナウイルス感染症のような検査需要が急増するケースに対応できるように体制づくりも必要であるとの答弁を伺ったが、実際、現状、PCR検査等も、これは市川市独自の施策であったが、当初ソフトバンクが開設した国府台の病院に依頼するなど、結局、民間の検査センターもあるので、いろんな形の依頼ができる。こういうことに関して、既にいろんなやり取りをしていると思う。今、答弁を伺ったが、実際に今後どうしていくのか具体的に話を進めていることはあるか。
○中核市移行準備課長 どの範囲を委託化できるかなどは具体的にまだ県と話はできていない。現在の県の検査の体制について、早急にきちんと情報を把握して、市として、民間の検査センターも含めて、どの程度の分量を市で直接行うことが必要なのかは精査していきたいと思っている。
○かつまた竜大委員 私も検査センターのある会社を知っていて、県に対してはPCR検査をさせていただきたいと要望したが、断られたようで、委託の方法も取ればいろんな形はできると思う。ただ、やはり予算の問題があると思うので、これも保健所の議論につながるが、千葉県で実施する場合は広域で行わないといけない。私が思うに、やはり市川市が自身で保健所を設置すれば、市川市の問題に関して、今困っていること、必要なことに対して的確に適切な対応、検査等が行われることについては、人口の多い市川市、また東京に隣接している市川市は、それなりの体制をつくっていく必要があるのではないかと感じた。
次に移りたい。4番目の質疑についてである。この答弁に関しては、派遣研修を行う専門職員は移行前に採用することも必要になる。また、研修の期間や受け入れ先との調整なども踏まえ、予算の計上はしかるべき時期に行っていくと伺った。今、ここで気になるのは、まだ時期的に相当先の話であるので、これまた難しい問題かと思うが、専門職の方をかなり採用する。これは過去の2月定例会の答弁の中でいろいろあったと思うが、今日の議論でも、そのような専門職の人事の様々な部分でも課題があると思う。やはり日本の場合、医療全般で見ても、医師、看護師が不足している。さらには、関連する専門職の方も、現状においては非常に人手不足な感じが私はしているが、実際のところ、専門職の採用に関しては、先行して中核市になった市について、問題等をいろいろ調べていると思うが、人員の確保について問題はあったのか。
○中核市移行準備課長 詳細まで詳しくはないが、先日報道等で、たしか松本市だと思うが、中核市移行の4月1日に採用が間に合わず、県から職員の派遣を依頼したケースはあるので、何らかの形で保健所の運営ができるように対応していると考えている。ただ、一方で職員の採用に一定の課題があるのは、どこの中核市でも同じだと思っている。
○かつまた竜大委員 わかった。いろいろあるようである。今、報道では、墨田区の保健所長をよくテレビで見るが、私も水戸市に視察に行ったが、医師が保健所長をしており、たまたま県の人材が退職をされる時期で、そのまま水戸市の保健所の所長になったとの経過もあった。特に所長に関して、医師をどのように人材確保するのかが大きな課題なのかなと思っている。いずれにせよ、現段階で伺ってもなかなか答弁しづらいと思うので、よしとさせていただきたい。
いずれにしろ、今日3点ほど伺い、多くの先順位に対する答弁を伺っていると、例えば保健所の問題にしても、今まで県が行ってきた業務であり、我々は委員であるが、市議会議員なので、県の業務はよく分からない。そういう意味では、もっと情報を得るためには、先ほど答弁で伺ったが、例えば職員の派遣なども早い段階で行い、県の情報をもっと伺いたいとの思いがある。
以上で私の質疑を終わる。
○松井 努委員長 次に、日本共産党、髙坂委員の質疑通告に対する答弁を願いたい。
○中核市移行準備課長 まず大項目1つ目、情報提供に関する質疑に答弁する。
千葉県では、新型コロナウイルス感染症が発生した場合における情報の公表については、令和2年2月27日付で厚生労働省から通知された一類感染症が国内で発生した場合における情報の公表に係る基本方針により対応している。本通知では、新型コロナウイルス感染症に関わる情報公表においても、この基本方針を鑑みて情報公表に努めるものとする内容である。その上で、個人が特定されるような情報については個人情報保護条例に基づいて判断が行われるものと考えられるが、現時点ではそのような事例はないものと認識している。
