更新日: 2018年5月28日

2018年3月12日 一般質問(長友正徳議員)

一般質問(長友正徳議員)

○堀越 優副議長 長友正徳議員。
○長友正徳議員 無所属の会の長友正徳でございます。通告に従いまして、初回から一問一答で一般質問を行ってまいります。
 まず、1番目のソーラーシェアリングの推進について質問します。
 ソーラーシェアリングとは営農型太陽光発電とも呼ばれていますが、農業を続けながら、同時に太陽光発電を行うものです。耕作地の地上約3mの位置に藤棚のように架台を設置して、そこに短冊状の太陽光パネルを並べて発電するものです。ソーラーシェアリングは農家の所得を約10倍増にすることから、農家の後継ぎ不足、農業従事者の高齢化、耕作放棄地などの諸問題、ひいては少子・高齢化、年金、格差貧困などの諸問題を解決する可能性を秘めています。ほとんどの作物がソーラーシェアリングに適しているそうです。植物には光飽和という光合成特性があって、適度に日影があったほうがより成長するそうです。稲、梨、イチゴなどはソーラーシェアリングに適しているそうです。現在、ソーラーシェアリングは1,000件を超えているそうです。
 千葉県は先進県です。匝瑳市では、昨年4月に日本初のメガソーラーシェアリングの稼働が開始されました。耕作放棄地3.2haを擁して、最大出力1MWの太陽光発電が行われています。太陽光パネルの下の農地では、大豆や麦などの有機栽培が行われる予定だそうです。ソーラーシェアリングは本市でも推進すべきものと考えますが、まずは本市における取り組み状況について伺います。
○堀越 優副議長 経済部長。
○関 武彦経済部長 ソーラーシェアリングは農作物の販売収入に加え、太陽光発電による売電収入が継続的に得られることが期待されております。また一方で、農地で栽培される農産物の収量と品質を保ちながら、農地上部での発電をいかに両立していくかが事業の効果を得る上で重要となってまいります。平成25年3月、国では、耕作する農地に支柱を立てて太陽光発電設備を設置する場合の許可条件などを明確にしております。例えば設置時における農地の一時転用の許可や3年ごとの更新申請、また、更新の際に適正に営農されていない場合は農地を原状復帰しソーラーシステムを撤去することなど、厳格に定められております。本市では、平成26年1月以降現在までに、農地転用をして営農せずに太陽光発電設備だけを設置した事例が7件ございますが、営農しながら太陽光発電を行うソーラーシェアリングの実績はございません。
 以上であります。
○堀越 優副議長 長友議員。
○長友正徳議員 本市ではソーラーシェアリングは行われていないとのことでした。
 再質問です。ソーラーシェアリングについて、農家に関心を持っていただくために家庭用太陽光発電設備設置助成制度のようなものを導入したり、講演会、説明会、見学会、セミナー、相談会などを開催したりしてはどうかと考えますが、このことについて本市の見解を伺います。
○堀越 優副議長 経済部長。
○関 武彦経済部長 住宅用太陽光発電の買い取り期間は10年間であるのに対し、事業用太陽光発電の買い取り期間は20年間となっております。このように事業用太陽光発電は事業の採算性が考慮されておりますので、本市といたしましては、JAいちかわや農業委員会を初めとする関係団体と連携いたしまして、農地所有者に対してソーラーシェアリングの仕組みや融資制度などの支援策、先進事例などにつきまして情報提供を行ってまいります。
 以上であります。
○堀越 優副議長 長友議員。
○長友正徳議員 ポジティブな答弁をいただきました。精力的に取り組んでいただきたいと思います。私は、これまで再生可能エネルギーの利用促進について数々の提案をしてまいりました。しかし、残念ながらほとんどが却下されています。地球温暖化を防止するために、CO2の排出量を今世紀後半にはゼロにすることが目標とされています。ヨーロッパもアメリカも中国も中東諸国も再生可能エネルギーの利用促進に精力的に取り組んでいます。ちなみにアメリカのトランプ大統領は、パリ協定からの離脱を宣言しました。しかしながら、アメリカの企業は再生可能エネルギーの利用促進に精力的に取り組んでいます。ウォールストリートの投資マネーは再生可能エネルギーに向かっています。再生可能エネルギーの利用促進に取り組まないと企業経営が成り立たなくなってきました。こういった動向は脱炭素革命と呼ばれていますが、世界の大きな潮流となっています。日本は完全に乗りおくれています。原発再稼働や石炭火力発電所の輸出に注力しているからです。国際会議ではブーイングを浴びせられています。日本で再生可能エネルギーの利用が促進されないのは、電事連や中央政府が送電線を使わせることに積極的でないからです。約8割も余っているのに使わせてくれないのです。こういった時代に逆行するような姿勢は変革していかなければなりません。おくれた日本の中で本市はさらにおくれています。職員一人一人が孤独に自分の頭で、このままでいいのか、今後どうしたらいいのか考えていただきたいと思います。
