更新日: 2024年8月8日

2024年3月12日

午前10時2分開議
○稲葉健二議長 ただいまから本日の会議を開きます。


○稲葉健二議長 この際、石原みさ子議員から発言の申出がありますので、これを許可いたします。
 石原みさ子議員。
○石原みさ子議員 貴重な時間をお借りいたしまして申し訳ございません。発言の訂正及び取消しをお願いいたします。
 2月26日の私の代表質問における生活介護事業所への支援に関する発言中、加配看護師への補助について、「1人目には何も出ていません」と発言いたしましたが、正しくは「1人目には上乗せ分としては何も出ていません」でありますので、訂正をお願いいたします。
 続いて、発言の取消しについてです。同じく2月26日の私の代表質問における生活介護事業所への支援に関する発言中、「■■■■■■■■■■■■」と発言した部分及び「■■■■■■」から「■■■」と発言した部分につきましては、誤解を生じさせる不適切な表現でありましたので、これらの部分を取り消したいと思います。
 議長におかれましては、お取り計らいのほど、よろしくお願いいたします。
○稲葉健二議長 まず、発言の訂正について、ただいまの申出のとおり発言の訂正を許可いたします。
 続いて、発言の取消しについてお諮りいたします。
 まず、「■■■■■■■■■■■■」と発言された部分について、ただいまの申出のとおり、発言の取消しを許可することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稲葉健二議長 御異議なしと認めます。よってただいまの申出のとおり、発言の取消しを許可することに決定いたしました。
 次に、「■■■■■■」から「■■■」と発言された部分について、ただいまの申出のとおり、発言の取消しを許可することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稲葉健二議長 御異議なしと認めます。よってただいまの申出のとおり、発言の取消しを許可することに決定いたしました。
 この際、石原みさ子議員に申し上げます。議場における発言は、慎重を期し行うことは言うまでもないところであります。今後の発言に当たっては慎重にされ、誤解を生じさせることのないようお願いいたします。
 次に移ります。


一般質問 越川雅史議員

○稲葉健二議長 日程第1一般質問を行います。
 順次発言を許可いたします。
 越川雅史議員。
○越川雅史議員 無所属の会の越川雅史でございます。通告に基づきまして一般質問を行います。
 なお、質問順序の入替えがございまして、3項目め、前市政との違い、好まざる市役所の慣習と、あと4項目め、ハラスメントの撲滅、これを順番を入れ替えて進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 最初、ふるさと納税について。
 御承知のとおり、本市では流出額、住民税控除額のほうが分かりやすい方もいるかもしれませんが、これが流入額、受入額を大幅に上回る状況が続いており、収支の改善を図ることが積年の課題となっております。この理由は多々あるかと思いますが、本市固有の事情としては、前市政において高級公用車テスラや市長室のガラス張りのシャワーなど税金の無駄遣いが行われ、市民の間に、市川市に納税して無駄遣いされるぐらいなら、いっそよそへ寄附しちゃおうといった運動が旧ツイッター上などにおいて展開されたことも大きな要因かと感じております。
 実際に前市長就任前は流出額、すなわち住民税控除額と流入額、受入額との差は数億円程度に収まっていましたが、テスラ事件が発生した直後には一気に13億円超にまで増加し、ガラス張りシャワー事件が発覚した翌年には21億円超まで急増、その後も増加の一途をたどっております。当時において村越前市長を擁護していた前議員らは、テスラのリース料は1台当たり1,500万円なんだから大した問題じゃないとか、シャワールームの設置費用は360万円なんだから、そのぐらいいいじゃないかなどと主張していたようですし、さきの市長選挙の投票日前日には市川駅北口に集結し、あのすさまじい豪雨の中、代わる代わるマイクを握り、池上彰の番組では評価が高かったなどと、村越市政の継続を訴えていたと伺っておりますが、私から言わせれば、リース料や設置費用といった直接的な費用のみならず、ふるさと納税の流出額を数億円単位で激増させた大きな要因をつくり出したわけですから、前市長とそれを支持してきた前議員らの責任は極めて重いと、改めて糾弾する必要があるかと思います。
 いずれにしましても、田中新市政は、そんなマイナスからと言ってもよい、いわば苛酷な状況からのスタートを余儀なくされており、もちろん本市もこの2年間、様々な努力を重ねてきていることは承知しておりますが、残念ながら、いまだ抜本的な改善には至っていないというのが実情かと思われます。そこで私としては、単にふるさと納税の流出額が多いなどと批判するのではなく、その改善策も一緒に考えたく今回の通告に至りましたので、御紹介します。
 本市には、市内に多数の私立学校を擁しております。本市が文教都市との評価を受けている理由は多々あるかと思いますが、東京都下でもなければ県庁所在地でもない一般市において、これだけ多くの私立学校が所在していることは全国的にも珍しい、本市が紛れもない文教都市であることを証左するユニークな特徴の1つと言えるかと思います。
 そして、この特性を踏まえ、市外在住の各校の卒業生や在校生の保護者らを念頭に、ふるさと納税を通じて各校に対し財政支援を呼びかける制度を構築してみてはいかがでしょうかというのが私からの提案です。市外在住の各校の卒業生や在校生の保護者らがふるさと納税を通じて各校に財政支援することにより、各学校は設備の整備や改良、その他魅力アップのための資金を得ることができます。ふるさと納税制度の仕組みを正しく周知することができれば、どうせどこかに納税するのであれば、せっかくだったら母校に寄附しよう、どうせだったら我が子が通う学校に寄附しようと思う人が出てくるのは間違いないことかと思います。
 そして、本市は特段の返礼品を用意する必要はありませんし、それどころか事務手数料等を徴収することにより流入額、受入額を増やすことができます。その結果、仕組みを構築するだけで、その後も費用をほとんどかけることなく、一定程度の収支の改善につながる効果が期待できるというものです。情報システムなどと違って運用、保守費用もかからず、コストなどほぼないに等しいわけですから、やらない手はないのだと私は考えますが、本市の御見解を伺います。
○稲葉健二議長 小川企画部長。
○小川広行企画部長 お答えします。
 私立学校に対する支援につきましては、東京都港区や中央区をはじめ千葉市、神戸市などにおいて、ふるさと納税制度を活用し、寄附者自身が特定の私立学校を指定することで寄附できる仕組みを取り入れ始めております。そのうち、東京都港区では港区版ふるさと納税制度団体応援補助金といたしまして、21の学校法人を寄附金の指定先候補として認定し、ふるさと納税により寄附していただいた額の7割を寄附者の指定する学校法人に補助金として交付しております。
 なお、残りの3割は手数料相当額として港区の歳入に収納しており、返礼品は送付しておりません。この制度につきましては、寄附者、私立学校、自治体の3者にそれぞれメリットがあるものと考えております。
 まず、寄附者のメリットといたしましては、寄附額のうち2,000円を超える部分について、所得税や個人住民税から原則として全額控除されるため、実質的に2,000円の負担で自分の選んだ学校を応援することができるものでございます。例えば10万円の寄附を行った場合、東京都港区の例では、寄附者は2,000円の自己負担だけで、自分の選んだ学校に対し7万円の支援を行うことができます。
 次に、私立学校にとりましては、寄附金を活用した教育環境の充実、公益に資する事業や活動、例えばリカレント教育のための市民講座への講師派遣や環境美化活動、学生のボランティア活動、市との協働による授業の開催など、地域との連携をさらに深めるとともに、教育や研究成果を地域へ還元することで社会的な価値の向上につながることができるなどのメリットが考えられます。
 最後に自治体のメリットといたしましては、寄附金の一部が市の歳入として収納されることで財源確保の一助となるほか、私立学校が寄附金を活用して地域の課題解決や市民への還元、本市の魅力創出に取り組むことで地域とのつながりが深まり、将来地域を支える人材育成にもつなげていること。また、卒業後、本市に居住されない場合でも、母校への寄附を通じて思い出の地である本市のサポーターとしてまちづくりへ協力していただくこと、そういったきっかけにもなることから、広がりのある関係づくりが期待されるところでございます。
 今後、実施に当たりましては、寄附金の交付対象とする活動の基準や補助金交付を判断するための実績報告に対する評価方法などの制度設計が重要となってまいります。市内の各私立学校に対しまして丁寧な説明を行い、制度を御理解していただいた上で参画の意向を確認する必要もあることから、他自治体の取組を参考に検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 越川議員。
○越川雅史議員 御答弁にもありましたとおり、実質的に2,000円の負担で自分の選んだ学校を応援することができるというふるさと納税制度の特徴、仕組みを正しく周知できるかどうか、ここが最大のポイントかと思われます。ある学校法人は、既にこのふるさと納税制度を活用して約3,000万円の寄附が集まったようです。学校運営の強力な援護射撃になっているものと推察されます。また、別の学校法人は、こちらは大学も高校も野球が日本一という特徴があり、プロ野球選手も出身大学別ではトップクラスの輩出人数を誇っていて、読売ジャイアンツの監督も複数名輩出していることから、別名野球日本一の学校法人との異名も取っているようですが、こちらも1,000万円弱の寄附が集まったようです。
 制度の周知、これがどんどん進んでいきますと、さらなる資金が両法人に集まることになるというのは必然かと思われますし、その分だけ、窓口になった自治体にも当然恩恵はあるということです。今はまだ数が少ないのですが、これが数年たって同様の制度を導入する自治体が増えてしまえば、それに伴って、本市に寄附されたかもしれない原資が多くの寄附先に分散してしまうということもあろうかと思います。兄弟が3人いて、和洋学園にお子さんが通っていて、ほかではふるさと納税できないけど、和洋にならできる。じゃ、全額和洋に行こうと思っていたら、市川市が悠長に構えている間にほかも始まってしまえば3分の1になってしまうかもしれない、遅れたら逆に取られてしまうかもしれない。この点を指摘しまして、早く始めて、今のうちにいっぱい集められるような工夫をするにこしたことはありません。新年度中に実施できるよう、速やかな対応に期待をして次に進みます。
 2項目めは医療的ケア児についてです。
 医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が令和3年9月から施行されており、学校教育においては、医療的ケア児が医療的ケア児でない児童生徒とともに教育を受けられるよう最大限に配慮しつつ、適切に教育に関わる支援が行われることが求められていることを教育委員会の方々に説くことは釈迦に説法かと思います。しかし、本市の現状に目を向ければ、児童生徒が須和田の丘支援学校や、例えば妙典小学校の特別支援学級に通学するための支援は、県がこのたび令和6年度予算案において示した通学支援制度と比較して必ずしも十分とは言えません。保護者が自家用車を所有していない場合や運転免許証を保有していない場合、あるいは免許は持っていても運転に不安がある場合、通学支援が不十分であるがゆえに通学そのものを断念したり、やむにやまれず近隣都県への引っ越しを決断する御家庭もあると伺っておりますが、こうした状況を看過してよいのでしょうか。
 また、学校給食についても、教育行政運営方針では学校給食を生きた教材として活用した食育と位置づけるとともに、きめ細かな指導を行い、子どもの状況に合った適切な教育機会の提供を図る旨うたっているにもかかわらず、例えば須和田の丘支援学校稲越校舎では、これは小学部になりますが、子どもの状況に合ったきめ細やかな配慮はなく、通常学級の児童と全く同じメニューが提供されております。
 したがって、摂食指導についても、本来であれば発育段階に応じた献立が提案され、これに基づいた摂食指導が学校主体で行われるべきところ、通常学級の児童と全く同じメニューが提供されているばかりか、保護者が都度刻み方などを詳細に申告して何とか食べられるようにするか、あるいは刻むにも限界があり、食べられない場合などには保護者が代替品を用意するなどといった対応が求められていることから、親任せの対応になっているとの声が上がるのもうなずけます。
 本市には文教都市としての特徴は幾つかあるかと思いますが、須和田の丘支援学校の創立に象徴されるように、他の自治体に先駆けて支援教育に力を入れてきたという、れっきとした歴史もあるわけですから、本来であれば、私からこのような指摘を受ける前に自ら先進的な対応をしていただきたかったと苦言を呈し、奮起を促す次第です。