なお、千葉県では、千葉県個人情報保護条例及び千葉県個人情報保護条例解釈運用基準により、個人情報についての情報提供の可否が判断されることになるが、条例によれば5点あり、1つ目として法令に基づく場合、2つ目として本人の同意に基づく場合、3つ目として既に公にされている情報の場合、4つ目として個人の生命、財産等の保護、5つ目として審議会の意見等があった場合には情報提供ができると定められている。
次に要望の状況であるが、令和2年5月1日付、京葉広域行政連絡協議会での千葉県知事に対する要望書に、市川市長、船橋市長、浦安市長の連名において、入院者数や自宅療養者数などの感染者の内訳、医療機関別の確保病床数、入院病床数、空き病床数の随時更新、医療資材の在庫状況など、各自治体が活用できる情報を迅速かつ漏れなく共有することを要望した。要望の場では、県としても、情報共有のできる範囲や頻度については問題意識を持っているとの趣旨の発言があった。
なお、各市町村からの情報の要望が多いことから、令和2年11月11日付、各市町村新型コロナウイルス感染症の担当課長宛てに、感染者の年代、居住地、発症日、主な報道歴などについて、保健所を通じてプレスリリース前に市町村に提供するとともに、市町村からの個別の要望に対して、可能な範囲で必要な情報を提供してきた。今後も必要な情報の提供に努めていくと通知が発出されている。
その後、令和3年4月13日、京葉広域行政連絡協議会の中で、市川市、浦安市として、地域単位での新規感染者の感染経路、重症度や変異株感染の状況、医療提供体制の影響など、各自治体が活用できる情報を迅速かつ漏れなく共有することを要望している。これに対しては、追加で資料のとおり、県から4月30日に、県と市町村の情報共有及び連携強化を図るため、保健所設置市を除く県内市町村に対して、保健所への職員派遣について意向確認を行っている。さらに、複数の連絡ルートやホットラインなど、緊急時や電話回線、混雑時等でも管内市町村との円滑な情報共有ができる連絡体制を引き続き確保するよう、県保健所に対して徹底を指示したと回答があった。
次に、感染症法についてであるが、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律はいわゆる感染症法となるが、こちらでは感染症に係る届出について定められている。情報の抜粋であるが、医師は対象となる者を診断したときは、厚生労働省で定める場合を除き、直ちにその者の氏名、年齢、性別、その他厚生労働省令で定める事項を、最寄りの保健所長を経由して都道府県知事、保健所を設置する市または特別区にあっては、その長に届け出なければならないとされている。感染症発生時において、検疫所、医療機関、検査機関から通知、届出、連絡が来るのは保健所となることから、この届出の過程において、都道府県と保健所設置市では情報が共有されているものと認識している。保健所を持たない市町村については、このような届出等に特段の位置づけがないため、情報の取扱いは都道府県の判断に委ねられるものと考えている。
続いて、大項目2つ目、移譲事務について答弁する。資料1の中核市移行に伴う移譲事務等の概要で記載している移譲事務数については、現時点で本市が独自に算出したものであるが、法定移譲事務、法定外移譲事務を含めたものである。また、必須ではないが、移譲事務となる可能性のある事務を法定外移譲事務と捉えており、現時点での試算では、法定外移譲事務は約400と想定している。想定される主な法定外移譲事務は、特定不妊治療の助成や特別養護老人ホームを建設する補助などがある。
○髙坂(こうさか)進委員 コロナの情報が市に来ないことが保健所をつくる一番の理由だと私は思っているが、そういう点でいうと、千葉県の個人情報保護条例は1から5まで提供可能である。令和2年5月1日付の知事に対する要望書では、入院者数や自宅療養者数などの感染者の内訳、医療機関別の確保病床数、入院病床数、空き病床数、医療機材の在庫状況などだが、これは1から5のどの項目に該当して情報提供ができているのか。現在、市は、県から情報提供されていないもので、どのような情報提供を望んでいるのか。その情報が来た場合にどのようなことができると考えているのか伺いたい。
○中核市移行準備課長 まず、千葉県に出した要望事項のうち、入院者数、自宅療養者数などの感染者の内訳、医療機関別の確保病床数、入院病床数、空き病床数、医療機材の在庫状況については、個人を特定する情報には当たらないと考えているので、個人情報保護条例の範囲でもないと考えている。したがって、国の通知等に基づいて、県の判断で情報提供が行われているものと認識している。
