更新日: 2022年1月19日

2003年9月18日 会議録

会議
午前10時1分開議
○岩井清郎議長 これより本日の会議を開きます。


○岩井清郎議長 日程第1一般質問を行います。
 順次発言を許します。
 こひらゆき議員。
〔こひらゆき議員登壇〕
○こひらゆき議員 おはようございます。緑風会のこひらゆきです。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 では、最初に教育行政について何点かお伺いをいたします。
 私事で恐縮ですけれども、私には2人の子供がおりまして、市内の地元の小学校には、この10年間、保護者という立場でかかわってまいりました。昨年度はPTA会長の職にもつかせていただきまして、多くの保護者の皆様、そして校長先生を初め先生方とお話をする機会を非常にたくさん持つことができました。そんな経験の中からの疑問点、こうした方がいいのではという提言を盛り込みながら、ご質問をさせていただきます。
 まず最初に、1番目といたしまして、校庭の芝生化についてお伺いいたします。
 昨日のご答弁でもございましたけれども、現在、市川市内におきまして、3つの小学校の校庭が芝生になっております。私の子供が通っております中国分小学校も、校庭の一部が芝生になっております。実はこの校庭の芝生化については、最初は保護者に余り事前の説明がなかったものですから、新聞の報道を見て知ったという保護者の方も多くいらっしゃいまして、どうして芝生になってしまうんだろうというような疑問の声も多少は上がっておりました。でも、実際、芝生になってみますと、見た目も非常に青々しくきれいで、何といっても子供たちが、やはりけがをする心配をしないで元気に駆け回れる、そんな姿を見て、保護者の皆様も、やはりよかったという声を非常に聞いております。中国分小学校では、実際、私、そのように耳にしておりますけれども、ほかの2校ではどうなのでしょうか。それをお聞きいたします。
 それと、芝生というと、どうしても小学校の校庭にはぜいたくなのではないか、金銭面でも大変なのではないか、非常に財政的に苦しい折、学校でも本当に予算が少ない、あれも欲しい、これも欲しい、でも買えないという声を聞きます。そんな中で、芝生というのはちょっとぜいたくではないか、そんな声をお聞きしますけれども、今後、管理面でのコスト、それとやはり人的な大変さ、3年後、5年後にぼろぼろになってしまうようでは非常に悲しいと思いますので、そういう管理面の大変さというのはどうなんでしょうか、その辺もお聞かせください。
 そしてまた、中国分小学校は校庭の一部分のみが芝生でございますので、特に不都合は感じておりません。これは普通の校庭でする、これは芝生でするというふうに分けられますが、全面的に芝生になっている学校では、やりにくいスポーツなど、不都合な点は出ていないのでしょうか。また、小学校の校庭を借りている諸団体からも、そのような点で苦情などは出ていないのでしょうか、これらについてお聞かせをください。
 2番目の質問に移ります。体育の専任の先生を市の職員として採用して、市内の各小学校に配置してもらえないかということをご質問いたします。
 今、市内の小学校では、先生方の高齢化が非常に進んでおります。体育の授業、プールなどにおきましても、先生方が体力的に非常にきついということを、私もお話をお聞きしております。若い先生と年配の先生の授業を交代して、若い先生が体育をというようなことも行われているようですが、私の子供がおります中国分小学校は特に高齢化が進んでいるのか、それも制度的に非常にきついかなというようなことを思いますので、まずそれが、私がこれを考えた1番目の理由でございます。そしてまた、2番目の理由としまして、やはりスポーツの重要性です。先日の一般質問で松本議員も、スポーツは非常に大切であるというふうにおっしゃっていましたけれども、私もそのとおりだと思います。今までの日本の教育というのは、どちらかというと主要教科に重きを置いて、スポーツや芸術、そういうものには余りスポットを当ててこなかったと思います。しかし、オリンピックやサッカー、そして先日、パリで行われました世界陸上、この間の世界柔道、やはり日本人選手に私たちは胸を非常に熱くしておりますよね。運動のすばらしさというものを、今改めて認識している時代だと思います。スポーツが、運動がすぐれていることも、ほかの勉強同様、非常に重要なことなのではないか、そのように思います。今、運動会などを見学しておりますと、子供たちがちゃんとした走り方のできない子というのが非常に多いんですよね。やはり小学生のうちに専門の知識を身につけた先生に教わったら、もっと違ってくるのではないか、そういうふうに思っております。また、今、子供たちの体力の低下ということも非常に問題になっております。専門の体育の先生を配置することで、こういうことにも歯どめがかかっていくのではないかと思います。もちろんこれは財政的なことにも非常に関係しておりますので、すぐきょう、あしたというふうにはいかないかもしれませんが、ぜひご検討いただきたいのですが、いかがでしょうか。
 続きまして、3番目の質問でございます。小中学校の児童や生徒、そしてその保護者による教員の先生の評価というとちょっとかたくなってしまうんですけれども、この先生はどうでしょうというようなアンケートのようなもので結構ですので、そういうシステムを導入していただけないでしょうかということです。
 最初にお断りしておきますけれども、これは何も先生の欠点や問題点をチェックしようという趣旨ではございません。むしろ私の思いは全く逆でして、頑張っている先生、やる気のある先生を何とか褒めて、それを形にしてあげたいというふうな思いから出たものです。人間にとって、人とのかかわりの中で何が一番うれしいか。これは、やはり褒められることなんですよね。私が勉強しております交流分析という心理学では、これをプラスのストロークと呼んでおります。では、何が人間にとって一番つらいか。非難されたり、罵倒されたりというような、マイナスのストロークと呼ぶんですが、そういうことでしょうか。いえ、違うんですね。人間にとって一番つらいのはノーストローク、つまり無視されることなんです。私は頑張っている先生に、子供たちや親が、先生頑張っているね、私たち、おかげでこんなによくなれたよというような思いをぜひ何とか形にしてあげたいと思っております。もちろんこういうことを導入すれば、褒め言葉ばかりではなくて、もっとこうして欲しいという要望点、そしてまた多少の厳しい批判なども返ってくるかもしれません。でも、それもきちんと受け取って、前向きに考えることで、ことしよりよい来年というものを築いていけると思うんです。ぜひやる気のある先生の芽を伸ばしていけるような、そういうシステムを考えていっていただきたいと思うんですが、この導入についてはいかがでしょうか。
 続きまして、市役所内の子育て支援についてお伺いいたします。
 今、皆様ご存じのとおり、日本は少子化が全くとまらない状況です。私は、根本的にこの問題を解決するのは、保育園などのハードの部分をつくるだけでは、やはりもう無理な段階に来ていると思います。一番必要なのは意識の改革である。特に男性の、企業の、そしてまた社会全体の意識が変わっていかなければ、少子化には歯どめがかからないと思っております。
 女性の意識は非常に変わってきています。昔、独身女性が結婚相手に求めるものとして、よく3高という言葉を使われました。皆様ご承知だと思いますけれども、高い学歴、そして高い収入、高い身長、こういうものが求められていたんですね。今、これは3Cというふうに変わってきています。3つのCがつく言葉、カンフォータブル――十分な収入、そしてコミュニケーティブ――意思がうまく疎通されると言うんでしょうか、要するに同じ価値観を持つこと、そして最後がコーポレーティブ――ともにつくり上げる、要するに、家事、育児を手伝ってくれる人ということでしょうか。収入のところは変わらないんですけれども、高い学歴や身長があるよりも、妻が結婚後も、出産後も仕事を持って、そういうことに共鳴してくれて、そしてまた家事、育児を手伝ってくれる人、そういう人が、今女性の間では夫として求められていますが、皆さん結婚しない。要するに、この求められている像と、今現在の独身男性の像が非常に違っているということですよね。そしてまた、結婚はしても出産はしない。この率も非常にふえています。結婚をしない選択、そしてまた、結婚をしても子供を産まない選択をする女性が非常にふえているということです。これをやはり食いとめるには、男性や企業の意識が変わっていかなければ、もうどうにもならない状況に来ているのだと思います。どうしても、男は外、女は内、そして子供は母親が育てるべき、こういう考え方がまだまだ根強く残っています。男性、企業は、早く男女共同参画社会をしっかりと認めて、子供は母親だけが育てるものではない。両親と、そして社会全体で育てるものだということを認識していかなければならないと思っています。市川市では、少子化対策として、国のエンゼルプランを踏まえて、平成11年から子どもウエルビーイング21を策定して、市川市内の事業所の労働環境整備に取り組んでいると伺っています。その中で、男性の育児休業、子育て休暇取得の推進、企業内・院内保育所の設置の促進という支援というものも行っております。私はぜひこの市川市役所が市内の事業所の見本となって、男女共同参画社会の理想の職場となっていただきたいというふうに思っております。
 以上のことを踏まえながらご質問させていただきます。
 1番目として、今、この市川市役所内の育児休業取得率はどのようになっているのでしょうか、女性とともに男性の方はいかがでしょうか、それをお伺いいたします。
 そして、2番目として、育児や介護のために退職した女性職員が、それが一段落した後、復職できるシステムがあればすばらしいと思うのですが、こういうことは今後可能でしょうか。
 そして、3番目として、市役所に職員のための保育所をつくれないかというものです。もちろん今現在もかなり手狭な庁内であります。すぐに実現というのは難しいと思いますけれども、何度も問題になっております市庁舎の建てかえ、この実現の折などには、ぜひこのことをお考えに入れていただきたいのですが、いかがでしょうか。
 続きまして、本市の職員の採用試験についてお伺いいたします。
 この質問は、先順位者である山本次郎議員がしていらっしゃいましたので、応募状況などはよくわかりました。私がお聞きしたいのは、やはり5,000人強もの応募者の中から30人を選ぶ、これは非常に大変なことだと思うんですけれども、試験内容については、この前、総務部長がご答弁なさっていましたけれども、若い人の可能性と年齢を重ねている人の経験値、これをどんなふうにてんびんにかけてはかっていくのか、そういうところを、もう少し詳しく試験の内容をお聞かせください。
 最後に放課後保育クラブについてお伺いいたします。
 今現在、堀之内地区は人口が大変急増しております。中国分小学校に通う児童の半分が、今、堀之内地区から通っているのが現状でございます。しかし、放課後保育クラブは、中国分小学校の子供たちのためのものは中国分2丁目、中国分小学校から子供の足で徒歩10分以上かかるところにあります。この堀之内地区に住む児童が西部公民館内の放課後保育クラブに通うのは非常に大変なことです。中国分小学校から堀之内地区までは、子供の足で徒歩20分以上もかかります。そのため、放課後保育クラブがちょっと大変なので働けないわというお母様、また、お家で留守番をさせているというお母様の声も聞きます。ぜひ堀之内地区、それが無理でしたら、せめて中国分小学校内に放課後保育クラブを設けていただきたいと思いますが、この点はいかがでしょうか。
 以上、1回目の質問とさせていただきます。また時間がありましたら、再度ご質問させていただくこともあると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○岩井清郎議長 教育総務部長。
〔谷本久生教育総務部長登壇〕
○谷本久生教育総務部長 校庭の芝生化についてお答えいたします。
 本市では、緑豊かな魅力ある町にするために緑の基本計画を策定中でありますが、この計画は、地域と行政が協力し合い、緑地の保全と整備に向けた方針、方策を明確にし、それぞれの役割を担うための方法をまとめるものでございます。教育委員会では、その一環として学校緑化推進事業計画を策定し、校庭への植樹、芝生化、屋上緑化を進めているところでございます。この計画に沿いまして、平成14年度に、校庭につきましては大和田小、中国分小、南新浜小の3校、屋上につきましては稲荷木小、富美浜小の2校の芝生化を実施したものでございます。
 お尋ねの保護者が知らない間に校庭の芝生化が決定していたとのご質問ですが、学校緑化事業を推進するに当たりましては、市内小中学校及び幼稚園の64校を対象としまして、各学校長に事業の概要と計画について説明するとともに意向調査を行い、事業に賛同する学校を募ったものでございます。その結果、校庭芝生化については13校、屋上芝生化につきましては8校から要望があり、その中から授業や学校行事に支障を及ぼさない、整備条件に適合する学校を優先し、3校を選定しました。また、保護者への周知につきましては、各学校長からPTAの本部役員による運営委員会の席上でしております。
 また、維持管理の面でございますが、当初の植えつけから根づくまでの期間につきましては、水まきが欠かせない状況で大変でございました。ただ、根づいてからは、水まきも月に2回程度、そしてまた芝刈りにつきましても、一番成長する春から夏にかけての時期で月に2回程度の実施、また、肥料につきましては、年に2回程度実施すればよく、消毒等の薬剤散布は、基本的には実施しない方針で進めております。
 ぜいたくではないかとの点でございますが、今回の導入に当たりましては、大学教授の指導を受けて行っておりますが、従来に比べまして、工事費、維持費も格段に安くできるようになりました。子供たちの喜ぶ姿を見ますと、経費以上に十分効果はあるものと思います。
 これまでに要しました経費につきましては、工事費につきましては、面積によって違いますが、1校当たり650万から約1,600万程度かかっております。その後の維持のための経費としましては、3校で芝刈機、あるいは芝刈機の保管倉庫、そのほかの消耗品等で、導入に当たりましては、合計大体120万程度を要しております。今後の維持管理費につきましては、1校当たり年間5万から10万程度を見込んでおります。
 また、学校、児童、保護者等の評判でございますが、校庭の芝生化を実施した3校からは、幾つかのメリット、デメリットが聞かれております。メリットとしては、子供たちが積極的に外遊びをするようになった、また、はだしで駆け回っているが、けがが減ってきた、さらに、自分たちで芝生を大切に育てていこうとする学校ぐるみの環境が芽生えてきた、また、保護者や地域の方々が芝生に関与することで、学校を中心とするコミュニティーが強化された、さらにはまた校庭の砂じん防止が図られたことなどが挙げられております。また、反対にデメリットとしましては、地域の協力がまだ十分得られていない学校がございますが、そのようなところでは、芝刈り、雑草取り等の管理面が以前に比べ大変になった、さらに、芝生の養生期間中は学校の活動が制限された、また、地域開放の中で野球等の一部団体からは使用上の苦情があった等々寄せられておりますが、総合的には高い評価を受けております。
 次に、利用上の制限ということですが、先ほど申しましたように、養生期間中は立入禁止としましたが、現在は車や自転車の乗り入れは禁止しておりますが、その他は今までのグラウンドと変わらぬ使用を認めております。芝生上での食事会、読書会、音楽会等、今までない利用もされていると聞いております。
 また、使いにくい等のクレームがあるかとの点ですが、ただいま申し上げましたように、野球等に関しましては、これまでのダスト舗装に比較して使用しにくいとの話は聞いておりますが、そのほかには特にございません。
 以上でございます。
○岩井清郎議長 学校教育部長。
〔東田雄三郎学校教育部長登壇〕
○東田雄三郎学校教育部長 教育行政についての(2)、(3)にお答えいたします。
 最初に、市内各小学校に体育の専任教師を市で採用して配置できないかとのご質問でございますけれども、児童生徒の健康の保持・増進及び体力の向上を図っていく上で、体育の授業の充実が求められているわけでございますが、ご承知のとおり、小学校における体育の授業は、基本的には学級担任が担当しております。しかし、学校、学年の児童の実態や学習内容により、複数クラスを1つにして複数教員による指導や、地域の指導者の協力による指導、小中学校の連携等を実施している学校もございます。具体例といたしましては、1学級の人数が少ない場合、2学級が一緒になり、2人の教員で指導する形態をとっている学校、器械運動やボール運動において、地域の体操教室の先生、ママさんバレーの保護者、その方と学級担任が一緒になって指導している学校、また、中学校の教師が小学校へ出向き体育の学習を行うといった学校もございます。そういう状況の中で、市内の各小学校に体育の専任教師を市で採用して配置してはどうかというご質問でございますけれども、指導内容の高度化や子供たちのニーズが多様化している状況にあって、子供の関心、意欲や技能レベルに合った体育指導を行うには、専門的知識、技能を持ったすぐれた指導者の確保が重要であると考え、教育委員会では、これまで研究を重ねてきたところでございます。具体的には、活用方法といたしまして、児童1人1人の安全面の配慮や学級経営の影響等を考えると、学級担任と体育の専任教師が一緒になって指導する形態、つまりティームティーチングが望ましいと考えております。また、体育の専任教師につきましても、体育大学出身者に限らず、地域や競技団体の専門性と人間性を備えた指導者、中学校教諭の活用について研究を重ねてきております。予算の確保も必要となることから、次年度はモデル校での実施に向けて検討しているところでございます。
 次に、市内小中学校で児童生徒及びその保護者による教員の評価システムの導入についてはどうかというご質問にお答えいたします。学校における評価につきましては、これまで通知表に代表される子供に対する評価が強くイメージされ、成績評価、評定が主であったかと思われます。しかし、近年、教育改革が進められる中、教職員や子供たちがみずからの学校を評価する内部評価や、保護者、地域から信頼される学校づくりを目指しての保護者及び地域の人々等による外部評価が推進されているところであります。特に平成14年4月から施行された小学校及び中学校設置基準の中に学校による自己評価が明記され、その目的として、教育水準の向上を図り、当該学校の目的を実現するため、当該学校の教育活動その他の学校運営の状況についてみずから点検及び評価を行い、その結果を公表するよう努めるものとするとされ、本市の公立学校におきましても、この趣旨を受けて、全校挙げて取り組んでいるところであります。具体的な取り組み状況としては、平成14年度におきまして、学校内部評価を実施している学校は、市内56校全校であり、外部評価と内部評価の両方を実施している学校は35校でございます。また、開かれた学校を推進するための指標として、市川市におきましては、具体的な方策として、各学校主催によるオープンスクールデーを設けて取り組んでおります。また、校長の学校運営評価の視点から学校評議員制度導入を進め、学校の外部評価にいち早く注目し、取り組んでいるところでございます。いわゆる外部評価はまだ始まったばかりでありますが、学校の主体的な取り組みであり、評価結果を受けて学校改善に努めようとするものでございます。ご質問の教職員の教育への意欲を高めるための評価ということでございますが、市川市全体的な取り組みといたしましては、市川市教育功労者彰を年間1回、市川市の教育向上に功績のあった教職関係者を表彰しているところでございます。また、教育実践記録に関する論文を毎年公募して、毎年、教職員の実践論文の中からすぐれたものを選び表彰しているところでございます。平成14年度で24年の歴史を重ね、教職員の意欲向上につながっているものと考えております。さらに、市川市教育委員会と県教育庁船橋地方出張所と合同で学校訪問を計画的に実施し、全教科領域にわたって教職員を指導しております。教職員の指導力の向上を中心にして、教職員の意識と意欲向上を目指した取り組みを行っております。このような施策を進める中で、教職員を励まして意欲向上を図っているところでございます。
 また、ご質問の児童生徒及び保護者による教員の評価システムの導入についてでございますが、さきにも述べましたように、学校評価の実施の中で、既に一部の学校では児童生徒及び保護者による教員評価も含めた学校評価を進めているところでございます。しかしながら、全市的な視点から児童生徒及び保護者による教員に対する評価を進める際には、その前提として留意すべき点があろうと思います。つまり、一般的には、評価は人間が行っているある事象に対する一定の価値づけを行うことであれば、評価された者は、その評価を受けてみずからをよりよく改善したり、よりよい方向へみずからを変容させようとすることを期待され、いわば評価は、評価を受ける者が自己変革への意欲を持ってこそ評価のあるものになるわけであります。そのためには、評価する者も、評価を受ける者も、そのような共通認識を持って取り組まなければならないわけでございます。つまり、よりよい教育を目指しての児童生徒、保護者、教職員同士の理解、納得、合意、共有、そして信頼がなければ、その評価が建設的行動力を生むものではないわけでございます。もしそのような前提がないまま行われた評価は、教育現場に不信を呼び起こし、教育現場の混乱につながりかねないわけでございます。このような考えに立って、教育委員会といたしましては、児童生徒及び保護者による教員評価につきまして、あくまでも学校評価の一環としてとらえ、学校の自主的、主体的な評価活動の中ですべきものと考えております。一面的に学校や教師を評価するのではなく、学校を支える教職員や児童生徒、保護者及び地域も含めて総合的、かつ長期的視点から相互に評価を行い、将来に向けて学校、保護者、地域が一体となって子供を育てるよりよい環境づくりに向かう評価を期待したいと考えております。
 以上でございます。
○岩井清郎議長 総務部長。
〔伊与久美子総務部長登壇〕
○伊与久美子総務部長 市川市役所職員への子育て支援についてと、市職員の採用について、私の方からご答弁させていただきます。
