更新日: 2018年10月10日

2018年6月22日 一般質問(宮本均議員)

一般質問(宮本均議員)

午後1時開議
○堀越 優副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第17一般質問を継続いたします。
 宮本均議員。
○宮本 均議員 公明党、宮本均です。通告のとおり初回から一問一答で一般質問を始めます。
 まず、都市農業についてということですが、農業関係の質問は、実は私、今回初めてさせていただきます。まず、市川市の都市農業の現状、役割についてということですが、市川市の都市住民に新鮮で安全な野菜、果物を供給する場所、また、災害時の防災空間、心安らぐ緑地空間、いろいろな役割があると言われている都市農業ではありますが、市川市を含め首都圏、大消費地に近い地の利を生かした貴重な営みを将来にわたって守ろう、そういった機運が実は全国的に高まっているところであります。都市農業のさらなる振興、農地の保全に求められているものは一体何なのか。そういった観点から、まず市川市の都市農業の現状、市川市ではどう捉えているのか、市の見解をお伺いします。
 また、都市農業が担う役割というものについて、どのような考えをお持ちでしょうか。よろしくお願いいたします。
○堀越 優副議長 経済部長。
○関 武彦経済部長 本市の都市農業の現状と役割についてお答えをいたします。
 本市では、県内有数の生産量を誇る市川の梨を初め、施設栽培によるトマトやキュウリ、露地栽培のネギや葉物類、シクラメンなどの花卉など多くの農産物が生産されております。市内の農家では、宅地と近接する立地条件の中で、農薬の飛散防止など周辺環境の保全に配慮しながら、付加価値の高い農産物の栽培や直売など収益性の高い農業経営に取り組んでおります。また、若手農家で構成される農業青少年クラブも活発に活動しております。一方で、農業者の高齢化や担い手不足による農地の減少が本市の課題となっております。
 都市農業には新鮮で安全な農産物を供給するだけではなく、災害時の防災空間、良好な景観の形成など多様な機能があります。都市農業の振興は良好な都市環境を形成していく上で大変重要な役割を果たしております。
 以上であります。
○堀越 優副議長 宮本議員。
○宮本 均議員 最初は現状、市川市の場合も、やはり全国的な同じような課題であるというのをちょっと確認をさせていただきました。
 問題は、次の(2)の質問のほうに移りますが、生産緑地の保全ということでお尋ねをします。今回この質問をするに当たっては、1992年に導入された生産緑地の制度ですが、これは原則30年、農地として維持をする義務を負うものですが、30年が経過する2022年、これは全国の平均ですが、8割が期限切れを迎えると言われております。農地の保全に向けた対策を今、国、政府も進めているところではありますが、まず、30年を迎える生産緑地、市川市での割合はどの程度になるのか。また、所有者から買い取りの申し出があった場合、市のほうはどういう対応を考えておりますか。
○堀越 優副議長 水と緑の部長。
○中野政夫水と緑の部長 生産緑地の保全についてお答えいたします。
 市内の生産緑地は、平成29年度末現在で315カ所、約93haでございます。そのうち2022年に30年の期限を迎える緑地が92%の291カ所、面積で87%の約81haが対象となります。
 次に、買い取りの申し出のあった場合の市の対応でございます。生産緑地を買い取る場合は、周辺の宅地と同程度の単価となること及び面積が500㎡以上であることなどが条件となります。買い取りの判断につきましては、価格が高額となるため、財政的な事情や所有者の意向等を十分に配慮した上で慎重に判断する必要があると考えております。
 今後の取り組みといたしましては、平成29年度に生産緑地法が改正され、所有者の意向により期限を迎えた後も引き続き生産緑地として継続することも可能となりましたことから、所有者に対する意向調査を本年9月から12月にかけまして実施していく予定としております。あわせて農業委員会や地元農協などを通じ、所有者に対して制度の周知を図り、農地としての保存に取り組み、生産緑地の保全に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○堀越 優副議長 宮本議員。
