更新日:2024年1月19日

定例会

2023年9月22日

発言の訂正及び取消しについて

午前10時開議
○稲葉健二議長 ただいまから本日の会議を開きます。


○稲葉健二議長 この際、門田直人議員から発言の申出がありますので、これを許可いたします。
 門田議員。
○門田直人議員 貴重な時間をお借りしまして申し訳ございません。発言の訂正及び取消しをお願いいたします。
 まず、発言の訂正についてでございます。去る9月19日の私の一般質問の発言中、旧市川市リハビリテーション病院に関する質問におきまして、病院の総工費を「400億円以上」と発言いたしましたが、正しくは「140億円以上」でありますので、訂正をお願いいたします。
○稲葉健二議長 ただいまの申出のとおり、発言の訂正を許可いたします。
 門田議員。
○門田直人議員 続いて、発言の取消しをお願いいたします。同じく9月19日の私の一般質問の発言中、旧市川市リハビリテーション病院に関する質問におきまして、病院の関係者の個人名を発言した部分につきましては、本件とは直接関係のない私人の名前でありますので、取り消したいと思います。
 また、同じく旧市川市リハビリテーション病院に関する質問において、「■■■■■■■■■■■■■■■■■■」から「■■■■■■■」と発言した部分及び「■■■■■■■■■■■■■■■■■■」から「■■■■■■■」と発言した部分につきましては、誤解を生じさせる不適切な表現でありましたので、これらの部分を取り消したいと思います。
 御迷惑をおかけしましたことをおわびいたしますとともに、議長におかれましては、よろしくお取り計らいのほどお願いいたします。
○稲葉健二議長 お諮りいたします。
 ただいまの門田直人議員の申出のとおり、発言の取消しを許可することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稲葉健二議長 御異議なしと認めます。よって、ただいまの門田直人議員の申出のとおり、発言の取消しを許可することを決定いたしました。
 なお、病院の関係者の個人名を取り消す部分につきましては、その範囲について、議長に一任願いたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稲葉健二議長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 この際、門田直人議員に申し上げます。議場における発言は慎重を期し行うことは言うまでもないところでありますが、今後の発言に当たっては、慎重にされ、誤解を生じさせることのないようお願いいたします。


