更新日: 2023年12月27日

2018年6月27日 提案理由の説明、質疑、討論、採決(発議第1号)

提案理由の説明、質疑、討論、採決(発議第1号)

○竹内清海議長 日程第2発議第1号市川市民が安全で安心して快適に生活することができる環境の向上のためのカラス被害の防止等に関する条例の制定についてを議題といたします。
 提出者から提案理由の説明を求めます。
 中村よしお議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 発議第1号市川市民が安全で安心して快適に生活することができる環境の向上のためのカラス被害の防止等に関する条例について提案理由の説明を行います。
 市川市では、カラスがごみを食い散らかす、繁殖期に巣の近辺で人を威嚇・攻撃する、ふんをかけられたなど、市民とのあつれきが2000年ごろより見え始めたと言われています。カラスは種子や果実、魚、肉等、食性の幅が大変広く、環境への適応力が高い鳥です。都市ではカラスは人間が出す生ごみや残飯、ペットフードなどを食料として1年中安定して得ることができるため、本来、自然淘汰されるべき弱いカラスが生き延びて個体数が増加しています。また、天敵がおらず、鉄塔や電柱、ビルなどの人工物でハンガーや針金など身近な廃物を材料に、安全な繁殖場所も確保できます。さらに、地球温暖化の影響なのか、1年を通しカラスが活発に活動するようになった印象さえ受けます。市川市では、ごみ出しルールの徹底、カラス対策ネットの普及等に努めるなど、カラスの餌やり防止対策を講じてきました。しかしながら、市民よりカラス被害について多くの苦情が寄せられ、カラス被害対策を講じてほしいとの要望を受けています。
 このような市民の声を受け、市民が受けるカラス被害の防止等に一層力を注ぎ、もって本市にふさわしい安全かつ安心で快適な生活環境の向上を図るため、本条例の提案に至りました。本条例により、美しく住みやすい市川のまちづくりが推進され、都市の価値が高まるとともに、都市に対する市民の誇り、シビックプライドの醸成につながることを大きく期待するものであります。
 議員の皆様におかれましては、本提出議案に御賛同賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明とさせていただきます。
○竹内清海議長 これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、順次発言を許可いたします。
 創生市川第2、鈴木雅斗議員。
○鈴木雅斗議員 通告に従いまして質疑のほうをさせていただきます。
 まず初めに、本条例案を発議するに至った経緯について、市民への影響、公益性、そして市民にしっかりとヒアリングを行った上で、詳細がしっかりとしているのか、あるいは個体数に関する把握など、データ等も含めて詳細にお願いいたします。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 本条例を発議するに至った背景と経緯についてお答えいたします。
 まず、市川市におけるカラス対策の現状から御説明いたします。市川市では、カラスと市民とのトラブルが平成12年ごろより見え始めたと言われ、それを受け、カラスに関する調査を平成13年度、14年度と生息数や生息場所、餌をとる状況などの生息状況を把握し、対策方針をまとめるために実施いたしました。その後、対策の効果等を把握するため、平成18年度、19年度に同様の調査を行ったとのことです。カラスの個体数は、平成19年度の調査では、真間4丁目が約1,900羽、市の北東部、船橋市藤原2丁目が約4,000羽であり、行徳近郊緑地においては千葉県が調査を行い、平成27年に55羽が確認されたとのことです。
 次に、市民からの相談等への主な対応についてであります。巣に関する相談については、できる限り巣に近づかないように伝えるとともに、周辺の状況等を確認した上で、周辺に幼稚園や学校などがあり、弱者が被害を受けた、あるいは被害を受ける可能性が高いと判断した際には巣を撤去しており、また、威嚇に関する相談については、近くに巣がある可能性が高いため、その場所に近づかず迂回してもらうか、傘などを差して通行してもらうようにお願いしているとのことです。ごみに関する相談については、市においてネットや金網式ごみ箱を貸し出している旨を伝え、対応してもらっているとのことであり、また、鳴き声に関する相談につきましては、現状を確認した上で、カラス等の習性等について説明をし、理解を求めているとのことです。
 今申し上げた市川市のカラス対策等は一定の効果はあると考えますが、しかしながら、現在においても市民よりカラス被害について多くの苦情と対策を求める声が寄せられています。公明党が本年実施したカラス被害に関するアンケートでは、これまでにごみ集積所の前、あるいはその近辺にいるカラスによって、次のような体験をした、また目撃したことがありますかとの設問で約500人にアンケートを行い、回答があった308人の中で、「ごみを荒らされ、散らばったごみで道路が不衛生な状態になった」233人、「ごみ集積所に集められたごみなどがめちゃくちゃにされていた」182人、「すぐ近くにいることで、恐怖心や困惑、不快感などを覚えた」199人、「攻撃ないし威嚇された」67人、「歩行あるいは自転車で走行する際の妨げとなった」108人、「電線などに止まっているカラスが糞を落とした結果、衣類・カバンなどが汚された、あるいは、汚されそうになった」122人、「電線などに止まっているカラスが糞を落とした結果、道路が汚された」135人、「鳴き声がうるさかった」158人と高い割合でカラス被害に係る回答がありました。
 一方で、平成30年5月現在で市川市によるカラス被害の対策は十分であると感じていますかとの設問では「十分である」と回答した人は4人、わずか1%程度であり、また、カラス被害への対策を強化するため、新たに条例を制定することについてどのように思いますかとの設問では、「制定する必要はない」と回答した人は11人で、わずか4%程度にとどまっております。
 また、意見自由記載欄の一部も紹介しますと、「マンション等、ごみ出しをする人によってネットをかぶせないとカラスがごみを荒らしているケースをよく見かける」、「マンション等はごみ置き場もあり管理人もいるのできちんとしていると思うが、アパートに関しては、ごみ置き場がないところもあり、ごみ出しの曜日も守らず、レジ袋でごみを出す人もおり、アパートの住人の関心の低さに問題があると思う」、「ネットをくぐり、ごみをあさる場面を目撃した」、「最近カラスがふえてきたように感じる、以前、買い物した物を自転車のかごに入れていてカラスにとられてしまい、自転車のかごの上から離れずにとても危険を感じた」、「自転車の子ども用椅子がカラスにつつかれぼろぼろになった。頭をつかまれたこともあり、恐怖を感じた」、「電柱に針金ハンガーを集めた巣があり危険だと思う」、「カラス被害対策は何もしていないのでは」など多数のコメントをいただいています。
 以上のアンケートのほかにも、市民から特に5月ごろから9月ごろまでをメーンに、カラス被害に関する苦情と対策を求める声が市に寄せられていることから、本市のカラス被害対策は不足しており、市民のニーズに即したカラス被害対策が必要であるとの結論に至りました。よって、市民が受けるカラス被害の防止等に一層力を注ぎ、もって本市にふさわしい安全かつ安心で快適な生活環境の向上を図るため、本条例を提案したものであります。
 以上です。
○竹内清海議長 鈴木雅斗議員。
○鈴木雅斗議員 真間や行徳近郊緑地、特に真間においては1,400羽もいること、これは市民への影響がひどそうだなというふうに感じました。500人中308人の回答アンケートを得た中から、十分と答えた人が4人しかいなかったことからも、今回発議するに至った経緯については十分理解いたしました。
 次の質疑に移させていただきますが、本条例案の概要について、特に条例の範囲や罰則等も含めて、もっと詳細に、具体的に答弁のほう、よろしくお願いします。
○竹内清海議長 中村よしお議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 本条例の概要についてお答え申し上げます。
 本条例は、カラス被害の対策を講じることにより、カラス被害の防止及び低減を図り、もって市民等が安全で安心して快適に生活することができる環境の向上に寄与することを目指しています。また、本条例の基本理念として、市長、事業者及び市民等がそれぞれの責務を適切に認識するとともに、相互に協力及び連携をして、カラス被害対策を推進しなければならないとする一方で、カラス被害の防止及び低減については、より大きな効果を得るために、本条例単独の施策のみでなく、他の法律、条例等による施策と相まって効果的に行う必要があるものと規定しています。
 本条例のカラス被害に対する施策は、大きく捉えて3つの内容から構成されていますが、ごみ集積場所とそれ以外のものに着眼した2つ、あとはカラス被害が発生した際の緊急的な対応に着眼したものとなります。そして、本条例では集合住宅のごみ集積場所について重点的に対策を実施することが、市全体のカラス被害対策に最も効果的であると考えられること等を考慮し、第8条の集合住宅のごみ集積場所における対策を中心的なものと位置づけております。具体的には、集合住宅の所有者等は、カラス被害を発生させないよう、または発生したカラス被害を低減し、もしくはなくすことができるよう、ごみの集積場所の設置及び管理をしなければならないことなどを規定しております。
 次に、ごみの集積場所を利用する集合住宅以外の住宅、事業所等の所有者もしくは管理者または占有者については、その利用に当たって、カラス被害を発生させないよう、ごみの適正な排出に努めるものとし、また、相互に協力して、カラス被害を発生させないように、ごみの集積場所の清潔を保つよう努める旨規定しています。また、その他の方法として、市民等及び事業者は、カラスへの餌やり、カラスの巣の材料となるハンガー等の放置等によりカラス被害を発生させないよう努めるものと規定しています。
 一方で、カラス被害が既に発生し、市民等の身体の安全及び財産の保護の観点から何らかの対処をすべき緊急性が高いと判断される場合における市の対応についても、カラス被害の発生場所が、市等の管理下にあるか、あるいは私人の管理下にあるのかに区別し、それぞれ規定しています。
 また、本条例の施行に必要な限度において、市の職員がカラス被害に係る実態調査を行うことができる旨も規定しています。
 さらには、市長は、本条例第8条から第10条までの規定に違反した者に対し、カラス被害の防止または低減に資する助言及び支援を積極的に行うものとし、市民等から相談がある場合においても、同様に助言及び支援を積極的に行う旨を規定しています。
 そして、これらの助言や支援を行っても奏功しないときなどは、市長は改善のための行政指導を行うことができます。
 特に、本条例における中心的な施策である集合住宅のごみ集積場所について規定する第8条に関しては、集合住宅の所有者や管理者等への助言や支援、また粘り強い行政指導にもかかわらず、依然として違反状態が解消されない場合には、これらの所有者等に対し、大変残念なことではありますが、改善勧告、改善命令、そして公表へとつながっていく可能性があります。
 最後に、本条例については、市民等への十分な周知期間が必要であることに鑑み、公布の日から約6カ月を経過した日である平成31年1月1日を施行日としています。
 以上です。
○竹内清海議長 鈴木議員。
○鈴木雅斗議員 概要より、集合住宅、事業所に特化し、私は行徳ですが、カラス被害において集合住宅で特に迷惑をしているという声も聞いたことがあり、本回答に関しては的確であったということで、再質疑のほうはいたしません。
 次の項目に移ります。本条例の主な特徴について、先ほど罰則に触れられていましたが、そこも含めて詳細にお答え願います。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 本条例案の主な特徴についてお答え申し上げます。
 本条例の目的は、あくまでも市民等が受けるカラス被害を防止等することにあり、カラスをおよそ駆逐しようとするものではないことを鳥獣保護法の理念を踏まえて宣言しています。
