更新日: 2017年12月28日

2017年9月27日 一般質問(西牟田勲議員)

一般質問(西牟田勲議員)

○松井 努議長 日程第1一般質問を行います。
 順次発言を許します。
 西牟田勲議員。
○西牟田 勲議員 会派民進・連合・社民の西牟田勲です。通告に従い一般質問を行います。よろしくお願いいたします。
 まず初めに、国民健康保険事業について質問いたします。
 国民健康保険の財政をどう立て直すか、これは、本市に限らず全国の市町村、自治体共通の課題であり、この解決策の1つとして、平成30年度から運営主体が市町村から都道府県に移ることになっています。本件については、先順位者の答弁で明らかになった部分もありますけれども、そうでない部分について伺ってまいりたいと思います。
 現在は移行期間ということで、不透明な部分もありますけれども、移行によって何が改善される見込みなのか、本市及び本市の国民健康保険加入者にとってメリットはあるのかという観点を中心にお伺いしていきたいと思います。
 まず初めに、基本的な認識として、本市の国民健康保険事業の現状について多額の一般会計からの法定外繰り入れが毎年行われていることからも、厳しい財政運営にあることは周知のとおりでありますけれども、現状認識として、加入者1人当たりの年間の医療費、保険税額、これについては他の公的医療保険との比較及び千葉県内の他市町村との比較もお示しいただきたいと思います。また、保険料滞納額の推移についてお伺いいたします。
○松井 努議長 保健部長。
○田中信介保健部長 初めに、本市の国民健康保険加入者1人当たり年間の医療費ですが、平成27年度の実績で30万6円、これは県内市町村の平均である31万9,474円を下回り、54市町村中49位と低い水準にあります。なお、最も高かった市町村とは10万円以上の開きがあります。
 次に、国民健康保険税と他の公的医療保険料との比較ですが、本市の国民健康保険加入者1人当たりの保険税額は、介護納付金分の保険税を除き、また、他の公的医療保険では事業主負担を除いた比較になりますが、平成26年度決算ベースで本市の約8万6,000円に対し、全国健康保険協会は約10万7,000円、健康保険組合は約11万8,000円、共済組合は約13万9,000円であり、本市は他の公的医療保険に比べ低い水準にあります。しかし、所得に対する保険税負担率は、他の公的医療保険が6%から7.5%なのに対し、約10%と高い水準にあります。また、同様に県内の市町村と比較しますと、県内平均は約8万9,000円、最も高い市町村は約10万2,000円、最も低い市町村は約7万円という状況であり、本市は県内平均を下回っています。最後に、保険税の滞納繰越額ですが、滞納整理対策の強化により年々減少傾向にあり、過去3年では平成26年度、約54億6,000万円、27年度、約48億円、28年度、約40億1,000万円と推移し、この間で約14億5,000万円の減少となっております。
 以上であります。
○松井 努議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 本市の加入者1人当たりの医療費は千葉県平均を下回っており、下から5番目ということがわかりました。また、保険税額も千葉県平均を下回っているということがわかりました。それから、加入者1人当たりの保険税額で見ると、国保加入者の所得に対する税負担率は約10%ということで、これは全国的にも知られていることですけれども、所得の10%を健康保険に払っていては、それ以外に所得税とか固定資産税とか一般の税もあり、また、年金の支払いもあるわけでして、固定的な社会保障料等の支払いだけで、家計の極めて重い負担になっているということがわかります。さらに、一般のサラリーマンなどが加入する社会保険については、扶養家族がいても支払い保険料がふえるということはありませんけれども、国民健康保険については、扶養家族の概念がないことから、単純に扶養家族分も加算して世帯主が支払うということで、扶養家族を持つ世帯主には重い負担になっているというふうに考えられます。こうした保険税額の負担や5世帯に2世帯が滞納していると言われる収納率の低さから、制度の持続可能性そのものに強い危機感を抱かざるを得ないわけです。
 そこで、先ほどの御答弁に再質問させていただきますけれども、この保険税滞納繰越額について、今後、都道府県に移管された後も、この滞納分の徴収義務は引き続き市町村が負うのかどうか。また、滞納について消滅時効はあるのか。もしあるとすれば、具体的にどれぐらいの金額が時効によって回収不能となっているかについて教えてください。
○松井 努議長 保健部長。
○田中信介保健部長 都道府県への運営主体移管後も保険税の賦課徴収は市町村が引き続き行うことになり、移管前の収入未済分――滞納額ですが、これについても市町村が徴収することになります。また、保険税の消滅時効は法定納期限の翌日から起算して5年経過後であります。なお、平成28年度決算においては、約2億5,000万円の不納欠損が生じております。
 以上であります。
