更新日: 2017年12月28日

2017年10月2日 委員長報告・採決(認定第1号)

○松井 努議長 日程第2認定第1号平成28年度市川市一般会計、特別会計及び公営企業会計決算の認定についてを議題といたします。
 本決算に関し委員長の報告を求めます。
 決算審査特別委員長、宮本均議員。
〔宮本 均決算審査特別委員長登壇〕
○宮本 均決算審査特別委員長 ただいま議題となりました認定第1号平成28年度市川市一般会計、特別会計及び公営企業会計決算の認定について、決算審査特別委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 議会における決算審査は、議決した予算の目的に従って執行されているかどうか、さらに行政効果はどうであったかに主眼を置いて審査するものとされており、一方、監査委員の審査は、計算に間違いはないか、支出命令に符合しているか、収支は適法であるか等に特に重点を置いて検討すべきものと言われております。
 本特別委員会といたしましては、このような点を十二分に踏まえ、委員会の冒頭、監査委員の出席を求め、収支の適法性等について確認したところであります。
 その審査の過程で質疑応答のなされた主なものを申し上げます。
 まず、「平成28年度決算の公債費負担比率及び市債現在高は良好な状態であったと思うが、監査委員はどのように分析しているのか」との質疑に対し、「公債費負担比率については、一般的に15%が警戒ライン、20%が危険ラインとされているが、近隣市では、船橋市が9.3%、松戸市が8.7%、柏市が13.0%、本市が7.9%で、これは、本市が臨時財政対策債を上限まで発行しない等、健全財政の維持に努めてきた結果であると考えている。しかし、今後は老朽化した公共施設の更新等により、市債の活用が避けられないことから、将来債務が過大となり過ぎないように、絶えず財政見通しを立て、コントロールしていく必要があると考えている」との答弁がなされました。
 次に、「本市の内部統制について、債権管理の不適切な事案や補助対象経費が明らかでなく、履行確認が不十分な補助金交付事業など改善すべき点が多くあると指摘しているが、監査委員は、その改善に向けて、どのようなアドバイスを行ったのか」との質疑に対し、「内部統制については、地方自治法の改正により、都道府県及び政令市では、長の内部統制方針の策定や実施が義務化されたところである。これは本市においては努力義務であるが、先進市の事例等を参考に、内部統制を担当する部署を設置し、長の方針に基づいた全庁的なチェックと評価を行うことなど、十分な検討と適切な実施を要望したものである」との答弁がなされました。
 引き続き決算書の審査に入った次第でありますが、審査に当たっては、歳入においては収入未済額及び不納欠損額の主なもの、歳出においては不用額及び流・充用の主なものについて説明を求め、疑義をただすことにより、議決どおりの執行であったか、また、どのような行政効果があったか等を中心に論議を尽くしてまいりました。
 その過程で質疑応答のありました主なものを一般会計の歳出から申し上げてまいります。
 まず、総務費について。
 自治会等集会施設整備事業等補助金について、「自治会等の集会施設を建築するための土地購入や建物の建築に係る費用などに対する補助金とのことだが、平成28年度決算における5,829万9,000円の補助実績の内訳及び補助率はどのようになっているのか。また、自治会館を新築した自治会はどこか」との質疑に対し、「平成28年度に交付した補助金の内訳は、建物の新築が2件で3,000万円、土地の購入が1件で1,000万円、建物の改修が4件で約120万円、倉庫の新築が3件で約50万円、建物の借り上げが12件で約160万円であり、平成27年度予算からの繰越明許費による新築が1件で1,500万円である。また、補助率については、建物の新築及び土地の購入に対する補助が4分の3、それ以外は2分の1である。なお、平成28年度に自治会館を新築したのは、妙典1・2丁目自治会、湊新田自治会、さらに、繰越明許費により須和田の3自治会が合同で新築している」との答弁がなされました。
 次に、青色防犯パトロール業務委託料について、「当該業務委託は、市から事業者に市内の巡回パトロールを委託しているものとのことだが、学校のPTAや自治会、事業者などが行っている活動との違い、また、その効果についてはどのように考えているのか」との質疑に対し、「当該業務委託は、市から事業者に青色防犯パトロールカー3台を貸与し、午後2時から午前0時までの間、3交代で巡回路を見回っており、特に夕方から午後8時までを重点的に、市民からの不審者情報などに対して臨機応変に活動しているものである。他団体の活動は学校の登下校の時間に合わせて活動することが多く、当該業務はその他の時間帯を補うことのできる活動内容となっている。また、不審者への対応だけではなく、見回りを行う中で防犯灯が切れている、道路が陥没しているなど、異常を発見した場合も報告を行うことで、さらに効果を上げているところである」との答弁がなされました。
 次に、民生費について。
 保育の実施について、「平成28年度決算において、月平均の入園率が50%を下回った施設が6カ所あったが、その主な要因はどのようなものか。また、本決算を踏まえて、これらの施設に対し、今後どのように対応していくのか」との質疑に対し、「月平均入園率が50%を下回った施設のうち、保育ルームフェリーチェの京成八幡園、行徳園、南行徳園及びキッド・ステイ妙典保育園については、保育士の確保等が難航したことが主な要因である。また、フェリーチェについては、法人本体が経営者を変更したことで状況の改善が図られているが、キッド・ステイ妙典保育園については、改善に向け、経営者と協議していく予定である」との答弁がなされました。
 次に、衛生費について。
 健康マイレージ事業について、「平成28年度は健康マイレージ事業に取り組む人数の目標を立てていたのか。また、1,342人が本事業に取り組んだとのことだが、この人数をどのように評価しているのか」との質疑に対し、「本事業では、平成26年度に廃止となった健康増進センターの年間利用者数である約800人を、事業に取り組む人数の目標として進めてきたことから、目標については達成したと認識している。今後も、引き続き取り組み人数の拡大に向けて啓発活動に努めていきたい」との答弁がなされました。
 次に、資源回収活動団体奨励金及び資源回収事業奨励金について、「平成28年度は平成27年度に比べて資源回収団体はふえたが、資源の回収量は減少したとのことである。この理由はどのようなものか。また、違法な回収業者の存在が資源回収量の減少につながったのではないかと考えているが、その傾向と対策をどのように考えているのか」との質疑に対し、「資源回収団体については、マンション管理組合がふえた一方、回収量が多い自治会や子供会で活動する者が減少したため、全体的には回収量が減少したものである。また、違法な回収業者については相変わらず横行しており、手口も暴力的になっているので、市民から通報された情報を警察と共有し、市川市資源回収協同組合と協力しながら対応していく」との答弁がなされました。