 そこで、教育委員会は特別支援学校、あるいは学級への通学支援と学校給食の現状をどのように評価されているのか御見解を伺います。併せて課題を認識しているのであれば、今後どのように改善を図るのか御説明を求めます。
○稲葉健二議長 藤井学校教育部長。
○藤井義康学校教育部長 初めに、本市の特別支援学校等への通学支援の現状及び課題についてお答えいたします。
 本市に住む児童生徒が須和田の丘支援学校に通う場合、近い場合は徒歩で通学することもありますが、それ以外の場合、市で運行しているスクールバスで通学することとなります。スクールバスには児童生徒しか乗車できませんので、保護者の付添いなどが必要な場合は電車や路線バスなど、公共交通機関の利用や保護者による自家用車での通学となります。公共交通機関や保護者による自家用車での通学に当たっては、特別支援学級に通学する場合も含め交通費やガソリン代が支給され、一定の経済的負担軽減が図られるものの、保護者にとっては大きな負担となっていると考えております。加えて保護者が自家用車を所有していない場合や運転免許証を有していない場合、タクシーによる通学の必要性が認められた場合には例外的に補助が認められるものの、特別支援学級の場合はタクシーの利用を補助対象と認めた例はなく、移動手段が確保できないことを理由に希望する学校への通学を諦めることも考えられます。
 千葉県において、令和6年度から通学に係る保護者の負担軽減に向けて、県立特別支援学校の一部モデル校にて在籍するスクールバスへの乗車が困難な医療的ケア児について、県の負担により、保護者の代わりに看護師等が福祉タクシー等に乗車して送迎を行う通学支援体制が新たにスタートいたします。しかしながら、千葉県において保護者の負担軽減体制が一歩進んだものの、本市の須和田の丘支援学校や特別支援学級に対する通学支援は現状のままとなります。今後は本市に住む保護者の負担を軽減するため、千葉県のモデル事業の実施状況も注視しながら、須和田の丘支援学校に通学する場合に千葉県同様の支援が実施できないか、関係部署と協議しながら検討してまいります。また、特別支援学級に通学する際のタクシー利用に対する補助につきましては、要件を整理しながら認めていくなど、本市でできる通学支援を具体的なケースを基に検討してまいります。
 続きまして、本市の特別支援学校等の学校給食の現状についてお答えいたします。
 まず、現状についてです。特別支援学校や特別支援学級では通常学級と同じ献立を提供しておりますが、一人一人の発達段階に合わせ、滑りにくく、すくいやすい自助食器の使用や、かむ力に合わせて食べやすい大きさにカットするといった対応を行っております。特別支援学校等に通う児童生徒にとっての給食は、そしゃくや嚥下などの食べる機能の発達を促すだけでなく、給食を通してコミュニケーション能力を身につけ、情緒面などの心身の調和的発達の成長においても重要な時間であり、食育の一つでもあります。正しい摂食行動の習慣や拒食、偏食の克服など、児童生徒一人一人課題が異なるため、個に応じた指導や配慮が必要です。
 児童生徒が入学や転入するときには、学校は事前に管理職や担当教諭等が保護者と面談を行い、児童生徒の食べる機能や家庭での食事の様子について伺うとともに、学校での支援の方向について、互いに確認した上で給食指導を行っております。また、発達段階に応じて味や食感に慣れさせたり、口の閉じ方等を確認しながら少しずつ食べさせたりするといった摂食指導を繰り返し、自分で食べられるように支援しております。しかしながら、適切な給食指導を行うために、事前に適切な献立を個別に用意するなどの対応につきましては十分でないことから、保護者に負担をかけていることも認識しております。
 つきましては、今後の取組の一つとして、そしゃくに課題がある児童生徒には舌と上顎を使って押し潰せるように、給食室でさらに手を加えた給食の提供を考えております。また、学校給食を活用した食育の推進に向けて、令和6年4月から特別支援学校における支援食対応ガイドラインを運用し、学校から保護者に発達段階に適した献立を提案するなど、保護者の負担軽減に向けた取組を進めてまいります。今後も特別支援学校等に通う児童生徒が豊かな食生活が送れるよう、一人一人に寄り添った給食支援について検討を進めてまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 越川議員。
○越川雅史議員 御答弁の中で、特別支援学級へのタクシーによる通学についての言及がありました。利用実績がない理由としては、この制度が適用される可能性のある方々に対して十分に周知されていないということが背景にあるのではないかと思います。まずは、適用される可能性のある方々に対し制度の周知を求めます。
 また、せっかくタクシーの利用が認められたところで、タクシーの確保と償還払い制度に基づく立替金の問題が生じることは12月定例会において指摘したとおりです。市がタクシー会社と直接契約をし、いわゆる現物支給の仕組みを構築することにより、タクシーの確実な確保と保護者の負担軽減に努めていただけますよう、学校教育部の取組に期待します。
 そして田中教育長、15年もの長きにわたり教育長職をお疲れさまでした。どこかの自治体には、意味も分からずに是々非々などと口走る議員がいるのかもしれませんが、私は田中教育長に対しても是々非々の立場で臨みました。かれこれ3回は任命議案の採決に臨んだかと思いますが、その時々で任命議案に賛成したこともありますし、反対したこともありました。3年前の任命議案では、記憶によりますと、42名の議員の中でただ1人、田中教育長の任命議案に反対したということが強く印象に残っております。あの投票行動では、教育長に対し私なりの矜持を示すことができてよかったと今でも思っておりますし、さらによかったことは、そうした任命議案の賛否をお互いに乗り越えて、特に田中市政施行後は様々な課題に協力して取り組むことができたということです。
 ということで、思い出話はこのぐらいにして本題に入りたいと思います。お聞きいただきましたように、ただいま学校教育部長との間において質疑応答をさせていただきました。今まで本市も財政的に厳しい局面もあったため、教育現場においても予算の制約があったことは承知しております。また、前市政は教育現場にも悪影響をもたらしたことも理解しております。その結果、本来先進的である本市の教育、市川教育が理想的に進まなかった。それどころか、一部の分野では後れを取ってしまったといったこともあるかと思います。ただ、市政は今変わりつつありますし、財政調整基金も盤石になりました。人口も増加基調になるなど、少し前とは財政基盤も異なってきております。
 加えて、しつこいようですが、令和3年9月からの法の施行を受け、学校教育においては、医療的ケア児に対する配慮が最大限に求められることになりました。つきましては、本市においても医療的ケア児に限らず、特別支援教育のあらゆる観点につき、児童生徒に対して最大限の配慮が実現できているのかどうか総点検するとともに、可及的速やかに最大限の配慮を実現すべきであり、それらを実現するに足る財源的な裏づけも整いつつあると私は考えますが、今後の支援教育の充実に向けた思いにつき、田中教育長に御答弁を求めます。
○稲葉健二議長 田中教育長。
○田中庸惠教育長 それでは、私から御答弁をさせていただきたいと思います。
 まず特別支援教育、それから須和田の丘支援学校のことについてちょっと触れさせていただきたいと思います。昭和32年だったと記憶しておりますけれども、今の須和田の丘支援学校が開校、スタートいたしました。特別支援教育についてはその前から、市川の大きな特色の一つとして特別支援教育に携わってきましたし、須和田の丘支援学校にも支援をしてきたつもりであります。
 そこで、御質問者の御質問に御回答、答弁させていただきますけれども、まずは通学支援でございます。一人一人の子どもたちの障がいの程度、それから家庭の状況等々を十分に思慮した上で、まだ我々としてできることがあるのではないかというような視点を持って通学支援を今後とも考えていかなければならないと、そのように受け止めております。
 それから、給食でございますけれども、給食は、特別支援の子どもたちを見ていますと、やっぱりそしゃくということ、かむことで運動機能を高めるということ。それから、コミュニケーションを通して心の醸成というんでしょうか、人間関係の醸成を図っていくということも必要だと思います。そういう意味では非常に貴重な時間であって、なおかつ食育の一つでもあると、このように思っておりますので、これからおいしい給食、それから安全で安心な同じく給食の提供を図ってまいりたいというふうに思っております。
 いずれにしましても、通学支援、それから給食支援につきましては、保護者の方の負担をできるだけ軽減できるように、これからもしっかりとこの問題に対峙して教育委員会としても考えていきたい、かように考えておりますので、御理解のほどお願いを申し上げたいと思います。
 私からは以上でございます。
○稲葉健二議長 越川議員。
○越川雅史議員 教育長から特別支援教育について、もしかしたら最後の御答弁になるのか、この後御答弁があるのか分かりませんが、御答弁いただきました。
 ラグビーの世界では、縦の明治、横の早稲田という言葉がございますが、市川市の教育について、私は横を見るのではなく、一歩前を見てほしいという思いです。つまり、他の自治体の動向を横目で気にするのではなく、常に一歩先を行く先進的な取組に挑戦し続けてほしいとの思いであります。これを明治大学っぽく表現すれば、前へという言葉になるのだと思いますし、早稲田大学っぽく表現すれば、進取の精神という言葉に置き換わるのだと思います。
 いずれにしましても、今後の改善によって、本市の特別支援教育が医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律の理念を具現化したものとなりますよう、他の自治体に先駆けて法の理想を実現する陸の王者とならんことに期待を寄せまして、次に進みます。
 次は、ハラスメントの撲滅についてです。
 本市が令和3年に全職員を対象に実施したパワーハラスメントに関するアンケート調査の結果では、上司や先輩、同僚からのハラスメントが多かったことが判明していたはずであります。なぜ私がそのような事実を承知しているのかといいますと、前市長が令和3年8月の定例記者会見において、議員によるパワーハラスメントというでっち上げ事件を公表した際に、朝日新聞も毎日新聞も千葉日報も、世間から一流の新聞社であると信頼を寄せられている新聞社はいずれも私に対してもしっかりと取材をし、その結果、前市長の一方的な主張は報道するに値しないという判断をしたにもかかわらず、■■新聞とかいう、二流なのか三流なのか四流なのか、私にとってはよく分かりませんが、この新聞社1社だけがあたかも前市長と示し合わせていたかのように、私に取材することもなく、前市長の一方的な主張をウェブ版で全国に垂れ流した結果、私のもとにはワイドショー、報道番組から取材が相次いで対応を迫られたほか、見知らぬ方からも議員の資質がない、議員を辞めろなどとメッセージが届き、また仕事先でも事実確認を求められるなど、平穏な日常生活を送ることが困難になるような報道被害を被ったという、生涯忘れられない出来事があったわけですが、その記事において、上司や先輩、同僚からのハラスメントが多かったということについても触れられておりましたので、私はこの事実について強烈な印象を持って覚えているという次第です。
 そこで私は令和4年2月定例会において、この点言及し、何事もなかったかのように卒業してしまう上司、9級職がいるのではないかと警鐘を鳴らし、この庁内における上司や先輩、同僚からのハラスメントについてもしかるべき検証が行われ、改善されるべき点は改善が図られるよう求めてまいりましたが、本市はその後において、アンケートに基づく事実確認や調査結果につき公表しておりません。2年に一度、形式的にアンケートは実施されるものの、本市が本気でハラスメント撲滅に取り組むのかどうか、その決意も覚悟も見えないことから、私のところには、恐らく職員からだとは思いますが、職員の間ではハラスメント防止へ向けた本市の姿勢に疑念が生じているといった情報も寄せられているところです。
 そこでまず、本市はこの令和3年に実施したパワーハラスメントに関するアンケート調査結果について、どのように取り扱ったのか、御説明を求めます。
○稲葉健二議長 蛸島総務部長。
○蛸島和紀総務部長 お答えいたします。
 本市ではハラスメントの現状を把握し、今後の防止対策の参考とするため、2年に一度、ハラスメントに関するアンケートを実施しております。令和3年3月に実施したアンケートでは、パワーハラスメントがあるとの回答の割合が前回アンケートに比べ1.4ポイント増加したため、パワーハラスメントに特化したアンケートを令和3年4月に改めて実施いたしました。その結果、加害者として実名が挙げられた管理職員が複数人おり、アンケートの回答内容に具体的な事象等の記載があった案件につきましては総務部長から注意喚起を行いましたが、御質問にありました、被害を受けた者へのヒアリングなどの十分な事実確認や専門家による検証、調査結果の公表は行っておりません。
 以上であります。