○松井 努議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 わかりました。先ほども触れましたけれども、加入者は非常に重い保険税額を支払っている負担感があるわけですから、滞納されている方も非常に厳しい状況の中で、こういったことに至っているんだと思いますけれども、やはりしっかりとこの滞納についての回収を進めていくことが公平感につながるものと思われますので、引き続き努力をお願いいたします。
 それでは、(2)の質問に移ります。都道府県への移管については、現在進めているところ、スケジュールが固まりつつあるところだと思いますけれども、現在の移管のスケジュールと本市への影響についてどう認識しているかお伺いいたします。
○松井 努議長 保健部長。
○田中信介保健部長 初めに、現在、国から示されているスケジュールでは、納付金算定についておおむね決まっており、10月に国から県に納付金算定に係る仮係数が提示され、11月に県がこの仮係数に基づき、市町村ごとに納付金額の仮算定を行い、各市町村に提示します。市町村は、この提示に基づき納付金の見込みを立て、平成30年度予算を計上することになります。そして、12月には国から県に本係数が提示されますので、来年の1月、県はこの本係数に基づき、市町村ごとに納付金額の本算定を行い、各市町村に提示します。また、本市では、平成30年度においては保険税率等の改正は行わない方針でありますが、この制度改正に伴い、平成30年2月定例会において国民健康保険税条例の文言修正に係る改正案を上程する予定です。
 次に、制度改正による本市への影響ですが、県が医療費の支払いに責任を負うことから、医療費の急増に対する財政リスクが軽減されることになり、財政運営の安定化を図ることができるというメリットを得ることになります。
 以上であります。
○松井 努議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 ありがとうございます。ただいまの御答弁について再質問させていただきますけれども、本市への影響についてという部分で、国民健康保険の都道府県移管後は、県が医療費の支払いの責任を負うことから、財政リスクが軽減されるという御答弁がありましたけれども、医療費の支払いについては、結局は市町村に納付金額が提示されて、それに反映されて市町村に請求されるわけですから、移管後も財政リスクは市町村に残るというふうに思われますけれども、財政リスクが軽減されるという、その具体的な内容、その効果について御説明いただきますようお願いいたします。
○松井 努議長 保健部長。
○田中信介保健部長 例えば感染性疾患の大流行などにより保険給付費の財源が不足する事態が生じても、必要な財源は県から交付されますので、財政リスクが軽減されることになります。また、市町村事務の共同実施などにより事務の効率化が図られることなどが挙げられます。
 以上であります。
○松井 努議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 わかりました。一時的な大流行などによって医療費がかさんだ場合などに、そういった負担を県のほうが負ってくれるということだということがわかりました。
 それでは、(3)の質問に移ります。都道府県移管後の保険料統一について、国は地域の実情に応じて選択できるようにしています。統一への対応は、自治体によって異なり、宮城、大阪、広島などは保険料統一を具体的に検討しているということです。しかしながら、多くの自治体は医療費の高い市町の負担を低い市町が担うことになり公平にならないということで、現段階で具体的に検討していないというところが多いようです。また、保険料を統一するのであれば、医療サービスの地域間格差も解消すべきといった議論もあります。そこで、千葉県の保険料統一への取り組みについてお伺いいたします。
○松井 努議長 保健部長。
○田中信介保健部長 国のガイドラインでは、保険料率については市町村ごとに設定することを基本としつつ、地域の実情に応じて都道府県ごと、あるいは複数の市町村を1つの単位として設定される2次医療圏ごとに保険料率を一本化することも可能であるとされています。千葉県では、医療費適正化へのインセンティブを確保するために、市町村ごとの医療費水準が保険料に反映する仕組みを残すことが適当であること、また、同じ2次医療圏でも医療費格差が存在していることから、県、または2次医療圏ごとの統一の保険料率は、今回の制度改正時点では行わない方針であります。この保険料統一については、財政運営の責任主体となる都道府県が地域の実情に応じて市町村との協議を踏まえ、選択することになっており、本市としては、今後も県が開催する連携会議等において意見交換を行ってまいります。
 以上であります。