 次に、猫不妊等手術費助成金について、「平成28年度の不妊手術の実施頭数の実績について、どのように評価しているのか。また、本決算の結果を踏まえて、今後、この助成事業の目的を動物愛護の視点から捉える考えはないか」との質疑に対し「平成28年度は不妊手術を行った271頭に対し助成を行った。各団体が管理する地域猫への不妊手術件数は増加しており、これにより、未手術の地域猫は減少傾向にあると考えている。また、本事業は、猫の鳴き声やふん尿などを環境問題として捉え、スタートしたものであるが、地域猫については、最終的には誰かに引き取られていくことが望ましいと考えている。そのため、今後は新しい施策として、里親探しの会を29年中に1度試行することを目指している」との答弁がなされました。
 次に、農林水産業費について。
 農産物等PRイベント負担金について、「本件は、浅草のまるごとにっぽん及び東京スカイツリーのソラマチひろばにおける農産物のPRイベントに係る負担金であるとのことだが、開催場所の選定経緯及びイベントの成果はどのようなものか」との質疑に対し、「イベントの開催場所については、JA等と本市で組織する実行委員会において、市川の梨を全国に広める目的で開催場所を選定したものである。浅草のまるごとにっぽんにおいては、マスメディア50社を対象としたイベントを開催し、各社を通じた放送により、全国の方に市川の梨を認知していただいたと考えている。また、東京スカイツリーのソラマチひろばにおいては、全国及び海外から訪れる観光客を対象としたイベントを開催し、約2万8,000人の来場者に対しPRを行ったものである」との答弁がなされました。
 次に、土木費について。
 耐震診断費補助金及び耐震改修費補助金について、「補助実績が当初の見込みを下回ったことにより不用額が生じたとのことであるが、市内民間住宅の平成28年度末の耐震化率は92.6%とのことである。この数値について、どのような評価をしているのか」との質疑に対し、「耐震化率については平成32年までに95%を目標としており、それに対する進捗状況は若干おくれているところである。今後、目標を達成するため、より一層市民への周知に努めていきたいと考えている」との答弁がなされました。
 次に、自転車対策事業について、「平成28年度から国分高校バス停の駐輪場が有料化になるなど、使用料収入がふえている一方、各駐輪場において委託料や整備費などを支出していると思うが、収支のバランスはどのようになっているのか」との質疑に対し、「駐輪場全体の使用料収入として、定期使用は約2,600万円、1回利用は約8,000万円、合計約1億600万円の増となっていること、また、支出については、平成27年度に比べ約4,600万円の減となっていることから、収支の均衡が図られる見込みとなったものである」との答弁がなされました。
 次に、消防費について。
 千葉北西部消防指令センター運用負担金について、「平成28年度の負担金の額は4,045万2,905円とのことであるが、これまで負担金の額に増減はあったのか。また、今後、どのような展望を見込んでいるのか」との質疑に対し、「負担金は平成26年度は約2,800万円、27年度は約3,900万円の支出となっており、26年度は年度途中からの開始であったため金額が少なくなっているが、その後はほぼ変わっていない。また、共同運用することで指令システムの整備経費が制限できるため、現在の6市による共同運用から、10市による共同運用を目指している」との答弁がなされました。
 次に、教育費について。
 小・中学校トイレ改修事業について、「平成28年度決算における本事業の成果及び進捗率はどのようなものか」との質疑に対し、「平成28年度については、中国分小学校、富美浜小学校及び須和田の丘支援学校の3校、3系統のトイレ改修工事を完了した。これにより市内全187系統中、47系統のトイレ改修が完了し、進捗率は25.1%である」との答弁がなされました。
 次に、行事参加生徒交付金について、「本件は、当初の見込みよりも該当する生徒が多かったことにより、予算の流用を行ったとのことだが、平成28年度決算の結果を、今後、どのように反映させていくのか」との質疑に対し、「本交付金は、義務教育におけるスポーツの振興及び体力づくりを目的に、県大会以上の各種大会への参加、また、保護者の負担軽減を図るためのものである。予算額については、毎年、精査の上、計上しているところであるが、実際の参加者は大会が終了するまでわからない状況であり、予算の流用については、やむを得なかったと考えている。今後は、本決算の結果を踏まえて、当初予算の増額を要求していく必要があると考えている」との答弁がなされました。
 次に、学校給食調理等業務委託料について、「平成28年度決算における給食事故の報告件数及びそのうちの異物混入が占める割合はどのようなものか。また、事故の原因及びそれを踏まえた今後の対策については、どのように考えているのか」との質疑に対し、「平成28年度における機械の故障や提供時間のおくれ、調理時の焦げ等を含めた給食事故の総数は129件であり、そのうち異物混入は62件であった。また、その主な原因は、毎年少しずつ給食調理業務の委託校がふえる中で、衛生管理上、毛髪1本であっても全て異物混入としてカウントしていることが考えられる。今後も給食事故ゼロを目指して、委託先の業者や学校の管理職及び栄養士等と綿密に連携をとりながら指導していきたいと考えている」との答弁がなされました。
 次に、歳入について。
 市たばこ税について、「社会的に分煙、禁煙が進むことを前提とすると、今後は市たばこ税の収入が大きく減少していくことも考えられるが、過去3年間の収入の推移はどのようになっているのか。また、仮に減少が続いた場合の本市財政に与える影響と減少分の補?等の対策はどのように考えているのか」との質疑に対し、「市たばこ税の過去3年間の決算額は、毎年おおむね2%から3%の割合で減少しており、今後もこの傾向は続くと考えているが、本市財政には大きな影響はないものと考えている。減収分の補?については、現在、加熱式たばこの税率が一般的な紙巻きたばこに比べ低いことが指摘されており、今後増税となる可能性もあることから、たばこ税に係る税制改正の動向を注視していきたいと考えている」との答弁がなされました。
 次に、総務使用料について、「東山魁夷記念館の使用料及び駐車場使用料は、平成28年度実績がいずれも決算見込額を下回り、また、過去にも開館10周年記念にあわせて多額の予算を計上したにもかかわらず、収入が減少したこともあったが、このことを踏まえ、どのように今後に反映させようと考えているのか」との質疑に対し、「東山魁夷記念館の使用料において、カフェの目的外使用料は、おおむね予算現額どおりの収入であったが、観覧料及び駐車場使用料については、それぞれ予算現額を下回ったものである。そこで、どのような要因で減収となったのか、担当部署とのヒアリングを通して把握し、今後の予算計上等に反映させていきたいと考えている」との答弁がなされました。