○宮本 均議員 ありがとうございました。実は質問に当たって、事前に数値だけは確認を先にしていたわけですが、ヘクタールという単位が感覚的になかなかつかみにくいとは思うんですけれども、例えば生産緑地93haとなりますと東京ドーム19個分、そのうちの87%となると17個分相当が30年が過ぎるという状態になることになります。そうしますと、一斉に買い取りの申し出というのは考えにくいですけれども、一番の問題は、やはり高額になって、また財政的な事情で買いたいんだけれども買えない、そういった事情が出てきて、だんだんだんだん生産緑地も減って農地の減少ということになりはしないかという心配は、実は大きくございます。この問題は民間のほうで10年以上前から、買い取りの申し出があるとか、例えば急激に宅地造成が進んで、結果的にその地域の土地の下落が始まるなど、いろいろな言われ方をしておりますが、市川市のほうでは2016年、これは農業委員会の主催ですが、「都市農業の展望について」というテーマで講演を開催しておりました。中身的には主に税の対策の話でございましたが、また、さらに、ちょっとこれは古いんですが、東葛地域ということで、日本地理学会のほうで生産緑地の解除、その特徴という研究発表がございました。それを見ますと、指定解除の状況というのは、相続等のやむを得ない個人的な要因が大半であります。なおかつ、売却条件のよい土地から解除が行われている。市川市の特徴は、部分解除ではなくて全部解除、それが非常に多い場所となっております。また、条件のいい土地というと、接道つきの解除地区、これはほとんど間違いなく住居系の土地利用になっているという結果がございます。これは次の質問にかかわっていることですけれども、やはり都市政策としての生産緑地の問題という扱いを今後していかなければ、市川市のほうも都市農業というものが根本的に衰退していくのではないかという心配があると申しておきます。
 また、平成25年に市川市で都市農業の意向調査というものを行っております。これは農業に従事している世帯に対しての調査対象でありますけれども、そこでも、やはり従事者自身が解決できない問題というのもございます。そういったものも含めて、今後新たにまた意向調査というものを、ぜひ今回は農業従事者だけではなく一般の市民の方の意向調査もしっかりとやっていただきたいと要望をしておきます。
 次に、(3)の都市農業のさらなる振興に向けての市の見解ということでお尋ねをします。現在、国会のほうで都市農地貸借円滑化法、また、農地等に係る相続税・贈与税の納税の猶予制度の見直しが行われているところです。先ほど申し上げたとおり、今、国を挙げて都市農業を守るだけでなく、さらに発展させようという方針が示されております。今後の市川市の農業振興策についてお伺いいたします。
○堀越 優副議長 経済部長。
○関 武彦経済部長 今後の本市の農業振興についてお答えをいたします。
 都市農業につきましては、食の安全性への意識の高まりや防災意識の向上、都市環境の改善など多くの効果が期待されております。その多面的機能が農業政策と都市政策の両面から再評価されているところでございます。平成27年4月には都市農業振興基本法が制定され、関連法令も順次整備されており、本市におきましても同法の基本理念を踏まえ、平成28年3月にいちかわ都市農業振興プランを策定いたしました。その中で、農業の担い手の育成のほか、農業経営の支援や農地の有効活用などさまざまな施策を展開しております。都市農業の振興に当たりましては、担い手の育成と確保、そして農地の適正な保全等が両輪となりますことから、今後も関係法令の動向を注視しつつ、関連部局と連携をしてまいります。
 以上であります。
○堀越 優副議長 宮本議員。
○宮本 均議員 経済部長の答弁はよくわかります。その中で関連部局との整合性とでもいいましょうか、連携というのもおっしゃっていたんですが、経済部の考えはよくわかるんですが、もう一方、非常に大事になってくるのが市川市の都市計画マスタープラン。これは答弁の中にありましたいちかわ都市農業振興プランの中にも市川市のほかの政策との兼ね合いも含めて連携をとっていくという内容にはなっておるんですが、その中では、産業振興基本条例、また都市計画マスタープラン、みどりの基本計画、食育推進計画、環境基本計画、これらと整合性をとりつつ市川市の農業振興に当たるとあります。私はこの中で、これから非常に重要になってくるのが、やはり都市計画、その中での都市農業の位置づけというものが非常に大事になってくると思います。