 初めに、市役所職員への子育て支援についての3点のご質問にお答えいたします。まず、市川市の育児休業制度のこれまでの取り組みでございますが、昭和51年に保育士、看護師等の特定職種の職員を対象に、まずスタートいたしました。その後、平成4年にはすべての職員を対象に、育児休業の取得制度がスタートいたしております。また、育児休業の対象となる子供の年齢につきましても、制度当初は、この年齢が1歳未満までで限られていましたが、平成14年4月からは、この年齢が3歳未満までということで対象年齢を引き上げ、制度の充実を図っております。ご質問者もおっしゃっていらっしゃいましたが、市川市では、市内企業の先導的役割、最大の事業所であるということを認識しまして、市内の企業における育児休業の推進、促進を図っていこうということで、経済部商工振興課、こども部子育て支援課、総務部男女共同参画課等が協力体制を組みまして、市内企業に対して、子育てにやさしい事業を実施している企業を優良企業表彰という制度をとりまして、今日まで実施してきております。特に13年度には育児休業推進優良企業31事業所を表彰し、14年度には育児・介護休業、介護休暇をすべて制度化している仕事と家庭の両立支援優良事業所として18事業所を表彰しております。また、15年度には21世紀未来財団の協力のもとに、男女共同参画社会に向けたポジティブアクションをテーマに、数々の講演会等を実施したところでございます。このように、仕事と家庭、育児の両立支援策は、市内の事業所に次第に理解され、受け入れられているというのが実態でございます。市役所の育児休業の取得状況でございますが、最近の4カ年の状況を見ますと、12年度に84名、13年度、88名、14年度、93名、そして本年度は8月31日現在で80名の職員が育児休業をとっております。1歳未満の子供が45名、1歳から2歳未満が25名、2歳以上が10名となっております。それぞれ保護者であります職員は、子供の保育園入園が決定するまでの間、育児休業をとるというのが従来の形になっております。また、男性職員の取得状況ですが、平成14年度に1名、28日間とった職員がおります。本年度には1名が3週間の育児休業を現在申請しておりますので、市川市においては、男性職員2名が育児休業をとっているということになります。ちなみに、松戸、船橋に比較しますと、松戸に1名、男性職員がおりますが、船橋はゼロということでございます。
 次に、退職者復帰システムにつきましてご説明します。退職した女性職員が復帰できるシステムができればいいということでございます。市川市におきましては、いわゆる病気による長期病休者、その方たちにつきましては、病気治療が済んだ後に、いわゆるならし運転といいますか、本人の希望と了承のもとに、リハビリ出勤のできる場を提供しながら職場に復帰していただくという復帰プログラムができておりますが、育児休業中の職員に対しても、休職中に職場の情報を逐次提供するなど、復帰の際、変化に戸惑いのないような、そのような男女共同参画ポジティブアクションの1つとしても、ぜひこの職場復帰プログラムを確立したいと思い、今急ぎ取り組んでいるところでございます。実態としまして、女性職員が退職した後、正規職員として、また優先的に復帰できるかというと、残念ながらそれはできません。地方公務員法にのっとって私どもは採用されました後、懲戒処分を受けない限り、定年まで雇用が確保されております。したがいまして、退職した後は、やはり同じ条件で復帰するためには、採用試験をもう1度受けていくということになります。やはり今回も採用の門戸を広く開きましたが、その中には、かつて市の職員でありましたけど、再挑戦する職員の姿も見られるのが現状でございます。今回、法の整備の中で3年間という育児休業が確保されましたからには、この3年間を有効に使っていただいて、やめることなく次のステップにつなげていくというようなキャリアプランを各自が立てるということが、今求められている大切なことではないかと思っております。
 それから、市役所内保育所の可能性についてですが、この件につきましては、実はかつて担当レベルで研究したこともございます。しかしながら、やはりご質問者もおっしゃっていましたが、庁舎の老朽化とかスペースの問題、また、市川市は待機児童が非常に多いということで、市職員の子供の優遇策となるのではないかというような懸念されることもありました。市民感覚から理解されにくいのではないかということもございます。そのような中で、先例として国における文部科学省内の保育所ができまして、かなり注目を浴びましたが、やはりメリットを上回るデメリットもあるということで、運営がなかなかスムーズにいかないというのが実態のように伝えられております。子供が長時間の通勤に一緒に耐えられるのかとか、そういうような子供の視点で、それがすべて受け入れられるものかということが大きな課題になっているようでございます。しかしながら、市川市は、やはり市内事業所に先鞭を切って、環境の整った職場であるためには、やはりこのような問題も取り組んでいかなければならないと思います。そのようなことで、やはり市庁舎が建てかえという機会をとらえて、この問題にも取り組んでいかなければいけないと思います。そのためには、今から職員に対するアンケート調査の実施や、また、市民感情を配慮した施設運営の研究、例えば市役所の職員の福利厚生事業として設置し、職員互助会等が運営していくというような、そのような方法などについても研究する必要があると思いますし、そのようなことを認識しながら、市役所内の保育所については検討していきたいと思います。
 それから、市職員の採用についてお答えいたします。選考のポイントは何か。大変広い範囲の多数の応募者に対しての選考のポイントは何かというご質問だと思います。先順位者にもお答えいたしましたとおり、5,350名の応募に対して178倍の合格率となる今回の試験につきまして、私どもも大変な問題であると認識しております。この応募者を年代別に見てみますと、最年少者が17歳、最年長者が59歳と非常に幅広い年代層、そして応募が一番多い30歳代を初め、40歳代、50歳代を含めまして、昨年まで受験できなかった年代が全体の約70%ということになっております。今回の応募状況の中で最も意識しなければいけないのは、この選考についてでございます。今回の試験方法につきましては、多様な行政ニーズにこたえるための多様な人材の確保を目指すことを基本コンセプトに置いております。幅広い分野の基礎的知識と、高度化、専門化する業務に対応できる専門知識に加え、企画力、実行力、応用力を発揮できる実践的な能力、そしてさまざまな職場に適合して職場を活性化してくれるような人間性までも選考のポイントとしていきたいと考えております。
 試験の詳しい内容についてということでございましたので、一応その概要を申し上げますが、試験は3次試験までとなっております。その設定には十分な配慮と工夫を加えました。先ほど申し上げましたような人間性までも選考のポイントになるような配慮をしております。具体的に申し上げますと、多様な人材確保の視点から、1次試験は公務員として必要な基礎的な教養を中心に事務適性試験を行い、ある程度絞った段階で専門試験である2次試験を行うという形にしております。多様な能力確保の視点から、2次試験の専門試験を6科目からの自由選択としました。そして、キャリア経験等のアピールも可能となるように、2次試験に論文試験を追加しました。人物重視の視点から、同じく2次試験に性格適性検査を追加いたしました。さらに、3次試験に従来型の尋ねる面接に加えて、新たに自己アピールを十分にしていただけるような面接の時間も設けております。特に面接試験では、市川市及び市川市民のために何をしたいのかなど、受験者それぞれの立場から積極的に自己アピールしてもらうことによって、筆記試験でははかりがたい、とらえがたい熱意や実践的能力などをポイントに、人物にウエートを置いた選考に努めていきたいと思っております。
 以上でございます。
○岩井清郎議長 こども部長。
〔髙久 悟こども部長登壇〕
○髙久 悟こども部長 放課後保育クラブについてのご質問にお答えいたします。
 堀之内地区に住む児童のために中国分小学校内、もしくは堀之内地区に放課後保育クラブを設置できないかとのご質問でございます。現在、放課後保育クラブは市内に43カ所開設しております。その施設の内訳としましては、小学校が36カ所に、また公民館内に設置したものが3カ所、青少年館に設けたものが4カ所ございます。ご指摘の中国分小生徒を対象としました西部公民館内の保育クラブは、昭和49年4月に開設しております。当時は学校内教室の社会教育施設等への転用が困難でありましたので、昭和49年に新設されました西部公民館内のこども館の一部を活用しまして保育クラブ室を設置し、今日に至っております。
 現在、西部公民館内の保育クラブでは、定員30名に対しまして、1年生が9名、2年生が8名、3年生が8名、合計25名の児童をお預かりしております。このうち、堀之内地区から通っているお子さんは9名おります。ご質問の中国分小学校内に放課後保育クラブを設置できないかということですが、堀之内地区の人口増加が見込まれますことから、保育クラブに入所を希望する児童も増加するものと考えております。また、こうした中で、保護者も私どもも児童の交通上の安全や防犯上の安全性から、学校内に施設を設置し、児童をお預かりすることが最も安心と考えております。市では、これまでも学校の外にある保育クラブについては、放課後、学校から保育クラブまでの通所中の危険をなくすため、できる限り小学校内への増設、移設を順次進めてまいりました。その上で、中国分小学校につきましては、学区内の人口増に伴う児童数、学級数の増が今後見込まれますことから、現在、特別教室として授業等の一環として使用されております部屋も、今後、教室に戻す必要が生じてまいりまして、学校全体として活用できる施設はなくなってまいります。このことから、市といたしましては、学校の敷地内にプレハブの保育クラブ室を設置できないか、現在調査をしているところでございまして、できるだけ早い時期に実現できますよう、教育委員会、また、学校長とも協議を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○岩井清郎議長 こひら議員。
○こひらゆき議員 それぞれご答弁をありがとうございました。何点か再質問させていただきます。
 まず、芝生の点なんですけれども、管理費は年間5万から10万ということで、私が考えたよりもかなりお安いなというふうに感じました。ただ、やはり心配なのは、3年後、5年後に芝生がきちんとなっているだろうかということがちょっと心配ですので、そのことについてもう1度お聞かせください。
 あと、今後ほかの小学校への拡大の予定があれば、そちらの方もお聞かせください。
 あと、これは質問ではなく要望なんですけれども、今現在、保護者の方にお聞きしたところ、芝刈り用の機械が1台しかなくて、これを3校で持ち回りをしているというふうにもちょっとお伺いしているのですが、これが本当でしたら、ぜひ各校に1つずつ用意をしていただきたいなというふうに思います。
 続いて、2点目の体育の専任教師の件なんですけれども、前向きに研究をしてくださっているということで、実際にいつごろからモデル校何校ぐらいで実施されるのか、その点についてお聞かせください。
 それと、次の小中学校の評価ということなんですけれども、なかなか難しいというお答えでしたけれども、教育の向上というのは、私はやはり先生方の質の向上ということに非常にかかっていると思います。どのようにして先生の質を上げていくか、いろいろな手法があると思うんですけれども、何となく学校というのは閉ざされた施設というふうに、どうしてもなりがちだと思います。ぜひいま1度、これはもうお答えは結構ですので、本当にアンケートのような形式で、評価というと、どうしても重くなってしまうので、授業はわかりやすいですかとか、先生はよく話を聞いてくれますかというような簡単なアンケートのようなもので結構ですので、市の方からやりなさいではなくて、こういうものを進めてくださいというようなことをやっていっていただきたいなというふうに思います。
 続きまして、市役所内の育児休業。市役所は、女性にとっては非常に今、本当にいい職場であると思います。育児休業もとっていらっしゃる方もたくさんいらっしゃいます。しかし、いま一歩進んで、男性職員が育児休業をとりやすい職場になっていかないと、ほかの市内の事業所に対して、男性も育児休業をとりなさいとは、自分がやっていないのになかなか言えないのではないかというふうに思います。これについて、やはりまだ何かとりにくいような感じがあるのかなというところをちょっとお聞かせ願えますでしょうか。
 あと、復職システムについてはよくわかりました。そういうためにも、今回の採用試験の枠が広がったというのは非常にいいことだと思います。
 保育所についてもわかりました。
 市職員の募集、採用についてもよくわかりました。非常に充実した試験内容で、私もちょっと受けてみたいな、受けたらどこまでいけるのかなというようなことを感じましたけれども。
 放課後保育クラブの方も、プレハブをつくって考えていただけるということで、ありがとうございます。こちらの方もご答弁は結構です。
 以上のことだけ、よろしくお願いいたします。
○岩井清郎議長 教育総務部長。
○谷本久生教育総務部長 お答えさせていただきます。
 3年後、5年後の心配ということでございますが、確かに市川市での導入は初めてのことでございますので、今後の点の心配は私どもも感じております。ただ、先ほど申しましたように、今回の導入に当たりましては、大学教授の専門の先生の指導を受けながらやっておりますので、今後もまたそういう先生方の指摘等を受けて、その中できちんとした管理を進めてまいりたいと思っています。
 それと、他校への拡大を今後はどういうふうに考えているかという点でございますが、これにつきましても、今年度は大和田小につきましては校庭全面を予定しておりまして、授業の関係だとか地域開放の関係で、全面を1度にやるというのはちょっと難しい点がございますので、昨年度は半分やっております。残りの半分を今年度予定しております。今後につきましては、今回、3校の実施を見た中で、他校からも、自分の学校にそういう形でやりたいという要望は数校から来ております。ただ、それにつきましては、学校の校庭の条件だとか、あるいは何よりも管理体制で、学校と保護者、地域が一体となって維持管理体制が見込める学校に対しましては、今後も積極的に導入を図ってまいりたいと考えております。
 それと、芝刈機につきましては、今、面積の点がありまして、大和田小に大型のものを1台置いておりまして、そのほかには簡易型のものでやっていますが、今後、その1台を各校でいろいろ利用しながらやっていくという方法と、各校の実情を見た中で、もう少し必要であれば芝刈機をもっと多く導入するような形をとってまいりたいと考えています。
 以上です。
○岩井清郎議長 学校教育部長。
○東田雄三郎学校教育部長 小学校に体育の専任講師を派遣してはという件でございますが、来年度、市内の小学校5校をモデル校にして実施できれば、そのように考えております。
 以上でございます。
○岩井清郎議長 総務部長。
○伊与久美子総務部長 ご質問者もご承知のとおり、市川市には子育て支援という視点から、エンゼルプラン子どもウエルビーイング21がございますし、また、男女共同参画基本計画もできております。ともに家庭と子育てと、それから就労の両立支援ということを大きな目標にしております。その実現のためにも育児休業の充実ということは大変大切な部分なんですが、市役所におきましては、特にこの計画を策定している経過の中で、部長、課長もかかわっておりますし、職員も多く理解しているはずですし、また、新規採用職員の説明会のときなども福利厚生について詳しく説明しておりますので、育児休業についての不満とか、あるいは苦情というのは、今のところないというふうに認識しております。これからもさらに充実していきたいと思っております。
○岩井清郎議長 よろしいですか。
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○岩井清郎議長 次に、高橋亮平議員。
〔高橋亮平議員登壇〕
○高橋亮平議員 民主の高橋亮平です。通告に従いまして質問させていただきます。
 まず、住基ネットについて質問させていただきます。
 1点目は、住基ネットのあり方についてです。住民基本台帳法第36条の2では、市町村には住民の本人確認情報を保護するために適切な管理のために必要な措置をとる義務があると規定されています。市川市では、必要な措置をどのように具体化しているのかお聞かせください。
 次に、2点目はセキュリティー対策についてです。個人情報の保護をいかに万全なものにするかということが自治体の責務です。先日、MSブラストというコンピューターウイルスの影響で、世田谷区と長野県が住基ネットから一時的に切断するという事態が起こりました。市川市のコンピューターにはウイルスの影響はあったのでしょうか、お答えください。
 また、総務省の個人情報保護対策では、万が一の場合には緊急時対応計画に基づきネットワークの運営を停止するとあります。ネットワークの停止に相当する緊急時とは、どのような事態を市川市として想定しているのでしょうか、お答えください。
 市川市におけるセキュリティーの取り組みは評価できるものです。個人情報保護審議会、日本情報セキュリティ認証機構、ISMSセキュリティ監査専門委員などの外部監査によるシステム監査の実施や、総務省主催の情報セキュリティー研修や内部セキュリティー職員研修などの取り組みはすばらしいと思います。しかしながら、住基ネットが第2次稼働し、問題点としては、市川市がどれほど高いレベルのセキュリティーを保ったとしても、他の市のセキュリティーが低ければ、そこから市川市民の個人情報が流出してしまう可能性もあることです。1999年に宇治市の住民基本台帳と外国人登録名簿の基データ約21万人分が、名簿業者によって流出するという事件が発覚しました。もし住基ネットに接続している現在の状況で同様の事件が起こった場合、当該市だけでなく、市川市民の個人情報が流出するおそれもあります。そこで、市川市では、住基ネットに提供し他の地方自治体や国の機関等の手に渡った市民の個人情報の適切な管理がされているかどうかをお尋ねいたします。市川市では、だれが、だれの本人確認情報を、いつ、何の目的で用いているのかをリアルタイムで把握し、不当なケースでは、それを阻止できるのでしょうか。外部からの不当な情報請求に対して、どれほどのセキュリティー対策をしているのかお答えください。
 また、総務省の調査では、800の自治体が住基ネットにつながる基幹系とインターネットにつながる情報系は分離できていない状況にあると発表しています。市川市では基幹系と情報系のネットワーク端末が別に構築されている点は評価できますが、しかし、住基ネットでは接続されている以上、市町村レベルがすべて完全でなければ安全とは言えません。800もの自治体がネットワークを分離していないという状況を見れば、住基ネットに接続することに問題があるとも判断できるのではないでしょうか。せめて他の自治体のセキュリティー対策が現在の市川市と同程度になるまでは、市川市としては住基ネットの接続を停止するということも、選択肢の1つとして考えていく必要性があるのではないでしょうか。市川市としては、住基ネットの接続の停止の用意があるのかどうかをお答えください。
 次に、3点目は2次稼働についてです。8月25日より住基ネットの2次稼働が始まりました。住基カードの交付も始まりました。しかし、手元の資料によると、2次稼働後半月の時点である9月10日現在、住基カードの発行枚数は442枚で、市川市民のわずか0.1%にすぎません。別の資料では、予定枚数が6,000枚とありますが、この442枚という発行ペースは予想の範囲内なのでしょうか。また、予想外であれば、その原因及び普及対策について具体的にお答えください。
 また、住基カードの発行により、行政事務は具体的にどの程度効率化し、コストダウンが図られたのでしょうか、お答えください。
 次に、カード発行機の賃貸料が月額22万1,000円となっておりますが、住基カードをこれから長年にわたって発行していくのであれば、借りるのではなく購入するのが普通なのではないかと思います。なぜ発行機をリースしているのかどうかをご説明ください。
 次に、市川市には電話1本で住民票を取次店に届けるという画期的なサービスがあります。午前中に申請すれば、同日の午後4時以降に届くというこのサービスは、24時間年中無休のローソンや消防署など16カ所の取次店で住民票を取得できます。住基ネット2次稼働後も、このコンビニ受け取りサービスは継続するのでしょうか。利便性を追求するのであれば、むしろこちらのサービスを拡充する方が、市民にとってよいと思われますが、いかがでしょうか。便利なサービスがあるにもかかわらず、大規模な予算を使って第2次稼働を推し進めることに疑問を感じます。
 次に、4点目は個人情報保護についてです。住基ネットの最重要課題は個人情報の保護です。市川市では、昭和61年に制定された個人情報保護条例のほかに、平成14年に情報セキュリティに関する基本指針及び対策基準が制定されています。職員の責務、管理体制など人的な内容、データ保管場所への外部者の立入禁止など物理的な内容が決められています。しかしながら、住基ネットにおける個人情報の保護のためのガイドラインとして運用するには、いま1つ物足りない感じがします。東京都杉並区では、平成13年9月に住民基本台帳に係る個人情報の保護に関する条例を制定しました。住基台帳の適正な管理のために区長が講ずるべき事項を定めたもので、その内容として、区長が住民票記載事項の処理状況並びに当該処理によって発生した苦情及びその処理の内容について審議会に報告する義務、不適切な利用に対して調査する義務や基本的人権が侵害される明確な危険がある場合に必要な措置を行使する義務を定めたものです。条例の中に、本人からの申し出があり、かつ当該本人の生命、身体その他の権利利益を著しく害するおそれがあると区長が認める場合には、住基台帳の写しの閲覧や交付について必要な措置を講ずることができるとしています。また、不当な目的による取得などの禁止も定めています。夫の暴力から避難している妻が住民票から住所を突きとめられるなど、DVの典型的なケースを自治体で裁量行為を定めているという点では、個人情報保護の点で非常にすぐれていると言えます。また、防衛庁が18歳以上の成人の病歴を含めた調査を行ったことが防衛庁リスト問題として世間を騒がせました。このような国の機関からの個人情報の請求に対して、市川市はどのように対処するのかということを定めることも、個人情報保護を進める上で必要なのではないでしょうか。市川市も杉並区に倣い、個人情報の保護の観点に立った市民の住基プライバシーを守る条例を定めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、5点目は今後の課題についてです。住基カードの今後の利用については、証明書自動交付機を利用して住民票の写し、印鑑登録証明書、その他の証明書の交付を受けるサービス、申請書を自動的に作成するサービス、健康診断、または健康相談の申し込み、結果の照会などを行うサービスなどを国は想定しており、市川市では、現在のところ証明書の自動交付を予定しているとのことでした。ほかに市川市独自で考えているサービスがあればお答えください。
