更新日: 2017年12月28日

2017年9月27日 一般質問(金子貞作議員)

一般質問(金子貞作議員)

○松井 努議長 金子貞作議員。
○金子貞作議員 日本共産党の金子貞作です。通告に沿って一般質問を一問一答にて行います。よろしくお願いいたします。
 まず最初は、教育行政について。
 放課後保育クラブの待機児童の現状と解消について。保育クラブは法律で義務づけられ、役割として、家庭の代替機能、放課後学習の場、子供の遊び、文化活動の居場所とも言われています。そこで5点伺いますが、1つは保育クラブに対する本市の位置づけについて、2つ目は待機児の解消について、3つ目はニーズの把握と余裕教室の活用について、4つ目は支援員の確保について、5つ目は入所順位の基準化について、それぞれ現状と課題について伺います。
○松井 努議長 生涯学習部長。
○佐野滋人生涯学習部長 本市の放課後保育クラブは、児童福祉法に規定される放課後児童健全育成事業に該当しております。そして、子ども・子育て支援法では、この事業を子ども・子育て支援事業計画に基づき市町村が行うものとされております。本市の子ども・子育て支援事業計画では、地域ごとに申請者数を予測し、計画定員数を市内全域で4,760名としております。こうしたところですが、需要の増加に速やかに対応してまいりましたので、約5,000名の受け入れ枠を今は確保しております。4月1日現在の状況は、申請者数約4,700名に対して、入所者数は約4,500名となり、残念ながら183名に待機していただくことになりました。数字上は受け入れ枠5,000名に対し申請者約4,700名と数は足りていることになりますが、待機が出てしまうのは、保護者から見ると、子供が通っている学校にある保育クラブに入所させたいというお気持ちがあり、近隣のクラブに余裕があっても入所されないというケースがあるためです。放課後保育クラブの需要については、女性の社会進出などにより保育クラブの需要は高まっており、申請者数は今後も増加していくものと考えております。待機児童を解消するため、保育クラブを増設するには、設置する場所を新たに確保することと、支援員を増員しなければなりません。毎年、学校基本調査で学校ごとに申請数を予測し、設置が必要なところの施設状況の変動を現地で速やかに確認し、必要な数を確保できるよう心がけております。多目的教室などを転用できるかは、その時々の事情によって異なるので、学校運営に支障がない中で保育クラブとして活用できるよう、学校とよく話し合ってまいります。
 次に、支援員の増員については、その採用に教員免許や保育士資格といった要件があることなどから、すぐに人員を確保することが難しくなってくると予想されるため、指定管理者である社会福祉協議会と状況を分析し、効果的な対策を講じてまいりたいと考えております。学校の事情などにより、残念ながら保育クラブをすぐにふやすことが難しく、待機が出てしまうようなときには、保育の必要性の高い、低い学年の順に入所をしていただいております。また、学年順のほかにも、障害児や配慮すべき家庭の事情がある方については、保育の必要性を考慮し、優先して入所いただいているところです。申請者の生活状況に応じて点数をつけ、その点数を基準として入所の優先を判断することについては、既に実施している市町村もあると聞いております。点数をつける場合、個々の具体的な事情を点数化する必要があることから、まずは近隣で既に点数化しているクラブや、保育園における点数化の状況、そして、保護者の意向などを確認してまいりたいと考えております。
 最後に、放課後保育クラブにおいて最も必要なことは、全ての申請者に入所していただくことができるように環境を整えることなので、今後も引き続き待機児童の解消に向けて鋭意努力してまいります。
 以上でございます。
○松井 努議長 金子貞作議員。
○金子貞作議員 答弁を伺いました。保育クラブの実施は法律で定められております。未来を担う子供たちが成長する上で欠かすことができません。そして、大きな役割を果たしている制度です。宮久保地域の保護者からメールをいただきました。内容は、学童に子供を預けているが、定員オーバーとなったため抽選となった、そして、漏れてしまった、国は6年生まで学童が必要だと認めているように、小学生はまだまだ大人の目が必要だ、市に相談しても、学校が教室を貸してくれない、別のところに行ってくれ、こういうことで対応も非常に冷たかったと、こういったような内容であります。そこで、市内北東部、曽谷地域を中心とした待機の状況について伺います。