○稲葉健二議長 越川議員。
○越川雅史議員 加害者として実名が挙がった管理職数人に対して、総務部長から注意喚起を行った旨の御答弁がありました。被害を受けたとされる方へのヒアリングなどの十分な事実確認はなかったようです。これは匿名ということでできなかったということなのかもしれませんが、周辺を丁寧にヒアリングしていけば分かることもあったんじゃないかなと思います。
 また、専門家による検証、調査結果の公表も行っていないということで理解いたしました。まさに田中市長が御指摘されている、好まざる市役所の慣習、責任回避と事なかれ主義、ここにも現れているものと感じた次第です。
 加害者として実名が挙げられた管理職数人に対し、こっそり注意喚起しただけであるということです。それ以上の対応、令和3年度あるいは4年度も、途中ぐらいまでだったら対応が難しかったであろうことは理解しますが、5年度においては、この対応、できたのではないでしょうか。令和5年度において、しかるべき対応をしなかった結果、このアンケート結果は陳腐化してしまったと言ってもよいでしょう。
 令和2年度から3年度にかけては、財政部において休職者、退職者が相次いでおり、令和3年6月定例会においては、パワハラ疑惑が指摘されていたことを知らなかったとは言わせません。総務部長、あなたは現に総務部長職にあるのみならず、当時から今日に至るまで財政部の実情を詳細に知り得る立場にあったはずです。ハラスメント撲滅のために行動できる立場にありながらも、これに関心を寄せなかったのか、アンケート情報を陳腐化させてしまった責任は大きいと指摘したいと思います。とはいえ、私が今取り上げているのは令和3年度のアンケート結果についてです。今さらこれを蒸し返すよりも、今後のほうが重要です。
 そこで、今後において同様のアンケートを実施する際には、申告の秘密は守られること、報復人事はないことを十分に周知するとともに、職員にははばかることなく申告するよう呼びかけること、調査すべき事案については注意喚起で済ますのではなく事実確認を行うこと、調査結果につき公表すべき事案があれば適時適切に公表すること。いずれも、どこの自治体でもやっている当たり前のことだと思うのですが、これらを実行する、実施すると明言していただきたいのですが、総務部長に御答弁を求めます。
○稲葉健二議長 蛸島総務部長。
○蛸島和紀総務部長 お答えいたします。
 職場におけるハラスメントは、加害者本人の意識の有無にかかわらず職員個人の人格や尊厳を不当に傷つける発言や行動であり、社会的に許されない行為であります。本市においては、職場におけるハラスメント防止は重要なものとの認識に立って、先ほどお答えしましたハラスメントに関するアンケートを実施してきております。今後実施するアンケートにおきましては、加害者として実名が挙げられ、悪質なハラスメントだと疑われる事案であり、アンケート記入者が事実確認の実施を希望した場合には加害者の聞き取りを行うなど、十分な事実確認を迅速に実施いたします。
 また、ハラスメント相談窓口である総務部職員課健康管理担当室に相談が寄せられた場合にも、同様に対応いたします。今後、アンケートの実施や相談窓口の案内に当たっては、申告内容の秘密の保持及び申告による不利益が生じない旨も併せて周知をすることとし、引き続きハラスメントに対して厳正な態度で臨み、適切に対処してまいります。
 以上であります。
○稲葉健二議長 越川議員。
○越川雅史議員 アンケート記入者が事実確認の実施を希望した場合にはというのがちょっと引っかかりますが、御答弁を受け止めました。前市政においては、市長、副市長が議員による職員に対するパワハラ事件をでっち上げるために、部下の職員に対して、部下の意に反する文書の提出を求めたという事件が起こりました。当時の市長、副市長による強烈かつ明白なパワハラ事案であるかと思います。確かに市長も副市長も替わりましたが、総務部長こそ、ハラスメントの撲滅に本気で取り組む覚悟を示さなければ、職員から信頼が寄せられることもないかと思いますし、このようなことが絶対に繰り返されないと、みんな安心することはできないんじゃないかなと思います。
 こうした過去の苦い記憶というか、表現は難しいんですが、こうしたことを二度と繰り返さないためにも、田中市政は前市政とは違うんだと。本市が本気でハラスメント撲滅に取り組む、その決意と覚悟を示し、職員を安心させるということが何より重要だと考えます。
 そこでもう一度伺います。総務部長は、ハラスメントの撲滅に先頭に立って取り組む決意と覚悟があるのでしょうか。仮に、さきに述べた市長、副市長によるハラスメントがあれば看過することなく、その職責と使命感に基づき、ちゃんと注意することができるのでしょうか。あるいは、相手が議員の場合はどうでしょう。仮に議員から職員に対するハラスメントがあれば、議案や予算の承認をもらう以上、私ども執行機関というのはお願いする立場であって、対等とは言えませんなどと情けないことは言わずに、部下を守るために的確に対応できるのでしょうか。総務部長は、相手が管理職だろうが一般職だろうが特別職だろうが、ハラスメント撲滅に向けて、ひとしく厳しく対応できるのかどうか、御答弁を求めます。
○稲葉健二議長 蛸島総務部長。
○蛸島和紀総務部長 お答えいたします。
 先ほどお答えしましたとおり、本市では職場におけるハラスメント防止は重要なものだと認識をしています。これまでも市川市職員服務規程や市川市ハラスメントの防止等に関する要綱において、職員によるハラスメントの防止を明確に定めてきております。職場のコンプライアンスを所管する総務部長がこれらの規定等を遵守するのは当然であり、ハラスメント事案が発生した場合には適切に対処いたします。また、これらの規定等は、市長、副市長などの特別職を対象にはしておりませんが、特別職におきましても、これらの規定等の趣旨に沿った行動をされるものと認識をしております。さらに、議員の方々に対しましては、執行機関と議事機関という二元代表制の趣旨に基づきまして、関係各所と協議の上、適切に対応してまいります。
 このように、田中市長の現体制下におきましては、ハラスメント事案が発生しない職場環境の醸成に引き続き努めていくことを答弁させていただきます。
 以上であります。
○稲葉健二議長 越川議員。
○越川雅史議員 私は、ただいま総務部長に対してハラスメントの撲滅に先頭に立って取り組む決意と覚悟があるのかどうか。仮に市長、副市長によるハラスメントがあれば看過することなく、その職責と使命感に基づき、ちゃんと注意することができるのでしょうかと確認をしましたが、これも好まざる市役所の慣習なのかもしれませんが、市長、副市長はコンプライアンスの趣旨に沿った行動をされるなどといった事なかれ主義的な答弁に終始し、ついぞ注意するとは言いませんでした。何も私は、田中市長や今の両副市長が何かをすると言っているわけではないんです。ただ、現実にこの市川市においては、前市長、前副市長が部下に対して意に反する文書を提出させたという経緯があって、だからこそ、そういうことはさせないと、総務部長として部下を守るんだと言っていただきたかったのですが、非常に残念です。
 市長、副市長という方々が全国どこの自治体においても、常にコンプライアンスの趣旨に沿った行動をされるのであれば結構ですが、人間ですから、時に間違うことだってあるでしょう。聖人君子であって、悪意に基づいて行動する人というのは皆無なのでしょうか。村越前市長が入札情報を漏えいしたことはつい最近のことであるのに、市長が替わってもなお、いまだにそんな事実はなかったかのように、市長、副市長はコンプライアンスの趣旨に沿った行動をされるなどといった、前市長をかばい、前市政をも正当化する答弁を貫こうとされる態度は受け入れがたいです。
 全国の自治体には市長であれ、副市長であれ、不祥事を起こした事例は枚挙にいとまがありませんし、逮捕された事例だってたくさんあったはずです。なぜこの現実から目を背けるのでしょうか。総務部長であるあなたは、仮に市長、副市長が間違った行動をした場合であっても、注意することなく、見て見ぬふりをするのだと理解をしました。これでは、仮に市長、副市長の言動が誤っていた場合、注意する人もいなければ苦言を呈する人もいないという話になってしまいます。だとすれば、牽制機能は弱体化しますし、コンプライアンスの確保もハラスメントの撲滅も心もとなくなるのだと思います。私はあなたの御答弁には納得できませんので、本間副市長、松丸副市長、田中市長に順次伺ってまいります。
 本間副市長、私は今言いましたが、市長と副市長が互いに牽制機能を発揮することがコンプライアンスにも資するかと思いますし、ハラスメントの撲滅にもつながるかと思います。市長、副市長が互いに率直に意見が言い合え、場合によっては注意もできる、苦言を呈することもできるというのが望ましい関係であると考えます。
 そこで伺います。本間副市長は、ハラスメントの撲滅に先頭に立って取り組む決意と覚悟がおありでしょうか。仮に田中市長であれ、松丸副市長であれ、ハラスメント行為が認められれば、看過することなく、お互いなれ合いに陥ることもかばい合うこともなく、その職責と使命感に基づき注意するなり、苦言を呈することができるのでしょうか。
○稲葉健二議長 本間副市長。
○本間和義副市長 御指名でございますので、お答えさせていただきます。
 市川市のハラスメントに対する取組については、おおむね総務部長が御答弁したとおりかと思いますが、私自身のことということでお伺いでございますので、私自身について申し上げれば、このハラスメントについては、自らが行わない、そしてハラスメントさせないというのはもちろんのこと、個別のハラスメントが疑われる事案に接しましたら、その具体の事案それぞれに適切に対応をしていくということで、この職責を果たしてまいる所存でございます。
○稲葉健二議長 越川議員。
○越川雅史議員 本間副市長、ありがとうございます。好まざる市役所の慣習であると、こういう質問をすると、やけに警戒心をあらわにして、何か正面から受け止めず、はぐらかす、ごまかす、こういう答弁が多かったと思いますが、さすが本間副市長、言われたことを別に正々堂々と普通に当たり前の答弁で返すということで、本当に新しいいい風が吹き始めるのかなと期待をさせていただきました。
 では、松丸副市長にも同じ質問をさせていただきます。松丸副市長は、ハラスメントの撲滅に先頭に立って取り組む決意と覚悟がおありでしょうか。仮に田中市長であれ、本間副市長であれ、ハラスメントが認められれば看過することなく、お互いなれ合いに陥ることなく、かばい合ったりすることなく、その職責と使命感に基づき注意する、あるいは苦言を呈するといったことができるのでしょうか。
○稲葉健二議長 松丸副市長。
○松丸多一副市長 副市長の職責ということでありますので、市長を補佐して、それから職員の行う事務を監督するという副市長の職責、これを基に、市川市役所におきましては、一般職はもとより、自分を含む特別職、そして議員の皆様も含めて、一切のハラスメントが行われることがないようにしっかりと取り組んでいきたい、でき得る限りの努力をしたいと思っております。
 以上です。
○稲葉健二議長 越川議員。
○越川雅史議員 両副市長、ありがとうございました。松丸副市長は中からの生え抜きで副市長になられた方で、過去において市の職員OBがなったことが信頼失墜の大きな要因になったかと思っております。これを改善できるのは松丸副市長でしょうという期待、議会もしているからこそ、全会一致で副市長に推挙した経緯があったかと思います。堂々とした答弁をいただきました。これを聞いている方々も安心できるのではないかと思います。
 最後に、田中市長にも御答弁を求めます。両副市長からも御答弁がありましたが、なれ合いに陥ることもかばい合うこともなく、互いに適切に対応するといった旨の御答弁であったかと思います。これは聞くまでもなく、田中市長も同じ認識であると私は理解しております。繰り返しになりますが、前市政においては、市長、副市長による部下に対する強烈かつ明白なパワハラ事案がありましたもので、田中市政は前市政とは違うんだと。田中市長が先頭に立ってハラスメント撲滅に取り組む、その決意と覚悟を示し職員を安心させる、田中市長は前市長とは根本的に違うんだという決意と覚悟を示していただきたいと思います。田中市長は、たとえ相手が議員であれ、副市長であれ、ハラスメントの撲滅に向けて毅然として対応する、厳しい対応で臨むと力強くおっしゃっていただきたいのですが、御答弁を求めます。
○稲葉健二議長 田中市長。
○田中 甲市長 後ほど併せてお答えさせていただきます。
○稲葉健二議長 越川議員。
○越川雅史議員 では、次の項目で同じ質問をさせていただきます。次に進みます。
○稲葉健二議長 越川議員に申し上げますが、先ほどの質問の中で特定の固有名詞を挙げて新聞社名を出されていたと思います。これに関しては、議場での発言としては削除したほうがよろしいかと思いますが、御意見を伺います。
○越川雅史議員 既に何度かこの議場で同様の趣旨を発言してきた経緯と、同新聞社に対しては内容証明を送った経緯もありますので、御指摘を踏まえて、ちょっと今この場ではなく、また改めて御回答させていただければと思います。今日中に。
○稲葉健二議長 基本的にこの議場での先ほどの発言に関して、議長としては、ここでの発言は残すべきではないというふうに考えます。
○越川雅史議員 分かりました。では、それ以上こだわるものではありませんので、仰せのとおりにいたします。
○稲葉健二議長 では、削除ということでよろしくお願いいたします。
○越川雅史議員 はい。
○稲葉健二議長 どうぞ。
○越川雅史議員 これは求めたほうがいいですか。
○稲葉健二議長 先ほどの越川議員の固有名詞の新聞社名に関して削除することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稲葉健二議長 御異議なしと認めます。よろしくお願いします。
○越川雅史議員 では、質問を続けます。最後は3項目めです。順番を入れ替えております。田中市長は、前市政において極限にまで失墜した市政に対する信頼を回復すべく、職務に邁進されているものと理解しております。
 そこで、この信頼回復を成し遂げるためには、前市政を的確に検証し、一つ一つ改善策を講じていくという地道な作業が求められるかと思います。ただ、一つ一つ挙げると切りがありませんので、そこまではいたしませんが、いずれにいたしましても、マネジメント能力の著しい欠如、税金の無駄遣い、危機管理能力の欠如など大きな問題がありました。また、それらのみならず、慣例や庁内秩序を無視した異例の人事、議会軽視の行政運営、御都合主義の答弁姿勢、市長による未公表情報の漏えいなども看過できない問題であったと考えております。
 そこで、田中市長御就任から約2年を迎えるに当たり、これらの点についてどのような認識の下、市政に臨み、前市政と現市政とではどこがどのように違うと考えているのでしょうか。まずは、この点御説明を求めます。
 また、田中市長は施政方針の中では好まざる市役所の慣習について言及されましたが、それらをどのように刷新していくのか伺います。
○稲葉健二議長 麻生市長公室長。
○麻生文喜市長公室長 お答えさせていただきます。
 質問者より御指摘いただきました前市政における税金の無駄遣いや異例の人事異動、議会軽視の行政運営などは、市政運営を行う中で本来あってはならないことであり、先人たちが今まで積み重ねてきた信頼を失墜するという事態を引き起こしたものと認識しております。
 そこで前市政と現市政との違いについてでございますが、初めに異例の人事について、前市政では、急遽年度途中での人事異動や担当理事の設置、定年の延長など異例の人事を行い、疑念や不信感を持たれたことがあったと感じております。
 なお、喫緊の行政課題を解決するために担当理事を設置し、スピード感を持って取り組むことにつきましては前市政も現市政も変わりはございませんが、現市政においては、異例である年度途中の人事異動は行っておりません。
 また、前市政では、かつて御自身が市職員として、経験などに基づき行政に関わる事務について幅広くアドバイスを行う企画政策アドバイザーの登用などを行いましたが、現市政では、特定の分野について専門的な立場から、新たな政策立案への助言及び提言を行う政策参与を登用しているところでございます。
 次に、議会軽視の行政運営についてでございますが、前市政においては、電気自動車の導入や新庁舎の建物完成後に中央階段を設置、また高額な家具の購入、市長室のシャワー設置など、議会への十分な説明もなく実施した事業や議会での説明の後に状況が変わったことを改めて報告しなかった案件など、議会軽視と思われるような行政運営がございました。しかし、現市政では、議会軽視とならないよう、新たな政策を進めるに当たっては正しい情報を適切な時期に報告すること、また、状況に変化があった場合には速やかに議会へ報告するなど、事業を実施するに当たっては慎重かつ丁寧に進めているところであります。
 次に、御都合主義の答弁姿勢についてでございますが、前市政においては、市長自身が答弁を行う旨を発言しているにもかかわらず、一身上の件については一切答弁せず、都合に応じて答弁を行った上、所管部長が答弁する状況が多々ございました。しかし、現市政においては、質問者からの求めに応じて答弁しており、答弁内容が細部にわたる場合は適切な答弁となるよう副市長などに答弁を振ることや、逆に部長答弁に不足がある場合は、質問者からの求めとは別に市長自ら答弁することもございます。
 次に、未公表情報の漏えいについてでございますが、前市政においては、市長自身により工事情報や議会で決まっていない事項など、未公開情報についての漏えいや、議会へ説明する前にSNSや特定の記者への取材による情報の公開などがございました。現市政においては、プレスリリースの際には事前に議員の皆様への周知を徹底するなど、前市政で御指摘を受けたことがないよう取り組んでいるところであります。
 そして最後に、市長が施政方針の中で述べられた好まざる市役所の慣習についてでございますが、前市政においては、知らず知らずに常態化してしまったこともあったと思います。新市政となり、市民目線を重視した角度から見ますと、刷新していかなければならない職員の体質や市政の状況など、多々あると思いますので、一つ一つ刷新していくことが必要だと考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 越川議員。
○越川雅史議員 前市政の問題点、本当は市長が替わる前にそうおっしゃっていただければ仕事がやりやすかったんですが、いずれにしましても、御答弁いただいてありがとうございました。
 3月2日付の「広報いちかわ」では、田中市長の「こうご期待」というコラムの中で、責任回避、事なかれ主義、職員の意欲の停滞、報道陣に対して壁をつくる、市長選挙で職員が核となって現職を支持するといった具体的な慣習が列挙されるとともに、まだ改善点はいろいろあるというお話でした。田中市長、このコラムを書かれた思い、あるいは、ここの書かれたことの説明など、もう少しお話を伺いたいと思いますが、御説明を求めます。
○稲葉健二議長 田中市長。
○田中 甲市長 越川議員からすばらしい市川市をつくるための御質問をるるいただいております。私が最初に申し上げたいのは、職員は職務規程にのっとりまして、市民のために今日よりも明日をよくする、その市川市をつくるために全力で職務を遂行していると、その状態、私は今、正しい市川市の姿がつくり出されていると、そのように思っております。
 ただ、規約に反した行動を取った場合、その責任は私にあります。疑わしき状況があった場合には見過ごすことなく、その場でしっかりと注意をしていかなければいけないというのが今私が感じているところでありまして、例えば市の職員のオン、オフの切替えがしっかりとできずに、気の抜けた状況が見受けられたときなどは、私は指摘をしなければならない立場にあると思っております。また、報告に来る時期が遅れていたり、あるいは報告に来る前に相談という段階が抜けていたり、そういうことに注意をしっかりと、時を逃すことなく、その場で行っていくというのも私の役割だろうと、そのように思っております。
 ただ問題は、職員をそうせざるを得ない状況に直面させてしまうということがあってはならないと。そしてまた、前市長のときには、そのような状況をつくり出していたんだろうということが私の中で想像できました。地方公務員法の第32条「上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。」と。ここに、職員がそのはざまに立たされるということが二度とあってはならないというふうに思っておりまして、しっかりと職務を遂行している職員のことを私は守りつつ、また指導しつつ、しっかりと市政運営を行っていきたいと、そのように考えております。
 越川議員はもうベテランですから、私の37年前の話をするのは失礼かもしれませんが、あるとき、30歳で議員に当選して、しばらく議員活動をしていて、あっ、なるほどこれだと。仕事を遂行していく議員として、市民から受けた要望をしっかりと結果を出していく方法を見つけ出したんです。それは、市民からこういう要望をもらったけども、担当部署の課長、こういう声に応えるにはどういう方法がありますかというように相談をしていただければ、職員は喜んでどういう方法があるか、一生懸命考えてくれると思います。時間はかかるかもしれません。すぐできることもあるかもしれません。しかし、そのように職員と一体となって、市民からの声を議員の皆さん方が職員に伝えていただければ必ずいい方向に進んでいくと、そのように思っております。今後とも皆さん方、また越川議員の御指導をよろしくお願い申し上げ、答弁といたします。
○稲葉健二議長 越川議員。
○越川雅史議員 私も職員にそういうお願いの仕方をしたことがありませんので、新しい提案をいただいたなと。
 最後に、市長、もう一度だけ。相手が議員であろうが、副市長であろうが、ハラスメントの撲滅に向けて毅然として対応すると、その点だけ力強くおっしゃっていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○稲葉健二議長 田中市長。
○田中 甲市長 受け止める側の思いということをしっかりと考えた行動というものをそれぞれ職員が、そしてリーダーであります私が取ることはお約束、しっかりとしなければいけないと思っております。
○稲葉健二議長 越川議員。
○越川雅史議員 ありがとうございます。2年もたって前市政の話をするのははばかられるところではありますが、とはいえ、改めるべき点は改めないといけない。それは90年の中で培われたあしき慣習であっても断ち切らないといけない。昔のことだからタブーとか、今は関係ないということではなく、変えるべき点は変えていかなければならないという思いで、本日はこの質問席に立たせていただきました。多くの示唆に富んだ御答弁をいただきました。私も考えさせられるところが多々ありました。また6月以降も引き続きよろしくお願いします。
 これにて一般質問を終わります。