 そのほかについて、今後、住基カードの有効性や必要性について研究する際に、市民の意向調査をしていく必要性があると思います。現在の442枚という発行枚数を見れば、住基カード自体が必要とされていないということも考えられます。使い道のニーズの調査とともに、住基カードの存在自体の再検討の意味を含めた調査をする必要性があるのではないでしょうか。市民の意向調査を実施する用意があるのかどうか、このことをお答えください。
 また、実際に住基ネットを運用している現場の担当者の意見を取り入れることも重要だと思われますので、その点についても、その意思があるのかどうかお答えください。
 次に、防災対策について質問させていただきます。
 まず、1点目は耐震診断についてです。千葉市では、81年以前に建てられた木造住宅や分譲マンションに住む市民が耐震診断を受けた場合、費用の3分の2を助成する制度を本年10月からスタートさせます。我が市川市も、木造住宅に限って職員が簡易診断をサービスにて実施しているようですが、千葉県一人口密度が高い市川市においては、集合住宅の倒壊による被害は甚大なものになると予想される以上、木造住宅に限らない千葉市のような制度もあわせて導入することは急務だと考えられます。また、耐震診断だけでは真の防災対策とは言えません。耐震診断によって危険性が判明した建物について、耐震改修が行われることに意味があると考えます。そして、その耐震改修を促進するために費用の助成制度が必要だと考えます。市川市には、耐震改修のみを目的としたものではありませんが、費用の助成制度として市川市住宅資金利子補給制度があります。しかし、本制度は昭和49年に実施にもかかわらず、手元の資料では、いまだ実績がゼロ件であります。これは制度に原因があるか、告知が不十分としか考えられません。横浜市では、倒壊の危険性のある建物に限ってでありますが、木造住宅耐震改修促進事業として年平均78件と大きな成果を上げております。このように耐震改修の潜在的なニーズは高いと思われますので、先進他市を参考にしたより実効的な制度へと改正、また新設が望まれますが、いかがでしょうか。
 次に、2点目は指揮命令系統についてです。手元に各本部拠点の組織構成の資料があります。これを見ると、災害対策本部長の第1順位が市長、第2順位が助役となっているようですが、別の資料によると、市長は市内在住ですが、助役はお2人とも近隣市よりさらに離れた、災害時には即時参集できないような場所にご在住です。もし市長が参集できず、かつ夜間や休日に災害が起きた場合、どのように対処するのでしょうか。同じことが行徳本部についても言えます。先順位者の質問の中で、災害時には行徳地区が孤立するおそれもあるとの答弁がありましたが、行徳本部は第1順位が行徳支所長、第2順位が行徳支所次長、第3順位が総務課長となっております。行徳地区が孤立した場合、支所長も江戸川以北の在住であり、また、以降の順位者に至っては、近隣市よりもさらに離れたところに在住しております。混乱を防ぐためにも、第3順位までではなく、参集できる地域に住んでいる人も加えておくべきであると考えますが、その点に関する市のお考えをお聞かせください。
 さらに、対策本部の関係者は38名おりますが、そのうち半数以上の20名の方が市外在住でございます。半数以上が市外在住で即時参集できない状況も踏まえた上で、非常事態の各本部、拠点の組織構成を考えるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、3点目は非常時の対応についてです。海や川に隣接した市川市では、非常時の人命救助や復旧作業などに利用するルートとして水路が極めて重要だと思われます。現在、市川市でもプレジャーボートを使って人や物資の輸送をするという計画があるようですが、そのプレジャーボートとはどの程度有効に機能するものなのでしょうか。地震で崩れ落ちた橋があっても、河川を行き来することができるのでしょうか。プレジャーボートについて、現段階でそれがどの程度有効で、明らかになっている問題が何なのか、この点についてお答えください。
 次に、4点目は電柱の地中化についてです。平常時にも特に狭い道などで通行の邪魔になっている電柱ですが、災害時には倒れることによる直接的な被害だけでなく、その後も道をふさぐことによって交通が寸断され、人命救出に重大な遅延をもたらすことが懸念されます。もちろんすぐにすべての電柱を地中化することは困難でありますが、基幹緊急運用用の道路だけでも電柱の地中化を考えるべきなのではないでしょうか。手元に市川市内の無電柱化実績延長図があります。これによると、既に駅周辺の道路が一部無電柱化されており、その点では市側の努力も評価するものですが、それでも、長さにしてみると、ほんのわずかでしかありません。電柱の地中化によって電線、電話線以外にも光ケーブルなども同時に地中化することが図れることも大きなメリットとして考えられます。町の景観や人命に与える影響からも、電柱の地中化のペースを上げていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、5点目は市民への情報提供についてです。市民の皆様にも危機意識を常に持っていただくことが、災害を最小限に抑えるためには必要不可欠です。防災会議などを常に公開し、学習できる場が必要なのではないでしょうか。市民の方への情報の浸透について、市側が現在どんなことを行っており、また、今後どのような努力をしていくつもりなのでしょうか。平成14年10月に市民の方を対象にした防災に関するアンケートによると、一時避難場所の周知度67%に対して、広域避難所の周知度が29%と極めて低い結果になっており、こうしたギャップを埋めることなどから、まず取り組んでいくべきと考えますが、そういったことも含めて市のお考えをお聞かせください。
 次に、市長が考える議会と行政の関係について質問させていただきます。
 最近の理事者提出の議案や、そのプロセスを見て思うことがあります。特に気になるのは規則への委任事項が大変多いことです。確かにすべての事項について議会で審議し、条例で定めるということは現実的ではなく、行政にとっても非効率です。しかし、国の三権分立という制度もそうですが、こういった制度は効率化のための制度ではなく、効率化を犠牲にしても市民の代表たる議会のチェック機能により行政の独走を防ぎ、市民の権利を守るための制度です。であるなら、できる限り規則への委任事項を減らし、条例案として議会のチェックを受けるのがあるべき姿なのではないかと考えます。また、市民の代表である議員から成る議会の審議を経ることは、市民の多様な意見が条例案に反映されることになり、市民本位という市長の姿勢にも沿うものであると考えます。市川市をよりよい町にしていきたいという、この思いは、市長だけではなく我々議員も同じです。市川市にとって真によいものであれば賛成しますし、よりよいアイデアも出します。それによってよりよい条例が生まれることが、市川市にとって、また市民にとって本当に大切なことであると考えますが、いかがでしょうか。市長の考える議会と行政の関係についてお答えください。
 以上をもって1回目の質問とさせていただきます。答弁によりまして再質問をさせていただきたいと思います。
○岩井清郎議長 情報システム部長。
〔井堀幹夫情報システム部長登壇〕
○井堀幹夫情報システム部長 住基ネットに関します5点の質問にお答えいたします。
 まず、住基ネットのあり方についてでございますが、デジタルネットワーク社会の急速な進展の中で、市民サービスの向上や、国、地方を通じた行政改革を進めていくには、行政の高度情報化の推進が必要不可欠であります。住基ネットは住民基本台帳事務を基礎とし、さまざまな行政手続においてオンライン化を実現し、今後、電子政府、電子自治体を構築していく上でなくてはならないものであります。そのため、住基ネットは市民の皆さんにとって安全で豊かな生活を支える行政システムとして、全国のすべての行政機関が協力した体制のもとに、市民から信頼され、安心できるよう運用していくことが必要であります。そのため、本市では、独自に個人情報保護条例、同施行規則、情報資産に係る情報セキュリティに関する規程、情報セキュリティに関する基本方針、基本指針などを整備いたしまして、さまざまなマニュアルを整備しているところでございます。例えば、情報セキュリティ管理策運用マニュアルでは、第1にセキュリティー組織、第2に資産の分類及び管理、第3に人的セキュリティー、第4に物理的及び環境的セキュリティー、第5に通信及び運用管理、第6にアクセス制御、第7にシステム開発及びメンテナンスなどでございます。具体的にセキュリティー対策を規定しており、外部、内部における監査体制や職員セキュリティー研修の実施などを義務づけ、安心した信頼置ける行政システムの構築に努めているわけでございます。
 次に、2点目のセキュリティー対策についてでございます。住基ネットが市民から信頼され、安心をしていただくシステムであるには、セキュリティー対策への対応が重要な課題であります。特に個人情報につきましては、漏洩や改ざんなどの問題が生じないよう、その対策に万全を期す必要があることは言うまでもありません。そこで、お尋ねのウイルスでございます。住基ネットに関しましては、ウイルスに感染しても、インターネットの通信手順を使用しておりませんので、住基ネットへの影響が起きる心配はございません。そこで、今回8月のウイルスに感染したかどうかということでございますが、庁内LANの方の端末に感染をしておりますが、住基ネットのシステムには一切感染しておりません。
 また、他市のセキュリティーが脆弱な場合の問題でございます。この場合につきましても、ネットワーク上に感染するということがございませんので、今後、住基ネットの他市の脆弱による市川市への影響はないものと考えております。24時間監視をし、だれが、だれの情報を見たかといったようなログ情報についても常にとられるような仕組みになっております。
 3点目、第2次稼働についてのご質問にお答えいたします。8月25日からスタートした住基ネットの第2次稼働では、全国どこでも本人や世帯人の本籍表示を除いた住民票の写しを請求できるようになり、また、転入、転出の手続の簡素化が図られるようになりました。さらに、住基カードが希望者に交付され、身分証明書としても利用できるようになったところであります。この8月25日ら9月17日までの17日間の本市の利用状況について申し上げますと、住基カードの発行数は484件で、1日当たり平均28件、住民票の広域交付につきましては、市川市民が他市町村で住民票を請求された方々は40件、また、他の市町村に居住する方々が市川市内で住民票の写しを請求された方々は36件となっております。また、転出時の手続を省略できる転入、転出の特例処理の手続をされた方は、今のところゼロ件であります。この住基カードの交付につきましては、当初は1カ月に約1,000件程度を見込んでおりましたか、これまでのペースでいきますと1カ月750件程度となり、予測をやや下回る数値で推移すると思われます。
 そこで、行政コストに関するご質問でございます。行政手続オンライン化3法や住基ネットに関連する電子書面に係る地方公共団体の認証業務に関する法律、いわゆる公的個人認証法でございますが、こういった法的な整備も相次いで進められ、今後、約5万2,000の行政手続のオンライン利用が可能となり、その準備が進められているところであります。例えば所得税の確定申告が年間約700万件、パスポートの交付申請が年間約500万件、住民票の写しの交付請求が年間約8,500万件、そのほかにも年金受給者の現況届出や不動産登記、自動車登録など、今後、住基ネットが活用され、これらの行政手続のオンライン化が実施されることによりまして、行政コストの削減も大きく期待できるのではないかと考えております。いよいよ本格的デジタルネットワーク社会が訪れる中で、信頼された行政の基幹システムとして住基ネットはあるべきだと考えております。
 また、住基カードの発行機をなぜリースにしているかというご質問でございます。発行機はレンタルをしております。その理由といたしましては、技術革新の激しい時代の中で、常に最新の性能のいい機器を利用できる状況を確保するため、レンタル方式を採用してございます。
 次、4点目、個人情報保護についてお答えいたします。ご質問の住基プライバシー条例の制定につきましては、ご質問者がおっしゃいましたとおり、杉並区などで取り組んでおります。本市の場合は、これらの処置につきまして、個人情報の保護に関する法律や行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律及び先ほどご説明させていただきましたように、本市が独自に定めております条例や規程によりまして適切に住基ネットを管理、運用できるものと考えております。住基プライバシー条例の制定については、今のところ必要はないものと考えております。しかし、個人情報保護条例につきましては、昭和61年に制定し、現在は個人情報の保護に関する法律が制定されるなど個人情報保護に関する環境も大きく変化してきておりますので、今後、条例の見直しが必要でないか、所管とも協議をしているところでございます。
 最後に、5点目の今後の課題についてお答えいたします。住基ネットの今後の課題で検討すべきことは、第1に、すべての行政機関が適切な運用管理のもとに住基ネットを有効活用し、信頼ある行政システムを早く構築すること、第2に、市民が住基ネットの本人情報の登録内容や利用状況について、情報公開制度により開示請求をいつでも簡単に利用できるようにすること、第3に、セキュリティー対策や個人情報保護に関して環境の変化に的確に対応し、今後も引き続いて適正な管理を行政機関が維持し続けること、第4に、今後新しいサービスとして住基ネットと連係される公的個人認証サービスを行政機関が行政手続等に有効に活用すること、第5に、住基カードの適正で効果的な活用と普及、管理を図ることなどではないかと考えております。そこで、住基カードの利用でございますが、現在のところ、住基カードとしてどのような利用が有効であるか、研究をしているところでございます。また、市民意向調査等につきましては、住基カード、あるいは公的個人認証等のサービスをどのように有効に活用、あるいは適切に運用できるかといったようなことを調査してまいりたいというふうに思っております。
 以上でございます。
○岩井清郎議長 都市計画部長。
〔山越 均都市計画部長登壇〕
○山越 均都市計画部長 防災対策についての耐震診断についてご説明させていただきます。
 現在、本市内には耐震診断及び耐震改修が必要と言われております昭和56年以前に建築されました、いわゆる新耐震設計法施行以前の耐震性能が低い建築物は約5万7,000棟、このうち戸建て住宅は約4万1,000棟、共同住宅は約7,500棟でございます。そこで、市といたしましては、いろいろな啓発活動や職員による耐震診断を行ってまいりましたが、現在までのところ、簡易耐震診断につきましては265件と非常に少なく、なかなか進まない状況にあります。この民間住宅の耐震化が進まない理由といたしましては、耐震診断、耐震改修の必要性についての認識が薄いこと、また、費用が膨大になること、加えまして昭和56年以前の建築物につきましては、もう建築後二十数年を経過しているということで、建てかえ意向が強いというようなこと、これらの理由によりまして進んでございません。
 それでは、耐震診断及び耐震改修の助成状況についてご説明いたしたいと思います。まず本市の状況でございますが、本市では、木造住宅に限りまして、市民の相談などに応じられるよう、市職員による簡易耐震診断を無料で実施する制度は用意しておりますが、耐震診断の助成制度は行っておりません。また、耐震改修の助成制度につきましても、耐震診断と同じように行っていませんが、住宅のリフォーム工事にあわせて耐震補強工事を行う場合には、金融機関から受けた融資額に対しまして、5年間にわたって年1%の利子補給を行う制度はまちづくり部で制度化しております。
 次に、各市の耐震診断の助成状況でございますが、ご質問者がご指摘ございました千葉市でございますが、千葉市は今年度から耐震診断の助成制度を創設し、この10月1日からスタートする予定でございまして、その内容は、木造住宅については、2階建て以下の戸建て住宅を対象として耐震診断に要する費用の3分の2以内、かつ4万円以下の費用を助成、また鉄筋鉄骨コンクリート造や鉄筋コンクリート造などの非木造住宅、いわゆるマンションにつきましては、耐震診断に要した費用の3分の2以内、かつ1住戸当たり3万4,000円以下の費用を助成することとなっております。また、助成枠といたしましては、木造住宅は30戸、分譲住宅は1棟を予定していると聞いてございます。また、千葉市の耐震改修の助成制度につきましては、本市と同じように実施してございますが、今までの実績状況はないということでございます。また、参考程度に、融資制度を設けております船橋市では、耐震改修を行った融資制度の実績は、8年間で25件でございます。同じく浦安市では、診断については6年間で5件、佐倉市では実績がございません。また、県外の先進都市における耐震診断の助成制度の状況でございますが、静岡市におきましては、平成9年度から助成制度は行われておりまして、市が診断士として登録する民間建築士を派遣し、無料で簡易診断を行い、耐震性能が低い建築物で精密耐震診断を必要とする希望者に、その費用の一部が助成されておりますが、耐震診断につきましては、6年間で108件で、年間で34件程度でございまして、その中で耐震改修まで済んだものは、今までで55件です。それから、ご質問者のご指摘いただきました横浜市ですけれども、横浜市につきましては、耐震診断は8年間で1万1,000件、耐震改修は4年間で250件で、年間で78件程度でございます。参考に川崎市につきましては、診断は6年間で165件、耐震改修は4年間で実績がないというように、どの自治体でも、制度は用意をしておりましても、現実には利用が進んでいないのが現状でございます。また、いずれの市にいたしましても、利用者は年々減少する傾向でございまして、耐震診断、耐震改修が進まない状況にございます。しかしながら、私どもといたしましては、今後早い段階で発生が危惧されております大地震に備えるべく、耐震性能の低い既存建築物につきましては耐震診断や耐震改修を促進させ、耐震性能の向上を図っていくことが必要であると認識しております。そこで、今後の対応につきましては、先進市の活用状況を見きわめながら、より効果的な耐震診断の助成制度等についても検討してまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○岩井清郎議長 市民生活部長。
〔鈴木 修市民生活部長登壇〕
○鈴木 修市民生活部長 防災対策についての指揮命令系統、非常時の対応、地中化、市民への情報提供についてお答えいたします。
 初めに、指揮命令系統でございますが、まず、夜間、休日等に災害が起きた場合、本部員となる市の幹部職員が市外に多く居住しておるが、対応はとれるのかというご質問でございますが、本市の防災対策は、災害対策基本法及び震災予防条例に基づきまして、市川市の地域並びに市民の生命、身体、財産を守ることを目的として、防災対策の基本となる市川市地域防災計画を策定して、これにより対応を図っております。市川市において甚大な被害を及ぼすおそれのある災害が発生した場合は、市長を本部長とする災害対策本部を設置し、迅速かつ的確な災害対応の指揮をとるとともに、本部内に応急対策活動の意思決定機関である本部会議と、調整機関である災害対応事務局を設置しまして、この本部会議で決定された各種応急対策活動を実施する機関として、消防本部、医療本部、被災生活支援本部、被災市街地対策本部、行徳本部の対応本部を設置し、それぞれの権限を与えて本部会議の意思決定のもとに、各本部における災害対応課題に対応することとなっております。しかし、地震災害では、市内、市外を問わず広域的に被害が予想されることから、定められた者が、みずから被災等によって参集できない場合が予想されます。そこで、本計画では、先ほど申し上げました各対応本部では、第30位までの序列を定めて対応を図っているところでございます。さらに、各現地対応拠点につきましても、それぞれ責任者を定めております。また、万が一序列で定めた幹部職員が参集できない場合においても、参集した職員の中から災害対応事務局より職員を指名し、対応してまいります。いずれにいたしましても、災害時においては、幹部職員に限らず、活動部隊となる市職員もみずから被災等により参集できない場合も予想されます。災害初動時の限られた人数を有効に活用するための1つの手段として、現在、防災計画支援システムを構築しておりますが、現在では大規模地震がいつ起きてもおかしくない状況にあることから、幅広く各分野からの意見を取り入れながら、いち早い対応を図ってまいりたいと考えております。
 次に、行徳地区の孤立化のお話と、それから行徳地区の参集第3順位までのお話がございましたが、前順位の質問者にもお答えしましたが、確かに行徳地区は孤立化が予想される地域であります。そういう中で、行徳本部は第1順位者が行徳支所長、第2順位者が行徳支所次長、第3順位者が総務課長となっており、市内に住んでおっても川から北部側に住んでいるとか、そういうことがありますが、そういう場合は、現在の南行徳市民センターの所長が行徳の方の在住でございますので、そういう職員が出動してきた場合には指揮をとるというようになります。