○松井 努議長 生涯学習部長。
○佐野滋人生涯学習部長 曽谷地域を中心とした市内北東部の保育クラブの状況ですが、国分小学校、稲越小学校については、年度初めに待機となった方はおりませんでした。曽谷小学校、宮久保小学校は4月にクラブをふやしましたので、ここも待機となった方はおりませんでした。この地域では百合台小学校で待機となった方がありました。
 以上でございます。
○松井 努議長 金子貞作議員。
○金子貞作議員 このメールの方は、多分、百合台小だと思うんですが、ここについて、この改善策はどういうふうに考えているのか、再度伺います。
○松井 努議長 生涯学習部長。
○佐野滋人生涯学習部長 来年度に向け百合台小学校を含めた小学校及び関係機関と現在調整しており、入所を希望する児童の動向を踏まえて対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○松井 努議長 金子貞作議員。
○金子貞作議員 いろいろ大変だと思うんですが、全ての児童が入所できるようにぜひやってください。そのためには、やはり支援員の処遇改善、こういったことも必要です。そして、学校など既存施設を活用する。施設もどこでもいいというわけにはいかないと思うんですね。体育館の屋根裏を使っているところもあるようですけど、窓もないような、そういうところも、ぜひ改善を含めて対応していただきたいということを申し上げて、次に移ります。
 まちづくりについて、北部地域のふたかけ歩道の現状とこざと公園から大柏川までの水路の改善について伺います。
 ふたかけ歩道の段差の問題、これは多くの先順位者からも質問があります。私も議会で何度もこの問題を取り上げてきました。そして、市も平成25年度、26年度、市内全域の水路の調査を実施したと伺っています。そこで、今回、北部地域のふたかけ歩道の現状と今後の改修の考え方、また、整備予定について伺います。
○松井 努議長 水と緑の部長。
○中野政夫水と緑の部長 北部地域のふたかけ歩道の現状と今後の改修の考え方についてでございます。市内には約174㎞の水路が存在しますが、その点検調査を平成25年度、26年度に実施いたしました。そのうち、上部がふたかけ歩道となっている水路の総延長は約57㎞で、京成線より北側の北部地域の延長は約8㎞となっております。この調査結果により、水路内部においては壁の劣化による鉄筋の露出やクラック、柱のゆがみや損傷などが確認できたほか、歩道部においてはふたのがたつきや段差及びふたの損傷などが確認できました。そこで、調査結果をもとに、水路内の老朽化度合いやふたの損傷度合い、また、駅周辺通学路など歩行者の通行の利用頻度を十分考慮し、総合的に判断しているところでございます。その上で、整備の優先順位をA、B、Cの3つのランクに分類し、平成28年度よりAランクから水路内の改修とふたの交換を実施しております。また、これに並行いたしまして、水路内が健全であってもふたが損傷していたり、ふたの平たん性が保てないなど通行に支障が出るような箇所につきましては、ふたのみの交換整備を行っております。
 次に、今後の北部地域のふたかけ歩道の改修予定でございますが、北部地域にもAランクの箇所が約1.3㎞存在することから、平成30年度より本北方3丁目の東部公民館付近から本北方1丁目の北方ポンプ場付近までの市道0224号及び4220号の延長約1.1㎞の改修工事を計画的に実施していく予定としております。
 以上でございます。
○松井 努議長 金子貞作議員。
○金子貞作議員 北部地域にもAランクが1.3㎞あるということで、計画的な整備を進めていくという答弁をいただきました。30年度から改修をするということなんですが、どのような改修工事を実施していくのか、その内容について伺いたいと思います。
○松井 努議長 水と緑の部長。