一般質問 にしむた 勲議員

○稲葉健二議長 にしむた勲議員。
○にしむた 勲議員 一問一答でよろしくお願いいたします。
 まず初めに、地域防災拠点について。
 今年1月20日に市職員と地域の方が参加した総合防災訓練が行われましたけれども、その内容について伺います。
 また、参加者からは、備蓄されているベッドが重くて運ぶのが大変だったという声を聞いていますけれども、今回の訓練で明らかになった課題や、段ボール製のベッドを備蓄することができないかお伺いいたします。
○稲葉健二議長 本住危機管理監。
○本住 敏危機管理監 お答えします。
 今年度の総合防災訓練は、市立小学校39校を会場に小学校区防災拠点協議会委員である地域の皆さんと市職員が連携し、避難所の開設運営訓練を実施しました。この訓練には約700人の地域の皆さんが参加し、職員が施設の安全確認を行った後、担当班ごとに資機材の確認や設置などを行っております。さらに、モデル校と位置づけました真間、八幡、新浜小学校の3校では、避難者役として地元自治会の方や外国籍の方、障がいのある方に参加していただき、避難者の受入れ訓練を実施いたしました。この受入れ訓練では、受付の混雑や避難者数の集計作業の負担軽減を図るため、二次元コードを活用したデジタル受付の検証も行っております。訓練終了後の振り返りでは、防災倉庫内の備蓄品の場所が分かりづらい、資機材の取扱い訓練を増やす必要があるなどの御意見があったことから、さらなる改善が必要であると認識したところです。また、デジタル受付につきましては一定の理解を得ることができましたが、高齢世代の方には入力支援が必要であることが確認できたため、今後の運用について再検討することといたしました。
 なお、今回訓練に使用しましたディスクベッドは少ないスペースで保管できるメリットがありますが、組立てが難しいとの声も伺っていることから、保管場所等の確認を含め段ボール製ベッドの備蓄について検討してまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 にしむた議員。
○にしむた 勲議員 はい、分かりました。
 それでは、(2)の質問に移ります。今回の総合防災訓練の参加者から、参加者の高齢化についての不安があるというお話を伺いました。中学生など、若い人に訓練に参加していただくためにも、中学校で開設訓練を実施する必要があると思いますけども、市の考えを伺います。
○稲葉健二議長 本住危機管理監。
○本住 敏危機管理監 お答えします。
 本市の地域防災計画では、市内で5弱以上の震度を観測した場合、あらかじめ小学校区防災拠点要員として指名されている職員が参集し、地域の皆さんと連携して避難所の開設準備を始めることとしております。そのため、各小学校には地域住民で構成する小学校区防災拠点協議会を設置し、市職員とともに災害対応に向けた協議を進めておりますので、現状では避難所開設訓練も小学校を会場として実施しているところです。しかし、以前は中学校を会場とした訓練を実施したこともあり、中学生など、若い世代にも防災や減災に関心を持っていただくことは重要と考えておりますので、訓練の参加手法などについて研究してまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 にしむた議員。
○にしむた 勲議員 他市では中学校で実施しているところもありますので、ぜひ御検討をお願いいたします。
 続きまして、次の大項目に移ります。京葉瓦斯株式会社との協定の内容について。
 私は協定書を読みましたけれども、秘密保持条項以外は法的拘束力のある内容はないと思います。ということは、何の強制力も義務も期限もないわけですから、協定書を結ばずに協議を進めることと何が違うのか、判然としません。考えられることとしては、協定書を結ぶこと自体が目的となっており、協議によって結論を出すことは双方とも、それほど重要性を置いていないのではないかということです。協定書を結んだことをアナウンスすることで案件が前進するかのような期待、効果を生む、イメージを高める効果を狙うといったことです。市は何のために協定書を結んだのか伺います。
○稲葉健二議長 麻生市長公室長。
○麻生文喜市長公室長 お答えいたします。
 本市では、カーボンニュートラルシティの実現に向けて昨年の10月に京葉瓦斯株式会社と協定を締結いたしました。本協定は、相互が連携し、双方が持つノウハウなどを有効活用した官民連携の取組を推進するもので、地域の課題解決に向けて協力していく意思を明示化したものでございます。このような企業と自治体との連携協定は、本市のみならず全国的にも増えており、地域課題の解決策として一般的な手法の一つであると認識しております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 にしむた議員。
○にしむた 勲議員 はい、分かりました。あんまり意味がないとは思うんですけども、協定書を結んで進めるという方法も一般的だということです。
 それで再質問しますけども、協定書第7条には守秘義務が規定されており、その条文では、本協定が理由のいかんを問わず終了した後も秘密保持の責任を負うとされています。相互協力する意思を形式的に示すにすぎない協定書で、守秘義務の対象となり得る秘密は何を想定しているのか疑問ですけれども、さらには、この守秘義務条項は期限を定めていません。
 私のビジネスの経験では、守秘義務条項に期限を定めないのは異例ではないかと思います。通常は1年とか3年とか、責任が生じる期限を設定するのではないかと思います。本条項は、協定が終了した後も秘密保持条項は永遠に有効となるため、少なくとも本市は知り得た秘密を永遠に管理するコストが発生します。将来的にリスクと管理コストの発生する守秘義務条項に対する市の見解を伺います。
○稲葉健二議長 麻生市長公室長。
○麻生文喜市長公室長 お答えいたします。
 京葉瓦斯株式会社との協定書の第7条に規定しております守秘義務につきましては、連携した活動を進める中で様々な情報を取り扱うことも十分想定されます。このようなことから、法的な拘束力のない協定書であっても、守秘義務に関する規定は双方にとって必要なものと考えており、技術やノウハウの情報を持つ企業と住民に関与する情報を持つ自治体と連携して行う協定において、決して特別なものではないというふうに認識しております。
 なお、このような秘密を保持すべき情報を取り扱った場合については、同条第2項において、協定が終了した後も秘密保持の責任を持つことが規定してあることで、期間に限らず秘密が保持されることになります。このことは、双方にとってはより安全につながるものとして特段不利益になるようなことは生じないものと考えておりますが、連携した活動において情報を取り扱う際には、その都度協議しながら慎重に進めたいと考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 にしむた議員。
○にしむた 勲議員 ただいまの答弁で、期限に限らず秘密が保持されることが双方にとって安全に資する、不利益はないと考えられるということですけれども、この考え方はあまりにもナイーブなんじゃないかなと私には感じられます。万一、本市職員が相手方の秘密を漏えいした場合は、間違いなく相手方は訴訟を起こします。なぜなら、上場企業である京葉瓦斯は、自社の利益が損なわれる可能性がある行為に対して適切に対応しなければ株主から訴えられるからです。株主からの訴訟は、役員など経営者個人に対するものとなる可能性が高いことから、契約の相手方は、個人のリスクとして数億円規模の損害賠償請求を提起されかねないリスクを常に負っているということを前提に、本市としても慎重な契約事務を求めます。同様の契約書をほかでも結んでいるとすれば、一度、企業法務等の実務を専門とする弁護士の見解を入れて検証することを提案いたします。
 次に、(2)の質問に移ります。地域新電力会社の事業計画の内容について伺います。
○稲葉健二議長 品川環境部次長。
○品川貴範環境部次長 お答えします。
 事業計画としましては、設立当初はエネルギーの地産地消を目指しクリーンセンターの余剰電力を購入し、市内の公共施設に供給してまいります。将来的には人口約50万人の本市の特性を生かし、住宅や事業所などの建築物の屋根や屋上を活用した太陽光発電のいわゆる卒FIT電力の買取りなどを進め、市民や市内事業者に供給していくことを想定しております。
 なお、地域新電力会社は本市が目指すカーボンニュートラルの核となることから、将来計画については今後共同事業者とともに詳細を詰めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 にしむた議員。
○にしむた 勲議員 ありがとうございます。当面の事業は、市外に売っていたクリーンセンターの電力を市内に売却するというだけのことであり、地球上のカーボンニュートラルには何ら貢献しないということで間違いないでしょうか。施政方針にうたわれる脱炭素社会の推進やエネルギーと経済の地域内循環を高めるというのは、このことなのでしょうか。市の見解を伺います。
○稲葉健二議長 品川環境部次長。
○品川貴範環境部次長 お答えします。
 クリーンセンターの余剰電力は、これまで市外にも流出していたと考えられますが、地域新電力会社の設立後は、本市の公共施設に供給することでエネルギーの地産地消を実現し、市域の二酸化炭素排出量を削減することができることから、カーボンニュートラルの実現に向け貢献するものと考えております。また、地域新電力会社による電力供給に切り替えることで、これまで市外に流出していた公共施設の電気料金の支出を市内にとどめることができます。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 にしむた議員。
○にしむた 勲議員 後半のほうの将来的な計画のほうについて質問させていただきますけれども、卒FITの買取りを進めるということですけれども、私の理解では、FITというのは電力会社が本来の発電コストより相当高い単価で電力を買い取ることを義務づけられる代わりに、その差額については消費者に対する電力料金に上乗せして回収する仕組みだというふうに考えています。売却先に高く売れる保証のない新電力会社が単独でFITの仕組みを導入すれば、事業性がないことは明らかではないでしょうか。この場合、新電力会社に過半数出資する本市は新会社の債務を引き受けるなど、新たな負担を負わされる可能性が高いと考えられます。市の見解をお伺いいたします。
○稲葉健二議長 品川環境部次長。
○品川貴範環境部次長 お答えします。
 地域新電力会社設立後に地方自治体が経済的負担を負う可能性としましては、電力需給の収支バランスが大きく崩れ、事業継続の支払いに必要な資金が枯渇してしまうことなどが考えられます。他の地方自治体の例では、電力市場からの購入に際し、電力価格の高騰を受けて収支が悪化し、小売電気事業の休止に至った事例があります。その事例では、事業を再開するに当たり、事業内容の見直しに合わせ、出資をしている地方自治体から地域新電力会社に対し補助金が交付されております。本市の新電力会社の場合、将来、卒FIT電気の買取りを進めていく際に、電力調達の買取り価格が売電価格を上回ると収支バランスが崩れ、会社経営に影響を与えることが考えられます。このことから、会社全体の収支を考慮した上で卒FIT電気の買取りを進めていく必要があると認識しております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 にしむた議員。
○にしむた 勲議員 買取り価格を調整するということですけれども、買取り価格を安くしてしまえば自然エネルギーの普及を進めることができないと思いますし、もともとのFITのスタート時点、たしか3・11の直後だったと思いますけれども、スタート時点の価格では、電力会社の発電コストが1kWh当たり7円とか、8円とか、それを42円で買い取っていたわけです。その差額分を全部消費者に付け替えていたわけですね。電力会社は、それは何も言ってなかった。これがそういう制度だったからなわけですけれども、本市では、そういう制度に守られてやるわけではないですから、とにかく安く買えるかどうかも分からないし、それを一般の市内の再生可能エネルギーを買い取って、市内の業者に高く売れるかどうかも分からないと。これでは事業計画として全く成り立ってないんじゃないかなというふうに私は思います。
 施政方針では、地域新電力会社を設立し、カーボンニュートラルを進める市川市の核にしたいとされていますけれども、今の事業計画では事業の継続性、実現性は全くないと判断せざるを得ないのではないかと思います。今後の再検討によって、真っ当な回答が出ることを期待いたします。
 次に、(3)に移ります。カーボンニュートラルへの貢献度、効果の考え方について伺います。
○稲葉健二議長 品川環境部次長。
○品川貴範環境部次長 お答えします。
 地域新電力会社は、令和6年2月にお示しした市川市2030年に向けた二酸化炭素排出量50%削減ロードマップのとおり、市域から排出される二酸化炭素削減の核となると考えております。クリーンセンターの余剰電力の活用や太陽光発電設備の普及を促進していくことで化石燃料由来の電力使用量の削減につながり、二酸化炭素排出量の削減に貢献いたします。また、ロードマップでは、地域新電力会社の運営により、平成25年度(2013年度)に比べて令和12年度(2030年度)には約31万tの二酸化炭素の削減効果を期待しております。
 なお、太陽光発電設備の導入に関しては、環境省が運営するウェブサイトの再生可能エネルギー情報提供システムにおいて、市町村別に導入が可能な量が示されております。この情報を基に、令和12年度までに市内の住宅や事業所などにおおむね50%程度、太陽光発電設備が導入された場合を想定し、削減効果を算定したものであります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 にしむた議員。
○にしむた 勲議員 約31万tの二酸化炭素削減目標達成のためには、市内の50%で太陽光発電設備が導入された状態となるとのことですけれども、市内の半分の住宅の屋根に太陽光パネルが張られることが現実的な目標と言えるでしょうか。そのためには、どれほどのインセンティブをつける必要があるのか。また、必然的に大量のパネルの廃棄物が排出されますけれども、その処理方法まで検討しているのでしょうか。こうした疑問も踏まえて事業計画を見直していただくことを要望して、改めてクリーンセンターに関する質問をさせていただきます。
 クリーンセンターの余剰電力について、ごみを燃やして発電しているので、石炭を燃やしている火力発電とどう違うのか、CO2は発生しているんじゃないかなというふうに素朴に思うんですけれども、これがクリーンなエネルギーだと言える理由を教えてください。
○稲葉健二議長 品川環境部次長。
○品川貴範環境部次長 お答えします。
 焼却に伴う二酸化炭素排出量と余剰電力の二酸化炭素排出量の考え方につきましては、地球温暖化対策推進法に基づく算定方法の中で国が示しております。それによりますと、クリーンセンターにおけるごみの焼却時に排出される二酸化炭素はごみ自体から発生したものであるため、焼却処理による二酸化炭素排出量として換算されます。一方で、この焼却処理時に発生する熱エネルギーを利用して発電した電力については焼却処理の過程で副次的に生じているものであるため、二酸化炭素排出量には換算しないものとされております。これに対し、火力発電により発生する二酸化炭素は化石燃料の焼却によるものであり、焼却に伴う二酸化炭素排出量として換算されます。このことから、クリーンセンターの余剰電力は、二酸化炭素の発生しないクリーンなエネルギーとして扱われております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 にしむた議員。
○にしむた 勲議員 分かりました。ありがとうございます。ごみを焼却するエネルギーはCO2を発生していたとしても、いずれにしてもごみを焼却するわけだから、クリーンなエネルギーだと認められているということが分かりました。
 改めて再々質問なんですけど、クリーンセンターの余剰電力と市内全体の電力消費量を比較すると、どの程度の割合になるのか教えてください。
○稲葉健二議長 品川環境部次長。
○品川貴範環境部次長 お答えします。
 クリーンセンターにおける余剰電力量は年間約2,800万kWhとなります。一方で、市内全体の電力消費量は、地球温暖化対策実行計画の区域施策編における二酸化炭素排出量の算出手法を用いると年間約18億から20億kWhと推定されます。このことから、クリーンセンターの余剰電力が市内全体の電力消費量に占める割合は約1から2%程度となります。地域新電力会社の設立当初は、市内の電力消費量に対する供給量は少ないものの、将来的には卒FIT電気などを活用し、電力の取扱量を増やすことでエネルギーの地産地消にさらに貢献できるものと考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 にしむた議員。