 次に、カラス被害の防止及び低減については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律や廃棄物条例における廃棄物の処理に係る施策、市川市宅地開発事業に係る手続及び基準等に関する条例に係るごみ収集場の整備に関する施策等、他のさまざまな施策とそれぞれの守備範囲は保ちつつも、適切に関連させ合うことで大きな効果を上げることを目指しています。
 次に、市長の責務として、カラス被害の対策に関する指針を策定することとしています。カラス被害対策指針の策定に当たっては、本市におけるカラスの生息等の実態及びカラス被害等の状況を踏まえた実効性のある指針とするものとします。
 また、市長はカラス被害対策指針を策定したときは、速やかにこれを公表するものとします。そして、市長はカラス被害対策指針の策定後、おおむね4年ごとにその内容及び効果について検証し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとし、いわばやりっ放しを避けるようにしております。
 次に、市長は第8条から第10条までの規定に違反する事実があると認めるときは、これらの規定に違反した者に対し行政指導等を行う場合がありますが、市の基本的なスタンスとしては、基本理念でも示しているとおり、カラス被害の対策は、市長、事業者及び市民等が相互に協力及び連携をして推進していくものであり、可能な限り行政指導や命令等の規制的手法の前に、ソフトな手法である助言や支援といった助成的手法をとるべきを条文の建てつけとしている点にあります。なお、改善勧告、改善命令、公表の対象となる者は第8条の規定に違反した者に限られておりますが、その趣旨は先ほどの御質問で申し上げたとおりであります。
 以上です。
○竹内清海議長 鈴木議員。
○鈴木雅斗議員 再質疑させていただきます。先ほどの答弁を聞いておりますと、ごみの適正排出に関して、より厳格にしていかないと罰則が加わるという不安があるのですが、このごみの適正排出に関して、どのように答弁者は考えているのか、お答え願います。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答え申し上げます。
 本条例におけるごみの適正な排出とは、市川市廃棄物の減量、資源化及び適正処理等に関する条例における概念と全く同じではなく、本条例における特有の概念を有しています。すなわち、ここで言うごみの適正な排出とは、廃棄物条例における燃やすごみのごみ出しのルールを守るということにとどまらず、カラスとカラスの餌となるごみを遮断するということまで要求するものであります。これは、本条例と廃棄物条例の目的が幾分異なっていること、また、カラス被害の防止及び低減については、基本的には通常のごみ出しルール、すなわち一般廃棄物処理計画に従った搬出等がきちんと守られていれば相当程度は達成されるものと考えられる一方で、現状としては、ごみ袋にネットをかぶせるなどカラスがごみに接触できなくするように対応まで必要とされる場合が多く見受けられるためです。なお、ごみの適正な排出の具体例として、通常のごみ出しルールはきちんと守られていることを前提に、1、ごみ収集場所においてごみ袋にカラス用ネットをかける、可能ならばカラスにネットをめくられないように重石も置く、2、ごみ収集用の金網製のかごの中にごみ袋を入れる、3、ごみ袋の中心部分に生ごみ等を新聞紙に包んで入れる、さらには、4、CD等のカラスが嫌がる光るものをごみ集積場所につるしておく、5、燃やすごみ収集車が収集に来る日にごみを出すようにするなどの工夫をすること等が挙げられます。
 以上です。
○竹内清海議長 鈴木議員。
○鈴木雅斗議員 周知など、これ以上ごみの適正分類に加えてカラス対策にまで効能を及ぼすことということは理解した上で、次に再質疑させていただきたいのが、いわゆるカラス被害に関する指針というものを今回打ち出して条例でやられていくということなのですが、この指針というものは一体何を具体的にどのように示すものなのか。答弁よろしくお願いします。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答え申し上げます。
 カラス被害の対策に関する指針は、市長が具体的な施策を実施する上でのよりどころとなるものであるため、本条例において重要な位置を占めます。指針に盛り込まれる項目は、内容としては少なくとも次のようなものが想定されます。1、指針の策定に係る背景と意義について、2、カラス被害対策の基本方針について、3、具体的な施策の展開について、4、指針の効果的な実施について、推進体制や進行管理等、また、指針についておおむね4年ごとにその内容及び効果について検証し、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとしています。それは、執行状況のチェックをする議員の任期が4年間であること等を考慮して、定期に少なくとも4年に1度は施策の効果等をきちんと検証する機会を持つ必要性があることに鑑み、義務的な検証の機会について規定しています。
 以上です。
○竹内清海議長 鈴木議員。
○鈴木雅斗議員 指針に関しては理解し、議員の任期に合わせて適正な運用ができるように制度設計されていることも理解ができました。
 次の項目に移らせていただきます。先ほど、しばしば罰則等に触れられている状況ですが、いわゆる本条例案にかかわる施策の実効性の確保というものは罰則を中心に行われるのか、あるいはどういった考えで答弁者のほうは施行しようと考えているのか、お答え願います。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答え申し上げます。
 条例中に違反者に対し2年以下の懲役もしくは禁錮、100万円以下の罰金等、以上、行政刑罰または5万円以下の過料、行政上の秩序罰を科する旨の規定を設けることは、御質問者のおっしゃるとおり法律上は可能であり、本条例案作成に当たり検討はいたしました。これによって確かに実効性を高めることが期待できます。しかしながら、行政刑罰まで採用するのは、本条例が市と市民等との協力のもとに履行されることを本旨とする以上、やや行き過ぎではないかと懸念されるところであります。
 他方、過料については、刑法総則及び刑事訴訟法の適用を受けないため、自治体の長がその納付を命じることができます。ただし、自治体が取り締まりの主体となるため、取り締まり人員確保等のための予算措置を要するケースが多いし、実効性を高めるためには相応の努力が必要になることが懸念されます。これに対し、公表については制裁措置として一定の効果を有する一方で、今述べました行政刑罰や過料のときにおける懸念が比較的少ないものと考えます。
 したがいまして、以上の点を含め総合的に検討した結果、行政刑罰、行政上の秩序罰ではなく、公表が妥当と判断いたしました。
 なお、本条例案は、可能な限りソフトな手法をとるというスタンスであり、助成的手法から規制的手法へと、また規制的手法の中でも段階を経て条例違反者に改善を促す制度設計としていますので、やたらな公表は行われないと考えています。
 以上です。
○竹内清海議長 鈴木議員。
○鈴木雅斗議員 行政罰が諸事情によって適用されないということもわかりましたし、過料を科さないということに関しても、人員などの確保から、やはり現況に合わせることで本条例がカラスの対策ではあるけれども、影響が最小限に抑えられるように努力されていることがわかりました。
 再質疑させていただきます。こちらは公表という形をとっておりますが、この公表という手法に関しては、ブラック企業やホワイト企業を最近では厚労省は公開しているというふうにありますが、例えばどういった事例を参照に公表という形の手法を得られたのか、答弁願います。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 今の御質問に対して答弁申し上げます。
 どのような状況になったときに公表するのかということでありますけれども、8条、要するに集合住宅の所有者等ということで、その方々が行政指導から段階を経て、市から再三にわたり指導を受けたにもかかわらず一向に改まらない、そのような状況のときに、残念なことでありますけれども、最終的な手段として公表ということをせざるを得ないということでありますが、先ほども御答弁申し上げたとおり、ソフトな手法をそもそも制度設計としておりますので、やたらなことではこの公表というものは講じないというふうになると思われます。
○竹内清海議長 鈴木議員。
○鈴木雅斗議員 改めてソフトな手法だということもわかりまして、こういった条例の中で公表するという手法をとるのも非常にクリエイティブだということも理解いたしました。
 総評しますと、まず、答弁者の質疑より、真間、行徳近郊緑地等にカラスが多く発生している。特に真間地域は1,400匹近くいることで住民被害が懸念されていること、そして、住民アンケートを実施し、308人の中から回答を得たこと、そして、集合住宅や事業所などに限定をしていること、ごみの適正排出、カラス被害に関する指針などから条例案が極めてよくまとまっていることから、これ以上の質疑はございません。ありがとうございました。
○竹内清海議長 この際、お諮りいたします。本日の会議時間は議事の都合により延長いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹内清海議長 御異議なしと認めます。よって本日の会議時間は延長することに決定いたしました。
 次の質疑者、日本共産党、髙坂(こうさか)進議員。
○髙坂(こうさか) 進議員 日本共産党の髙坂(こうさか)です。通告に従って質問します。
 まず第1に、今、市川でもカラス対策、さまざまな対策がやられています。市川市カラス対策マニュアルというのもあります。それから、市川市廃棄物の減量、資源化及び適正処理等に関する条例などというのもありまして、これらが相まってカラス対策ということもやられているというふうに私は理解をしています。こういう既にいろんな施策がやられている中で、今回この条例を出してきた。この条例を定めるということによって、今までやっていたことではできなかったことが今回できるということだと思います。そうでなければつくる意味がない。要するに立法事実がそこにあると。今まではこれができなかったけれども、今度の条例でこれができますよということがあるんだと思います。そこのところ、だから今まではできなかったけど、今度の条例で何ができるかというところを具体的に教えてください。
○竹内清海議長 中村よしお議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答え申し上げます。
 まず、本条例では第8条に基づく集合住宅の所有者等へ義務を課すること、改善命令といった行政処分、制裁的な意味合いでの違反事実の公表、また行政調査としての立ち入りといったことを規定しておりますが、これらのことは条例を制定することによりできるものと言えます。なお、改善のための指導や勧告といった行政指導についても、これは必ずしも条例で根拠規定を置かなくても行うことができるものではあります。しかしながら、本件のように多数のものに比較的多く行うことが見込まれるような場合は、行政手続上の観点からも根拠規定を置くことが望ましいと言えます。
 以上です。
○竹内清海議長 髙坂(こうさか)議員。
○髙坂(こうさか) 進議員 さっき言ったように、市川には既にカラス対策マニュアルに従って、これも入れて、さっき言った廃棄物の減量、資源化のという条例があるわけですね。そうすると、それでできないことではない。できることだというふうに思います。さっき8条の問題を言いましたけど、例えば公表の問題なんかについても、廃棄物の減量、資源化及び適正処理等に関する条例というものの43条にはそれがちゃんとありますよね。だから、それを2つあわせてやればできないことではないというふうに私は思います。だから、そういう点で、この立法事実を証する資料、本当に必要性と正当性、両方必要です。これが必要だということと、それから、これが正当だという両方が必要です。このことを今もっと具体的にちょっと教えていただけますか。
 例えば先ほど、カラスが真間には千何百羽いるとかというのが出ましたけれども、さっき出た平成13年と14年に調査をやって、その後19年に調査をやっていますけど、13年と14年、それから19年にかけてふえているわけではないですよね。真間でいえばちょっと減っていますよね。だから、そういう点でいえばふえているわけではない。そういうことも含めて、これを立法しなければいけない、その正当性、それから必要性、それをもう一度お願いします。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答え申し上げます。