○中野政夫水と緑の部長 水路の改修方法は既設水路の内面の側壁及び底面に鉄筋を組み立て、コンクリートを打設し、側壁と底面が一体となったU字型の鉄筋コンクリート構造物を築造するもので、この改修工事により老朽化した水路の強度を確保し、ふたの交換を行っていくものでございます。
 以上でございます。
○松井 努議長 金子貞作議員。
○金子貞作議員 改修内容については、ほぼ暗渠化するという工事だということで理解いたしました。
 それでは、次に南大野地域のこざと公園から大柏川までの水路のふたかけ歩道について、この改善の考えについてであります。ここは私もよく見て通る場所なんですけれども、この歩道のふたががたがたと、こういう状況がかなりの面積で広がっております。住民からも、ここを何とか改善してほしいという声があるんですが、改善の余地があるのかないのか、この点について伺います。
○松井 努議長 道路交通部長。
○田村恭通道路交通部長 こざと公園から大柏川までの水路のふたかけ歩道の改善についてお答えいたします。
 同地区のふたかけ歩道につきましては、昭和48年から平成5年にかけて実施されました市川市大野土地区画整理事業にあわせて整備されております。現在、ふたかけ歩道の整備を進めている行徳地域につきましては、その多くが大野地区より以前に整備されていることや沿岸部に位置することから、コンクリートの劣化が著しい状況でございます。このようなことから、行徳地域から優先的に整備を進めているところでございます。御質問の区間につきましては、水路内の改修は完了しており、ふたの交換により整備していく区間となっております。そのため、今後のふたかけ歩道の整備進捗を踏まえ、優先度を見きわめながら整備時期を判断してまいりたいと考えております。なお、ふたの交換が必要な箇所がある場合には、部分的な交換を行うなど、適切な維持管理に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○松井 努議長 金子貞作議員。
○金子貞作議員 わかりました。水路については問題がないと、ふたについては、ふたの交換により整備を図っていくという答弁でありました。いずれにしても、このふたかけ歩道の問題については、膨大な時間とお金のかかる事業になると思いますけれども、そして、本来の歩道は地べたの上を歩くと、こういうふうに道路構造令ではなっています。本来は暗渠にして、その上に土をかぶせて、そして歩道とするというのが本来の正しい整備でありますから、この点は指摘をしておきたいと思います。
 次に、市政一般について、(1)自転車街頭指導員の勤務実態及び処遇改善に向けた市の対応について伺います。これは、勤務実態と処遇改善を分けて質問いたしますので、よろしくお願いいたします。
 ことしの6月から主要駅周辺の街頭指導業務は新たな企業が受託しています。この業務は、駅付近を幾つかのブロックに分けて街頭指導員が配置され、巡回することによって放置自転車が排除されている業務です。そこで、勤務が適切に履行されているのかどうかの確認について、市はどのように行っているのか伺います。
○松井 努議長 道路交通部長。
○田村恭通道路交通部長 お答えいたします。
 放置自転車対策における街頭指導業務が適切に履行されていることの確認につきましては、受託業者から毎月提出される出勤簿や業務報告書などによる書面での確認を中心に行っております。また、市職員が現地に出向き街頭指導の現場や詰所で点呼を行い、勤務状況を確認しており、今年度、現在も調査を継続しているところでございます。なお、万が一これらの確認作業により業務が適切に履行されていない状況が見受けられた場合には、直ちに受託業者に対し立ち会い、指示、協議、その他適切な方法により業務改善等を行うこととしております。
 以上でございます。
○松井 努議長 金子貞作議員。
○金子貞作議員 今、答弁ですと調査を継続中だということでありました。この調査結果について、しっかり議会にも報告をいただきたいというふうに思います。
 次に、高齢者が多い街頭指導員の処遇改善となる対応について伺います。今、御承知のように放置自転車は減少傾向にあります。街頭指導員がいれば自転車を放置することはできない、こういう状況がつくられつつあるのかなというふうに思います。そういう点で6月定例会でも申し上げてきましたけれども、やはり業務の改善、見直しも一定必要ではないかな。賃金も最低賃金ということを伺っております。こういった高齢者の処遇改善について、どのように考えているのか伺います。