 また、プレジャーボートの関係でございますが、プレジャーボートにつきましては、どのくらい有効と現段階で明らかになっているかということでございますが、先ほど申し上げましたように、行徳地区につきましては、災害時の孤立化を想定し、陸海空とあらゆる手段を使っての支援活動を行い対応していくため、各機関と各種の協定締結を進めております。主な協定といたしましては、浦安市と陸続きとなっていることから、東葛飾管内の相互応援協定、東京湾を使った応援協定として、ひたちなか市、富士市、茅ヶ崎市との4市協定、旧江戸川、江戸川を活用した支援協定として、行徳、南行徳漁業組合との協定、また、東京パワーボートセンター、MGマリン株式会社との協定の締結、国による緊急船着場等の整備を行っておるところでございます。その中でプレジャーボートでございますが、さきの7月に行いました総合防災訓練でも訓練を実施いたしましたが、おおむね10人ぐらいが乗船できる。漁業組合の方は15人乗りくらいで作業船にも使えるということで、両方とも江戸川を活用して海路との連係が可能でございます。
 次に、第4点目の電柱の地中化でございますが、市内で既に無電柱化されている延長は約4,400mでございます。無電柱化の対象道路としては、地上器――変圧器でございますが、これを設置した残りの歩行者空間として2m以上を確保するために、原則として3m以上の歩道幅を持つ道路を対象としております。
 次に、無電柱化にどのように取り組んできたのかということをご説明させていただきますが、これまで市内で行われた無電柱化事業は、駅周辺市道などのように、歩道整備工事に先立ち電線管理者等に働きかけた結果、実現した単独地中化方式によるものと、国道14号などのように景観整備や快適性、安全性向上等を目的に道路管理者が行った電線共同溝方式が大半でございます。近年は景気後退の影響等から単独地中化方式は進まなくなりましたが、市では国等の積極的な支援を受けて電線共同溝方式による事業を進める方針でございます。具体的には、千葉県、市、電線管理者で構成する千葉県電線類地中化協議会を設置し、景観向上や安全性、快適性の向上を願う市民、商店会などの要望と、情報化社会に対応するため事業化の可能性等を調整しており、これまでに行徳駅周辺と南行徳駅周辺の整備を行うことが了解されておりますが、技術的な問題に加え、地元の協力等、実施条件が整った箇所から具体化することになっております。そこで、今後どのように取り組むのかというご質問でしたが、今年度は行徳駅周辺の無電柱化、延長約340mを予定しております。これに伴う予算は、15年度の当初予算に予算をお願いしたところでございます。今後の取り組みといたしましては、商業集積地区や歴史的景観等に配慮すべき地区を候補地として調査検討を進め、実施条件が整った箇所から具体化していきたいというふうに考えております。
 次に、主として市民等への啓発、啓蒙活動についてのご質問でございますが、防災対策は、阪神・淡路大震災の例でも明らかとなりましたが、大震災時、特に初期対応期においては行政のできることは限られておりまして、何よりも市民の方みずからが自分たちの地域は自分たちで守る、自分の命は自分で守るという自主防災意識が大切になってまいります。そこで、市では自主防災意識を高めていただくために、避難所や医療救護所などの防災関連施設を掲載した防災マップの全戸配布や市民便利帳への防災ハンドブックのとじ込み、また自主防災組織の結成、推進、防災訓練、講演会等の実施、さらには災害ボランティア育成、講座の開催など、あらゆる事業を行っておりますが、今後ともさらなる充実を図ってまいりたいと考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
 以上でございます。
○岩井清郎議長 総務部長。
〔伊与久美子総務部長登壇〕
○伊与久美子総務部長 議会と行政の関係についてということで、私の方からお答えさせていただきます。
 申し上げるまでもございませんが、国の議院内閣制につきましては、執行機関である内閣の存立が議会の信任を基礎とし、議会が最高の意思決定機関であるのに対しまして、地方行政は議会と首長は、それぞれ住民から選挙で選ばれるため、相互に独立し、対等の立場にございます。よく言われますことに、車の両輪であるということで、決して上下の関係とか主と従の関係ではないということは、改めて理解をしておかなければならないと思います。憲法第94条では、「地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる」としております。これを受けまして、地方自治法では議員の議案提出権として、「普通地方公共団体の議会の議員は、議会の議決すべき事件につき、議会に議案を提出することができる」と定め、条例案の提出権を長だけでなく議員にも認めております。この条文ばかりでなく、憲法と、それに基づく地方自治法のもとでは、議会は自治体の最高の意思決定機関として議会の権限を非常に拡大しております。自治法の96条には、議会の議決権として広範な事項を列挙しております。例えば、条例を設け又は改廃すること、予算を定めること、決算を認定すること、条例で定める契約を締結すること等々、15項目が列挙されております。一方で、自治法に従いまして長の権限を見ますと、議案を提出すること、予算を調製し執行すること、決算を議会の認定に付すこと、会計を監査すること、財産を取得し、管理、処分すること等々定められております。このように、議会には条例の制定、改正などの立法機能と、予算の議決など財政機能、そして行政に対する検査、監視という機能があるわけであります。このうち、立法機能が議決機関として第1に挙げられるべきものではないかと思います。
 そこで、議会の立法権についてでありますが、確かに地方議会におきましては、総じて議員の立法権限がうまく機能していないことが一般的な指摘とされています。ちなみに、議員立法の全国的な平均値は約1%と言われております。このことは、それぞれ地方議会のこれまでの歴史とか慣例、議員、議会の意識とも関連する問題とも言われておりますが、今、地方分権、地域主権と言われている中で、極めて重要な課題となっていることは否めません。最近は議員発議による議案の提案や、また行政側から提案のあった議案に修正案を出すといった議決機関本来の機能が大変強まってきているとも言われております。地方分権の時代にあって、国からの画一的な法律や、それに基づいた準則、モデル条例では、地域の特色ある施策がもう展開できなくなってきているというのは確かな現状であり、議案の提出要件につきましても、議員定数の8分の1以上の賛成が議員定数の12分の1に緩和されたということからも、今後、住民の声を直接反映した議会からの条例の提案という形がますますふえてくるのではないかと思われます。
 市川市の議会は、そのような時代を先取りするかのように、条例提案権を行使した例も非常に目立ってきております。男女平等基本条例などは記憶に新しいところでありますし、また、議員定数を定める条例も幾つかの条例案が議員の皆様から提案され、非常に活発な議論の末に決まったという、これも誇るべきことではないかと思います。また、一般質問される議員の数も他市に比べて非常に多く、その点でも、市川市の議会が非常に活性化し、議決機関として、また行政のチェック機関として、十二分にその役割を果たしていただいているというふうに認識しております。このように条例等の提案が少ないものの、意見書や特別委員会の設置など、議員みずからが発議した例が多くあることが、結果からもよくわかります。また、市川市は委員会に傍聴を認めたり、議会をインターネットで中継したりと、公開することを通じて市民の関心を高め、議事を活発化していることも見逃せません。
 よく、長と議会とは、その関係は国レベルとはまた異なったチェック・アンド・バランスが働くように工夫されていると言われております。例えば、長には議会の議決や選挙の結果について再議に付す権限が与えられております。長が異議申し立てをする権限を持っております。一方、議会は長に対する不信任決議案を提出する権限を持っており、長も議会を解散する権限が与えられているわけであります。このような制度的な枠組みの中で、その制度がいかに活用されているのか、市川市では、市長と議会の間でのチェック・アンド・バランスはどうなっているのか、今まさに改めて関係する者たちが意識することは大変意義のあることではないかと思われます。
 そこで、市長と議会とのバランスはどうなっているのかということで、ご質問者のご懸念されているところもこの点ではないかと思いますが、まず、当然のことでありますが、市長は議会を尊重しておりますということを言わせていただきます。議会を軽視しているという言葉が大変よく聞かれます。多少言い訳がましくなりますが、これについてもここでご説明させていただきます。ご質問者の考えは、法律や条例にのっとって議会に付すべき事案は当然として、日常的に行政側が、具体的には市長が、議会が市民の代表であるということをどのくらい意識し尊重しているのかということであろうと思います。議員も市民の代表であると同時に、市長も公選で選ばれた長であり、市長にも市民の信託にこたえ、市政を執行する役割がございます。市長の権限は、冒頭にも申し上げましたように多岐にわたっておりますが、それは法律や条例により定められており、また、予算の審議などでも十分に議会に説明させていただいております。その定められた枠内で、市長は行政の現場を指揮しております。その判断を指して、市長の独断である、あるいは議会を軽視しているというご指摘が聞かれることは、大変厳しいご指摘ではないかと思われます。先ほどご質問者が例に挙げられました条例と規則の関係の件ですが、条例を受けた規則の制定につきましては、市長には条例の委任に基づく規則及び条例を施行するための規則を定める権限があり、あくまで条例の枠組みの中で定めているもので、それを逸脱できないのは申し上げるまでもございません。また、条例のご審議をいただく中で、規則で定める事項につきましても、できる限り十分な説明をさせていただき、ご理解をいただいていると認識しているところでございます。また、重要な政策決定、制度の改正、市政の重要事項についても、その都度、議会各会派の皆様にご説明させていただいております。ケース・バイ・ケースの判断をした上で議会にご説明し、今後もご理解をいただいていきたいと思います。このような行政側からの議会へのアプローチからも、ぜひご理解をいただきたいと思います。
 以上でございます。
○岩井清郎議長 高橋議員。
○高橋亮平議員 詳しい答弁をありがとうございます。時間が短くなりましたので、手短に何点かお伺いしたいと思います。
 まず、住基ネットについて、緊急時の対応計画に基づいてネットワーク運営を停止するということが総務省の個人情報保護対策であるということを指摘した上で、緊急時とは、市川市ではどのような事態を想定しているのかという質問をしたのですが、答弁漏れだったので、ここについてお答えいただきたいと思います。
 それから、だれが、どの情報をアクセスしたかというログ情報について、常にとれる状態になっているというご答弁でございましたが、これはどれぐらいのタイム落差があるのか、リアルタイムにそれは確保できるのか、また、それはリアルタイムで常に情報をとった上で、不当なケースについては阻止できるのかどうか、この点について、できるかできないで結構ですので、お答えください。
 それから、4点目の個人情報保護に関してですが、現在の条例や規定で既にカバーできているというご説明でしたが、私が調べたところ、それでカバーできていないと思っているから質問しているわけで、どのようにカバーされているのか、この点についてご答弁いただければと思います。――答弁は結構です。
 耐震についてですが、耐震診断等の実施をさらに進めていただきたいということなんですけれども、市川市ではコンピューターを使って耐震被害想定という、こういったデータをきっちりつくっています。つまり、1軒1軒がどれぐらい燃えやすいとか、倒壊しやすいということを、市は情報として持っているわけですね。にもかかわらず、そういう情報を持っていながら、この診断を進めていないというのは、壊れるとわかっていて放っておいているということにほかならないのではないかと思います。危ないところを重点的にいくにしても、こういった耐震診断、改修を進めるべきではないかと思います。
 それから、総務部長からお答えいただきましたが、今の答えが市長の答えだというふうに理解します。私の方から聞きたかったのはただ1点で、条例提案の際に、規則に定めている委任事項が非常に多いように感じています。こういった規則への委任をなるべく減らして、条例案として、この議会で議論する場に出していただきたい、このようなことを申し入れとして、ご質問を終わりにしたいと思います。ありがとうございます。
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○岩井清郎議長 この際、暫時休憩いたします。
午前11時54分休憩


午後1時1分開議
○笹浪 保副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第1一般質問を継続いたします。
 鈴木衛議員。
〔鈴木 衛議員登壇〕
○鈴木 衛議員 通告に従いまして、老人保健福祉計画について、本市における高齢化率に伴う痴呆対策の考え方と具体策をお伺いいたします。
 現在、日本の社会は国や地方自治体並びに民間団体を含め、福祉にかかわるサービスの量と質の両面から、さまざまな対策が講じられております。それらの対応策は、現実に進行する高齢化と同時に進行する家族の変化に対応するために、まだ十分な水準とは言えません。家族の中で高齢者が健やかに人生を送り、家族の持つ福祉的機能が愛情のもとで十分発揮できる社会の構築が必要とされております。我が国は、現在既に人生80年の長寿の時代が到来し、世界的にも例を見ないスピードで人口の高齢化が進行しております。2021年には23.6%程度の超高齢社会に達すると見込まれております。そのような中で、一方では世帯規模の縮小、女性の雇用の拡大、扶養意識の変化等により、家庭における老人介護能力が低下しており、今後の世代の交代等を考慮に入れると、高齢化にかかわる介護ニーズが増大し、それに対応するサービス供給の仕組みやマンパワー対策などを計画的に進めなければならないと言われております。また、高齢者福祉施策のあり方は、中央の福祉関係三審議会合同企画分科会による「今後の社会福祉の在り方について」において方向づけられました。すなわち、国民の福祉需要は多様化、高度化しつつ増大し、超高齢社会を目前に控えた現在、このような変化に対応しつつ、社会福祉の新たな展開を図ることは、社会福祉を取り巻く環境の変化の中で重要、かつ喫緊な政治的課題とされております。
 そのような中、福祉需要に的確にこたえ、人生80年時代にふさわしい長寿福祉社会を実現するために、福祉サービスの一層の質的、量的拡大を図るとともに、ノーマライゼーションの理念の浸透、福祉サービスの一般化、普遍化、施設の総合化、体系化の促進やサービス利用者の選択の幅の拡大等の観点に留意しつつ、基本的考え方に沿って新たな社会福祉の展開を図ることが重要であるとされ、社会福祉の今後のあり方として6項目が提言されました。1、市町村の役割重視、2、在宅福祉の充実、3、民間福祉サービスの健全育成、4、福祉と保健医療の連帯強化、総合化、5、福祉の担い手の養成と確保、6、サービスの総合化、効率化を推進するための福祉情報提供体制の整備、以上の6項目であります。第1の市町村の役割重視については、社会福祉の運営、実施については専門性、広域性、効率性等の観点について十分配慮しつつ、住民に最も密着した基本的地方団体である市町村をその主体とすることが適当であり、このためには、国、都道府県、市町村の役割分担を明確にし、連携を密にするとともに、計画的な行政を一層進めることが必要であるとされております。最初の政府とも言うべき市町村が高齢者の福祉並びに保健の分野で果たす役割は極めて重要なものとなっております。第2の在宅福祉の充実についての意見具申は、施設福祉の拡充整備に図りつつ、高齢者や障害者等に住みなれた地域で暮らしていけるような在宅福祉を一層進め、地域福祉の向上に努めなければならないとしており、このため、ホームヘルパーの派遣、デイサービス、ショートステイを初めとする各種の在宅福祉施策の一層の拡充と、その充実を図ることがとりわけ必要であるというふうに言われております。また、これらの在宅福祉サービスについては、社会福祉事業の趣旨に照らしてその位置づけを考えると、在宅福祉サービスについては、現在さまざまな供給形態のもとで積極的な福祉サービスの展開が試みられております。また、民間の創意工夫を生かした福祉サービスの展開を期待すべき分野については、シルバーサービスへの対応と同様の方針で望む必要があり、これに対して公的部門が確保すべき部分として、市町村の責任において供給される在宅福祉サービスについては、その供給体制の拡充を積極的に推進していくこととし、さらには急速な高齢化の進展に適切に対処するとともに、高齢者や障害者等がごく当たり前に健康で安心して生活できる地域社会の中で、在宅福祉サービスと各種施設により提供される福祉サービスとが有機的連携をとりながら、町全体を計画的に整備していくことが必要であると指摘がされております。このように、究極的には地域社会においてサービス供給の仕組みを確立するためには、指摘された共通的基本事項を踏まえながら、市町村において保健サービス並びに福祉サービスを計画的に展開していくことが不可避の課題となっております。第4の福祉と保健、医療の連携強化、総合化については、市町村老人保健事業と在宅福祉サービスや施設処置と別個に、あるいは切り放されて展開されるのではなく、関係機関が連携してサービスを総合的に推進することが基本であり、既に実施されている高齢者サービス調整チームの積極的活用等により、福祉サービスと保健医療サービスとの連携強化を一層進めるとともに、福祉サービスと保健医療サービスの実施体制が一体化するよう十分配慮しながら取り組む必要があるというふうにされております。第5、第6については福祉サービス等の供給体制に対したマンパワー対策の確立であります。意見具申の中では、社会福祉従事職員の資質を高めることは充実した福祉サービスの提供に不可欠であり、引き続き職員に対する現任訓練、研修等の実施は重要とされております。なお、我が国の福祉サービス水準の質的向上を実現するため、21世紀の長寿福祉社会を展望して制度化された社会福祉士及び介護福祉士という国家資格を、公民両分野において有効かつ積極的に活用することも1つの大きな課題であると提言をされました。市町村レベルにおけるホームヘルパー等のマンパワーの確保と並行しながら、広域的に都道府県レベルでの要員の養成と研修システムの確立が課題となっております。また、地域における総合的ケアシステムを確立していく場合の具体的な条件は、社会福祉施設等の各種社会資源の整備を含むサービス供給体制の確立とマンパワー確保対策等にほかならないと位置づけられております。市町村における在宅サービスと施設サービスとがバランスよく提供され、市町村間のサービス供給体制の均等な発展が可能となるように計画的対応が必要で、このため、都道府県レベルでの圏域を設定し、市町村間のニーズと資源、サービス供給の不均衡を調整するための広域的に調整された計画づくりが現在求められております。
 このように老人保健福祉計画の策定については、平成2年6月に在宅福祉サービスの積極的推進、在宅福祉サービス及び施設福祉サービスの市町村への一元化、市町村及び都道府県老人福祉計画の策定等を重要な内容とする老人福祉法の改正が行われました。高齢化社会への総合的対応に向けて本格的に始動いたしましたが、このような経緯の中で、平成11年2月17日、千葉県では社会的弱者の財産保護策が検討され、痴呆性老人や知的障害者への虐待や財産を搾取されることの防止策が検討されました。千葉県痴呆性老人等権利擁護システム検討委員会は報告書を知事に提出し、痴呆性の高齢者や知的障害者らの権利擁護機関として県権利擁護センターと市町村レベルの市町村権利擁護センターの設置の提言がされたことは皆さんご存じのとおりだというふうに思います。また、老人性痴呆疾患の有病率は高齢になるほど高くなっており、今後、高齢者の増加が予測されることから、痴呆性高齢者も増加することが予測されております。平成17年の痴呆性高齢者の数は約190万人程度と見込まれており、平成20年には200万人を超え、平成30年には約300万人に達するだろうと予測されております。また、昭和38年の老人福祉法の施行以来、同法に基づいて高齢者の心身の健康の保持及び生活の安定のためにさまざまな福祉事業が実施されてまいりました。昭和59年に痴呆性高齢者の増加に伴い、特別養護老人ホーム等の施設に入所する痴呆性高齢者の数も増加してきたことから、施設内の痴呆性高齢者に対する処遇技術の向上を図るために、施設の介護職員や生活指導員を対象にして実施される痴呆性老人処遇技術研修が創設されました。昭和61年には厚生省に痴呆性老人対策推進本部が設置され、痴呆性高齢者を含む援護を要する高齢者のためのサービスを充実することを目的に高齢者保健福祉推進10カ年戦略、いわゆるゴールドプランが打ち出されました。平成6年には高齢者保護福祉推進10カ年戦略が見直され、新ゴールドプランが策定されました。この新ゴールドプランにおいて痴呆性高齢者対策の総合的実施が提唱され、痴呆性高齢者に対する支援対策が重要な柱の1つとして位置づけられたことにより、現在、痴呆性高齢者に対する介護サービスの充実及び質的向上を図るため、国及び地方自治体においてさまざまな施策が積極的に取り組まれてまいりました。
 痴呆性高齢者については、現在のところ、根本的な治療方法は確立されておらず、薬物療法やリハビリテーションなどの一定の効果は認められているものの、治療効果には限界があるのが現状で、こうした医学的視点からの痴呆治療と並んで重要なのが痴呆性高齢者に対する介護、いわゆる痴呆介護であります。これは記憶力の低下や行動異常などといった痴呆症状が生じた高齢者や家族を心身両面にわたって支え、痴呆症状を持ちながらも日常生活上の不適応を緩和して、高齢者本人と家族が尊厳のある生活が送れるように支援するといった考え方に基づいているものであります。痴呆介護は、これまで全世界でもさまざまな手法、考え方が実践されており、例えば高齢者の認知記憶機能を刺激することを意図する回想法や音楽療法、書画、演劇などのアクティブケア、生活環境への適応に着目した小規模のグループホームによる介護など、医学、心理、介護、福祉、建築などさまざまな分野の考え方を取り入れた種々の手法が試みられておりますが、その多くはいまだ研究段階で、その体系化や理論化なども完成されておりません。こうした痴呆介護研究のおくれが現場の介護担当者の介護レベルにも大きな影響を与えておりますし、また痴呆介護に関する研究システムが未整備なことから、痴呆介護の専門的知識を有する人材は限られているというのが現状であるというふうに指摘をされております。