 本件は議員発議の案件でありますので、基本的には選挙等を通じて市民の負託を受けた市議会議員としての日常的な政治活動を通じて聴取した市民の御意見やニーズ等に基づくものではあります。しかしながら、本件は市民の皆様の日常生活に密着したものである上、一定の負担をおかけすることにもなるため、特に重要な案件ということで、先順位者への御答弁でも引用しましたが、会派公明党として市民アンケートを実施させていただきました。その際の結果についても立法事実に係る資料として精査させていただいたところではあります。なお、その内容については先順位者への御答弁で申し上げたとおりとなります。
 あと、先ほど個体のお話がありましたけれども、これはカラス被害の低減に関するものでありますので、カラスの個体そのものを管理するというものが趣旨ではありませんので、そこについては特段問題ではないというふうに考えております。
 以上です。
○竹内清海議長 髙坂(こうさか)議員。
○髙坂(こうさか) 進議員 個体の数という、そういうものではないと。私たちもこの間、清掃部とか、環境部とかに聞いてきましたけれども、例えばこのカラス被害の相談件数だってふえていない。市民からの相談件数もふえているとは聞いていないです。それほど多くはないし、ふえているというふうには聞いていない。だから、今のままでも、おっしゃるようなカラス対策をやるということは、今の法律の中で、今の条例の中で十分できるんではないですかと僕は言っているんです。別な言い方で聞きます。今の状態で限界があるというふうに言うんでしょうから、その限界があるというのは、どういう限界があって、それは何でそういう限界ができているのかということを教えてください。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答え申し上げます。
 先ほど御答弁したところでもありますが、この条例を定めることで、改善命令や公表等、新たにできるものがあることに加え、事実上の効果としても本市は条例を制定してカラス被害対策を行うことをアピールできること及び条例に基づくカラス被害対策に係る住民への啓発効果が期待できること、また、行政側においても明確な根拠があることで、より適切かつ円滑に事務を進めることができるなどの効果が見込まれます。あわせて、あえて申し上げますけれども、議員立法ということで、この条例を策定することによって政策形成に議会が関与し、政策形成過程の公開、透明性が高まることについて、このことの効果についても付言をしておきたいというふうに思います。
 以上です。
○竹内清海議長 髙坂(こうさか)議員。
○髙坂(こうさか) 進議員 今いろいろ言いましたけれども、私が聞いているあれでは今言ったいろんなこと、全て今の法律の中で、それを強めようと思えば、それでちゃんとできるということだと私は思います。違うとすれば、おっしゃったように、要するに罰則と言っていいのか、公開するとか、そこのところが必要なんだと、それが要するに大きな効果になるんだということなんだろうというふうに私は今聞きました。でも、そのことによってこういう条例をつくるということが本当に必要なのかどうなのかということは、僕は非常にあれだなと思います。
 次行きます。次の問題。集合住宅の所有者等として、「集合住宅を所有する者又はその者から集合住宅の管理を請け負い、若しくは委任されている者をいう」とありますけれども、この定義は具体的にはどういうものか。例えば分譲マンションに住んでいる人、そのマンションを買った人は、この集合住宅の所有者になるのかどうなのか。そして、なったとすれば、分譲マンションに住んでいて、こういうところに管理を依頼していない、委任をしていない人たちは、この8条の対象になるのかどうなのか、このことについて。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答え申し上げます。
 第8条の集合住宅として想定される主なものは、いわゆるアパート等の賃貸型とマンション等の分譲型に分けられますが、この中でも特に賃貸型に対する対策がメーンとなることを見込んでおります。まず、賃貸型については、通常、アパートの大家さん等が所有者であり、アパートの管理会社等が入っている場合は、その者が管理を請け負う者となります。一方、分譲型については、通常は当該物件を所有している者が所有者であり、マンション等を管理する会社等が入っていれば、その者が管理を請け負う者となります。なお、分譲型のマンションで管理を請け負う者や委任されている者が全くいない事例というのは、現実的には余り想定をできないかと思いますが、仮にいない事例があるとしたら、第8条の対象は当該所有者となるというふうに思います。
○竹内清海議長 髙坂(こうさか)議員。
○髙坂(こうさか) 進議員 もしいない場合と言いましたけど、僕はあると思います。そうすると、いない場合には市民は2つに分けられるということになるんですよ。集合住宅に住んでいるから8条の対象になって、その後の罰則というか、あれの対象になっていく人と、普通の住宅に住んでいる人が同じことをやってもその対象にならない。同じ権利を持っている国民が2つに分かれてしまう。国民の公平性にとって、これは看過できない問題じゃないかなと僕は思いますけど、その辺についてはどうですか。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答え申し上げます。
 今の分け方、分譲の場合と賃貸の場合、それぞれ所得の問題とか差別をしてはいけないというようなお話だったのかなというふうに思うんですけれども、これはあくまでカラス被害を生じさせるようなごみ等の管理の問題でありますので、そのようには考えておりません。
 以上です。
○竹内清海議長 髙坂(こうさか)議員。
○髙坂(こうさか) 進議員 考えていないということではなくて、僕が言ったのは、アパートに住んでいる人と分譲マンションを買った人との違いということを言っているんじゃないんですよ。同じ自分の家を持っている、それがマンションだったという人と一戸建ての人とが全然違うふうに分けられちゃうでしょというのが1つ。なっちゃうでしょう。それは考えていないではなくて、僕が言っているのは、そういうことによって罰則、例えば指導されたり、改善命令をされたり、公開をされたりという明確に違う基準に国民が分けられるんですよ、それはおかしくないですかと言っているんです。
○竹内清海議長 答弁。中村議員、よろしいですか。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 いわゆる集合住宅等とそれ以外の住宅の所有者との違い、要するに8条と9条の違いをなぜ設けたのかということだと思うんですけれども、先ほどから申し上げているとおり、このカラス被害を生じさせているメーンだというふうに私どもが考えて制度設計しているのが集合住宅の所有者、集合住宅のほうから、このごみ問題が、特にカラス問題が生じているというふうに判断をしておりますので、そもそも比例原則から言えば個別住宅のほうは5戸以上の方々が市に申請をしてごみ集積所をつくっているわけでありますので、条例の中にも書いてありますとおり、所有者がお互い協力関係にあるというところで努力規定で十分であるというふうに考えております。一方で、集合住宅については、やはり所有者のほうが、そのごみの管理等について全体をコントロールできる立場にあるということと、実際に市民等の声から聞くと、カラス被害が実際生じているごみの管理というのは集合住宅等のほうで主に生じているということでありますので、そのような制度設計といたしました。
○竹内清海議長 髙坂(こうさか)議員。
○髙坂(こうさか) 進議員 カラス被害が集合住宅のほうが多く生じているという、そっちが中心だというふうにさっきから言っているのはわかっています。だとしても、そこに住んでいる市民がその状況によって分けられるということは、それはおかしいんですよと僕は言っているんです。憲法からいったっておかしいですよ。同じ権利を持っている人間が、形態によって2つに勝手に分けられるというのは、これは違いますよというのが1つです。それは違うでしょう。
 それと、もう1つ言えば、本当にカラス被害は集合住宅に中心的にあらわれているんですか。そうすると、それが立法事実の証明になりますけれども、それをあらわす証拠というのはどういうものがあるんですか。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答え申し上げます。
 1点目の憲法の問題でありますけれども、これはそのような考えではなくて、あくまでカラス被害を生じさせるごみ集積所等の管理の問題でありますので、そのようなことは考えておりません。
 2点目のほうなんですけれども、その証拠ということなんですが、市のこれまでの相談の内容とか、あと私どもが先ほど申し上げた市民アンケート、また、私たちがそれぞれ市内で市民の方からいただいている声から総合的に判断すると、やはりそのような結果になるのかなということで、この制度設計としたところであります。
 以上です。
○竹内清海議長 髙坂(こうさか)議員。
○髙坂(こうさか) 進議員 私たちが調べたアンケートの中ではという話ですよね。もっと科学的にそういうデータがあるのかどうなのかということを私は聞いているんですけれども、今の話だと、それについてはないみたいですね。それと、どういう形態にしようが、国民はあくまでも平等なんですよ。そのことを無視してはいけないと僕は思います。
 じゃあ、もう後もありますから次に行きます。さっきカラス被害対策指針の策定というふうにありましたけど、これはどのようなものかというのはさっき言われました。僕は、それはそれでいいんですけれども、それを何でこれを出すときに一緒に出してくれないんですか。こういうものをつくると言っておきながら、その概要が全く私たちにはわからないのに、この条例だけつくりますよというのはちょっとおかしいかなと思います。それをさっき言った立法事実の1つの資料として出すべきではないかと思いますけど、どうですか。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 このカラス被害対策指針の策定ということでありますけれども、私のほうでは、これは市長のほうで策定をするというふうに考えております。規則と同じように、これは実際、この条例をつくって、その後の規則とか実際の事務処理については、これはやはり立法側がというよりは、やはり執行側のほうでやっていくものであるというふうに考えておりますし、そのような法律にもなっておりますので、これは市長のほうで策定をしていただくというふうに考えております。なお、本条例の施行が成立すれば、明年の1月1日ということでありますけれども、施行後当面の間は既に策定済みのこの市川市カラス対策マニュアルをベースにした内容であったとしても差し支えないのかなというふうに考えております。その理由は、市が指針を策定するに当たり、できる限り現況を正確かつ詳細に把握するための実態調査を最初に行う必要がある。しかるに、この調査には一定程度の時間を要することが想定されるからであります。また、本条例の施行時において、既に市川市カラス対策マニュアルに基づくカラス被害への対策が相当の期間実施されてきたことから、カラス被害対策に関し、本条例へと移行することに伴う市民の混乱を少しでも緩和する必要がある。そこで、施行後の一定期間においては市川市カラス対策マニュアルをベースにした指針内容とすることにも相応の合理性が認められるからだと思います。いずれにしても、このカラス被害対策指針の策定については市長が策定することになるというふうに考えております。
 以上です。
○竹内清海議長 髙坂(こうさか)議員。
○髙坂(こうさか) 進議員 この部分は一番最後にまた規則のところがありますので、その規則の部分でちょっとやります。
 それでは、次に行きます。第8条の2項で、「当該居住者がごみの適正な排出をしないときは、必要な指導を行わなければならない。」というふうになっていますけれども、指導しても従わない場合には、所有者が14条とか15条とか16条の対象になるということになるんですか。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答え申し上げます。