○松井 努議長 道路交通部長。
○田村恭通道路交通部長 お答えいたします。
 各駅周辺の放置自転車は、街頭指導員の日々の積み重ねが効果をあらわし、年々減少傾向にあると認識するところでございます。御質問の処遇改善の対応といたしましては、1点目として、受託者に対し街頭指導業務に従事している指導員の賃金について確認いたしました。これにより、千葉県基準の最低賃金以上の賃金が適正に支払われていることを確認いたしました。引き続き街頭指導員に適正な賃金が支払われることが重要と考えておりますので、受託者に対し、労働に見合った適正な賃金を支払っていくよう要請してまいります。
 2点目といたしましては、街頭指導員の勤務時間につきまして、現在、放置自転車対策として通勤・通学者を対象としていることから、朝夕の時間帯を除く日中の勤務時間を段階的に短縮することが可能か、既にこれは検証を始めているところでございます。そして、3点目といたしましては、この契約では、強風、大雨、台風などの天候時には街頭指導員の身の安全のため、予報や防災警報に基づき、双方協議の上、街頭指導業務の遂行について判断するとしております。しかしながら、雨天時などの業務対応については規定しておりません。このことから、処遇改善の観点といたしまして、雨天時には放置自転車の台数も、過去の実績から減少することが確認できておりますので、勤務時間の見直しを図るなど検討することも必要と考えております。今後も街頭指導における履行状況を確認いたしまして、業務内容における改善点がないか検証してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○松井 努議長 金子貞作議員。
○金子貞作議員 街頭指導員はほとんどが高齢者であります。そして、最低賃金で働いているようであります。この最低賃金でいいのかという話なんですよね。10月から、今度、時給も上がりますけれども、やはり最低賃金を払っていれば、それは違反ではないというふうには思いますけれども、生活のために高齢者が働かざるを得ない、こういう状況ですから、この最低賃金についても、市は、やはりそれなりの価格を出しているはずですから、そういう点も含めてしっかり指導していただきたいというふうに思います。また、市民からは、自転車のマナーが悪い、こういう声が非常に多く寄せられています。こういうことも含めて、研修をしっかりやっていただいて、自転車のマナー向上にもつながるような、そういう業務の改善も含めてお願いしたいというふうに思います。
 次に、(2)のほうに移ります。公共工事設計労務単価の引き上げに伴う本市の現状及び法定福利費への反映と対応についてです。6月定例会でも、業務委託の労働者賃金の確認ということで質問させていただきました。今後確認をしていくということの答弁でした。そこで、市が発注する工事において、同様の確認をぜひしていただきたいというふうに思います。労務単価は過去4年連続で引き上げられています。最初は7.1%、次に4.2%、4.9%、3.4%ということで、合計で19.6%引き上げられています。本来は2割賃金が上がっているはずなんですね。労務単価というのは8時間働いた金額ですよね。残業は含んでいません。市が発注する工事において、こうした単価を見込んで設計予定価格に反映していると思いますけれども、実際に労働者に渡る賃金に反映されているのか。そこで、賃金の実態と法定福利費への反映実態の把握について、本市の対応について伺います。
○松井 努議長 財政部長。
○松本雅貴財政部長 労務単価についての御質問にお答えいたします。
 公共工事の発注に当たりましては、予定価格の積算用単価である公共工事設計労務単価――以下、労務単価と申しますが、これを用いて行うこととされており、本市におきましても、この最新版単価を用いて予定価格の積算を行っているところであります。この労務単価には社会保険への加入徹底の観点から、法定福利費相当額が含まれており、また、予定価格には事業主負担分の法定福利費についても含まれることから、本市の入札、契約におきましては適切にとり行っていると認識しているところであります。