 次に、国民健康保険特別会計について。
 一般会計繰入金について、「被保険者数の減少に伴う保険給付費の減少等により繰入金が減額となったとのことだが、その減少の理由とはどのようなものか。また、法定外の繰入金であるその他繰入金についても年々減額となっているとのことだが、それについてどのような評価をしているのか」との質疑に対し、「被保険者数については、これまでも減少傾向が続いていたが、平成28年10月からの短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大により、国民健康保険の資格を喪失する方がふえたことが減少の大きな要因であると考えている。また、保険給付費については、本来は保険税収入で賄うべきものであるが、本市においては保険税の市民負担分が少なく、財源不足が生じていることから法定外繰入金を必要としており、人口比1人当たりが1万2,433円と、県内で7番目に大きい額となっている。今後とも法定外繰入金の減額に向けて努力していきたいと考えている」との答弁がなされました。
 次に、特定健康診査等委託料について、「特定健康診査の受診者数が当初の見込みを下回ったとのことだが、見込みと実績はどのようなものか。また、本決算を踏まえた今後の受診率向上の対策をどのように考えているのか」との質疑に対し、「平成28年度当初予算においては、受診者数3万5,100人、受診率45%を見込んでいたが、実績は3万3,229人で44.1%にとどまった。平成28年度は、特に40歳代の受診率が低いことから、若年層の未受診者への受診勧奨通知をふやしたことなどにより、平成27年度と比較し若干の受診率の向上が図られたものの、全体として受診者数が伸びなかったものである。今後は、受診率が低い世代に対するさまざまな取り組みが必要と考えている」との答弁がなされました。
 次に、下水道事業特別会計について。
 市川南ポンプ場用地等購入費について、「平成28年度において、どの程度の用地を購入し、その単価はどのようになっているのか。また、今後の事業の見通しはどのようになっているのか」との質疑に対し、「平成28年度における購入面積は3,140㎡で、単位面積当たりの単価は21万2,000円と16万円である。この差の理由は、上空に電線が占用している土地において単価が低くなっているものである。また、購入した3,140㎡はポンプ場建設に必要な面積全体の約90%に当たり、残りの約10%については、現在、地権者と用地買収の交渉を行っているところである。当該土地には構造物を建設する予定であるため、早期に工事を開始できるよう、引き続き努力していきたいと考えている」との答弁がなされました。
 次に、介護保険特別会計について。
 介護保険料の減免について、「介護保険料の減免の対象となるのは、所得段階が第1段階から第3段階の者とのことだが、その対象となり得る人数及び減免実績人数は何人になるのか。また、その周知は十分に行われていたのか」との質疑に対し、「介護保険料の生活困窮による減免の対象となるのは、所得段階のみで言えば生活保護受給者を除く第1段階から第3段階の方であり、平成28年度末で2万5,019人で、減額の実績人数は149人である。また、65歳以上の者全員に送付する介護保険料の決定通知書に減免制度を記載したリーフレットを同封することや、市公式ウエブサイト、「広報いちかわ」への掲載などにより、減免制度の周知に努めている。さらに、前年度減免の決定者で当該年度に未申請の者については、申請漏れのないよう、年度末に減免申請についての案内通知を発送している」との答弁がなされました。
 次に、病院事業会計について。
 企業債について、「企業債の発行総額が約36億円、償還高の累計が約18億円で、平成28年度末の未償還残高は約18億円となっている。これらは全て財務省財政融資資金による国からの借り入れとのことだが、民間に借りかえることは可能なのか」との質疑に対し、「借りかえは可能ではあるが、償還期間が終了するまでには長期間を有しており、病院事業の民営化への対応等も考慮しつつ、借りかえが可能かどうか検討していきたいと考えている」との答弁がなされました。
 以上申し述べましたほかに、本特別委員会の審査の過程における各委員の指摘、意見等を十二分に踏まえ、平成30年度の予算編成に当たられるよう要望した次第であります。
 本特別委員会といたしましては、採決の結果、多数をもって認定すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。
○松井 努議長 これより委員長の報告に対する質疑に入ります。質疑はありませんか。――質疑がありませんので、質疑を終結いたします。
 これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、順次発言を許します。
 桜井雅人議員。
〔桜井雅人議員登壇〕
○桜井雅人議員 日本共産党、桜井雅人です。党市議団を代表して、認定第1号平成28年度決算に対して反対討論を行います。
 大きく5点に対してです。まず、大きな1点目として、市民の暮らしの実態に寄り添った市政運営となっていない点についてです。納税者の個人所得は平均で368万8,000円、2年前と比べて1万1,000円の減、所得200万円以下の構成比は、非課税者を除いても35.8%、市民の暮らしは依然として厳しいものがあります。そうした中で、市は税金の徴収強化を図り、市税収納率は98.1%、その一方で、生活苦、所得の減少を理由にした市税の減免実績は1件のみ、また、国民健康保険は加入世帯6万9,898世帯のうち86.2%が所得300万円未満、短期被保険者証該当世帯数4,198世帯のうち94%が所得300万円未満。しかし、国保税の所得減少による減免実績はわずか5件、所得の減少による医療費一部負担金の減免実績はゼロ、介護保険料は減免の対象となり得る所得第3段階までの人数2万5,019人に対し、生活困窮による減免実績はわずか0.6%弱の149人、居宅サービス利用者負担額軽減の対象となり得る介護認定を受けている人1万5,955人のうち、認定者は0.4%弱の60人にすぎません。市民の暮らしの実態に寄り添った親身な相談体制とともに、減免制度の周知拡充を図るべきです。
 また、教育費では、入学準備金の調達が困難な方に対しての入学準備金貸付事業がありますが、当初予算では105件の貸し付けを見込んでいたのに対し、実績は69件、平成14年の270件をピークに減る一方です。収入が生活保護の2倍未満という貸し付けの基準や、貸付限度額、返済期間を見直し、教育の機会均等を図るという事業目的を果たすべきです。また、返済不用の奨学資金は、毎年、支給要件を満たしていながら予算が足りず、受けられない方が生まれていますが、28年度では16人に対し必要額は237万6,000円、支給要件を満たしている方全てが受けられるよう予算を組むべきです。