一般質問 浅野さち議員

○稲葉健二議長 日程第1一般質問を行います。
 順次発言を許可いたします。
 浅野さち議員。
○浅野さち議員 おはようございます。公明党、浅野さちでございます。通告に従いまして、初回から一問一答で一般質問を行います。どうぞよろしくお願いいたします。
 初めに、妊娠期から産後、育児まで切れ目ない支援について。
 (1)産後家庭ホームヘルプサービス事業について伺います。
 産後は、ホルモンのバランスの変化による心身の変調、特に産後鬱になりやすいと言われている状況の中、近年核家族化が進み、近くに祖父母がいらしても働いていることも多く、支援は受けにくいと言われております。また、高齢出産の場合、子育てと親の介護が一緒になるダブルケアに陥ったりと、多様化した課題が出てきています。そのような中で、本市が平成23年から開始している産後家庭ホームヘルプサービス事業に対し、私は大変評価しております。母親が使いやすい支援になるために何度か質問し、様々拡充していただきました。
 そこで質問いたします。ア、サービスの活用状況について。まずは、今まで拡充した内容を伺います。また、多胎児を含めた活用世帯の推移と、30時間まで使用できますが、利用した時間数の傾向はいかがか。また、支援内容の中でどのようなニーズが多かったか伺います。
○稲葉健二議長 鷺沼こども部長。
○鷺沼 隆こども部長 お答えいたします。
 産後家庭ホームヘルプサービス事業は、家事や育児について、祖父母などの家族の援助が受けられない出産直後の家庭に対し、希望によりホームヘルパーを派遣して育児や家事の支援を行うものでございます。利用料は、生活保護世帯は無料、市民税非課税世帯は1時間500円、その他の世帯は1時間800円となっており、利用時間は1回2時間まで、1日につき2回まで利用できます。本事業は、産後家庭の負担を軽減し、安定した子育て環境を確保するために大きな役割を果たしております。加えて、本事業は事業開始以降、利用者の要望を反映させながらサービスの拡充を図ってまいりました。拡充内容といたしましては、令和2年度には双子以上の子ども、いわゆる多胎児の育児負担を軽減するため、利用期間を出産後56日以内から出産後1年以内に、利用時間の上限を30時間から60時間へと拡大いたしました。また、派遣可能なホームヘルパーに産前産後の女性を支える専門的な知識や技術を持つ産後ドゥーラの資格保持者を加えました。令和3年度には、育児を担う父親も対象者に追加したほか、自営業やテレワークなど、仕事をしている父親が在宅している場合も利用可能といたしました。さらに、今年度は利用できる期間を生後56日から生後90日までに延長し、子どもの首が据わって、おんぶや抱っこがしやすくなる時期まで支援を受けられるようにいたしました。
 このサービスを利用した世帯数につきましては、令和2年度は73世帯、令和3年度は140世帯、令和4年度は124世帯となっております。この数年の不規則な増減は、新型コロナウイルス感染症の影響によるものと考えられます。利用した時間数の傾向といたしましては、上限30時間に対し、令和4年度は10から20時間の利用が44世帯で最も多くなっており、4割を超える世帯が利用上限までは使い切っていない状況でございます。よく利用されている支援内容は、食事の準備及び片づけが最も多く、次いで部屋などの清掃、沐浴介助の順となっており、この傾向に変化は見られておりません。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 浅野議員。
○浅野さち議員 ありがとうございます。母親のニーズを酌み取り、様々拡充していただきありがとうございます。特に、今年度から利用できる期間を56日から90日まで拡充し、産後の母親にとって大変心強い内容になってきました。また、利用時間や支援内容も伺いました。
 そこで再質問いたしますが、現在1回の支援時間が2時間で、1日2回まで活用できるようです。特に、多胎児を抱える御家族からは、公園に出かけるなどの外出支援の場合、2時間では短い、1回を4時間まで活用できないのかとの声を伺います。そのとおりだと思います。希望者にとって条件緩和を行っていただきたいが、考えを伺います。
○稲葉健二議長 鷺沼こども部長。
○鷺沼 隆こども部長 お答えいたします。
 多胎児の保護者や外出などの支援のためには、2時間では時間が不足することもあるのは認識をしております。2回連続して4時間の支援を可能とすることについては、利用者のニーズやサービスを提供している事業者の状況などを確認しながら今後検討してまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 浅野議員。
○浅野さち議員 ありがとうございます。多胎児の場合は、特に2時間では不足しているということを認識しているということです。今後検討していただけるということでしたので、ぜひよろしくお願いします。母親の心身の疲労を支えるためにも、今後、利用者のニーズによっては2時間から4時間を選択できるよう、ぜひこの点もよろしくお願いいたします。
 次に、イの項目ですが、ホームヘルパー派遣事業所の現状と課題について伺います。ヘルパー派遣は、事業者の委託により実施されていますが、以前質問した際は、事業所が減少し、利用したいが受けられないという課題がありました。現在どのような事業者が請け負っており、その現状と課題を伺います。
○稲葉健二議長 鷺沼こども部長。
○鷺沼 隆こども部長 お答えいたします。
 現在、介護保険法上の指定を受けて在宅介護サービスを行う事業者や、産後ドゥーラなど13事業者に委託をしております。これまでベビーシッター派遣会社や、子育て支援の実績を持つ地域のNPO法人の参入など事業者の確保に努めてまいりましたが、利用者が希望する日時にいつでも利用できるようにするためには、事業者数は十分とは言えない状況にございます。さらに、近年は介護サービスにおけるヘルパー人材不足のため、対応できる地区を限る事業所も出てきております。産後ドゥーラにおいても同様のことが起きており、サービスを地域差なく安定的に提供することが今後の課題となっております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 浅野議員。
○浅野さち議員 サービスを地域差なく安定的に提供することが課題と言われておりますが、どちらの方面が手薄になっているのか、人員不足や地域差の解消に対し、今後どのように対応していくのか伺います。
○稲葉健二議長 鷺沼こども部長。
○鷺沼 隆こども部長 お答えいたします。
 現在、サービス提供の不足は、市内北東部に多く発生しております。また、派遣先が駅から遠いなど交通の便の悪い場所であると、ヘルパーが見つからないこともございます。人員不足や地域差を解消するために、令和3年度に介護保険の居宅サービスの身体介助の訪問介護費を参考に委託単価を増額し、介護サービス事業所の参入促進を図りました。しかしながら、ヘルパー人材不足の状況下では、これ以上介護サービス事業所の参入を増やすことは困難であり、家事代行業者など他業種の事業所が活用できないか、委託単価や支援内容を再検討する必要があると考えております。今後は、利用者のニーズに合った事業となるよう、改善に向けて取り組んでまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 浅野議員。
○浅野さち議員 ありがとうございます。ヘルパー人材の不足から、家事代行業者などほかの事業者が活用できないか、また、委託単価や支援内容を再検討する点伺いました。私は、今回産後ドゥーラさんから様々お声を伺いました。幾つか御紹介いたします。現在、利用者が希望日を直接事業者に問合せや申込みをしているが、予約状況を事前に知るシステムがないために、予約がいっぱいで幾つかの事業者にも断られるケースがあります。また、事業者側も対応に追われるなどコーディネーターの配置が必要ではないか、制度の周知がさらに必要である、交通費込みの委託単価のため地域が限られるなど、様々お聞きしました。このように、現場の声が大変重要です。今後ぜひ意見交換会を開いていただき、そこから課題解決のヒントになると思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、ウ、産後ドゥーラの資格を取るための支援制度の創設について伺います。産後ドゥーラは、産後の母子ケアに高い専門性を持ち、この事業に大きな役割を果たしています。家事や育児、そしてお母さんの情緒面を含め、産後の母親に寄り添ったサービスを提供する方です。ドゥーラは、ギリシャ語でほかの女性を支える経験豊かな女性という意味で、既に職業として認められております。東京を中心に、行政の中で産前産後サポートとして活躍しており、議会で取り上げ、本市においても産後ドゥーラは必要ではないかと強く要望し、令和2年度より事業者として現在7人の産後ドゥーラの方が活躍していただいております。先ほど安定的なサービス提供が課題とおっしゃっていました。人材の拡充が急務と考えます。品川区や港区、中野区、そして今年度から埼玉県三芳町などでは、産後ドゥーラ資格取得費用を一部助成する制度を設けています。こうした産後ドゥーラの資格を取るための支援制度の創設について、市の考えを伺います。
○稲葉健二議長 鷺沼こども部長。
○鷺沼 隆こども部長 お答えいたします。
 産後ドゥーラの資格取得を支援する制度は、品川区や港区、中野区や大田区など、東京都区内で幾つか実施例がございます。その多くは、資格取得にかかる費用のおよそ2分の1となる20万円程度を助成する代わりに、資格取得後は1年から3年程度の一定期間、助成した自治体が行う子育て支援事業に携わることを条件としております。本市においてもヘルパー人材の確保は喫緊の課題であることから、こうした制度がサービスの安定供給につながるのか、先行する自治体の実績や、本市で導入した場合の効果を検証した上で検討をしてまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 浅野議員。
○浅野さち議員 ありがとうございます。今後、様々な条件を含め、検証し検討するということです。産後ドゥーラの専門性を考えると、例えば、児童虐待などに移行しないように養育支援家庭に入っていただくなど、今後、専門性の高い人材、産後ドゥーラ資格の支援制度が必要ではないか。この支援制度によって、市川市在住の方が資格を取得して活躍していただければ、先ほどの課題である市内北東部や、派遣先が駅から遠いなどの課題解決になるのではないでしょうか。また、不安を抱える母親に寄り添う支援はさらに拡充していきます。ぜひとも産後ドゥーラの資格を取るための支援制度の創設を強く要望いたします。
 次に、(2)妊婦と保育サービスを利用していない2歳未満の子どもがいる家庭への家事・育児支援事業の創設について伺います。妊娠中や入園前のお子さんを抱える家庭は、家事や育児に対して不安や負担感を抱えることが多いと言われています。こうした家庭を支援するために、松戸市では子育て世帯訪問支援事業としてまつドリbabyヘルパーを8月から開始されています。このような事業の創設について、市の見解を伺います。
○稲葉健二議長 鷺沼こども部長。
○鷺沼 隆こども部長 お答えいたします。
 御質問の事業は、国が改正児童福祉法により市区町村における子育て家庭への支援の充実を定め、家庭訪問による生活支援を行うものとして新設した子育て世帯訪問支援事業であり、幾つかの自治体でモデル事業として実施されております。この事業は、児童相談所の児童虐待相談対応件数が全国で20万件を超えるなど、子育てに困難を抱える家庭がこれまで以上に顕在化している状況を踏まえ、保護者に育児の不安や、負担感の強い家庭への支援を強化することで、虐待のリスクを下げることを目的としております。
 こうした状況に対し、本市では、国の事業以前より産後家庭ホームヘルプサービス事業を実施し、産後の子育て世帯の家事・育児負担の軽減を図ってまいりました。また、同様に産後の母子を支援する事業として、医療機関や助産師などが育児支援や授乳指導などを行う産後ケア事業を行っております。妊娠中及び保育サービスを利用していない2歳未満までの家庭は孤立した状況に陥りやすく、不安や負担を抱えやすい状況にあることから、今後は家庭での育児や保育サービス利用の有無を問わず、切れ目のない支援ができるよう、既存のサービスを制度全体から見直した上で、新規事業の創設についても検討してまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 浅野議員。
○浅野さち議員 本市では、産後ケアや産後ホームヘルプサービス事業の支援がある、産後に限られているということは私もよく分かっています。しかし、妊婦や、また保育サービスを利用していない2歳未満の子どもがいる家庭に対しての支援は不足しております。改正児童福祉法による子育て世帯訪問支援事業は、国の補助金を使用できる事業であれば活用して、本市においてもモデル事業を開始できないか伺います。
○稲葉健二議長 鷺沼こども部長。
○鷺沼 隆こども部長 お答えいたします。
 この子育て世帯訪問支援事業においては、家庭を訪問して支援を行う者の要件として、犯罪歴などの欠格事項がないことが定められておりますが、本市の現在の体制では、ヘルパー全員の前歴確認は困難であり、補助金の活用は見送らざるを得ない状況でございました。一方、児童虐待の観点からは、子どもの安全な養育のために支援が必要と市が判断した家庭については、利用者負担なくヘルパーを派遣する国の事業でありますけれども、療育支援訪問事業を現在も実施しており、妊婦や2歳未満の子どもがいる家庭も対象となっております。なお、国はこの事業を今後子育て世帯訪問支援事業に一部統合することを予定しております。
 また、子育て世帯訪問支援事業につきましては、令和6年度の改正児童福祉法の施行に向けて、現在運営基準やガイドラインを国が検討していることから、その動向を注視し、対応してまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 浅野議員。
○浅野さち議員 補助金の活用には様々条件があるということを伺いました。千葉市は、エンゼルヘルパー派遣事業を妊娠中、また出産1年未満を対象に行っています。横浜市は、産前産後ヘルパー派遣事業を行っています。まずは、妊娠中の支援として、産後家庭ホームヘルプサービス事業を保健部と連携し、産前産後ホームヘルプサービス事業に拡充していく考えを伺います。
○稲葉健二議長 鷺沼こども部長。
○鷺沼 隆こども部長 お答えいたします。
 現在妊娠中の家庭へは、電話や窓口、訪問により、保健師が健康相談や生活面での助言を行っております。そうした中で、支援の必要があると判断された場合には、療育支援訪問事業によりヘルパー派遣が可能となっております。産後家庭ホームヘルプサービス事業の産前への拡大につきましては、ヘルパーの人材不足など課題も多くございますが、今後、妊娠中を含めた子育て支援におけるホームヘルプサービスの全体的な制度設計において、改めて検討してまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 浅野議員。
○浅野さち議員 分かりました。養育支援訪問事業と子育て世帯訪問支援事業との区分けや統合を、国もいろいろ考えているということで、妊娠中を含めた子育て支援を検討するということです。ぜひ発展的にホームヘルプサービス事業に拡充していただいて、妊娠、出産、子育ての支援の切れ目ない包括的な支援をお願いしたいと思います。国はそういう方向にはなっていますので、ぜひ妊婦さん、特にそういう方の大変なところには、今も養育支援訪問事業では行っていますけれども、それ以外のところもぜひ拡充していただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、大項目の障がい者による情報取得について伺います。
 (1)障がい者に向けた本市の情報発信の現状及び課題について。2022年5月に障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法が施行され、あらゆる分野の活動に参加するためには、障がい者による情報の取得利用、意思疎通に関わる施策を総合的に推進すること、障がいの有無によって分け隔てなく共生する社会の実現に資することを目的として制定されました。情報を正しく取得でき、日常の生活や社会参加をしていくことは大変大事です。
 そこで、現在、本市はどのように情報発信しているのか、現状と課題を伺います。
○稲葉健二議長 菊田福祉部長。
○菊田滋也福祉部長 令和4年5月、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律が施行され、全ての障がい者があらゆる分野の活動に参加するためには、情報の十分な取得利用、円滑な意思疎通が極めて重要であるとし、これらに係る施策を総合的に推進する旨が規定されました。このうち、地方公共団体においては推進するための施策を策定し実施する責務を有することとされております。本市におきましては、同法の趣旨を踏まえ、令和6年度から8年度の3年間を計画期間とする第5次いちかわハートフルプランにおいて、情報保障の支援を推進する方針で現在策定を進めております。
 御質問の本市の情報発信の現状につきまして、具体的に情報取得や意思疎通が特に困難とされる聴覚障がいと視覚障がいのある方を対象とした支援内容について申し上げますと、まず、聴覚障がいのある方への支援として、補聴器や人工内耳など日常生活を送る上で必要不可欠な補助器具の給付を行っているほか、社会参加促進の観点から、手話通訳者や要約筆記者の派遣事業を実施しております。次に、視覚障がいのある方への支援として、点字広報や、CDに声を吹き込んだ声の広報の無料郵送のほか、市からのお知らせなどの送付の際には、件名や課名の点字シールを封筒に貼り、郵便物の内容がスムーズに分かるようにしています。また、本市のホームページ上での情報提供としましては、アクセシビリティー対応のツールを常に画面右上に掲載し、様々な障がいの症状別にページが自動で最適化される機能としており、お手持ちのスマートフォンやパソコンの画面読み上げ機能にスムーズに対応できるようにしています。
 最後に、課題としましては、音声コードについて活用が図れていない状況であり、点字資料の活用についても一部の発送物に限られておりますので、いずれも今後早急に取り組まなければいけない課題であると認識しております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 浅野議員。
○浅野さち議員 聴覚・視覚障がい者の情報発信の現状を伺いました。また、課題として、特に視覚障がい者の場合、点字シールによる周知についても一部発送物のみということで、まだまだ情報が行き渡らないという点、伺いました。
 そこで、(2)の視覚障がい者のための音声コードの利用について伺います。世田谷区では、投票入場券・整理券の封書に音声コードを貼り付け、視覚障がい者の方にとって情報取得できる環境をつくっています。QRコードと同様の二次元コードで、スマートフォンやタブレット端末によってコードを読み取ると、必要な情報が約800文字から1,000文字の内容をアナウンスするコードとなっています。また、ほかの行政では、がん検診や国民健康保険証送付の封書などに活用しています。
 そこで、この音声コードに対する認識と、今後本市においても導入していただきたいが、考えを伺います。
○稲葉健二議長 菊田福祉部長。
○菊田滋也福祉部長 一般的に音声コードと呼ばれているものにはSPコードとユニボイスコードの2種類があり、どちらも文字情報を音声で聞くことができる二次元コードです。その利用においては、二次元コードを読み取る方法に違いがあり、SPコードは対応する活字文書読み上げ装置が必要となる一方、ユニボイスコードは専用の読み取り装置を必要とせず、スマートフォンやタブレット端末などを利用して読み取ることが可能で、より多くの方が利用できるツールです。また、ユニボイスコードは、その作成に際しワード文書から簡単に音声コード化できるため、機能的なものとなっています。ユニボイスコードの活用につきましては、視覚障がいのある方が多くの場面でより円滑な情報取得の手段として有益であり、準備を含め、なるべく早い時期に進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 浅野議員。
○浅野さち議員 ありがとうございます。ユニボイスコードの活用について、なるべく早くということですけれども、そこで、このユニボイスコードに係る経費やその活用方法、今後の取組について伺います。
○稲葉健二議長 菊田福祉部長。