 再度質問しますが、都市計画の視点から生産緑地の保全等、これらにかかわる市川市の取り組み、また見解について、街づくりのほうはどのような考えをお持ちでしょうか。
○堀越 優副議長 街づくり部長。
○江原孝好街づくり部長 再質問にお答えをいたします。
 本市の市街化区域内の農地の一部については、都市における農地等を保全することにより、良好な都市環境の形成に資するよう、生産緑地地区として都市計画の決定をしております。また、本市の都市計画マスタープランにおいても、この生産緑地地区について、北東部では延焼防止や一時的な避難地として有効に活用するため、計画的な保全を図ることとし、北西部では都市の中の貴重な緑地空間として地域住民の協力のもと、農業施策と調整しながら維持に努めると位置づけております。このように、生産緑地地区は農地としての役割だけではなく、良好な都市環境の形成を担う貴重な空間でありますので、今後も関係部局と協力しながら、保全に努めてまいりたいというふうに考えております。
 以上であります。
○堀越 優副議長 宮本議員。
○宮本 均議員 ありがとうございました。先ほど言いました農業のほうの振興プランは、たしか平成28年にでき上がっています。また、まちづくりの基本になります市川市の都市計画マスタープラン、これは2004年、大分開きもございます。なおかつ、これからの都市農業を考えるに当たっては、やはりマスタープランはマスタープランで当然重要なビジョンではありますが、改めて都市農業という観点からの都市政策、都市計画というものをしっかりとつくっていっていただきたいと思います。また、その際、農業従事者にかかわらず市民の価値観が変わることが、都市農業がこれからますます必要になってくると思いますので、その点も含め、先ほどの意向調査とあわせて、市川市の都市農業をしっかりと守っていってほしいと要望して、次の質問に移ります。
 集団資源回収についてですが、こちらの質問は、実は昨年の6月定例会の一般質問で、団体による資源回収の奨励金の見直しということで質問をしております。今年度より、缶については、今奨励金はキロ3円のところをキロ5円に増額と聞いております。4月からですから、まだ始まったばかりではありますが、およそ2カ月の団体による資源回収の缶に関しては値上げの効果というものは果たしてあったのかどうか。奨励金を増額しても資源回収量はふえないという話も、昨年の6月定例会以降ですけれども、聞いております。今回の値上げに応じた実績、効果、また、今後の団体資源回収の活性化、市川市ではどのような考えなのかお尋ねをします。
○堀越 優副議長 清掃部長。
○大平敏之清掃部長 集団資源回収活動につきましては、自治会や子ども会、PTAなどの市民団体が行う自主的な活動となっております。この活動の実施団体に対し、市は、平成2年度より瓶、缶、紙、布類などの資源物の回収量に応じ市川市資源回収活動団体奨励金を交付し、その活動を支援しております。この奨励金とは別に、本年4月より資源物の収集処理を行う市川市資源回収協同組合が資源物の適正な分別により作業、収集の軽減に協力をした自治会や子ども会、PTAなどの活動団体に対し、直接、資源化協力金を交付しております。この協力金は瓶と缶が分別されていること、中身が残っていないこと、ふたが外されていること、レジ袋等の袋で排出されていないこと、異物の混入が見受けられないことなどの分別要件を全て満たした団体に対し、瓶、缶の回収量1kgにつき2円を乗じた協力金が支払われております。この組合独自の協力金を受けるため、活動団体が回収した資源物の分別要件を守り、ごみの減量・資源化につながることを本市も期待しているところでございます。
 今年度の集団資源回収の実績でございますけれども、回収量は、昨年の4月、5月との比較で約12t、約1.6%の増となっております。回収品目別で見ますと、協力金の対象外である紙、布の回収量がほぼ横ばいであるのに対し、協力金の支払い対象となります瓶、缶は約7t、約3%の増となっており、このことは本市のごみの減量施策とあわせて、より資源化が進んだものと考えております。