また、現在提供されている情報の内容については、居住地の詳細や感染経路の詳細などを明確にしていない部分がある。特に居住地の詳細な情報については、個人情報に抵触すると思われる。市でどの項目に該当するのかは、判断できるものではないと考えている。居住地等の詳細な情報を得て分析を行えば、市中感染拡大の防止策や感染症対策の啓発などにおいて、市域の実情に応じてより迅速に行えるものと考えている。
○髙坂(こうさか)進委員 私が伺ったのは、そのような情報があれば、市の実情に応じて迅速に考えることができると言うが、具体的に、今は県からそのような情報は来ない。このような情報が来れば、こういうことができると、説明していただきたい。そうでないと分からない。さきほどの答弁と少し違うような気がするが、具体的に、こういうことがあればこういうことができるので、こういう情報をいただきたい。それができないので保健所が必要と言っていると思う。具体的なことを伺いたい。
○危機管理課長 今答弁をしたとおり、例えば居住地の詳細等については今提供されていない情報である。居住地の詳細について提供を受けたことにより、例えば市川市の場合は都内に通勤、通学されている方も多くいるので、そのような方に向けたピンポイントな啓発も考えられるかと思う。あるいは、例えばクラスターの情報等もあるが、クラスターになる前から情報を得られれば、どこでクラスターが起きそうな状況にあるのかとの分析にも使える。より詳細な情報が得られれば市としての対策に生かせるのではないかと考えている。
○髙坂(こうさか)進委員 今回のコロナの問題で、確かに市川には新聞に出たもの以上の情報は来ない。私が定例会で質問して、情報がとにかく市川に来ない、だから分からないと伺った。具体的に伺うが、県はそれらの情報を何で提供しないのか。それは法的にできないのか。
○危機管理課長 法のどこの部分に抵触するかについては、私どものほうで判断しかねるが、県に情報を求めても、それについては一切公表できないと回答されてしまう。
○髙坂(こうさか)進委員 要するに法律で決められているので、こういうことになるのだと思う。情報提供ができないことについて、県が勝手に、これは嫌だからやめようと決めているわけではないと思う。どういう法律に基づいているのか。分からないで済む問題なのか。
今までなかなか情報が入ってこないと言っていた。市で情報を私たちにももっと明らかにすべきだと言ってきたのに、今になり、どういう法律に基づいてそうなのかは分からないと伺った。それはおかしいのではないか。全体が甘い。具体的には、例えば今度のコロナの問題で何がなかったのか、どういう情報が足りなかったのか、その情報があれば何ができたのかを具体的に伺いたい。今、まん防だって、各地域で出せる。県全体ではなくて、各市で出すことができるのは、その市で自分たちのことがどうなっているのかをしっかり分析して、判断して要請することが必要である。そういう点からしても、コロナで言えば、今、情報は具体的に何が足りないのか。
○危機管理課長 今入ってこない情報について何が足りないのかであるが、県にいろいろな情報の提供を求めたときに情報開示ができないことについては、出すことで少しでも個人情報につながってしまう、個人の特定につながるおそれのあるものについては控えさせていただくので公表できないと回答をいただいているところである。
県から情報が来るのを待つのではなくて、事前に市で早い段階から情報を得られることで、先、先に対策を考えることができると考えているので、市で情報を持つとの意味では、保健所の設置があれば速やかな情報を得られるものと考えている。
○松井 努委員長 市で保健所を設置した場合には、今答弁されたことについては公表してもよいのか。市で保健所を設置した場合、今、髙坂委員が言われているようなことについて情報開示する部分はあるのか。
○中核市移行準備課長 外部の公表については、当然、市が仮に情報を持っていたとしても、市の個人情報保護条例等によって判断しなくてはならないと思うので、一般市民の方に市が持っている情報を提供することは一定の制限があると思っている。一方、保健所は当然市の内部のデータとなるので、それを市の内部で活用することについては一定程度可能だと思っている。
県と市の関係において言えば、県にとって、市はあくまで外部の組織になるので、県から市に情報を提供するに当たっては一定の制限があると考えている。