 次に、実際にこれらの上昇分が支払われているかという点でありますが、第1義には事業者の誠実な対応をお願いするところでありますが、一方で、実際に適正な賃金が支払われているかについて確認していくことも必要と考えております。この点を確認するために、本年度より労働者の適切な賃金水準による賃金支払いの確認に関する試行要領を施行いたしまして、低入札で落札となった案件について、事業者から契約締結までにこの要領を遵守する誓約書を提出させ、また、賃金の支払い確認に当たっては、工事に従事した労働者の賃金台帳や給与明細などを提出させて、適正な賃金が支払われているか確認することとしております。既に対象となる案件は7件ございまして、これらの案件について、工期の中ほどをめどに確認を行っていく予定でございます。
 次に、下請を含めた社会保険の加入につきましては、契約時に事業者に対し社会保険加入についての誓約書の提出をさせるとともに、施工体制台帳等により確認を行っております。また、契約事業者は下請業者における社会保険加入を指導することとしております。今後につきましても、文書等による周知のほか、本市が主催する事業者を対象とした研修会の場など、機会と場所を捉えて、事業者に対し強く要請してまいる所存でございます。
 以上でございます。
○松井 努議長 金子貞作議員。
○金子貞作議員 今の答弁で低入札となった案件は賃金台帳などを確認していくということでありました。こうした確認のほか、社会保険の加入も業者に徹底するよう指導していくということであります。事務量の問題もあると思いますけれども、私は、本来であれば低入札だけでなく、全ての案件で確認ができるようにすべきではないかと思います。今、全国的にも公契約条例をつくって、そして、これ以下ではだめですよと、そういうような規制をかけて徹底しているところもあります。そういったようなことも含めて、ぜひ本市なりのよい方法を検討していただきたいというふうに思っています。市内の公共工事の現場で働いている労働者を対象に、1日当たりの賃金を幾らもらっているか。千葉土建組合が直接労働者にアンケート調査を行いました。その回答を見ますと、とび職では千葉県の設計労務単価は2万6,200円ですけれども、回答では賃金は1万2,000円から2万円しかもらっていないというのがほとんどだった。設計労務単価と比較しますと、6,000円から1万4,000円の開きがあります。この工事は、99%を超える高い落札率なんですね。こういうところでも労働者の賃金がほとんど上がらない。中には上がったという人もいますけれども、4年間引き上げた、これが反映されていない、こういう実態が、また改めて市内の工事で明らかになっております。そこで、先ほども言ったように、低入札だけでなく高い落札率など、全ての案件で確認ができるような方法が必要だと思いますけれども、市の考えを改めて伺います。
○松井 努議長 財政部長。
○松本雅貴財政部長 本年度より先ほど申し上げました労働者の適切な賃金水準による賃金支払いの確認に関する試行要領、これによりまして、低入札となった工事案件を対象に、適正に賃金が支払われているかについての確認を行ってまいります。その上で、課題などを抽出し、その後の対応を検討したいというふうに考えております。また、今後につきましても、国土交通省の新労務単価啓発用のポスターを建設現場に掲示することなど、周知啓発について元請事業者に対して要請してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○松井 努議長 金子貞作議員。
○金子貞作議員 今、ポスターの件も出ましたけれども、ポスターを労働者が見える場所にしっかり張っていただいて、引き上がっていない場合は電話をいただく、そういったようなポスターになっていると思うんですね。ところが、実際には相談が来るという例はほとんどありません。私も外環工事で働いている労働者から話を聞きましたけれども、元請にしっかり賃金を払ってくれと社長に言ってくれと、そういうふうに言ったら、とんでもないと、しごとを干されるだけだと、こういう話をしていました。そういうふうに、下から、ちゃんと払ってくれと、あるいは労働条件の改善もちゃんとやってほしいということはなかなか言えないんですね。ですから、やはり市がしっかり規制をして、これ以下の賃金ではだめですよと、そういうふうなことを、低入札だけに限らず課題を分析して、整備をぜひやっていただきたいというふうに思います。