 今後の活性化についてですが、この自主的な活動である集団資源回収の登録団体をふやすことにより、市民と協働で資源化及びごみの減量化に向けた取り組みをさらに推進してまいります。
 以上でございます。
○堀越 優副議長 宮本議員。
○宮本 均議員 ありがとうございました。まだ始まったばかりですから、その効果が確かにあったと強くは言えないですけれども、とりあえずは安心をしました。資源回収について、増額の理由を1つ述べますと、実はごみの回収回数というのが減ったおかげで、行政回収ではなく団体のほうに資源ごみを回すという流れが、私の近辺の自治会では進んでおります。きょうは行政がとりに来ないから、例えば自治会の回収のほうに持っていこうという動きにはなっております。一方で、なかなか進んでいないところもございます。これは団体によって、かなり今差がついてきているのではないかと思います。一生懸命やっているところは逆に集め過ぎて、例えば段ボールなんかは場所の確保が、当然ちょっと広い場所が必要ですから、場所がないために制限をかけているというところもございます。それからすれば、やはり全体の底上げというのは、私は資源回収に関しては必要になってくると思います。その1つが、今回は缶に関して協力金という形で、わずかですが増額になったというのは、1つしっかりとした事実としてあるかと思います。残りの資源に関しても、積極的に集団資源回収が進むような施策をぜひお願いしたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、次の公文書管理の取り組みについてお伺いをいたします。
 こちらも、実は平成25年の2月定例会で私が一般質問で行ったものなんですが、当時、答弁では、4項目についてちょっと課題がありますという話がございました。まず最初の管理の現状についてですが、5年前の議会の質問で答弁された課題は大きく4つあるわけですが、まず、お尋ねしたいのは、この平成25年2月の質問以降、改正をしてきた内容についてお伺いをします。
 次に、課題となっていました文書の保存年限の設定、それと実際の運用について乖離がある、そのような点については改善がされたのでしょうか。
 次に、歴史的文書の扱いについても質問をしておりますが、その後進展はあったのでしょうか。
 4つ目に、電子文書の保存期間、こちらにも今、実は課題があるということでしたが、この保存期間、また電子文書の廃棄、これらについて現状どのように変わってきたのかお尋ねします。
○堀越 優副議長 総務部長。
○菅原卓雄総務部長 公文書管理の現状についてお答えいたします。
 平成25年2月市議会定例会におきまして宮本議員から御質問いただきました、その年の5月に、公文書管理について先進的に取り組んでおります川崎市と板橋区の公文書館を視察してまいりました。設置の経緯、組織、課題などを中心に視察してまいりましたが、公文書館の課題といたしまして、利用者が少ない、文書量が増加している、施設維持管理費の増加など運営面での問題が指摘されておりました。本市では、平成16年から事務処理の迅速化、効率化を図るため総合行政運営システムを導入し、紙文書からデータへの移行を進めておりますが、さらなる紙文書の減量化が1つの課題となっております。
 そのような中で、平成25年9月に新庁舎建設の基本構想が策定され、現地建てかえによる庁舎の分散化が具体化し、文書量の総量把握と減量化を進めることとなってまいりました。そこで、全庁的にどこにどれだけの文書が保管されているかを調査いたしまして、段ボール箱約4万8,000箱分について、廃棄できるものは廃棄し、廃棄できないものは倉庫などに一時保管することといたしました。その結果、仮本庁舎移転時の紙文書は、段ボール箱約4万6,000箱、廃棄文書は約650箱となりました。電子文書につきましては、サーバー内にまだ余裕がありますので、約92万件の電子文書を管理しておりますが、歴史資料として重要な公文書の位置づけが決まった時点で段階的に廃棄することといたしまして、当面は全てのデータを蓄積していくことといたしました。