 次です。2番目の再生可能エネルギー由来電力の購入促進について質問します。
 2016年4月までに、段階的に家庭向けを含め電力小売が全面的に自由化されました。これにより、従来の地域ごとの電力会社だけでなく、さまざまな新電力会社が電力を消費者に直接販売できるようになりました。新電力会社の発電方法は多岐にわたっていますが、再生可能エネルギーを重視したものが多く見られます。消費者はこれらの電力会社から自分の思想信条に合致した社を自由に選べるようになりました。このことは、どの社から電力を買うのかを自分の頭で考えなくてはいけなくなったということでもあります。地球温暖化防止や地域経済活性化の観点から、地方自治体を含む消費者は可能な限り再生可能エネルギー由来の電力を購入するべきではないでしょうか。
 ちなみに世田谷区は、再生可能エネルギー由来電力の割合を25%にすることを目指しているそうです。再生可能エネルギー由来電力の購入促進については去年の9月定例会で質問しまして、クリーンセンター衛生処理場の状況までは御答弁をいただきましたが、その後の取り組み状況について、高圧受電施設の電力購入契約を取りまとめておられる財政部に対し質問します。
○堀越 優副議長 財政部長。
○松本雅貴財政部長 本市におけます電力の購入についてお答えを申し上げます。
 本市公共施設などで使用する電力の購入につきましては、より低廉な価格で調達することを目的といたしまして、小規模施設の小口契約を除き、施設の規模が大きい契約電力50kw以上の高圧受電施設を取りまとめ、原則として一括入札により調達をしているところであります。具体的には、平成26年4月に本庁舎、行徳支所、公民館、体育館など29の公共施設、これに小中特別支援学校56カ所を加えた計85施設を一括して一般競争入札を行い、29年3月まで3年間の長期継続契約を締結したところでございます。その後の契約状況でありますが、29年度中に旧本庁舎の解体、また新第2庁舎の完成が予定されたことから、前回事業者との契約を1年間延長し現在に至っております。
 今後の入札、契約につきましては、クリーンセンター衛生処理場で先行して取り入れている二酸化炭素排出係数、未利用エネルギーや再生可能エネルギーの導入状況など、環境配慮項目に着目した入札方法により調達先を選定してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○堀越 優副議長 長友議員。
○長友正徳議員 ポジティブな答弁をいただきました。環境部を中心にお願いしたいのですが、電力の購入状況を数値化していただきたいと思います。本市の購入電力量は何kw時で、そのうち何%が再生可能エネルギー由来のものかがわかるようにしていただきたいと思います。
 再質問です。昨年4月から長野県企業局は、豊富な雪解け水から発電した電力を世田谷区の区立保育園に向けて販売、送電を開始しました。再生可能エネルギーの活用に取り組んでいる世田谷区との共同事業で、豊富な水力という再生可能エネルギーに着目した地方自治体同士の新たな経営戦略として注目が集まっています。長野県にとっては、中部電力への販売より高く売れ、世田谷区にとっては、東京電力からの購入より安く買え、ウイン・ウインの関係が築かれているそうです。また、目黒区はことし4月から宮城県気仙沼市のバイオマス発電による電力を購入するそうです。電気代は従前より安くなるそうです。両者は友好都市協定を結んでいて、気仙沼市は目黒のさんま祭りに協力したり、目黒区は東日本大震災時に職員を派遣したりして交流を深めてきています。目黒区は電力購入を通じて気仙沼市の復興を支援しつつ、再生可能エネルギーの普及を後押しすることとしています。両区ともこうした取り組みのメリットの1つとして、電力の販売や受電を通じて自治体間の連携が図られ、今後のさまざまな交流のきっかけになる可能性があることを挙げています。こういった事例を参考にして、本市でも再生可能エネルギー由来電力の売買を通じて地方自治体間の連携を強化していけばよいのではないかと考えますが、このことについて本市の見解を伺います。
○堀越 優副議長 財政部長。
○松本雅貴財政部長 再質問にお答えいたします。