○にしむた 勲議員 クリーンセンターの余剰電力は全体の1~2%ということでした。当初の事業計画でクリーンセンターのエネルギーを買って地産地消をやったとしても、98%は今のままということです。私は太陽光パネルを増やすことに税金を投じるより、グリーンテックと呼ばれるベンチャー企業や、場合によっては地元の大企業とも組んで新しい技術やプロジェクトを支援することのほうが、 手間や時間はかかるかもしれませんが、将来につながる政策だと考えています。
 欧州では、政府が強力にグリーンテックのスタートアップを支援しています。また、米国でもバイデン政権の柱の一つとしてグリーンテック投資を行っています。最近、我が国でも、グリーンテックの分野で有望なスタートアップベンチャー企業が生まれています。こうしたところと実証実験や新しいプロジェクトに協力して取り組むなど、そういったことを要望して次に移ります。
 次に、教育委員会について。
 地域住民に対する役割を果たす上で教育委員会で実質的な議論が行われているのか、教育長と事務局が決めたことを単に追認しているだけではないかという問題が指摘されることがあります。他の審議会等でも形骸化の問題はあるかと思いますけれども、教育委員会は一定程度独立して政策決定を行う権限を持つ執行機関ですから、首長の補助機関とは影響力や重要性が全く異なります。例えば学校の長期休業の決定は、学校教育法施行規則により教育委員会の権限で決めることになっています。新型コロナウイルスの影響で学校をどの程度休暇にするのか、このような重要な決定に教育委員会がどれほどコミットをしたのかということは市民生活に直接影響を与える問題です。
 そこで、本市教育委員会の議論がどの程度活発に行われているかについて伺ってまいります。
 教育委員会制度は数次にわたる改正が行われているわけですけれども、直近の2014年の制度改正で教育長の権限強化がされています。そして、同時に教育長のチェック機能を高めるため、強化するために、教育委員は教育長に対して、教育委員会会議の招集を求めることができるようになりました。本市で、これまで教育委員から教育委員会会議を招集要求した実績があるのかお伺いいたします。
○稲葉健二議長 板垣生涯学習部長。
○板垣道佳生涯学習部長 お答えいたします。
 教育委員からの会議招集の請求につきましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律が平成27年4月1日に改正され、行うことが可能となったものでございます。本市教育委員会におきましては、教育委員から教育委員会会議の招集を求められたことはございません。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 にしむた議員。
○にしむた 勲議員 これまで教育委員から教育委員会の招集を求めたことはないということです。
 それでは、例えば令和5年度の教育委員会会議において、教育委員はどれぐらい発言しているのかお伺いいたします。
○稲葉健二議長 板垣生涯学習部長。
○板垣道佳生涯学習部長 お答えいたします。
 令和5年度の教育委員会会議は令和6年2月末日現在で11回開催され、79件が議題となり、そのうち教育委員から質問や意見がなされたのは13件でございます。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 にしむた議員。
○にしむた 勲議員 分かりました。79件の議題に対して、意見や質問が13件ということです。11回の開催で、委員の発言は1回につき平均1度ぐらいしかないということですから、とても活発な議論が行われているとは思えません。
 教育委員会の発足時からの原則で、いわゆるレイマンコントロールということで、教育を本業としない識者が委員として参加し、住民統制を行うという方法が踏襲されていますから、教育委員に専門的な議論を求めることは酷だということも分かりますけれども、とはいえ、この程度の議論しか行われていないとすれば、レイマンコントロールが機能しているのかどうかということさえ疑問が生じ、教育長と事務局が決めたことを単に追認しているだけではないかというそしりを免れないと思います。
 私は改善策として、教育上の重要案件について、教育関係者との意見交換や地域住民の意見を聞く機会を増やし、教育委員一人一人の主張や活動状況をできるだけ公表するなどの検討を要求します。地域住民は学校教育に大きな関心を持っており、教育委員会の情報を詳しく知りたがっています。できるだけ地域住民と教育委員との対話の機会を増やすとともに、情報公開など行政の透明性を確保し、住民の理解と協力を求めていくことを期待して次の質問に移ります。
 (2)教職員の市町村に対する帰属意識が弱いという指摘がありますけれども、この点について分析、対策について教えてください。
○稲葉健二議長 藤井学校教育部長。
○藤井義康学校教育部長 お答えします。
 教職員の市町村に対する帰属意識が弱いとの意見は、文部科学省中央教育審議会における委員の発言として認識しています。要因といたしましては、小中学校が市町村立でありながら、そこで働く教職員の人事権が都道府県教育委員会の権限とされていることが挙げられます。また、数年間のコロナ禍により地域と学校を結びつける活動が制限されたことから、教職員と地域とのつながりが希薄になっていることも実態としてあるものと考えます。市町村に対する帰属意識を高めるためには、学校による地域の人材活用や地域行事、地域の会議への参加も含め、地域との密接な関係をつくることが大切ですが、本市は歴史的にも学校と地域の結びつきが強く、地域の人材が教育活動に協力してくださっているので、教職員の市に対する帰属意識は高いものと思われます。
 また、人事面におきましても、教職員の資質、能力向上の観点から他市での教職経験も推奨しておりますが、基本的には市川市に戻り、最後は市川市で職務を全うするため、多くの教職員が市川市の職員という意識を持って勤務に当たっています。今後も家庭、学校、地域が協力して子どもを育てる取組を進め、教職員の市川市に対する帰属意識の醸成に努めてまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 にしむた議員。
○にしむた 勲議員 本市では、この問題はあまり問題になっていない、うまくいっているということが分かりました。
 次に、(3)の質問ですけども、本年2月12日の新聞報道によると、名古屋市教育委員会が教員団体から提出される校長らの推薦名簿とともに金品を受け取っていたと報道されています。名古屋市河村市長は、第三者を含む調査委員会を発足させると発言しています。本市では、同様の金品の授受が行われていないか。校長候補者の名簿の提出などはあるのか。教育委員会の資金管理状況及びこのような問題に対する対策についてお伺いいたします。
○稲葉健二議長 板垣生涯学習部長。
○板垣道佳生涯学習部長 教育委員会における金品の授受といたしましては寄附によるものがございますが、寄附を受ける場合には、本市の手続にのっとって、歳入予算や物品等として受け入れ管理しており、これによらない金品の授受はございません。また、教職員団体から校長に推薦する教員名簿の提出も受けておりません。したがいまして、名古屋市教育委員会の事案のようなケースはございません。
 次に、このような問題に対する対策につきましては、教職員に対しまして校長会議や教頭会議、学校内での研修など、また教育委員会事務局職員に対しましては、人事評価のフィードバックや全庁的に行っているコンプライアンス研修などを通じて、日頃からコンプライアンス意識の向上を図っております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 にしむた議員。
○にしむた 勲議員 はい、分かりました。本市では、このような問題はないということを明言されて安心いたしました。
 次の大項目に移ります。子育て支援についてですけれども、本市が実施する第2子以降の保育料無償化や学校給食無償化は所得制限を設けずに実施しています。制度の効果を図るべき目的と予算上の影響額を伺います。
○稲葉健二議長 鷺沼こども部長。
○鷺沼 隆こども部長 お答えいたします。
 第2子以降保育料無償化は、2人目を望む夫婦の夢を後押しすることで子どもの数の増加を目指し、さらには子育て世帯の定住促進も期待して実施したものであります。
 なお、影響額は年間約6億円と見込んでおります。
 学校給食費の無償化につきましては、教育活動の一つである給食費にかかる費用を市が負担することで、家庭環境に左右されることなく、子どもたちが安心して給食を食べることができます。
 なお、本事業に係る経費として、令和6年度当初予算においては学校給食費約18億6,000万円を市が負担しております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 にしむた議員。
○にしむた 勲議員 目的と予算額は分かりました。学校給食の無償化については、目的がいま一つクリアにならないんですけれども、貧困対策であるとか少子化対策という言葉は今出なかったので、そこはあまり重視されていないということなのかなというふうに思いました。
 少子・高齢化は我が国が抱える最大の課題であり、岸田政権も異次元の子育て政策を掲げて、子育て支援の拡充には誰も反対しづらいし、私も少子化対策自体は結構なことだと思います。しかし、限られた財源を投入して行う政策である以上、政策目的を明確にした上で効果を検証し、適切な評価の上で議論することが不可欠です。税や社会保障料等の所得に占める割合を示す国民負担率、これは2023年の我が国では47%です。簡単に言えば、所得の半分は税や社会保障料で持っていかれる状況にあるということです。どこの家計も大変厳しい状況にあります。
 江戸時代では、五公五民で百姓一揆が起こったとされています。5が年貢で取られて、5が民に戻されたと。これで起こったと。四公六民ではぎりぎり大変だったけれども、農民は頑張っていたと。しかし、五公五民になって一揆が起こったということなんですけれども、現在はまさにその五公五民の状況にあるわけです。この貴重な税、限られた財源をどこに優先的に配分すべきか、慎重な判断が求められることは言うまでもありません。
 少子化の原因を結婚前と結婚後に分けて考えると、結婚後より結婚前のほうがはるかに重要なことが知られています。未婚率が一貫して高まっていることは知られていることですけれども、既婚カップルの出産状況はどうかというと、結婚後15年から19年経過した夫婦の平均的な子ども数を完結出生児数といいますけれども、この数値は70年代まで低下した後、長期にわたって2人台を維持してきました。直近の21年は1.90まで低下していますけれども、出生率の1.3は大幅に上回っています。
 要するに日本では、結婚さえすれば、平均的に2人近い子どもを産み育ててきたという事実で、少子化の主因は結婚前にあるということです。また、日本の少子化対策については不都合な真実があります。政府として、最初の対策であるエンゼルプランから約30年間、数多くの少子化対策が策定されてきました。これまでの対策は、簡単に言えば子育て世帯のニーズに応える子育て負担を軽減する政策です。待機児童ゼロ政策や2019年の安倍政権の看板政策、幼児教育・保育の無償化も、結果的には出生率反転には結びついていないと言わざるを得ません。
 韓国の事例は興味深いと思います。2000年頃、出生率が1.5を下回り、政府は第1次育児支援策を発表。一定以上の企業に保育施設設置を義務づけ、無償保育の所得制限を撤廃、女性が出産後も働き続けられるように短時間勤務制度を導入し、男性の育児休業取得を奨励、全ての公立学校で既に給食が無償化されています。
 このように、日本の異次元の少子化対策に匹敵する政策を2000年代に入ってから展開してきましたが、出生率は2021年0.81、2022年0.78と、1を下回る水準になっています。自治体の子育て政策が少子化対策にどれほど有効かという点について、首長の個性などにもよってメディアの報道が偏っている点があると思います。メディアでよく取り上げられる兵庫県明石市や千葉県流山市の出生率はいずれも1.58で、確かに平均よりも比較的高いとは言えるのですけれども、あまり注目されていない自治体でも人口規模が大きく、出生率が高い自治体はほかにたくさんあり、人口増加率、出生率のランキングでは、両市はいずれも上位25%にも入っていません。所得制限のない保育の無償化の問題点は恩恵が高所得層に偏るということがあります。所得の低い層では月数千円の負担軽減となるのに対し、所得の多い世帯では月数万円の負担軽減となります。先ほどちょっと触れた無償化を実施した韓国では、無償化で高所得層の早期教育が増え、教育格差拡大につながったとも指摘されています。
 本市の保育料の収納率はほぼ100%であり、給食費は無償化される前から生活保護世帯、住民税非課税世帯は無償となっています。所得や子どもの数に応じて利用料を支払う応能負担はうまく機能していたと言えます。財源の制約が強まる中で経済的な負担感の少ない高額所得層に多額の財源を投じることの正当性は見いだしにくいと考えます。なすべき政策は、幼児教育無償化のような教育の需要サイドに働きかける再分配政策ではなく、この再分配政策自体が逆進的なことは先ほど申し上げました。そのことより、子どもの将来に好影響をもたらす質の高い幼児教育を実現するための投資だということを指摘して、次の質問に移ります。
 (2)貧困状態にある子どもへの支援策として、現金給付は1つの方策だと考えますけれども、貧困家庭に対する現金給付の現状と今後の課題を伺います。
○稲葉健二議長 鷺沼こども部長。
○鷺沼 隆こども部長 お答えいたします。
 貧困状態にある子どもへの支援策としましては、国の制度に基づき、低所得のひとり親家庭などに対して児童扶養手当として給付しております。支給額は所得と養育する人数によって変動いたしますが、児童1人当たり約4万4,000円、2人目は約1万円、3人目以降は約6,000円ずつ加算されます。令和6年度当初予算に扶助費として約8億円を計上しております。貧困状態にある子どもの支援につながる経済的負担の軽減につきましては、現金給付のほかに食品など、特定の商品にのみ使用できるクーポンの配布やサービス提供などによる現物給付など様々な方策がございます。本市では、第2子以降の保育料無償化や学校給食費の無償化は、子どもの成長に応じた必要な経済的支援を行っていることから貧困対策の一助にもなっていると考えております。
 なお、貧困状態にあるひとり親家庭への支援の在り方については、今後も国、県の動向や社会状況などを注視し、他自治体の先進事例を調査研究していく必要があると考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 にしむた議員。
○にしむた 勲議員 私が昨年9月定例会で質問した際の答弁ですけれども、本市が小中学校の保護者を対象として行った実態調査で、過去1年以内にお金が足りなくて家族が必要とする食料を買えなかったことがあるかとの質問に、1割近くの世帯があると答えています。保育無償化も給食無償化も、家庭の支払いが減るという意味で現金給付と似ている、同じ効果がある政策だと思います。どんなに所得が高い世帯にも給付が行われています。併せて年間、先ほど答弁いただきました24億6,000万円の予算が使われている。
 一方で、本市にも食べたいものが買えないではなくて、家族が必要とする食料を買えない家庭が1割程度存在している。食料が買えないという世帯に対する給付の予算は、当初予算で8億円と今答弁がありましたけれども、これは国の補助が3分の1あるので、実際、本市の負担額は5億3,000万円程度です。所得が高い世帯にも配る給付に24億6,000万円が使われ、本当に困っている世帯、多くは独り親の子育て世帯ですが、こちらに対する予算が5億円程度というのは優先順位が間違っているんじゃないでしょうか。このことを指摘して次に移ります。
 次の大項目ですけれども、地域通貨について。先順位者でも御答弁いろいろありましたけれども、実証実験では、事業費を上回る経済効果が認められたとしていますけれども、これは30%のプレミアムポイントを付与したことによる当然の結果であり、プレミアムポイントを付与しなければ全く違う結果となっていたと思いますけれども、市の見解を伺います。
○稲葉健二議長 根本経済観光部長。
○根本泰雄経済観光部長 お答えします。
 今回の実証実験では、デジタル地域通貨を市民の方に利用していただくため、さらには消費の関係を図るため、プレミアムポイントで強いインパクトを打ち出し、事業の周知を行いました。プレミアムポイントを付与しない場合の経済効果につきましては、デジタル地域通貨の検証を行う上で1つの評価基準になるものと考えますが、今回の実証実験とは異なる条件の下で改めて試算をする必要がございます。
 以上でございます。