 このような作業により、約3年がかりで庁舎の分散化に伴う文書の減量化、分散化を行ってきたところであります。この間、文書管理規程につきましては、組織改正、法改正に伴います整備を行い、当規程を遵守、徹底するため、本年5月に課長などの管理職を中心に文書管理に関する説明会を実施してまいりました。さらに、文書事務の手引を9年ぶりに改定し、公文書管理の重要性について説明を行ってきたところであります。
 また、文書の保存期間につきましては、保存期間満了の際は、必要な都度、保存期間を確認し、必要に応じ変更することで保存期間の適正化を図っているところであります。現在は新庁舎移転に向け、公文書管理のルール化を進め、公文書の総量把握と、さらなる紙文書の減量化、適切なデータ管理に向けて作業を進めているところであります。
 以上でございます。
○堀越 優副議長 宮本議員。
○宮本 均議員 今答弁でありました文書事務の手引を9年ぶりに改定したというところは、大きく手直しされた部分ではあると思います。また、質問の直後、実際に板橋とか、直接部長が行かれたというのはなかなかのもんだとは思うんですが、ただ全般的には、私から見れば、やっぱり現状維持に近い状況にあるのではないかと思います。実は5年前も国のほうで公文書のずさんな管理というのが、当時問題になっております。今回もずっと国会のほうで紛糾している問題もございます。公文書ってなかなか私たち自身がかかわることがない管理で、今は規程によって、保管、管理、廃棄が進んでいるところですが、やはり当時質問をしたとおり、条例にしない限りは、なかなかこの優先順位というものが庁内で上がってこないと私は考えます。現状を確認させていただきました。
 次の(2)の今後の取り組みですが、こちらに関しましては、まず公文書館の設置については、私も今から何か新設をして、新しい公文書館の設置というものはなかなか難しい状況にあるかとは思います。ですから、その際、新庁舎の中に公文書の保管、閲覧のできる場所の確保をお願いしたい、そういうものも含めて今後考えていくという答弁もございました。この点について、新庁舎にそういった場所を確保されているのか、これは間違いないのか、この点についてお伺いをします。
 もう1点は、条例の制定についてですが、条例の制定について、どこまで進んでいるんでしょうか。この2点についてお伺いします。
○堀越 優副議長 総務部長。
○菅原卓雄総務部長 今後の取り組みについてお答えいたします。
 まず、公文書の保管や閲覧などを行うための公文書館につきましては、議員おっしゃるとおり施設を建設しなくとも、市の窓口などにその機能を持たせることで設置にかえることができると考えております。そこで、現在、八幡分庁舎に市政に関するさまざまな資料や情報を提供するための窓口として市政情報センターを設置しておりますが、この市政情報センターを新庁舎の中に設けまして、公文書館の機能を持たせた窓口を設置することを考えております。市政情報センターにつきましては、市民の市政への参画の促進を図るとともに、市政情報を市民生活に役立てていただくために、各種の計画書や会議録、統計資料、予算書など約9,000点の資料を保有しております。また、情報公開の窓口といたしまして、職員が常駐し、市政情報資料や情報公開についての総合的な御案内や御相談にも応じておりますので、可能な限りこの窓口を活用してまいりたいと考えております。
 なお、市政情報センターに公文書館の機能を持たせるといたしましても、歴史資料として重要な公文書を配置するだけの十分な面積は確保できません。さらに、歴史資料として重要な公文書などを適切に保管するためには、劣化を防ぐための温度や湿度の管理が必要なほか、火災発生時には窒素ガス消火が行えることなど、セキュリティー対策を十分に確保することが重要であります。そこで、歴史資料として重要な公文書などの管理につきましては、これらの条件を満たすものとして、長期保存文書を現在寄託しております外部の保管施設の活用を考えているところであります。なお、外部の保管施設を活用した場合には、原則として、午後3時までに保管されている簿冊を本市に届けてもらうように依頼いたしますと、翌日には届く契約となっておりますので、大きなタイムラグなく市民の閲覧請求に対応できると考えております。