 このようなことから、本市においても安心して暮らせる長寿社会を目指して、平成15年度から19年度の5カ年の中で市川市老人保健福祉計画及び介護保険事業計画が策定され、その計画がなされました。計画改定の背景については、次のように示されております。「急速に進む高齢社会に対処するため、本市では平成12年4月に市川市介護保険事業計画の策定、及び市川市老人保健福祉計画の改定を行いました。老人保健福祉計画は、全ての高齢者を視野に入れた高齢者施策全般にわたる計画であり、その内容においては介護保険事業計画を包含するもの」である。「前計画は、平成12年度から平成16年度までの5年間を計画期間とし、高齢者が安心して生活できるよう各種施策を総合的に推進してきました。一方、介護保険制度が導入されて3年が経過しようとする中、高齢者を取り巻く社会情勢も変化してきており、ひとり暮らし高齢者や高齢者世帯の増加と相まって様々な課題が顕在化するようになってきました。このような状況下、老人保健福祉計画も中間年を迎え、改定時期が到来しました。改定にあたっては、介護保険事業計画と調和を保ちつつ、介護サービス基盤の整備をはじめ、元気高齢者施策や介護予防事業、さらには痴呆性高齢者支援対策や地域ケア体制の整備など、時代変化に即応した新たな施策体系を構築し、計画的な推進を図っていくものです」このように示されております。また、この計画の中で、市長は次のように述べられております。「本市におきましては、国と比較して高齢化の進行はやや緩やかではありますが、平成19年には高齢化率が14.9%と予測されており、高齢社会の到来がいよいよ現実味を帯びてまいりました。このような状況のもと、老後の最大の不安要因である介護問題を社会全体で支えていくための仕組みとして介護保険制度が創設されました。本市でも、介護保険給付の円滑な実施を図るために『市川市介護保険事業計画』を策定するとともに、『市川市老人保健福祉計画』に基づいた各種高齢者施策を計画的に推進してまいりました。しかし、昨今の社会経済情勢も依然として好転の兆しは見えず、高齢者を取り巻く環境はますます厳しくなってきており、地域社会の変容などと相まって生活面や健康などに対する将来への不安が一層増大するようになってまいりました。そこで、この度、新たな視点に立ってこれからの高齢社会に対処するために、『市川市老人保健福祉計画』及び『市川市介護保険事業計画』を改定いたしました。改定にあたりましては、市民代表や学識経験者など各分野の方々で構成する『市川市高齢化社会対策審議会』及び『市川市介護保険運営協議会』において、慎重に審議を重ね」、本計画の理念である「“健康と長寿を喜び、健やかで安心した生涯を過ごすことができる社会”の実現を目指し、高齢者が生涯にわたり健康で生きがいのある自立した生活が送れるよう、また、介護を必要とする状態になっても適切なサービスが利用できるよう、介護保険サービスや保健福祉サービスの充実はもとより、健康づくりや生きがいづくり、また地域における市民の福祉課題への取り組みへの支援などに重点をおき、各種高齢者施策を計画的に推進してまいりたい」、このように述べられております。
 このように、本市において老人保健福祉計画及び介護保険事業計画が策定され、平成15年度から19年度の5年間において、本市の高齢者福祉施策を講ずるための行政計画が示されました。計画の中で市長が示されました本計画の理念である「健康と長寿を喜び、健やかで安心した生涯を過ごすことができる社会」の実現とはどのようなものなのでしょうか。
 また、高齢者が生涯にわたり健康で生きがいのある自立した生活とは、この計画でどのように目指していられるのでしょうか。
 また、「介護を必要とする状態になっても適切なサービスが利用できるよう、介護保険サービスや保健福祉サービスの充実」と言われていますが、その内容について、また健康づくりや生きがいづくり、また地域における市民福祉課題とはどのようなものなのでしょうか。その課題への取り組みへの支援に重点を置くと言われておりますが、その重点への支援のための施策はどのようなもので、また、どのように実施していくのかをお尋ねいたします。
 また、本市において来るべき高齢者社会に向け、種々福祉対策に取り組んでこられたと思いますが、高齢化の中でも痴呆性高齢者が増加しており、今後の施策のあり方が問われていると聞いております。本市の老人保健福祉計画、介護保険事業計画が策定され、本市の高齢者福祉施策を講ずるための行政計画を示したものが老人保健福祉計画書であると思います。この計画書を見ると、具体性が見えてまいりません。
 そこでお伺いをいたします。以上述べましたことを踏まえて質問させていただきます。老人保健福祉計画について、基本理念が目指す社会とはどのようなものなのでしょうか。中でも重点とする取り組みは何なのでしょうか。痴呆性高齢者に対する具体的な取り組みについてお伺いをいたします。
 次に、在宅の痴呆性高齢者の生活実態の状況について、また、在宅介護者が抱える問題点、行政に対する要望、それらに対する具体的な対応策についてお示しください。本市のとるべき痴呆性高齢者対策は具体性に欠けていないか、今までの痴呆性高齢者に対する対応策を具体的にお伺いをいたします。
 痴呆性高齢者対策として介護者の負担軽減を図る意味から、痴呆性高齢者用の入所施設の整備を早急に進めるべきと考えるが、どのように思いますか。この計画期間中において整備に取り組む予定はありませんか。
 以上をお伺いいたします。答弁をいただきまして再質問させていただきます。
○笹浪 保副議長 福祉部長。
〔伊藤常矩福祉部長登壇〕
○伊藤常矩福祉部長 老人保健福祉計画につきまして、本市における高齢化率に伴う痴呆対策の考え方と具体策についてお答えいたします。
 初めに、本市の高齢化の状況でございますが、本年8月現在で65歳以上の方は5万8,367人で、全人口に対する高齢化率は12.6%となっております。国勢調査の資料では、平成2年の高齢化率は7.4%、平成7年が9.1%、平成12年が11.5%となっており、高齢化が早い速度で進んでいることが明らかとなっております。また、今後も高齢化はさらに進み、老人保健福祉計画の最終年度であります平成19年度には14.9%になるものと予測をいたしております。こうした急速に進む高齢社会に対応するために、本市では老人保健福祉計画を策定して、高齢者が安心して生活できるように各種施策を総合的に推進してきたところでございます。現在の老人保健福祉計画は本年4月に改定されておりますが、「健康と長寿を喜び、健やかで安心した生涯を過ごすことができる社会」を基本理念といたしまして、高齢者が可能な限り住みなれた家族や地域の中で暮らし続け、そして健康で生きがいを持って、かつ高齢者みずからの力を発揮できるような社会の実現を目指すものでございます。高齢者お1人お1人が健康で生きがいを持ち、そしてご自身が望まれた生活が送れるよう、自立した生活を目指すものでございます。それらの実現に向けて5つの分野にわたる基本目標を定めております。その1点目に「生涯にわたる健康づくりの推進」として、高齢期になっても健康に生活できるよう、青年期から健康づくりに関する正しい知識の普及、啓発に取り組んでまいります。また、楽しみながら気軽に健康づくりやスポーツなどを通した体力づくりにも取り組んでまいります。2点目に「生きがいづくりの充実」として、生きがいを持って豊かに暮らしていくための各種文化芸術活動、スポーツレクリエーション活動を推進してまいります。3点目に「介護サービスの推進」として、介護を必要とする状態になっても適切なサービスが利用できるよう、各種居宅サービス並びに各種施設サービスの充実を図ってまいります。4点目に「居住環境の整備」として、加齢に伴う運動機能や感覚機能が低下していく中で、住みなれた家庭や地域でできるだけ自立して安全で快適な暮らしが継続できるよう、居住環境及びまちづくりを推進してまいります。5点目に「地域ケアシステムの推進」として、地域住民が地域内の福祉について主体的な関心を持ち、お互いに支え合い、助け合うための仕組みづくりを推進し、地域福祉の充実を図ってまいります。
 以上が5つの基本目標でございます。
 また、地域における市民の福祉課題への取り組みについてでございますが、地域内の生活課題、福祉課題などに対して住民が関心を持ち、問題解決に向けた主体的な取り組みにつながるよう、また地域の実情を踏まえた特性や住民個々の福祉ニーズなどを把握、分析し、既存のサービスや活動の改善、拡充を図るほか、不足しているサービスや活動、特に身近な見守りや支え合いなどの福祉活動を新たに開発、実施するなど福祉コミュニティーづくりを推進してまいります。
 次に、重点を置く取り組みについてでございますが、本市の老人保健福祉計画が目指す社会の実現に向けての5つの基本目標は、個人の生活においても、地域社会においても互いに深くかかわる取り組みでありますことから、総合的に推進していくことが必要であると考えております。次に、痴呆性高齢者に対する具体的な取り組みでございますが、5つの基本目標のうち「介護サービスの推進」の中で痴呆性高齢者対策の推進として位置づけているところでございます。その内容といたしましては、大きく3つの視点から施策を展開していくこととしております。1点目は痴呆予防対策の推進でございます。具体的には、痴呆予防教室の実施やグループホームの整備などでございます。2点目は利用者保護の仕組みづくりでございます。具体的には、地域福祉権利擁護事業や成年後見制度利用支援などでございます。3点目は介護家族支援対策でございます。具体的な施策といたしましては、老人保健事業、徘徊高齢者SOSネットワーク、徘徊高齢者探索サービス、痴呆性高齢者家族安らぎ支援などでございます。
 次に、在宅の痴呆性高齢者の生活実態についての現況でございますが、介護保険制度導入とともに高齢者の介護サービスが在宅重視で展開され、行政が行う公的サービスからボランティアが行うインフォーマルなサービスまで充実してまいりましたが、まだまだ痴呆性高齢者を抱える家庭の介護の生活実態は大変苦労が多いと言われております。また、近隣住民の痴呆に対する理解が十分でない現状もございます。また、痴呆による症状といたしましては、今食べた食事を忘れてしまうなどの物忘れや、大切な物をとられたと騒ぐとられ妄想、一緒に暮らしている人の名前を忘れる人物誤認、そして家に帰れずうろうろと歩き回る徘徊、失禁や不潔行為などの問題行動などがございますが、あらわれる症状の様子から、その程度まで、各人さまざまでございます。
 次に、介護者が抱える問題点といたしましては、さまざまな症状が病気により起こるものでありますが、介護をする家族などには病気だという意識が少なく、隣近所などにこの事実を隠してしまう傾向があるようでございます。その結果、介護者が1人で問題を抱えてしまうケースが多く見られ、介護の悩みや苦しみ、将来への不安を感じながら介護に当たっていることで、介護疲れから来る健康問題が発生してまいります。実例といたしましては、人格変化により家族に暴力を振るったり、トイレの場所がわからなくなり、家のあらゆるところで排せつしたり、徘徊が激しく、すぐ外に出ていってしまうケースなど、介護者が痴呆性高齢者に振り回され、精神的、肉体的に疲れ果ててしまうことも多く見られるところでございます。
 そこで、介護者からの行政に対する要望と、それらに対する具体的な対応策でございますが、介護保険において痴呆に対する認定度が低いという声が全国的に多かったことから、本年4月より介護認定においての調査方法について、1次判定に痴呆性老人自立度や主治医の意見書に痴呆に関する理解や記憶能力などの4項目が加わったことから、痴呆の状態がより正しく調査結果並びに認定に反映されるように改善が図られたところでございます。また、痴呆性高齢者などを介護する方が孤立することのないよう、そして在宅での介護が円滑に行われることを目的に、市川市では在宅介護支援センターを整備いたしております。
 次に、本市における痴呆性高齢者に対する具体的な対策についてでございますが、まず、介護保険制度で利用できるサービスでございますが、介護者の精神的、肉体的負担を軽減するものとして、ホームヘルパーが家庭訪問により介護や家事の援助を行うホームヘルプサービス、送迎車両で施設に出かけ、食事や入浴、日常動作の訓練などを行うデイサービス、介護者が病気や所用のため数日間介護ができなくなったときに特別養護老人ホームなどを短期間利用できるショートステイなどがございます。
 本市では以上のような痴呆性高齢者対応のサービスの提供を行っておりますが、痴呆予防の観点からは、高齢者の健康づくりの普及や健康診査や健康相談を充実させることが、脳血管障害から来る病気の予防につながることができるため、保健、医療、福祉、介護の部門で事業の展開をいたしておるところでございます。
 次に、介護者の負担軽減と施設整備でございますが、痴呆性高齢者に対する介護のあり方につきましては、国レベルでの取り組みがおくれており、どのような介護が最も適切であるかは、いまだに確立されていない状況で、今後の大きな課題となっているのが現状でございます。痴呆性高齢者は記憶障害が進行していく一方で、感情や自己の尊厳は残存しているために、周囲に対して強い不安を抱くと同時に、周りの人の対応によっては焦りや喪失感、怒りなどを覚え、そうしたことから徘徊、せん妄、攻撃的な行動などの行動障害を引き起こしていると言われております。その結果、自分の人格を周囲から認めてもらえないという最もつらい思いをさせられることとなります。こうしたことにならないためには、周囲の人が痴呆性高齢者の人格を尊重し、その人らしさを支えることが必要となります。
 こうしたことから、痴呆性高齢者の入所施設については、今までの生活から切り離された場所ではなく、住みなれた地域での範囲内で家庭的な雰囲気に近い少人数の施設が望ましいと考えられ、最近では特別養護老人ホームについては個室ユニットケアによる少人数での生活を目指す方向性が示されております。また、痴呆性高齢者が9人以内で共同生活を送るグループホームが注目を集めてきております。さらに、本年6月に厚生労働省の高齢者介護研究会が取りまとめた報告書では、高齢者の生活圏内に通所介護、短期入所、訪問介護、グループホームなどのサービスを一体的に提供できる小規模多機能サービスの拠点の整備を提言いたしております。こうした動きは、高齢者が尊厳を保ちながら生活を継続していくための1つの考え方として普及が図られていくものと思われますことから、今後、その成果など、動向を見守りながら取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○笹浪 保副議長 鈴木衛議員。
○鈴木 衛議員 ご答弁いただきましてありがとうございました。
 平成15年、敬老の日の9月15日現在、65歳以上の高齢者は日本の総人口の19%に当たる2,431万人に上がり、過去最高を更新したということが総務省の推計で明らかになりました。男性が1,026万人、女性が1,405万人で、男性は初めて1,000万人を突破いたしました。また、高齢者の割合も前年比0.5ポイント増で最高となりました。高齢者人口は、戦後初めて正式な国勢調査が行われた1950年以来、毎年増加していて、諸外国の高齢者人口の割合と比べても、イタリアの18.2%、ドイツの17.1%、フランスの16.1%、アメリカの12.3%より高く、世界の最高水準に達していることが示されております。また、そのような中、我が国のお年寄りの8人に1人、約270万人が介護を受けている状況にあります。高齢者の保健福祉サービスについては、これまで新高齢者保健福祉推進10カ年戦略、新ゴールドプランに基づき、着実にその推進が図られてまいりましたが、平成11年度でその期間が終了されました。平成12年には、我が国の高齢化率が世界最高の水準に達することが予想されるとともに、平成12年度から介護保険法が施行され、また、全国地方公共団体において老人保健福祉計画と介護保険事業計画が一体的に作成されるなど、高齢者保健福祉施策は新たな段階を迎えました。
 現在、我が国は平均寿命の伸長と出生率の低下等により高齢化を迎えておりますが、これにより痴呆性高齢者の増加が見込まれております。地方自治体にとって痴呆性高齢者支援対策は、これから推進していかなきゃならない大きな柱の1つと言われております。中でも痴呆性高齢者支援対策の大きな柱である痴呆性高齢者グループホームは、平成16年度までに3,200カ所の整備をすることが国では示されております。この痴呆性高齢者グループホームは高齢者福祉の先進国であるスウェーデンで1980年代半ばに、痴呆性高齢者に対する新しいケアの形態として始まりました。また、日本のグループホームは1990年代に初めて先駆的な事業者によって、その取り組みが始められたところであります。平成9年度に痴呆性対応型老人共同生活援助事業が創設され、グループホームに対する運営費の国庫補助が始まりました。この補助については平成11年度で終了し、平成12年度からは介護報酬に移行されました。また、平成10年度からは市町村や社会福祉法人が特別養護老人ホーム等に併設するグループホームを設置する際の施設整備に対する国庫補助が始まったところであります。負担割合は、国が2分の1、都道府県、指定都市、中核都市が4分の1、設置者が4分の1の割合となっているようであります。また、平成11年度からは補助対象が医療法人等にも拡大され、さらには単独型グループホームに対しては、平成12年度より特定非営利活動法人、いわゆるNPO法人等が設置する場合については、平成13年度より一定の要件を満たす場合、施設整備費補助が受けられることとなりました。このようにグループホームの適正な普及を図る観点から、単独型グループホーム及びNPO法人等への施設整備費の補助拡大、住宅地への建設促進が図られてまいりましたが、今後はさらに管理者、スタッフに対する研修の義務づけ、サービス評価の義務づけ、情報公開の推進、市町村との連携強化等が実施されてまいります。このたび作成されました市川市介護保険事業計画に示されました痴呆対応型共同生活介護、すなわち痴呆性老人グループホームであると思いますが、各年度における供給量の見込みとして、平成15年度81人、平成16年度83人、平成17年度84人、平成18年度86人、平成19年度87人と設定されておりますが、本年度分の供給量の達成はどのようになるのでしょうか。このことについては、具体的に計画に掲げられておりますし、だからこそ具体性に欠ける点として、私は1例を挙げさせていただいたわけであります。
 また、先ほどのご答弁の中には、本年6月に厚生労働省の高齢者介護研究会が取りまとめた報告書は、高齢者の生活圏内に通所介護、短期入所、訪問介護、グループホームなどのサービスを一体的に提供できる小規模多機能サービスの拠点の整備が提言されており、このような動きは高齢者が尊厳を保ちながら生活を継続していくための考え方として普及が図られていると思う。その成果については、今後しばらく状況を見守りたいと考えているとの答弁であったように思います。具体的に平成15年度の供給量の数値が示されていますが、見守りたいとの答弁と計画との矛盾はありませんか、その整合性はどのようにお考えになりますか。市民から、理解に苦しむとの声が寄せられておりますが、いかがでしょう。
 また、本市の老人保健福祉計画の中で、介護老人福祉施設、いわゆる特別養護老人ホームの目標量が883名、介護老人保健施設、老人保健施設の目標量が822人、介護療養型医療施設の目標量が244人、その他の施設として養護老人ホームの目標量が60人、ケアハウスについては283人と、以上のような施設整備を目標として、今後平成19年度までには取り組むための福祉計画が示されておりますが、それぞれの目標量の算出根拠はどこから出たのでしょうか、お伺いをしたいと思います。
 また、老人保健福祉計画は法定計画であり、整備目標数値が具体的に示されておりますが、平成19年度までに整備が確実に進捗し、それが達成できるのでしょうか、それとも、この計画はあくまでも計画なのでしょうか。高齢者家族の強い要望である老人施設利用をもっとスムーズに進めるべきであり、実践計画としての位置づけがなされるべきと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 市内における高齢者で老人施設入所希望者の待機者はどのぐらいいるのでしょうか。
 高齢化が進む中で、今後さらに入所希望者が増加することが確実視されておりますが、現在の施設整備計画で将来の対応が可能なのでしょうか、お伺いをいたします。
 また、現在、在宅介護を受けている老人でも家族介護ができなくなると在宅介護は限界に達し、結局は老人施設入所を余儀なくされると思います。施設整備率、すなわち老人人口に対しての施設収容力と入所充足率についてでありますが、入所充足率を上げるには、絶対的な施設が不足している現況であるというふうに思います。市川市は千葉県内の市町村の中でも老人施設が不足していると仄聞しておりますけれども、市内の施設整備率は、県内でおよそ何番目ぐらいに位置しているのでしょうか。
 また、本市の老人福祉施設の整備率は、近隣の船橋市、松戸市と比較すると劣っていますか、勝っていますか、お伺いをしたいと思います。
 昨年、グリーンヒルズ市川が閉鎖に至りましたが、この施設は約100人利用の施設でありましたが、この施設がなくなったことの影響は大きいと思います。この施設は現在どのようになっておりますか、お伺いをしたいと思います。これは市民の関心の高いところであります。市川市内にできた施設であり、市は施設整備補助金を出しましたいきさつもありますから、何とかして老人用施設として再開はできないものでしょうか。今後の市川市の対応計画はあるのかどうか、お伺いをいたしたいと思います。
 また、特養施設、老健施設が整備されていることは、痴呆性老人の利用施設としての機会がふえることとなり、市民要望の大きいところであります。高齢化に伴い、今後、痴呆性高齢者は確実に増加するが、現在市内における痴呆性高齢者はどのぐらいいるのか、お伺いしたいと思います。