 御質問の中にございました世田谷区の事例などに見られる地域経済や地域間交流など、政策的なメリットがコストメリットを上回るということであれば、検討の俎上にのせることは可能であると考えております。
 以上でございます。
○堀越 優副議長 長友議員。
○長友正徳議員 本市は62の自治体と災害協定を締結しておられます。これらの自治体の中に再生可能エネルギー由来電力の産地があれば、その自治体との連携の可能性を探るのも一案ではないかと考えます。
 次です。3番目の子供食堂活動に対する支援について質問します。
 子供食堂とは、地域の大人が子供に対し、無料や安価で食事を提供する民間発の取り組みであります。貧困家庭や孤食の子供に食事を提供し、安心して過ごせる場所として始まりました。そうした活動は古くからありますが、子供食堂という名前が使われ始めたのは2012年のことだそうです。最近は地域の全ての子供や親、地域の大人など、対象を限定しない食堂がふえているそうです。食堂という形をとらず、子供が放課後に自宅以外で過ごす居場所の中で食事を出しているところもあるそうです。朝日新聞の調べによりますと、子供食堂や同様の取り組みをする場所が2016年5月末時点で少なくとも全国に319カ所あったそうです。子供の貧困への関心が高まるにつれて開設が急増しているとのことでしたので、今はもっとふえているのではないでしょうか。そして、今後さらにふえるのではないでしょうか。本市に子供食堂が数カ所あります。
 そこで、本市はこれらの子供食堂活動をどのように把握され、それに対し、どのように支援されているのか伺います。
○堀越 優副議長 こども政策部長。
○大野英也こども政策部長 本市における子供食堂の現状につきましてお答えいたします。
 保護者の仕事の都合などのため、夜間まで1人になりがちな子供の孤食を解消し、地域とのつながりをつくる居場所を提供することなどを目的に、NPO法人、市民団体などにより子供食堂の活動をしていると聞いておりますが、その活動に対して、現在は特に支援は行っておりません。本市の子供食堂としての活動につきましては、市川こども食堂ネットワークに加入する5団体、5カ所の活動を把握しております。こちらの子供食堂の開催状況につきましては、各会場とも毎月1回程度の開催で、料金も大人300円、子供100円程度となっており、1回当たりの参加者が多いときは、大人、子供と合わせて60名を超えることもあるようでございますが、おおむね40名前後と聞いております。どの団体も自発的な善意として活動されていると聞いており、市民活動ならではのものと受けとめております。しかしながら、さまざまな団体や飲食店などがそれまでの活動から発展して、それぞれ独自に子供食堂を運営するなど、その目的や運営体制はまちまちのようでございまして、今のところ全活動の詳細を把握するには至っていない状況でございます。
 以上でございます。
○堀越 優副議長 長友議員。
○長友正徳議員 本市の子供食堂という活動に対する取り組みはこれからだということがわかりました。
 再質問です。品川区は、地域の子供の食育に取り組む子供食堂活動を支援するため、昨年11月に「子ども食堂MAP」の配布を始めました。区内9カ所の食堂を楽しく紹介しています。マップづくりは、区が本年度から始めた子ども未来応援事業の一環で、6月に子供食堂の運営者や協力事業所、社会福祉協議会の関係者ら63人が情報共有のためのネットワーク団体、しながわ子ども食堂ネットワークをつくり、5,000部を作成したそうです。マップは区役所や区内25カ所の児童センターなどで配布されているそうです。区は、子供の居場所づくりを進めることで孤立化を防ぐ考えのようです。ただ、子供食堂の運営には食材の確保や場所提供など、企業や地域住民の協力が欠かせないことから、区は「子ども食堂MAP」の配布を通じて子供食堂を多くの人に知ってもらい、協力者をふやす一助になればと期待しているそうです。区はまた、配膳や片付けなどを行うボランティアも募集しているそうです。本市でも、こういった他の自治体の事例を参考にされて、どういった支援が可能かを調査、研究されるとよいのではないかと考えます。このことについて本市の見解を伺います。
○堀越 優副議長 こども政策部長。
○大野英也こども政策部長 本市におきます子供食堂のすぐれた点、また問題点など、その状況把握に努め、他の自治体の例も参考にするなど、どのような支援が可能かを考えてまいります。
 以上でございます。
○堀越 優副議長 長友議員。
○長友正徳議員 ポジティブな答弁でした。本市の子供食堂の実態を調査される中で、本市に対する要望があれば、それらを聴取していただいた上でどのような支援が可能か、調査、研究してくださるようお願いします。