○菊田滋也福祉部長 ユニボイスコードは、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律に基づきまして、障がいのある方のアクセシビリティー向上のための活動として、日本視覚障がい情報普及支援協会とUni-Voice事業企画株式会社が連携して、コード作成のためのアプリケーションソフトを開発したものです。御質問のユニボイスコードの活用に要する経費につきまして開発元に確認したところ、視覚障がいのある方のアクセシビリティー向上の普及啓発の一環として、公共性の高い情報を取扱う国や地方公共団体等に対しては、アプリケーションソフトを無償で提供する旨の回答をいただいております。これにより、職員が作成ソフトを利用して音声コードを容易に作成することが可能となります。
 今後の取組としましては、障がい者施策の推進を所管する福祉部が先行して導入し、その後、順次他部署へ広げてまいりたいと考えております。視覚障がいのある方の情報取得の環境がより向上するよう、鋭意取り組んでまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 浅野議員。
○浅野さち議員 分かりました。経費は無償ということで、ぜひ速やかに導入していただいて、他部署の公的通知書にも活用できるように拡充をよろしくお願いいたします。私も、そこをスマートフォンでやってみましたけれども、もちろん音声できちっと読めますので、もちろん視覚障がいのある方だけじゃなくて、誰でもできますし、また、その通知もその人だけじゃなく全員にできるということもあります。様々活用できるかなと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、次の項目ですけれども、田尻5丁目地先高谷川に架かる無名橋の今後について伺います。
 こちらの橋は、高谷川に架かる幅約1.8m、橋の長さは約6.5mで、人が通る橋です。以前は田尻地域の方をはじめ、多くの方がこちらの無名橋を使い、江戸川堤防沿いを散歩やジョギングなどで楽しまれ、健康増進に励んでいました。ところが、平成28年10月に国交省が行った江戸川堤防の高潮対策工事に伴い、一時的に通行止めの柵が立てられ、工事完了後も住民に何の説明もなく、老朽化により安全性が確保できないとの理由から現在まで封鎖されたままです。市民から通行再開はできないのかなど様々な声をいただき、幾度か担当課にお伝えし、通行を再開できるよう要望してまいりました。今までの経緯と市川市の対応を伺います。
○稲葉健二議長 藤田下水道部長。
○藤田泰博下水道部長 高谷川は千葉県の管理する河川でございますが、この川の田尻5丁目地先に架かるこの橋は、いつ頃誰が設置したのか分かっておらず、現在も管理者が不明となっております。これまでの経緯につきましては、平成28年度に国土交通省が江戸川の高潮対策として堤防のかさ上げ工事を行った際、現場の安全性を確保するために国交省及び県において通行止めといたしました。しかし、かさ上げ工事完了後においても、橋自体の安全性が確認できないとの理由から、依然として通行止めが続いている状況であります。その後、平成29年9月に地元自治会から通行止め解除の要望書が本市へ提出されたことから、市では、同要望書を国交省と県へ進達いたしました。さらに、同年12月には、改めて本市から県へ橋の原状復旧の要望書を提出しております。また、その後におきましても、この橋を放置したまま地震や洪水等が発生した場合には、橋が崩落し事故につながることも懸念されることから、平成31年4月に本市から県に橋の早期撤去と周辺護岸の改修を行うよう要望書を提出しております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 浅野議員。
○浅野さち議員 平成29年に地元自治会から、そして平成31年には本市から要望書を提出し対応した点、伺いました。しかし、7年も経過し、いまだ通行止めのままです。以前は布団が捨てられており、先日見に行きましたら、空き缶やごみ袋が散乱しています。衛生的によくないし、何より地域住民は、老朽化と言っているが橋はそのままで一体どういうことなのか、通行できるようにしてほしいとの強い要望の声を伺っています。今後の対応をどのように考えているのか伺います。
○稲葉健二議長 藤田下水道部長。
○藤田泰博下水道部長 今後の対応につきまして千葉県に確認しましたところ、県は、この橋は直ちに崩落して治水上支障となる状況ではないが、高欄や橋げた等の破損状況から人を通せるような状態ではないとの認識でありましたが、対応についての具体的な見解は示されませんでした。本市といたしましては、今後の対応について改めて県と協議をしてまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 浅野議員。
○浅野さち議員 河川管理者の県は、現状はすぐに崩落するような橋ではない、しかし人は通せないとの認識。市としては、協議を改めて進めていきたいということです。放置され、方向性が決まっていないということが分かりました。すぐに崩壊するような橋でなければ、補強して通行再開できるのか、撤去して新たな橋を造っていただけるのか、ほかに何かあるのか、何らかの対策を講じていただき、住民は通行を再開できることを希望しています。市は、県にその思いをしっかり伝えていただき、進展するようにぜひよろしくお願いいたします。引き続き注視してまいりますので、よろしくお願いいたします。
 次に、次の項目ですけれども、市立学校における学校遊具の安全点検の現状と課題について伺います。
 現在、小学校、中学校、支援学校において、どのような学校遊具が設置され、その安全点検はどのように行っているのか。専門業者の入る外部委託を行っているのか、現状と課題を伺います。
○稲葉健二議長 藤井学校教育部長。
○藤井義康学校教育部長 お答えいたします。
 現在、学校遊具は主に小学校に多く設置されており、鉄棒や登り棒、ブランコや滑り台、雲梯等があります。学校施設の安全点検は、学校保健安全法施行規則に毎学期1回以上、児童生徒等が通常使用する施設及び設備の異常の有無について系統的に行わなければならないと定められております。そこで、市立学校におきましては、毎月1回以上、業者委託ではなく、主に教職員が遊具を含めた学校の施設、設備の安全点検を実施しております。特に、遊具の安全状況につきましては、毎学期1回保健体育課に報告を行うこととしており、状況に応じて修繕等の安全対策を実施しております。さらに、年に1回、保健体育課の職員が市立学校を巡回し、直接遊具の安全点検を行っております。
 課題といたしましては、安全点検を行う主体が教職員であるため、目視等で確認できない遊具の劣化について専門的に判断することが難しいことが挙げられます。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 浅野議員。
○浅野さち議員 現在、専門業者には委託していない、教職員が各学期ごとに目視で行っていること、そして教育委員会の担当課が年に1回点検していることを伺いました。また、課題として、目で見えない劣化については判断しづらいということです。
 そこで伺います。昨年、ほかの市ではこのような事故があったそうです。ブランコの接合部のさびが進み、遊んでいた児童が転倒し、手首を骨折したとの事例です。本市において、過去、事故があったのかなかったのか、状況を伺います。
 また、成田市の教育委員会のホームページには、このように記載されています。近年、遊具については、公園や学校等で老朽化や遊具の構造的な不具合等による事故が目立つようになってきました。成田市教育委員会では、事故を未然に防ぎ、安全、安心な施設を提供するため、各学校による定期的な安全点検のほかに、日本公園施設業協会の基準に沿った専門業者による点検を行っていますと明記されています。
 そこで、近隣市の状況はどのようになっているのか伺います。
○稲葉健二議長 藤井学校教育部長。
○藤井義康学校教育部長 お答えいたします。
 過去5年間を調べましたところ、本市において、遊具の破損により子どもがけがをした事故は起きておりません。近隣市の状況ですが、葛南地区の他市を調べましたところ、市川市を除く4市のうち2市が外部業者を交えた安全点検を実施していることが分かりました。また、松戸市や鎌ケ谷市でも同様に安全点検を外部業者に委託して実施しておりました。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 浅野議員。
○浅野さち議員 他市の状況は、ほとんどが外部業者に委託していることが分かりました。また、事故がなかったとのこと、大変よかったです。しかし、事故が起きてからでは遅いですので、本市においても、専門業者にしっかり点検していただき、児童生徒の安全を確保することは大変重要ではないかと思います。本市においても、年1回は専門業者に外部委託する考えを伺います。
○稲葉健二議長 藤井学校教育部長。
○藤井義康学校教育部長 お答えいたします。
 各学校の遊具につきましては、設置されてから長く年数が経過しているものが多くなってきており、劣化が進んでいることも考えられます。児童生徒の安全、安心につきましては最優先すべきことから、業者による、より専門的な見地から安全対策を行うことについて、今後、他市等の先行事例について研究していきたいと考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 浅野議員。
○浅野さち議員 今後、先行事例について研究していきたいということです。
 そこで、最後に田中教育長さんにお伺いいたします。専門業者に委託することによって、児童生徒の安全確保はもとより、教職員の負担軽減にもなります。私は必要性があると強く考えますが、田中教育長さんのお考えを伺います。
○稲葉健二議長 田中教育長。
○田中庸惠教育長 それでは、私のほうから御答弁をさせていただきたいと思います。
 まず、今話題となりました子どもの安全、安心については、もうこれは第一義に考えていかなければならないことだというふうに思っておりますし、今後の本市における教育活動におきましても、安全、安心を第一に考えてまいりたいというふうに思っております。
 それから、質疑応答の中で成田市の事例も御紹介いただきました。また、それに関わって近隣市の安全点検を業者に委託して行っている、こういう近隣他市の情報等についても共有することができました。そういう点では非常にありがたく受け止めているところでございます。
 それで、今後でございますけれども、今後、今御質問者からの点を踏まえまして、そして本市の内部の関係する他部署ですね、それと連携、協議をし、また意見交換をしながら、併せまして他市の状況分析と、それから実践的取組をしっかり集める中で、さらにこの案件を深掘りしてまいりたいと、かように考えている次第でございますので、どうぞ御理解のほどお願い申し上げたいと思います。
 私からは以上でございます。
○稲葉健二議長 浅野議員。
○浅野さち議員 田中教育長さん、ありがとうございます。もうぜひ、近隣市はかなりやっていますし、保護者の方もそうやって成田市のように、ホームページに業者がきちんと点検しているとなれば、かなり安心です。そのためにはやっぱり予算が必要かなと思いますので、ぜひ財政部の方、ぜひ学校教育のほうに予算を考えていただければありがたいなと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、保健事業について伺います。
 (1)骨粗鬆症検診の導入について伺います。昨年の12月定例会にて質問させていただき、その際、骨量の減少は骨粗鬆症を招き、特に高齢者は転倒などの骨折を要因として要介護になりやすいため、本市においても骨粗鬆症検診の導入を強く要望いたしました。部長答弁として、国は、健康増進事業の実施要領を見直す検討を始めたことから、国の動向を注視していくとのことでした。公明党女性委員会は、5月に政府に提言した全ての女性のためのトータルプランの中で、女性の生涯にわたる健康を支援する観点から、骨粗鬆症検診の対策強化に言及いたしました。国は、健康寿命の延伸に向け対策を強化する点から、第3次健康日本21の基本計画の中に女性に関する項目を新設し、骨粗鬆症の検診受診率を15%まで向上させると明記され、5月に発表いたしました。詳しくはどのような内容なのか伺います。
○稲葉健二議長 川島保健部長。
○川島俊介保健部長 お答えします。
 国では、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針の改正を本年5月に公表し、第3次健康日本21を令和6年度より開始いたします。健康日本21は、国民全体の様々な健康課題に対して目標を定め、生活習慣の改善及び健康づくりに必要な環境整備を進めることで、国民の健康寿命の延伸、健康格差の縮小を図るものでございます。その中で、現在5%程度で推移している骨粗鬆症検診の受診率を15%とする目標値が新たに設定されております。これは、ライフステージごとに女性ホルモンが劇的に変化するという特性等を踏まえ、これまで少なかった性別に着目した健康増進の取組を強化することで、女性の健康を支援するものです。また、国は計画を推進するため、地方公共団体の取組に資するよう、具体的なアクションプラン等の策定に取り組むとしており、来年度以降に示される予定になっております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 浅野議員。
○浅野さち議員 骨粗鬆症の患者さんは、軽い転倒やくしゃみなどでも骨折しやすくなると言われています。特に、女性は閉経後の女性ホルモンの影響は大きく、患者数はかなり多いと言われております。本市においては、診療報酬明細書であるレセプトデータから骨粗鬆症の患者数を把握できれば、その数を伺います。
○稲葉健二議長 川島保健部長。
○川島俊介保健部長 お答えします。
 本市で把握可能な国民健康保険加入者のレセプトデータより申し上げますと、本年6月分で、男性72件、女性1,089件と、女性は男性の約15倍の受診件数となっております。また、過去5年間も同様の傾向で推移しております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 浅野議員。
○浅野さち議員 伺いました。本市においては、驚くことに女性は男性の15倍の受診件数となっていることが分かりました。現在受診されていなくても、潜在的に骨粗鬆症の方は多いのではと推測します。検診は絶対必要と考えます。今回、国が計画を見直すことで、特に健康寿命延伸や女性の健康を支援する観点から、市は検診の導入をどのように考えているのか伺います。
○稲葉健二議長 川島保健部長。
○川島俊介保健部長 お答えします。
 健康日本21のアクションプランが来年度以降に国から示される予定でございます。加えて、国は骨粗鬆症検診の実施要領を見直す検討を始めたと昨年新聞報道がございました。本市といたしましては、国の動きを注視しながら、検診の導入に向けた具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。検診導入までの期間につきましても、健康寿命日本一に向け、女性が自らの骨量を知ることの重要性により、市民まつりでの骨量測定、健康相談など、これまでの取組に加え、市内の商業施設といった人の集まる場所での骨量測定会や、健康相談の実施に向け検討してまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 浅野議員。
○浅野さち議員 検診の導入に向けて、具体的な検討を進めたいという前向きな答弁をいただきましたので、ぜひよろしくお願いします。骨折予防は骨密度をアップする運動や栄養ですけれども、そのためには、まず検診によって自分の骨密度を知ることが一番大事です。また、できるだけ若いときから食事や運動に気を配ることで、骨密度の減少を抑えるとも言われています。今後、年齢対象も含め、医師会との協力も必要になると思いますので、検診を受けやすい環境づくりをお願いいたします。大変期待しますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、(2)糖尿病性腎症重症化予防のための受診勧奨について伺います。過去に、平成26年、28年、29年の定例会にて、先進事例を挙げて糖尿病性腎症重症化による透析予防の取組について質問いたしました。特に、透析は本人の身体的負担が大きく、市としても医療費の増大を招くことから、重症化を防ぐための受診勧奨が必要と強くお訴えいたしました。また、特定健康診査の検査項目に腎機能が分かる血清クレアチニンや尿酸の項目が入っていなかったため要望し、平成28年からこの項目も入れていただき、レセプトデータを活用したデータヘルス計画に基づいて、医療機関未受診者や治療中断者について受診勧奨を進めていると認識しています。現在は第2期データヘルス計画に入っていますが、今までの取組状況を伺います。
○稲葉健二議長 川島保健部長。
○川島俊介保健部長 お答えします。
 本市では、40歳から74歳までの国民健康保険加入者を対象に、特定健康診査を実施しております。この特定健康診査の結果から、糖尿病性腎症の重症化によって透析を必要とする危険性が高い方に対しまして、市川市国民健康保険第2期データヘルス計画に基づき、糖尿病性腎症重症化予防事業を実施しております。取組状況といたしましては、現時点で実績が確定している令和3年度の状況で申し上げますと、特定健康診査の受診者約2万5,000人のデータから、血糖値を示すヘモグロビンA1Cが7%以上である重症化リスクの高い方約1,200名を抽出いたしました。さらに、この中からレセプトデータ等を活用して、治療中断者を含む医療機関未受診者180名を抽出し、受診勧奨の対象としております。本市では、この180名全員に対して医療機関へ受診するようイラスト入りの書面で通知に加えて、電話による受診勧奨も行い、9割を超える165名の方々に受診をしていただいております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 浅野議員。
○浅野さち議員 受診勧奨を行って、多くの方が医療につながり成果が上がっていることはよく分かりました。今後も継続が大事です。例えば、1度受診したからといって再度中断する場合もあると思います。できれば過去5年間のレセプトデータを活用し、継続的な支援が必要だと思います。その点を踏まえ、どのような対応をしているのか伺います。
○稲葉健二議長 川島保健部長。
○川島俊介保健部長 お答えします。
 議員御指摘のとおり、糖尿病性腎症の重症化予防には、継続した支援が必要であると考えます。そこで、本市では、受診勧奨を行った方が翌年度に再度特定健康診査を受診しているのか、また数値が改善しているのかを確認しております。令和3年度で受診勧奨の対象となった180名から、国民健康保険の資格を喪失した方を除いた169名の調査をしたところ、143名の方が令和4年度に再び特定健康診査を受診しており、このうち6割以上の方に数値の改善が見られております。一方で、受診のなかった方には電話により再度受診勧奨を行っており、透析の予防に努めているところでございます。また、過去5年間の継続的な支援につきましては、毎年特定健康診査を受診していただければ数値の把握が可能となりますので、まずは特定健康診査の受診勧奨に努めてまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 浅野議員。
○浅野さち議員 令和3年度に受診勧奨した方が、4年度で6割の方の数値が改善された、重症化を防ぎ透析予防に努めたということは分かりました。荒川区や大分市など他市では、受診勧奨などの業務を外部委託し、保健指導、栄養指導まで一括で行っています。本市は、お聞きしたところ、現在、疾病予防課の保健師、管理栄養士、事務の方で行っています。レセプトデータからの抽出作業や未受診の方の受診勧奨を書面通知と電話で行い、様々な指導は各病院で行っているという現状の中で、保健師、管理栄養士には本来の保健指導業務や栄養指導を行っていただきたいが、総合的な費用対効果を考えると外部委託することも必要ではないかと思うが、その考えを伺います。
○稲葉健二議長 川島保健部長。
○川島俊介保健部長 お答えいたします。
 糖尿病性腎症に対する保健指導は医療分野と重なる部分が多くありますことから、外部委託については、本市医師会とも協議しながら検討を行う必要があるものと認識しております。議員御指摘のとおり、職員への負担や費用対効果などもよく見極めて判断してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 浅野議員。
○浅野さち議員 伺いました。保健師や管理栄養士の専門的なマンパワーをより効果的に活用し、保健指導は専門職で、例えば、レセプトデータからの抽出や書面通知は外部委託ということも考えられます。どちらにしても、より市民にとって効果的なことが重要です。今後、令和6年から第3期データヘルス計画に移行するわけですが、糖尿病性腎症重症化の予防をさらに推進していただくよう、よろしくお願いいたします。
 これで私の一般質問を終わります。ありがとうございました。