 真に所有者等が必要な指導をしていることが確認できる状況であれば、基本的には第8条第2項違反とはならないと考えております。そして、この場合は第14条以下にはつながっていきません。ただし、ごみの集積場所の状況いかんによっては、所有者等は第8条第1項、または第3項違反となる場合があり得るところです。この場合は第14条以下につながる可能性があります。
 以上です。
○竹内清海議長 髙坂(こうさか)議員。
○髙坂(こうさか) 進議員 条例で可能性とか何とかというのはちょっと違うのかな。可能じゃなくて、そうなるならなる、ならないならならないということだというふうに思います。
 時間ももうないので、次に行きますけれども、14条と15条の対象になったときには、例えば異議申し立てとか弁明の機会というのはない。16条の公開、公表するよといったときにこれが出てきますけれども、その前の段階でこれがないのはどういう理由なんでしょうか。全部が公表の対象になって、そのときに弁明の機会が与えられればいいという、そういう意味でつくったんでしょうか。僕はもともと何らかの罰則というか制限をするんであれば、そのことに対しての異議申し立てなり弁明の機会というのはそれぞれ与えられるべきだと思いますけれども、その辺についてはどうですか。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 これは立入調査のときの弁明ではなくてですか。(髙坂(こうさか) 進議員「公表するというときには弁明の機会を与えるということになっているけど、その前、指導ではなくて勧告とか何とかの場合には弁明の機会というのはないじゃないですか」と呼ぶ)
○竹内清海議長 髙坂(こうさか)議員、ただいまの質疑は第12条の部分ですか。第12条、土地、建物または工作物等に……。
〔髙坂(こうさか) 進議員「違う、違う。『カラス被害の改善のために必要な指導をすることができる。』ということになっているでしょう。第14条です。15条は、「措置を執るべきことを命ずることができる。」という欄があるじゃないですか、このこと。このときには弁明の機会は要らないんですかということです」と呼ぶ〕
○竹内清海議長 髙坂(こうさか)議員、14条は通告していません。12条でよろしいんですか。確認をさせていただきます。
〔髙坂(こうさか) 進議員「8条に関して言ってるんです。8条の2項の関係で言っているんです」と呼ぶ〕
○竹内清海議長 8条ですね。8条の中の第14条。
〔髙坂(こうさか) 進議員「8条の2項の場合には、その後に罰則が出てくるでしょう。指導とか何とか、それで公表するという3つが出てくるけれども、その場合の公表するときだけは弁明の機会とかはあるけれども、その前の段階では何でないんですかと聞いている」と呼ぶ〕
○竹内清海議長 8条の2項の部分だそうでございます、中村議員。もう1度、再質疑してもらえますか。
○髙坂(こうさか) 進議員 8条の2項に関連して、所有者等が14条とか15条とか16条の対象になってくるわけでしょう。罰則というか、なってくるでしょう。一番重いのが公表ですよと。公表する場合には弁明の機会を与えるし、それから、異議申し立てなんかもできますよね。でも、その前の段階では何でできないんですかと言っているんです。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 一応お答えはするんですけど、これ、厳密に言うと8条2項の話なので、再質疑としては14条以下の弁明の機会云々というのは、ちょっと通告外になるんじゃないかなというふうに思うんですけれども。(髙坂(こうさか) 進議員「8条の2項に関して、こういうふうなのが出てくるかという話をしているんです」と呼ぶ)対象になるのかということについては、対象になることがあり得ますという話をしているのであって、その際の弁明の機会というのは、また別の話になるというふうに認識しております。
○竹内清海議長 髙坂(こうさか)議員。
○髙坂(こうさか) 進議員 通告外だという、それは違うでしょう。8条の2項に関連して私は聞いているんです。8条の2項の場合には14条、15条が対象になるでしょう。16条も対象になるでしょう。その対象になったときには、16条の場合には弁明の機会が与えられるけど、14条と15条の場合には弁明の機会というのは与えられるとは書いていないけど、それは何でなんですかと聞いてる。それが通告外……。それは議長が決めてください。
○竹内清海議長 中村議員、今の髙坂(こうさか)議員の質問、理解できました。
○中村よしお議員 理解はしているんですけど、それが……。
○竹内清海議長 16条は弁明の機会があって、14条、15条にはなぜないのかという質疑でございます。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 ちょっとかみ合わないようで済みません。これで答弁のところなんですけれども、いわゆるこれは法的な意味合いでの弁明の機会及び不服申し立ては、本人にとって不利益処分を行う場合に認められたものでありますので、したがって、この14条については、これは権利は付与されていないということだと考えております。
○竹内清海議長 髙坂(こうさか)議員。
○髙坂(こうさか) 進議員 改善のための勧告をするということは不利益処分だと僕は十分に思いますけれども、もう時間があと1分しかない。最後に1つだけ。規則で定めるというふうにあります。さっきもありましたけど、この条例そのものが非常にさまざまなあやふやな部分がたくさんある。それなのに、これを規則で最終的に決められてしまったら、どういうものになるかというのが、私たちには非常に心配なんですけれども、という点で言えば、規則はちゃんとこの条例とともに出していただかなければ、とても心配だ。それだけ非常にあやふやなところがたくさんある条例だというふうに思いますので、そこのところはどう考えていますか、あと49秒ありますので。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答え申し上げます。
 規則の内容は本条例の施行に関し必要な書式等について定めるものであります。なお、規則の制定権は議会ではなく市長にあるものですが、市長が条例の目的や内容等をきちんと踏まえた上で規則を制定するものと認識しております。
 以上です。
○竹内清海議長 髙坂(こうさか)議員。
○髙坂(こうさか) 進議員 普通、市が提案をして、その場合に自分たちがこういうふうなということもちゃんと答弁できますから、規則の内容というのは、そこで大体明らかになってくると思いますけど、今回はそうなっていませんので、私は聞いていて、そういう点では大変不十分だというふうに思っています。よろしく。
○竹内清海議長 次の質疑者、新しい流れ、西牟田勲議員。
○西牟田 勲議員 会派新しい流れの西牟田勲です。通告に従って質疑させていただきます。
 私も初め、この議案の御報告を受けたときに、カラスの迷惑を防止する条例ということで、それはいいなと。私もカラスの被害とか、そういうのはないほうがいいというふうには思っているわけですけれども、ただ、条例というものは法律に準ずる、しかも、この条例は行政の手続等を定めた条例ではなく、市民の責務も定め、事業者の責務も定める、全ての市民に影響が及ぶ条例でありますので、この場にいる議員全員はしっかりと条例文の内容を精査した上で、提案者がどういう意図でつくったかとかということは、条例ができてしまえば我々議会は一切手出しできなくなるわけですから、内容についてしっかりと議論する必要があると思い、いろいろ精査してみると疑問点があるということで、今回質疑させていただきました。
 まず、1点目の質疑ですけれども、これは先ほどの先順位者の髙坂(こうさか)議員の質疑でも出た立法事実についての質疑になります。立法事実について、一言だけ、どういうことかというのを申し上げると、条例の目的と手段を基礎づける社会的な事実ということで大変重要なことです。市民への説明責任を果たしたり、場合によっては裁判所の違憲審査に耐えられる主張をするためにも、立法事実を収集、整理することが必要であるとされています。そこで、今回の条例については、市川市で特にカラスの被害が拡大しているのか、または、日本全国カラスの被害というのはあるんだと私は思いますけれども、私の調べた限り、他市でこのような条例をつくっているところは1つもありません。ある類似の条例というのは、カラスに餌を与える条例、給餌条例、それを制限するという条例はある。これは、カラスに餌を与えるという具体的な行為、事実を条例で規定しているので、それは非常にわかりやすい。ただ、今回の条例案については、先ほどの話にもありましたが、何がやってよくて、何をやっちゃいけないのか、何がこの条例の対象となるのかということが私が条例文を読む限りいまだにはっきりとしません。そこで、廃棄物条例とかほかの条例もあるし、今、役所でしっかりといろいろな対策を講じていると。それでも、なぜここで市川市でつくらなきゃいけないのかということ。
 それから、条例制定については憲法94条で、地方公共団体は、「法律の範囲内で条例を制定することができる。」と書いてあります。地方自治法14条1項では、法令に違反しない限りにおいて制定することができるというふうに書いてあります。そこで、こういったごみ出し等に関する条例として廃棄物の処理及び清掃に関する法律というものがあって、国民の責務として、「国民は、廃棄物の排出を抑制し、再生品の使用等により廃棄物の再生利用を図り、廃棄物を分別して排出し、その生じた廃棄物をなるべく自ら処分すること等により、廃棄物の減量その他その適正な処理に関し国及び地方公共団体の施策に協力しなければならない。」という法律がもう既にあるわけであって、その上にあえて市川市に独自の条例をつくってカラス対策をするような市民の責務も述べてつくる具体的な事実が何があるのか。被害がふえているとか、そういったことがあるのかどうかお伺いします。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答え申し上げます。
 本条例の制定に係る経緯、制定理由等については先順位者への答弁で申し上げたとおりです。なお、自治体が条例を制定することについては地方自治の本旨にも照らし行われるべきものでありますが、本市が他の自治体と比べて特段マイナスの事情等が生じない限りは何ら手を打たないということは、地方分権の時代にあって、また、自治体間競争の時代にあっては必ずしも相当ではないと考えております。本条例の制定につきましては、カラス被害への対策は時間を要し、粘り強い対応が求められるため、早目に効果的な手を打つことが得策であり、また、繰り返し申し上げてきましたが、市民のニーズ等を反映した市民のための有効な施策であるとの信念に基づいて発議したものであります。
 以上です。
○竹内清海議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 今の御答弁にありました条例案もつくらない、何の対策も講じないということではなくて、既に行政のほうでいろいろ手続をとっていますし、市民も当然ながらネットを張るなどの自主的な対策を講じているわけです。そして、私は特に先ほど申し上げたのは、こういった条例が全国で1つもできていないということは、逆にそのことに意味があると、法的安定性の上でこれをつくれないという何らかの意味があるのではないかなということを推定しているわけです。先ほどは、例えばカラスの餌やりを特定して、それを取り締まる条例というのは、その地域で特にそういった問題が起こったので、その具体的事実を取り締まる条例をつくったということで理解できますけれども、この精神条例のような、カラスの被害をみんなで減らさなければいけないと、事業者、市民にそういったことを要求するような条例はないということは1つ留意しておく必要があると思います。
 次に、(2)の質問に移ります。本条例案は、今申し上げたように市民に対しても広く影響を及ぼすところでありますから、具体的な行為を特定、対象を限定したものでなければいけません。カラス被害について包括的に防止するという条例案だって、対象者である市民等への情報開示、市民からの意見聴取が十分行われたかどうか、例えばパブリックコメントのような場を持たれたのかどうか、カラスの被害防止条例をつくりますということではなくて、この条文を示して市民に理解を求めたのかどうか、その点について伺います。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答え申し上げます。