○稲葉健二議長 にしむた議員。
○にしむた 勲議員 もう終わってしまったことなので仕方がないと思いますけれども、同じような御意見だということです。
 (2)に移ります。デジタル地域通貨の目指すべき方向性が私は不明確なのではないかなというふうに思います。地域経済活性化ということであれば、デジタル通貨が流通して使われなければ意味がないわけですけれども、電子決済の手段は既にたくさんあって日本中で使えるわけですから、ユーザーから見て、市川市だけで利用可能なICHICOに換金するメリットは、もしプレミアムがついているとすれば、そのプレミアム部分しかないわけです。永遠にプレミアムを付与することは財政的な制約から当然できないわけで、その時点でICHICOの命運は尽きるのではないでしょうか。
 また、行政ポイントとの連動を目指すのであれば、私は何もコストをかけてICHICOをつくる必要もなく、今後の運営コストもかかるわけですから、広く流通している民間の、例えばTポイントやPontaのようなポイントを付与すればいいのではないでしょうか。そうすると、市川市の外で使われてしまうという問題がありますけれども、飲食店や小売店の側でも、行政ポイントをメインとして、大して流通総額の大きくないポイントのために決済端末などの対応を継続することは、手間やコストの面から考えて可能性は低いのではないでしょうか。したがって、一定のシェアを獲得しているプラットフォーム的なTポイントなどを活用することが合理的な結論になると思われます。
 私は以前にも指摘したように、新しい市民のデジタルインフラとしてICHICOを位置づけて、ぜひとも導入すべきだと考えています。そのために、ブロックチェーン技術を基盤として独自開発した地域通貨を流通させるべきだと思っていますけれども、市の見解を伺います。
○稲葉健二議長 根本経済観光部長。
○根本泰雄経済観光部長 本市のデジタル地域通貨は地域経済と市民活動の活性化を目的としておりますが、この2つを合わせて活性化できる点がこの事業の特徴であります。昨今、多くの自治体がデジタル地域通貨の導入を進めており、地域の特性に見合った政策目的と活用方法が考案されていくものと考えます。今後、先進事例の調査研究を進めてまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 にしむた議員。
○にしむた 勲議員 ぜひ研究を進めていただきたいと思います。
 石川県珠洲市、今回、被災に遭われた地域ですけれども――の公表したデジタル地域通貨は、北國銀行と組んでステーブルコインとして発行するとしています。同市の資料によれば、ブロックチェーン技術を活用したセキュアなネットワークを低コストで構築しており、ユーザー間の資金移動、店舗決済が低コストで実行できるとしています。ステーブルコインは通貨と同等ですから、当初は市内で利用できる環境を整えるということですが、将来的には市外への流通も想定しています。資料によれば、この事業費は1億3,000万円です。ステーブルコインの発行は北國銀行が行うとはいえ、本市の昨年行った実証実験レベルの予算で開発できるということが分かります。
 日本は世界に先駆けてステーブルコインの法整備を行い、昨年6月以降、発行が認められています。Web3関連の決済手段として今後拡大が期待されており、地域活性化のシーンでは、例えば山古志地域ではNFTアートの購入者をデジタル山古志村の村民として認め、既に実際の村民より多い登録者となっています。地域活性化に関する議論や行政への政策提言を行える仕組みのほか、メタバースによる地元イベントの体験なども実施しています。ふるさと納税による本市が抱える減収問題でも、本市住民税納税者にNFTを発行して付加価値を付与するなどの利用価値もあると私は考えています。こうした、今後拡大するデジタルインフラの入り口として活用するために私は地域通貨に期待しているところですので、中途半端なものではなくて、しっかりと将来像を見据えた開発を要望して、この項は終わります。
 次の大項目ですけれども、宿泊税について、浦安市は導入するということを発表していますけれども、本市で宿泊税を導入した場合の収入額はどれぐらいになるのか伺います。
○稲葉健二議長 根本経済観光部長。
○根本泰雄経済観光部長 お答えします。
 宿泊税につきましては、浦安市が2025年度以降での導入を目指すとしたこと及び千葉県でも有識者研究会の提言により、早期導入を目指して検討会を設置することとしたものと承知をしております。令和3年の千葉県観光入込調査では、本市の宿泊客総数は約9万人であり、税収の試算に当たり、仮に宿泊者から1人1泊100円を徴収するとした場合、約900万円の税収となることが見込まれます。本市にも複数の宿泊施設があることから、宿泊税の導入につきましては千葉県の動向を注視していきたい、そのように考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 にしむた議員。
○にしむた 勲議員 本市で導入したのは900万円程度。現状では、その程度だということです。私は、それでも導入する意義があるというふうには思っています。今後、本市でも宿泊施設、ホテルなどが増えていく可能性もありますし、宿泊税などを導入するのは総務大臣の認可が要るというふうに承知しています。この場合、浦安市と一緒になって導入したほうが導入しやすいのではないかと思いますので、この機会に本市もぜひ導入を検討していただくことを要望して次に移ります。
 (2)についてですけれども、本市はふるさと納税によって数十億円規模の減収と税収減となっていることは知られているところです。税収が減るということは市民サービスがそれだけ低下しているということでありまして、非常に大きな問題だというふうに私は思います。税収が足りない場合に通常考えるのが超過課税というのがあって、通常の税率よりも少し高くすることができるということで、それでも足りなければ、今の宿泊税のような法定外税、法定税以外の新しい税目をつくることができるということになっているようです。
 私は、まず超過課税について本市は実行しているのかどうかお伺いいたします。
○稲葉健二議長 田中財政部長。
○田中雅之財政部長 お答えいたします。
 超過課税の導入についてでございますが、本市におけます超過課税の実施状況といたしましては、昭和50年10月より、法人市民税の法人割におきまして超過課税を実施しており、この超過課税による増収の影響額は令和4年度決算ベースで申し上げますと約3億2,000万円の増収となっているところでございます。
 なお、この法人市民税以外に超過課税の適用が可能な税目といたしましては、個人市民税、固定資産税、軽自動車税についても超過課税の適用が可能となっておりますが、本市の予算規模に占める市税収入の割合ですとか、市民1人当たりの市税負担額の状況などを踏まえますと、これらの税目による超過課税の導入は難しいものと考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 にしむた議員。
○にしむた 勲議員 分かりました。超過課税については、今のところ、もうできることはやっているということなので、あと可能性としては、先ほどの宿泊税のような法定外税ということになるかと思いますけれども、私は市川市の湾岸地域にある大規模倉庫に対して、環境負荷の観点から物流倉庫を往来するトラック、これは市川市内へ配送する目的はごく少数で、主に首都圏各地への配送が目的だと思われます。倉庫があるために市川市を往来し、本市への環境負荷をかけているわけですから、通行税などの法定外税をかける余地があると思います。大規模倉庫については、固定資産税は払っていますけれども、減価償却とともに、これは減少していきます。広大な場所を使って、法人税は本市に貢献していない。工場も同様ではありますけれども、一定の正規雇用を生む地域に対する効果をもたらします。倉庫はほとんど非正規の雇用しか生まないので、地域の雇用に貢献しない上に周辺の飲食業や小売業への波及効果も期待できません。市川塩浜駅周辺の商業施設の状況を見れば分かるのではないかと思います。
 法定外税は政策税制として利用されることも多いことを勘案すれば、政策目的としても検討に値すると考えますけれども、見解を伺います。
○稲葉健二議長 田中財政部長。
○田中雅之財政部長 法定外税の導入に当たりましては、各自治体における特有の行政課題の解決を図るための手段として税で対応することがふさわしい場合におきまして、税の原則であります公平性や中立性などを十分に検討した上で導入が可能となっております。
 そこで本市の現状を鑑みますと、法定外税を導入しなければ解決できないといった本市特有の行政課題が現時点で存在するとは捉えていないため、新たに法定外税を導入することにつきましても困難な状況であると考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 にしむた議員。
○にしむた 勲議員 かつて石原都知事の時代に、東京都はトラックの通行税というのを導入したことがあったと記憶していますけれども、私の提案したような倉庫に対する税というのは似たようなものであり、環境面で市川市が負担を被っているわけですから、全く検討の余地がないというのは、そんなことはないんじゃないかなと私は個人的には思いますけれども、この質問はこれで終わります。ぜひ今後知恵を絞って市民サービスの低下を防ぐために様々な可能性を探っていただくことをお願いいたします。
 次に、最後の大項目ですけれども、本八幡駅前再開発について。周辺地域の景観や環境に与える影響とその対策について、どう考えているかお伺いいたします。
○稲葉健二議長 小塚街づくり部長。
○小塚眞康街づくり部長 お答えします。
 本再開発事業では、歴史のある八幡一番街を駅と周辺の町をつなぐ景観軸として位置づけ、にぎわい通路として同じ場所に配置しています。また、再開発事業で整備される通路や広場には連続的かつ多層的に緑化空間を創設しています。ほかにも周辺の再開発地区の建物と形態や色彩の調和を踏まえるなど、本八幡のイメージを高める景観形成としています。さらに、建物の配置について、後背地にある住宅地に配慮して北側の建物の高さを低くする計画としています。
 自然環境への影響としましては、主にビル風が挙げられます。当該再開発事業によるビル風については、再開発事業の検討時にコンピューターシミュレーションによる風環境評価を行い、一般的な住宅街として許容できるランク2の風環境という結果となっております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 にしむた議員。
○にしむた 勲議員 再質問しますけれども、今答弁にあったランク2というのはどのようなものなのか、詳細をお伺いいたします。
○稲葉健二議長 小塚街づくり部長。
○小塚眞康街づくり部長 お答えします。
 ビル風の風環境評価方法の代表的な方法である村上方式において、風による影響の程度を実質4段階に分け、ランクの数字が大きいほど風の影響が強くなります。住宅街や公園で許容されるのはランク1からランク2までとされており、ランク2とは、日最大瞬間風速が1秒当たり10mの風が年間で80日以下、10mの風が13日以下、20mの風が2日以下とされています。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 にしむた議員。
○にしむた 勲議員 既に本八幡駅前には高層マンション、ビルが建っていますけれども、このときもシミュレーションではランク2だったというふうに伺っています。その後、実際にランクが幾つぐらいの風が吹いているのか、私はすごい強風だというふうに思いますけれども、それについて事後調査しているのかどうかお伺いいたします。
○稲葉健二議長 小塚街づくり部長。
○小塚眞康街づくり部長 お答えします。
 本再開発事業では組合施行であることから、今後、組合が行う実施設計により、建物の高さや配置等が決まります。風環境の検証につきましては、実施設計の進捗に合わせ、コンピューターシミュレーションよりも精度の高い模型による風洞実験を実施し、ビルの配置や防風植栽の配置を計画します。再開発事業後の風環境の検証は法的な規定がないことから行っておりませんが、市は現況を把握しており、強風の日には歩行者の安全や防風植栽の状況などを確認するために随時パトロールを行っております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 にしむた議員。
○にしむた 勲議員 事後のランク調査もぜひやっていただきたいというふうに思います。
 次に(2)ですけれども、本事業に対して市は補助金を出すということですけれども、総額で幾らの補助金を出すのか。それがどのように市民に還元されるのか伺います。
○稲葉健二議長 小塚街づくり部長。
○小塚眞康街づくり部長 お答えします。
 再開発事業に関する補助金の対象となるものは国で定めており、主なものとして、測量調査や建築設計などの調査設計計画費、解体費や補償費などの土地整備費、建築工事や供給処理施設整備などの共同施設整備費があります。これらの補助対象に対して、現時点の計画で、本市が支出する補助金の総額の概算は約110億円であります。本再開発事業により、駅周辺の建築物の不燃化や道路拡幅による防災性の向上、駅利用者及び来街者の利便性や快適性を含めた都市機能の向上、広場の整備によるにぎわいや憩いの場などが創出されます。このように、本事業は単なる高層ビルの建築ではなく、市民や周辺地域に貢献し、公益につながるものであります。引き続き準備組合に対し、地域に貢献する事業となるように指導してまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 にしむた議員。
○にしむた 勲議員 今の話では110億円もの補助をするのに効果が具体的に示されていないというふうに思います。今後、ぜひ具体的な効果を市民に示せるようによろしくお願いいたします。
 そして最後の質問ですけれども、今回のプロジェクトについて、地域住民にはどのように説明されたのか。何件に説明会の案内を送ったのかだけ教えてください。
○稲葉健二議長 小塚街づくり部長。
○小塚眞康街づくり部長 お答えします。
 事業に対する説明会は、令和5年3月に準備組合の主催で2回、7月に本市の主催で2回実施しております。準備組合の説明会の開始の周知につきましては、本地区の北側の約240mの範囲内で、日影の影響がある範囲の約2,000件にお知らせしております。市の説明会の周知は「広報いちかわ」や公式ウェブサイトに掲載し、広く周知しております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 にしむた議員。
○にしむた 勲議員 2,000件というのは少ないというふうに思いますので、今後、ぜひ八幡地区全体とは言いませんけれども、もっと多くに周知のお願いをいたします。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。