 続きまして、大きな2点目として、行財政改革の弊害についてです。まず、使用料値上げによる市民負担についてであります。28年度は公民館などの貸し室、集会施設やスポーツ施設、保健衛生施設の使用料値上げにより、26年度に比べて1億1,863万5,000円の増収、また、駐輪場の有料化、値上げにより26年度に比べて2億3,607万5,000円の増収となっております。要はそれだけ利用している市民の負担がふえたわけであります。各施設の持つ政策的な位置づけ及びそのために公が果たすべき役割をないがしろにし、専らコスト削減、受益者負担ありきを大前提とするやり方は改めるべきです。
 次に、職員定数についてです。平成10年に策定された第1次定数適正化計画が始まって以来、正規職員の数は4,073人から3,232人と841人の削減です。その弊害として、まず、職員の健康の悪化が挙げられます。病気休務等により30日以上休んだ職員は117人、うち精神疾患が53人、近年、100人前後の病気休務者とその約半数が精神疾患という傾向が続いています。職員削減と病気との関連について、市は検証もできていないようですが、対症療法だけではない根本的な対策が必要です。また、職員削減により、特に現業職員の採用は、この18年間ゼロ。その影響は子供たちがいる保育や教育分野にも及び、同じ職場で同じ仕事をしていながら、賃金や休暇の取得、昇給は退職金など大きな格差を生んでいます。また、各学校に配置されている学校図書館員やライフカウンターは、いずれも勤続年数五、六年未満の方が半数を占め、スクール・サポート・スタッフは3年未満の方が半数を超えており、継続して働けていない現状があります。文科省は、ライフカウンセラーを正規の職員として雇う必要性を強調しています。職員の処遇改善を求めます。
 また、職員定数の削減は非正規雇用の増大のみならず、業務委託や指定管理者制度の導入、民間事業者への依存にもつながっています。学校給食の調理委託業者の職員の3分の2がパート職員、そのうち経験年数2年未満が41%を占めています。毎年100件以上の給食事故が起きていることも、調理員の経験年数と関係があるのではないでしょうか。調理業務委託についてしっかりとした検証が必要です。
 続きまして、大きな3点目として、喫緊の課題である特別養護老人ホームの待機者及び認可保育園の待機児の解消が図られていない点についてです。特養ホーム待機者は平成29年1月1日時点で246人に対し、平成28年度は1施設の建設。ただし、27年度から29年度の第6期計画、毎年1施設建設予定に対し、27年度は土地の契約ができなかったという事態があり建設を断念、そのおくれを取り戻せておりません。また、保育園は入園を待っている申請者数が年度末のことし3月1日時点で2,349人、前年度より475人さらにふえています。認可保育園の建設を急ぐことはもちろんのこと、私立保育園では職員不足などから定員受け入れ率が50%を下回っている園が6園、適正な職員配置、職員の待遇改善など、市がしっかりと指導すべきです。
 続きまして、大きな4点目として、市内業者の仕事確保、地域経済の活性化が不十分な点についてです。市内でできるものは市内業者という本市の発注方針の大原則がありますが、委託業務の競争入札の契約件数716件のうち、市内業者の契約件数は256件、36%にすぎません。市内業者の育成に力を入れて、市内業者の仕事確保、地域経済の活性化につなげるべきです。
 次に、あんしん住宅助成制度について、住環境の整備のみならず、地元業者の仕事確保にもつながるものですが、28年度は予算不足から、11月には受け付けを終了しています。市川市住生活基本計画の目標を達成するための年間計画に基づいて予算化しており、予算規模はおおむね適正であるとのことですが、しかし、本制度は住環境の整備のみならず、地元業者の仕事確保にもつながるものであり、経済対策としても位置づけ、申請に応えられる予算の確保、さらには補助対象工事の拡充を図るべきです。
 続きまして、大きな5点目として、不要不急の事業の見直しがされていない点についてです。社会保障・税番号制度、マイナンバーについて、この3年間で3億円を超える市の負担が生じております。そもそもマイナンバー制度はどれだけ情報セキュリティーを強化しようが、個人の12桁番号の漏えいのリスクが常につきまといます。国に強く中止を求めるべきです。
 次に、まち並み景観事業についてですが、イルミネーションやガーデニングなどに対し、市民からは、この予算は福祉に回してほしいという声が出ております。特に総事業費1億2,634万円のうちガーデニング事業費は1億578万円を占めており、そのうちハード事業費が9,744万円と突出しております。費用対効果を考え、節約を図るべきです。
 以上、反対理由を述べました。来年度予算にしっかりと反映していただくよう申し添えまして、平成28年度決算に対しての反対討論とします。
○松井 努議長 岩井清郎議員。
〔岩井清郎議員登壇〕
○岩井清郎議員 創生市川第1の岩井清郎でございます。ただいま議題となっております認定第1号平成28年度市川市一般会計、特別会計及び公営企業会計決算の認定について、清風会、自由民主党、創生市川第1、第2、第3の各会派を代表いたしまして、賛成の立場から討論をさせていただきます。
 去る9月19日から9月21日まで3日間にわたり行われました決算審査特別委員会での審査を踏まえ、主に財政指標の評価及び財政運営に対する意見、要望を中心に、それぞれ述べてまいります。
 まず、平成28年度の1年間を振り返りますと、経済情勢はアベノミクスの効果から、雇用、所得環境、企業利益がそれぞれ改善し、景気は穏やかな回復基調を持続していると分析されております。一方で、景気回復の恩恵を実感できるところまでは来ていないとの声も数多く聞かれ、数値で見る景気回復と、私たちの生活状況とはまだまだ隔たりを感じる1年間であったかと思います。そのような中で、本市の平成28年度決算におきましては、歳入の根幹をなす市税収入が4年連続で増収し、また、地方消費税交付金については前年度と比べ減収したとはいえ、税率の引き上げ前と比べると30億円を超える増収となっていることなどに伴い、一般財源の収入を一定額確保できたことによりまして、良好な決算を迎えることとなりました。しかしながら、長期的な視点に立ってみますと、今後の少子・高齢化の進展に伴い、増加し続けることが見込まれる扶助費を初め、学校を含めた公共施設の老朽化に対するための経費など、これまでの歳出予算を上回る規模で拡大していくことは避けられません。そのためにも、現状における健全な財政を維持するための努力を引き続き行っていく必要があると改めて感じたところでございます。