一般質問 西村 敦議員

○稲葉健二議長 西村敦議員。
○西村 敦議員 おはようございます。公明党の西村敦でございます。引き続きよろしくお願いいたします。通告に従いまして、一問一答にて一般質問を行います。
 最初の質問は、保健行政についてとなります。
 (1)として、子宮頸がん撲滅への取組と、HPVワクチンのキャッチアップ接種対象者が全額公費負担で接種可能な最終期限に向けた市の対応についてです。HPVワクチンについては、このところ続けて議会質問をさせていただいております。2月定例会では、今年4月から2価と4価のワクチンに加え9価ワクチンも定期接種化されることから、積極的な周知をお願いし、3月には9価ワクチンが無料で接種できることなどの内容を全ての対象者に通知し接種勧奨をしていただきました。また、6月定例会では、他市で始まっている男性がHPVワクチンを接種する際の費用についての市としての一部助成ができないか提案をさせていただきました。そこで、今回はキャッチアップ対象者への定期接種期限が迫っていることから、さらなる周知と接種勧奨について取り上げさせていただきます。
 令和4年度にHPVワクチンの積極的勧奨が再開され、それに伴い、約9年間の勧奨差し控えの影響を受けた対象者も、3年間の期間限定で定期接種と同条件で接種ができるキャッチアップ接種の制度が設けられました。日本では、25歳から40歳の女性のがんによる死亡の第2位は、子宮頸がんによるものです。国は、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回るとして勧奨を再開しましたが、対象者に正しくまだ伝わっていない可能性があり、専門家はこのままでは子宮頸がんを減らせないと警鐘を鳴らしています。
 そこで質問ですが、本市では、子宮頸がん撲滅に向けてどのような取組を行っているのか。
 また、昨年度から始まったHPVワクチンのキャッチアップ接種対象者への接種については、来年度末までで接種期間終了となるが、本市のキャッチアップ接種対象人数と接種回数、これがどのようになっているのか、まず現状をお聞きいたします。
○稲葉健二議長 川島保健部長。
○川島俊介保健部長 お答えします。
 子宮頸がんは、HPVワクチンの接種により、がんの罹患を防ぐ効果が期待でき、また、定期的な検診を受けることで、早期発見、早期治療により負担の少ない治療につなげることができます。このため、本市ではHPVワクチンの接種勧奨と子宮頸がんの検診の促進に努めております。また、HPVワクチンは定期接種となった後、積極的な接種勧奨の差し控えがあったため、この期間に定期接種の機会を逃した方が公費で接種できるよう、令和4年4月1日から令和7年3月末までキャッチアップ接種が行われております。本市のキャッチアップ接種の対象者は約1万9,000人であり、令和4年度の接種回数は1,955回、令和5年度は6月末現在で1,269回となっております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 西村議員。
○西村 敦議員 ありがとうございます。本市の対象者が1万9,000人ということで、この方に対して令和4年度1,955回接種したということと、今年度は6月末で1,269回ですから、数が増えているということは非常によく分かります。勧奨の効果が出ているのかなというふうに思いますが、まだちょっと少ないのかなという印象です。
 これまでキャッチアップ接種対象者には、令和4年に予診票を送付、令和5年4月から9価ワクチンが定期接種の対象となることから、周知に合わせて令和5年3月に接種勧奨通知を送っています。2回送付したということで、市のこれまでの対応については感謝申し上げます。しかしながら、まだまだ対象者への接種が進んでいないと感じています。この公費負担で接種できなければ、その後は自己負担での接種ということになります。そうすると約10万円ぐらいかかってしまうというふうにされていますので、そうなると、なかなか接種する人がいなくなるんだろうなというふうに思います。その前に、期限までに接種できるよう本市として最大の努力をする必要があるというふうに考えます。
 そこで質問です。キャッチアップ接種対象者が全額公費で接種できる期間の終了が迫っている中で、では、キャッチアップ対象者はいつまでに最初の1回目のHPVワクチンを接種すれば、最終期限の令和7年3月末までに接種を終えることができるのか、この時期の経過についてお聞きをいたします。
○稲葉健二議長 川島保健部長。
○川島俊介保健部長 お答えします。
 キャッチアップ接種対象者は、HPVワクチンを3回接種する必要がございます。標準的な接種間隔で3回接種するためには、令和6年9月までに1回目のHPVワクチンを接種する必要がございます。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 西村議員。
○西村 敦議員 ありがとうございます。最初、1回目の接種がもう来年の9月までにしないと間に合わないということですので、あまり時間がないということです。来年の今頃には接種を開始するとすると、情報が伝わって、それから接種を考える、そして準備をするということを考えていくと、時間的には限られているのかなというふうに思います。そういった人たちのために、最終期限がありますよという、最終の勧奨通知は、私はやっぱり必要だというふうに考えています。
 また、再質問ですけれども、キャッチアップ接種対象者への接種期間が迫っている中、今後キャッチアップ接種対象者への接種件数を増やしていくために、市としてどのような接種勧奨また推進を行っていくのか伺います。
○稲葉健二議長 川島保健部長。
○川島俊介保健部長 お答えします。
 現在、市公式ウェブサイトでキャッチアップ接種の対象となる要件や接種期間を周知しておりますが、今後はキャッチアップ接種の終了時期を見据えて、「広報いちかわ」やSNS等で接種期間内に接種できるよう、積極的な情報提供を行ってまいります。また、市内のイベントや市内の高校、大学などキャッチアップ接種対象者が多く集まる場所にポスターが掲示できるよう関係機関に依頼していくとともに、再度個別通知により接種勧奨することを検討してまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 西村議員。
○西村 敦議員 ありがとうございます。高校とか大学にポスター掲示というのは有効だと思いますね。そのポスターを見て友達同士で話題になれば、非常に効果が高まるかなというふうに思います。それとプラス、やはり個別通知が必要かと思いますので、その辺の推進もお願いしたいと思います。
 聞いたところによると、市として対象者の3割以上、できれば4割ぐらいまで接種率を上げたいという、そういった担当の方の思いもお聞きしておりますので、思いとしては私も同じでございます。子宮頸がんは、ワクチン接種を進めることで撲滅できると言われているがんでございます。最終個別通知の発送を来年度に入りましたら、ぜひすぐに発送していただきたいと思います。主に郵送料中心になると思いますので、それほどの費用はかからないかなというふうに思います。ぜひ今から予算化の検討をお願いしておきます。
 キャッチアップ接種対象者は、当時の過剰な報道と、それによる政策決定により、接種の差し控えというような時期がありましたので、ちょうど適齢期というか接種最適年齢に接種ができなかった、進められなかった、いわゆる被害者でもあります。積極的勧奨差し控えの影響を最小限にして、将来の子宮頸がんの増加を食い止めるためにも、この1年間の取組が大変重要かと思いますので、本市のがん対策をさらに前に進めていただくよう重ねてお願いを申し上げまして、次に移りたいと思います。
 次に、(2)のほうに移ります。AEDのコンビニエンスストア設置を推進する市の考えについての質問となります。AEDについては、平成25年9月定例会で取り上げさせていただきました。その中で、市内鉄道各駅に全数設置ができていなかったことから、早急に設置を働きかけるよう市にお願いし、対策を進めてきました。その後、未設置駅であったJRの下総中山、市川大野、市川塩浜などに設置が進んでいったということでございます。また、隣の船橋市では、コンビニエンスストアと提携してAED設置を進めている、そういった事例を紹介させていただき、コンビニエンスストア等、民間でのAED普及促進についてお願いし、市としても研究を進めるということで、その後、見守ってきた経緯があります。今年6月定例会にて改めてコンビニエンスストア設置への議論があったことから大変気になりましたので、今回取り上げさせていただきました。
 当時は、社会的にAEDの認知が非常に進む時期でした。ニュース報道とかもありました。その中で、スポーツ団体などが積極的に取り入れていったという歴史があります。私も少年野球チームに属していましたので、チームとしてAEDを購入したという、そういった記憶もございます。また、様々なスポーツ大会で、その大会中にAEDをスポーツ部で貸し出してくださっていたということも覚えております。その後、他市では既にコンビニなど設置が進んできています。
 そこで、本市で整備の検討を進めた場合、全体でどのような規模になるのか。また、設置店舗数はどのように決めていくのか、現在の状況と市の考え方を伺います。
○稲葉健二議長 川島保健部長。
○川島俊介保健部長 お答えします。
 市内のコンビニエンスストアは、駅構内や病院など施設内で営業している店舗を除くと、約180の店舗がございます。現在、市内の公共施設に設置しているAEDは約200台ですので、コンビニエンスストアへの設置を新たに進めますと、これまでの2倍近くの台数を新たに市が整備することとなります。
 次に、設置の対象とする店舗についてですが、コンビニエンスストアには、フランチャイズ契約をしたオーナーが運営する店舗と、フランチャイズ本部が直接運営をする店舗がございます。AEDの設置につきましては、フランチャイズ本部の意向だけではなく、各店舗オーナーとの合意と協力も必要となりますことから、店舗ごとにAED設置が可能かどうかの意向を伺い、設置店舗を決めていくこととなります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 西村議員。
○西村 敦議員 分かりました。180ぐらいコンビニがあって、公共施設が200ですから、本当に倍増するという、そういった規模になるかなというふうに思います。実は、10年前もこの意向の確認ということはしているんですね。それで、私も懇意にしているコンビニのオーナーがいますから、意見なんかを聞いたんですけれども、夜間を含めて全ての従業員がこの取扱いをするというのは非常に難しいだろうということと、市としては置かせてもらうだけでいいんだと、使うのは当事者が使うからということで説得したんですけれども、そういうわけにはやっぱりコンビニとしていかないよと、何かあったらというようなことで、その当時もそういった議論があったのを覚えております。
 改めて設置を進めていくとした場合、懸念される点、また課題、問題点、市としてどのようなものがあると考えているのか、それについて伺います。
○稲葉健二議長 川島保健部長。
○川島俊介保健部長 お答えします。
 コンビニエンスストアにAEDが設置されますと、日常管理も含めた実際の運用について、店舗のオーナーや従業員の方々に対応していただくことになります。従業員の方々には、AEDの使用方法が分からない、日常の管理はどのようにするのか、などの不安を覚える方もいるものと思われます。今後設置を進めていくに当たりましては、こうした不安感の解消が課題になるものと認識しておりますので、使用方法が分かりやすく、メンテナンスの容易なAEDの導入に加え、従業員などを対象とした救命講習の実施なども必要であると考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 西村議員。
○西村 敦議員 そうですね、よくその辺の意思疎通を図っていただいて、方針として進めていただきたいなというふうに思います。私も救命講習を受けていまして、修了証を持っております。この救命講習など、以前質問した際にも同じような課題があったなということで、コンビニエンスストアは24時間営業という一番大きなメリットがあるんですね。やっぱり公共の場所ですと、どうしても夜間閉鎖してしまいますので使い勝手が悪いということで、いざ夜間、早朝に救急事態が発生した場合には、このコンビニエンスストアのAEDというのは非常に有効かなというふうに思います。現状の課題も理解しておりますが、対象店舗数も多く、市の懸念している事項も分かりますけれども、課題を丁寧に解消して、一部だけとかではなく、より多くの店舗で同時期に始められる、これが望ましいと思います。ここに行ったらあるけれどもここに行ったらないよというのは、なるべくちょっと避けていただきたいなというふうに思います。
 その上で、具体的な設置に向けての市の考え方を改めて伺います。
○稲葉健二議長 川島保健部長。
○川島俊介保健部長 お答えします。
 AEDを設置している店舗と非設置の店舗が混在することは、AEDを必要とする切迫した状況下では混乱を招くおそれがございます。このことを踏まえ、AED設置に当たりましては、その意義や目的を御理解いただいた上で、より多くの店舗に設置していただくことが重要であると考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 西村議員。
○西村 敦議員 ありがとうございます。やっぱり24時間対応可能なコンビニというのは、いろんな意味で市民の重要な拠点という意味では言えているというふうに思います。時代も変わってきまして、コンビニ側にも地域に根差した社会貢献とかという、そういったコンセプトも出てきているというふうに思いますので、ぜひ丁寧に納得のいくような形で進めていただきまして、ぜひ早急に設置が進むように、市としても前向きな考えだということをお聞きしておりますので、よろしくお願いしたいと思います。何よりも大事なのは、市民の命を守る仕組みの構築だというふうに考えますので、ぜひ積極的な取組と事業の早期展開を要望しまして、次の質問に移りたいというふうに思います。
 次に、こども・若者ケアラー(ヤングケアラー)についてです。
 ヤングケアラーの実態調査と支援体制の構築を、これまで何回も議会で取り上げさせていただきました。少しずつ社会的な認知度も向上してきましたし、意識改革も図られてきているというふうに思います。しかしながら、まだまだ本市は先進他市には追いついていないなというふうにも感じています。今回、神戸市に視察に行って勉強してまいりました。神戸市は、ヤングケアラーと呼ばずにこども・若者ケアラーと呼んでいます。一般的にヤングケアラーの定義は18歳以下とされていますので、20代の若者も、実は同様の悩みを抱え、同じように支援を待っているということと、どこに相談していいか分からない、そういった若い方々もいますよということで、その点も配慮しまして、今回の質問はこども・若者ケアラーとさせていただきました。
 まずは、その後の本市の現状についてお聞きをいたします。
○稲葉健二議長 菊田福祉部長。
○菊田滋也福祉部長 昨年度、千葉県において県内の小学校6年生、中学校2年生、高校2年生を対象に、ヤングケアラーの実態調査が行われました。調査結果では、お世話をしている人がいると回答した割合は、小学6年生が14.6%、中学2年生が13.6%、高校2年生が10.5%で、そのうち、お世話の頻度がほぼ毎日と回答した割合は、小学6年生が19%、中学2年生が17.3%、高校2年生が21%でした。県では、この調査結果を踏まえ、昨年度より実施しているヤングケアラー関係機関職員研修事業の拡充や、今年度新規事業として県内で福祉相談支援事業の実績のある事業所へのヤングケアラーに関わる相談を総合的に受け付けるヤングケアラーコーディネーターの配置や、ヤングケアラー同士で気軽に悩みや不安を共有できるピアサポートオンラインサロンの設置、またヤングケアラーに関する広報啓発を実施しています。
 本市におきましても、国や県の調査結果から潜在的に一定数のヤングケアラーがいることが想定されますことから、その支援にはヤングケアラーである子どもを早期に発見することが重要であると考えています。特に、学校の教職員は児童生徒と接する時間が長く、日々の変化に気づきやすいことから、早期発見及び福祉等の適切な支援につなぐことが期待されております。しかしながら、ヤングケアラーは家庭内のデリケートな問題であり表面化しにくく、さらに子ども自身やその家族にヤングケアラーについての認識が浅いことなどが早期発見や支援につながらない一因とされております。学校教育部では、学校に対しヤングケアラーの支援における学校の役割や、具体的な取組などについて理解を深めるため、県の主催する研修会への参加や、国や県の作成する支援ツールや発見、把握に向けたチェックリスト、対応例の活用、相談窓口などについて情報提供を行い、相談支援につなげるための活用を進めております。また、本年7月より県の実施するヤングケアラーの支援に関する指導及び助言を行うヤングケアラー支援に関するアドバイザー派遣事業を積極的に活用するよう周知を図ったところであります。また、福祉部においては、地域共生社会の実現を図るため、ヤングケアラーなど制度のはざまや複雑化、複合化した問題に対応する包括的な支援体制である重層的支援体制整備事業として、市川市よりそい支援事業をこの7月より開始しています。今後、本事業において関係機関との調整を密に図り、円滑な連携の下でヤングケアラーの支援につなげてまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 西村議員。
○西村 敦議員 ありがとうございます。千葉県の調査でいくと、小学校6年生でやっぱり14.6、中学校2年生で13.6、高校生で10.5ということで、全国的な調査とほぼほぼニアリーな感じかなというふうに思っています。県事業として、ヤングケアラー関係機関の職員研修事業があるよということと、ヤングケアラーコーディネーターを配置する、またサロンを設置するという、主立った事業は県のほうで始まってきているということで、市としては、やはり早期発見が重要ということですので、学校への期待が大きいということかというふうに思います。
 また、連携した福祉では重層的支援体制整備事業、市川市よりそい支援事業ですね。ここでスタートしましたので、そこでの対応を強化するというようなことでした。
 また、先ほど千葉県の調査がありましたが、本市も子どもの貧困対策計画策定のための生活状況実態調査というのを行ったということで、先順位の答弁もありました。その中で、ヤングケアラーに関する部分の調査結果がどうであったのか、改めてその詳細を教えていただきたいと思います。
○稲葉健二議長 鷺沼こども部長。
○鷺沼 隆こども部長 お答えいたします。
 調査の中で、家族のお世話を日常的にしていると回答した割合は、小学5年生で28.5%、中学2年生で22%を占めており、全国や県の調査と比較すると高い結果となりました。しかしながら、お世話の内容や頻度などを分析すると、支援を要するヤングケアラーの割合を正しく示しているものなのか、さらに精査する必要があると考えております。この調査の結果を、子どもの貧困対策計画策定のためだけではなく、福祉や教育など関係部署で共有し、今後の施策に生かしてまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 西村議員。
○西村 敦議員 分かりました。数字的には小学5年生で28.5%、中学2年生で22%と倍までは行かないにしても、倍近い数字が出ているという。これは聞き方の問題もあると思うんですよね。家族のお世話を日常的にしているかどうかということなので、いい意味で捉えると、していますというふうに答えたいという部分もあると思いますし、お世話の範囲、これがちょっと不明なところは条件としてはあると思います。お手伝いとの違い、お世話の違い、定義が曖昧なところもあります。そもそもそういった意味で、今回支援の必要性を感じないという、そういった根が深い意識もあるというふうに思います。
 先ほども紹介した神戸市で担当の方の話を聞く中で、興味深い話がありました。この方が本当にケアラーかどうかの線引きという話なんです。親から言われたお手伝いが毎日続くのか、毎日毎日続くのかどうかという観点だと言うんですね。これは毎日続けば間違いなくケアラーですと。それとも、今日はお手伝いお願いねと、明日は大丈夫だからというふうになればケアラーではないということなんですね。また、お手伝いをお願いされたことに対して、本人が嫌だと反抗するというか反対するという選択肢があるのかどうか、これがケアラーかどうかの分かれ目だというふうにおっしゃっていました。非常に興味深い話でなるほどなというふうに思いましたので、参考で紹介をさせていただきます。
 また、その神戸市では、ケアラーに取り組むきっかけとなったことがあります。令和元年に市内で20代の若者ケアラーが祖母を殺害するという事件が発生し、ヤングケアラーに対する支援の在り方が浮き彫りになって、市長のもと、全庁を挙げて対策に乗り出したという経緯があります。20代の若者ケアラーですけれども、大学進学や就職、また仕事と介護の両立、また結婚、子育てというライフステージの変化がある中で、こういったことが課題になって、実はヤングケアラーであったお子さんは将来的にも友人関係を築きにくいというふうに言われていて、要するに孤立をしてしまって、そのままケアラー状態が続くということなので、その辺も考慮しての話だというふうに思います。
 そこで、本市としても若者にも範囲を、スポットを当てた形で支援の対象とするべきと私も考えますが、本市の見解を伺います。
○稲葉健二議長 菊田福祉部長。
○菊田滋也福祉部長 ヤングケアラーの法律上の定義はありませんけれども、こども家庭庁によりますと、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている18歳未満の子どもと位置づけられています。また、若者ケアラーとは、一般社団法人日本ケアラー連盟によりますと、18歳からおおむね30歳代までのケアラーとしています。若者ケアラーは、子どもから大人への成長の過程でケアを担うことにより、進学や就職等のキャリアの選択、恋愛、結婚など、その後の人生を左右することに影響が出ることに加え、その存在が知られていないため支援が行き届いていないことが想定されます。