○松井 努議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 わかりました。千葉県は今のところ統一化の動きはないということなんですけれども、この国保の運営の広域化の目的そのものが、広域の中で保険料を統一することによって財政負担を軽減できるというようなことがあるという意見もありまして、もしそういうことになれば、先ほど数値で示していただいたように、本市については1人当たりの医療費についても、保険料についても千葉県内の他市よりも低いわけですから、この努力が報われない、そういうことになる可能性もあるのではないかと思います。この件については、引き続きしっかりとフォローしていきたいというふうに思います。
 続きまして、(4)のまとめの質問になりますけれども、今後の財政運営、医療費適正化、保険税額の見通しについてということですけれども、県に運営主体が移行することで、一定の規模の利益が見込め、効率化が期待できる一方で、もともと身近な市町村が運営することで、きめ細かい施策が提供できていた面もあると思いますけれども、そのメリットはなくなります。初めに伺ったように、県内で年間の医療費で加入者1人当たり10万円の以上の開きがある市町村格差を、県が一体として運営することに無理はないのか、1人当たり10万円というのは、総額では相当の金額になると思われますけれども、市川市は県内で下から5番目という1人当たりの医療費が低いわけですから、その保険上のメリットを引き続き十分に享受することができるかなど疑問が残るところです。こういった観点から、今後の運営について見解をお伺いいたします。
○松井 努議長 保健部長。
○田中信介保健部長 国民健康保険の都道府県単位化後、県に納める納付金の財源は、保険税と国からの財政支援などの公費でありますが、これらの財源だけでは納付金を賄えないことが想定されますので、引き続き財政運営の健全化が大きな課題となっております。この課題解決に向けては、より一層の医療費適正化を進めることが必要であり、ジェネリック医薬品の使用促進、特定健診受診率の向上、データヘルス事業などに積極的に取り組んでまいります。また、保険税収納額は、今後、加入者数の減少に伴い減少傾向で推移していくものと見込まれますが、県から示される納付金の確定額と標準保険料率を勘案し、保険税率等の見直しについても検討していく必要があると考えております。
 以上であります。
○松井 努議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 今後の運営について再質問させていただきますけれども、確定した納付金を保険税と国の財政支援などの公費だけで賄えない場合は、引き続き一般会計からの法定外繰入金が必要になると考えられますけれども、この法定外繰入金に関する本市の考え方についてお伺いいたします。
○松井 努議長 保健部長。
○田中信介保健部長 現在、都道府県単位化後の千葉県国民健康保険運営方針について、県が市町村との協議の上、策定を進めており、法定外繰入金に関しては解消、縮減を図るべきであるが、地域の実情を十分に勘案し、計画的に行う必要があるという方針が掲げられております。本市としては、一般会計からの法定外繰り入れは国民健康保険加入者以外の市民にも負担を求めることになるため、医療費の適正化や保険税収入の確保など、財政健全化に向けた対策を一層推し進め、法定外繰入金の縮減に努めてまいります。
 以上であります。
○松井 努議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 わかりました。本市の方針としては、法定外繰入金の縮減に努めるという御答弁でしたけれども、法定外繰り入れについては国保財政の赤字補?や低所得者の方々の保険料を抑えるために行われている措置ではありますけれども、先ほど御答弁にもありましたとおり、国保の加入者でない住民の税金も投入されているという問題点や、仮に繰り入れをなくせば、当然、保険料にはね返ってくるわけですけれども、むしろ国保財政の透明化が進み、受益と負担のバランスを把握しやすくなるという効果もあります。県への運営移管については、会計責任といった運営面のみにとどまらず、移管後の財政の最終責任をどこが負うかなど、今後、明確にすべき課題が残されていると思います。引き続き推移を見守りながら、今後も議会等で取り上げていきたいと思います。これで、この項の質問は終わらせていただきます。
 次に、2つ目の項目ですけれども、本市の農業政策についてです。
 都市部の農業政策、特に農地政策は、かつて人口増加の過程では、市街化の進展とともに農地を宅地化する傾向が顕著に見られましたけれども、最近の人口減少、高齢化の進展と成熟社会で、より質の高い生活を求めるという意識の変化から、都市部に農業、農地を残していくべきという声が強まっています。都市農業、農地の果たす役割としては、地産地消による安心で安全な食料の供給はもとより、緑地等としての良好な景観の形成、国土・環境の保全、防災空間の確保、身近な農業体験、交流活動の場の提供といったさまざまな機能が認識されています。我が市川市においても、一定の農地、農業は守っていく必要があると考えますけれども、後継者不足等で担い手が減っているのも事実です。一方、最近では、脱サラして農業を目指すという方もいらっしゃいますけれども、農地の確保が難しいということも聞いています。そこで、信頼のおける仲介機関が仲介して、安心して効率的に農地の賃貸を結びつける仕組みとして農地バンクが注目されています。