 いずれにしましても、いつも申し上げていることでございますが、子供は家庭、学校及び地域で育てるものであります。子供食堂は地域で育てる活動の1つです。その盛衰は、市民の善意による地域力のバロメーターでもあります。このことから、子供食堂という活動は促進すべきものであると考えます。本市は多くの資源を所有されております。そのほんの一部を活用して、今後、継続的に子供食堂という活動を支援してくださるようお願いします。
 次です。4番目の外国人観光客の誘客推進について質問します。
 観光庁によりますと、2017年に日本を訪れた外国人観光客数は2,869万人、5年連続で過去最多だったそうです。国別、地域別では、中国からが最多で736万人で、韓国からが2番目で714万人だったそうです。外国人観光客が増加し続ける理由ですが、日銀の金融緩和による円安、昨年5月に中国人向けビザの発給要件が緩和されたこと、アジアからの格安航空の就航やクルーズ船の寄港数がふえたこと、中国や韓国を含むアジア諸国の経済発展により所得が増加したこと、日本の食べ物等に対する関心が高まったことなどが挙げられているそうです。外国人観光客数はこれからもふえます。日本政府は、外国人観光客数を東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年までに4,000万人に、2030年までに6,000万人にふやすことを目標にしています。観光庁によりますと、2017年に日本を訪れた外国人による消費額は4兆4,161億円、5年連続で過去最高だったそうです。本市も応分の便益を享受したいものです。本市を訪れる外国人観光客数をふやし、市内でより多く消費してもらえば、その分、市内総生産を押し上げることができます。本市には観光資源がないわけではありません。それらをPRすることによって、外国人観光客の誘客を推進するべきではないでしょうか。
 そこで、本市における外国人観光客数の国別、地域別の推移について、並びに外国人観光客の誘客に向けたこれまでの取り組みと今後の取り組みについて伺います。
○堀越 優副議長 経済部長。
○関 武彦経済部長 毎年実施している市内の宿泊客数の調査で、平成25年は全宿泊客数の約7万3,000人のうち、外国人は約1,000人でございました。しかし、平成29年には約6,500人と、6倍以上に増加しております。国、地域別では、平成29年には中国からの宿泊客数が平成25年より約6倍の2,085人に、台湾からは約10倍の1,819人に、韓国からは約7倍の752人となっております。
 次に、外国人観光客への取り組みについてでございますが、本年度の新規事業として、アイ・リンクタウン展望施設及びいちかわ観光・物産案内所にそれぞれのリーフレットを英語併記版として改訂いたしました。また、市内飲食店や物販店を主な対象といたしましたおもてなしセミナーを2月より開催しております。このセミナーでは、TOTO株式会社による各国のトイレ文化の特徴や訪日外国人にも使いやすいトイレのこと、株式会社ぐるなびによる各国の外国人に喜ばれるサービスや接客上のトラブル防止策を紹介する講義などを行いました。これまでもアイ・リンクタウンの展望施設では外国人観光客の来場があることから、カフェスペースやトイレなどに英語、中国語などの案内表記をしております。さらには、ボランティアガイド、市川案内人の会とボランティア通訳の会が連携し、市内在住の外国人を対象とした町歩きイベントを開催しております。
 以上であります。
○堀越 優副議長 長友議員。
○長友正徳議員 英語のリーフレットを作成されたとのことですが、今後は中国語と韓国語のものも作成されるとよいと思います。京成電鉄では、中国語と韓国語でも案内しています。駅を出ると英語版だけということになると歓迎されていないのではないかと思われてしまいます。
 再質問です。毎年5月に国分川隣接地で国分川鯉のぼりフェスティバルが開催されます。回を重ねるごとに、地域の風物詩としての地位を不動のものとしています。同フェスティバルの実行委員会は、同フェスティバルに外国人観光客を誘客したいとの希望を有しておられます。ほとんどのパッケージツアーにはオプショナルツアーが別途用意されています。本市でのオプショナルツアーとして、国分川鯉のぼりフェスティバルと道の駅いちかわをセットにしたものや、大町梨街道と市川市動植物園の流しカワウソをセットにしたものや、行徳寺町通りと行徳神輿をセットにしたものなどが考えられます。これらはほんの一例にしかすぎませんが、今後、本市の観光資源を有効活用したオプショナルツアーの研究開発を行い、旅行業者を通してPRすることによって、外国人観光客の誘客を促進してはどうかと考えます。このことについて本市の見解を伺います。