 本市におきましては、先ほど申し上げたよりそい支援事業の中で、18歳以上の若者ケアラーを含め、制度のはざまや複雑化、複合化した悩みを抱える全ての方を対象として対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 西村議員。
○西村 敦議員 分かりました。若者も含めて支援の対象とする、その中で市川市よりそい支援事業を開設しましたので、全ての方をそこに対象に持っていくということで、それはそれで分かります。しかしながら、いろいろ紹介して、他市ではヤングケアラーに対してやはり積極的な支援策を自治体として打ち出しています。紹介している神戸市のほか、お隣の船橋市でも支援事業がスタートしました。相談事業であったり、支援事業を進めているということです。これはニュースというか新聞報道もされております。何か市川市だけがそういった意味でちょっと取り残されている感覚が私はしてしまうんですね。
 そこで、他市の状況を踏まえて、市川市として相談体制や家事、食事などの支援事業をどのように今後推進していくのかについて伺います。
○稲葉健二議長 菊田福祉部長。
○菊田滋也福祉部長 相談支援事業の取組として、近隣では船橋市がこの7月から従来の電話相談に加えてLINE相談窓口を開設し、社会福祉士や教員OBなどで構成するヤングケアラーコーディネーターがこの対応に当たるとともに、今月1日からは家事援助と配食支援を開始しています。また、神戸市では令和3年度から、10代だけではなく20代の若者へも支援を行う全国で初となるこども・若者ケアラー相談・支援窓口を設置し、相談員4名で相談支援を行っています。神戸市によりますと、身近にいる関係者がこども・若者ケアラーに気づくことを認識することで、少しでも多くのこども・若者ケアラーを発見、支援することが可能になるとしております。
 本市では、相談支援事業をさらに推進する上で、先進自治体の取組からも早期発見の仕組みと相談支援窓口の充実が重要になると考えており、早期発見につなげるためには、会議の場などで既存の相談支援窓口や関係機関などに、ヤングケアラーに気づくことを意識した相談の受け止めが大切であることを浸透させる必要があります。また、相談支援の充実には、学校やこども部との連携、協力も重要であり、学校などでヤングケアラーを把握した際には、まずはよりそい支援事業につなげてもらい、そこで問題の解きほぐしを進めるとともに、相談者の状況に応じた支援方法を検討する個別の支援会議などで、学校やこども部と情報を共有しつつ支援方法を決定するなど、福祉部が中心となって相談支援体制の充実を図ってまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 西村議員。
○西村 敦議員 お話を伺いました。他市事例も参考にしながら協力体制を組んでやっていくということで、船橋の事例でもありましたけれども、社会福祉士や教員OBなどで構成するヤングケアラーコーディネーター、これが相談の対応に当たるということで、こういった専門の部署というか人員配置ができるということが、やはり大事かなというふうに思います。
 また、気づきも含めて、市川市よりそい支援事業で問題を解きほぐすというような話もありました。このよりそい支援事業ですが、スタートしたばかりなので、これから力を入れていくという市の考え方は分かります。ですが、このよりそい支援事業は実際にどうなのかということで、これまで期間は短いですけれども、これまでどのような相談が何件あったのか、またその中にヤングケアラーの相談があったのかどうかについて伺います。
○稲葉健二議長 菊田福祉部長。
○菊田滋也福祉部長 よりそい支援事業の相談窓口におきましては、窓口を設置した7月18日から8月末までに61件の相談がありました。電話での相談が37件、窓口での相談が24件で、相談内容別では、1件で複数の事由に該当する場合もあるため、相談内容は85件となり、そのうちひきこもりが7件、孤独、孤立が6件、8050問題が2件で、ヤングケアラーの相談はありませんでした。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 西村議員。
○西村 敦議員 現状、まだスタートしたばかりですけれども、聞きました。これは何となく分かるんですけれども、ひきこもりや8050問題というのは、親側が心配で助けを求めるという、そういったことで非常に表面化はしやすいと思うんですね。しかし、ヤングケアラーの場合は、親側が今度援助を受けている形になりますので、なかなか隠したがって表面化しないと、ここが一番の違いかなというふうに思います。そういう意味では、ちょっとヤングケアラーがイコールよりそいにつながるかどうかというのが、ちょっとまだ私がぴんときていない点なので、そのことをちょっと紹介させていただきます。
 そこで、私が希望しているのは、ヤングケアラーという、やっぱり名前、冠が必要なのじゃないかなということなんです。社会的に誰もが問題として認識できるところまで、このヤングケアラーという名前を引き上げることがとても重要だと考えていて、そこで初めて、ああ、そうだなということで周りの人たちが気づいていく、注目していく、そして手を差し伸べていくということが、この流れができていくんじゃないかなというふうに思っております。その点も踏まえて、ヤングケアラーを早期に発見し、支援するための専門の部署が必要かと考えております。これについて市の見解を伺います。
○稲葉健二議長 菊田福祉部長。
○菊田滋也福祉部長 学校では、ヤングケアラーを早期発見できるよう、日頃より児童生徒の状況の変化を気にかけています。把握の方法としては、定期的な生活アンケートや日常の会話、面談を通して早期発見に努めています。学校に対しては、ヤングケアラーを発見した後の支援体制としてよりそい支援事業があることを周知し、さらに学校と連携した支援が行えるよう体制の強化を図ってまいります。また、ヤングケアラー支援には、地域住民や関係機関等による発見も不可欠であり、発見したらすぐに相談につながるよう、よりそい支援事業について、引き続き市のウェブサイトや広報、SNSなどを通じて広く周知してまいります。
 また、御質問のヤングケアラーを支援する専門の部署の設置については、この7月からよりそい支援事業を開始したところでありますので、今後の相談状況を踏まえ、改めて考えてまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 西村議員。
○西村 敦議員 分かりました。よりそいがスタートしたばかりですので、取りあえずは当面は見守っていきたいというふうに思います。
 神戸市では、このヤングケアラーの問題を各部署に振りませんでした。市長をトップとする専任者が指揮を執って総合的に動いています。神戸市の視察でやっぱり一番強く感じたことは、本気でこの問題を解決しようというふうにやる人がいたということです。他部署との連携ではなく、ことケアラーについては他部署を統括するような仕組み、いわゆる組織体制が必要かなというふうに感じました。ぜひ近い将来、こども・若者ケアラー対策担当室みたいなものを設置していただければというふうに考えている次第です。ことヤングケアラーについては、教育委員会やこども部の中のことまでしっかりと調整ができるように、動きやすいようにしていくことが大事だと思いますので、ぜひ検討をよろしくお願いいたします。お隣の船橋市がスタートしたわけですから、市川市もぜひ進めていただきたいというふうにお願いいたしまして、次に移っていきます。
 次が防災についての質問です。
 今月、千葉県では台風の影響による線状降水帯が発生し、県内各地で被害が発生してしまいました。また、今週水曜日には柏、我孫子で豪雨があり、浸水被害が出ました。被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。今後も気候変動の影響による台風の大型化やゲリラ豪雨の頻発など、水害の危険性は年ごとに高まってきていると感じます。本市においても、河川改修やポンプ場の整備、近年では水害常襲地域へのマンホールポンプの設置など、ハード面での治水対策を講じていることは理解をしています。しかしながら、それだけで浸水対策を軽減するのは困難であります。
 そこで、市民が自己防衛のために簡単にできる浸水対策である土のうステーションがあります。私は、2017年9月定例会において、地域型小規模土のうステーションの質問をさせていただきました。当時は設置を始めたところで、当初7地区15か所でのスタートだったかと思います。行徳地域の設置が進んでいないことから増設を求めたところです。
 そこでお聞きします。その後、本市が行っている地域型小規模土のうステーションの現状はどうなっているのか。また、現在の課題について伺います。
○稲葉健二議長 本住危機管理監。
○本住 敏危機管理監 お答えします。
 地域型小規模土のうステーションは、大雨や洪水などによる家屋への浸水被害を防止するために、市民が必要に応じて土のうを取り出すことができるよう設置しております。設置場所につきましては、浸水発生のおそれがある地区や、過去に土のうの要請が多い地区を選定しており、現在では、公園内や公共施設前など8地区20か所に設置しております。この地域型小規模土のうステーションには、基本的に収納用の金網ボックス1基を設置し、その中に50袋の土のうを保管しております。また、ボックス内には、初めて利用する方にも分かりやすいよう、土のうの取り出しルールや使い方などの掲示をしております。本年3月に実施したアンケート調査では、地域型小規模土のうステーションの認知度は約53%にとどまっており、さらなる周知が必要であると認識しているところです。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 西村議員。
○西村 敦議員 分かりました。現在は8区20か所に増えているということです。アンケート結果ですけれども、私も確認させていただきました。この地域型小規模土のうステーションを知っていますかとの問いに、「知っている」が53%、「知らない」が47%と、認知度が思ったよりも低いなという感じと、これに続くアンケートでは、水害時、自分の住む地域に避難情報が発令されたときどのような行動をするのかの問いに対して、「市が開設する避難所へ避難する」が33%、「自宅は浸水しないので自宅にとどまる」という方が49%と半数いたということですね。災害時の情報発信は様々な媒体で発信しているが、これまでに利用したことがあるかの問いに対して、「市公式ウェブ」が49%、「メール情報配信サービス」が46%ということで、大体この半数、半数、半数になっているのが、知っている、知らないに最終的にいっているのかなというふうに感じました。
 そういったことの中で、この小規模土のうステーションはまだまだ大事な防災対策だと思いますけれども、市としてどのような周知をしてきたのか、これについて伺います。
○稲葉健二議長 本住危機管理監。
○本住 敏危機管理監 お答えします。
 地域型小規模土のうステーションの周知については、市公式ウェブサイトをはじめ、広報紙や水害ハザードマップで周知するとともに、自治町会などが主催する防災訓練や講演会など、様々な場面でお伝えしております。具体的には、広報紙で出水期前の特集記事や、年間を通じて防災、減災の取組をお知らせする自助、共助、公助の3つの助をイメージした「防災三助」のコーナーでも掲載しております。このほか、台風の接近に伴い大型土のうステーションが開設される際には、メール情報配信サービスやLINE、SNSなどで、併せて地域型小規模土のうステーションについても御案内しております。今後も、あらゆる機会を捉えて積極的な情報発信に努めてまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 西村議員。
○西村 敦議員 分かりました。やはり周知が大事かなというふうに思います。地域によっては水害の危険が低いところも実際にあります。しかし、今回の県内の被害のように、一瞬で、あっという間に水が上がってきたというふうな報道もありました。一人一人の意識向上とともに、さらなる周知の徹底、また情報提供をお願いして、次の質問に移ります。
 防災行政無線です。いざ災害時になると、携帯電話がつながらない、またインターネットがつながらないという状況をよく聞きます。情報入手ルートが限られてしまった場合、頼りになるのはやはり防災行政無線かとも思います。先ほどのアンケートで、情報入手手段として防災行政無線と回答した方が21%という結果も出ております。今年の夏、市民から相談があり、今年は猛暑が続き、熱中症警戒の防災行政無線も多く流れましたが、もう少し具体的な内容を放送したほうが市民は意識が高まるのではないかということでした。防災情報のほかにも現在様々な情報が無線を通じて流れていますが、そもそも防災行政無線はどのような場合に放送するのか。また、今年の夏は熱中症警戒アラートが発表されたことを毎日のように伝えておりましたが、その際に、現在の気温や湿度、臨場感のある情報を内容にするなど、市民目線で必要な情報を必要なときに流すなど工夫した発信を心がけてはどうかと思いますが、この点について伺います。
○稲葉健二議長 本住危機管理監。
○本住 敏危機管理監 お答えします。
 防災行政無線の放送には、緊急放送と通常放送の2つがございます。緊急放送は、災害発生時や発生のおそれがある場合の避難指示などをはじめ、大規模事故や緊急事態発生時に行うものです。一方、通常放送は、光化学スモッグ注意報などをお知らせする普通放送のほか、時報に連動するチャイムや音楽、またJアラートなどの動作確認のための試験放送などとなります。防災行政無線で放送する内容は長過ぎると伝わりにくいため、分かりやすさを第1に、簡潔で明瞭になるよう作成しており、また、放送の内容が正しく伝わり適切な行動を促すことが放送の目的でもあることから、市民が必要とする情報は可能な限り取り入れたいと考えております。しかしながら、放送内容によっては担当部署が替わることから、発信する内容や表現については、それぞれ関係部署と協議し、的確な情報発信に努めてまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 西村議員。
○西村 敦議員 分かりました。そういった放送ですから簡潔明瞭だということが前提として、必要情報は可能な限り取り入れるということでしたので、ぜひ関係部署と協議して、一度検討していただきたいなというふうに思います。
 防災行政無線の、あと、聞き取りやすさの件なんですけれども、地域を回ると、まだ防災行政無線が聞き取りづらいんですという話も出ます。一方、音量がもううるさくて、すぐ横にあるので、何とかならないかという、いろんな様々な意見があります。また8年前、9年前ですか、防災行政無線の整備を1度行っていると思うんですが、その後はその話をあまり聞いておりません。防災行政無線にも老朽化といった課題があると感じていますが、また機器の性能もさらに高度化しているということも考えられます。今後の建て替えの計画や再整備についてどうなっているのか、再質問いたします。
○稲葉健二議長 本住危機管理監。
○本住 敏危機管理監 お答えします。
 本市は、平成26、27の両年で防災行政無線の再整備を行い、現在207か所の放送設備で運用しております。再整備の際にデジタル化に移行するとともに、132か所のパンザマストという支柱の延命化工事を実施いたしました。しかしながら、機器や支柱は常に風雨にさらされ、特に南部地区は潮風の影響もあり、延命化したものも含め、順次建て替えや機器の再整備などが必要となっております。今年度は緊急性の高い5か所の建て替えを予定しておりますが、今後は機器の老朽化を踏まえ、再整備計画の策定が必要と考えているところでございます。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 西村議員。
○西村 敦議員 分かりました。再整備検討中だということですので、特に災害時には防災行政無線は市民にとってやっぱり欠かせない情報入手の必要なツールかというふうに思いますので、ぜひ早期の再整備計画の策定をお願いしまして、この質問は終わります。
 最後の質問です。最後に交通行政ということで、ホームドアについての質問です。
 多くの人が利用する公共交通機関は、誰もが安心して使えることが求められます。今年6月のG7交通相会合では、バリアフリー化の推進が初めて主な議題の一つに取り上げられました。公明党は2000年の交通バリアフリー法や、2006年の新バリアフリー法、2018年の改正バリアフリー法の制定などを主導し、駅のホームドアや点字ブロックの設置なども推進してきました。私も、過去に2016年の9月定例会、2018年6月定例会でこの点について議会質問をさせていただきました。特に、鉄道各駅のホームドア設置は関心が高く、注目してきました。地下鉄東西線など乗りますと、もうすぐ工事が始まりそうだなという感覚を受ける駅も見受けられます。また、設置について行政の関わり方が実は変化してきているというふうにも聞いています。
 そこで質問ですが、市内鉄道各駅のホームドア設置の現状及び今後の予定と本市のホームドア設置に対する取組について伺います。
○稲葉健二議長 岩井道路交通部長。
○岩井忠良道路交通部長 お答えします。
 ホームドアは、鉄道駅のホームにおいて、視覚障がい者を含む全ての利用者にとって安全性の向上に資する施設であり、転落や接触事故、それに伴う列車遅延を減少させる効果を有するとともに、利用者の安心感の向上にも寄与するものでございます。市内にある16駅での設置状況としましては、平成30年度に都営新宿線本八幡駅で整備が完了しております。未整備となっている駅の整備予定については、JR線の市内5駅であります市川駅、本八幡駅、市川大野駅、市川塩浜駅、二俣新町駅について、JR東日本の発表によりますと、令和13年度末までの整備を目指しているとのことでございます。東京メトロの市内3駅、妙典駅、行徳駅、南行徳駅について、東京地下鉄では令和7年度末までの整備を目指しているとのことであります。また、京成本線の市内5駅のうち、鬼越駅、市川真間駅、国府台駅の3駅について、京成電鉄は令和17年度末までの整備を目指すことを本年9月15日に発表したところであります。一方、北総線については、今のところ整備時期が未定となっております。
 次に、本市の取組についてでございますが、本市では、平成15年に鉄道駅及び地下鉄の駅においてバリアフリー化の促進を図るため、市川市鉄道駅バリアフリー設備整備事業補助金交付要綱を制定し、ホームドアを含むバリアフリー設備を補助対象施設として整備の促進を図ってまいりました。補助金を活用したホームドアの実績については、都営新宿線本八幡駅での整備がございます。現在の状況でございますが、令和3年12月、国において、鉄道駅のバリアフリー化をこれまで以上に推進することを目的に、鉄道駅バリアフリー料金制度が創設されました。この制度は、鉄道駅のバリアフリー化によって受益する全ての利用者に薄く広くバリアフリー化に伴う費用を負担していただくもので、料金額については事業者がそれぞれ設定することとなります。なお、設定に当たっては、利用者に過度の負担感を与えないものとし、通学定期料金については免除することとされております。また、国においては、この制度を活用した整備を補助金の対象から除外することとしたことから、本市においても整備費用は、市民を含む駅の利用者が薄く負担するものと解釈し、令和4年7月5日に、補助金交付要綱を改正し、補助金の対象外にすることといたしました。
 JR東日本と東京地下鉄については、本年3月18日からこの制度を活用して、普通旅客運賃等に1回乗車当たり10円以内の範囲で料金が加算される改定がなされております。また、京成電鉄は来年春より改定することを発表したところであります。
 今後につきましては、補助金の対象であります北総鉄道よりホームドアの整備に関する相談等があった場合には、早期の整備促進を図るため積極的に協議してまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 西村議員。
○西村 敦議員 ありがとうございます。元々このホームドアについては、国と自治体と鉄道事業者で3分の1ずつ負担するという制度だったんですね。ところが、そのバリアフリー料金制度が創設されたことで、全額料金上乗せの分を鉄道業者がホームドア設置等の費用に使うということが許されたということで、ちょっと大きく変わりましたね、当時とね。市川駅とJRですけれども、本八幡駅はまだ設置されておりませんが、先に下総中山駅がついちゃったりして、これも不思議だなというふうな感じはしておりますけれども、そういったことでなかなか情報が入らなくなったということですが、東京メトロの東西線、市内は3駅ありますけれども、令和7年度末というふうに発表されているということですが、この具体的な妙典、行徳、南行徳、この3駅について、具体的な時期について市はどのように考えているのか伺います。
○稲葉健二議長 岩井道路交通部長。
○岩井忠良道路交通部長 お答えします。
 東京メトロ東西線は、東京都域の中野駅から船橋市域の西船橋駅を23駅で結んでおります。ホームドアが未整備の駅が11駅あり、千葉県内の未整備駅は、本市域の南行徳駅、行徳駅、妙典駅と、市外の浦安駅、原木中山駅、西船橋駅の6駅となっております。具体的な整備予定について、東京地下鉄では、令和7年度までの全線整備を予定していますが、未整備駅の情報については公開可能な情報がないとのことでございました。なお、東京地下鉄の報道発表によりますと、各駅の使用開始日等については、対象となる駅にポスターを掲出してお知らせするとのことでございます。
 そこで、市内3駅の現在の整備状況について、本市職員が目視調査をしたところでは、車両の定位置停止検知と、車両ドアとホームドアの開閉制御を行う車両情報伝送装置が設置されていることを確認しております。今後については、引き続き東京地下鉄に対し情報提供を求めてまいりますが、工事としては、電気通信設備の整備やホームの改良、ホームドア本体の整備工事の順で進んでいくものと思われます。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 西村議員。
○西村 敦議員 確認していってくれたということでありがとうございます。3駅とも、車両情報伝送装置は設置済みということで、工事が進んでいるんだなというふうには思います。今後の進捗については、私も注意して確認をしていきます。
 市内各駅に一日でも早くホームドアが設置され、安全が確保されることにより鉄道事故がなくなるということを念願し、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。