午後0時5分休憩


一般質問 石原よしのり議員

午後1時開議
○稲葉健二議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第1一般質問を継続いたします。
 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 石原よしのりです。早速、一般質問を始めさせていただきます。
 最初のテーマは防災についてです。
 今年1月1日に発生した能登半島地震の犠牲者の御冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げます。
 また、昨日は東日本大震災から13年となる3月11日でした。13年たっても、いまだに苦しんでいる方々もいらっしゃいます。被害を受けた方々の平安と被災地の未来につながる復興を願っています。
 今回の質問では災害用トイレについて取り上げます。
 能登半島地震では多くの家屋が倒壊、損傷し、避難者の数も一時3万人を超えました。また、自宅で避難している方も停電や断水に加え、必要なものが簡単に手に入らないという厳しい状況を余儀なくされました。もちろん大地震発生直後は、一人でも多くの命を救うための救出、救急作業が優先ですが、その後は被災者の支援に重点が移ります。安全な場所を確保し、必要な水、食料を提供し、冷暖房などで快適に過ごせる状況をつくることも重要となります。行政としても、この段階では休む間もなく全力を挙げて対応しなければなりません。被災者は当面、不便で大変な避難生活を余儀なくされます。
 過去の大地震の際の被災者のアンケートで、避難生活で何に困ったかという項目の一番だった回答はトイレだそうです。避難所では仮設トイレなどを設置して対応しますが、トイレの数が足らない、一旦建物の外に出なければならない、汚い、和式でしゃがめない、段差があり体の不自由な方が使えないなどの問題が指摘されています。また、自宅で在宅避難される方にとっても、断水や下水管の損傷で当面は自宅の水洗トイレを使うことができなくなることがあります。人間、排せつをしないわけにはいきません。そうすると、トイレに行く回数を減らそうと水分を取るのを控えてストレスをためたり、体調を損なう方も出てきます。災害時のトイレ問題は深刻だと言わざるを得ません。
 そこで、まず、本市は災害時のトイレ問題についてどのように認識しているのか伺います。
○稲葉健二議長 本住危機管理監。
○本住 敏危機管理監 お答えします。
 これまでも災害が発生し、水洗トイレが機能しなくなると排せつ物の処理が滞り、不衛生になることで水分や食事を控え、健康障がいを起こした事例が報告されております。このように、トイレは食事や睡眠と同様、命に密接する日常生活に欠かすことができないものであり、トイレ問題は優先的に取り組むべき課題と認識しております。本市では、過去の災害を教訓に、公助としてトイレの備蓄や災害協定の締結による外部調達などを進めるとともに、防災公園や一部の小学校にマンホールトイレの整備を進めております。現在、トイレの確保や管理に関する計画の策定を進めており、トイレ問題には積極的に取り組んでいるところです。また、自主防災組織に対する補助制度では、携帯トイレを補助対象物品に位置づけするなど、共助による助け合いの強化を図っております。今後も災害時のトイレ対策については、公助としての備えのほか、自助や共助による備えにつながる取組を強化する必要があると考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 市としても、トイレ問題は重要なものであると認識していることを確認しました。大地震が発生した場合、避難所において、既存の水洗トイレはそのままでは使えなくなることが分かっています。本市の場合、その場合に協定を結んだ民間業者から届けてもらう仮設トイレや、備蓄してある組立て式簡易トイレなどで対応しようとしているわけです。また、自治会に補助制度で携帯トイレなどの備蓄を促しているという回答でした。
 そこで、本市の災害時に利用できる簡易トイレや携帯トイレの備蓄、整備状況について伺います。
 また、家庭において簡易トイレや携帯トイレを準備しておいてもらうよう、市民へどのように周知啓発しているのかを伺います。
○稲葉健二議長 本住危機管理監。
○本住 敏危機管理監 お答えします。
 本市が公助として主に避難所用に備蓄しているトイレは、便座を組み立てる段ボール製のボックストイレや既設の便器に袋をかぶせる携帯トイレのほか、屋外に設置する組立て式トイレなどを備えております。避難所となる各小学校にはボックストイレを20個、携帯トイレを約2,700個保管しております。そのほか、市内の各所の防災倉庫などに合計でボックストイレを約4,400個、携帯トイレを約11万9,000個、組立て式トイレを110基保管しております。在宅で避難生活を送る場合には食料や飲料水と同様に、自助としてボックストイレや携帯トイレの備えも重要となります。
 そこで、本市では、その必要性について市公式ウェブサイトや広報紙等を活用してお知らせするとともに、防災訓練や地域の講演会、防災に関するイベントなどを通じて啓発を進めているところです。さらに、昨年9月には自治会連合協議会との共催により、「災害時のトイレ対策について」と題した防災講演会を開催し、トイレ対策の周知啓発を強化しております。この講演会では、講師に特定非営利活動法人日本トイレ研究所の代表者をお招きし、災害時のトイレの現状やその重要性、健康への影響などについての御講演をいただいたところです。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 本市は段ボール式のボックストイレや既設の便器に袋をかぶせる簡易トイレ、屋外に設置する組立て式トイレを避難所や防災倉庫に備蓄しているとの御答弁でした。これについては必要枚数をしっかり検討し、十分な数の整備をお願いします。
 市民向けの呼びかけについてですが、御答弁にもあった昨年9月の防災講演会には私も出席し、お話を聞かせていただきました。被災者が避難の際に困ったことは水や食料よりもトイレであること、トイレが我慢できなくなるまでの時間のほうが水や食料を口にしたくなるまでの時間より短いこと、トイレを我慢したりトイレに行く回数を減らすために水分を控え、体調不良や、また、それによって関連死につながることなど、トイレ問題の重要性を強く認識しました。
 しかし、市民に災害時のトイレの重要性が十分に理解されているかというと大変心もとない状況なのではないでしょうか。日本トイレ協会の2023年の一般市民向けアンケート調査の結果によると、災害対策として自宅に水や食料の備蓄をしている方は多いのに、携帯トイレなどを備蓄している方は22%しかいないそうです。5世帯に1世帯です。また、そのうち半数以上は準備してある携帯トイレの数が1人当たり10個以下と答えており、十分とは言えない状況です。標準的には、1人当たり1日5回トイレに行くということのようですし、この10個以下ということは2日ももたんということですから全く足らないんだろうと思います。
 私も去年の防災講演会に出席してから、我が家の携帯トイレの備蓄を注文して買って始めました。こういった市民への呼びかけていく効果的な新たな取組がやっぱり必要なのではないかと思いますが、本市の見解を伺います。
○稲葉健二議長 本住危機管理監。
○本住 敏危機管理監 お答えします。
 市では、若い世代の防災情報の認知度が低いことを受け、昨年12月からユーチューブによるショート動画を使った啓発を始めており、中には視聴回数が1万回を超えたものもあることから、こうした手法も積極的に活用してまいります。また、イベントなどの際に携帯トイレの見本を配布するなど、手に取ってもらい、身近に感じていただくことで、家庭での備蓄につながるよう取り組んでまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 まずは、大地震など大きな災害が起こったら当分トイレが使えなくなるということを広く市民に認識してもらうことが必要なのではないでしょうか。さっきも言ったように、私も去年までは携帯トイレをうちに持っていませんでしたから。御答弁にあったユーチューブの活用もぜひ進めてください。携帯トイレの備蓄を呼びかけるチラシを作成して広く配布することは、すぐにでもできる方策でしょう。携帯トイレの実物を見たこともない方も多いでしょうから、サンプルを大々的に配布することも有効でしょう。
 他市の例を出しますと、尼崎市は一昨年、携帯トイレを御家庭で準備するよう呼びかけるチラシを作成し、そのチラシとともにサンプルの携帯トイレ1個を1つのビニール袋に詰めて、市内の全世帯24万戸に配布しました。その予算は2,200万円だったそうです。東京都港区はさらに先を行っています。御家庭の携帯トイレの備蓄を一気に進めました。昨年、全世帯に1人当たり20個の携帯トイレを無償で配布しました。その予算額は8億7,000万円でした。こういった先進事例を参考に前向きな検討を要望します。
 次は、(3)トイレトレーラーの導入についてです。
 仮設トイレの定番である工事現場用のトイレは、外側があまり建てつけのよくないプラスチック製の箱で、多くの場合はしゃがんで用を足す和式の型式です。高齢の方や女性などには大変使いにくく、敬遠される場合が多いようです。
 一方、トイレトレーラーというのは移動式のトイレカーです。衛生的なタンク式の洋式水洗トイレを必要な場所に車で牽引していって設置できるものです。トイレトレーラーの典型的な例というのは、助けあいジャパンという組織が自治体に導入を呼びかけているもので、同じ規格のトイレトレーラーが現在全国の19自治体に導入されています。本市と相互災害援助協定を結んでいる富士市がこのトイレトレーラーの導入第1号でした。各地で大きな災害があったとき、助けあいジャパンと導入自治体が協力して、このトイレトレーラーを被災地に派遣する活動を行っています。今回の能登半島地震の際も、このトイレトレーラーが続々派遣されて大活躍しました。被災地の方々に喜ばれて、その様子はテレビや新聞で大きく取り上げられていました。
 そこで、トイレトレーラーの導入を図るべきではないかと考えますが、本市の見解を伺います。
○稲葉健二議長 本住危機管理監。
○本住 敏危機管理監 お答えします。
 トイレトレーラーの取組は一般社団法人助けあいジャパンが進める災害派遣トイレプロジェクトによるもので、全国の市町村が1台ずつトイレトレーラーを配備し、災害などが発生した場合にはその地域に駆けつけ、トイレ不足を軽減する考えで運営されており、現在19の自治体が参加しております。トイレトレーラーには4つの個室があり、水洗式の洋式便座や手洗い場などが設置されて衛生的な環境が確保されており、今回の能登半島地震でも派遣され、被災者に喜ばれていると伺っております。本市でも導入に向け、先進市の視察を行うなど検討を重ねてまいりましたが、汚水が貯留式のため、くみ取りが必要になること、広範囲に被害が及ぶ場合には移動が困難になること、また、平時での運用や牽引免許所持者の確保など幾つかの課題が確認できたため、導入を見送った経緯がございます。しかしながら、大規模災害時における自治体間の支援は重要と考えますので、当該団体や関係自治体から能登半島地震に派遣した際の情報を入手するなど、課題を改めて整理するとともに、移動式トイレも様々な型式がありますので、その活用を含め研究してまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 以前検討したときは、課題を幾つか見つけたから導入しなかったという答弁なんですが、今言ったとおり、もう1回課題をしっかり見直して、メリットを比べてちゃんと考えていっていただきたいと思っています。
 君津市も、このトイレトレーラーを導入しています。2019年の9月に台風15号の甚大な被害が千葉県各地で発生した際に、全国からこのトレーラー派遣支援を受けました。君津市ではその効果を認め、石井市長が先頭に立って2021年にトイレトレーラーを導入しました。この君津市のトイレトレーラーも、今回の能登半島地震の被災地で支援活動に当たり、現地の方々から本当に感謝されているとのことです。1月4日には、君津のトイレトレーラーが輪島市に入っています。君津の場合、トイレトレーラーの導入関連費用も含め二千数百万円のうち、寄附とクラウドファンディングで1,850万円も集まったそうですので、税金の投入はごく僅かだったようです。
 本市がトレーラーを導入するなら、今がチャンスだと思います。能登半島地震が起こったばかりで関心が高い今であれば、寄附する方や協賛する企業も多く集まるのではないでしょうか。災害時のトイレ対策、いろいろありますけれども、しっかり進めていただきますよう要望して次の質問に移ります。
 大項目2つ目は、ごみ減量についてです。
 昨年10月にクリーンセンターの焼却炉が突然の停止、ごみ処理が全くできなくなってしまう事故が発生しました。原因はよく分からず、すぐに再稼働ができない状況だったことから、収集したごみを一時クリーンセンターの敷地内に野積みし、その後、近隣他市の協力を得て他市に運んで処理してもらいながら復旧工事を進めました。結局、通常操業に戻るのに2か月かかりましたが、その間のごみの運搬及び処理委託、それから応急修繕などの費用で6億円かかるという大きな損害となりました。施設の老朽化が進んでいたことも1つの要因かもしれません。今後、原因究明を進めて操業の問題点などがあれば適切な対応をお願いしたいと思います。
 この事故をきっかけに、本市のごみの減量問題について改めて考えさせられました。もともと本市はごみの最終処分場を持たないことから、ごみを減らすことが重要な課題でした。そのため、ごみの減量に取り組んできたわけですが、まだまだ設定の目標に達していません。もし、もっとごみの量が少なくなっていれば事故は起こらなかったかもしれませんし、事故で停止した期間の野積みの量も、他市へ運んで処理した費用も少なくて済んだでしょう。
 そこで最初の質問ですが、本市はごみ減量に対してどのように認識して、どのような取組を行っているのか伺います。
○稲葉健二議長 品川環境部次長。
○品川貴範環境部次長 お答えします。
 本市のごみ処理につきましては、焼却灰などの処分を市外の最終処分場に依存していること、また、全国的にも最終処分場の容量が減少していることなどから徹底したごみの減量、資源化を進め、最終処分量の削減に努めていく必要があります。また、次期クリーンセンターの建て替えの時期も迎えており、さらに強力にごみの減量に取り組まなければならない状況であると認識しております。このことから、本市では一般廃棄物処理基本計画、通称じゅんかんプラン21に基づきごみの減量施策に取り組んでいるところであります。本計画では、さらなるごみの減量、資源化に向け重点的に取り組む事項が掲げられており、発生抑制・排出抑制プラン、収集運搬プラン、市民参加・情報共有プランなど、様々な施策について定めております。
 また、現状の課題としましては、燃やすごみの中に資源化できる可能性のある紙類やプラスチック製容器包装類が約3割も含まれていることが挙げられます。資源化できるごみの分別が進むことで燃やすごみの量は大きく減少することが期待できることから、これを解決していく必要があると考えております。実現に向けては、市民、事業者、市、それぞれの役割と責任を明確にし、相互に情報交換しながら協働で施策を進めるための体制づくりを行っております。具体的には、新たな施策の具体化、実施に当たっては廃棄物減量等推進審議会やじゅんかんパートナーなどから積極的に意見、提案を求めております。また、ごみ減量化・資源化協力店制度を実施し、協力店では商品の簡易包装の促進、使い捨て製品の取扱いの縮小など様々な取組を行っております。ほかには市民の意識醸成を図るため、自治会や小学校、幼稚園などによる出前説明会の開催や、ごみの減量に取り組むきっかけとなるようクリーンセンターやリサイクル施設への見学なども実施しております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 様々な取組をやっていることは認めます。ところが、実際に実績がなかなか上がってないのが現状です。まだ市民にごみ減量の認識が十分に浸透していないのか、目ぼしい成果に結びついていないのが残念です。減少のペースは大変鈍く、特にこの10年ほどの推移を見ると、市民1人当たり1日のごみ排出量が750gから800gあたりで足踏みをしているのが現状です。
 それでは、昨年のクリーンセンターの停止事故を受けて市民の間、あるいは市役所の中でごみ減量に対する認識に変化があったのかどうか伺いたいと思います。
○稲葉健二議長 品川環境部次長。
○品川貴範環境部次長 お答えします。
 令和5年10月のクリーンセンター稼働停止では、他市や民間処分場へのごみの搬出を行い、対応しました。外部の搬出に当たり、ごみの仮置場や搬出先の確保などが容易でないことや多額の処理、処分費がかかることなどから、本市としましても市民の費用負担を軽減するため、ごみの減量の必要性について改めて強く意識したところであります。
 また、今回の稼働停止においては、市民の皆様に対して不安を与えないよう、ごみの収集計画については変更や中止をせずに対応することを第一とし、「広報いちかわ」やSNSでは、焼却炉の稼働状況の報告と合わせて、常にお願いをしているごみの減量及び分別の徹底について改めて認識してもらうための周知にとどめました。市民の皆様からは、もう少し早い段階で稼働停止の周知をしてほしかったとの声もありました。また、早く知らせてもらえればごみの減量に協力したという御意見もいただきました。このことから、市民の皆様もごみの減量への認識に対して変化があったのではないかと感じております。今後は次期クリーンセンターが稼働を開始するまで今回のような稼働停止がないよう、現施設の安定操業にさらに努めてまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 クリーンセンターの停止事故を契機にいろいろと呼びかけるということはできたんでしょうけれども、この停止事故の際、市民に事故のことを速やかに知らせて、大々的にごみの減量の協力を呼びかけることができたとしたら市民の意識も変わり、もっとごみの減量が進んだかもしれません。そう考えると、本市の対応が少し残念でなりません。
 しかし、本気で大幅なごみ減量を目指すのであれば、やはりごみを減らそうという強いインセンティブの働く仕組みが必要なのではないでしょうか。私は、家庭ごみ収集の有料化が有効な手だてだと考えています。過去にも何度か家庭ごみ有料化について議会でも取り上げ、早期に導入すべきだと訴えてきました。ごみ有料化についての本市の見解を改めて伺います。
○稲葉健二議長 品川環境部次長。
○品川貴範環境部次長 お答えします。
 家庭ごみの有料化とは、家庭から排出されるごみの処理について手数料を徴収することを指し、例えばごみを出す際に使われる指定袋の販売価格に処理手数料を上乗せする方法などが考えられます。これにより、ごみの排出抑制や再生利用の促進、排出量に応じた費用負担の公平化、市民の意識改革などの効果が期待できます。これまで家庭ごみの有料化につきましては、平成27年度に家庭ごみの有料化、戸別収集の導入、ごみ収集回数の削減の3つの施策について市民説明会や意見交換会、アンケートなどを実施し、市民の皆様から意見を募ってまいりました。また、平成28年1月には、この3つの施策に対し廃棄物減量等推進審議会から答申され、家庭ごみの有料化については導入を推進すべき、ごみ収集回数の削減については検討する必要があるとされた一方、戸別収集の導入については、導入時の課題も多く、時間をかけて慎重に取り組むべきとの指摘がありました。これらの結果を基に、平成28年5月にさらなるごみの減量、資源化に向けた今後の進め方をまとめ、3つの施策のうち、ごみ収集回数の削減を先行して実施してまいりました。あわせて、ごみの減量、分別に関する周知啓発の強化を図ることとし、家庭ごみの有料化についてはごみ減量の状況を見据えた上で判断することといたしました。
 なお、戸別収集については、答申を受け、引き続き検討することといたしました。週3回から週2回への収集回数の削減、実施前後の1人1日当たりの排出量につきましては、実施前の平成28年度の788gに対し、実施後の平成29年度は770gと減少しました。その後、新型コロナウイルス感染症拡大により臨時収集を加え、週3回とした令和2年度は785gと一時的に増加しましたが、直近の令和4年度では749gと、週2回の収集を開始した平成29年度よりも減少しております。
 一方で、最終処分場の問題やクリーンセンターの老朽化の問題などを抱えており、さらに令和5年10月に発生したクリーンセンターの稼働停止もあったことから、より一層ごみの減量と向き合っていく必要があります。ごみの減量を進める上で家庭ごみの有料化は有効な施策の一つであることから、これを踏まえ、今後も引き続きごみの減量施策について検討を進める必要があると認識しております。
 以上でございます。