 (1)の質問ですけれども、高齢で農作業の規模を縮小したい農家や後継者がいないなどの理由で農地を貸したいニーズと、新規就農、参入したい方、経営規模を拡大したい方の間を結びつける、いわゆる農地バンクのような仕組みの推進について、本市ではどのように取り組んでいるのか。また、実績についてお伺いいたします。
○松井 努議長 経済部長。
○関 武彦経済部長 農用地の集積や集約化を図るため、農地を貸したい方と借りたい方をつなぐ農地中間管理機構、いわゆる農地バンクが各都道府県に1つ指定されております。千葉県では、公益社団法人千葉県園芸協会がこの指定を受けております。本市も農地バンク制度の相談窓口になっておりますが、対象が農業振興地域内の農用地に限られることや、貸借期間が原則10年間と長いことなどから、現在、農地バンクの利用実績はございません。
 一方、農業委員会においては、本年8月より新体制のもと、農業委員と農地利用最適化推進委員が人と農地のマッチングなどに取り組んでおります。このほかにも、新規就農者や農地を借りて経営規模を拡大したい農業者と、高齢等の事情で耕作ができない農地所有者との間で、農業委員会の決定を得て、市が農地貸借等の権利を設定する利用権設定等促進事業に取り組んでおります。この事業は、契約条件の履行を担保することに加え、期間満了により自動的に農地の貸借関係が終了し、確実に所有者に農地が返還されることから、安心して農地の貸し借りをすることができます。平成28年度には、同事業により計8件、1万486㎡の農地の貸借が成立しております。また、このうち新規就農者1名が借りた農地は3,370㎡でございます。
 以上であります。
○松井 努議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 わかりました。農地バンク制度はありますけれども、対象地域が農業振興地域の農地に限られること、市川市の農業振興地域というのは、北部の梨農家がある一帯のあたりだというふうに思いますけれども、また、貸借期間が10年と長いことから、現在までのところ、利用実績はないということです。一方で、農業委員会が中心となって取り組んでいる仕組みは契約期間が短く、満了時には確実に所有者に農地が返還されることから、8件の実績が出ており、新規就農者へ農地を貸し出す実績も1件ではありますけれども、成果が出ているということがわかりました。ただ、農家の方にお話を伺いますと、この仕組みが余り知られていないのではないかといった意見もあります。
 再質問として、具体的にどのように農家に周知しているのか、また、この仕組みを使って新規就農者を取り込むことができるのか見解をお伺いします。
○松井 努議長 経済部長。
○関 武彦経済部長 農地バンクについては、農家へのチラシの配布のほか、平成29年2月には、今後の農地と担い手のあり方をテーマに、農家同士が話し合う会議があり、同制度について説明をしております。この会議は毎年開催しており、今後も引き続き農地バンクの周知を図ってまいります。また、新規就農者に対しましても、わかりやすく農地の貸借制度について説明し、有効利用を推進してまいります。
 以上であります。
○松井 努議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 わかりました。今後も周知活動の徹底等、努力していただいて、新規就農者もふえ、農地が効率的に活用できるように、ぜひ御努力お願いしたいと思います。
 (2)の質問に移ります。(2)は50戸連澹制度についてですけれども、これは市街化調整区域内での農地の転用についての特例措置で、この制度によって、徐々にではありますけれども、市街化調整区域内での農地から宅地へ転用が進んでいます。そこで、本市の50戸連澹制度の基準等について、他市と比べてどうなっているのか。また、この制度によるこれまでの許可件数、面積と農地の状況について、どのように認識しているかお伺いします。
○松井 努議長 街づくり部長。
○江原孝好街づくり部長 50戸連澹制度は、平成12年の都市計画法の改正によって創設された制度であり、市街化調整区域において市街化区域と一体的な日常生活圏を構成している地域で、既に道路などの都市基盤が整備されている場合に、建築は認められる制度であります。本市では、市街化区域から1㎞以内の土地で半径150mの円内に住宅が50戸以上、かつ調整区域内に25戸以上存在していれば、用途を専用住宅に限って建築を認めているところであります。なお、農業を保護するという観点から、大町など農業振興地域内の農用地については、本制度も含め開発が抑制されております。
 次に、他市の基準等についてであります。近隣の多くの市では、半径150mの円内に住宅が40戸でも建築を認めており、また、用途についても、共同住宅や兼用住宅などを認めている市もあります。このように、本市は近隣市に比べ建てられる要件を厳しく定めており、また、道路などの技術的基準も厳しくなっております。