○髙坂(こうさか)進委員 さっき伺った個人情報保護条例の件であるが、これの4番目で、個人の生命、身体または財産を保護するために利用し、また提供することが必要な個人情報で、相手方において独自に収集する時間的余裕がなく、かつ、ほかに適当な収集方法がなく、本人から収集していたのでは個人の生命、身体、財産を保護するとの目的が達成できない場合には、県が持っている情報でも、こういうものについては、ほかの機関に出してもよいと言っている。必要な情報について、コロナ関連は今言ったような範囲の中に入るのではないのか。法律的なものは分からないなどではなく、こういうことがあるので、これに基づいて情報を出しなさいとするのは、よいのではないか。そうすれば出てくる。要するに今、時間的な問題だと伺った。市で得た情報ならばすぐできるが、県が得た情報となると、確かに時間的に1週間違うのか2日違うのか知らないが、それだけの話なのか。
○中核市移行準備課長 まず、先ほどの4番目の項目に該当するのではないかとの質疑であるが、あくまで県は、ここに該当しないと判断されているので出してないものだと認識している。
○髙坂(こうさか)進委員 県はそうなので、しようがないと。僕は不思議であるが、市川市から保健所に職員を派遣していて、経費もかかっており、それなのに、自分たちが持っている情報はこれに該当しない、ああ、そうですかと終わるのか。これは解釈が違うのではないか。もっときちんと言えばよい。別にこれは県庁の人だけのための条例ではない。県民のための条例であるので、そういうことを何でしないのか。時間だけの問題なのかについて一切答えていない。
しようがないので次に行く。令和3年2月13日の感染症法の改正で、都道府県、保健所設置市及び特別区について、厚生労働省や都道府県への報告が義務づけられているが、市町村への情報提供については位置づけられていない。これは、市町村に情報提供してはいけないとの意味か。
○中核市移行準備課長 法令では、提供してはいけないとの表現はない。今回の改正では、都道府県と保健所設置市で情報連携が図れるよう、それぞれが届出をするようにとなっているので、その中で情報共有されているが、市町村については、特に言及はされていない。したがって、禁止されているものではなく、都道府県が判断して、出すかを決めているものだと認識している。
○髙坂(こうさか)進委員 情報を出してはいけないわけではない、情報を出そうと思えばできるわけである。県が判断してではなくて、県の判断がおかしければ、県に対して、それはおかしいと指摘しなければいけない。県も判断をするために、さきほどの1から5の判断基準があると言っている。それははっきりしている。それに基づいて判断すべきだと指摘していただきたい。そうすれば、時間的に1日か2日か1週間か遅れることがあるにしても市に情報が提供されると思うので、そこはしっかりしていただきたい。
次に移る。中核市移行に伴う移譲事務等の概要についてであるが、法定外移譲事務として可能性のある事務は、概要に述べられている以外にあるのか。
もう一つは、この概要に示されていないもので、中核市移行に伴い、本市として移行を考えているものがあるのか。また、県との協議の中で移行が増えていく可能性があるものはどのようなものか。
○中核市移行準備課長 こちらの資料、中核市移行に伴う移譲事務等の概要に示されていないものとして考えているものについてであるが、現在のところは、示している事務以外で単独の業務として移譲を受ける想定をしているものはない。関連する事務については、今後、県と協議していく中で増減があるものと考えている。
一方、中核市になることでできることになる業務もあるので、これについては、今後、法定外で移譲を受ける可能性もあると考えている。例として、児童相談所の設置に関する事務や住宅宿泊事業に係る届出、いわゆる民泊に関する事務などが想定される。ただ、児童相談所については、中核市になることで確かに設置は可能となるが、業務内容が専門的かつ高度な判断を要する業務であることや、管轄区域について、県との調整なども必要であることなどから、設置に当たっては慎重に判断する必要があると考えている。
また、住宅宿泊事業、いわゆる民泊に係る届出の受理、監督等については、こちらも中核市では県に代わって実施することができるが、まずは民泊事業そのものを市としてどうするのか、十分に検討する必要があると思っている。その上で、本市が権限の移譲を受けようとする場合には県と協議を行うことになると考えている。