○堀越 優副議長 経済部長。
○関 武彦経済部長 今年度、新たに観光バスツアーの誘致を京成バスシステム株式会社と船橋市、松戸市、市川市の各種観光協会の連携により行いました。また、4月には道の駅いちかわも開設し、旅行会社等へのPRもしやすくなることから、今後、市内の各種イベントとも連携した外国人観光客ツアーへの参入も期待できると考えております。
 以上であります。
○堀越 優副議長 長友議員。
○長友正徳議員 たくさんの外国人観光客に来てもらっても、買ってもらったり、食べてもらったりするものがなければ市内GDPを押し上げることにはなりません。既存のものに磨きをかけることを含め、これらの研究開発もあわせて進めてくださるようお願いします。
 次です。5番目の人口の自然増減、社会増減の傾向、課題及び対策について質問します。
 人口の自然増減、社会増減は人口動態とも呼ばれています。人口動態は、その地域の社会的・経済的諸条件と密接な関係を持っていますので、その地域の特徴を示す1つの指標として利用されます。また、人口動態の傾向分析を行うことによって課題が見えてきますので、その原因を推定し、対策を講じることによって課題を解決することができます。このような人口学的アプローチは、市政運営を適切に行う上で欠かせないアプローチではないかと考えます。
 そこで、本市の人口の自然増減、社会増減の傾向や、その分析から見えてきた課題について伺います。また、その課題が生じる原因やその原因を解消するための対策についても伺います。
○堀越 優副議長 企画部長。
○菊田滋也企画部長 まず、出生、死亡に伴う人口の動きである自然動態について、ここ20年間を見てみますと、出生数は平成13年をピークに減少傾向にある一方、死亡数は増加傾向となっています。依然として出生数が死亡数を上回ってはいるものの、その差は小さくなってきており、20年前は約2,800人の増であったものが、近年では平成25年から28年までの4年間は年間おおむね1,000人前後の増で推移、また昨年は約700人の増にとどまっています。
 次に、転出入に伴う人口の動きである社会動態を同じく20年間で見てみますと、転入超過の年もあれば転出超過の年もあり、増減に係る長期的な傾向というのはつかみづらい状況ではありますが、平成23年、この年は東日本大震災が発生した年でありますが、この年とその翌年は転出超過が4,000人前後となり、その後、平成26年から昨年までの4年間は3,000人前後の転入超過に転じています。本市の自然動態の課題は、合計特殊出生率が上がっている中で出生数が減少していることが挙げられますが、これは親世代の人口が減少していることが考えられます。また社会動態の課題としては、10代後半から20代前半の若い世代では転入超過となっているものの、主に30代から40代前半の子育て世代が転出超過となっていることが挙げられます。
 平成27年度に実施したアンケートによりますと、転入超過となっている10代後半から20代前半の主な転入理由としては、就職、転職を機にや結婚のため、通勤を容易にするためという回答が多くを占めておりました。また、転出超過となっている30代から40代前半の子育て世代の主な転出理由は、住宅条件を改善するためや結婚のためという回答が多くを占めておりました。総人口を確保し、持続可能な人口構成を構築していくためには、若い世代の転入超過を維持しつつ子育て世代の転出抑制を図っていく必要があります。引き続き都心に近い住宅都市である本市の地理的優位性や発達した公共交通機関などの魅力を生かし、さまざまな対策を講じていく必要があると考えております。
 以上でございます。
○堀越 優副議長 長友議員。
○長友正徳議員 人口の社会増減について少し気になるところがありました。東京一極集中の影響ではないかと考えられますが、県外などから若年層が転入することによる社会増があるとのことでございました。反面、その人たちが子育て世代になると、船橋市などの近隣市や東京都などに転出することによる社会減があるとのことでございました。あたかも子育てがしにくい町になっているように見受けられます。その原因として、保育園待機児童が多いからではないか。共同住宅について、単身世帯に適した30㎡未満が多く、一方で子育て世帯に適した70㎡以上が少ないからではないか。狭隘道路が多くて、公園や緑地や広場が少なくて町のつくりがゆったりしていないからではないか。河川や海などの自然が生かされていなくて、町のつくりに潤いがないからではないか。地域内の公共交通網が整備されていないからではないかなどが考えられます。これらの原因を除去もしくは改善することによって、子育て世代の転出抑制や定住化を図っていかなければならないのではないでしょうか。本市では、現在、子育て世帯とその祖父母が同居または近居することを支援する事業が行われていますが、対象者が限定的であることから、その効果は限定的ではないかと考えられます。もっと総合的に対策を講じるべきだと考えます。