 また、今後の対策上、実態を把握していると思いますが、痴呆性高齢者の生活形態はどのようになっておりますか、例えば在宅、施設入所、デイサービス利用、病院入院中等、具体的にお示しください。また、そのうち施設入所待機者は、現在何人ぐらいいらっしゃいますか、お尋ねをいたしたいと思います。
 次に、介護療養型医療施設の整備目標が244人と計画に示されておりますが、民間病院の導入の意向はあるのでしょうか。計画どおり実施できる見込みはありますか、お尋ねをいたしたいと思います。
 最後に、痴呆性高齢者に対する本市の取り組み施策の状況についてお伺いいたします。現在の施策は在宅者を対象としたものがほとんどであり、家族介護により支えられておりますが、この家族介護に限界が生ずるとデイサービスのような施設でのサポートとなると思いますが、それらの支援では不十分だと言われております。そのような状況の中、どうしても地域の核として痴呆性老人専用入所施設が整備されることが望まれていることは、行政の皆さん方もご存じだろうというふうに思っております。このことについて、先ほど登壇してもお伺いし、ご答弁をいただきましたが、いま1度具体的な明確なご答弁をいただきたい、このように思います。
 また、グループホームの必要性も年々高まっており、本市の計画にも示されているとおり、実施についての状況をお伺いいたしたいと思います。
 また、痴呆性高齢者の家族等からの改善要望が種々あると思いますが、その要望とは、具体的にどのような内容かお示しくださいますようにお願い申し上げます。
 質問が多岐にわたっておりますので、答弁漏れのないように簡潔にお願いしたいと思います。
○笹浪 保副議長 福祉部長。
○伊藤常矩福祉部長 お答えいたします。
 初めに、グループホームの老人保健福祉計画の中におけます19年度までの達成の見込みでございますけれども、現在、本年8月末までにグループホームの開設をしたいという事業者が20件ほど寄せられております。これらのことから、15年度の81名の計画、さらに19年度の目標計画期間内の整備目標量は達成できるというふうに考えております。
 それから、平成19年度の施設整備の目標量の算出根拠でございますが、平成19年度におきます各施設の利用者数の見込み目標量は国の算出基準によりまして、介護老人福祉施設の場合は65歳以上の人口のおおむね1.5%、介護老人保健施設につきましては1.1%、介護療養型医療施設につきましては0.6%を参考にして、おおむね3.2%となることを標準といたしまして、地域の実情に応じて定めることが適当であるというふうに国から示されておりまして、65歳以上人口に対する75歳以上人口の割合の見込みを勘案することが望ましいと示されているところでございます。そこで、本市の利用見込みについてでございますが、まず、介護老人福祉施設につきましては、平成19年度目標量を883人といたしまして、65歳以上人口に対する割合を1.24%としたところでございます。また、介護老人保健施設につきましては、19年度目標量を822人といたしまして、目標年度における65歳以上人口に対する割合は1.15%でございます。
 次に、19年度までに施設整備の達成でございますが、介護老人福祉施設につきましては、現在、市内の整備目標量は527人でありますが、19年度目標量の883床は現在の事業者の協議等の状況から、達成可能であると見込んでおります。次に、介護老人保健施設につきましては、現在、市内の整備量は270床でございますが、19年度の目標量822人につきましては、現在、施設整備の事業者の協議等が進んでおる状況から、達成可能というふうに考えております。また、介護療養型医療施設につきましては、16年度目標量196人に対して、現在、市内の施設は88人の整備状況でございまして、医療と介護の両方を必要としている方は少なくないことから、今後も医療法人などに働きかけていく考えでございます。
 次に、老人福祉施設の待機者でございますが、本年7月1日現在の特別養護老人ホームへの入所を希望している方は、いわゆる待機状況は691名となっております。現在のその状況でございますが、自宅での待機者が349名、病院に入院中の方が146名、老人保健施設に入所中の方が144名、そのほか療養型病床群などに入所している方が52名となっております。
 次に、現在の施設整備計画で将来の対応が可能であるかでございますが、特別養護老人ホームへの入所待機者が数多くいる状況でございまして、現計画の施設整備では待機者のすべてを解消することは難しいと考えておりますが、介護保険制度は在宅での生活の支援を重点にも置いておりますので、施設整備を進める一方で、在宅での生活を継続していくことができるように、在宅サービスの充実にも努めてまいりたいと考えております。
 次に、本市の県内におきます施設の整備率の順位でございますが、千葉県内の施設整備のエリアが、実は8つに分かれて区分されておりまして、その整備目標につきましては、市川市は東葛南部地域の整備地域のエリアの中に含まれております。その整備率は、東葛南部地域といたしましては県内の8つのエリアの中では一番低い状況ということでございますので、千葉県では東葛南部地域の施設整備の重点地域ということで整備を進めていくという方針が出されているところでございます。
 次に、近隣市の船橋市、松戸市との比較でございますが、本市の整備状況につきましては、平成14年度末では特別養護老人ホームは達成率が81.1%、介護老人保健施設では39.4%となっておりますけれども、船橋市、松戸市とほぼ同様の整備状況でございます。
 次に、グリーンヒルズの現在の状況等でございますが、グリーンヒルズにつきましては、設置しました医療法人が県から設立認可を取り消されまして、現在、清算手続に入っております。本年5月に社会福祉医療事業団の申し立てによりまして、現在、競売の手続がとられておるところでございまして、今後の日程等については未定であるというふうに県に伺っております。市といたしましては、引き続き県と十分に連携を図りまして、今後の対応を図ってまいりたいと考えております。
 次に、本市の痴呆性高齢者の実態でございますが、4,338人と把握をいたしております。
 次に、痴呆性高齢者の生活の実態でありますけれども、在宅、施設、病院のそれぞれの人数でございますが、痴呆の程度だけで分けられないということで、把握は非常に困難であります。また、痴呆高齢者のうちどのぐらいの方が施設入所を希望されていますとか、何人ぐらい待機しているかということにつきましては、施設ごとの状況により異なりますので、把握することは困難でありまして、また、痴呆性高齢者の待機者数につきましても、同様に把握が困難な状況でございます。
 次に、療養型医療施設の整備目標量244人に対する民間病院の意向でございますけれども、現在の状況といたしましては、本年9月1日に中山病院の55床が増床されますことから、現在の33床と合わせまして88床という状況になっております。
 それから、市内グループホームの整備状況でございますが、現在2事業所で27名となっておりますが、本年11月には新たに2事業所の開設が予定されておりまして、54名、合わせて81名の達成状況になります。
 次に、痴呆性高齢者の家族などからの改善要望、その具体的な内容でございますが……(鈴木衛議員「いいや、それは」と呼ぶ)以上でございます。
○笹浪 保副議長 鈴木衛議員。
○鈴木 衛議員 大変多岐にわたりまして申しわけありません。時間がなくなりました。今ご答弁をいただきました中で、本市の施設整備状況は東葛南部地区では一番低い。なおかつ待機者が691名いる。その中で在宅が349名、大変多くの在宅者がいらっしゃる。これは家族介護の人数を入れると1,000名以上は楽に超えてしまう、そういった状況の中で、介護関係でご苦労されている方が多いかというふうに思います。この施設整備につきましては、大変厳しいところがあろうかと思いますが、ただいま申し上げましたとおり、グループホームの活用ということも十分に考慮に入れて、これからの政策の中に入れていっていただきたい、かように思う次第であります。
 グループホームにつきましては、民間活用ということで、社会福祉法人、医療法人、先ほど申し上げましたがNPO、農業協同組合、生活協同組合、農業協同組合連合会、社団法人、財団法人、民間企業、株式会社、有限会社等が対象になっておりますので、これらを活用してグループホームの拡大をなお一層図られるようにお願いを申し上げまして質問を終わります。ありがとうございました。
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○笹浪 保副議長 次に、二瓶忠良議員。
〔二瓶忠良議員登壇〕
○二瓶忠良議員 一般質問いたします。日本共産党の二瓶忠良です。
 1点目は平和行政について、2点目は福祉行政について伺います。
 市川市では、これまでに核兵器廃絶平和都市宣言を中心に、市民への啓蒙活動を行ってきました。戦争の悲惨さを伝えながら、平和のとうとさを市民に伝え、共有するための行事も行ってきました。しかし、戦後58年が経過した中で、戦争を体験したという人たちが少なくなってきており、悲惨な戦争を体験したことを語り継いでいくことは困難になってきております。市川市は宣言を決議して以来、戦争体験をつづった冊子などを発行し、貴重な資料として残されていますが、長い期間経過しておりますので、限られた市民にしか渡っていないと思います。戦争を体験していない世代が多くなっている現在、戦争体験を語り、次の世代に平和のとうとさを伝えていくことは重要な役割になると考えます。アメリカがイラクへの戦争の宣言をした時点から、国内でも、世界の多くの国でも、国境を越え、文化の違いも超えて、戦争は嫌だ、子供や罪のない人たちを戦争の犠牲にするなと戦争反対の世論が行動となり、同時刻にワシントンで25万人、ロンドンでは200万人の集会が開かれました。核兵器廃絶と戦争嫌だは、国内はもとより世界の中でも大きな世論になったことは確かな動きであります。元防衛庁幹部で新潟県加茂市長の小池氏は、イラク特措法案の廃案を求める要望書を国会議員や閣僚に送っております。その内容は、全土がいまだ戦場であるイラクへの自衛隊派遣は明確な海外派兵であり、明らかに憲法9条に違反する行為だと批判し、憲法9条によって戦後58年間、日本は国際武力紛争に巻き込まれることをかたく防止してきたと述べ、その存在で、日本人は世界じゅうの人々から平和愛好国民として敬愛されてきたと指摘し、日本国民が再び戦場で倒れることのないようにという昭和20年8月15日の原点に立ち返るべきだと述べています。また、国立市長の上原氏は、有事法案が出たときに総務省に質問状を出すなど、各自治体は独自の発言もし、独自の施策も行っております。神戸市議会においては、非核神戸方式と言われる核兵器積載艦船の入港拒否に関する決議を議会で採択し、神戸港に入港する艦船については非核証明書の提出を義務づけ、提出のない場合は入港を拒否するというものです。米艦船の入港拒否を目的としたものではなく、国是とされている非核三原則に基づいて核兵器の持ち込みを許さないための措置であるということであります。千葉県においても、佐倉市は平和条例を平成7年に制定し、独自の取り組みを強めております。条例の目的では、「佐倉市の平和行政の基本原則を定め、もって市民の平和で安全な生活の維持向上に資することを目的とする」とし、事業では戦争体験文の募集、テレビ広報番組では平和の特集の放映などの事業を行ったということであります。また、佐原市は被爆者の援護に関する条例を制定し、被爆者に必要な援護を行い、被爆者の福祉の増進を図るとしています。援護の内容としては、見舞金の支給や市民税の減免、国民健康保険税の減免など、その他幾つかの措置が図られております。県内では、名称は異なりますが、約9割近くの市町村が平和宣言をし、独自の平和行事を進めております。市川市の核兵器廃絶平和都市宣言は、来年の平成16年度に20周年を迎えます。これまでの平和行政の取り組みから成果と教訓を明らかにし、大きな区切りとしての20周年をどのような規模と内容で取り組みを成功させるのか伺います。
 次に、福祉行政について伺います。
 障害者支援費制度がスタートしてから6カ月になります。これまでにも障害者団体から厚生労働省にさまざまな要請もしておるようであります。また、市川市の障害者団体から市へも幾つかの要望を出されているようであります。障害者への施策の変化と同時に、矛盾や不安のあらわれではないのかと思われます。また、最近では脱施設ということが出てきております。確かに障害者を地域で支え、自立を支援していくことは大切なことではありますが、現状では、障害児者を介護しているのは家族であり、中でも母親がその中心になり、一身に担い続けている状況であると言えます。それは、地域で障害者の暮らしを支えるための社会資源の量が不足していることにもつながり、また、サービス内容にもさまざまな制約があり、制度を使いづらくしていることもあります。何よりも安心して使えるサービスの提供が大切です。6月議会でもお聞きいたしました視覚障害者への支援でありますが、視覚障害者へのガイドヘルパーの利用負担をなくして措置制度の状態に戻すことはできないかとお聞きいたしましたが、ガイドヘルプサービスのみを無料にすることは、ほかのサービスの費用負担との関係で、無料にすることは無理があるということでありました。今議会でも市川市視覚障害者福祉会から請願が出され、可決されておりますが、ガイドヘルプ事業を支援費制度の対象から外して真に自立と社会参加をしやすくする内容について、何か検討はなされたのか、また、当事者にどのような説明がなされたのか伺います。
 また、障害者支援費制度以降に見直された事業はあるのか伺います。あればあわせてお答え願います。
 以上、第1回目の質問といたします。
○笹浪 保副議長 総務部長。
〔伊与久美子総務部長登壇〕
○伊与久美子総務部長 平和行政についてお答えいたします。
 市川市は生命の尊厳を深く認識し、非核三原則が完全に実施されることを願い、核兵器の廃絶と軍縮を全世界に向かって訴え恒久平和を実現することを決意し、昭和59年11月15日に核兵器廃絶平和都市宣言をいたしております。この核兵器廃絶平和都市宣言の趣旨を市民の皆様に広く理解していただくとともに、平和意識の高揚を図るため、各種の事業を実施してまいりました。これは市民とともに平和を願う市川市としまして、これらの事業を地道に、着実にたゆむことなく継続していくことが何よりも大切であり、核兵器廃絶平和都市宣言を行いました市川市としての責任であると考えているからであります。ご質問者もおっしゃっておられましたが、神戸市、国立市、佐倉市、佐原市、その他それぞれが独自に平和を願って行動し、事業を展開しているというお話がございました。市川市におきましても、独自に平和行政の一環としてさまざまな事業を展開しているところでございます。具体的に今年度実施、または実施予定の事業につきまして申し上げますと、平和へのかけ橋になることを願いまして広く市民に呼びかけ、広島、長崎両市で行われます平和記念式典に対し、千羽鶴の贈呈を行っております。今年度は市民の皆様のご協力により19万羽の折り鶴をお送りさせていただきました。また、8月には原爆投下の日及び終戦記念日に最寄りの駅の市の施設におきましてチラシを配布し、平和の大切さを市民に訴える街頭啓発を行いました。また、明るいゆとりのある家庭は平和の原点であるということから、笑いのある平和寄席を約900名のご来場者を迎えまして、市民会館において好評の中に開催させていただきました。今後につきましては、市内の小中学校の子供たちから平和を訴える絵を募集いたしまして、その優秀作品をカレンダーとして各学校、関係機関等に掲示し、平和について考えていただく平和ポスターの募集、来年3月には、さらに子供たちを対象に平和をテーマとしたアニメを中心に平和映画祭を開催する予定となっております。
 16年度の平和事業についてでございますが、平和についての考え方は人さまざまでございますが、市民1人1人が心から願っているものであることには違いがありません。日々の活動が支障なく円滑に行われることや、人と人とが互いに理解し、信頼し、助け合いや思いやりの気持ちを持つことが大切であると考えられます。また、地球規模での環境破壊、差別、飢餓、貧困といったような問題も存在しております。こうした問題に市民1人1人が関心を持ち、それを阻むものがあるとすれば、それを解消し、実現に向けてお互いに協力し、努力を重ねていくことが平和につながるものであると考えるところであります。
 そこで、市川市の各課で実施されております事業の中で、平和であることを前提として実施されている事業や、事業を継続することが平和につながる事業等を市民の方々にご紹介すること、また、平成16年度が核兵器廃絶平和都市宣言20周年に当たりますので、その節目にあたる16年度におきましては、現在行っております平和事業について、さらに継続しながら、現在設置してあります平和基金の活用も十分視野に入れながら実施する検討をさせていただきたいと思います。なお、この平和基金の活用につきましては、数年前から市長、助役の方からの指示もありますし、また、最近、監査委員会におきまして監査委員さんの方からも、この基金の有効活用についてというご指摘もいただいております。市川市が所有しております戦争にかかわる資料の展示や、広島、長崎における被爆の資料を展示した平和展を開催する予定にもなっております。戦争の悲惨さが風化しないよう、若い方から高齢の方々に至るまで、各世代に平和へのご理解がいただけるような平和についての事業を検討してまいりたいと考えております。いずれにしましても、平和事業を後退させないことが大切であり、しっかりと継続していく、着実に実施していくということを肝に銘じて、これから平和事業についても考えていきたいと思っております。
 以上でございます。
○笹浪 保副議長 福祉部長。
〔伊藤常矩福祉部長登壇〕
○伊藤常矩福祉部長 福祉行政についてお答えいたします。
 初めに、支援費制度の施行に伴う視覚障害者のガイドヘルプサービスについてでございます。視覚障害者のガイドヘルプサービスにつきましては、昨年度まで運営を社会福祉協議会に委託して実施してまいりましたが、本年度から支援費制度の施行に伴い、居宅介護としてガイドヘルプサービスがホームヘルプサービスと一体のものとして制度化をされました。このため、視覚障害者団体からは、制度化されるまでは社会活動への参加が容易にできていたにもかかわらず、支援費制度の施行により、利用限度時間や、本人、または扶養義務者の負担能力に応じた利用者負担額が設定されたことにより、利用を控えてしまうケースが生じてきたなど、利用しづらくなった理由から、ガイドヘルプサービスを支援費制度から外してほしいとの要望がございます。また、今議会で同様の請願が出されたところでもございます。この視覚障害者のガイドヘルプサービスにつきましては、昨年度まで2つの形態により実施されておりました。1つは、市川市視覚障害者ガイドヘルプ派遣事業実施規則に基づき、2級以上の視覚障害者に対し、派遣対象者や派遣用途を限定した上で社会福祉協議会に委託して実施してまいりました。2つには、ボランティアセンターが独自にボランティアを募った中で視覚障害者のガイドヘルプを行いたいという方を対象に外出支援を実施してまいりました。支援費制度の施行に伴い、社会福祉協議会では従来からのノウハウを生かし視覚障害者のガイドヘルプ事業を実施するため、居宅支援事業者として県の指定を受けたところでございます。派遣用途につきましては、社会福祉協議会はこれまでと同様、公共機関に出向く場合、通院で利用する場合、団体活動などで利用する場合などにガイドヘルパーを派遣いたしております。一方、ボランティアセンターでは、社会福祉協議会が行う以外の用途として、娯楽や余暇などの部分を担っております。ご案内のとおり、支援費の施行に伴い、利用者は所得に応じた負担が求められますが、生活保護世帯、市町村民税非課税者に対しましては無料となっております。また、居宅生活支援サービスであります居宅介護、デイサービス、短期入所につきましては、所得階層区分に応じた負担の月額上限額を設定し、利用者及び扶養義務者の費用負担の軽減を図っているところでございます。このようなことから、市といたしましては、ガイドヘルプサービスのみを無料とすることは、他のサービスを受けている方との均衡を失すること、また、先ほど申し上げましたように、ガイドヘルプサービスはホームヘルプサービスと一体のものとして制度化されたことなどから、支援費制度の対象から外すことは考えておりません。なお、現在、社会福祉協議会で行っております利用内容でありますが、公共機関に出向く場合や、通院、団体活動の場合などに限定されておりますけれども、余暇の部分にも使えるようにしてほしいとの声もございますので、障害者の社会参加の促進を図る観点から、その利用内容について社会福祉協議会などと協議を行ってまいりたいと考えております。
 次に、当事者への周知でございますが、制度につきましては、メディアによるものといたしましては「広報いちかわ」、エフエムいちかわ、いちかわ夢マガジンなどでお知らせをいたしております。また、説明会につきましては、地域、障害者団体、通所福祉施設、養護学校などで実施をしたところでございます。そのほかサービスを受けている方にはパンフレットを送付し、申請の勧奨を行うとともに、希望する障害者団体に対しましても、随時制度の説明を行うなどして支援費制度の周知徹底を図ってきたところでございます。
 以上でございます。
○笹浪 保副議長 二瓶議員。
○二瓶忠良議員 答弁ありがとうございました。再質問させていただきます。