 市民からの意見の聴取等につきましては、先順位者への答弁で申し上げたとおりです。本条例案の作成に当たっては住民アンケートを実施させていただいたところでありますが、多くの市民がカラス被害対策を望んでいたものであります。
 以上でございます。
○竹内清海議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 ちょっと聞き漏らしたかもしれないんですけど、この条文を市民に開示したかどうかということについてはいかがでしょうか。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 答えておりませんで失礼しました。その条例文についてパブリックコメントにかけなかったのかとか、そういうようなお話かと思うんですけれども、議員立法におきましては、これはパブリックコメントを必ずしも行わなければいけないという規定にはなっておりませんので、しかも、議員立法ということもありまして、市長提案と同じようなやり方ではできないし、法的にもそのことは求められていないということで、そうは言っても先ほどから申し上げているとおり、住民アンケートを会派でしっかり実施をして、民意を吸い上げて条例案に反映させたものであります。御理解いただければと思います。
 以上です。
○竹内清海議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 先ほどの答弁で500人ぐらいの方ですかね、アンケートをとったということですけど、49万人の市民全てにこの条例は影響するわけでして、その中の500人が十分なのかどうかということについては非常に疑問があると私は思います。さらに、行政の手続条例など、直接市民に影響を及ぼさない条例であれば、そういうこともあり得るのかと思いますけれども、本条例案については全ての市民に影響を及ぼし、また、公表であるとか立入検査なども市民個人が受けるかもしれないというような罰則規定のようなものもあるわけですから、当然に市民に開示して、そして、きょうこの2時間の議論だけで決めるということも非常に拙速だと私は思います。30分の質疑を4人やったとしても、たった2時間で、この条例は罰則規定を伴う、市民全てに影響を与える条例案を議論するには余りにも短い時間だというふうに私は思います。
 それで、次の(3)のほうに移ります。内容の適切さについてということですけれども、カラス被害の対策を講じることを市長、事業者、市民等に求めているという条例案だと思いますけれども、カラス被害の対策を講じることがいかなる作為、不作為を規定しているのか具体的に明らかにされていません。市長、事業者、市民等の責務を定める以上、カラス被害の対策を講じることに対して、それを侵害するおそれのある行為の典型的なものをできる限り列挙、例示することによって義務、内容の明確化を図る必要があると思います。そうでなければ特に事業者や市民にとっては無用の不安をあおることになりかねず、法的安定性への悪影響すら懸念されるところで、立法措置として著しく妥当性を欠くと判断せざるを得ません。このことについて提案者の見解をお伺いします。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答え申し上げます。
 一般的に法律や条例等の特に上位に位置するような法規範については、その一般性及び抽象性という性質から、また、技術的な観点から、その文言に多少の抽象性があること自体はやむを得ないものであります。もっとも、本条例案においては大事な部分、例えばカラス被害の対応等についてはできる限り具体的かつ明確に規定するよう努めたところであります。また、この条例の建てつけについても、いわゆるオーソドックスというか、過不足のない建てつけでつくったというふうに自負しているところであります。
 以上です。
○竹内清海議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 ありがとうございました。私にはこの条文を何度読んでも、どういうことをやったら罰せられるのか、どういうことをやらなければその対象になるのかということが明確には理解できません。市長はそういうことはないと思いますけれども、今後この条例が成立すれば未来永劫残るわけで、しかも、市長の行政次第では何とでも解釈して、何とでもとは言いませんけれども、先ほどのカラスの餌やり条例はカラスに餌をやったという事実が具体的にわかるし、市民もそれを理解できると思いますけれども、この条例で市民が何をやらなければいけないか、何をやったらいけないかということが明確に理解できるかどうかということについては疑問を持たざるを得ないと思います。このことを申し上げて、次に移ります。
 憲法92条で、「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める。」ということで、この条例案で市長の政策について定めていますけれども、これについてはこの憲法92条で、法律の根拠がなければそのような行為はできないというふうに解すべきだと思います。したがって、この第4条を定めている法的根拠は何だと考えているのかお伺いします。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答え申し上げます。
 第4条の市長の責務規定は市長の行政事務の執行について、憲法第94条及び地方自治法第14条第1項の規定に基づき、条例を制定することによりこれを定めたものであります。なお、御質問者の指摘する憲法第92条の規定を受けて地方公共団体の組織及び運営に関する事項の大綱と定めたものが地方自治法であります。
 以上です。
○竹内清海議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 わかりました。この件については、これで終わります。
 次に移ります。(4)のア、罰則規定的な立入検査とか改善命令とか公表など、これについても、どういったことが行われたときにこのような行政行為が発動されるのか、どの時点でどういう行為が行われ、完了した時点なのか、始まった時点なのか、誰かがそれを訴えた時点なのか、こういったことが条文の中には盛り込まれていないので市民も不安になるのではないかと思います。この点について、そのような権力的な行為をどのような発動基準で行うのかについて見解を伺います。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答え申し上げます。
 この点につきましては先ほどの御質問でも同様の答弁をしたところでございますが、本条例案において特に不明確であるというふうには考えておりません。
 以上です。
○竹内清海議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 これ以上質問しても見解の相違ということにしかならないと思うので、一般的にはこのような懲罰的な措置については、明瞭性の原則と法的な原則としては、当然誰が読んでもわかるような、そういう明瞭な規定を具体的かつ限定的に盛り込むべきであるというふうに考えられていると思いますが、この条例文の中に被害を防止することとか、そういうような書き方になっているので、広く、例えば具体的な行為は規定されていないので、被害につながったもの、例えばハンガーを置いたままとか、いろんなことがそこにひっかかる可能性があるというふうに考えられてしまうと思います。この点については、これで終わります。
 次、(4)のイ、先ほど髙坂(こうさか)議員もちょっと触れていましたけれども、この条文の12条の規定で立入調査を規定しているということで、これは憲法で保障されている35条、「何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない」というふうに権利を定めています。そして、これを例外的に制限できるのは、警察が裁判所の令状をとったときだけだというふうになっています。住居は私生活の中心であって、古くからその不可侵は全ての人権侵害の保障するところとなっています。日本国憲法も住居に対する恣意的な侵入を禁止しており、裁判官の発する令状を要求することで司法的抑制、一般令状の禁止の保障を実現しようとしているところであります。この12条は、条文を読む限りは裁判官の令状なくして、市長の判断で住居への侵入を認めるもので、憲法35条に抵触する可能性が極めて高いと思います。行政権の逸脱と判断されます。憲法で令状を条件としている住居侵入について、市長の判断だけでそれができるというこの12条の条文について、どのように考えているのか見解をお伺いします。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答え申し上げます。
 まず御質問者の指摘する憲法第35条第1項は、最高裁判所の判例にもその旨、示されているとおり、本来、主として刑事責任追及の手続における強制について、それが司法権による事前の抑制のもとに置かれるべきことを保障した趣旨によるものであります。したがいまして、本条例第12条は、刑事手続ではなく行政手続としての規定にすぎない点、また相手方の抵抗を実力で排除してまで行うとする規定とはなっていない点等も踏まえ、憲法違反とする旨の御質問者の指摘はそもそも当たらないものと考えます。なお、行政手続としての居宅や事業所等への立入調査権を規定している例は全国の市町村でも多く見受けられますが、これらの規定自体をもって、御質問者の指摘するように憲法第35条第1項に抵触する可能性が極めて高く、行政権の逸脱だと指摘される例は余り耳にすることはないというふうに思われます。
 以上です。
○竹内清海議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 ただいまの御答弁には若干私は異議があるんですけれども、憲法35条が定めているのは、もちろん警察を対象にしているわけですけれども、国家の最高権力である警察ですら裁判所の判断を仰がなければ個人の住居に侵入できないということであって、ましてやそれ以外の地方自治体等が裁判所の許可もとらずに、本人の許可もとらずに侵入することができるわけがないというのが私の憲法解釈であります。したがって、違憲に近いんじゃないかというふうに考えたところです。再質疑させていただきますけれども、先ほど申し上げたとおり、これは個人の住居に侵入することを主に対象としている話でありまして、事業所とは全く別の話です。これは先ほど申し上げたとおり権利章典以来の世界中で認められている個人の最低限のプライバシー、また、居宅、居住を守るために世界中で規定されている内容なわけであります。もしもそれがなくして、行政の手続として個人の住居に入ることができるような条例があるんだとしたら、もし御存じであれば教えていただきたいと思います。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答え申し上げます。
 先ほどそのような条例はあるのかということで、私もそれについては承知をしておりません。ただ、今御質問者がおっしゃられている侵入ということでありますけれども、この侵入の定義については、所有者ないし管理者の同意なしに住居内に入ることをいうということでありますので、この第12条におきましては、ちょっと読ませていただきますと、「市長は、この条例の施行に必要な限度において、市の職員をして、土地、建物又は工作物等に立ち入り、必要な実態調査をさせ、又は関係人に質問させることができる。2 前項の規定による立入調査又は質問をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に掲示しなければならない。3 第1項の規定による立入調査及び質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。」ということでありますので、先ほどの侵入ということと今回のこの立入調査というところは、これは職員がその身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示をするということでありますので、実際はこれは同意を求めているということであります。
 それと、もう1つ申し上げると、この3については「犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。」ということでありますので、ここでもしっかりと確認的に歯どめを行っているというふうに考えております。