 なぜ国交省が4年連続引き上げているかというと、若い人が今、定着しない。本当に若い人が技術を継承しないと、建設産業も先行きやっていけなくなる。こういう厳しい現実があるから、こうやって国交省が賃金の引き上げを行い、そして行政に対しても、経営者に対しても通達を出しているわけです。この辺の趣旨をしっかり理解していただき、やはりみんながいい仕事をして、生活ができる賃金の支払いになるようにお願いしたいというふうに思います。
 次に、(3)の公益通報制度の本市の現状と対応について。これも関係しているんですけれども、近年、事業者内部からの通報、いわゆる内部告発です。これを契機として、国民生活の安心や安全を損なうような企業不祥事が相次いで明らかになりました。このため、そうした法令違反行為を労働者が通報した場合、解雇等の不利益な取り扱いから保護し、事業者コンプライアンス、法令遵守、経営を強化するために公益通報者保護法が平成18年4月に施行されました。私も2007年6月定例会でこの問題を質問し、この制度を活用して窓口の設置を検討すべきではないかと質問しました。それで、市は、外部窓口の設置を検討すると、10年前に答弁しているんですよ。そこで、本市におけるこれまでの公益通報者保護の取り組みについて、また、本市にされた公益通報の件数について伺います。
○松井 努議長 総務部長。
○菅原卓雄総務部長 公益通報者保護制度についてお答えいたします。
 公益通報者保護制度は、平成18年4月から施行されております公益通報者保護法に基づく制度であります。この制度は、平成12年ごろに発生いたしました食品偽造や自動車のリコール隠しなどの不祥事をきっかけといたしまして、企業などの組織ぐるみの不正を告発するために、通報した労働者について、解雇や嫌がらせなどから守るために創設されたものであります。公益通報には市役所の外部からの通報と内部からの通報の2種類がございます。本市では、外部からの通報につきましては、法施行当初は総合市民相談課を窓口といたしまして、事務取扱要領を制定するなど、運用体制を整備してきたところであります。その後、平成24年4月からは当時の市民法務課が窓口となりましたが、翌年の4月からは、組織改正によりまして現在の法務課が窓口となっております。なお、内部からの通報につきましては、法施行当初から人事課が通報の窓口となっております。
 次に、公益通報の件数についてでありますが、この公益通報者保護制度の保護の対象となりますためには、通報者が通報の対象となる事業者の労働者であること、そして、犯罪行為や犯罪行為につながる法令違反の行為が生じているか、または、まさに生じようとしている旨の通報であることなど、5つの要件を全て満たすことが必要とされております。これまで、本市には外部からの公益通報に該当する可能性のある通報は3件ございましたが、いずれもこれらの要件を満たしておりませんでしたので、公益通報保護法に基づきます公益通報には至っていないところであります。
 以上でございます。
○松井 努議長 金子貞作議員。
○金子貞作議員 これまで3件あったけれども、適用されなかったということなんですが、市民は何が適用になるのかなんていうのは全然わからないわけですね。要は、企業もそうですし、行政の職員の方も、おかしいと思うことは声を上げてくださいというような環境をしっかりつくっていくということが、私は必要だと思います。私も10年前、大阪市を例に挙げて質問しましたけど、10年前でも大阪市は二百何件の通報があったんですね。毎年件数を明らかにしていますけれども、最近の事例を見ますと、800件、700件と、そういう通報がしっかりと寄せられるようになってきています。このことによって、業務改善したり、あるいは不正を改善する、そういったように市も助かるわけですね。税金の無駄遣いがあるのかないのかとか、我々にもいろいろ市民から相談がありますけれども、やはり市民が本当に市役所に、おかしいことはおかしいと声を上げて、市がしっかり対応して改善につなげたと、そういったような方法になるようにぜひお願いしたいと思います。