 このように新庁舎の供用開始時におきましては、現在の市政情報センターの機能と外部保管施設を一体として機能させることにより、市政情報センターを公文書館として機能させてまいりたいと考えております。また公文書館の機能を持った窓口を庁舎内に設置することによりまして、市民の利便性が向上し、利用率の向上も期待できるところであります。
 次に、公文書管理に関する条例制定の考え方についてであります。市の諸活動や歴史的事実が記録された公文書は、住民自治を支える市民共有の知的資源であり、市民が主体的に利用し得るものであります。また、本市といたしましても、現在及び将来の市民に対して本市の諸活動を説明する責務がございます。そして、この責務を果たすためには、公文書の作成から保管、廃棄に至るまでのルールがしっかりと定められていることが前提となってまいります。また、歴史資料として重要な公文書につきましては、公文書公開条例の手続とは別に、その保存や閲覧請求などのルールを条例で定めていく必要があり、何が歴史資料としての公文書に当たるかなどの基準も大変重要になってまいります。このようなことから、公文書管理条例につきましては、新庁舎の供用開始までに制定できるよう準備を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○堀越 優副議長 宮本議員。
○宮本 均議員 今までの答弁から、現在の課題の解決と条例の制定、これどちらが先かといえば、やはり同時進行にならざるを得ないと思います。さらにちょっと細かく2点ほど聞きますが、まず、新庁舎に設ける窓口というのはどういったものをイメージされているのでしょうか。例えば、今保管されている電子文書に関しては、いわゆるその場で閲覧ができるようなものなのか。この辺が、ある意味、市川市から市民に向かって伝えたい端末を通じてのメッセージになるかとも私は思うわけなんで、この点について、どういったものなのか。
 もう1つ、条例の制定も新庁舎供用開始までに行いたいとの部長の答弁ですが、もう期限が限られているわけですから、大まかで結構なんで、今発表できる範囲で結構ですので、このスケジュールについてお伺いいたします。
○堀越 優副議長 総務部長。
○菅原卓雄総務部長 新庁舎に移転する予定の市政情報センターでは、先ほど申し上げましたこれまでの機能に加えまして、公文書館の機能として公文書の検索機能と、選択した公文書を閲覧請求できるように体制を整備したいと考えております。また、検索の結果、閲覧の対象となりました公文書が電子文書である場合には、個人情報などが記録されている場合を除きまして、システムでの閲覧や、御要望に応じて写しなどを交付することも考えております。市政情報センターには職員が常駐し、閲覧を希望される方のために御案内や御相談の体制を整備し、あわせて公文書館としての機能についても整備してまいりたいと考えております。
 次に、今後のスケジュールでありますが、平成30年度はこれまでに進めてきた公文書の総量把握と紙文書の削減や電子化、保存期間の適正化などの作業をさらに進めてまいります。また、公文書管理条例を施行しております先進市の情報を収集するなどにより、歴史資料として重要な公文書の範囲の基準を検討するなど、条例案の作成等に着手してまいりたいと考えております。また、平成31年度は、各部各課と調整しながら、歴史資料として重要な公文書の詳細の把握に努め、最終的な条例案の庁内合意を経て、平成32年の2月定例会に条例案が提出できるように準備を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○堀越 優副議長 宮本議員。
○宮本 均議員 ありがとうございました。新庁舎供用開始ということなんですが、私は、ここでできる限りというとできる限りなんで、一日も早く条例制定を実現させてほしいと思います。そして今、千葉県議会のほうでも複数の議員から公文書管理の質問が出ております。やはり今、非常に大事な公文書管理であると思います。また、市長がよく言われているように、政策決定のプロセスの透明化の最終判断する材料は、市民にとっては、やはり公文書であると思います。ですから、これは公文書管理の優先順位を上げてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 それでは、最後の御質問に移ります。学校におけるICT環境整備ですが、新学習指導要領とICT環境整備についてお尋ねをします。