 以上です。
○竹内清海議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 同意を前提としているのであれば、それを条文に書くべきであって、それがなければ、これを読む限りは、市長が判断によって、侵入という言葉が誤解を招くとすれば、同意を得ずに住居に入るということですけれども、それをわざわざここにそれができるというふうに書いてあるとしか思えないわけですね。同意がなければ入れないというのは、これは当たり前の話で、同意さえあれば誰だって入れるわけですね。セールスマンだって何だって同意さえ受ければ住居に入れるのは当たり前なわけです。そうすると、この条文自体が矛盾があるんじゃないかなというふうに思います。その点についていかがでしょうか。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 同意を求めるということについては、申しわけありません。先ほど申し上げた第12条の規定のとおりでございます。
○竹内清海議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 そういうふうな意図でつくられたんだということは伺いましたけれども、この条例が成立してしまえば、この条文だけが判断根拠となって行政行為が行われていくわけですから、そうであれば、ここに少なくともそれを書くべきであるし、今まで質問してきた中にも、どういう行為が対象になっているのかとかいろいろな疑義が発生し得る条文の内容になっているというふうに私は思いますので、これをもう一度しっかりと見直した上で、趣旨そのものは私は別に反対はしませんけれども、条例という、ある権力を伴う行為を発生させるものである以上、しっかりと、誰が読んでもそうだという内容に改める必要があるんじゃないかな、そのためにもう少し時間をかけてもいいんじゃないかなというふうに私は思います。そのことを申し上げて、この質問は終わります。
 最後に(5)ですけれども、この条例の有効性について、本条例が制定されることで、先順位者等でも伺っていることですけれども、ほかの方法と比較してどういうことが変わるというふうに想定されているのか。例えば市長が計画をつくるとか、そういうのは確かにこの条文に書いてあるのであると思いますけれども、それ以外に今まで答弁で答えられていないことで、そういった効果が期待できるものがあるのであれば教えてください。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答え申し上げます。
 効果及び条例によることの最適性については先順位者への答弁で申し上げたとおりでございます。なお、私が確認した範囲では、カラス被害対策について本条例案のような内容の条例は全国でも例がないものというふうに思われます。
 以上です。
○竹内清海議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 わかりました。今、本条例は全国で例がないというふうにおっしゃっていましたので、あえてつけ加えますけれども、先ほども申し上げましたが、カラスの餌やり、給餌を規制した条例は全国で二、三あります。その条例文を私も読んでみましたけれども、その条例文の中に立入検査について、この12条とほとんど全く同じ内容が書いてあります。多分そこを参考にされて立案されたんだろうというふうには思いますけれども、もともと条例が想定しているもの自体が、前者はカラスの給餌に限定されているものですから、これについての立入検査ということであれば、個人の住居の中に入ってくるということはないだろうというふうな想定のもとに多分通ったんじゃないかなと私は想像しました。これですら問題あると思いますけど、奈良市とか箕面市では条例案が、これとほぼ同じ12条の文案で設定しています。ただ、前提が違うということです。今回のような幅広く個人や事業者等の責務を規定した条例に、この12条の規定を盛り込むことは非常に市民の不安をあおること、または権利を侵害する可能性が高いというふうに言わざるを得ないと思います。
 私ども議員は市民の代表として、もちろんカラスの被害対策は大事なことだと思いますけれども、それ以外のところで市民の長らく不利益を招くおそれのある内容についてはしっかりと十分な議論を時間をかけて、また、市民に対するパブリックコメント等、市民の意見も取り入れて行う必要があるということを申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。
○竹内清海議長 次の質疑者、無所属の会、越川雅史議員。
○越川雅史議員 無所属の会の越川雅史でございます。ただいま議題となっております発議第1号について、会派を代表して質疑をいたします。
 (1)と(2)をあわせて伺います。立法事実と本市におけるカラスの被害状況についてです。先順位者と重ならないよう、また、答弁調整がございませんでしたので、提出者が答えやすいように質問します。
 本条例は規制条例で、国民の権利を制限したり、市民に義務を課したりするわけですから、条例化を図ることに対する必要性、正当性が問われることとなる。したがって、基礎となる実態や事実が必要であるということは論をまたないかと思いますが、この点が論点になります。先ほど先順位者が言及されました箕面市の桜井地域では、平成15年ごろから猫の餌の放置が原因で、カラスが1日300羽も集まり、大量のふんや激しい鳴き声で日常生活が送れないほどの異常事態が続いていました。お年寄りが与えた猫の餌を狙ってカラスがふえ、付近の大木に居ついたのが原因と伺っておりますが、同市の担当者は住民にカラスの餌やりをやめてほしいと言っても、何も悪いことをしていないと言われて対処に困っていたといった事情があったそうです。
 また、東京都荒川区は、同区内では条例制定の数年前から餌を目当てに集まるカラスや猫の鳴き声、ふん尿の被害に住民の苦情が相次いでおり、当該年度では8月末までにカラスで98件、猫で72件の相談があったそうです。その前年度も動物に関する区への苦情や相談は189件あったそうです。その中に、区内の男性が早朝、カラスに餌を与えるため、100羽以上が集まり眠れないとの苦情があり、区職員が男性を訪ねたところ門前払いされたことなどを受け、条例で規制する検討に入ったそうです。
 ということで、私も市川市の現状をグーグルで調べてみましたが、こうしたニュースを確認することはできませんでした。
 そんな中、本年3月5日の日経新聞の「カラス、都会を去る」という記事を見つけたので御紹介いたします。都市部にすむ鳥たちに異変が起きている。都内の繁華街では、生ごみをあさるカラスが社会問題になった。だか最近では、ごみをあさるカラスが東京都心から消えた。我が物顔で振る舞うカラスの姿をほとんど見かけない。東京都の調べでは、都内にすむカラスの数は2001年度は3万6,400羽だった。15年度には1万1,900羽まで減った。都庁に来た苦情も02年度の3,820件から15年度は223件に激減した。研究者らが集まる都市鳥研究会の調査でも同じ傾向が見えるということです。01年に1万8,664羽だったのが15年は4,816羽に減った。これについて、「01年に始めたカラス対策プロジェクトチームの効果が出ている」と東京都環境局の課長は言っているそうです。都内のカラスは残飯などの生ごみを食べる。針金製のハンガーで鉄塔やビルに巣をつくるなど、人工物も利用しながら適応してきた。東京都では飲食店などから出る多くの生ごみを夜間に収集し、ごみ集積所にカラスよけネットを設置している。ねぐら近くにある公園などにわなを仕掛け、繁殖期には巣を撤去した。こうした対策の結果、カラスは都心から徐々に姿を消してきたそうです。
 本市の状況を可能な限り確認してみましたら、2015年4月21日付で、自然環境「市川市都市鳥生息調査」の概要が発表され、その中でカラスの調査についても言及されています。これは市川市の見解です。「餌となるごみ対策の結果、ごみ集積所周辺のカラス類は減少し、さらにごみが散乱される被害は減っていることは、間違いありません」。「現状のごみ対策を続けること、さらに充実することで、これ以上カラス類の個体数が増加することは避けられ、さらに減少していく方向に持っていくことができると思われます」。結論だけ言えば、市川市は、ごみ集積所周辺のカラス類は減少し、さらにごみが散乱される被害は減っていることは間違いない。現状のごみ対策を続けていくことで十分だといったことが、3年前のものが今日に至るまで掲載されているというのが市川市の事実です。
 次に、さらに調べてみました。カラスから威嚇を受けた場合の相談先に指定されている市民部まちの相談直行便に寄せられるカラスに関する苦情の要望の件数を調べてみましたが、平成26年には111件だったそうですが、29年度には66件までに減少している。順次減少しているということでした。ここでも過去4年間で4割ほど減少していることが確認できました。また、消防局へも問い合わせてみましたが、カラスに起因する救急搬送事案について、過去5年間の状況を確認いたしましたが、平成26年に1件、カラスに襲われて頭部刺創という軽傷事例が1件あったのみで、本年、平成30年についても少なくとも昨日時点までは救急搬送事例はないとのことでした。5年間で1件ということです。さらに、議会における質問や請願・陳情の状況も調べてみましたが、過去4年間において市民から提出されたカラスに関する陳情や請願は1件もないということで、一般質問については、御提出者とほかにお2人の方、3人の方が質問されただけでしたが、カラスの被害が深刻であり、喫緊の対応を要するといったたぐいの質問は一切なく、2016年9月21日の御提出者の質問に対する当時の水野環境部長の答弁でも、「ねぐらに集まるカラス類はやや減少していることが把握できました」。「これは、カラスの餌となるごみの対策が進んできたあらわれだと認識」している。「ごみの散乱に関する苦情や相談は減少している」といったものでした。
 ということで、(1)の立法事実にも関連することでありますが、御提出者は本市におけるカラス被害の現状、先ほど言いましたように、荒川区の話ですとか箕面市のような状況、特定の人が餌をやっていて、そこに何百羽も集まって困っている、この人に指導しても改善されない、もうこれは条例をつくるしかないんだみたいな何か事実を把握されているのかどうか、御説明をお願いいたします。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答え申し上げます。
 1と2をあわせてということで、またいろいろとお調べいただいた上での質疑ということで、大変にありがとうございます。まず、提案理由と立法事実及び法的根拠については、先順位者への答弁でるる申し上げたとおりであります。なお、法的根拠については、憲法第94条及び地方自治法第14条第1項の規定に基づく条例制定権となりますが、本条例は、いわゆる自主条例の範疇に属するところであります。
 次に、本市のカラス被害の現状ということで、カラス被害の現状については、今いろいろとお話があったとおりであると思います。また、これまでも御答弁したとおり、議員としての日常的な政治活動を通じて聴取した市民の御意見やニーズ等から、また、住民アンケートの結果等に照らし、依然として多くの被害があるものと認識しております。なお、行政に寄せられる苦情等といたしましては、平成30年3月末までの3年間で、巣の撤去で約120件、威嚇で約90件あるとのことですが、これはあくまでも行政に対し明確に意思表示をした市民の統計にすぎないものとも言えます。また、カラス対策用のネットや金網式のごみ箱の現在の貸し出し合計件数は、ネットは約2万3,000枚、かご箱は約2,000基とのことでありますが、これは裏を返すとカラス被害がそれだけ生じているため、貸し出しのニーズがあるというふうにも言えると思います。
 以上です。
○竹内清海議長 越川議員。
○越川雅史議員 そういうことではなくて、先ほど箕面市や荒川区のように特定の人がカラスに餌をやっている、毎日特定の場所に何百羽も集まっている、ここに例えば指導に行っても改善されない、もうこれは条例をつくるしかないみたいな、さんざんアンケートもやりましたし、いろんなことを把握されているわけですから、別に地域を言わなくてもいいです。個人情報を排除した状態で条例制定の必要性がわかるように、どのような被害が具体的に生じていたのか教えていただきたいと思います。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答えいたします。