 それでは、私なりの視点から、平成28年度の決算の内容につきまして申し上げます。まず、一般会計の歳入決算は、市税収入が過去最高額を更新し、814億5,900万円となり、前年度と比べ6億2,700万円の増収となったことにより、全体では前年度と比べまして1.1%増の1,408億円となりました。また、歳出決算を見ると、私立保育園の保育料や生活保護費などの扶助費が大幅に増加したことに加え、庁舎整備やJ:COM北市川スポーツパーク整備の進捗などにより普通建設事業費が増加したことに伴い、歳出決算の総額では、前年度と比べまして1.3%増の1,358億600万円となっております。
 ここで、改めて主な財政指標について見てまいりますと、財政力指数、実質収支比率、公債費負担比率の各指数については、それぞれ良好な結果を保っていますが、地方自治体における財政の硬直化を示すと言われる経常収支比率については、90.4%から91.8%と1.4ポイント上昇したところです。経常収支比率が上昇すると行財政運営の自由度が低下するとも言われております。この経常収支比率の上昇は、歳入面では地方消費税交付金や株式等譲渡所得割交付金などの各交付金が減少したこと、また、歳出面では私立保育園の保育料や生活保護費などの扶助費並びに介護保険特別会計及び後期高齢者医療特別会計に対する繰出金の増加が主な要因です。これら社会保障関連経費の増大という状況を考慮すれば、1.4ポイント程度の上昇で抑えられたことは、近隣各市において普通交付税の交付という経常収支比率をよくする要素があるにもかかわらず、市川市よりも上昇の幅が大きい状況になっていることを見ますと、むしろ評価に値すると存じます。社会保障関連経費は今後も伸び続けると予測され、抑制することは極めて困難な経費であります。このような状況下においても、一定の健全財政を目指していただきたいと思います。
 続きまして、市の借入金である市債と、その償還に係る公債費負担比率について述べたいと思います。市債残高は昨年度に比べ21億4,100万円減少し、579億7,900万円となりました。市債残高が減少したのに対し、公債費負担比率は前年度と比べ0.4ポイント増の7.9%とわずかに上昇しましたが、これは、以前よりも借入期間などを短く設定したことにより単年度の償還額が増加したためであり、現在のような財政状況が良好な状況のうちに少しでも市債残高を軽減するための策と言えるものであることを確認しましたので、評価すべきものと考えます。なお、現在進められている庁舎整備や、今後進める予定のクリーンセンターの建てかえなど、公共施設を更新するための財源として市債の増加額は増大していくことが見込まれますので、将来世代への過大な負担とならないよう、市債残高の推移には十分注意を払い、財政運営に臨んでいただきたいと思います。
 続きまして、基金の現在高についてであります。一般会計の基金現在高につきましては、前年度と比べ33億8,100万円増の271億1,600万円と大幅な増額となっております。これは、予期しない災害の発生などに備えるため、条例に基づき財政調整基金への決算剰余金の2分の1を積み立てたこと、クリーンセンターを建てかえる際の財源として一般廃棄物処理施設建設等基金へ積み増しを行ったことによるものであり、将来に備える備えとして評価することができるものであります。特に財政調整基金につきましては、過去最高額となる150億円を超える状況となっておりますが、残高が増加した基本的な要因は、基金を取り崩さないで年度の歳入歳出の収支バランスが保たれたことにありますので、基金残高の累増について指摘するのではなく、基金を使わずに行財政運営を進めたことについて評価すべきものと考えます。
 続きまして、主な特別会計及び公営企業会計の決算について申し上げます。
 まず、国民健康保険特別会計におきましては、滞納整理の強化などにより保険税の確保に努めてきましたことから、収入未済額は6年連続で減少し、また、一般会計からの基準外繰入金につきましても、前年度と比べ2億6,600万円減の13億8,600万円となっております。このことは、国民健康保険事業の安定化に向けて努めてきた成果であり、評価することができます。
 次に、下水道事業特別会計につきましては、宮久保地区や大野・柏井地区などの下水道普及工事により、普及率は0.7ポイント引き上げられ72.6%となりました。今後も東京外郭環状道路などの整備に伴い、公共下水道への接続を待ち望んでいる市民が多くいることから、早期普及を目指して面整備の着実な進捗が図られるよう、引き続き取り組んでいっていただきたいと思うところです。
 続きまして、介護保険特別会計では、高齢化の進展に伴い、今後も保険給付費の増加が見込まれるところでありますので、介護保険事業の効率的な運営と制度を支える保険料の適切な債権管理を行うことにより、これからも健全な会計運営に努めていただきたいと思います。
 以上、平成28年度の市川市一般会計、特別会計、公営企業会計決算について、評価や要望など、全体を俯瞰しながら申し上げました。平成28年度単年度の決算につきましては、各財政指数にあらわれておりますとおり、良好な財政状況が維持されたと評価できるものであります。
 さて、平成21年12月25日に第25代市長に就任された大久保市長は、今期限りで勇退することを表明されました。第26代市長の任期の終わる12月24日まで、本日を含め84日となりました。昭和30年の行徳町との合併、31年の南行徳町との合併の際、将来、市川市を南北に貫く道路をつくることが、当時の浮谷竹次郎市長に要望されたと記録に残っております。まさに60年前の夢が事業認可を受けた平成7年から20年余り、都市計画道路3・4・18号の最後に残った区間の整備完成により、ここに実現いたしました。改めて今日までの経緯を振り返りますと、用地交渉は難航をきわめ、一時は事業の中止が懸念されるような時期もありました。この道路を完成することが私の使命と、大久保市長は困難な状況を打開するために誠心誠意尽力され、最終的には行政代執行という強権を振るわずに用地を買収できたことは、市長みずからの直接交渉が功を奏した結果であり、あわせて市長の、職員が頑張ってくれたとの言葉も忘れてはなりません。50年後、100年後、この都市計画道路3・4・18号が市民の生活の中にどのように溶け込んでいるはわかりませんが、開通までの長い道のりの歴史が後世に伝えられていくことを強く願っております。
 また、昭和9年6月16日から始まりました市川町、八幡町、中山町、国分村による合併協議の中で、市役所は国道14号線に面し、八幡の藪知らずより中山町寄りにつくるとの合意により、市役所が現在の場所につくられて以来、改築、増築、新築を重ねてきましたが、庁舎の耐震不足が明らかになり、これを解決する方法として建てかえを決断されたことは大きく評価されることでございます。