 実はこのICT環境整備に関しましては、今まで思い起こせば2009年のスクール・ニューディール政策、このときから積極的に市川市のほうでもICTの環境整備に取り組んできた経緯がございます。例えば当時、私も質問を行いましたが、電子黒板、教育用のパソコン、教員の校務用コンピューターの整備、校務支援システム、校内LANの整備、学習用のソフトウエア、こういったものが整備をされてまいりました。そして1年ほど前、学習指導要領が改訂をされております。その中に改訂のポイントの1つに情報活用能力、プログラミング教育、これが重要事項の1つとして掲げられております。この点については、ことしはいろいろな事情がありまして教育行政方針というものが発表されておりませんが、実は教育委員会のホームページに「教育長室からのお知らせ」というページがございます。かなりな量で、私もそれを全部読むのはかなり時間を必要としたのですが、ちなみに、これは教育長が月1.4回平均で更新をしております。月1.4回平均で、教育長みずから何かしらの教育上の発信を行っているというものです。私から見た範囲では、多分一番更新が多いページかなと思っております。
 その中で「No.30」、こちらに学習指導要領について書かれたものがございます。その中で、教育長のほうが、「グローバル化や情報化、少子高齢化や技術革新の飛躍的進展等、社会の構造的変化の中で、子どもたちに、社会の変化に主体的に対応し次代を切り拓いていく力を育むためには、学校の教育課程が、社会の変化に目を向け、社会の変化を柔軟に受け止めるものである必要があります」と、このように書かれているわけです。今回新たに学習指導要領に情報活用能力が加わりました。また、直接的ではないですが、同じ時期に大学入試改革というのも行われております。現在行われているセンター試験にかわって導入予定が大学入学共通テスト、こういった名称になるんでしょうか、このテストにプログラミングなどの情報科目を導入するという方針も既に発表されております。市川市の今後のICTの環境整備はどのような手順で、どう進めていくのかお尋ねをします。
○堀越 優副議長 学校教育部長。
○井上 栄学校教育部長 初めに、本市におけるプログラミング教育についてです。新学習指導要領では、小中高等学校を通じてプログラミング教育を充実させることが示されております。中学校では、これまでも技術・家庭科においてプログラミングに関する内容が扱われてきましたが、小学校では新たにプログラミング教育が導入されることとなっております。具体的には、コンピューターで文字を入力するなどの基本的な操作を習得するための学習活動、プログラミングを体験しながら、コンピューターに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身につけさせるための学習活動を計画的に実施していかなければなりません。さらに、平成30年3月に文部科学省から示された小学校プログラミング教育の手引では、これらに加え身近な生活でコンピューターが活用されるという知識や、コンピューターをよりよい人生や社会づくりに生かそうとする態度を育成することもプログラミング教育の狙いに掲げられております。また、この手引でも示されているとおり、プログラミング教育は子どもの可能性を発掘し、将来の社会で活躍できるきっかけとなることも期待されると認識しております。
 これらを受け、本市でもプログラミング教育につきましては、特に小学校において力を入れ、先進市の実践事例を参考にしながら推進してまいります。推進に際しては、プログラミングのために必要な読解力や物事を順序立てて考える力を全ての学習活動で育成することが基礎となります。そして、低学年ではプログラミングへの興味、関心を引き出すような学習を行い、学年が上がるにつれ、コンピューターを活用しながら、実際にプログラミングをする学習を行うなど、発達段階に応じて実施することが効果的であると考えております。
 これらのプロセスを踏まえることで、例えば小学校高学年の算数科では、正多角形をコンピューターで作図させる際、「辺の長さと角の大きさが全て等しい」の特徴に着目し、繰り返しの作業命令を組み合わせて指示することで容易に作図できることが可能となり、図形の特徴理解とコンピューターの利便性体感の両方が並行して学習できることとなります。