○稲葉健二議長 この際、暫時休憩いたします。
午前11時53分休憩


一般質問 石原よしのり議員

午後1時開議
○つちや正順副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第1一般質問を継続いたします。
 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 会派市民の力の石原よしのりです。早速、通告に従い、一問一答で伺ってまいります。
 まず、県道1号、通称松戸街道の交通量についてです。
 この道路は、国道14号の市川広小路交差点から、北に向かって京成国府台駅、和洋女子大前、国府台病院前、矢切駅前を通って松戸に向かう幹線道路です。以前は、地元の住民だけではなく、北関東と千葉方面を結ぶ主要道路として大変多くの車が通っていました。平成30年6月、今から5年前に、外環道路の高速道路と国道298号が開通したことから大型トラックなどの交通量が大幅に減少して、交通渋滞の緩和と交通事故リスクが減ったのは幸いでした。ところが、地元住民の皆様から、最近大型トラックの通行が増え、振動、騒音がひどく、そしてびゅんびゅん飛ばしてくるトラックに怖い思いをしているという声を多く聞くようになりました。私も、この松戸街道沿いに住んでいますので、同じように感じています。
 そこで質問します。外環道路開通後、現在までの松戸街道の交通量の状況について、市の認識を伺います。
○つちや正順副議長 岩井道路交通部長。
○岩井忠良道路交通部長 お答えします。
 県道市川松戸線、通称松戸街道は、国道14号と交差する市川広小路交差点を起点とし国道6号と交差する、松戸二中前交差点を終点とする延長約4.6kmの千葉県が管理する道路でございます。この松戸街道の交通規制状況として所轄警察に確認したところ、外環道路開通前は、通学時間帯となる午前7時から9時までの間で大型車通行禁止の規制がかかっておりました。その後、平成30年6月の外環道路の開通に伴い、この道路を含めた一般道路における交通量の減少が見込まれたことから、同年11月に大型車通行禁止の規制は解除し現在に至っているとのことでございます。実際の交通量につきましては、令和5年6月末に国が公表した東京外かく環状道路(千葉区間)開通5年後の整備効果によりますと、外環道路に並行する当該道路や、市川柏線、通称八幡中央通り、松戸原木線、通称市川松戸道路の3路線を合計した交通量は、開通4年後の昨年9月の時点で約2割減少しているとの結果が出ております。松戸街道だけで比較しますと、市川広小路交差点での交通量は、外環道路開通前の平均は1日2万6,300台でありましたが、開通約1年後までの複数回による調査の平均値では1日1万7,800台と、約32%減少しております。しかしながら、直近の昨年9月の調査では1日1万9,300台と、開通約1年後までの結果よりは微増しており、開通前との比較では約27%の減少という結果となっております。なお、直近の調査では、1回の調査結果でありますことから、詳細な検証には複数回の調査が必要であると認識しております。
 以上でございます。
○つちや正順副議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 松戸街道の交通量は、外環道開通直後、通過交通がこぞって新しく開通した高速道路や片側2車線の国道298号を通るようになったために、1日2万6,300台から1万7,800台へと大きく減少したとのことです。ところが、開通後4年ほどで1万9,300台と、再び増加に転じているとの調査結果が出ているわけです。1,500台、約8%の増加です。地元住民は、大型車の交通量が特に増加していると感じています。発表された結果のうち、大型車の交通量の推移はどのようになっているのかお尋ねします。
○つちや正順副議長 岩井道路交通部長。
○岩井忠良道路交通部長 お答えします。
 公表された交通量調査結果のうち、大型車の交通量について国へ確認したところ、車両区分別に計数はしているが公表はしていないとのことでございました。国としては、直近の調査結果では開通約1年後より微増していることは確認しておりますが、基本的に開通後は全体の交通量も、大型車の交通量も減少しているとの認識でございました。
 以上でございます。
○つちや正順副議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 国の認識が、外環道路開通で一旦減った交通量が再び増加していることは分かっているんですが、開通前に比べて大きく減っているんだからいいじゃないかというような認識なんだと思います。松戸街道を走っている車の内訳としては、沿線住民や沿線に用のある業務用のいわゆる地元関係の車と、通過交通とに分けられます。外環道路開通直後、通過交通はこぞって新しい道路に回ったと考えると、開通直後の交通量はほとんど地元関係の車だったと推測されます。この地元関係の車の交通量は、最近四、五年で大きく変わるわけがないので、この増えたのは通過交通だと思われます。ということは、ほとんどなくなっていた通過交通が1,500台増加したと考えるのが妥当です。私が観察していても、最近は栃木、群馬、埼玉北部、あるいは千葉県南部などのナンバーをつけた大型トラック、トレーラー、ダンプなどが走っています。交通量を調査した国に交通量の内訳を問い合わせても、教えてくれないから分からないというのはどういうことでしょう。実態を客観的なデータで把握できないのでは対応のしようもありませんし、また、県に要請や対応を迫ることもできないではありませんか。それなら、いっそ市川市で独自に交通量調査をするつもりがあるのでしょうか、お尋ねします。
○つちや正順副議長 岩井道路交通部長。
○岩井忠良道路交通部長 お答えします。
 本市としましても、現状の把握は必要であると考えていることから、調査方法や、その結果による対策等について、道路管理者である千葉県と協議しながら検証してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○つちや正順副議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 県と協議しながら交通量調査についても検討するとの御答弁でした。大型車の通行が特に増加し、騒音振動に悩まされている、また事故の危険を感じるという地域住民の声が高まる中、それでは本市として環境対策や交通安全対策をどのように進めていくのか、本市の考えを伺います。
○つちや正順副議長 岩井道路交通部長。
○岩井忠良道路交通部長 お答えします。
 騒音や振動等の環境数値につきましては、国へ確認しましたが、外環道路の事業区域以外の箇所については調査を行っていないとのことでございました。当該道路を管理する千葉県においても調査を行っていないとのことでございました。また、交通量や騒音、振動等に関する沿線住民等からの対策要望や問合せの状況についても、国、県ともに現在のところ把握していないとのことでございました。
 本市においても、御指摘の大型車等の交通量については把握しておりませんが、騒音、振動等につきましては調査を行っており、市川市環境白書に結果を示しております。これによりますと、県道市川松戸線の数箇所における調査結果では、外環開通前と開通後の年度を比較すると、ほぼ同じ数値となっております。なお、この数値については直接交通量の増減を示すものではないと考えております。
 当該道路については、地域住民から交通量の増加による住環境への影響等、懸念の声があることから、本市としましても交通量等の数値を把握することは必要と考えており、交通量データの提供について国へ働きかけてまいります。また、今後の協議の中で数値を把握できれば、その交通状況に応じた交通規制や、騒音、振動を抑えるための対策を図ってもらうよう、道路管理者である千葉県に要望していきたいと考えております。
 以上でございます。
○つちや正順副議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 先ほどちょっと騒音、振動の調査で、開通前から大きく交通量が減っているのに振動、騒音のレベルが変わってないというのも不思議なデータだと私は思っているので、しっかりここは今後検討が必要だと思います。
 私の質問の冒頭で、松戸街道は、外環道路開通前には朝の学童の通学時間帯は大型車通行禁止の規制がされていたが、外環道路開通後、交通量の減少が見込まれたために、半年後の平成30年11月に規制が解除されたとの答弁がありました。しかし、この通行禁止解除について、市川市は県から正式な連絡も相談も受けていません。もちろん、市民や沿線住民も全く知らされていませんでした。私も、あるいは道路交通部の担当者も、今回の質問で、その準備のために県警に問い合わせるまでその事実すら知りませんでした。国が外環道路を造り、県が県道である松戸街道を管理しているとはいえ、この道路があるのは市川市であり、沿線で影響を受けるのは市川市民です。県の姿勢に大きな疑問を感じます。どうして市民の安全対策あるいは環境問題について、本市が国や県に物が言えないのか、どこか間違っているのではないでしょうか。
 先ほど部長が実態把握や対策のために、市独自の交通量調査でもしなければならないのじゃないかという御答弁がありましたが、考えてみてください。既に国が5年前と昨年に交通量調査をやっていて、データも持っているんです。国が詳細を市民に公表しないのは勝手ですが、市が交通安全対策や環境対策に必要だと言っているのに、行政同士の間でそのデータの共有ができないというのは、とてもおかしなことではありませんか。もし、本当に市が別途独自に交通量調査をするとすれば、100万円単位の金がまた二重にかかるんです。税金の無駄遣い以外の何物でもありません。元国の官僚でもあり地方自治体での経験もある本間副市長、どうしてこのようなおかしなことが起こっていて、どうして国が持つデータを地方自治体が共有、活用できないのか。また、どうすれば共有、活用ができるようになるのか、御見解があればお尋ねしたいと思います。
○つちや正順副議長 本間副市長。
○本間和義副市長 お答えをいたします。
 この統計に限らず、国または行政機関については、様々な行政目的の達成のため、行政効果を検証するというものはありましょうし、また、これから行う行政のための様々な検討の材料にしたいというような形でいろいろと調査をいたしております。その結果をどのように公表していく、発表していくということについても、それはそれぞれの統計の性格によって異なってくるんだろうというふうに思います。今回、議員御指摘いただきました交通量の調査につきましても、国のほうはこの外環道の整備効果の検証ということで調査をしたということでございますので、その結果を公表という形で、一定の事実を集計して行っているということで、それ以外の部分のデータについての公表については慎重になっているんだろうということは拝察できます。
 ただ、この公表していくというもののレベルとは別に、同じような行政機関同士が似た行政目的の達成のためにそのデータを使うことが有用であるというような場合においては、必要に応じましてそのデータを共有することによって、それぞれの行政目的のために連携しながら対応していくことでいい効果が生じるということであれば、これもまた公表というレベルとはまた別に交渉していくということがあり得るんだろうというふうに私は思います。そういった観点も踏まえまして、しっかりと市としても国にどういう目的で、どういう形でこのデータを使いたいのかというようなことをしっかりとお話をさせていただいた上で、あとはいろいろな国の考え方もあるでしょうから、しっかりと国とどういう協力ができるかどうかということを相談していくということだと思っております。
○つちや正順副議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 本間副市長、ありがとうございます。まさにそういうところだと私も思います。今、幸い市長も国会議員の経験もあり、そして副市長も今のような御経験がある。今まで我々市川市当局がなかなか国や県に言えなかったこと、共にできなかったこと、ぜひこれから進めていけるように、そして先ほど言った大型車の通行規制、こんなことについてもきちんと市川市が関与していけるように、ぜひ進めていっていただきたいと思います。ありがとうございます。ぜひお進めください。ありがとうございます。
 さて、2つ目の項目に移ります。宗教2世問題です。この質問は、今年2月定例会で私が取り上げ、本市の認識や実態、そして今後の対応について御答弁をいただいたテーマです。残念ながら、当日は市長が御欠席されていたことから、議長の場でお聞きいただけなかったこと、議会の改選で議員の顔ぶれが変わったこと、そして今般新たに本間副市長が就任されたことでもあり、再度取り上げさせていただきました。
 昨年7月に安倍元総理が銃撃され、死亡した事件の被告が旧統一教会の宗教2世でした。この事件をきっかけに、今までほとんど表に出てこなかった宗教2世の問題がマスコミでも盛んに取り上げられ、また、苦しんでいた宗教2世が次々と声を上げ始めたことから、深刻な人権問題、社会問題であると認識されるようになりました。個人がどんな宗教を信じ、活動することも自由です。しかし、宗教2世の子どもたちは、本人の意思とは関係なく、生まれたときから、あるいは幼いときからその宗教の教義に基づくしつけ、教育、また生活様式のもとで育ちます。教団の教えや親の考え方にもよりますが、お祈りや勤行などの日課や、宗教行事への参加の強制、交友関係や行動の自由の制限、進学や就職の制限や強制、何々すれば地獄に落ちるといった精神的な圧迫、体罰などの身体的虐待などに悩んだり苦しんだりする子どもも少なくないそうです。学校に行くようになると、周りの子どもたちから奇異の目で見られ、いじめや差別の対象になることもあるかもしれません。成長してからも、その宗教に違和感を感じて悩む、宗教を抜け出したいのにどうしていいか分からない、やっと宗教から離れても、親や親しい人たちとの関係が断絶して苦しむ、生い立ちや身についた価値観から社会との関係づくりができない、異性関係に恐怖を感じたり、一般の人が楽しむ娯楽に罪悪感を感じたりして生きづらい、何かの拍子でフラッシュバックが起こりパニックになる、ひきこもりになる、自殺を考えるなどといった悩みや苦しみを持つ人たちが多くいることが分かってきました。そして、2世が置かれている状況の理不尽さと、2世の悩みや苦しみを誰にも分かってもらえないということで、また苦しんでいるのです。こういった問題が宗教2世問題です。
 宗教2世の悩みに対して、これまで行政の相談窓口や学校ではきちんと対応できていませんでした。悩みを相談されても、宗教については家庭の問題なので家族で相談してくださいなどと対応してもらえなかったり、学校の先生も見て見ぬふりをしたりといったことも珍しくなく、よしんば対応しようとしても、宗教2世問題のことをよく分かっていないためにどう対応していいのか分からない、あるいは、あえて対応しても間違った対応でより状況を悪くしてしまったなどというのが実態でした。私が今年の2月定例会で宗教2世問題を取り上げ、本市の認識と対応状況を伺い、今後は苦しんでいる宗教2世に積極的に支援の手を差し伸べていくように、そして宗教2世問題の理解のために、関係職員の研修などを実施していただきたいと要望しました。その後、どのような検討や対応がなされたのか伺います。
○つちや正順副議長 蛸島総務部長。
○蛸島和紀総務部長 お答えいたします。
 さきの令和5年2月定例会で答弁いたしましたとおり、現在、本市におきまして宗教2世問題に特化した相談窓口は設けておりません。しかしながら、仮に宗教2世問題に関わる相談があった場合には、その相談内容に応じまして、所管となる課、または複数の課が連携を図りながら対応することとしております。
 そこで、御質問の2月定例会以降の進捗状況についてでありますが、学校教育部では、学校において宗教の信仰等を背景とする児童虐待へ対応できるよう、こども家庭庁が作成しましたQ&Aや、そのQ&Aの解説動画があることにつきまして各学校に周知を行うとともに、法務省が作成しました霊感商法等対応ダイヤルを紹介するチラシの配布を行っております。また、宗教2世の問題を受けて事業を開始したものではありませんが、福祉部において、高齢、障がい、子どもなどの属性を問わない福祉に関する相談を受け止める市川市よりそい支援事業を本年7月より開始いたしました。この市川市よりそい支援事業では、宗教2世を起因とするか否かにかかわらず、虐待や生活困窮など制度のはざまや、複雑化、複合化した相談を受け止め、断ることなく関係機関と連携を図りながら対応しているところであります。
 以上であります。
○つちや正順副議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 今年7月に福祉よりそい相談窓口が設置され、宗教2世問題を含め、複雑化し、また複合化した課題に対応する体制を整えたとのことでした。また、教育委員会は、各学校に宗教を背景とする虐待に対応できるように、国の作成したQ&A集の配布や解説動画の紹介を行ったとのことでした。それはそれでいろいろと御対応いただいたようで、第一歩としては朗報だと思います。
 それでは再質問ですが、学校への通知、周知を行った後、学校現場では具体的にどのような対応が行われたのか伺いたいと思います。
○つちや正順副議長 藤井学校教育部長。
○藤井義康学校教育部長 お答えいたします。
 先ほどから言われています2月に通知されたQ&Aにつきましては、市内市立学校55校中44校が既に校内で周知しており、その周知方法といたしましては、校内研修が2校、会議の中が8校、職員打合せで22校、管理職、担当職員での共有が7校、回覧等その他の方法が5校でした。残りの11校につきましても、年内までには周知する予定であるとのことでした。5月に公表、通知された同解説動画につきましては55校中33校が視聴しており、視聴方法としましては、会議の中が1校、職員打合せの中でが2校、管理職、担当職員で視聴したが15校、学年で視聴が1校、職員ごとに視聴した学校が14校でした。残りの22校につきましても、9月までに5校、12月までに12校、3月までに5校が視聴する予定でございます。
 教育委員会といたしましては、今後も職員が適切な対応について理解するよう周知に努めてまいります。
 以上でございます。
○つちや正順副議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 はい、分かりました。進捗はあるようですね。私もそのQ&A集、あるいはその紹介ビデオを全部見させていただきました。もちろん役立つ部分がございます。また、いろいろと新たな資料もいろんなところから出ています。ぜひ周知、あるいは今後いろんな対応をしていっていただきたい。そして、必要に応じていろいろな講習や研修を受けていただきたいと思います。
 私は、この春に「宗教2世問題と地域社会」というテーマで講演会を主催しました。講師には、御本人も宗教2世で苦しんだ経験を持ち、以前から宗教2世問題を取り上げた作品を連載し、テレビなどに出演されている漫画家の菊池真理子さんをお呼びしました。多くの市民に参加していただきました。2月定例会で私が宗教2世問題を取り上げたときの担当だった当時の学校教育部次長や、多様性社会推進課長も参加してくれました。参加者からは、今まで知らなかった、大変な問題だとよく分かった、理解が深まった、こういう機会がなければ分からない、何とかしなければいけないなどといったお声をお聞きしました。メディアで紹介されるようになり何となく分かったような気になっていても、実際にこういった講演を聞くと理解が全く違います。行政として、人権問題、社会問題であるこの宗教2世問題に真剣に対処していくことが重要で、そのためには、こういった講演会、講習会で宗教2世問題の実態を知り、正しい理解と認識を持つことがまずは重要だと思います。市の幹部や担当部署の職員に向けて講習会を行うことが必要で、あるいは望ましいと考えますが、本市の考えを伺います。
○つちや正順副議長 蛸島総務部長。
○蛸島和紀総務部長 現状におきましては、相談の背景に宗教2世問題があると思われる相談実績といたしまして、福祉部において数年前に1件の相談がございましたが、多くの窓口を持つ市民部、こども部などにおいては、把握している限りでは相談はございませんでした。そのため、本市では宗教2世問題に関する所管部署を設置せず、各所管部署が相談内容に応じて適切に対応しているのが現状であります。
 今後は、御質問にありましたとおり、宗教2世問題につきまして知見を広める必要性は十分あるかとは思います。ですが、まず、それぞれの相談窓口において実態や相談ニーズの把握に努め、幹部職員、統括する管理職をはじめ職員個々への研修の必要性や実施方法などにつきましても研究してまいりたいと思います。
 以上であります。
○つちや正順副議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 総務部長の答弁、私にはちょっと消極的に聞こえます。これまで宗教絡みの相談は1件しかなかったと言いますが、当たり前でしょう。苦しみ、葛藤している宗教2世は市内に何千人もいるんではないかと推測しますが、相談しても分かってもらえないと思っているところに相談なんて来ません。宗教2世の正しい理解を市の職員が共有することから始めていただきたいと思います。
 宗教2世の問題に取り組む支援団体やNPOが、続々と情報発信や悩みを受け止める相談窓口や自助グループの運営など体制を整えてきています。そういった専門ノウハウを持った機関とも連携していくのも有効です。宗教社会学者の上越教育大学の塚田穂高教授は、社会全体でこの問題への理解が必要だと指摘しています。傷つき、葛藤の中にいる宗教2世をどう社会が守っていけるのかが問われているんです。DV、ドメスティックバイオレンスやいじめ、LGBTQなども、従来独立して取り扱われてこなかった悩みや苦しみが、近年、社会の理解が進んで有効な対策が取られるようになってきました。午前中に公明党の西村議員が取り上げたヤングケアラー問題も、やっと目が向けられ始めた同様の問題です。まだ本市の窓口に相談件数がないと答えていましたが――ヤングケアラーの場合ですね、これも宗教2世問題と同じです。悩んでいる当事者が自ら言ってこないんです。社会が、行政が問題についての理解を深めて、そして周囲が気がついて手を差し伸べていく必要があるんです。また、西村議員も御指摘になっていましたが、本気でやろうという姿勢がないと救われません。全く同感です。残念ながら、本市の職員への講習会開催については、なかなかすぐにというわけにはいきそうにありませんでした。もし市長以下、市の幹部がそろって宗教2世問題の理解のために専門の講師をお呼びして講習を受けたとなれば、マスコミも取り上げ、本市の先進性が話題になって、本市の評価のアップにもつながると考えます。最後に、市長の一言をいただければと思います。
○つちや正順副議長 本間副市長。
○本間和義副市長 お答えいたします。
 議員の御質問の中にもありましたように、この宗教2世の問題につきましては、様々な形で最近になって取り上げられるということで、いろいろな対応が必要になってきているという問題であろうということは認識をしております。国におきましても、この問題については宗教担当の文化庁、文部科学省だけではなくて、様々な課題を抱えているということから、虐待とかDVという問題であれば、厚生労働省やこども家庭庁、そして人権の関係であれば法務省、そしてほかにも様々な消費者庁、警察庁、総務省その他様々な省庁が関係してくるということで、政府一体となってこの問題に対してそれぞれの所管の省庁において全力を尽くすようにということで、国としても一体的に推進をしているというところでございます。
 そういう中で、当市におきましても、先ほど総務部長からも答弁ありましたように、それぞれの窓口において相談に来られた方に対しての親身な、適切な対応をさせていただくということを心がけているという中で、また、一番大事なのはどんな窓口に行かれても、そこでほうっておかれない、きちんと必要な対応をしていただける、また、必要に応じて最も適した部署にきちんと連携を取っていくというようなことが大事なんだろうというふうに思います。
 宗教2世という原因は1つであっても、それぞれの皆さんが抱えている状況は様々だと思いますので、それぞれに対して適切な対応をしていくということを重点的に考えまして、関係部署でしっかりと対応していくというようなことを市として徹底してまいりたいというふうに考えております。
○つちや正順副議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 ありがとうございます。個々の部門の、要するに最終的に現れた生活貧困だったり、あるいはDVだったりというところの対話はもちろんやっているんですよ。ところが、根っこというのがあって、それを持っていろんなところに引きずって、一生心に傷を負う問題ということをしっかり分かっていないと対応がちゃんとできない。だから、相談にも来ないということになっているということを十分御理解ください。
 この件にかかわらず、今本間副市長は国の対応に従ってというようなことなんだけれども、我々地方自治体というのは、国が重い腰を上げられないことを先進的な施策や取組をやることによって、国や広域が動くということがあるわけです。例えば、我々がやった給食費の全面無償化、これはやっぱり地方自治体の中から出てきたことです。それから、大規模自治体としては我々市川市が初めてやった。今これがどんどん、葛飾区でもどこへでも広がり始めたわけです。間もなく国は対応します。ということは、地方自治体の役割、そして地方自治体ができることというのもあるんですから、我々はぜひ先進性を表していただきたい。最後にこれだけ申し上げて、次のテーマに移ります。ありがとうございます。
 さて、次は農地についての問題です。
 農地は、農作物の生産の場所であると同時に、生物多様性保全、地球温暖化対策、豊かな生活環境や景観の提供、水害防止などの多面的な効用を持っていること、あるいは提供していることが広く知られるようになってきました。ところが、都市化が進む本市では、宅地開発などで農地がどんどんなくなっていると感じます。農業従事者の減少と高齢化も問題になっています。
 そこで、本市の農地面積と遊休農地の現状と、近年の推移を伺います。また、本市のような都市農業にはどのような課題があるのか伺います。
○つちや正順副議長 根本経済観光部長。
○根本泰雄経済観光部長 お答えします。
 5年に1度、国が発表している農業センサスによりますと、市内の経営耕地面積は、果樹園、畑、田の合計が平成27年度352haに対し、令和2年度は304haと減少傾向となっております。遊休農地につきましては、農業委員会の調査によりますと、平成28年度12.2haに対し、令和2年度では14.3haと増加傾向となっております。
 次に、本市の都市農業課題については、1つ目として、農業従事者の高齢化が進み後継者が不足してきていることから担い手の確保、2つ目として、生産緑地法の改正により、都市農地がいずれ宅地化するべきものから都市にあるべきものへ大きく方向転換されたことや、防災、環境、学習の場などの多様な機能が発揮できるようにするため農地の保全、3つ目として、都市農業の特異性である農地と住宅地が隣接している現状から都市農業に対する地域住民の理解の醸成が考えられます。そこで、令和5年3月に第2次市川都市農業振興プランを策定し、本市の特徴を生かした都市農業の持続的な成長を目指して様々な施策を推進しております。
 以上でございます。
○つちや正順副議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 生産緑地法などの法令の改正、計画の考え方がだんだん変わってきたということで、農地の重要性は高まっているんですね。ところが、農地は平成27年度から令和2年度までの5年間で48ha、14%も減少しています。今は令和5年ですから、その後3年間このペースなら30haぐらいはさらに減少しているんではないでしょうか。深刻な状況ですよね。様々な理由で農業を続けられなくなったときに、農家が先祖代々の田畑を、今後も農地として維持できればと思いながらそのままになっている場合が遊休農地です。この遊休農地の活用について、本市の考え方と、活用に向けてどのような取組をしてきたのか伺います。
○つちや正順副議長 根本経済観光部長。
○根本泰雄経済観光部長 農業従事者の高齢化や後継者不足などが原因で増加傾向にある遊休農地の活用につきましては、体験農園や市民農園、農地の貸借を推進することで、農地の利用促進や遊休農地対策に有効であると考えております。そこで、遊休農地の有効活用に向けて、地権者が自ら開設する民設市民農園の開設相談や提案などの実施をはじめ、様々な理由で農地を貸したい地権者と、農地を借りたい個人や法人をマッチングさせ、関係法令に基づき利用権設定を実施しております。
 以上でございます。
○つちや正順副議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 体験農園や市民農園として活用するとともに、農地を借りたい個人や法人とのマッチングを行ってきたとの答弁でした。農業への新規参入希望者は多いと聞いています。マッチングを通じて実際に新規参入に至ったケースはどのくらいあるんでしょうか。そして、新規就農への課題についても伺います。
○つちや正順副議長 根本経済観光部長。
○根本泰雄経済観光部長 様々な取組の中、近年、本市で実際に新規就農に至った方は、令和元年度2名、令和3年度2名、令和4年度1名と推移をしており、現在も市内において営農を継続しておられます。新規就農の課題として、実際に就農する際、農業分野での多くの専門的な知識や技能を事前に習得した上で、農業経営の安定化に向けた実現可能な就農計画を策定する必要があります。また、参入地域の特色や栽培品目に対する知識や技能の習得に時間がかかること、計画実現に向けた作付量や、農業所得の向上を図るための農地の確保、さらにはビニールハウスなどの栽培施設や耕運機などの農業用機材を準備するための農業資金など、多くの課題が考えられます。新規就農者の確保については、遊休農地の増加や農業従事者の減少を食い止める方策として有効であるため、引き続き対策を進めてまいります。
 以上でございます。
○つちや正順副議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 ありがとうございます。過去5年で5名の新規就農があったとのことでした。その方々にも、今後ともいろんな課題を乗り越えてぜひ頑張っていっていただきたいと思います。市の支援もよろしくお願いします。
 最近、法令の改正により、法人や株式会社も農業への新規参入が可能となりましたが、まだ本市では法人の参入事例はないようです。法人の農業への新規参入に対する本市の考え方及び課題についての認識を伺います。
○つちや正順副議長 根本経済観光部長。
○根本泰雄経済観光部長 法令等が改正され、法人においても農業へ参入することが可能となりました。このため、法人が就農計画に基づいた一定の広さの農地を確保することが最も大きな課題と考えております。市では、近年増加傾向にある遊休農地を減少させる方法の一つとして、法人への農地の貸借は有効であると考えております。
 以上でございます。
○つちや正順副議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 大変有効な策だと考えているということでした。私も全くそう思っています。ある程度の規模で経営を引き継いでくれるということだと思います。特に、会社などの法人が真剣に本市で農業を営み、さらに、企業ならではの事業を展開してくれるとなると、農地の維持継続だけではなく、市内経済的にも大変なメリットがあります。付加価値の高い農産物の生産、積極的な販路開拓、関連事業への展開などは、市川市という都市農業地だからこその特徴を生かせるメリットでしょう。
 そこで、こういった法人、会社の農地確保、農業参入を本市としてどう支援していけるのか、どんな協力をする考えがあるのかを伺います。
○つちや正順副議長 根本経済観光部長。
○根本泰雄経済観光部長 令和5年度からは、各市町村の遊休農地の情報を千葉県農地中間管理機構が集約し、貸手と借手の個別マッチングを行う取組が開始され、県内や近隣市町村などの多くの情報を集約することが期待できます。そのため、参入する法人の就農計画に見合った農地についても、現在より確保しやすくなるものと考えております。本市においても、そのような情報提供や貸借手続などを関係機関と協力しながら支援をしてまいります。今後も、遊休農地の有効活用に向け、より一層の周知などを図りながら、関係機関と協力し、個人、法人を問わず農地を確保することができるよう進めてまいります。
 以上でございます。
○つちや正順副議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 1つには、千葉県農地中間管理機構などというのができて、情報集約があって、これを活用するとさらにマッチングがうまくいくんじゃないかということだと思います。ぜひそういうのも含めてやってください。これまでも市独自で情報を集約してやってきたんだと思いますから、積極的にやっていただくことが重要だと思います。
 また、法人というか株式会社だったりすると、貸手のほうも、やっぱり今まで隣でやっている農家の息子が規模を広げたいから貸してくれというのと、外から入ってくる会社に貸すのとでは、また意味も違うわけですよね。ここは特に心理的に問題があるのだったら、やっぱりそこを解いてあげるのは、僕は市役所の役目だと思います。そういったところも含めて、しっかりと御対応いただければと思います。
 本市の農地の減少は、昨今驚くばかりのペースで進んでいます。また、本市では法人や株式会社の参入の実績はありませんが、引き合いや事業相談を受けているとも伺っています。なかなか適地のマッチングが難しいことは分かりますが、これは1つの突破口であり、成功の前例ができれば新しい流れが生まれて、本市の農地減少の食い止めに光明となるのじゃないでしょうかね。ぜひ経済観光部として知恵を絞って、手を尽くして、成功事例をつくっていただきますよう強く要望します。
 次の項目に移ります。4個目は、ヘリサインについてです。
 このヘリサインについては、平成27年と平成30年に議会で質問させていただきました。ヘリサインとは、大地震や津波、水害などの大災害のときに、救援の要請に応じて全国各地から飛来した自衛隊、消防、警察などのヘリコプターが救援活動を行う際に、地上の目印になるように、目ぼしい建物の屋上や屋根などに、見やすく大きく書かれた建物名の表示のことを言います。GPSなどの機器が発達しているにしても、倒壊で大きく姿を変え、炎や煙が立ち上る被災地で、遠方から来た地理不案内なパイロットがスムーズに航行し活動するために非常に役立つものです。東日本大震災の際にその効果が高く評価され、その後、全国で整備が進んだ防災対策の一つです。
 本市において、私が平成27年に議会で取り上げ整備を求めたのに対し、早速市内7校の小学校屋上に導入していただきました。しかし、その後はなぜか設置が進んでいないと認識しています。ヘリサイン整備の経緯と、本市の考え方について伺います。
○つちや正順副議長 本住危機管理監。
○本住 敏危機管理監 お答えします。
 本市では、平成27年9月定例会での御質問者からの御提案を踏まえ、その有効性を認識した上で、平成28年度にヘリサインの整備を行いました。具体的には、災害時に実際にヘリコプターを使って活動する陸上自衛隊などにヒアリング調査を行い、大野小学校や国分小学校など7つの小学校を選定し、ヘリサインを設置したところです。一方で、本市の場合、河川、鉄道駅、高速道路など、目標物が多いという地域特性があることから、当該7校の整備をもって目印としてのヘリサインは充足しているものとの認識から、前回の御質問以降、状況に大きな変化がないこともあり、新たな設置はしておりません。
 以上でございます。
○つちや正順副議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 ありがとうございます。本市は地理的に分かりやすく、目印になる川や鉄道や高速道路などがあるから、ヘリサインの設置箇所が少なくても事が足りるという見解を示されたのだと思います。それでも、今後についてですが、公共施設にさらにヘリサインを整備していく考えについては、どのように考えているのかお伺いしたいと思います。
○つちや正順副議長 本住危機管理監。
○本住 敏危機管理監 お答えします。
 今後の整備方針につきましては、目印としてのヘリサインは充足しているものの、本市がどのような被災をするか予測が困難な面もございます。そこで、整備促進を掲げる9都県市の動向や、近隣市の整備状況、学校を含む公共施設の改修計画などを勘案しながら、追加整備の必要について検討してまいります。本年5月時点の近隣市におけるヘリサイン設置状況としては、船橋市の32施設に対し、松戸市は2施設にとどまるなど、自治体によっても設置数は大きく異なっております。また、平成30年度以降の新規設置は、船橋市の2施設と浦安市の1施設のみとなっており、近隣市も一定程度整備が進んだことで、施設の新設や大規模修繕などの限られた機会を捉えて整備が行われている状況です。今後も、公共施設につきましては、災害対策に限らず、あらゆる角度からの活用を検討する必要があると考えておりますので、ヘリサインについても建て替えや改修と併せ、整備効果の観点から検討してまいります。
 以上でございます。
○つちや正順副議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 まず、千葉県内近隣他市についても何個かずつというようなことで、ゆっくり進んでいるということで答弁されたんだと思います。ところが、都内のほうに目を向けましょう。江戸川を挟んで東京都内です。都内では、近年積極的にヘリサインの整備が進められているようです。元々足立区は、東日本大震災後、区長が選挙公約にヘリサインの整備を掲げ、いち早く整備を進めました。それを見て、私が8年前にヘリサインの整備を提言したわけです。現在、足立区は153か所に整備していると聞いています。では、本市と隣接する江戸川区や葛飾区など近隣の整備状況はどのようになっているのでしょうか。
 また、もう一つ伺いますが、実際にヘリサインを整備するに当たっての1か所当たりの整備費用はどの程度なのか伺います。
○つちや正順副議長 本住危機管理監。
○本住 敏危機管理監 お答えします。
 東京都では、木造住宅密集地域における延焼火災や道路閉塞などへの対応が課題となる中、広域的な応急対応力の強化を図るため、ヘリサインの整備を地域防災計画に位置づけ、都を中心に区市町村と一体となって積極的に整備を進めていると伺っております。都内では、全ての都立学校のほか、都営住宅やその他公立小中学校、消防署、警察署、病院、河川敷、高速道路など、様々な施設に設置されております。隣接する江戸川区と葛飾区の整備状況ですが、江戸川区では130施設、葛飾区では84施設にヘリサインが設置されております。
 また、整備費用につきましては、文字数や下地処理の有無、施工する施設数などによって費用は異なりますが、前回と同様の条件であれば、1か所当たりおおむね約50万円程度と見込んでおります。
 以上でございます。
○つちや正順副議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 先ほど、そうですね。建て替えや改修と併せて検討していくとも言っていましたが、平成30年度以降に建った新しい建物、市役所第1庁舎、塩浜学園、大規模改修をした文化会館にもヘリサインは整備されませんでした。また、目印になるとは言いますが、先ほど言ったように、そのたった7か所の小学校の建物が、震災で焼失したり倒壊したらどうなるんでしょうね。防災というのは、まさかのときのために、できることは、たとえ何重になろうとも、念には念を入れて準備しておこうよというものだと思います。避難所となる体育館の冷暖房設備設置は数千万円、道路の無電柱化には億単位というお金がかかる防災対策です。それに比べて1か所50万円という安価で救援を受けやすくすることができる対策があるんです。近隣の葛飾区、江戸川区、足立区が100か所前後整備していることの意味を再び考えてみてください。何もすぐ100か所整備しろと申し上げているわけではありません。ヘリで何かを運んでもらう可能性が高い場所だとか、ここに表示があると市内の位置関係がもう少し分かりやすくなる箇所とか、効果を考えて、少しずつでも整備していってほしいと思います。
 関東大震災からちょうど100年、防災を改めて考え直すときです。よろしく御検討ください。
 それでは、私の一般質問は以上です。ありがとうございました。