 次に、本制度のこれまでの状況であります。この制度が適用されてから平成28年度末までに許可した件数は約330件、宅地化された面積は約8万2,000㎡であり、本市の市街化調整区域の1%未満となっております。また、地目が農地から転用されたものは4割程度で、残りは宅地や雑種地からとなっており、農地以外からの転用のほうが多い状況にあります。これは、これまで駐車場や資材・残土置き場などであったものが戸建ての住宅に変わったもので、適切な土地利用に転換されているというふうに認識をしております。
 以上であります。
○松井 努議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 わかりました。50戸連澹制度により農地から転用した面積については、市街化調整区域面積割合で1%未満ということで、少ないようにも感じますけれども、件数でいえば330件ということですので、それなりにこれを利用して転用がされているというふうにも考えられます。他市と比較して市川市が厳しい基準としているということはわかりましたけれども、冒頭にも申し上げましたとおり、都市農業、農地の保全に対する考え方も大分変わってきているという外部環境の変化もあります。農家の方のお話では、農地に隣接して、例えば南側に建物ができてしまうと、日照の問題があって、農地として使えなくなるということが言われております。こうしたことが原因で、市街化調整区域の農地も虫食い状態になっているという意見もあります。こうした課題に対応するため、50戸連澹制度を今の基準より厳しくすることは考えられないのか。また、これらの問題を解消するため、どのような対応ができるかについてお伺いいたします。改めて再質問させていただきます。
○松井 努議長 街づくり部長。
○江原孝好街づくり部長 本市は市域全体の約3割が市街化調整区域に指定されております。この調整区域には優良な農地などが多く含まれ、これらを保全する観点から、条例制定時には、できる限り宅地化を抑制するよう厳しい基準等を定めたものであります。しかし、土地所有者からは近隣市と同様の基準等にしてもらいたいとの意見も出ておりますので、これ以上基準を厳しくするということは難しいというふうに考えております。
 建物ができることによる農作物への影響につきましては、調整区域には制限がない北側斜線や日影規制についても基準を定めております。また、開発事業者には隣接する農家の方への説明を条件とするとともに、新たに居住する方へ調整区域の趣旨を周知してもらうよう求めております。このことは、先順位者からも御指摘があったように居住者の理解が重要であると考えておりますので、さらなる周知に努めてまいりたいというふうに考えております。
 以上であります。
○松井 努議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 わかりました。この制度を今厳しくするということは難しいということですけれども、市川市として農地をどう守っていくのかという大きな政策の中で、また改めてこういった議論もできればなというふうに思います。最近では、都市農業について、市街化調整区域だけでなく、市街化区域でもどうやって残すかというような議論もされているところもあるわけですから、この制度についても、適宜必要に応じて見直しということも考えていいのではないかというふうに申し上げまして、次の質問に移ります。
 (3)道の駅の農産物販売についてです。市川市内の農家の方、特に野菜農家の方々にお話を伺うと、道の駅での農産物販売は日銭収入になることから、収入の安定化につながり期待が大きいという声を伺っています。現状、道の駅の農産物販売についての取り組みがどこまで進んでいるのかについてお伺いいたします。
○松井 努議長 街づくり部長。
○江原孝好街づくり部長 道の駅では、本市で生産された農産品等の販売や、販売の場を提供することとしております。本市の農産品等の販売が確実に実行されるよう、指定管理者募集の際には、これらの販売面積を10㎡以上確保することを条件としたところであります。指定管理者となりました市川未来創造グループは、できるだけ多くの市内産品を取り扱うとの意向を示しており、農産品についてはJAの支援のもと、地元農家と連携し、季節の野菜や花など、切れ目のない販売を行うとしております。道の駅の開業まで約半年でありますので、出荷を希望する地元農家と指定管理者との協議の場となる環境づくりに向けて、現在、JAや地元農家に関連する経済部と連携をとり、指定管理者と協議を行っているところであります。
 以上であります。
○松井 努議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 指定管理者が市川産農産品を多く扱う意向を示しているということはうれしいことだと思います。ただ、既に市内のスーパーなどでは、地元農産品コーナーなどの販売も見受けられることから、それらとどう差別化していくのかなどの課題もあるかと思います。今後、指定管理者と販売者の農家の方々との販売条件などの協議には、個別の農家の方々と話を進めるということは無理なので、何らかの協議会のような取りまとめ窓口をつくる必要があると思いますけれども、こうした取り組みが行われているかどうか、再質問いたします。