 次に、市長はさきの答弁で、これまで地味な仕事と嫌われる仕事に力を注いできたと述べられておられましたが、誰でもやりたくない、できれば避けて通りたいと思うことを、みずからの信念で積極的に取り組んでこられたことは大きく評価したいと思います。地味な仕事の1つとして、平成29年3月に完成した大和田ポンプ場が挙げられます。市民は誰も喜んでくれないとおっしゃっていましたが、これまで大雨が降るたびに道路冠水や床上浸水を心配していた多くの市民の方々が安心して暮らせるようになったことは、確かな実績であります。また、嫌われる仕事として取り組まれたのが行財政改革です。その内容は公の施設の使用料の大幅な改正、職員の給与制度改革、市税収納率の向上、公立保育園や障害者施設、介護老人保健施設ゆうゆうなどの民営化などなどであります。その結果、就任当時と比べ、全会計の基金残高は127億円から290億円と85%、133億円を増加させ、市債残高は全会計ベースで1,147億円から965億円へと16%、182億円を減少させました。市長はもっとお金を自由に使い、ほかにやりたい事業もあったかとは思いますが、何よりも財政状況を改善し、来る将来へ向けて備えを万全にすることを優先にした市長の決意が、このような結果に結びついたものと思います。
 我慢と苦労の2期8年であったと推察いたしますが、改めて大久保市長には、ありがとうございましたと申し上げる次第でございます。理事者の皆様方におかれましては、今後も市川市の将来を見据え、これまでどおり行財政改革を推進し、健全で持続可能な財政運営を行うことにより、市民が必要とする行政サービスを過不足なく提供していっていただきますことを強く願いまして、平成28年度決算の認定に関する賛成の討論とさせていただきます。
○松井 努議長 松葉雅浩議員。
〔松葉雅浩議員登壇〕
○松葉雅浩議員 公明党の松葉雅浩でございます。ただいま議題となっております認定第1号平成28年度市川市一般会計、特別会計及び公営企業会計決算の認定について、公明党を代表いたしまして、委員長報告のとおり賛成の立場から討論をさせていただきます。
 先ほど宮本委員長から御報告がありましたが、去る9月19日から21日まで行われました決算審査特別委員会において理事者から提出されました決算書などを慎重に審査いたしました。この決算審査特別委員会について、私なりの視点から評価を行い、意見を述べてまいります。
 まず、財政全般についてであります。総括的な視点から申し上げますと、各種の財政指数、健全化判断比率などが示すとおり、本市の財政は健全な状態であると確認いたしました。近隣の自治体と比較いたしましても、どの指数も上位に位置しており、全般的に良好な財政状況が維持されていることがうかがえ、大久保市長を初めとした理事者側の効率的、かつ効果的な行財政運営が実践された結果であると感じたところであります。ただし、再び上昇に転じた経常収支比率につきましては、引き続き注視していただくことをお願いしたいと思います。
 それでは、内容に入りたいと思います。まず初めに、平成28年度一般会計における歳入決算の状況についてですが、歳入総額1,408億円で、前年度に比べ15億5,500万円、1.1%の増加となりました。この増加は個人市民税や固定資産税などの市税及び国庫支出金の増加が主な要因であり、特に市税においては収納率が県内1位を維持するとともに、27年度の97.4%から98.1%へとさらに上昇させたことについては評価したいと思います。
 続いて、一般会計における歳出決算の状況についてでありますが、歳出総額1,358億600万円となり、前年度と比べ17億800万円、1.3%の増でありました。主な歳出事業の成果などについて、28年度の施政方針及び教育行政運営方針に沿って評価や感想を述べてまいります。
 まず、安心なまちづくりの施策においてであります。
 防犯対策として、防犯カメラを設置する自治会や商店会に対する補助事業を新たに立ち上げ、5つの団体に対して補助金を交付しました。また、防災対策、特に水害対策として、原木第2排水機場のポンプ増設や河川改修を実施したこと、さらに、新規事業として市民が自由に取り出せる常設の土のうステーションを原木地区に設置したり、市内10カ所に水位監視カメラを設置したことなどは、最近の台風の大型化とゲリラ豪雨と呼ばれる局地的な豪雨への対応を進め、安心なまちづくりに寄与する事業として評価いたします。
 高齢者支援については、認知症初期集中支援チームの拡大や、高齢者サポートセンターの活動により、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けることができる環境づくりを進めたことを評価したいと思います。
 待機児童対策については、28年4月時点の待機児童数が前年度からさらに141人ふえ、全国ワースト4位の514人となったことを受け、市は直後の5月に待機児童対策緊急対応プランを策定し、待機児童の解消に全力で取り組みました。このプランで目標とした定員1,200人の受け入れ枠拡大に対する実績は1,012人、達成率84.3%であったことや、認可保育園等の定員数も28年度では693人の増、ここ3年間では1,800人を超える増と拡大を図ったことについては一定の評価に値します。しかし、大久保市長が議場で答弁されていたとおり、保育園建設地を見つけることが困難であること、入所を希望される児童数のふえるスピードが非常に速いことなどの理由により、28年度に定員数を693人増加させたものの、29年4月の待機児童数は514人から、さらに62人ふえて576人となり、依然として全国ワースト4位であります。予算も人員も最大限の配分をしているにもかかわらず、思うように待機を解消できないということであり、市川市のような都市部においては、待機児童の解消がいかに困難であるかを改めて感じさせられました。よって、私は市に対して、予算とマンパワーをこれまで以上に投入するとともに、地域との対話にもさらに重点を置いて取り組まれることを強く要望いたします。
 続いて、快適なまちづくりについてであります。
 まず、この仮本庁舎が29年4月末に完成しました。庁舎は市民サービスを提供したり、行政活動の拠点であったり、災害時の災害対策本部になるといった重要な役割を担っております。旧庁舎は老朽化や耐震性、狭隘化が問題となっておりましたが、まずは仮本庁舎の工事が予定どおり進捗したことについて評価するとともに、新第1庁舎の32年3月末の完成を目指し、着実に進めていただくことを期待するものであります。
 28年11月10日には都市計画道路3・4・18号が全線開通しました。本線は浦安市から本市を貫き、鎌ケ谷市まで通じる幹線道路でありますが、全線開通により南北のアクセスが格段に向上しています。平成7年度から20年以上の期間と280億円以上の総事業費を費やしたこの道路の整備は大いに評価できるものでありますし、市民の皆様も、この利便を既に実感されていることと思います。