 そこで、ことし7月に消費者庁から新たなガイドラインが示されました。これを踏まえて、本市における今後の公益通報者保護の取り組み、そして周知についてどう考えているのか伺います。
○松井 努議長 総務部長。
○菅原卓雄総務部長 公益通報者保護の今後の取り組みについてお答えいたします。
 本年7月に御指摘のございました消費者庁からの公益通報者保護法を踏まえた地方公共団体の通報対応に関するガイドラインが示されました。このガイドラインには、内部規程の作成や公表、そして通報受付窓口の設置や事務処理の方法などが定められております。今後は、このガイドラインの内容を踏まえまして、事務取扱要領の内容を整備してまいります。また、本市の公式ウエブサイトに公益通報者保護制度のページを設けまして制度の周知を図るなど、通報しやすい制度となるよう体制を整備してまいります。
 以上でございます。
○松井 努議長 金子貞作議員。
○金子貞作議員 新たなガイドラインを示されて、本市もそれに対応した取り組みをやっていくということであります。必要なのは、やっぱり周知をしっかりと業者にも職員にも徹底して、通報しやすい公益通報の整備をぜひ図っていただきたいということを要望して、最後の(4)番目の公共用地における樹木の維持管理のあり方について伺います。
 市の緑地や公園、街路樹の樹木などは、市民にとって身近な緑であり、安らぎや癒やしの効果を与えています。その一方で、枯れ枝や害虫、台風等により樹木が折れた場合の危険性など、さまざまな問題も発生すると思われます。そこで、本市における緑地や公園の樹木の維持管理について、どのように行われているのか。また、樹木等の剪定についてガイドラインを作成し、他の公共施設も統一的な運用ができないか伺います。
○松井 努議長 水と緑の部長。
○中野政夫水と緑の部長 まず、本市の緑地、公園につきましては、平成28年度末現在で緑地が49カ所、面積約71ha、都市公園が410カ所、面積約160haでございます。市内の緑地や公園は市民の目に触れやすく、身近な緑として安らぎや癒やしなどの効果を与えるとともに、良好な景観形成や大気の浄化、延焼防止などの機能も備えております。一方、樹木は四季の変化に対応した育成サイクルで成長し、植栽後、年数の経過とともに成長が進み、古木となっている樹木もあり、その維持管理のために定期的に剪定を行っていかなければなりません。そこで、緑地の樹木の維持管理につきましては、自然環境を維持しつつ、樹林の形成を管理することにより、緑地に適度な明るさを確保し、緑地の持つ機能や効果を十分発揮させるものでございます。また、公園につきましては、その公園ごとに適した樹木の景観維持、防犯を意識した環境づくり及び周辺環境との調和を意識したものでございます。これらの維持管理を実施することで、市民に対し身近な緑として守るとともに、枯れ枝、害虫、台風等の災害にも対応し、安心で安全な環境を保全しているものでございます。
 次に、樹木剪定実施等の維持管理に関するガイドラインにつきましては、現在作成しておりませんが、業務委託の仕様書において、他市のガイドラインなどを参考に、樹木の剪定方法や目指す樹形などを細かく規定しているところでございます。市としましては、適切な業務の遂行に支障がないものと考えております。また、緑地や公園以外の公共施設の樹木の維持管理におきましても同様な仕様書を作成し、業務委託を実施しているところでございます。このようなことから、本市では業務委託の仕様書がガイドラインと同等の機能を有しているものと考えております。
 以上でございます。
○松井 努議長 金子貞作議員。