 そこで再質問です。子育て世代が船橋市などの近隣市や東京都などに転出する傾向について、その原因をどのように推定され、その原因を解消するための対策をどのように講じておられるのか伺います。
○堀越 優副議長 企画部長。
○菊田滋也企画部長 先ほども少し触れましたが、平成27年度に実施したアンケートによりますと、近隣市や都内に転出していく理由として、住宅の条件を改善するためが最も多く、このことが子育て世代の主な転出理由と考えられます。この住宅条件の改善内容としては、住宅の新規購入やより広い住宅を希望という回答が多数を占めており、近隣市や東京都内に転出した子育て世代の転出後の居住形態は6割以上が持ち家で、その購入価格帯は3,000万円台が多いという結果となっています。このことから、結婚して子供が生まれ、家族がふえた子育て世代が、子供の小学校入学を前に購入可能な価格帯の中で住宅購入を検討し、その結果、近隣市や東京都内へ転出するという1つのモデルケースが想定されます。また、子育て世代の中には、市の施策を含め、子育てに関する周辺環境などを考慮して、どの地域に新たな住宅を求めるかを検討する場合もあるものと考えます。住宅都市である本市では、このような人口動態に係る課題解決の1つとしてシティセールスに取り組んでおり、方針を立て、訴求するターゲットを子育て世代や若い世代と定めています。今後もこのシティセールスの方針に沿って、本市の魅力を子育て世代等に訴求していくとともに、待機児童対策などの子育て支援に関する施策を総合的に推進していくことが重要であると考えております。
 以上でございます。
○堀越 優副議長 長友議員。
○長友正徳議員 「日経DUAL」という、共働き家庭を応援し、仕事に育児に忙しいワーキングママとパパのための有益な情報を提供するサイトがあります。このサイトに2017年12月11日付で、共働き子育てしやすい街2017総合ランキングがアップされています。「日経DUAL」と日本経済新聞社が共同で実施した自治体の子育て支援に関する調査の結果だそうです。このランキングによると、全国1位は豊島区で、全国6位で東京都を除く全国1位は松戸市です。全国50位に本市は入っていません。負けています。悔しいです。保育園待機児童解消に向けて御尽力されていることは承知しています。しかし、子育てしやすい町にするためにはもっと総合的に取り組んでいかなければならないのではないでしょうか。どうか気合いを入れて、これらに取り組んでくださるようお願いします。
 次です。6番目の財政調整基金などの積立金の残高の推移とその妥当性について質問します。
 2018年度当初予算案説明によれば、基金残高は291億円で、そのうち財政調整基金残高は177億円です。また、財政調整基金残高は近年右肩上がりでふえ続けています。基金残高が青天井に膨れ上がると財政の硬直化を招いてしまいます。
 そこで、本市の基金の種類と数、それぞれの残高の推移と妥当性について伺います。
○堀越 優副議長 財政部長。
○松本雅貴財政部長 基金残高についてお答えいたします。
 初めに、本市の一般会計における、特定の目的のために設置された基金は財政調整基金を初め全部で11基金ございます。これらを合わせた残高の推移につきましては、庁舎整備基金への積み立てを始めた24年度に187億円であった残高が30年度末では291億円となる見込みであり、この6年間で104億円の増加となっております。30年度末の基金残高見込みの内訳では、財政調整基金が最も多く177億円で61%、次いで庁舎やクリーンセンターといった施設を建設するための基金が68億円で23%、そのほか、職員退職手当基金などで46億円、16%となっており、内訳でもわかるとおり、この基金全体の残高が増加した理由は、主に財政調整基金と建設基金がふえたことによるものであります。
 次に、基金残高の妥当性についてですが、建設基金につきましては、今後の事業進捗に合わせて取り崩していく予定があり、その他の基金においても、それぞれの目的に沿って積み立てているもので、目的に合わせた現状の残高は適切な範囲であると考えております。