 都市計画道路につきましては、このほか、外環道路に接続する3・4・12号北国分線と3・6・32号市川鬼高線の用地購入を行っているところであり、これらにつきましても引き続き着実な事業進捗を期待しているところであります。
 オリンピック・パラリンピックやスポーツの振興に関連する事業としては、トップアスリートを小中、特別支援学校に招く夢の教室を継続し、新たに外国料理の調理実習を通じて各国の食文化、生活習慣などを学ぶシェフ先生を開催し、国際感覚を育み、さらにテニスコートやフットベースボール、グラウンドゴルフなどをプレーできるスポーツフィールドを備えたJ:COM北市川スポーツパークの整備を進め、29年7月に開園しました。今後ますますソフト、ハードの両面から東京オリンピックに向けた機運を高め、スポーツの振興を図っていくことを期待します。
 また、28年7月に市川駅行政サービスセンター内にパスポートセンターが開設され、市内でパスポートの交付を受けられるようになったことについては、市民の利便性が大きく向上したものと評価するものでございます。
 次に、活力のあるまちづくりについてであります。
 25年度に基本計画を策定し、進めている道の駅整備事業は、東京外郭環状道路の開通に合わせたオープンを目指し、28年度は工事に着手したところですが、市内、市外、県外からさまざまな人々を呼び込み、にぎわいを創出する場となるよう大いに期待をしております。また、市民会館がリニューアルされ、ホールや会議室、展示室を備えた全日警ホールとしてオープンいたしました。多くの市民が使用し、訪れる活力の拠点となる施設のリニューアルオープンを評価したいと思います。そのほか、女性の起業者らを対象にセミナーやビジネスコンテストを開催したり、資金面での支援を行う女性起業家支援事業、市の特産物のPRや新商品の開発支援などにより地域経済の振興を図る地域ブランド活性化事業などは、市川市が元気であり続けることにこだわってこられた大久保市長の特徴が前面に出た事業でありますが、若年者、起業家及び農産物を育むために種をまかれた実績を高く評価いたします。
 続いて、教育行政についてであります。
 初めに、子供の育成について申し上げます。小中学校では、退職教員らの力をかり、放課後や長期休業中の学習の場として校内塾・まなびくらぶを実施し、算数・数学の基礎学力向上を図っていますが、28年度は大規模校や要望の強い学校に対して予算を増額して対応したことは、確かな学力に結びつくものと評価いたします。
 次に、家庭、学校、地域の教育力の向上と連携についてですが、28年度は塩浜学園を義務教育学校と位置づけ、小中一貫教育をさらに一歩進めたり、保護者の代表や地域の代表、学識経験者らで構成され、学校運営に一定の権限と責任を持って参画する学校運営協議会を新たに設置し、地域の教育力の向上を目指し取り組んでおります。これら家庭、学校、地域の教育力向上を企図した取り組みが重畳的に絡み合い、効果を発揮することを大いに期待したいと思います。
 教育行政の最後は、教育の質を高める教育環境の整備についてであります。28年度も引き続きスクール・サポート・スタッフを配置することにより、学校運営上の諸問題への対応や、多様化する教育活動の充実を図り、ライフカウンセラーを配置することにより、児童生徒の精神的な悩みに対し適切な指導を行うなど、学校での生活環境の整備に努められました。また、塩浜学園の小中一貫教育の効果を、より確かなものとするため、校舎の一体化に向けた基本構想を策定したり、本市の実態に即した学校の適正規模を定め、学校の適正配置の方針の検討を行うなど、施設面の環境整備も進めたところです。教育は子供の学力や体力、コミュニケーション力などさまざまな能力を育てる大事な場であります。今後もその自主性と可能性を尊重した教育がなされますよう希望いたします。
 最後に、各種補助金の交付についてでありますが、監査委員からも指摘されているように、補助金については公益性があるものでないと交付が認められないことから、透明性を確保するという観点からも、今後、補助金を交付した効果についても十分検証を行った上で、適正な補助金の交付について努められることを要望いたします。
 以上、施政方針、教育行政運営方針に沿って28年度決算について評価や要望などを申し上げてまいりましたが、総じて申し上げますと、それぞれの方針に基づき適切に予算執行がなされ、施策の効果としてもおおむね良好な成果を上げられたものと評価と期待ができるものと受けとめております。
 続きまして、主な特別会計及び公営企業会計の決算について、要点だけ述べてまいります。
 各特別会計及び公営企業会計における基準外の繰入金は、27年度をもって介護老人保健施設特別会計を廃止したことや、国民健康保険特別会計と下水道事業特別会計で減少したことから、前年度に比べ大きく減少しました。ただし、特別会計の独立採算の原則を踏まえ、いまだ30億円弱の基準外繰り入れが行われていることについては、引き続き改善を求めます。
 会計別に申し上げますと、国民健康保険特別会計では、基準外繰り入れが減少したことは国保財政にとってよい傾向ではありますが、滞納対策の強化により収入未済額が年々減少しているものの、いまだに多額であることなど、課題は多いと考えます。30年度からは県が責任主体となり、財政基盤の強化を図るなど、大きな制度改革が行われますが、市としてもこれまで以上に財政の健全化と税負担の公平性の確保に努力されることを要望します。
 また、下水道事業特別会計においては、収入未済額が6年連続で減少していることは大いに評価できるところではありますが、依然として基準外繰り入れに頼る経営体質であることは、解決すべき課題であると考えます。30年度からは地方公営企業法を適用し、公営企業会計への移行が予定されており、事業の独立採算性が今まで以上に求められることになりますので、財政の健全化と使用料負担の公平性の確保に、より一層努められることを要望いたします。
 次に、病院事業会計におきましては、31年度に予定されている民営化を前に、28年度は大学の医局から派遣されている医師の引き揚げを契機として、業務実績は大きく落ち込んでいます。今後は医業損失の縮小に努めながら、民営化を確実に進め、民営化後も市民医療に資する病院として役割を担っていくことを強く要望します。
 以上、平成28年度の市川市一般会計、特別会計、公営企業会計決算につきましては、評価や要望などを申し上げました。
 最後になりますが、平成28年度については、歳入が順調に増加し、市債残高の減少や基金の増額など、決算はおおむね良好な結果となりましたが、経常収支比率が再び上昇に転じたことからかいま見えるように、今後、少子・高齢化が進展していく中で、扶助費の増大と老朽化が進む公共施設やインフラ整備のための公債費負担など多大な財政負担が生じてくるとともに、市税収入が減少に転じることも将来的には予測されるところであります。したがいまして、現状に甘んじることなく、今できる将来への財政基盤づくりを堅実に進めるとともに、市民が真に求めているニーズを積極的に把握するなどして、市民の視点に立った行財政運営をしっかりと行っていくことを強く要望し、平成28年度決算の認定に対する賛成の討論とさせていただきます。議員各位におかれましては、本決算の認定に御賛同賜りますようお願い申し上げ、討論を終わります。