 最初、平和行政についてでありますが、16年度の報告などもいろいろなされました。私もことしの平和展などを見まして、ことしはいつもより折り鶴が大変多かったように思って見ました。これまでそのような取り組み、平和展などを通じながら、核兵器廃絶平和都市宣言ということで、19年間、毎年いろんな形態で平和に関することが取り組まれてきております。この取り組みも5年ごとに節目を設けて、いつもより規模を大きくして毎年行われております平和行事とは形態を変えて、工夫もされた取り組みをされているということであります。私も平成11年、15周年の平和展を見させていただきました。この15周年はメディアパークのグリーンスタジオを中心にして行われたわけですが、戦争当時の現物、資料や写真、当時の様子を想像して再現した絵画などもたくさん並べてありました。特に被爆地であった広島から主に原爆が投下されたときの現物を借用して展示しているということでありました。その現物は、原爆が投下されたときの灼熱によって石や竹や瓶や鉄、それらのものが溶けて大きく形を変えてしまっている。そのようなことを見て、本当に原爆の恐ろしさというのを十分に感じ取ることができました。このような原爆が何よりも恐ろしいのは、一瞬にして人の命を奪い、そして環境を破壊してしまうということがつくづく思い知らされる感じであります。この原爆の爆心地では約3,000度から4,000度近くの熱風、暴風、放射線、それらが一瞬にして襲ってしまうということであります。聞いただけでも本当に大変恐ろしい話であるわけです。これまでそのような平和行事に取り組みながら、市民にもいろいろと訴え、そして戦争の恐ろしさと平和のとうとさ、それを伝えてきたということで、戦争についての受けとめ方、平和についての受けとめ方は、先ほど答弁の中でもありましたが、それぞれ1人1人が違うわけであります。戦争を体験した人、しない人、それぞれあるわけでありますが、小学生や中学生、高校生と、成長していくごとに、戦争や平和についてのとらえ方も、また違ってくると思います。また、世代間によっても違ってくるというのが実際だろうと思います。それぞれの思いを持った多くの市民の知恵や要望を受けながら、20周年を市民の公募によって、会というような形式で結成して――会といっても名称はいろいろとできると思うわけですが、ここでどのような会ということは特定はいたしませんが、核兵器廃絶平和都市宣言を市民と協働で支えていく、成功させていくということも考えられるのではないかと思うわけですが、いかがでしょうか。その辺を1点お聞きいたします。
 また、平和フィルムやビデオなど、新しいものを購入するということの考えはないでしょうか。
 それと、千羽鶴についてでありますが、代表派遣も含めて広島、長崎に直接届けるということはできないかということであります。千羽鶴もことしは大変多かったと私は見えたわけなんですが、それぞれの千羽鶴には1人1人の思いもこもっているわけです。ある人に聞いたところによりますと、1年がかりで千羽鶴を折っていて、それで届けるんだという人もありますし、また、共同で何人かで団体で鶴を折って、それで届けるということも聞いております。それらの多くの人たちの願い、先ほどは19万羽、これらを届けられたということでありました。本当にそれぞれの思いが込められているということで、これは以前もお願いしたことはあるのですが、市川市から代表を派遣して、それで長崎と広島の記念式典に届けるということができないかどうか。例えば8月ですから、小学生、中学生などは夏休みということもありますので、小学生、中学生でもよいのではと思うわけですが、いかがでしょうか。
 次は、戦争当時の資料の収集についてであります。この平和展も毎年行われております。そして、私もこの平和展を見るわけですが、特に平和に関する市川市内の資料が少ないのではないかという、そんな実感もするわけであります。戦争当時の現物を含めて、資料の提供を市民の方にお願いするということもできるのではないかと思うわけです。先ほどの15周年の広島の現物を見て、あのことによって、本当のひどさが目で確認できるということでは、戦争当時の資料としては大変貴重だと思います。それぞれ家庭によって、当時の資料を保管している家もあるのではないかと思います。それらの資料を市に提供してもらうとか、あるいは大切に保管していて提供できない、こういう人については市川市に登録していただいて、必要なときに借用するなどの方法も考えられると思うのですが、この辺、資料の収集についてどのように考えておられますか。戦争記録に残るような、こういう資料を後世に残していくということは大切だと思います。今までそれらの資料がちょっと少ないのではないかと思います。
 次は、宣言文の全市民への普及ということです。これは市民ハンドブックやさまざまなところに宣言文の箇所が出ておりますが、全文が出ているというのは大変少ないと思います。このような宣言文、これを市川市役所前のところには1カ所ありますが、市内ではあとは余り見たことがないわけですね。駅前とか出張所、これらのところに掲示はできないものかということをお聞きいたします。
 福祉行政については6月議会でもお聞きしましたので、大変よくわかりました。特に措置制度から支援費制度になりまして、サービスが自分で選択できる、あるいは自己決定が尊重されるとしてスタートして経過したわけでありますが、サービスを使わなければ意味がない。しかし、必要があっても利用しない、あるいは利用しづらい、基盤整備の不足、それらのことで後退してはいけないわけであります。利用を促進するための支援が大切であります。社会参加も広がることに確信や展望を持つことができるように支援することが重要であると思います。障害者への適切な相談、そして援助に力を尽くしていただきたいと思いまして、要望としておきます。
 以上、第2回目の質問、答弁をお願いいたします。
○笹浪 保副議長 総務部長。
○伊与久美子総務部長 16年度に迎えます核兵器廃絶平和都市宣言20周年の記念事業について、どのように取り組むかというご質問で、たくさんのご提案をいただきました。例えばビデオ、フィルムの新たなる購入について、広島、長崎へ直接折り鶴を届けることについて、小学生、中学生等を派遣したらどうかということ、また資料の収集、市川市にかかわる資料が少ないので、埋もれている貴重な資料を発掘して収集するべきではないか、宣言文について、市役所前だけでなく、もっと貴重な場所に多く掲示していくべきではないかということのご提案がございました。今、実は私どもは16年度の20周年事業に向けて、既に所管課を中心に、方向性等については検討しております。そういう中で、今ご提案いただいた中の幾つかについても考えているところでございます。特に資料の収集等につきましては、当然今あるものについて再度細かくチェックしながら、きちっと整理していきたいと思いますし、15周年のときのような感動を、また市民の方に与えたいと思いますので、そのような計画もしております。
 また、市民参画型の実行委員会のようなものをつくったらどうかという、多分そういうご意向だと思いますが、市民のご意向を十分に受けとめて20周年記念事業をやっていこうということは私どもの基本的な考え方になっていますので、それが実行委員会をつくるということだけではないと思います。いろんな角度から市民の方のご意向をきちっと受けとめていきたいと思っております。
 また、宣言文の掲示につきましては、現在、宣言文につきましては、市民の皆様が常に目にするように、市川市のホームページ等でも載せておりますし、また、広報におきましても全文掲載をしてきている経緯がございます。また、市川市が核兵器廃絶平和都市宣言をしているということにつきましては、機会あるごとに広報に載せるようにしているところでございます。そのように、私どもは20周年記念を戦争のない平和な社会、世界を目指していくということでありますが、戦争というイメージから、平和というイメージに強くシフトしていきたいと思っております。戦争のない平和な社会、平和こそ戦争のない社会ということで、平和を強くイメージした20周年記念にしていきたいと思っております。
 以上でございます。
○笹浪 保副議長 二瓶議員。
○二瓶忠良議員 ありがとうございました。
 実行委員会のようなものをつくるということではないということで、それらの市民の意向を受けとめて検討していきたいという今の答弁だったと思います。本来ならば、1つの区切りは、そこからさらにどのように前進していくかということが大切だと思うわけです。そのきっかけがこの20周年だと思うわけですね。だから、その意味では、私もいろんな提案をしたわけですが、一気にやるということでは大変困難性はあると思います。そういうことで、この20周年をきっかけにしていろんな取り組みを強めていく。その1つの、これまでのやれなかったというか、やらなかった市民の意向を伝える、そしてそれを市民の参加によって、例えば公募して、それで希望者を募って、そのような会なる、実行委員会なるもの、そのようなものをつくっていくということは、これからの平和事業としても、私は大切ではないかと思うわけです。それは何よりも、市民が市の取り組みに対して大変関心を持っているということだと思います。千羽鶴なども大変ふえているということと、あと平和寄席なんかでも、900名近く入ったらもう満杯ですよね。これが毎年続いているんじゃないかと思うわけです。そういう市民の期待にこたえるというのであれば、会なるものをつくって、市民参画、市民参加によって進めていく方が、もっと市民へのアピールにもなるし、そして市民への理解ももっと広がるのではないかと思うわけです。そのようなことから、市が企画して、来てくださいという形を変えて20周年を行っていく、そのようなことで会なるものをぜひつくっていただきたいということであります。それらについて、またありましたらお答え願います。
 資料収集のことなんですが、これまで展示会では、写真だとか折り鶴だとか市独自の資料は余り見なかったような気がしたんです。例えば私、メディアパークの3階の図書室、あそこには古い教科書とか教育資材がいろいろと陳列されております。あれなどを見ても、本当に今の時代と昔の時代という、その年代差というのをいろいろ感じて見てくるわけなんですが、そういう資料をもっと収集する。今まで資料収集のために市民に呼びかけるとか何かしたことはあるんでしょうか。なかったら、これはぜひ行うべきではないかと思います。もしその辺で、これからやろうとする考えがあれば、ぜひ聞かせていただきたいと思います。
 代表派遣についてですが、これは時々提案などもしているわけですが、これはぜひできないかということでお願いしたいわけなんですが、せめて節目ごとにはできないか。例えば今度16年が20周年ですので、じゃあ20周年にやろうとか、再来年が終戦の60周年になるわけですね。市川市も終戦50周年のときも行事を組んでやっているわけですが、毎年が無理であれば、そのような節目のときに代表派遣をするとか、そのようなことは考えられないでしょうか。
 掲示板についても、これは一気にやるということでは確かに大変なところもあると思いますが、1年に1カ所ずつ、そんなに多い箇所でもないと思いますが、出張所などはあと2カ所ですから、1カ所ずつ設置していくとか、計画的にやっていくということも考えられると思うんですが、いかがでしょうか。
 以上、お願いします。
○笹浪 保副議長 総務部長。
○伊与久美子総務部長 先ほども申し上げましたが、宣言をしている各都市におきましては、それぞれ都市の持つ特性の中で独自の平和への取り組みをしていると思います。そういう意味では、市川市も市川市独自の取り組みを今日までしてきたつもりでございます。そのようなことからも、今、ご質問者からありました幾つかのご提案、ご提言につきましても、私ども検討している部分もございますが、20周年を迎えるに当たって、特に資料収集等につきましては、収集の方法などにつきましても、これからよく検討していきたいと思っております。
 それから、その他の部分につきましても、これから具体的に取り組んでいく部分でございますので、市川市独自の平和事業の取り組み方ということで、市民の意向を受けとめながらということには大事な部分でございます。その辺は認識しておりますので、そういうご理解でよろしくお願いしたいと思います。
○笹浪 保副議長 二瓶議員。
○二瓶忠良議員 どうもありがとうございました。
 私は余りやっていないということじゃなくて、意外と――意外とという言い方は失礼なんですが、市川市は積極的にやっているとは思います。特に私が本当に印象に、頭に残っているのは、やはり15周年のメディアパーク、あれは大変印象に残っていることです。今度、長崎か広島ということでしたが、ぜひ成功させるということと、あと、多くの市民にアピールして、多くの人に参加してもらう。そして、それを市川の行っている平和都市宣言、これを理解してもらうということでも、ぜひ成功させていただきたいと思うわけです。特に私、毎年、小学生が平和をどのように感じるのかということで、ポスターを募集して、それをカレンダーにしているということだよね。あれは私の知っている人などにあげて大変喜ばれているのですが、ああいう平和をどのように感じるかということでは、市民1人1人がまた違うわけですが、ぜひそのような市民に広げていく行事なども多くやっていただきたいと要望いたしまして終わります。
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○笹浪 保副議長 この際、暫時休憩いたします。
午後2時45分休憩


午後3時42分開議
○岩井清郎議長 休憩前に引き続き、会議を開きます
 日程第1一般質問を継続いたします。
 狩野裕議員。
〔狩野 裕議員登壇〕
○狩野 裕議員 私は緑風会の狩野裕でございます。通告に基づきまして、大きく3点についてご質問いたします。
 まず初めに、議員、職員の職務に係る倫理の基本的な考え方についてご質問いたします。
 私は、長い間、政治家の秘書として働いてまいりましたが、その間、政治、政治家、行政、官僚に対する市民、国民の不信感というものを強く感じてまいりました。けさも自分自身が初めて質問する朝なんですけれども、新聞を見てみますと、読売新聞の1面には千葉県住宅供給公社、また地方面には、よく知っていらっしゃる前議員の有罪の記事等が載っておりました。政治、行政が信頼されていない世の中は、市民、国民にとって非常に不幸な状態であると言わざるを得ません。政治、行政はすべからく市民、国民により納めていただいた税金の使い道、使い方を託されているということに尽きます。したがいまして、税金に係る不祥事は議会制民主主義の根幹にかかわる、本来あり得ない、決してあってはならないことと理解しております。しかしながら、ここ千葉県では、かねてから金権千葉と言われ、特にここ数年、近隣自治体の知事や市長など、いわゆる首長の不祥事が相次いで起きている状況であります。
 以上を念頭におきまして、以下3点についてご質問いたします。
 まず、第1点といたしまして、近隣自治体の政治不祥事についての市の認識、見解等がありましたらお聞かせいただきたく思います。
 次に、本市には職員倫理規則が一般職を対象に設けられておりますが、規則をつくったきっかけをお示しください。その上で、内容的にこれで十分なのか、例えば条例化するという考えはないのか。また、鹿沼市で職員が市の関連業者に殺害され、関係職員が役所で自殺をするという事件もありましたが、今の規則では、職員の意識の問題を超えた外圧や悪意に対しては対応し切れていないと思いますが、何か対応策を考えているのか、お聞かせください。
 最後に、市民の不信感の対象は一般職員ではなく議員や首長、官僚に対するものが多いと思います。本市においては本年2月議会で議員の政治倫理の確立に関する決議がなされておりますが、議員、市特別職の倫理を徹底するためにも、また、その姿勢を市民に対して示すためにも、条例化していくことが必要と考えますが、市のお考えをお聞かせください。
 次に、大きく2点目といたしまして、道路網整備、交通網整備についての考え方についてご質問いたします。
 まず初めに、都市計画道路の整備状況についてご質問いたします。ちまたでもよく言われておりますし、自分自身もそう感じておりますけれども、市川市は道路がよくない、なかなか変わらないと言われています。この点につきまして、本当にそうなのか、数字的な検証として市内都市計画道路の整備率をお示しください。あわせて近隣や類似団体と比べてどうなのか、整備が進んでいるのか、おくれているのか教えていただきたいと思います。
 次に、市内南北間交通の柱となる外郭環状道路、都市計画道路3・4・18号の開通を前提とした公共交通網の再整備についてご質問いたします。再整備は、いつか当然行われることになるわけですけれども、より早い段階で計画を立て取り組んでいくことが、結果的に市民に対してよりよいサービスを提供していくことになると思います。コミュニティバスやガイドウェーバス、公共交通優先信号システムやサイクル・アンド・ライド等、実現可能な新しい交通システムも考えられますが、どのような取り組みをしていかれるのか、教えていただきたいと思います。
 最後に、これは象徴的なよくない例として挙げるのですけれども、市川2丁目の公民館から市川小学校までの電線地中化工事が完了している地域に、私の知っている限りでも、1年以上電柱が撤去されずに、単なる犬の便所としか使えないような状況を呈しております。このような状況をどのようにご理解され、どのような対応をとっておられるのか、お伺いいたします。
 次に、最後に大きく3点目といたしまして、ローゼンハイム市とのパートナーシティー締結と市民のかかわり方についてご質問いたします。
 現段階では正式にパートナーシティーの締結はなされておりませんけれども、今後どういうスケジュールを考えておられるのかお聞かせください。
 また、考え方としてですけれども、少年サッカーの交流に端を発する話であるとも伺っており、2006年にドイツで開催されるサッカーのワールドカップを利用して市内商工業者とも連携をとりつつ、市民に対する企画などを考えていけば、楽しくPRでき、理解も深まっていくと思いますが、ご所見をお聞かせください。
 以上をもちまして1回目の質問といたします。ご答弁の後、再質問いたします。
○岩井清郎議長 総務部長。
〔伊与久美子総務部長登壇〕
○伊与久美子総務部長 職務に係る倫理の基本的な考え方について、大きく3点のご質問にお答えいたします。
 1点目の近隣市を含む政治不祥事についての見解ということでございます。職務に係る倫理という視点からお答えさせていただきます。自治体の長の不祥事につきまして、昨年、千葉県内の幾つかの自治体において、現職の市長が逮捕されるというようなことがございました。この事件の仔細につきましては、現在、司直の手にゆだねられているということからも控えさせていただきますが、ただ、市民の負託にこたえていかなければならない職にある者が、みずから不正にかかわることは、市民の信頼を裏切るばかりでなく、市政全体の信用をおとしめ、さらには市のイメージをも損ねることにつながるということから、このようなことは断じてあってはならないことと、今さら申し上げるまでもないことであります。考えてみますと、不正ということは、当然、秘密裏に行われることであり、その不正が行われる温床には、一般的に非公開となっている情報が多い、あるいは不当要求や、いわゆる口きき等が横行する組織体制になっている、あるいは旧来からの慣習で事業が行われ、改善の兆しすらないなどがよく言われております。いわゆる透明性の不足した旧態依然とした組織ほど、その可能性が高いと言えると思います。市川市においては行財政改革を政策の柱の1つに掲げており、今日までさまざまな行革メニューを実行してきておりますが、その行政改革、あるいは財政改革を推し進める力は、情報公開にある行政の公正性、透明性の確保と市民の行政への参加であると考えられます。このことからも、あらゆる機会、手段を通して市政に関する情報は公開してきておりますし、また、行政に対する評価を市民の皆様にやっていただくというシステムも確立しつつあるところでございます。とりわけ自治体の不正事件は、公共事業や業務委託の契約、あるいは補助金の交付、あるいは許認可関係に起因することが多くありますが、特に契約においては、本市では学識経験者など外部の方々による入札審査会を設置しておりますし、また、入札事務改善検討委員会では入札審査会の内容をさらに詳細に検討し、さらには、本年より民間を主体とした第三者機関の市川市入札監視委員会を設置するとともに、近々のうちに電子入札も導入するなど契約業務のさらなる透明性、公平性の向上を図り、不正が起きにくい、あるいは不正が行われにくいシステムづくりに努めているところであります。いずれにいたしましても、自治体の首長、議員、そして職員に至るまで、市民の信頼を裏切ることは許されない職務にある者の人格、資質そのものが問われることは申すまでもありませんが、さらに不正が生まれない環境を一層強化、拡充していくということが大切ではないかと思います。そういう意味からも、政治倫理の確立、職員倫理の確立は時代の要請であると認識しているところであります。
 続きまして、その2点目になりますが、政治倫理条例の必要性についてお答えいたします。政治倫理条例を策定することにつきましては、結論からまず申し上げますと、今、1点目で申し上げましてきたとおり、仮に条例を提案するとしても、市長部局から一方的に提案すべきものではなく、議会でそのような機運が盛り上がってくる、高まってくるということが重要な要素ということになろうかと思います。市民の信頼にこたえ、開かれた市政を進める上において、政治倫理の確立に異論を唱える余地はないものと思いますが、条例を制定することとなれば、条例を適用する範囲、例えば市長のみか、特別職、あるいは市議会の議員の方々も含めるのか、あるいは条例に持たせる効果や措置、例えば政治倫理の基準、あるいは対象となる者の義務、あるいは条例の効果を実行させる審査会の設置などについても規定すべきであると思われます。このようなことからも、市議会からの条例制定に向けての盛り上がりが必要であることが考えられるところであります。政治倫理の確立につきましては、本年2月議会において、議員の皆様方によって決議がなされたところであります。このことを改めて条例で規定することについては、さまざまご意見もおありのことと存じます。市議会内部におかれましては、ぜひご議論を高めていただきまして、最終的には市議会と市長部局との調整により、今後の方向を決めさせていただくという形が理想ではないかと考えております。
 3番目の市職員の倫理規則の条例化についてでございます。市川市職員の倫理規則の制定経過についてご説明しますが、平成12年4月1日に施行されたものです。12年といいますと、このころは、ご案内のとおり神奈川県警や新潟県警の不祥事や国家公務員の汚職事件などが次々とニュースとして報道された時代でございます。国家公務員につきましては、このような相次ぐ不祥事を受けまして、国民の信頼を早急に確保しなければならないということから、国家公務員倫理法を平成11年8月に制定し、各省庁に対し倫理規程の策定を義務づけました。この流れを受けまして、国は各地方公共団体に対して同様の取り扱いをするよう通知をしたわけですが、この同時期に、既に市川市においては職員倫理規則の検討に入っておりました。したがって、国、県から通知を受けたことによって策定したとか、また、市川市で国と同じような不祥事があったから策定したとかいうものではありません。市川市独自の姿勢から策定したものでございます。