一般質問 野口じゅん議員

○つちや正順副議長 野口じゅん議員。
○野口じゅん議員 会派チームいちかわの野口じゅんでございます。通告に従いまして、初回から一問一答で質問いたします。
 まず、大項目1つ目、市道の施策についてです。
 (1)道路の愛称名についての本市の考え方について。日本における住所の表示方法が、ほかの多くの国と違っていることはよく知られたところです。日本では、面としての街区に名前と番号を振っていく方式になっているのに対して、多くの国では線としての道路に名前をつけ、その道に沿って並ぶ建物に番号を振っていく方式が取られています。日本では、自分は真間何丁目に住んでいると説明するのに対し、例えば外国では、自分はシャンゼリゼ通り何番に住んでいると説明することになります。そのような文化的な背景もあり、日本には市道0233号といった管理のための番号は与えられていても、愛称名などの名前がついていない道路が多くあります。とはいっても、日本においても古くから何々街道など道に名前がつけられていることはあり、市川市内でも大門通り、行徳駅前通り、産業道路など、道路に名前がついているものは幾つかあります。名前がついている道にはその地域のストーリー、つまり歴史が刻まれていて、その名前を聞くだけで様々な情景が浮かんでくるものです。文学においては、有名なものとして「東海道中膝栗毛」がありますが、音楽の分野でも「雨の御堂筋」や「甲州街道はもう秋なのさ」など、数々の名曲のタイトルに道の名前が使われています。また、竹下通りといえば東京の若者の文化をイメージできるといったように、道の名称は、市道0233号といったような、単に識別、管理するためだけの記号としてではなく、町を情緒豊かなものにするために重要な役割を果たしていると考えます。
 そこで、市川市の市道において、道路愛称名をつける際の考え方や設定方法について伺います。
○つちや正順副議長 岩井道路交通部長。
○岩井忠良道路交通部長 お答えします。
 市道の道路愛称名を設定する主な目的としましては、市民が道路に対して分かりやすく身近な道路として利用することで、道路に対する愛着や親近感を深めていただくことと、地域の活気と潤いのあるまちづくりに寄与することでございます。これまで市が道路愛称を設定した路線は、市川真間通り、寺町通り、行徳駅前通りなど15路線ほどございます。これらの路線は、愛称名の設定時期も異なり、詳しい設定経緯などについては不明なものもございますが、設定したきっかけとしましては、本市の道路整備などの公共事業の完成や、周年行事等に合わせて設定したもの、さらには地域の活性化等の市の事業に合わせて設定したものがございます。愛称設定の考え方につきましては、まず、対象路線としては利用者が多い1級、2級幹線道路を基本としております。次に、設定方法としましては主に2つの方法によるもので、1つ目は、市の事業や周年行事等の際に広報等で愛称名を一般公募し、その中で市が複数の候補を選考し、それらの中から市民の方々のメール等の投票により決定する方法でございます。2つ目は、ネーミングライツ事業で、これは対象市道の沿道に施設を有する法人に対し、道路愛称名に企業名等を冠する権利を買い取ってもらうことで、地元企業や地域住民と市の協力による地域の活性化を図るものでございます。対象路線は、既存の愛称名が設定されていない1級幹線道路10路線を対象に、契約期間を5年間、契約金額を20万円以上とし、毎年9月と12月に募集しております。これまでの実績としましては、1級幹線道路5路線にニッケコルトンプラザ通り、ガナーズ通り、アーデル通りの3つの愛称が設定されております。このほか、自治会や商店会からの地域要望を踏まえ、地域の活性化等を目的とした市の事業と連携したもので、地元で一定の合意形成がなされたものに関しては、その地域で親しまれている愛称名を設定するケースもございます。
 以上でございます。
○つちや正順副議長 野口議員。
○野口じゅん議員 ありがとうございます。愛称名設定には大きく2つの方法があり、いずれの方法も分かりやすく身近な道路として愛着や理解と親近感を深めること、地域の活気と潤いのあるまちづくりに寄与することが目的であるとのことでした。ちょうど9月である現在、来年度のネーミングライツの募集を行っているということですが、ネーミングライツは財政上のメリットもあると思いますが、その名前の審査に際しては慎重を期していただき、市民に親しまれ、地域に根差したネーミングになっているのかの検証をしっかりとした上で設定していただきたいと思います。これについては再質問はありません。
 続いて、(2)市道0233号の拡幅整備事業の周知について。市川と松戸を結ぶ松戸街道から、国府台病院の横を曲がってじゅん菜池に抜ける通りがこの市道0233号ですが、長期間行われていたこの市道0233号の拡幅整備工事が先日完了しました。この拡幅によりバス路線も変更となり、これまでバスが通行していた当該道路北側の市道1130号も併せて利便性や安全性が高まったとの声を聞いております。
 一方で、そのような車両の通行形態が変わったことを知らない市民も多くいると思われます。そこで、市民に対してはどのような周知を行ってきたのかを伺います。
○つちや正順副議長 岩井道路交通部長。
○岩井忠良道路交通部長 お答えします。
 市道0233号は、県道市川松戸線との交差部を起点とし、外環道路の国道298号との交差部付近を終点とする延長約1.8kmの2級幹線道路でございます。このうち、国府台病院北側の県道との交差部から中国分交番までの延長約300mの区間は、平成30年度から歩行者や車両通行の安全の確保を目的とした道路拡幅整備を実施し、本年5月末に新たな通行形態での供用を開始いたしました。供用開始後は、車両は対面通行になるとともに、歩行者は両側にある歩道を通行するなど、道路利用者の利便性や安全性が向上し、また、路線バスの北国分駅方面に向かう運行ルートが当該道路に変更されたことから、北側を並行する市道1130号の安全性も向上したものと認識しております。
 通行形態の変更に関する周知につきましては、沿道の住民には、変更時期が確定していない段階の令和5年3月下旬に直接案内文書を配布する形で周知を行っております。一般の道路利用者に対しましては、変更時期が決定した5月上旬に通行形態を変更する旨を記載した看板を現地に設置する方法で周知を行ってまいりました。なお、工事完了後に事業が完了したことについて、改めて文書や看板による周知は行っておりません。
 以上でございます。
○つちや正順副議長 野口議員。
○野口じゅん議員 ありがとうございます。当該道路の沿線の皆さんが待ち望んだ、この拡幅工事が完了したわけですが、その地域の住民に限らず、国府台エリアと中国分エリアの間の行き来に利用するたくさんの市民にとっても、とても有意義な事業であったと考えます。ただ、工事の完了についての周知は特に行っていないとのことですが、通行形態の変更を知らない利用者にとっては、初めは通行する際に戸惑うことも考えられ、北側を走る市道1130号も併せて、通行の安全性を考えると広く周知する必要があると考えます。
 そこで、(3)の質問です。この新しく拡幅整備された市道0233号に愛称名を設定することについてですが、(1)の質問でも話したとおり、道路愛称名をつけることは、その道路が地元だけでなく広く一般的に周知され、親しみやすくなり、それにより利用者のマナーや安全への意識も高まる効果があると考えます。そこで、市道0233号について、車両が対面通行になり利便性が増したことをもっと市民に知ってもらうための周知方法の一つとして、愛称名を設定することも有効であると考えますが、市の見解を伺います。
○つちや正順副議長 岩井道路交通部長。
○岩井忠良道路交通部長 お答えします。
 市道0233号は、現在道路愛称名が設定されている区間はなく、2級幹線道路であることからも、道路愛称を設定する路線としての条件は満たしております。また、愛称名を設定することで、拡幅整備したこの道路を広くPRでき、また、利用者には親しみが生まれることで、安全性への意識の高まりが期待できるなど、整備効果も高まるものと考えられます。
 そこで、本路線の愛称名設定についてでございますが、今後は地域の御意見等を踏まえた中で、市の施策として単独で実施する場合や、周年事業等により複数の路線と併せて実施する場合なども含め、慎重に検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○つちや正順副議長 野口議員。
○野口じゅん議員 ありがとうございます。愛称名設定の条件は満たしているという御答弁でした。この道路は、通行量の多い松戸街道から中国分方面に通じるとても利便性の高い道路で、地元の住民に限らず、たくさんの市民にとっても重要な、そして使用頻度の高い道路です。私の自宅からも近い道路ですが、ふだん私はこの道路をじゅん菜池の前の通りと呼んでいます。1つの仮定ではありますが、このじゅん菜池の前の通りが、もし仮にじゅん菜池通りであったなら、分かりやすく親しみが持て、そして市川市にはすばらしい自然に囲まれたじゅん菜池があるということを市内外にもアピールすることができるのではないかと考えます。また、じゅん菜池に限らず、市川市内にはたくさんの名所があります。それぞれのエリアに住む市民にとって、地元に愛着の持てるような、そして市川市の名所を市外にも発信できるようなすてきなネーミングを道路につけていくというような地域活性化の方法もあるかと思います。まず、この市道0233号について前向きに検討いただければと思います。これでこの項目は終わります。
 続いての大項目、人に焦点を当てたまちづくりについてです。
 まちづくりという言葉は、様々な文脈で使われる言葉であり、はっきりとその定義が示されることなく使われることもあります。その言葉からイメージされることは、時代とともに変わっているようにも思います。以前は、まちづくりというと、行政主導で建物や公園などの場所を造ることを示すことが多く、建物や広場を造れば、そこに人が集まってきて地域が活性化されると考えられる節もありました。ハードのまちづくりです。現在、高度成長期が終わり、生産年齢人口が減少する現在、限りある資源と、既にある町の魅力を再認識して、地域が盛り上がる状況を民間の力でつくっていく民間主導によるソフトのまちづくりの重要性が増していると考えます。市川市には街づくり部がありますが、どちらかというとハードのまちづくりを所管する部署だと思います。現在では、ハードのまちづくりにおいても、例えば、再開発の共同住宅の建物が完成する前から、そこに地域コミュニティーの拠点をつくり、様々なイベントを軸ににぎわいを生み出し、地域コミュニティーを事前に育てていくという手法も見られたりします。今後、日本の人口が減少していく中で、市川市が選ばれる町になるためには、福祉サービスの充実やハード面の整備などももちろん重要でありますが、今後、人に焦点を当てたまちづくりが重要になっていくと考えます。また、人と人とのつながり、つまりソーシャルキャピタルをいかに醸成していくかが、愛着の持てるまちづくりには重要と考えます。
 そこで、(1)市民活動への支援の現状と今後について。市民の皆さんが既に社会貢献のために、また自分自身の生きがいのために取り組んでいる活動について、それをより活発にするために、市はどのような支援を行っているのか伺います。
○つちや正順副議長 佐藤市民部長。
○佐藤敏和市民部長 お答えいたします。
 本市では、市内で活動する市民活動団体の自立の補助や、活動の幅を広げることなどを目的に、人、資金、場所の視点から支援を行っております。初めに、人につきましては、社会情勢などを背景に、必要な知識や技能を養う講座を開催しております。昨年度はスマートフォンを利用したSNS活用講座を2回実施し、8団体、延べ31名の方に御参加いただきました。次に、資金につきましては、社会貢献活動である事業に対して交付する市民活動団体事業補助金のほか、ふるさと納税の一部を積み立てる市民活動総合支援基金などがございます。この市民活動総合支援基金では、市民活動団体の活動を支援する機器の賃借などに活用し、昨年度は48万8,000円の寄附があり、現在の残高は1,360万円となっております。最後に、場所につきましては、市役所第1庁舎に市民活動支援センターを、また行徳支所に市民活動支援センター行徳を設置しており、どちらも利用には事前の団体登録が必要で、令和4年度の団体登録数は176団体、利用者数は市民活動支援センターが3,917人、市民活動支援センター行徳が1,403人でございました。具体的な支援内容は、会議室や研修室、軽作業もできる部屋の貸出しのほか、特に市民活動支援センター行徳においては、市川市社会福祉協議会との協働によりボランティア活動に関する相談も受け付けております。今後も、引き続き市民活動団体の活動支援を継続してまいります。
 以上でございます。
○つちや正順副議長 野口議員。
○野口じゅん議員 ありがとうございます。市民活動に対して、人、資金、場所の視点から支援を行っているということでした。
 それでは、資金での支援についての再質問をいたします。資金での支援として、市民活動団体事業補助金の制度を設けているということでしたが、これはボランティア・NPO課が取り組んでいるものと思います。そもそもNPOの活動とは、市民が主体となって社会課題の解決の仕組みをつくったり、社会に対して新しい価値を提供することと言われています。そこで、その補助金を給付するに当たり、その団体が社会課題の解決としての活動をしているかどうかの指標は持っているでしょうか、お答えください。
○つちや正順副議長 佐藤市民部長。
○佐藤敏和市民部長 市民活動団体事業補助金につきましては、NPOに限らず主体的に活動を継続している市民団体であれば交付の対象となりますが、補助金交付に当たりましては、市民活動団体事業補助金に関する事務取扱基準におきまして、市民が日頃の生活の中で抱えている課題や問題を自主的かつ自発的に解決、改善しようとしていることを補助要件として定めております。
 以上でございます。
○つちや正順副議長 野口議員。
○野口じゅん議員 ありがとうございます。ぜひそのような指標も大切にしながら支援を行っていただきたいと思います。
 また、そのような活動を評価することは容易ではないと思いますが、その補助金の効果測定なども併せて取り組んでいっていただきたいと思います。
 次に、場所の支援についての再質問です。本庁舎の2階に設けられた市民活動支援センターと呼ばれるスペースは、団体登録すれば無料でミーティングスペースや作業スペースが借りられるとのことですが、同様に場所の貸出しを行っている施設として公民館があります。使用料の有無以外にどのような違いがあるのか、その特徴と目指す方向性について伺います。
○つちや正順副議長 佐藤市民部長。
○佐藤敏和市民部長 お答えいたします。
 初めに、市民活動支援センターの施設貸出し以外の事業につきまして御紹介いたしますと、市民活動団体の立ち上げや、ボランティアに関する募集や参加の相談受付、パソコンやプロジェクターなどの備品の貸出しなど、そういったことも行っております。また、お尋ねの公民館との違いにつきましては、公民館は社会教育法に基づき地域住民の学習の場として教育、学術及び文化に関する各種事業を行うことにより、住民の教養の向上などを図り、社会福祉の増進に資することを目的とした社会教育施設であるのに対しまして、市民活動支援センターにつきましては、設置の根拠となる法令はございませんが、市民活動支援センター設置要領に基づきまして、地域活動を活性化させることで地域の課題解決力の向上と地域福祉の推進を図ることを目的とした市民活動施設となっております。
 最後に、市民活動センターの今後につきましては、団体間の交流など、よりよい環境づくりのため、関係機関と協議研究を進めてまいります。
 以上でございます。
○つちや正順副議長 野口議員。
○野口じゅん議員 はい、分かりました。この市民活動支援センターは、様々な設備も整っていて、しかも登録すれば無料で利用できるということで、市民にとっても活動の幅が広げられる、とても可能性に満ちたスペースだと思います。ただ、私が前を通るときには誰も利用していないということも多く、まだまだ市民の皆さんにその存在が周知されていないようにも見受けられます。公民館の予約が難しいというような状況の中で、市民活動支援センターのような場所のニーズはもっとたくさんあると思われるので、周知をぜひしっかりと行っていただきたいと思います。逆に、周知が行き届いた際には、果たしてあの規模のスペースでそのニーズに応えられるのかという疑問も残る部分ではあります。
 また、市民活動を活性化させるためには、単に場所を貸すだけでなく、御答弁にもあったような市内の団体同士の交流なども重要と考えます。この支援センターのリーフレットを拝見しましたが、「市民や市民活動団体のつながりを生む場を目指して」というキャッチコピーも書いてありましたので、ぜひそのようなソーシャルキャピタルの醸成に取り組んでいただきたいと思います。
 続いて、(2)起業家や事業者の発掘と支援の現状と今後についてです。市民活動の中でも、経済的な活動の活性化についてはどのような取組があるのか、人材の発掘と支援に焦点を当ててお聞きいたします。
○つちや正順副議長 根本経済観光部長。
○根本泰雄経済観光部長 お答えします。
 本市では、現在、これから起業、創業をしたい方や、起業後間もない方などを対象に、国から認定を受けた認定創業支援等事業計画に基づき様々な支援を行っております。具体的には、相談者に対しまして専門家が個別にアドバイスする起業経営相談窓口や、女性向けのセミナーとして行われているIchikawaワタシの夢起業塾などを実施しております。目標とする年間の創業件数は、令和4年度の計画で延べ83件と定めておりますが、実績は45件となっております。そのほか、ビジネスプランコンテストなどの起業家支援といたしまして、千葉県が実施するちば起業家応援事業の一環で、ちば起業家交流会を本市と船橋市、浦安市の3市で合同開催をしております。この事業は、起業家プレゼンターによるビジネスプレゼンテーションやパネルディスカッションなどを行っており、起業家同士の情報交換や人的ネットワークの形成を支援しております。過去には女性のためのビジネスプランコンテストを実施しておりましたが、受賞しても起業に至らないケースがあったことや、同時期に実施しておりましたちば起業家交流会が地域を超えて県全体でつながる交流の場となり、より起業しやすい環境が醸成されていることから、現在は一本化されております。
 起業意欲を持つ多様な人々が交流する事業は、人脈の形成や新たな起業アイデアの創出となり、本市の地域課題の解決や発展につながると考えております。今後も、他市の事例などを参考に、既存事業の見直しを含め、市独自の支援事業の検討を進め、地域での創業促進と起業家発掘に努めてまいります。
 以上でございます。
○つちや正順副議長 野口議員。
○野口じゅん議員 ありがとうございます。起業や経営についてのノウハウを学ぶことができる塾やセミナーの開催、またビジネスコンテストなどの活動やアイデアを評価する場や交流の場の提供を行っているということが理解できました。確かに、御答弁にあったちば起業家交流会のような市川市の枠を超えた近隣市の起業家の皆さんとの交流の場は、相互のビジネスの幅を広げるきっかけになると感じました。一方で、御答弁の中に、かつて市で主催していた女性のためのビジネスコンテストについて、受賞しても起業に至らなかったケースがあったとありました。また、令和4年度の認定創業支援等事業計画において、年間の創業目標件数が83件だったのに対し、実際は45件だったとのことでした。
 そこで再質問します。経営や起業のノウハウを学んだ方々が起業に至らなかった要因は、どのようなことがあると市は認識しているか伺います。
○つちや正順副議長 根本経済観光部長。
○根本泰雄経済観光部長 起業に至らなかった要因につきましては、全てを把握できておりませんが、主なものといたしましては、資金面の問題や、起業に適した店舗など開業に適した場所の確保に至らなかったこと、御家庭の事情により起業を取りやめたことなどを認識しております。また、起業・経営相談窓口などにおきましても、改めて事業計画を見直したところ、採算が取れずに起業を断念された方や、起業に向けた準備が十分とは言えず、働きながら将来の起業に向けた準備をされる方もいらっしゃいます。
 以上でございます。
○つちや正順副議長 野口議員。
○野口じゅん議員 ありがとうございます。起業するに当たり、様々なビジネスのノウハウの提供があったとしても、資金面、場所の確保、継続性に課題があるのだと理解しました。起業するということは、なかなか大変だということを表しているのだと思います。
 起業の支援に当たり市としてできることは、ビジネスのノウハウの提供や資金の支援以外にもあると考えます。逆に、市によってしかできない支援として、地域課題の解決のためのビジネス、つまりコミュニティービジネスへの多角的な支援があると考えます。地域課題を最も把握しているはずの市が、その課題を解決するために民間の力を借りるという視点で、その地域課題の共有や資金の支援、場所の提供などをしながら伴走して支援していく取組があってもいいと思います。
 そこで再々質問として、地域課題解決のためのビジネスに特化した支援は行っているのか伺います。
○つちや正順副議長 根本経済観光部長。
○根本泰雄経済観光部長 さきに申し上げましたちば起業家交流会におきまして、県全体での交流の場を設け、地域の活性化へつなげる取組を実施しておりますが、地域課題解決のためのビジネスに特化した支援につきましては、現在本市では行っておりません。
 一方、本市の支援事業を受け起業された方の中には、発達障がい、精神障がいをお持ちの方が、悩みがあっても地域の中で相談する場所が少ないといった地域課題がある中で、そのような方々を対象とした相談所兼作業所を開業された方がいらっしゃいます。ここでは、心のよりどころとなる居場所を提供していくことで、発達障がいや精神障がいをお持ちの方が地域で孤立することを防ぐ役割を担っており、作業所での活動を通して雇用の創出につなげていき、地域の課題解決に努めております。このように、今後も起業される方や起業して間もない方の支援となるよう取組を進めていく中で、地域課題解決につながる支援につきましても、関係部署と情報を共有しながら連携をしてまいります。
 以上でございます。
○つちや正順副議長 野口議員。
○野口じゅん議員 ありがとうございます。本市の支援事業を受けて起業された中には、結果的に地域課題の解決につながる事業をされているという方がいらっしゃるということです。どこでも誰でも活用できるビジネスのノウハウの提供だけでなく、市川市ならではの地域に根差したビジネスを育んでいくには、地域課題の共有から市内の場所の提供まで、市川市のバックサポートが重要になると考えます。
 お隣の浦安市では、チャレンジショップという取組があります。市の施設であるマーレという建物の1区画を、家賃や光熱費などを半額にして1年間使ってもらうことで、ビジネスが軌道に乗るまでを支援しているという例です。市川市でも、もし使われていない、もしくは活用できていないスペースなどがあれば、そのような支援も可能かもしれません。ぜひ検討していただきたいと思います。
 次に移ります。(3)地域課題の解決のための人材育成の現状と今後について。これまで質問で繰り返し述べているような地域課題の解決をする人材の育成や、それを持続可能にするビジネスへの展開、それは民間主導のまちづくりをバックサポートする意味で重要と考えます。
 そこで、地域人材を育成するために市として取り組んでいる事業があるかどうかを伺います。
○つちや正順副議長 小川企画部長。
○小川広行企画部長 お答えします。
 本市では、地域課題を解決するため、地域におけるまちづくりのリーダーを養成することを目的とし、活動を支援するNPO法人いちかわライフネットワーククラブとの共催により、いちかわTMO講座を平成20年度より実施しております。この講座は、地域の人材や資源を活用し、ビジネスの手法を用いることで、創業や雇用、働きがい、生きがいを創出しながら地域課題の解決を図る、いわゆるコミュニティービジネスに必要となる知識や技法の習得のほか、人と人をつなぐ場づくり、関係づくりを構築するための講座として開設されました。講座の内容といたしましては、受講者によるワークショップやディスカッションのほか、本市と包括協定を締結しております千葉商科大学、和洋女子大学、千葉工業大学の協力も得て、新たな課題設定による地域の価値創造に向けたマネジメント論や、情報処理技術を活用した課題発見方法など、多彩な講義が展開されております。また、本市からも職員が講師として参加し、起業家支援や防災、地域経済の活性化、健康づくりなど、市の具体的な取組に関する講義を行っております。
 なお、今年度は、受講者が自分たちの住む地域の課題を知り、それを解決するために何ができるのかを考える上でヒントを得ることを目的に、市民と行政の共通の将来目標でございます市川市総合計画と、その中で重点課題として整理している子育て世代の定住促進と出生率向上をはじめとした8つの課題を共有したところでございます。また、この講座を修了された方の中で、さらに御自身のアイデアをブラッシュアップしたいと希望される方に対しましては、アドバンス講座といたしまして、市幹部職員や有識者が直接コミュニティービジネスにおける自立や継続していくための助言、意見交換を行っております。ほかにも市では、より多くの方々に講座を認知していただき、御参加いただけるよう、「広報いちかわ」や市公式ウェブサイトを通じまして、周知募集、また会場の提供を行うとともに、職員が修了発表会に参加するなど、官学一体となってサポートしております。
 TMO講座では、開講以来、令和4年度の第15期までに約240名もの方々が講座を修了されております。本講座をきっかけに、様々な経歴や事業プラン、町の活性化に資するアイデアなどをお持ちの方々が出会い、共に学び、交流を深める中で、人的ネットワークが構築されているものと認識しております。講座終了後の活動事例といたしましては、市で実施している産後家庭ホームヘルプサービス事業の登録事業者として、出産後に家事や育児の支援が必要な方に対しホームヘルパーを派遣するとことで、心と体の回復期に寄り添うパートナーとして活躍されている方、また、思い出の詰まった学生服などを次の必要な方へバトンタッチすることで人と人をつなげる学生服・学用品リユースショップを経営されている方など、就労者の多くは、それぞれの地域で様々な分野におきまして起業し、あるいは趣味を生かしてなりわいにするなど、まちづくりの担い手の中心として御活躍されております。
 これら一つ一つの活動が地域で根を下ろし、人と人とを結びつけることで、地域のまちづくりを支えていただいているものと認識しております。
 以上でございます。
○つちや正順副議長 野口議員。
○野口じゅん議員 丁寧な、そして詳細な御答弁ありがとうございます。地域課題解決のためのコミュニティービジネスの手法の習得や、人と人をつなぐ場づくり、関係づくりを目指したTMO講座を共催しているということ、そして、そのTMO講座によっていたくさんの受講生による人的ネットワークが構築されていて、その一つ一つの活動がまちづくりに貢献しているということが理解できました。これは共催をしているNPO法人いちかわライフネットワーククラブさんの御尽力もあってのことだと思います。
 TMO講座は単年開催のようですが、せっかく生まれたそのような人材や人的ネットワークによる成果が持続可能となるために、市としては継続的なフォローが必要と考えます。具体的には、修了生の地域に根差した活動がビジネスにつながるために、ビジネスコンテストに参加する道筋をつくったり、活動場所の提供や活動団体同士の交流の場を設けたりすることなども継続的な支援として考えられると思いますが、市の見解を伺います。
○つちや正順副議長 小川企画部長。
○小川広行企画部長 お答えします。
 地域課題を持続可能な形で解決していくためには、市と地域で活動されている方々が課題を共有し、解決に向けて共に進んでいくことが大切であると考えております。これまでTMO講座及びその修了生を対象としたアドバンス講座を通じまして、多くのまちづくりのリーダーが輩出され、行政とは異なる視点を持ちながら、地域課題の解決に向けた主体的な活動を様々な場面で続けていただいていると認識しております。今後もTMO講座を継続的に支援していくとともに、地域課題の解決に向けて活動されている方から市に相談があった際にも、主体的な取組を後押しするためにどのような支援ができるか、課題解決に向けてどのような方法が考えられるかなど、まずはお話を伺いまして、丁寧に対応していきたいと考えております。
 以上でございます。
○つちや正順副議長 野口議員。
○野口じゅん議員 ありがとうございます。ぜひそのような市内の人材を生かせるように、市も一緒にサポートするという形で一緒に取り組んでいってもらいたいと思います。
 最後に、他市の事例を紹介してまとめに入りたいと思います。お隣の松戸市には、市民活動サポートセンターという施設があります。そこは、元々松戸市健康増進センターだった建物をリノベーションして、指定管理者制度によってNPOが管理運営しているサポートセンターです。このサポートセンターでは、地域課題の解決に取り組む市民活動を支援し、広く分野や領域を超えた参画と協働を推進する拠点とはっきりうたわれていて、活動の場の提供や活動情報の収集や提供、活動の各種相談、市民活動団体等の連携や交流、そして人材育成まで、市民活動を多角的、横断的に支援する取組を行っています。この大項目である人に焦点を当てたまちづくりについては、市民部、経済観光部、企画部に御答弁をしていただきましたが、ぜひ市川でも全庁を挙げて多角的、横断的に人づくりによるまちづくりを進めていっていただきたいという要望をさせていただき、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。