○松井 努議長 増田好秀議員。
〔増田好秀議員登壇〕
○増田好秀議員 無所属の会、増田好秀です。議題となっている認定第1号平成28年度市川市一般会計、特別会計及び公営企業決算の認定について、会派無所属の会を代表して、賛成の立場から討論を行います。
 平成28年度決算の認定に当たり、市川市の将来に向けて、より財政の適正を確保するにはどうすればよいかという観点から、3点指摘させていただきます。
 1点目です。公文書に使用する印鑑、公印の管理事務の適正化になります。ことし3月23日に議員宛てに、公印を無断で持ち出し、2回契約書を勝手につくるために不正使用した事案が連絡されました。公印を不正に使用できる環境であれば公文書の信頼性がなくなる、市民も不信感を持つ、財政の適正も確保できなくなるとなり、将来的に予算執行の結果の適否についても、まともな判断ができなくなります。あれから半年たち、現在、適切に管理されていると思いますが、その上で、全職員へ向けて、仮に事務処理上面倒くさくても、公印を不正使用しないでくださいねという啓蒙活動をするということだけではなく、公印使用簿などを適切に作成し、公印の不正使用が物理的に発生しない保管、そして、改めて適切な管理事務を徹底するようお願いします。御留意ください。
 2点目です。事業執行前、特にビッグプロジェクト前の調査作業、検討作業を徹底的に行うことになります。平成28年2月、当初予算でJ:COM北市川スポーツパークの工事請負費12億7,593万5,000円が計上されました。土地代13億円は資産になるとして、工事請負費約12億7,600万円というのは、仮に60年、施設がもつとして、月額負担は177万円です。高いか安いか、もっと安くできないものなのか、コストパフォーマンス的にどうなのかというぎりぎりの中、可決されました。そんな中、半年後の平成28年9月の補正予算で整備工事費、整備工事管理委託料、水道負担金と工事請負費約17%アップに当たる2億1,570万円が提出されました。先ほどの月額負担で考えれば、月額負担は177万円から30万円アップの207万円です。行政側の言い分はわかります。しようがないじゃないですか、穴を掘ったら水が出たんです、単純に埋めればもっと安上がりですけど、この地域の地下水源は大切ですよね、だから、2億円かけて整備する必要ありますよね。さらに、議員側の補正予算への判断はもっともっと硬直したものになってしまいます。工事ってどのぐらい進んでいるんだろう、補正予算を否決したら、数億円かけて建設工事を途中までやって、数億円かけて更地に戻して、13億円の土地をそのままにすることになります。もう1つの選択は、2億1,570万円アップをのんで工事続行です。どちらがいいのだろう。補正予算は可決されました。こういうことを繰り返してしまうと、市民の不信感がどんどん募ります。事実とは違うと思いますが、総事業費26億円だと思っていたのに、着地は込み込みで30億円、初めはわざと安く言ったんじゃないのか。ずるいのではないのか。そして、当然、議会の判断も正しくできなくなり、機能しなくなります。当然、財政の適正も確保できません。市川市だけでなく、こんな政治が数十年繰り返されている点が、今日の政治不信の一端です。市川市はこの点を改善していく必要があります。
 では、どうすればいいか。J:COM北市川スポーツパークの事例でいえば、北市川地域が軟弱地盤なのは十分予測できたのですから、地質調査を徹底的に行い、専門家による検討を十分に行っていただきたかったです。今後は事業執行前、特にビッグプロジェクト前の調査作業、検討作業を徹底的に行うよう、よろしくお願いします。それにより、今後は適切な総事業費を市民、議員が把握でき、コストパフォーマンスも含めて事業の可否を正しく判断できます。結果として、新しく取り組もうとする事業、チャレンジしようとする事業に対してオープンな市川市、より財政の適正が確保された市川市が実現できます。御留意ください。
 3点目です。市川市リハビリテーション病院への医業損失縮小への協力になります。平成28年度医業損失は約9億4,000万円です。前年より6億円近く増加しました。一般会計からの繰入金は約7億8,000万円です。前年より4億8,000万円近く増加しました。その上でキャッシュフローは約5億円のマイナスです。医師の欠員が続く中、現場の方が最大限頑張ってくれているのは知っております。少子・高齢化が進む世の中にあって、今後、リハビリテーション病院が、より必要になることも理解できます。そのあたりの背景を重々理解した上で、決算の数値だけを見るのであれば、今までも厳しい、厳しいと思って見ていましたが、平成28年度決算は最大級に厳しいです。とはいえ、ことし4月から新病院長が来てくださり、新体制に期待していますが、その上で、1年半後の民営化に向けて医業損失の縮小、スムーズな経営移譲へ市長、担当理事者が積極的に最大限協力していただきたいです。それにより、市川市公営企業会計の財政指標が改善され、ひいては市川市の財政指標がより改善される、よりよくなります。この点、御留意ください。
 市川市の将来に向けて、より財政の適正を確保するために必要な3点、公印の適切な管理事務の徹底、事業執行前、特にビッグプロジェクト前の調査・検討作業の徹底、市川市リハビリテーション病院の医業損失縮小への協力、この3点を指摘させていただきました。
 以上をもって平成28年度市川市一般会計、特別会計及び公営企業会計決算の認定についての討論とさせていただきます。今回の討論が少しでも市川市の役に立てばと思います。
 以上です
○松井 努議長 増田議員に申し上げますが、賛成ですか、反対ですか。
○増田好秀議員 冒頭申し上げましたとおり、賛成になります。賛成討論です。
○松井 努議長 確認させていただきました。
 以上で通告による討論を終わります。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより認定第1号平成28年度市川市一般会計、特別会計及び公営企業会計決算の認定についてを採決いたします。
 本決算に対する委員長の報告は認定すべきであるとするものであります。本決算は委員長の報告のとおり認定することに賛成の方は賛成のボタンを押してください。――ボタンの押し忘れはありませんか。――ないものと認めます。
 集計いたします。
 賛成者多数であります。よって本決算は委員長の報告のとおり認定することに決定いたしました。
 

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