 現在でも、県内で倫理規則、規程を設けている団体はわずかですが、市川市が他の団体に先駆けて倫理規則を設けた理由は、公務員は公務遂行に当たり公平、公正な立場にあり、常に襟を正し、市民の疑惑や不信の念を招くような行為は厳に慎むべきであるという意識を市川市職員は常に持ち続けるべきであるという、こういう姿勢を職員が再確認するとともに、市川市のこういった姿勢を市民に、また内外に示すべきであるという機運が盛り上がり、先ほど申し上げましたような時期に取り組み、市が独自に規則を設けたものでございます。
 次に、より実効性のある制度とするために、規則ではなくて条例にする方がいいのではないかというご質問ですが、職員倫理規則が一般職の職員を対象としているものでありまして、その性格は内部規範的なものであることから、条例とせず規則という形としております。そもそも地方公務員法では、職員に対して法令、条例、地方公共団体の規則等に従う義務を課しており、かかる義務違反に対しましては懲戒処分の対象となることが明定されております。本規則では職員がしてはならない行為をより具体的に規定し、職員がこの禁止行為をした場合には懲戒処分の対象とすることをわかりやすく明示しております。十分に実効性の高いものとなっております。
 次に、暴力団等による外部からの不正な働きかけに対し、職員倫理規則は機能するのかというご質問でございます。まず、暴力団等による行政介入の現状については、先ほどご質問者からもございましたが、市川市においても、それに似たような状況がございます。暴力団、総会屋、社会運動標榜ゴロといいますか、そういう不正な利益を得る目的で国、地方公共団体の行政機関等や、その職員を対象として行う違法、または不当な行為は行政対象暴力と呼ばれております。警視庁等がことし初めに都道府県と市、東京23区を対象に調査を行った結果によりますと、30.5%に当たる903の部署において不当要求を受けた経験があるという結果が出ております。不当要求の内訳としましては、物品の購入、機関誌の購入、公共事業の受注業者への行政指導、許認可の決定などの順となっております。この問題の深刻さをあらわす数値が示されていると言えます。また、最近、市が各課を対象に実施いたしました外部からの不正な働きかけに対する実態調査でも、不正な働きかけ等を受けたという事例が17件ほど報告されております。職員がこのような不正な働きかけに屈してコンプライアンス違反、いわゆる法令遵守違反を起こすようなことがあれば、これまで培われてきた行政に対する市民の皆様の信頼感も一瞬にして失ってしまうことになります。
 そこで、外部からの不正な働きかけに対しまして、職員倫理規則は機能するのかとのご質問のお答えですが、職員倫理規則は、ご案内のとおり利害関係者との接触に当たっての職員の禁止事項等を具体的に定め、職員に倫理を保持させることにより公務に対する市民の皆さんの信頼を確保することを目的としております。しかしながら、外部からの不正な働きかけの場合には、通常、職員に対する強要や威嚇、脅迫等の行為を伴うことが想定されます。このような行為に対しましては、職員に倫理保持の義務を課すだけでは不十分であり、職員が孤立して不正な働きかけに屈することがないような組織体制を整備する必要があると考えます。そこで、市では職員倫理規則とは別に、新たに職員への不正な働きかけに対する組織的な対応に関する規則を10月1日の施行を目指して、今、最終の準備に入っているところでございます。また、さらに議員の皆様に先般ご報告させていただいておりますが、現職警察官を総務部内に配置させていただき、相乗効果を期待しているところでございます。新たな規則には、1点目として、不正な働きかけを受けた職員やその上司等の関係職員が、その立場に応じて内容の記録、調査、報告等を行うこと、2点目として、総務部に配置された警察官を構成員に加えた不正な働きかけ等に対する対応等検討委員会を設置する、3点目として、不正な働きかけを行った者に対する抗議や拒否の通告、警察その他の関係機関との連携、告訴、告発などの規定を盛り込む予定でおります。この規則と職員倫理規則を車の両輪にした職員倫理の確立を図り、公務の信頼性の確保に努めてまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○岩井清郎議長 道路交通部長。
〔木村 博道路交通部長登壇〕
○木村 博道路交通部長 道路網の整備と公共交通網整備についての3点についてご答弁申し上げます。
 最初に、都市計画道路の整備状況についてお答え申し上げます。本市の現在の都市計画道路は、おおむね昭和40年代前半に都市計画決定されております。路線数として40路線ありますが、その内訳としましては、自動車専用道路が2路線、都市の骨格的な役割を担う幹線街路が38路線あります。都市計画道路の計画総延長は約11万7,540mでありますが、整備状況については、整備率約42%、整備済みの延長は約4万9,670mとなっております。これを地域別に見ますと、土地区画整理事業が実施されました行徳地域の整備率は約96%と高く、おおむね整備が終了している状況であります。しかしながら、行徳地域以外、言いかえますと江戸川以北の地域の整備率につきましては、国道、県道などの主要な道路には既に商店、住宅などが張りついていたこと、また、昭和44年に都市計画決定した当初案について、市、市議会、住民の3者が一体となって国、千葉県に対しまして反対を訴えてきました外環道路建設計画や、一時事業が凍結していました都市計画道路3・4・18号整備事業などから、約28%と低い整備状況にあります。特に南北を結ぶ幹線道路が不足している状況にあります。なお、近隣市における都市計画道路の整備率は、船橋市が約40%、松戸市が約53%、鎌ヶ谷市が約19%となっております。
 続きまして、外環道路及び都市計画道路3・4・18号の開通を前提としたコミュニティバスなどによる新しい公共交通網整備についてお答え申し上げます。最初に、現在の公共交通網についてお答え申し上げます。大量輸送機関であります鉄道につきましては、昭和44年3月の東西線の開通、昭和55年10月の武蔵野線の開通、昭和63年12月の京葉線の開通、平成元年3月の北総線などの新たな鉄道網が開設され、現在の市内を通る鉄道は5社7路線、駅数は16駅となっております。利用状況につきましては、朝のラッシュ時において、JR武蔵野線東京行方面で、身体が触れ合い相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める混雑であり、混雑度は200%であります。そのほか、都心に向かう路線におきましても、折り畳むなど無理をすれば新聞が読める混雑であり、混雑度は180%となっております。一方、地域の足として利用されているバスにつきましては、京成電鉄、京成トランジットバス、市川ラインバス、東京ベイシティ交通などが運行されております。バスの利用状況につきましては、昭和41年の13万5,000人――これは1日当たりですが――をピークに恒常的に減少し、平成13年には約5万5,000人となっております。このことは新たな鉄道網の整備によって最寄り駅までの距離が短くなり、徒歩もしくは自転車を利用して駅に向かう利用者がふえたこと、また、バス路線でもある幹線道路が渋滞し、バスの走行速度にも影響を及ぼし、バス運行時間のおくれや定時性の確保ができないことによるバス離れを起こしているのではないかと考えております。
 このように、市川市の公共交通網は充実した環境にあるとは言えますが、道路網につきましては、都市規模に応じた整備が不十分であり、道路混雑の解消に向けた道路交通容量の拡大のための道路整備や、歩行者や自転車の安全確保するための道路整備も必要と考えております。しかしながら、現状としましては、今後の道路整備は、現在の財政状況などから短期的には難しいところでございます。そこで、昨年度より2カ年の計画で総合交通計画を策定しているところでございます。この総合交通計画とは、近年の自動車交通の増大により交通渋滞、事故、公害、公共交通の衰退など、さまざまな問題が生じておりますが、個別の交通機関に対する施策でなく、総合的な見地から各交通機関を一体的にとらえ、長期にわたる計画を基礎とした交通施策を立案するものであります。外環道路、都市計画道路3・4・18号の開通を踏まえた公共交通網につきましても、総合交通計画の中で、高齢者社会、環境問題もとらえて、そのあり方について、コミュニティバスなどによる新たな交通網も視野に入れて、住民ニーズに合った良好な交通環境づくりを目指した作業を進めてまいりたいと考えております。
 続きまして、国道14号のJR市川駅北口周辺の電線類地中化工事に関するご質問についてお答え申し上げます。この事業につきましては、平成8年度から千葉県が実施しております。その状況としましては、市川小学校から県道高塚新田市川線までの延長約550m区間を工事区間としております。これまでに上り線国道南側の都市計画道路3・4・29号交差部――これは市川西消防署前から県道高塚新田市川線入り口まで約320m区間を除きまして、電線類を収容するための施設の埋設はすべて完了しております。しかし、ご指摘のとおり市川小学校前の区間及び県道高塚新田市川線入り口につきましては、一部電柱の撤去が未完了となっております。電柱の撤去につきましては、電柱に架設されておりますすべての電線類が除去されなければ、電柱を撤去することはできないこととなりますが、市川小学校前の国道北側及び県道高塚新田市川線入り口付近の電柱には有線ケーブルがかかっており、その移設が予定どおり進まないことから、未完了となっておりました。しかし、最近になりまして、電柱の管理者から千葉県に対しまして撤去申請が出されておりますので、今年度中には完了できるものと聞いております。また、市川小学校前の国道南側につきましては、電線類の管理者との調整を行っておりますが、今後、電線類を地下に移設し、その後、電柱を撤去することとなりますので、いましばらく時間がかかるものと聞いております。いずれにいたしましても、早期に完成するよう関係者と協議していくとの回答を得ておりますので、市からも早期完了に向けて葛南土木事務所に申し入れをしてまいります。
 以上でございます。
○岩井清郎議長 文化部長。
〔小林 巧文化部長登壇〕
○小林 巧文化部長 パートナーシティーについてのご質問にお答えいたします。
 環境問題や健康問題、福祉やまちづくり、さらには教育、文化、芸術などいろいろな分野で学ぶ点が多い、市民にも魅力いっぱいのヨーロッパ圏の都市との都市間交流ができないか、これまで調査研究を続けてきたところです。21世紀型の国際交流は、従来の形であります市と市による姉妹友好都市を締結することで、あらゆる分野にわたり、その全部の交流をするといったものから、両市の協議に基づき交流項目をある程度限定し、特定の項目について目的を定め交流する形態、いわゆるパートナーシティー交流と言われるものに変化しようとしております。このことは、双方の都市において経済的、精神的な負担が軽くなり、また、交流項目ごとに多くの都市との交流ができるといったところにメリットがあります。さらに、市民間交流の面において、新たな展開と多様な可能性を生み出すきっかけにもなることから、本市もその方向で検討しているところです。
 ヨーロッパの都市の中で、具体的な相手の市としてドイツのローゼンハイム市と協議を進めていることにつきましては、既にご案内のとおりでございます。ことしの5月25日から6月2日までの日程で、市長、教育長を初め5名による公式団でローゼンハイム市を訪問いたしました。この訪問の目的は、両市のこれからの交流を見据えて、お互いの意向を確認するためのものでありました。その内容につきましては、概要ではありますが、先般、議員の皆様にドイツ及びハンガリー公式訪問についての報告書を配付させていただいたところであります。ローゼンハイム市のガブリエル・バウアー市長は、この会談の中で、これまで長い間交流を続けている少年サッカー交流をさらに発展させることと、ことしから新たに実施される中学生派遣事業を成功させるなど、交流実績を1つ1つ着実に積み重ねながら、今後の交流につなげていきたいとの抱負を述べられました。また、千葉市長からは、将来に向けてのパートナーシティー交流を前提に、経済的にも、精神的にも負担のかからない、双方にとってプラスになる形での交流をしていきたいと提案し、両市長の思いが一致し、これからの方向性について確認し合うことができたところです。
 その中学生海外派遣事業ですが、7月19日から15日間の日程で、市内中学校の生徒16名がローゼンハイム市を訪問しました。ホームステイをしながら酪農作業など貴重な体験をしたほか、習字、うちわづくり、折り紙、けんだま、竹とんぼなど日本の伝統の文化を紹介する日本デーが開催されまして、当日はローゼンハイム市長やミュンヘン領事館など約150名ほどの参加があり、各ブースに多くの人が集まり、なじみの薄い日本の文化に大変興味を持っていただき、その会は盛況であったという報告を受けております。このようにアットホームな雰囲気の中で、生徒たちはドイツでのひとときを過ごし、とても有意義な派遣事業となったようです。この中学生のドイツ派遣は今後も続けられるということであり、これからもローゼンハイム市との相互理解が進み、さらにはドイツを理解することにもつながることから、異文化交流を推進する上でも大変価値の高いものであると思われます。
 ローゼンハイム市とのパートナーシティーの合意もしくは締結につきましては、今後の協議の進展にもかかわってまいりますが、来年度の市制施行70周年に時を合わせて行われるのが理想と考えております。そこで、その実現に向け、現在、ローゼンハイム市と事務レベルでの協議も進めているところです。
 しかし、海外の都市との交流事業を進めるに当たっては、議会の理解は言うまでもなく、市民の理解が何よりも重要と考えております。そこで、市民の機運を高めるために、2006年サッカーワールドカップを利用してのキャンペーンを行ったらどうかというご提案です。昨年、日本と韓国で同時開催されたサッカーワールドカップ大会は、国民を挙げて大変な盛り上がりを見せたのは、まだ記憶に新しいところです。このサッカーワールドカップの次回の大会が2006年にドイツで開催されることになっており、既に予選が始まっている地区もございます。今後、大会が近づいてくるにつれ、さらにヒートアップしてくるものと思われます。そこで、次回ドイツで開催されるワールドカップの冠を早い時期から利用して、ドイツ・ローゼンハイム市とのパートナーシティーの交流について、市民へのPRを図ることは、ご提案のとおりとても効果的と思われます。これから商工会議所、青年会議所、あるいは商店会など諸団体等の協力も得ながら企画、実践していってみたいというふうに思っております。
 さらに、市民への周知の方法としまして、ことしの市民まつりの会場でドイツコーナーを設け、その中でローゼンハイム市を紹介したり、あわせて市民アンケートを実施するなど市民の理解を深めていくようなキャンペーンを行っていくことも予定しております。今後、市川市とローゼンハイム市との交流の手続が進み、ドイツワールドカップ開催に合わせ、観戦ツアーなどの企画によって市民の皆様がローゼンハイム市を訪れる機会を得ることにでもなれば、それはまさに市民交流を図る意味からも大変夢が持てることだと思われます。いずれにいたしましても、パートナーシティーの締結には市民を初め議会の理解と協力が大前提となりますことから、今後も積極的に情報の提供などに努め、理解と協力のもとで、期待の膨らむパートナーシティー締結になるよう取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○岩井清郎議長 狩野議員。
○狩野 裕議員 ご答弁ありがとうございました。再質問いたします。
 まず、倫理の問題でありますけれども、冒頭申したように、政治行政が信頼されていない世の中が不幸だとすれば、政治行政に信頼を置ける世の中は幸福なわけでありますので、信頼を得るように努力していくことが何よりも大切だと思います。政治倫理条例につきましては、私たち議員に係るものですので、ここにおられる議員の皆様にも、条例化に向けて前向きにご協議いただきますようにお願い申し上げます。
 また、ただいま総務部長さんから長いあれだったのでよくわからないんですけれども、不正な働きかけに対する組織的な対応への規則というようなものを設けていくというお話がありました。ぜひ職員の皆様にも理解、周知を図られて、実効性のある施策になることを期待いたします。ちなみに、鹿沼市では、再発防止策として内部告発制度、市四役倫理条例、市職員倫理条例、有力者からの口きき対策等が検討されているということをつけ加えておきます。
 最後に、地方分権の流れの中、地方自治体における首長の責務はますます重要になってまいります。このようなことも踏まえまして、首長であられます市長のお考えをお聞かせいただければと思います。
 次に、道路交通網ですが、市川市は治水対策など、本当に努力され成果を上げてきたわけでありますが、事道路に関しましては、身近な例としては、今だと平井の蔵前通りから京葉道路までとか、今井橋から環七、新大橋通りに行く道とか、本当に納めた税金が道路や橋のように形としてあらわれるというのは、現実に便利になったと感じるということは、市川では余りなかったと思います。こういうのも市民にとって信頼につながっていくかと思うんですが、現在行われている自民党の総裁選挙で高村さんが、いずれ必要な社会資本を厳格な費用、効果の分析のもと、金利の安いときに前倒しして実施をするということを政策として挙げています。私も未達成の社会資本というのは将来の負債じゃないかというふうに考えておりますので、この政策には非常に共感をしておるんですけれども、先ほど整備率もお聞かせいただいたのですが、そのおくれているという理由もお聞かせいただきましたけれども、首都圏のベッドタウンである市川市における道路というのは、その地理的条件、利用者数から考えても、まさに必要な社会資本だと思います。幹線になる道路の建設と並行して、地権者の、近隣住民の皆様には最大の配慮をしながらですが、前倒ししてでも整備をするというようなお考えはあるのかどうか、これはご質問させていただきます。
 次に、公共交通網整備ですけれども、外環道路や3・4・18号にしても、その用地というのは地権者や近隣住民の協力を得て創出された空間だと思います。この土地を最大限有効に活用することは市の責務だと思います。また、超高齢社会にもなっております。公共交通の重要性はますます高まっていくと思っております。そういう意味を込めまして、公共交通網整備について積極的に取り組んでいただきたいと要望いたします。
 次に、電柱の件ですけれども、今年度中には撤去されるということでしたが、少なくとも私の見ているだけでも1年以上はただ柱が立っていたというのは、何だか本当に間抜けな形でありました。せっかくのいい事業も、そういう姿を見ていると、逆に行政の信頼を失わせることになってしまってはつまらないと思いますので、ちょっときょうご質問いたしました。
 それから、最後にパートナーシティーについてですが、市民に夢や楽しさを与えられるような事業にしていっていただきたいというふうに要望いたします。
 倫理に関する市長のご見解と、道路整備のいずれ必要な社会資本を前倒ししてでもやるとか、そういう考え方というのはどうかと、この2点について、できればご答弁をお願いいたします。
○岩井清郎議長 市長。
○千葉光行市長 今、ご質問者の言われたとおりであるというふうに私も感じておりますし、信頼できる政治、また、信頼できる公務員という形で市民の負託にこたえていくということが最も大切だろう。これは首長だけではなくて、やはり議員、あるいはすべての公務員においても同じことが言えるのではないのかなという感を持っております。ですから、ことしの2月議会において議員の皆様方から発議という形で決議された政治倫理に関する決議も、やはり議員の皆さんも同じように、市民の信頼にこたえられる市政というものを行っていく上で、この決議をなされたのではないのかなというふうに思っております。特にこの10月1日から、職員への不正な働きかけに対する組織的な対応に関する規則という規則は、これはやはり職員の倫理規則が一方にありますけれども、先ほどの事件からできてきた新たな規則と同じように、市川市においても、やはり職員を守る規則を一方ではつくってあげないと、負担ばかりかけてもならないのではないかな、ある意味においては守ってあげる規則が必要だろうというような視点に立って、外部からの圧力に対して守ってあげられるような内容の規則にすべきであろうというふうに思い、それが行われる予定にもなっております。
 このように、いろいろな角度から、職員においても、私たち首長においても、また皆様方議員においても、やはり襟を正していかなければならないというふうにも考えると同時に、やはり行政の透明性、そして公平性をどのように確立していくかというのは、常に考えていかなければならない問題だろうというふうに思っております。
 以上であります。
○岩井清郎議長 道路交通部長。
○木村 博道路交通部長 都市計画道路の整備についてでございますけれども、先ほどもご答弁申し上げたとおり、まず都市計画道路を整備するには多大なお金が必要です。社会資本としての整備については、その必要性は十分認識しておるところでございますけれども、多大なお金が要るということは、財政的にその措置をきちっとしていかなきゃならないと考えております。現行の制度の中では、国等の支援はしっかり確保した中で事業をしていかなきゃならないと思っていますし、一方で住民の協力もしっかりいただかなきゃ進められないと思っていますので、それらをきちっと確保した中で進めていきたいと考えておりますので、よろしくご理解のほどお願いします。
○岩井清郎議長 よろしいですか。
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○岩井清郎議長 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後4時29分散会

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