 以上でございます。
○堀越 優副議長 長友議員。
○長友正徳議員 建設基金のように、目標額をあらかじめ定めて積み立てをしている基金についてはおおむね妥当であることがわかりました。しかし、基金全体の6割を占める財政調整基金については、しっかりとした目標額の設定はあるのでしょうか。
 再質問です。財政調整基金残高が近年右肩上がりでふえ続けていることを踏まえ、今後、どこまで積み立てるおつもりか。また、その適切性はどうかについて伺います。
○堀越 優副議長 財政部長。
○松本雅貴財政部長 再質問にお答えいたします。
 初めに、財政調整基金を設置する目的は、条例により経済事情の著しい変動等により財源が著しく不足する場合や、災害により生じた経費または災害により生じた減収を埋めるためなどの財源に充てると定められております。災害時などにどの程度の財源不足が生ずるのかにつきましては、各自治体が個々の事情に合わせて検討すべきものであると捉えており、一概に申し上げることはできませんが、さきの東日本大震災の発生時には、浦安市では初期対応として、全会計の10%を超える100億円以上の災害復旧費を予算計上しております。本市におきましては、さきの9月定例会で答弁申し上げましたとおり、全会計の1割程度をリスク対応に必要な残高の目安と考えており、また、上限については定めることは考えておりません。今後も実施すべき事業については適切に予算を配分した上で、財源が不足する場合には財政調整基金からの繰り入れを行うことで歳入歳出予算の均衡を図る所存でございます。
 以上でございます。
○堀越 優副議長 長友議員。
○長友正徳議員 財政調整基金の適正額について、特別会計を含めた全会計の1割程度を目安とするとのことですが、これはおかしいのではないでしょうか。一般的に景気後退により税収不足が発生した場合や大災害発生に対する緊急対応が必要となった場合に財政調整基金が取り崩されます。これは一般会計の収支の問題です。特定の収入をもって特定の支出に充てるための会計である特別会計とは無縁のものです。一般的に財政調整基金の適正額は標準財政規模の約10%とされています。一方、標準財政規模の約20%を推奨したり、一般会計予算規模の約10%を推奨したりする人もいます。いずれにしましても、一般財源に対する割合で示すのが合理的なのではないでしょうか。
 近年、財政調整基金残高が右肩上がりで増加しています。このことから、市民の福祉の増進のために取り崩してほしいという市民の声は日増しに高まっています。財政調整基金残高の適正性について、説明責任を果たさなければなりません。財政調整基金の適正額は自治体の特性によって変わるものです。それぞれの自治体がそれぞれの特性をもとに財政調整基金の適正額を定めていけばいいのではないでしょうか。本市においても、リーマン・ショックのときの税収の落ち込みはどうだったのか。東日本大震災時の緊急対応費用は幾らだったのか。首都直下型地震に対する緊急対応費は幾らなのか。近い将来の経済見通しはどうなのかなどをもとに、財政調整基金の適正額を推定するべきではないでしょうか。現時点ではこういったデータが示されていませんので、177億円が多いのか少ないのかの判別はつきません。しかしながら、近い将来の経済見通しを勘案すれば、財政調整基金残高は自然体でいいのではないかと考えます。
 現在進行中の不動産バブルは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの前後に崩壊するのではないかと予測している経済学者もいます。現在進行中の異次元の金融緩和は財政ファイナンスの様相を呈しています。世界で断トツ1位の借金大国の借金はますます膨れ上がっています。いずれ国の信用は失墜してハイパーインフレーションが起きるのではないかと懸念している経済学者もいます。ハイパーインフレーションに対しては対処しようがありませんが、不動産バブルの崩壊に対してはある程度備えておいたほうがいいのではないでしょうか。こういった近い将来の経済見通しを勘案すれば、当面は財政調整基金残高はあえて取り崩すことはせずに、従来どおり、決算剰余金の半分を積み立てるということでいいのではないかと考えます。
 以上で私からの一般質問を終わります。ありがとうございました。
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○堀越 優副議長 この際、暫時休憩いたします。
午後2時45分休憩

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