 鈴木議員に申し上げましたアンケートの結果の意見欄で、こういう被害がありましたというのを一つ一つ申し上げる。(越川雅史議員「いやいや、一番ひどいので」と呼ぶ)一番ひどいのというのは、済みません。それぞれ感じ方というか、あると思いますので、先ほど鈴木議員の答弁で申し上げたようなものでも相当ひどいなというふうに思っているのと、あと平成28年の市の調査になりますけれども、南行徳公園で朝の7時半から8時にかけて、おばあさんがカラスやハトに餌をあげている、カラスの鳴き声がうるさい、以前、看板や職員の巡回をやってくれるとの回答でしたが、再度看板の設置や職員の巡回をお願いしますとか、あと、これはじゅん菜池緑地で、池の中、カラス、猫に餌やりが多いが何も対応されていない、根本的に法律や条例で縛りをかけないと解決にはならないというような要望が市のほうに寄せられていると。これはほんの一端であります。
○竹内清海議長 越川議員。
○越川雅史議員 見解の相違はあるかと思いますが、私は立法事実というのはもう周知の事実のように、あそこの地区にはこういう被害があると。餌やりおじさんがいて、全く行政の言うことを聞いてくれない、深刻な被害がある、そういうものが継続して続いているということで、アンケートでそれをもとに確認しに行って、いろんな指導をしたけど、できないということであれば立法事実になるのかなと思うんですが、このあたりは見解の違いですので、次に移ります。
 (3)「集合住宅の所有者等」などの用語の定義及び責任の範囲ですね。第2条第4項のカラスの被害についてですが、これがカラスの行為であると判断するのは難しいんじゃないかなと思います。生ごみが飛散している、もしかしたら野良猫のしわざかもしれない、カラスのしわざかもしれない。これを誰がどのような基準に基づいて判断をするのか、御説明をお願いいたします。
○竹内清海議長 中村議員。(3)の部分です。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 責任の範囲ということでよろしいですか。(越川雅史議員「済みません。もう1回言います」と呼ぶ)
○竹内清海議長 越川議員。
○越川雅史議員 第2条第4項で主語がないんです。これがカラスのしわざであると誰がどのような基準に基づいて判断をするのか。野良猫のしわざじゃないと、カラスなんだと、どのように判定するのか伺いたいと思います。(中村よしお議員「2のカラス被害ということでいいんですか。」と呼ぶ)
○竹内清海議長 (3)の部分です。
○越川雅史議員 第2の(4)です。野良猫じゃなくてカラスだとどうやって判断するんだということ。
○竹内清海議長 2条の(4)。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 済みません。失礼しました。第2条の(4)のカラス被害について、これはカラス被害だと誰が判断するのかということでありますけれども、(越川雅史議員「どのように」と呼ぶ)どのように。これについては、市の職員がその現場に行きまして、その現状を確認して、そこで、例えばカラスが現認されるのかとか、カラスによるものなのかとか、そこら辺について周囲の方等の聞き取りも含めて総合的に判断するというふうになると思います。
○竹内清海議長 越川議員。
○越川雅史議員 わかりました。飛ばせばよかったです。
 第2条第5項の集合住宅について伺います。「住戸数が2戸以上で構成されるマンション又はアパートその他の共同住宅」ということではあるんですが、例えばよく二世帯住宅というのがあったり、本市が応援している多世代同居型住宅といったものの場合、例えば玄関が1つで1階にはおじいさん、おばあさんが住んでいる、2階と3階に娘夫婦と孫たちが暮らしているような建物があるかと思います。これは集合住宅に該当するのでしょうか。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 集合住宅の定義ということでありますけれども、アパート、マンションのような複数の住戸により構成されており、かつ共用部分を有する共同住宅のことをいう。よって、例えば二世帯住宅のようなものまで含むものではないというふうに考えております。
○竹内清海議長 越川議員。
○越川雅史議員 これも条例がわかりにくいんだと思います。一見すると扉も表札も郵便受けも2個あって、2件の独立した一戸建てのように見えても、よく見れば渡り廊下でつながっていて、双方自由に行き来できるような住宅というのは、多分街づくり部に聞けば1戸の住宅というと思います。また、今言った二世帯住宅でも、道路から直接共用部分なく上がっていけるんであれば2戸になるわけですし、玄関1個で部屋の中で分かれていれば1戸の住宅になるとか、あるいは敷地が広くて門扉は1個です。中に独立した戸建てが複数ある、こうした場合は集合住宅に当たってしまう。今御提出者と私のほうでは見解が若干違ったんですが、似たような住戸に住んでいながら、渡り廊下があるかどうか、外階段で区分されていて中が行き来できるとか、できないとか、そうした建築物のごくわずかな差で、この条例に課される義務が変化してくるというのは不平等であり、住民間の平等を求める公平性の原則から、条例のつくり込みに欠陥があると指摘をしまして、次に進みます。
 先ほどの、ここで「集合住宅の所有者等」ということなんですが、先ほどの御答弁で、管理会社に委託をした場合には、その方の責任になるということなんですが、では、管理会社が再委託した場合は管理会社の責任は免れるのか、再委託を受託した者の責任だけになるのかお答えください。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答え申し上げます。
 この定義については先順位者への答弁で申し上げたとおりであります。責任の範囲についてですが、所有者等、すなわち所有する者、請け負う者、委任されている者の責任の範囲は基本的には同じものであります。もっともごみの集積場所に係る現在のルールとして、集合住宅について、ごみ集積場所を利用する際は、所有者等は事前に市に対し届け出て、その許可を受ける必要があり、届け出るに当たって代表となる者の記載、また、管理会社や所有者の記載事項もあります。したがいまして、市とすれば所有者等でもある代表者、あるいは記載されている管理会社ないし所有者を相手にすることになろうかと考えます。ですから、再委託をするということになれば、この記載に載ってくるのかというふうに考えております。なお、条例適用の相手方としては、必ずしも所有者、管理会社、受任者の3者を同時に相手方とする必要性はございません。
 以上です。
○竹内清海議長 越川議員。
○越川雅史議員 管理会社というのが悪質な場合、例えばパートでまた管理人を雇ったりして、そちらにまた再委託するなどといったことが生じることが懸念されますが、次に進みます。
 (4)の条例制定に関する影響についてです。私が一番心配するのは地域猫活動に対する悪影響です。本条例第10条では、市民等及び事業者は、カラスへの餌やり等によりカラスの被害を発生させないよう努めるものとするとされており、括弧書きで「カラス以外の動物への餌やりにより与えられた餌がカラスの餌となっているものを含む。」と書かれております。
 そこで伺いますが、地域猫に対する餌やりの結果、猫に対する餌がカラスの餌になってしまったら第10条に違反することになるのかどうか、御説明をお願いいたします。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答え申し上げます。
 地域猫の話ということでありますけれども、このカラス被害に関しての餌やりというのは当然犬とか猫とか、そういったペットに対しての餌やりということになりますけれども、それも入りますけれども、仮にこれがたまたま餌をあげたときに、そこにカラスが入ってきてしまってということになれば、それはその被害にはならないというふうに考えています。ただ、その餌をあげて、それがそのまましばらくの時間放置をされて、それがカラスの餌やりにつながるということになれば、これは指導につながるというふうに考えております。
 以上です。
○竹内清海議長 越川議員。
○越川雅史議員 そうした場合に、共同住宅の所有者か1軒家に住んでいる人かどうか、共同住宅の賃借人であるかどうかによって8条の適用、あるいは14条以降の適用の有無が変わってくるということには違和感があると指摘をしたいと思います。
 この10条には続きがありまして、「カラスの巣の材料となるハンガー等の放置等によりカラス被害を発生させないよう努める」と書いてありますが、ハンガー等の放置といっても、カラスの巣の写真を見ると、ほとんどが針金のハンガーでできているそうで、プラスチックのものはカラスは持っていかないと言われておりますが、プラスチックのハンガーは含まれるのか、御答弁をお願いいたします。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答え申し上げます。
 このカラスの巣の材料となるハンガー等というのは、これは別にハンガーの材質を問うものではございません。実際、これも条例が仮に施行されれば、しっかりとしたガイドラインのもとに、この巣がどのような材質をカラスが集めて巣がつくられているか、そのような詳細な調査のほうもされるのであろうというふうに期待しているところであります。済みません。ちょっと蛇足になりましたけれども、ハンガー等についての材質は針金等に限ったものではありません。
 以上です。
○竹内清海議長 越川議員。
○越川雅史議員 こういうのも人によって感じ方は違うと思います。私が知る限りはプラスチックは滑って太くて壊れやすいということで、針金のハンガーだけ持っていくと認識しているので、僕が住民だとしたら、これはプラスチックのハンガーだから大丈夫だろうと思ってしまう。そうした誤解があるかと思いますが、ここで気になるのは、この10条には「ハンガー等の放棄等」というふうに「等」といった文字が使われていて、幾らでも拡大余地がある曖昧な言葉だと思うのですが、この「等」に含まれるものはどのようなものがあるのか、簡単に列挙していただければと思います。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答え申し上げます。
 この「ハンガー等」という「等」ということでありますけれども、これも先ほど申し上げたとおり、カラスがどのようなものを好んで巣にするのかというのは、それは調べてみないと明確なところはわからないかもしれませんが、この「等」で今想定をしているのは、木の枝の剪定枝、そういったものを考えております。
 以上です。
○竹内清海議長 越川議員。
○越川雅史議員 こういうところも、例えばカラスは雑食ですから、肉も食べれば、魚も食べれば、野菜も食べるということで、野菜を植えていても問題になるのかとか、花を植えていても、よくそこについた虫を食べるために花ごと持っていっちゃうとか、よくあるのが保育園とか幼稚園の園庭にある石けんですら食べてしまうと。これはカラスが食べちゃうから条例違反なのかなと混乱が生じるので、できればここは列挙すべきだったのではないかなと指摘をしまして、次に移ります。
 カラス対策マニュアル、第4条ですね。このカラス対策マニュアルなんですが、結局、現在、本市はカラスの被害が減少していると認識している中で、それにもかかわらず市長があえてカラス被害対策指針を公表すれば、市民の間に無用な混乱が生じるのではないか。その内容が、これまでのカラス対策マニュアルでいいとなると、こんなことすらやっていなかったのかと誤解が生じると思うんですが、この点、御見解を伺います。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答え申し上げます。
 これは条例になることによって、先ほども御答弁申し上げましたけれども、条例策定ということで政策形成過程の公開、透明性が高まるということで、それについて市民から理解をしていただけるというふうに考えております。また、この条例が策定されることによりまして、政策の実行に必要な予算、組織、人員体制が措置されやすいといった事実上の効果もあるというふうに考えております。したがいまして、政策目的を実現するには有意な政策形式と言えます。条例は市民の代表である議会の議決を得て制定されるわけであります。市民的バックボーンの存在が条例に強い正当性を与えることになります。また、条例には強い広報力があるということで、これまで市はやってこなかったのかということよりも、議会で議員発議の条例が制定されることによってカラス被害対策を市、市民、事業者、市長と力を合わせて取り組んで、住みやすい市川市をつくっていこうということにつながっていくというふうに期待しております。