○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 私は御答弁にあった、まさに家庭ごみ有料化を検討して、そして答申した審議会の委員の1人でした。当時の審議会は精力的にこの問題の検討、議論を進め、ごみ減量のためには大胆な施策の導入が必要だとして、家庭ごみ収集の有料化、戸別収集、収集回数の削減の3点セットを提言したものです。残念ながら当時の市長は、この3つの施策を別個のものとして捉え、それぞれについての市民アンケートを取り、最も市民の反対の少なかった収集回数の削減だけを実施したのです。その結果は案の定、ごみの量はほぼ全く減ることはありませんでした。週3回が週2回になっても、1回に出すごみの量が1.5倍になっただけで総量は変わらず、ごみ収集車の台数も収集委託料の金額も減ることはありませんでした。単に市民にとって不便になっただけでした。
 そもそも家庭ごみ有料化は、2005年2月に国の中央環境審議会が循環型社会の形成に向けた「市町村による一般廃棄物処理の在り方について」の意見具申を取りまとめた中で、家庭ごみの有料化の推進を主要な提言の一つとして挙げ、それを受けて環境省が国の基本方針と据えたものです。ごみの有料化の効果は、先ほどもちょっとありましたけれども、ごみ排出量の削減、負担の公平性の確保、ごみ収集処理費用の削減並びに焼却炉の延命化、さらに市民の意識改革などだと言われています。負担の公平性の確保というのは、ごみを多く出す人と少なく出す人の間の不公平や、住民登録のない居住者のただ乗りなどの不公平というものがあるのですが、この解消ができるということです。導入した場合に一部の方が御心配なされる生活が苦しい人などの負担増について、これは紙おむつを出す乳幼児を持つ家庭や生活困窮家庭に一定枚数の有料の指定ごみ袋を配布することで対応可能です。
 国、環境省はこの方針に従い、一般廃棄物処理有料化の手引きというものを発行してごみ有料化を推奨し、自治体の有料化の取組を後押ししています。環境省の行っている令和3年度の一般廃棄物処理事業実態調査によると、全国の自治体で粗大ごみを除く家庭ごみ収集の有料化をしているのは1,154市区町村で、全体の66.3%だとのことです。千葉県内でも、54市町村のうち有料化をしているのは37市町村で68.5%となっています。千葉市は平成26年に有料化に移行しました。
 千葉市の例を見ますと、有料化の準備期間での取組と併せて、10年間でごみの量が2割減っています。それまで3か所あったごみ焼却場を2か所に集約して処理できるようになり、行政コストの大幅な削減ができました。ごみの最終処分場を持たない本市はクリーンセンターの建て替え計画推進中であり、クリーンセンターの停止事故の記憶の新しい今こそ真剣に検討を始めるべきときではないでしょうか。
 もちろん、ごみ有料化の導入は簡単ではありません。市民の理解を得るための手間や労力は相当のものだと思います。市長が覚悟を持って本気で取り組むのでなければ実現できないと思います。それでも未来に向けた循環型社会の構築のためにも、SDGsに向けた取組としても一歩踏み出していただきたいと私は訴えます。市長もお聞きになっていただいていますので、この件についてはぜひ前向きに御検討ください。
 それでは、この項目の質問を終え、次の東山魁夷記念館について質問をしてまいります。
 本市の名誉市民でもある日本画家の東山魁夷、日本で最も有名な、あるいは人気のある画家と言っても過言ではないでしょう。亡くなって25年たった今でも版画展などが頻繁に開催され、作品が高値で取引されていますし、ポスターやカレンダーなどで東山魁夷の絵を目にすることも多いと思います。
 戦後すぐの1945年、37歳のときに市川市に越してきて、1999年、90歳で亡くなるまで50年以上、市川市に住み、有名な東山作品のほとんどは、この市川市の自宅のアトリエで描かれました。その御自宅のお隣に、2005年に市川市が画伯の偉大な業績を顕彰するために建てられたのが東山魁夷記念館です。以来、東山魁夷の偉業を伝えるとともに、東山魁夷研究、そして企画展の開催などで美術の世界や一般市民に情報発信をしています。
 さて、昨年12月に判決が確定した旧東山邸をめぐる裁判についてです。12月25日には市長が記者会見でこの判決の確定を発表しています。この裁判の相手は東山魁夷画伯の親族でもあり、東山魁夷の著作権者でもあったわけですから、裁判を提起したことにより、当然、東山魁夷記念館運営に様々な影響があったのではないかと思います。その影響と対応についてお伺いします。
○稲葉健二議長 森田文化国際部長。
○森田敏裕文化国際部長 お答えいたします。
 初めに、東山魁夷邸に係る裁判に至った経緯でありますが、故東山魁夷画伯の夫人から生前に寄附を受けて本市が所有する東山邸の土地建物について、夫人の逝去後、相続人7人に対する不実の所有権移転登記がなされていることが判明いたしました。このことから、当該相続人に対し、当該土地建物は本市の所有であることの確認及び真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続をするよう求める訴えを令和2年8月31日付で本市から東京地方裁判所に提起いたしました。その後、第一審及び控訴審を経て令和5年12月13日付最高裁判所第三小法廷の決定により、東山邸の土地建物の所有権を本市のものと認める内容の控訴審判決が確定いたしました。
 御質問の裁判を提起したことによる記念館の運営への影響でありますが、裁判の相手方が東山画伯に係る著作権者であり、著作権の許諾を得られない可能性が生じたため、記念館の運営に当たり、様々な企画や展示物等について一定の制約や配慮をせざるを得ない状況でありました。このため、著作権専門の弁護士にも指導を仰ぎながら、特に著作権の問題に留意しつつ、記念館の運営を継続しているところであります。具体的に申し上げますと、記念館のミュージアムショップにおいてオリジナルグッズの販売を取りやめ、市販されているグッズの販売に切り替えたほか、令和4年度には、館内のリニューアルに合わせて一部の展示会を行っております。また、特別展や通常展の企画、展示内容におきましても、より工夫を凝らした内容を構築しているところでございます。
 昨年12月の最高裁判所の決定により本市が勝訴した控訴審判決が確定したことを受け、現在は東山邸の登記手続も完了し、東山邸の土地建物に係る所有権は全て本市が所有しているところであります。
 なお、この判決の確定による記念館の運営への影響等は、現時点では生じていないものと認識しております。記念館におきましては、今年度も企画内容等に配慮を行いつつ、工夫を凝らして通常展及び特別展を開催しているところであります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 この裁判の判決が確定したことによる直接の影響は現時点では生じていないということですが、著作権の関係で記念館の運営に一定の制約があったり、様々な配慮をせざるを得ない状況であるとのことでした。そのため、東山魁夷画伯や東山魁夷作品を直接扱った展覧会ができなかったり、著作権に配慮した改装のために休館期間があったりしたことなどから、一般の来館者などからは記念館の存続を心配する声も出ているということがあり、私は気になっておりました。
 そういった支障のある中でも、東山魁夷記念館で開催される特別展などは研究者や美術関係者から非常に高い評価を得ていると聞いています。どのような工夫により、質の高い展覧会を企画、開催できているのか伺いたいと思います。
○稲葉健二議長 森田文化国際部長。
○森田敏裕文化国際部長 お答えいたします。
 記念館のコンセプトである人間・東山魁夷に焦点を当てた展示等を実現するに当たり、平成24年度以降、近代日本画研究の実績が確かな学芸員が通常展と特別展の企画を担当しているところであり、以降、東山魁夷の周辺研究及び近代日本画壇の研究に力を注いだ特別展を毎年開催しております。近年の実績を申し上げますと、令和3年度開催の特別展「川﨑家の系譜〈東山魁夷と川﨑家の画家たち〉」では、東山画伯と姻戚関係にあり、画伯の画作に大きな影響を与えた川﨑家の画家の作品を展示し、併せて川﨑家の重要な作品の寄贈を受けているところであります。
 また、令和元年度及び4年度に開催した特別展「日本画と歌舞伎の世界」では、協力企業の評価と理解を得て貴重などんちょう資料の寄託を受けるとともに、この絵により、令和4年度以降、東山画伯が制作に力を注いだどんちょうの制作過程を展示する特別企画展「舞台を彩る幕『緞帳』の世界」の開催にも至りました。今年度は、かつて東山画伯と深い親交があり、これまでの記念館の取組も評価いただいていた写真家の故寺島照夫氏の遺志及び遺族の御理解の下、貴重なフィルムを寄託いただき、この3月2日から「写真家・寺島照夫が捉えた一時代の象徴」と題した特別展を開催しているところであります。
 なお、令和4年度の特別展以降、これまでの市川市発行の図録から、出版社発行による図録兼書籍に一般書籍化されているところであり、これも記念館の研究実績によるものと考えております。
 このように、一定の制約等がある中で企画を行う学芸員の創意工夫により東山画伯を顕彰する特別展を実施しており、その内容は多くの研究者や美術関係者から評価を得ているところであり、このことが多くの作品を記念館に寄贈及び寄託していただけていることにもつながっているものと認識しております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 学芸員の工夫や努力は分かりました。東山魁夷画伯や東山魁夷作品を愛するパート、アルバイトの職員や市民サポーターなども展覧会開催や記念館運営を支えてくれていることも忘れてはならないでしょう。記念館が実現してきた各種特別展の実績が美術界の方々から評価され、賞を受けたり美術作品の寄贈にもつながっていることは大変な名誉だと思います。本市にも各種博物館、文学館、ギャラリーなどがあり、様々な企画や展覧会を開いています。しかし、記念館としての役割の上に、この美術館としての確かな実績評価を受けているものはこの東山魁夷記念館だけです。地方自治体が経営する小規模な施設にもかかわらず、美術館としての評価を高めてきたことは何よりの財産です。
 それでは、今後のこの東山魁夷記念館の運営について本市の考え方を伺います。
○稲葉健二議長 森田文化国際部長。
○森田敏裕文化国際部長 お答えいたします。
 記念館を取り巻く環境は、昨年12月の判決確定を受け、新たな段階へ進んだものと認識しております。最高裁判所の決定により確定した控訴審判決において、本市の所有であることが認められた東山邸につきましては、御寄附の申出をいただいた画伯の夫人の意向に沿った形で市民のために活用できる方策を考えていくことを基本といたしますが、著作権者である裁判の相手方の住所となっていることを踏まえ、今後、慎重かつ適切に対応していきたいと考えております。今後の記念館の運営に当たりましては、著作権にかかり生じている様々な制約等の諸課題の解決に向け注力していきたいと考えており、これらの課題に的確に対応しつつ、記念館のコンセプトである人間・東山魁夷に焦点を当てた展示等を通じて、その偉大な業績を顕彰してまいります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 分かりました。何よりアトリエのある旧東山魁夷邸、市川市の所有権が確定して市川市のものになった、これは非常に喜ばしいことであります。これを活用して、より記念館の運営、将来につなげていっていただきたいと思っています。
 残念ながら東山魁夷作品の多くは東京国立近代美術館や長野県に寄贈され、本市にオリジナル作品の所蔵が少ないことは事実です。しかし、本市にはほかには持つことのない、画伯の使用していた道具類、所蔵品、作品の下書き、手紙などの資料や、先ほど言った自宅とアトリエがあるんです。東山魁夷画伯がここに暮らしてここで制作していたというストーリーは本市にしかない、何物にも代え難いポイントです。今後もますます研究や展覧会開催の実績を積み上げて評価が高まっていくことを期待しております。
 最後に一言、検討を始めた市立美術館構想を実現する場合には、この東山魁夷記念館の実績を引き継ぎ、生かすことが重要なポイントであると申し添えたいと思います。市長の美術館構想もありますので、よろしければ市長の御見解、お気持ちをお聞かせいただければありがたいと思います。
○稲葉健二議長 田中市長。
○田中 甲市長 石原よしのり議員の御質問によりまして、議員の皆さん方にも現状というのを認識していただくことができたのかなと思います。全て森田文化国際部長の答弁のとおりでありますけれども、もう一度皆さんと確認をしておきたいと思いまして、ちょっと図を描いておりました。
 つまり東山魁夷画伯の著作権をお持ちの方が、市川市が所有する旧東山魁夷邸の土地建物にお住まいの状況であると。一方で東山魁夷画伯の著作権をお持ちの方は、現時点では市川市には作品を貸し出ししないと言われていると。こういうねじれた関係がありまして、この関係ができた原因はさておき、この関係の中で学芸員の努力によって人間・東山魁夷に焦点を当てた展示を企画し、実行してくださっているという点。そして一方で、この関係の中、担当弁護士が関係改善に働きかけると、そのような打合せを私としっかりとした中で、私は現在、状況を見守っているという次第でございます。いましばらく、その推移というものを見守って皆さん方に、東山魁夷記念館を持っている市川市にとって、よい状況というのをつくり出してまいりたいと。
 また、美術館構想に関しましては、まだまだ慎重に進めなければいけない懸案事項でありまして、県との協議その他がございますが、石原議員がおっしゃったように、美術館構想を進めていく中でも、市川で作品を作られていた。全ての作品は市川市の水で作られているという名言がございますが、東山魁夷画伯のことを大切に、また市川で活動されている芸術家の皆さん方の作品も、さらに市民の皆さん方の目に留まるように、見ることができるような、そういう環境づくりをしてまいりたいと思っております。
 以上です。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 ありがとうございました。市長がおっしゃったように、裁判の相手方との今後の交渉もあるでしょうけれども、何よりも今、私が確実に申し上げてお願いしたいのは、東山魁夷記念館も現状の中でしっかりと展覧会をやってきているわけですよね。この運営をしっかり継続できて、今まで築き上げてきた美術館としての評価、これを損なうことがないようにということで、これからも当面、東山魁夷記念館の運営をしっかりと支えていくことが重要なんだろうと思いますので、その点、しっかりサポートのほうをよろしくお願いしたいと申し上げて私の一般質問を終えます。ありがとうございました。
○稲葉健二議長 これをもって一般質問を終結いたします。


議案第87号(提案理由の説明、採決)

○稲葉健二議長 日程第2議案第87号教育長の任命についてを議題といたします。
 本案について提案理由の説明を求めます。
 田中市長。
〔田中 甲市長登壇〕
○田中 甲市長 議案第87号につきまして提案理由を御説明申し上げます。
 教育長の任命については、田中庸惠教育長の任期が本年3月31日をもって満了となることから、後任として勝山浩司氏を任命いたしたく、議会の同意を求めるため提案するものであります。
 以上、よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
○稲葉健二議長 これより質疑に入りますが、ただいまのところ通告がありませんので、質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 お諮りいたします。会議規則第37条第3項の規定により、委員会の付託を省略することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稲葉健二議長 御異議なしと認めます。よって委員会の付託を省略することに決定いたしました。
 これより討論に入りますが、ただいまのところ通告がありませんので、討論なしと認めます。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより議案第87号教育長の任命についてを採決いたします。
 本案を同意することに賛成の方は賛成のボタンを押してください。――ボタンの押し忘れはありませんか。――ないものと認めます。
 集計いたします。
 賛成者多数であります。よって本案は同意されました。


発議第18~22号(採決)

○稲葉健二議長 日程第3発議第18号地方創生に貢献するサーキュラーエコノミー(循環経済)の一層の推進を求める意見書の提出についてから日程第7発議第22号志賀原発と柏崎刈羽原発の廃炉を求める意見書の提出についてまでを一括議題といたします。
 お諮りいたします。会議規則第37条第3項の規定により、提案理由の説明を省略することにいたしたいと思います。これに賛成の方の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○稲葉健二議長 起立者多数であります。よって提案理由の説明を省略することは可決されました。
 これより質疑に入りますが、ただいまのところ通告がありませんので、質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 お諮りいたします。会議規則第37条第3項の規定により、委員会の付託を省略することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稲葉健二議長 御異議なしと認めます。よって委員会の付託を省略することに決定いたしました。
 これより討論に入りますが、ただいまのところ通告がありませんので、討論なしと認めます。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより発議第18号地方創生に貢献するサーキュラーエコノミー(循環経済)の一層の推進を求める意見書の提出についてを採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の方は賛成のボタンを押してください。――ボタンの押し忘れはありませんか。――ないものと認めます。
 集計いたします。
 賛成者多数であります。よって本案は原案のとおり可決されました。
 これより発議第19号若者のオーバードーズ(薬物の過剰摂取)防止対策の強化を求める意見書の提出についてを採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の方は賛成のボタンを押してください。――ボタンの押し忘れはありませんか。――ないものと認めます。
 集計いたします。
 賛成者全員であります。よって本案は原案のとおり可決されました。
 これより発議第20号核兵器の廃絶、生命の尊厳、恒久平和の確立を求める意見書の提出についてを採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の方は賛成のボタンを押してください。――ボタンの押し忘れはありませんか。――ないものと認めます。
 集計いたします。
 賛成者少数であります。よって本案は否決されました。
 これより発議第21号被災者生活再建支援法における支援額及び支援対象の拡充を求める意見書の提出についてを採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の方は賛成のボタンを押してください。――ボタンの押し忘れはありませんか。――ないものと認めます。
 集計いたします。
 賛成者少数であります。よって本案は否決されました。
 これより発議第22号志賀原発と柏崎刈羽原発の廃炉を求める意見書の提出についてを採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の方は賛成のボタンを押してください。――ボタンの押し忘れはありませんか。――ないものと認めます。
 集計いたします。
 賛成者少数であります。よって本案は否決されました。
 お諮りいたします。ただいま意見書案が議決されましたが、その条項、字句、数字その他の整理を要するものにつきましては、その整理を議長に委任されたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稲葉健二議長 御異議なしと認めます。よって条項、字句、数字その他の整理は議長に委任することに決定いたしました。


委員会の閉会中継続審査、委員会の閉会中継続調査の件、閉会

○稲葉健二議長 日程第8委員会の閉会中継続審査の件を議題といたします。
 各委員会において審査中の事件につき、委員長から、会議規則第110条の規定により、お手元に配付いたしました申出書のとおり閉会中の継続審査の申出があります。
 お諮りいたします。委員長から申出のとおり閉会中の継続審査に付することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稲葉健二議長 御異議なしと認めます。よって委員長から申出のとおり閉会中の継続審査に付することに決定いたしました。


○稲葉健二議長 日程第9委員会の閉会中継続調査の件を議題といたします。
 各委員会において調査中の事件につき、委員長から、会議規則第110条の規定により、お手元に配付いたしました申出書のとおり閉会中の継続調査の申出があります。
 お諮りいたします。委員長からの申出のとおり閉会中の継続調査に付することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稲葉健二議長 御異議なしと認めます。よって委員長から申出のとおり閉会中の継続調査に付することに決定いたしました。


○稲葉健二議長 以上をもって本日の会議を閉じます。
 これをもって令和6年2月市川市議会定例会を閉会いたします。
午後1時59分閉議・閉会

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