○松井 努議長 経済部長。
○関 武彦経済部長 先日も指定管理者とJAいちかわが打ち合わせを行いましたので、協議体制につきましても提案していきたいというふうに考えております。
 以上であります。
○松井 努議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 わかりました。協議窓口としてJAいちかわが、恐らくそうした機能を果たしてくれるだろうということですので、ぜひしっかりとお願いしていければなと思います。
 それでは、(4)の質問に移りますけれども、学校での農業体験等についてですけれども、子供のころから田植えや芋畑などの体験を通じて農業を知ること、また、食の原点について体験を通じて意識することは、意義深いことだと思います。そうした観点から、まず、本市の学校ではどのような農業にかかわる体験活動が行われているか伺います。
○松井 努議長 学校教育部長。
○永田博彦学校教育部長 学校での農業にかかわる体験活動は、主に地域に関する学習や植物の成長の理解、そして食育の推進や食文化の理解などを目的として行われております。具体的な活動場面としましては、例えば小学校では、社会科の授業で梨の受粉作業を通しての梨づくり体験や、理科の授業でゴーヤやジャガイモなどの作物の栽培を行っている学校がございます。また、近隣の農地を借用し、生活科や総合的な学習の時間において地域ボランティアの支援のもと、主に枝豆や芋類の栽培や米づくりを行うなど、農作物づくりも複数の小学校で実施されております。さらに、小学校の自然教室や中学校の修学旅行におきまして、農家に宿泊し、稲作や酪農などの農業体験を行っている例もございます。これらの活動は直接的な農業振興策ではございませんが、植物の成長を通して自然の大切さを感じたり、食べ物に対して感謝の念を持つとともに、農業を体験的に理解するよい機会ともなっております。
 以上でございます。
○松井 努議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 わかりました。単発的に学校教育の中でもそういった取り組みが行われているというふうに理解しますけれども、もう少しカリキュラムの中に組み込むとか、年に1度は農家に足を運ぶようなことをするとか、なかなか難しいとは思いますけれども、学校でも積極的な取り組みもぜひ検討していただきたいと思います。農家の方々はボランティアでそういった学校教育への協力は惜しまないといったような声も聞いておりますので、この市川でそういった農業体験ができる場所もあるわけですから、ぜひ積極的に取り組んでいただければなというふうにお願いいたします。学校での農業体験というのは、子供、児童、将来の農家の担い手を育てることになるかもしれない。また、市川市の農業について理解を深めるという意味でも、本市農業の振興策にもつながるものというふうに考えられます。こうした将来の農業の担い手、理解者となる児童生徒に対する本市農業の振興策について、どういった取り組みが行われているか伺います。
○松井 努議長 経済部長。
○関 武彦経済部長 児童生徒を対象とした農業振興対策といたしましては、ふれあい農園や市民農園事業での農業体験のほか、関係機関・団体と連携した食育事業、梨の選果場の見学などを実施しているところでございます。
 以上であります。
○松井 努議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 わかりました。農業での体験というのは、こういった教育効果もありますし、また、福祉の面でもいろいろと活用されている動きが最近広がってきております。ぜひこうした取り組みをさらに拡大していただければなというふうに思います。この項目はこれで終わりまして、次の項目に移ります。
 市民が主体となった地域活性化への支援策ということなんですけれども、全国各地で市民ボランティアやNPOを中心とする実行委員会形式で音楽イベントなどが開催されているケースは数多くあります。それらの多くは、単にアマチュアミュージシャンに音楽活動の発表の場を提供するにとどまらず、まちおこし、地域活性化などを目的に、住民が地域に目を向け、地域の新たな魅力として広く情報発信することを取り組みの発端としているケースが多く見られます。今後の厳しい財政運営の中で、広く市内外から人々を引きつけ、地域活性化、さらにはシティセールスにも寄与するイベント等を開催していくには、市民の主体的な取り組みがまずあって、それを行政が支援するという格好にならざるを得ないことは論をまたないところです。そこで、今回の質問では、こうした地域活性化に対する市民と行政のかかわりについて改めて考えてみたいと思います。