○金子貞作議員 今の答弁では、委託仕様書にガイドラインがあるということでありました。しかし、私はこれが本当に機能しているというふうにはとても思えません。樹木というのは成長していきます。最初は小さくてもどんどん大きくなっていくんですね。今回、なぜ質問したかというと、2軒から住民の相談があったからであります。1つは曽谷第2緑地、住宅街ですね。ここでは、下草刈りはやってくれるんですけれども、木が大きくなり過ぎて住宅街に光が入らない。そして、冬の寒いときなんか、雪が降ったときはなかなか解けない。斜面地ですから、大木になった木がいつか倒れてくるんじゃないか、こういう心配をしているわけです。思い切って剪定してもらえないか、こういう相談です。それから、もう1つは梨風東緑地、ここも樹木が伸び放題。そして、屋根まで覆いかぶさるような状況で、本当に緑は必要ですけれども、ほとんど伸び放題。管理がほとんどされていない。こういう相談の内容ですけれども、これは市に事前に話をしてありますので、この対応についてどうなっているのか伺います。
○松井 努議長 水と緑の部長。
○中野政夫水と緑の部長 現在、曽谷第2緑地につきましては現地調査が完了しており、樹木剪定の準備を進めているところでございます。また、梨風東緑地につきましては、延長も長く、剪定する樹木が多いことから、次年度以降、順次対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○松井 努議長 金子貞作議員。
○金子貞作議員 わかりました。2軒については対応していただけるということで了解をいたしますが、こういう市民から苦情がないと、また、議会で質問しないとなかなかやってくれないというのが現状なんですね。私も自転車で3・4・18号を通ってきますので、3・4・18号には3m歩道がありますけれども、ここにわざわざツツジの木が植えてあるのにもかかわらず、中木の木をまた植えているんですね。なぜ歩道をわざわざ歩きにくくするのかと、こういう市民の声なんです。それから、コルトンプラザ前はバラの木が植えてありますけれども、歩道にはみ出ないように、最初は、くいがやってありましたけど、今、バラの木がはみ出ていますよ。あれはひっかかって、また市民から苦情が来るんじゃないかと心配しているんです。それから、霊園のイチョウ並木があるんですけれども、これが丸裸みたいな伐採になっちゃっているんですね。この霊園のイチョウの木はギンナンがなりますから、市民が楽しみにしている場所なんですね。それがほとんど枝を切っちゃって、ギンナンがならない。こういう状況になっているわけです。何でこういう剪定をするのか。ばさっとやれば早く終わるし、業者は楽なんですよね。業者の手抜きなのか、市の指示なのかわかりませんけど、剪定1つとったって、やっぱりおかしいなと思うことがいっぱいあるんですよ。
 そこで、再度伺いますけれども、維持管理のガイドラインの策定が必要ではないか、そして、他の公共施設も統一的な運用を行い、市民にも公表すべきと考えますが、どうか。また、調整役として専門家の職員配置が必要だと思います。こうした点について見解を伺います。
○松井 努議長 水と緑の部長。
○中野政夫水と緑の部長 ガイドラインの作成及び専門家の活用につきましては、他の公共用地もありますことから、その必要性も含め、関係部署と協議してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○松井 努議長 金子貞作議員。
○金子貞作議員 私もこの質問をするに当たって、さいたま市なんかもしっかりガイドラインをつくって、ホームページで見られるようになっています。他市もそういったところが大変多くあります。市川は本当に緑が癒やしや潤いを与える。本来はそうなんですけれども、これが木を切ってくれと、こういう苦情ばかりが来るわけですね。本当に市川は、街路樹でも自慢できるところがなかなか少ない。松戸市はイチョウ並木とか桜並木とか、本当に市民が自慢できるところは結構あるんです。歩道も広いですしね。そういう点で、本当に市川は区画整理がうまくいかなかった。先ほどの歩道の面も、これも区画整理で水路にふたをして、それを歩道がわりにする。これは市民からの要望だったかもしれませんけど、これは本来の歩道じゃないわけですから、今後しっかりガイドラインを作成して、市民にも公表し、そして専門家の職員がしっかりチェックして、樹木は伸びますから、伸びたらある程度になったら切るとか、そういう剪定についてもしっかりやっていただきたいということを要望して、8分残しましたけど、終わります。
 

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