○つちや正順副議長 この際、暫時休憩いたします。
午後2時39分休憩


一般質問 丸金ゆきこ議員

午後3時10分開議
○稲葉健二議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第1一般質問を継続いたします。
 丸金ゆきこ議員。
○丸金ゆきこ議員 こんにちは。チームいちかわの丸金ゆきこです。通告に従いまして、初回から一問一答にて質問を始めさせていただきます。本日最後となりますが、よろしくお願いいたします。
 大項目1、学校教育に係る支出に充てる公費と私費の扱いについて。
 憲法や教育基本法などの義務教育無償の精神に基づいて、国公立学校における義務教育では授業料の徴収は行われていません。そして、義務教育における教科書の購入費についても、国が負担し、各児童生徒に無償で給与する仕組みが取られています。そんな中、義務教育における隠れ教育費と言われる私費負担、いわゆる保護者負担が全国的にも問題視されており、文部科学省の令和3年度の調査によると、学校教育費として公立小学校に通う子どもを持つ保護者が1年間で負担したのは6万5,974円、公立中学校は13万2,349円でした。中学校は横ばい傾向ですが、小学校に関しては緩やかに上昇傾向にあります。こうした保護者の負担軽減を図るべく、本来公費で賄うべきものが私費で賄われてはいないか、負担区分の明確化に努めるよう学校徴収金等取扱いマニュアルなどを制定する自治体も増えております。
 そこで、(1)学校教育に係る支出に充てる公費と私費の負担区分について、本市の現状についてお伺いいたします。
○稲葉健二議長 藤井学校教育部長。
○藤井義康学校教育部長 お答えいたします。
 本市では、学校の管理運営や教育活動上必要となる経費を、その種類に応じて市の予算で負担する公費、または保護者が負担する私費と区分をし、適切な予算執行に努めております。公費で負担する経費といたしましては、学級、学年や学校単位で共用または備え付けとするものの経費、その他管理、指導のための経費など、極めて多岐にわたります。そこで、私費で負担する経費以外を公費で負担することとしております。
 私費で負担する主な経費といたしましては、児童生徒個人の所有物に係る経費で、学校、家庭のいずれにおいても使用できるもの、あるいは通常家庭にあり学校に持参できるもの、学級、学年等特定の集団の全員が個人用教材、教具として使用するもの、特定の児童生徒の占有物とされるもの、衛生的見地から個人用とすべきものなどがございます。具体的には、習字用具一式、リコーダー、国語辞典や英和辞典、運動着や運動靴、学習ノート、鉛筆や消しゴムなどの文房具などが挙げられます。そのほか、児童生徒そのもの、またはその利益が還元される実質的な性格を持った経費で、具体的には技術家庭科などで使う実習材料、遠足、林間学校や修学旅行の費用、卒業記念アルバム、各教科のドリルの経費などがあります。学校への周知に関しましては、保護者負担の軽減や公平性の観点などからも、公費と私費の負担区分について適切に運用されるよう各学校に配付しております学校業務マニュアル集や、新任教頭を対象とした研修会などの機会を通じて周知しておりますが、マニュアルの見直しや管理職の指導を適宜行い、徹底を図ってまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 丸金議員。
○丸金ゆきこ議員 御答弁ありがとうございました。本市でも、各学校に配付している学校業務マニュアル集や研修会などで、公費と私費の負担区分について周知しているとのこと。これを機に、改めて学校側もしっかりと公費と私費の負担区分の再確認を行っていただきたいと思います。教育委員会から学校側に周知している内容は保護者側からは見えない部分でもありますので、何らかの形で保護者側にも共有いただけるとよいのかなと思います。そして、こうあるべきという固定概念を拭い去り、現在私費で購入されているものでも、本当に必要なのか、もっとシンプルな安価なものにできないか、公費で購入可能ではないかを再度検討のほど、よろしくお願いいたします。
 それで、保護者の方から、学校で壊れてしまった物品などがなかなかすぐに購入してもらえない、十分な予算が学校に配分されていないのではないか、学校運営に当たって公費予算の使い勝手がよくないため、やむを得ず私費で対応してきたということに問題があるのではないかなどのお声をいただいております。
 そこで、(2)公費で購入した物品の取扱いについて、公費で購入した、例えば物品などが壊れて使えなくなった場合の対応についてお伺いいたします。
○稲葉健二議長 藤井学校教育部長。
○藤井義康学校教育部長 お答えいたします。
 学校の運営や指導用として必要な備品など、公費で購入する物品等の経費は、毎年各学校から購入要望を受けた上で積算しております。また、予算の執行に当たりましては、年度当初に学校において購入計画を立て、計画的に整備していきます。計画作成の段階では、物品の使用年数、老朽化の状況や必要度など、各学校現場の実情に応じて学校内で慎重に検討した上で決めております。しかし、学校には多くの物品が存在しているため、日々の教育活動において想定外の故障や破損などにより使用できた物品が突然使用できなくなることもあります。そのような場合、学校において、その物品の重要性などを考慮した上で、物品を緊急的に修理したり、使用年数や老朽化の状況によっては費用対効果を考慮した上で新規購入したりしております。各学校で使うことができる予算には限りがあるため、学校で対応が困難な場合は、教育委員会に相談や要望をいただき、協議した上で、緊急性や安全面などを考慮し、できる限りの対応をしているところです。
 今後も、教育活動に影響が出ないよう、しっかりと対応をしてまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 丸金議員。
○丸金ゆきこ議員 ありがとうございました。確かに想定外の破損などで、年度の後半などは学校で対応困難な場合もあるでしょう。そんなケースも、教育委員会としてできる限りの対応をいただけること、理解いたしました。学校側から依頼があった際の事務手続などもできる限り簡略化を進め、教育活動に影響が出ないようしっかりと対応いただきますようお願いし、こちらの質問を終わります。
 次に、大項目2、市立学校における救命教育及び救命講習について。
 6月定例会のチームいちかわの代表質問でも取り上げましたAEDの設置推進、けさの西村議員の質問にもありましたが、AED設置ももちろん大事なんですが、AEDが設置されていても使われないと意味がありません。日本AED財団の公式ウェブページによりますと、日本では1年間に約8.2万人、1日に約200人、7分に1人が心臓突然死で亡くなっています。突然の心停止は、持病のある方や大人だけでなく、いつでも、どこでも、誰にでも、健康に見える子どもたちにも起こり得るのです。学校管理下における児童生徒の心臓突然死は毎年10名前後、実は学校での死亡原因の1位は突然死なのです。年間約50名が実際に心肺蘇生法及びAEDの使用を迫られる状況になります。日本にAEDは約65万台ありますが、心停止後のAED使用率はたったの約4%にとどまっています。知識がないから使えないということになります。怖くて一歩が踏み出せないのです。AEDの電気ショックが1分遅れるごとに救命率は10%ずつ低下すると言われています。119番通報をしてから救急車が到着するまでの平均時間は約9.4分、救急車を待っていては、救える命も救うことができません。しかし、胸骨圧迫とAEDを使用することで、突然の心停止の約半数の人を救えます。これは、そばに居合わせた人がすぐに実施するからこそ得られる効果なのです。いざというときに勇気を持って一歩踏み出すためには、小学校からの学校教育を基盤として、全国民が救命教育を受けられる環境をつくることが必要であると考えます。
 そこで、(1)市立学校の救命教育の現状についてお伺いいたします。
○稲葉健二議長 藤井学校教育部長。
○藤井義康学校教育部長 お答えいたします。
 教科等における心肺蘇生法に関する教育の主なものとして、小学校では第5学年の保健領域にあるけがの防止という単元で、発展としてAEDの使い方について学習いたします。中学校では、第2学年の保健領域にある障がいの防止という単元で、心肺蘇生法の流れや手順について学習し、多くの学校では心肺蘇生訓練人形やAEDトレーナーを使用した実習を行っております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 丸金議員。
○丸金ゆきこ議員 ありがとうございました。小学校は5年生、中学校は2年生の保健の授業で心肺蘇生法を学んでいることは理解しました。私も、夫や大切な友人を心臓突然死で亡くした経験から、いつ起こるか分からない緊急事態で迅速に行動するためには、日常から心肺蘇生講習を繰り返し受講することが大切だと痛感しています。いざというときって慌ててしまって、通報の電話で自宅の場所を伝えることすらスムーズにいかなかった経験をしました。心肺蘇生講習は、いざというときに大切な人を救うためにも、毎年受講してもらうことが望ましいと考えます。
 では、次に、(2)教職員に向けた救命講習の現状についてお伺いします。
○稲葉健二議長 藤井学校教育部長。
○藤井義康学校教育部長 お答えいたします。
 教職員の救命講習は、普通救命講習として、児童生徒による心肺停止等の事故が発生し、救急隊に引き継ぐまでの救命処置を習得することを目的に実施し、2年に1度、各学校で受講するよう計画しております。講習を受ける学校の教職員は、eラーニングにより胸骨圧迫や人工呼吸、AEDの使い方など心肺蘇生法の流れについて事前に講習し、後日、市川市消防局救急課職員を講師に迎え、実際に心肺蘇生法練習人形やAEDトレーナーを使用した実技講習を行っております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 丸金議員。
○丸金ゆきこ議員 ありがとうございました。教職員の救命講習が2年に1度行われていることは理解しました。
 ここで、さいたま市の事例をお話しさせてください。2011年9月、さいたま市の小学校で、6年生の明日香さんが駅伝の課外練習中に突然倒れ、死亡するという大変悲しい事故がありました。検証の結果、明日香さんが倒れた直後に、けいれんや死戦期呼吸と呼ばれるゆっくりとあえぐような呼吸があったために、教員らは心臓が止まっていると認識することができず、学校にAEDが備えられていたにもかかわらず、使用することができなかったことが明らかになりました。この事故の反省を踏まえ、さいたま市教育委員会は、御遺族とともに体育活動時等における事故対応テキストASUKAモデルというものを作成し、さいたま市教育委員会の公式ウェブページで公開しています。
 これまでのマニュアルと決定的に違うのは、倒れた人の呼吸がふだんどおりなのか分からないときも、迷ったら心肺蘇生すると明記し行動を促したことです。そして、さいたま市では、小学校でも2013年から各区1校の研究モデル校、2014年からは全ての小学校に救命教育が導入されました。小学5年生から高校生までの一貫した救命教育を展開しています。明日香さんのお母様は、御遺族の立場から全国で講演を行い、救命教育の普及に携わられています。お母様とお会いする機会がありましたが、AEDは飾るものではなく使うものなのですという言葉が深く印象に残っています。事故当時の教育長は、新たな教職員マニュアルを一緒につくろうと御遺族に提案され、学校での突然死をゼロにしたいという願いは決して夢ではないと語っています。このように、さいたま市では救命教育がかなり進んでいます。やはり、事故が起こってから動くのではなく、ぜひ本市でもさいたま市に倣って、より一層教職員研修を充実させ、学校の安全度を高めていただくよう要望いたします。
 そこで、(3)今後の救命教育及び救命講習の在り方についてお伺いします。
○稲葉健二議長 藤井学校教育部長。
○藤井義康学校教育部長 お答えいたします。
 教育委員会といたしましても、命に関する取組は最優先すべきことと捉えております。今後も、児童生徒の命を守る教育につきましては、体育課や保健体育課の学習だけではなく、あらゆる機会で適切に指導を行うとともに、救命講習の内容につきましては、最新の情報を適時適切に各学校へ発信するなどを推進してまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 丸金議員。
○丸金ゆきこ議員 命に関する取組は最優先すべきことと捉えていると、力強い御答弁をいただきました。ありがとうございました。私も夫が倒れたときに、死戦期呼吸というものを知らなかったので、まさか心筋梗塞だとは考えも及ばず、講習を受けていなかったことを本当に悔やみました。そんな中、5年前になりますが、市川市PTA連絡協議会の事務局長を務めていたときに、会長会の場で、当時東京ベイ・浦安市川医療センターの救急集中治療科医長だった本間医師と知り合い、全国の医療関係者の皆さんが協力して進めているPUSHプロジェクトに出会いました。PUSHプロジェクトとは、学校での心臓突然死ゼロを目標に掲げ、それを目指すために学校へPUSHコースを普及させることを活動の柱の一つにしています。PUSHコースとは、心肺蘇生の中でも最も重要な胸骨圧迫とAEDの使い方や、誰かが倒れたときに声をかける勇気をできるだけ多くの人に伝えるために、短時間で効率よく勉強できるよう考えられたコースです。今回議長に許可をいただいておりますので、こちらを御覧ください。こちらがPUSHコースのトレーニングキットなんですが、この中にいろいろ収められております。こちらがトレーニング用の訓練用心臓です。こちらのシートを使って行います。こちらにトレーニング用の心臓を置いて、こういう机の上でもできるんですけれども、的確に押せるとキュッキュッと音が出るようになっております。こちらはあっぱくんという訓練用の心臓なんですが、しっかりと押せると音が出るので、子どもにも分かりやすくなっております。この手のひらサイズのトレーニングキットを使用することで、胸骨圧迫とAEDの使い方を45分や60分のコースで効率よく学習することができます。
 私は、こんなに簡単に大人数で受けられるこちらの講習、とても画期的だと感じました。しかも、かわいい犬のキャラクターが登場するDVDを使用して講習が進められるので、子どもたちにも取り入れやすいと感じます。現在こちらのPUSHコースは、市川市PTA連絡協議会を通じて、現在は千葉市立海浜病院の救急科統括部長の本間医師が代表を務める千葉PUSHことNPO法人ちば救命・AED普及研究会協力のもと、市内の小中学校でも児童生徒に対して開催実績がございます。教職員や保護者の皆さんがこちらのPUSHコースを指導する立場にもなれますので、自施設で持続性のある救命講習会を毎年確実に実施することが重要だと考えます。
 さいたま市では、明日香さんの事故後に救命教育を取り入れてから、教育委員会が管理する学校や生涯学習施設のAED使用率が急増したそうです。本市の教育委員会も、ぜひ自分事と捉えていただき、救命教育の在り方を改めて真剣に考えていただくよう要望いたします。救命教育が小学生から繰り返し行われることで、救える命を救える安全な学校に、そして、安全な社会がつくられていくことを強く願いつつ、こちらの質問を終わります。
 次に、最後の質問に移ります。大項目3、スポーツができる広場について。
 私の3人の子どもたちも、小さい頃は毎週末のように市の広場で、サッカーやラグビーを伸び伸びプレーしていました。そこで、(1)概要について、広場の種類及び経緯、現状についてお伺いします。
○稲葉健二議長 立場スポーツ部長。
○立場久美子スポーツ部長 お答えいたします。
 市川市内のスポーツなどのできる広場といたしましては、スポーツ広場と少年広場など市内に7か所ございます。スポーツ広場は、特定のスポーツを目的として利用できるよう十分な設備を備えており、少年広場などは、地域に根差した運用を基本として、スポーツの種目を限定せずに、自由に、また多目的に利用できるよう、最低限の整備を行っております。いずれの広場も宅地化の進行により子どもたちの遊び場の減少などを背景に、昭和52年頃から整備を進めてまいりました。これらの広場につきましては、市所有のもの以外に、子どもたちのために利用してもらいたいとの地権者の思いからお借りし整備しているものがあり、市民の皆様に幅広く御利用いただいております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 丸金議員。
○丸金ゆきこ議員 ありがとうございました。広場の概要はあまり知らなかったのですが、子どもたちのために利用してもらいたいと貸してくださっている地権者の方がいらっしゃることを初めて知りました。子どもたちが伸び伸びとスポーツができる場が少ない中、とってもありがたいことだと感謝いたします。
 そこで再質問です。借地の施設について、借地料は幾らくらいかお伺いします。
○稲葉健二議長 立場スポーツ部長。
○立場久美子スポーツ部長 お答えいたします。
 地権者の方からの子どもたちのために有効活用してほしいとの御厚意により、全て無償で利用させていただいております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 丸金議員。
○丸金ゆきこ議員 ありがとうございました。無償なのは驚きました。本当にありがたいと思います。
 それで再々質問ですが、最低限の施設整備は行っているとのことでしたが、最低限の整備とはどのような整備かお伺いします。
○稲葉健二議長 立場スポーツ部長。
○立場久美子スポーツ部長 お答えいたします。
 施設の周囲の環境に応じ、敷地の制約なども考慮し整備を行っております。その主なものといたしましては、防球ネットやトイレ、広場の整地などとなっております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 丸金議員。
○丸金ゆきこ議員 ありがとうございました。敷地の制約などがある中で、整備に努めてくださっていることがよく分かりました。
 それでは次に、(2)利用状況について。利用状況及び利用団体等について、どのようになっているのかお伺いします。
○稲葉健二議長 立場スポーツ部長。
○立場久美子スポーツ部長 お答えいたします。
 スポーツなどができる広場の開放時間は9時から17時までとしており、例えば、平日の午前中はグラウンドゴルフなどで利用され、午後には子どもたちが自由に利用しております。また、土日、祝日にはあらかじめ申請されている少年野球団体等による利用もあります。このように、子どもから高齢者まで幅広い方々が利用している施設となっております。主な利用団体といたしましては、市内全体で少年野球は6団体、ラグビー3団体、サッカー1団体、グラウンドゴルフ5団体となっております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 丸金議員。
○丸金ゆきこ議員 ありがとうございました。空いている時間帯には、近所の子どもたちが自由に遊べるのはいいですね。子どもたちから御高齢者まで、様々なスポーツ団体の利用があることも分かりました。健康寿命日本一にもつながる場だと感じました。
 そこで、(3)各広場の管理状況等について、使用料や維持費の状況と今後の整備についてお伺いします。
○稲葉健二議長 立場スポーツ部長。
○立場久美子スポーツ部長 お答えいたします。
 各広場の管理状況等につきましては、福栄スポーツ広場と青葉少年スポーツ広場は実施できるスポーツに応じた設備を整備しているものの、それ以外の広場につきましては、多目的な利用を可能とするよう、特定の整備はしておりません。また、誰でも気軽に利用できるよう、使用料は無料となっております。
 維持費といたしましては、令和4年度では市内全ての広場で約700万円となっており、その主な内容は、草刈り、トイレの維持管理、防球ネット等の修繕などです。また、住宅に近接している広場では、近隣住民の皆様からの御意見なども伺いながら管理運営を行ってきております。今後も、施設利用者等の御意見を参考にしながら、安全に御利用いただけるよう設備について検討してまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 丸金議員。
○丸金ゆきこ議員 ありがとうございました。多目的な利用が可能となるよう特定の整備はしていないとのことでしたが、1点だけ気になることがあります。
 そこで再質問ですが、最も重要と思われる水道設備の整備状況はどうなっているのかお伺いします。
○稲葉健二議長 立場スポーツ部長。
○立場久美子スポーツ部長 お答えいたします。
 水道設備の整備につきましては、千葉県の施設である福栄スポーツ広場以外では唯一、柏井少年広場におきまして、地権者に承認いただき井戸を整備しております。これ以外の5か所につきましては、水道設備はございません。借地の広場におきましては、地権者の皆様と協議を行い、今後は必要な場所に水道の整備を検討していきたいと思います。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 丸金議員。
○丸金ゆきこ議員 ありがとうございました。9月に入ってからも連日残暑厳しい中、やはり水道が広場内に整備されていないのは熱中症のリスクも高まり、とても危険なことだと思いますし、それに砂ぼこり対策にも水まきが有効だと聞いています。子どもたちや御高齢者の皆様が、安心して伸び伸びスポーツや遊びを楽しめるよう、水道の整備は最優先に進めていただくようお願いいたします。
 以上で私の一般質問を終わりにいたします。ありがとうございました。


○稲葉健二議長 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後3時42分散会

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