 市民発意による文化イベントに対する行政側の窓口は、商店街振興、文化芸術の振興、市民協働、観光、シティプロモーションなど、切り口によって行政の窓口がそれぞれ異なることが予想されます。一方、市民の側はさまざまな主体が多様な思いを持って参加しているとしても、それぞれの力が組み合わさってイベント開催という共通の目的のもとに集結しているものと思います。したがって、行政の側も市民の発意や取り組みの趣旨を尊重し、地域活性化に向け複合的な取り組みであることを理解した上で、行政側は部局横断的に情報共有し、対応していく必要があると考えます。
 そこで、本市の具体的な事例として、過去に行われたエドロックフェスティバルを取り上げて質問したいと思います。このイベントは、約10年前に4年間継続して毎年開催されたもので、市川市出身のアーティストの方々などが中心となって、江戸川河川敷の場所を使って音楽とアートのイベントとして開催されたものと聞いています。私も写真を拝見したり、主催者の方々に話を伺ったりすると、とても興味深いイベントで、もし継続していれば、市川市のシティセールスにもつながったのではないかと思われるようなものです。しかし、残念ながら中断してしまったわけですけれども、この経緯等について、(1)、(2)の質問は関連しますので、まとめてお伺いいたします。中断した経緯の認識について、また、当イベントに対して本市が行った支援の状況についてお伺いいたします。
○松井 努議長 文化スポーツ部長。
○金子 明文化スポーツ部長 私からは(1)、(2)エドロックフェスティバルについてお答えをいたします。
 エドロックフェスティバルは、市川市出身のアーティストなどが中心となったエドロックフェスティバル実行委員会が主催したもので、「外に出よう。外で遊ぼう」をテーマに、世代を問わず多くの市民が音楽やアート、人との出会いなどを目的といたしまして、平成14年度から17年度までの4年間、毎年、江戸川河川敷で開催されておりました。イベントでは、段ボールや絵の具などを使ったオブジェを子供と大人が一緒になって作成するアート体験や、市内在住のアーティストが作品を展示する青空ギャラリー、そして江戸川河川敷にふさわしい心地よい音楽を楽しむライブイベントなどが行われました。本市とのかかわりにつきましては、平成16年度と17年度の2カ年にわたりまして、それぞれ市川市と市川市教育委員会におきまして後援を行っております。通常、後援の申請に当たりましては、イベントの主催者が事業の企画段階で事前に相談をしていただき、資料の確認など一定の手続を経た上で、イベントの開催ごとに申請を行うようお願いをしているものでございます。
 お尋ねの中断された経緯の認識でございますが、当時の資料と関係者からの聞き取りにより御答弁させていただきますと、エドロックフェスティバルは、18年度以降は後援申請がされてなく、また、その後も事業の継続に関しまして市への相談がなかったものでございます。
 次に、市の支援についてでございます。文化振興に関する事業につきましては、年間約40件程度の後援をしておりますが、一般的に本市が後援を行うイベントにつきましては、市川市の名義を貸与するとともに、主催者が希望する場合は、PR用のチラシなどを公民館や文化施設などの公共施設に配布できるよう協力をしております。エドロックフェスティバルにつきましては、チラシの配布等についての協力依頼はございませんでしたが、事業の目的が公益の増進に資するものであったことから、会場となりました江戸川河川敷の使用料を免除しております。
 以上でございます。
○松井 努議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 ありがとうございます。御答弁にもあったとおり、本イベントが公益の増進に資するものであると評価したことから、市川市の名義を貸与することにしたわけですから、ただいまの答弁にあったような18年度以降は後援申請がなされておらず、市への相談もなかったというのは、いささか寂しい対応ではないかと思います。中断した経緯について、私が主催者に伺ったところでは、10名程度の主催者のうち何名かが出産であるとか他市へ転居したということで、主催者の人数が足りなくなって中断したというふうに伺っておりますけれども、市への相談はなかったということですけれども、主催者が相談しなかったのは、相談しても協力が得られると思わなかったのかもしれません。せっかく市民からの発意で意義あるイベントが開催されてきたのであれば、それに対して市としてもできる限りの協力をもう少し踏み込んで行うべきではなかったのかと考えるところです。
 1つ再質問させていただきますけれども、本市が後援の形で支援したこと及び会場使用料を免除したことはわかりましたけれども、この支援が事業に与えた効果について、どのように認識しているかお伺いいたします。
○松井 努議長 文化スポーツ部長。
○金子 明文化スポーツ部長 お答えいたします。
 支援の効果でございますが、市の後援を得たことでエドロックフェスティバルの社会的な信用が増し、公共的であるというPRができましたことにより、参加する市民や協賛する事業者にとっては、安心して参加することができ、にぎわいにつながったものではないかと考えております。また、会場使用料を免除したことで、使用料の免除相当額を事業費に充てられるため、間接的ではありますが、その分、参加者に還元されたのではないかと認識をしております。