 そこで、教育委員会では、各小学校で教育課程上に位置づけ、各教科等において計画的に実施することができるよう、プログラミング学習の年間指導計画案を作成するなど、学校への支援や資料提供に努めてまいります。また、プログラミング教育についての理解を深め、各教科においてプログラミングを行う学習が展開できるよう、教員のICTを活用した指導力向上のための研修会を充実させてまいりたいというふうに考えております。
 次に、学校のICT環境整備についてです。文部科学省より示された教育のICT化に向けた環境整備5か年計画を参考に、小学校で新学習指導要領が実施される平成32年度を目指して、市のICT政策との関連も図った上で、学校のICT環境整備を今後進めてまいりたいと考えております。具体的には、既存機器の更新や情報セキュリティーの向上等を含めた基盤となる校内LAN環境の再整備、無線LAN環境の構築とタブレットの導入、大型提示装置や実物投影機の配置及び活用の充実など考えておるところです。あわせて、プログラミング教育に活用できるソフトウエアの導入も検討しております。現在、これらのICT環境整備をより充実させるために、企業等と連携してモデル校プロジェクトに取り組んでいるところです。今後も企業や団体、そして地域の専門家と連携し、学校外の人的・物的資源の活用を推進していきたいと考えております。
 さらに、新たに整備したICT環境を有効活用するためには、ICT支援員の派遣や教員研修が重要となります。ICT支援員につきましては、支援員を各学校に派遣して、授業の支援やプログラミング学習及びICT活用事例の紹介等を行う予定です。そして、教員研修につきましては、教員のICT活用能力を向上させ、プログラミング学習に関する体験的な研修やICTを効果的に活用した授業づくりのための研修会の企画を検討しているところでございます。
 以上でございます。
○堀越 優副議長 宮本議員。
○宮本 均議員 ありがとうございました。まだ実際に始まってはいないところですので、質問に関しては、もう再質問は行いませんが、答弁の中にございました5か年計画、実はその前に環境整備4か年計画というのも平成26年から29年にかけてございました。さらに2018年からの5か年計画ということなんですけれども、ここで、実は私、2018年から大きく変わっていると思うところは、今まではICTの活用で情報活用能力を身につける、こういったものが今まで行われてきたと思うんですが、これからは、情報活用能力を身につけるためにICT環境を整備する、これは大きく中身が変わっていると思います。明確に情報活用能力を身につける、これが前面に出てきたわけです。そうしますと、児童生徒、先生にとっても、同じスタートラインという状況も考えますと、当然、児童生徒とともに先生が一緒にやりながら覚える。ある意味、先生方のプライドというものを一度捨てるという状況にもなりかねないと私は思うわけです。
 そう考えますと、これからICT環境の整備を始めるということですが、特にやってほしくないといいますか、今回のICT環境整備というのは環境の先進性を競うようなものではないと思います。また、特にありがちなんですけれども、先進的な事例を求めてしまうというのが1つあります。そのためにICT環境を整備するのではなく、あくまでも児童生徒、また先生にとっての新しい授業というものですから、私は一斉に盛大にスタートする必要はないと思っています。小さな一歩でも全然十分だと思っています。いわゆるミニマムスタートというところから逆に入っていかないと、こういった新しいプログラミング教育というものですから、決して環境が整っただけで終わりというものではございません。うまく利用した形のプログラミング教育というものをしっかりと進めていただきたいと思います。
 ちなみに、民間ではもう既に新しい情報活用能力に対してのセミナーとか研修というのが始まっております。ただ、こればっかり出ていますと、明らかに先ほど言いました環境の先進性だけを追い求めてしまうというケースも出てこないとも限りませんので、その点、よくよくしっかりと5か年計画を行っていただきたいと要望して、一般質問を終わります。

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