○髙坂(こうさか)進委員 次、特別養護老人ホームの建設に係る施設補助金の交付、特定不妊治療助成ができることについて。今まで、例えば特別養護老人ホームだと、1床について450万円の補助金があったが、今度、それを市が負担すると理解する。
もう一つは、例えば特養について言えば、450万円の補助金がなくなり、その分、市川市が負担し、さっきの4億6,000万円は、これの話なのかなと思う。そうすると、100床ぐらいと考えてよいのか。今度、8期高齢者福祉計画・介護保険事業計画だと1年間に100床と出ているが、そういうことで計算したのか。県の補助金がなくなり、市が負担をするが、収入として、国からその分の歳入があるのか。幾らあると考えてよいのか。
○財政課長 その部分に関しての国からの歳入はない。
○中核市移行準備課長 まず、特養の補助についてであるが、先ほども答弁したとおり、他の中核市では県の対象ではないことから、一旦は4億円を想定している。あくまでも今後県と協議をしていくので、県がどこまで負担するかは協議する事項だと考えている。ただ、他の中核市では対象ではないので、今4.5億円を想定している。積算については、確かに100床の450万円で、その分が県からの補助であるので、その分を計上しているものである。
○髙坂(こうさか)進委員 国から負担で補助金が出てくるのかなと思ったら、それはない。そうすると、今まで県が100床分、4億5,000万円負担していたのが、今度、市川がそのまま4億5,000万円を負担すると考えてよい。これと同じようなこと、同じようなもので、例えば特定不妊の助成金があったが、そのほかにも、今まで県が負担していたもので市川の負担になるものはあるのか。あるとすれば、具体的に何があり、幾らなのかを伺いたい。
○財政課長 先ほどの経費、事業費の中で答弁したが、例えば小児慢性特定疾病に関する法定移譲事務については1億2,000万円程度の事業費の負担があるが、それに対しては5,000万円程度の国庫支出金がある。ただ、その部分は、市の負担は2分の1の負担がある。
○髙坂(こうさか)進委員 今言った特養、それから特定不妊治療と、3つだけで、それ以外はないか。
○中核市移行準備課長 そのほかにも、今、県の単独事業で行っており、法定外移譲事務で市が受けるものはあると考えているが、今後、どちらが負担するかも含めて県と協議していくものと考えている。
○髙坂(こうさか)進委員 これからも市川市の負担になる部分がまだ考えられるのだと思う。そういう点では、そう簡単に24.6億円云々だけで終わるものではないと感じる。時間がないので、これで終わる。
○松井 努委員長 今の部分であるが、大変大事なところであるので、今言われたことがあるようであれば資料として出していただきたい。我々委員も、今の話については、ほとんどの委員が知らないと思う。中核市に移行したがために、県が負担していたものまで全部市が負担するとなると大変大きな額になるので、分かり次第、資料として提出していただきたいと私は思うが、皆さん、いかがか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松井 努委員長 では、そのようにさせていただく。
以上で通告による質疑を終結する。
○松井 努委員長 次に、追加資料に対する質疑に入る。
この件について、何人ぐらいが質疑する予定か。質疑したい人がいればトイレ休憩ぐらいはしなければいけないと思うが、なければ終わりにしたい。
〔「次回、資料が出た上で。それと併せて、要望書の内容を見て」と呼ぶ者あり〕
○松井 努委員長 次の委員会の時期であるが、6月定例会に入り、そこでまた質疑されると思う。また、資料等もあれば行政側から提出していただきたい。それを勘案して、場所の確保など、いろいろする関係があり、ここで諮って次の委員会を決めるわけにいかないので、今回と同じように、次の日程については正副委員長に一任願いたい。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松井 努委員長 御異議なしと認める。よってこのとおり決した。
○松井 努委員長 以上で中核市移行に関する特別委員会を散会する。
午後3時20分散会
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