 以上でございます。
○松井 努議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 わかりました。それでは、今後こういったイベントを育成するために、(3)の質問に移っていきますけれども、市民が主体となった取り組みをサポートする仕組みや市民の自発的な取り組みの火を消さないことが大切だと思います。そこで、財政的支援のほか人的な支援をできないのか。例えば包括協定を締結している市内の2大学の学生の力を活用する橋渡しをすることなどは考えられないか、見解をお伺いいたします。
○松井 努議長 企画部長。
○菊田滋也企画部長 少子・高齢化などの社会状況の変化や地域課題、市民ニーズの多様化、複雑化に対応するためには、文化、教育、福祉などさまざまな分野において行政とともに市民や自治会、NPO等のさまざまな主体が連携しながらまちづくりを進める必要があります。そのような中、地域が抱えるさまざまな課題について、市民等がみずから解決していこうと、こういう活動は大変重要でありまして、市として市民等が参加しやすく活動しやすい環境づくりを行う場などの支援が必要であると考えております。現在、市ではこうした市民主体の活動に対し、幾つかの支援策を行っております。1つは、先ほども話題にありましたが、共催、後援等です。行事の企画運営に参画し共同主催者となる共催、行事の趣旨に賛同し名義を貸与する後援、これらは、先ほども答弁がありましたけれども、参加者を募る際などに社会的信用度が向上する等の効果があるとされています。2つ目は、昨年度から実施しております市川市市民活動団体事業補助金です。これは、市民活動団体が行う社会貢献活動の費用の一部を補助するもので、財政的な支援策といえます。また、3つ目として、平成18年度から実施しております協働事業提案制度です。こちらは直接的な財政的支援ではありませんが、地域の身近な課題を解決する取り組みに対して、場所の提供や広報、また、資機材の貸し出しなどを行う事業でございます。現在はこのような事業を通して、市民等が主体となった地域活性化事業への支援を行っております。また、こうした取り組みの中には、包括協定を締結している大学との連携が行われているものもあります。これらは事業の活性化等につながっているものと考えております。
 以上でございます。
○松井 努議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 ありがとうございます。財政的な支援としては、いちさぽ補助金のほか、協働事業提案制度があることがわかりました。この協働事業提案制度というのがちょっと私もよくわからなかったので、過去3年間でどういったような実績があるのか、また、あわせて大学生が地域活動に参加している事例はどういったものがあるのか、再質問としてお伺いいたします。
○松井 努議長 企画部長。
○菊田滋也企画部長 まず、提案制度の実績です。平成27年度、28年度は、防災・減災活動等を目的として、これらに関する意識の啓発高揚を図るための研修会等を実施する事業や、地域包括ケアにかかわる医療、介護、福祉分野の専門職及び、また市民が知識や情報を共有するケアカフェいちかわなど5つの協働事業が実施されております。また、今年度は「健康作り・仲間作り・いきがい作り」を目的としたいきいき健康マージャン市民交流大会など、現時点で3つの協働事業が実施されております。
 次に、本市と包括協定を締結している千葉商科大学と和洋女子大学の学生さんが参加している取り組みとしては、地域の有志が主催し、国府台駅前通りが会場となる地域のお祭り、根本フェスティバルや、社会奉仕団体が主催し、江戸川の河川敷を会場にチャリティーマラソンを行う市川リバーサイドマラソンなどがございます。
 以上でございます。
○松井 努議長 西牟田議員。
○西牟田 勲議員 わかりました。ありがとうございます。今例示された大学生が参加しているイベントについては、恐らくこれは包括協定の中で行われているものではないというふうに聞いておりますので、今後はぜひこの包括協定を最大限活用して、例えばさっきのエドロックフェスティバルのようなイベントにも市と大学と市民が協働で参画できるように、ぜひそういった音頭をとっていただきたいなというふうに思います。今後は、こうした取り組みを支援するために部局横断的な市民活動を支援する仕組みが必要ではないかというふうに思います。また、こうした取り組みに市民が参加しやすいような情報提供やコミュニティーの形成などの努力も一層進め、企画、運営等に参加する市民のベースを拡大できるように、行政側の一層の努力を要望して、この質問は終わります。
 以上で私の一般質問を終わります。どうもありがとうございました。
 

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