○竹内清海議長 越川議員。
○越川雅史議員 立法事実にも関連すると思うんですが、今、本市が本当に深刻なカラス被害に悩まされていて、それに対応しないといけないのであれば、既存のカラスマニュアル対策では足りないということでなければおかしいと思いますし、先ほどの御答弁で、見直しが4年ごとというんですが、であれば、議員の任期に合わせる必要は全くないわけで、3カ月でも半年でも、すぐにこの被害対策指針が有効に効いているのかどうかモニタリングするという話じゃないとちょっと違和感を持ちました。
 この点を指摘して、次に進みますが、パブリックコメントのところで、確かにアンケートをたくさん募られたということは理解いたしましたが、パブリックコメントはされていないということです。行政手続法にのっとる必要がないわけだから、求められていないからやらなかったということですが、こういうところに姿勢があらわれるのかなと。より丁寧な手続を求めるのであれば、条例案を示して幅広い市民の意見を聞いてもよかったんじゃないかなと思います。ちなみに、この点、奈良市では市議会全会派で餌やり禁止条例というたぐいのものを提出して、議会でパブコメを実施して、議会で市民との意見交換会まで実施したということです。これがなかったのが非常に残念だなと指摘をして、次に移ります。
 8条第1項について伺います。集合住宅の所有者は、ごみの集積場所の管理をしなければならないとありますが、管理とは具体的に何を指すのでしょうか。例えば、駅に向かう通行人が施錠したごみ集積所の上にごみを置いていくというのはよく聞く話ですが、この場合、管理人はどのような行為をすればいいのでしょうか。南京錠などをとめずに、集積場所内誰でも捨てられるようにして、ごみが散乱しないようにしなければいけないのか。南京錠は閉めたままで、通行人がごみ箱のかごの上に捨てていったら、捨てられるたびに遮断等の必要な措置を講じなければならないのか、この点、御説明をお願いいたします。
○竹内清海議長 中村議員。
〔中村よしお議員登壇〕
○中村よしお議員 お答え申し上げます。
 しっかり管理されている集合住宅のごみ置き場において、通行人等がごみを置いていってしまう、この場合はどうするのかということだと思いますけれども、これについては、当然これはカラス被害の対策の話でありますし、先ほどからるる申し上げておりますけれども、必ずしもこれは罰則を科していこうとか、そういうものではなくて、市民、また事業者とあわせてカラス被害をなくそうということでありますから、仮にしっかり管理した上で通行人がごみを置いていったから、じゃあ、それはそこのごみ置き場の所有者が責任をとれということにはならないというふうに考えております。それについては、そこでカラス被害が生じた場合に、市の担当者が現場に行きまして、そこでその所有者と話し合いをして、妥当なそこら辺で判断をしていくというふうになると思いますので、必ずしも違法に不法投棄していった者の責任まで所有者等が責任を負うということにはならないというふうに考えております。
 以上です。
○竹内清海議長 越川議員。
○越川雅史議員 8条2項なんですが、集合住宅の居住者に対して指導するのが集合住宅の所有者となっています。これまで清掃部に頼めば清掃部がやってくれていたのに、所有者に任せてしまうと住民同士のトラブルがふえることが懸念されますし、所有者にやれと言っても、外国人の居住者がいたりして、あるいは怖い人がいるとか、そういうことも生じるかもしれない。ここは所有者は「居住者に対し」じゃなくて、所有者と居住者が協力してというような条文であればよかったんじゃないかなと思います。また、第3項も、所有者みずからの責任において清潔に保たなければならないとありますが、所有者だけではなくて、賃借人も含めた利用者相互に協力してということのほうが条例としてはよかったんではないか。何か所有者に義務を押しつけるのではなく、市民同士が協力し合ってつながり合える、そのような条例のほうがよかったんじゃないかなと思います。
 次に移ります。他の条例とのバランスですね。先ほど12条の話がありました。他市の類似のところだと、荒川区はあらかじめ審査会の意見を付さないといけないとか、立ち入りには相当の理由がないとだめだとか、そういう規定があったのに、本件条例案がそれを削ってしまっている。これは誤解を生むんじゃないかなと思います。先ほど言ったようにソフトな手法ということであって、了解をとるんであれば、この点、浄化槽法第53条にも事前に相手の了解を得なければならないといった旨を書いていますので、そのほうがよかったんじゃないかなと思います。
 公表についても、本件条例案は「付与することができる」と書いてあるんですが、よその場合は弁明の機会を与えなければならないということが多かったと思います。何か権利が制約されるというか、罰が科されるときに冷たい条例になっているように感じました。
 また、一番問題だと思ったのが、2条のカラス被害のところで、「害される蓋然性が高いと認められる」場合ということで、蓋然性だけで立入調査やそれ以降に行ってしまうというのは懸念があるということをお伝え申し上げまして、まだまだ時間が欲しかったんですが……。
○竹内清海議長 終了です。
○越川雅史議員 終了いたします。
○竹内清海議長 以上で通告による質疑は終わりました。
 これをもって質疑を終結いたします。
 お諮りいたします。会議規則第37条第3項の規定により、委員会の付託を省略することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹内清海議長 御異議なしと認めます。よって委員会の付託を省略することに決定いたしました。
 これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、発言を許可いたします。
 長友正徳議員。
〔長友正徳議員登壇〕
○長友正徳議員 無所属の会の長友正徳でございます。ただいま議題となっています発議第1号市川市民が安全で安心して快適に生活することができる環境の向上のためのカラス被害の防止等に関する条例の制定について、会派日本共産党及び無所属の会を代表して反対討論を行います。
 このたび会派公明党が本件条例案について議員発議をされたことに敬意を表します。また、このような活動は市川市議会の活性化に資するものと評価します。その上で、本件条例案について、立法事実が那辺にありやといった観点から反対討論を行います。
 市川市は、これまでにカラス対策についてさまざまな取り組みをされてきました。環境部及びその他の関係部署によって2001年に設置された都市鳥等ガイドライン検討会によって市川市カラス対策マニュアルが策定されています。なお、最新版は2015年12月版です。同マニュアルの中では、カラスがふえる主な原因は生ごみであるとされています。生ごみについては、清掃部によって減量化や出し方のルール化の方策について所要の検討が行われ、その結果について所要の広報啓発活動が行われてきました。生ごみの減量化については、コンポスト容器などにより堆肥化することが推奨されてきました。また、生ごみの出し方については、市川市指定袋に入れた上で、収集日の午前8時までに決められたごみ集積所に出すようルール化され、所要の広報啓発活動が行われてきました。2005年度からはカラス対策として、カラスの活動期間である4月から8月までの100日間、主要16駅の周辺を中心として、生ごみがカラスの餌とならないように、通常収集の朝8時より早い朝6時から燃やすごみを収集して、ごみの散乱などのカラス被害の予防策が講じられています。ルール違反が散見された場合には、当該ごみ集積所の利用者に対して、ビラをポスティングするなどの方法により、生ごみの出し方のルールについて改めて広報啓発活動が行われてきました。その結果、取り残しがあった集積所数や取り残し袋数は年々減少してきています。また、カラスなどによる食い散らかしを防止するために、防鳥ネットや金網式のごみ箱の貸し出しも行われてきました。新設の集合住宅に対しては、宅地開発行為の申請段階で、屋根つきのごみ集積所の設置が指導されてきました。
 また、同マニュアルの中では、餌やりもカラスがふえる原因の1つとされています。餌やりの禁止については、環境部や水と緑の部が中心となって、張り紙や看板などにより広報啓発活動が行われてきました。また、ペットフードの放置の禁止や、巣づくりの材料になるとともに、停電などの被害をもたらすおそれがある針金ハンガーの放置の禁止についても、環境部により所要の広報啓発活動が行われてきました。
 カラス問題に関する苦情や相談の受け付けは市川市の関係部署において行われてきました。市民部総合市民相談課まちの相談直行便では、カラスによる威嚇、攻撃、騒音、群れて不安などの苦情や相談に対し、巣の除去を含めて対応されてきました。苦情や相談の件数を年度ごとに見てみますと、2013年度が108件、2014年度が111件、2015年度が77件、2016年度が89件、2017年度が66件で、この5年間は漸減傾向にあります。ここ十数年間はカラスの生息実態調査は行われていませんが、近年、苦情や相談の件数が漸減傾向にあることから、市川市内で生息する個体の数は減ってきているのではないかと推測されます。このことから、市川市がこれまでに取り組んでこられたカラス対策は奏功していると言えるのではないでしょうか。
 ここで、市川市のカラス対策への取り組みの特徴や成果を整理してみますと、次のとおりです。1つには、市川市カラス対策マニュアルというカラス対策への取り組みに係るトップ文書が策定されていることです。2つには、環境部及び関係部署が識別されているとともに、それぞれの役割分担や相互連携が明確にされていることです。3つには、カラス対策に係るシステムが確立されており、その運用が適切に行われていることです。4つには、システムを改善する必要が生じた場合は、環境部が音頭をとって、その他の関係部署と協議することとされていることです。5つには、市民からの苦情や相談については、それぞれの部署で受け付けを行い、お互いに連携して対応していることです。6つには、市民部総合市民相談課まちの相談直行便に寄せられた苦情や相談の件数は漸減傾向にあることです。7つには、苦情や相談の件数が漸減傾向にあることから、市川市内で生息する個体数は減少してきているのではないかと推測されることです。
 このように市川市のカラス対策への取り組みは包括的であり、システムが確立されていて、適切に運用されていて、さらなる改善のためのメカニズムが存在していて、市川市内で生息する個体数は減少してきているのではないかと推測されていることから、成果が上がっているものと考えられます。これらのことから、本件条例案の必要性は特に感じられません。仮に本件条例案が制定されたとしても、新たに講じられる施策は特にないのではないでしょうか。つまり、質疑でも立法事実に関する議論がありましたが、本件条例案には立法事実がないものと判断されます。よって、会派日本共産党と無所属の会は、本件条例案に反対します。
 これまでに論じてきましたように、本件条例案には立法事実がないことから、本件条例案は否決すべきものと考えます。どうか皆様におかれましては、表決に際しまして、これまでに論じてきたことを参考にしてくださるようお願いします。
 以上をもちまして本件条例案に対する私からの反対討論を終わります。御清聴ありがとうございました。
○竹内清海議長 以上で通告による討論を終わります。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより発議第1号市川市民が安全で安心して快適に生活することができる環境の向上のためのカラス被害の防止等に関する条例の制定についてを採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の方は賛成のボタンを押してください。――ボタンの押し忘れはありませんか。――ないものと認めます。
 集計いたします。
 賛成者多数であります。よって本案は原案のとおり可決されました。

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