更新日: 2007年9月7日

2007年9月7日 会議録

会議
午後1時4分開議
○松井 努議長 これより本日の会議を開きます。


○松井 努議長 日程第1議案第25号市川市第三庁舎耐震補強工事請負契約についてを議題とし、昨日の議事を継続いたします。
 坂下しげき議員。
○坂下しげき議員 新政クラブの坂下しげきでございます。通告に従いまして、議案第25号市川市第三庁舎耐震補強工事請負契約について、大きく5点の質疑を行います。
 通告第1の契約方法についてお尋ねをいたします。
 前議会でも当該議案と同様の契約方法であるプロポーザル・デザインビルドについて質疑が行われており、今議会においても先順位者が質疑しております。改めて整理しますと、技術提案型の発注としては大きく2種類の契約方法があります。随意契約であるこのプロポーザル・デザインビルドと、入札である総合評価競争入札方式であります。一方は随意契約、一方は入札という大きな違いがあります。入札である総合評価が勝っているところは、評価の客観性、入札金額の評価にあると思います。本市では、総合評価競争入札方式を既に実施しております。しかし、これまでに市川市が行っている総合評価競争入札は、高度技術提案型の総合評価ではありません。私は、総合評価において一番市民利益を引き出せるものは、高度技術提案型であると思っております。高度技術提案型は、設計から工事、そしてでき上がった建造物の管理、維持に至るまで、性能、品質、施工管理、運営、維持コストなどを入札価格と同時に評価し、落札者を決定することになるので、経済性や品質の確保が長期間にわたって最大限発揮できる手法であると思っております。
 簡易型の総合評価では、談合の防止などには効果は期待できますが、事務コスト等を考えると、高度技術提案型に比べ市民利益への還元は微小であると思います。本市の工事請負はほとんどが設計と工事が分割発注であることから、高度技術提案型の総合評価を行ったことはなく、総合評価のメリットを最大限引き出した例はありません。議案第23号及び24号も同様であります。しかし、今回随意契約で行った当該議案の市川市第三庁舎耐震補強工事は、設計と施工を一括して発注していることから高度技術提案型の総合評価競争入札を行うことが可能であり、総合評価のメリットを最大限引き出せるチャンスでありました。したがいまして、高度技術提案型の市川市第三庁舎耐震補強工事において、総合評価競争入札を採用しなかった理由についてお答えください。
 次に、本市では設計と施工を一括して発注する場合は、本件のように総合評価競争入札を採用しないでプロポーザル・デザインビルドを採用するのか、お答えください。
 変わって第2の予定価格の設定についてお尋ねいたします。
 今回、提案書を提出した2社からの見積もりを見ると、契約の相手方は予定価格と同額であり、もう1社は予定価格の4倍から5倍の見積額になっております。また、随意契約であるので落札率100%という表現は適当ではないかもしれませんが、提案額イコール予定価格イコール契約金額となっていると思われます。この結果を受けてお尋ねいたします。
 予定価格は、プロポーザル・デザインビルドの事務手順上どの段階で設定しているのか、お答えください。また、設計金額の事前公表をしていたのか、お答えください。
 次に、技術提案型の本件の場合、予定価格の設定はどのように行うのか、お答えください。
 続きまして、提案額及び評価についてお尋ねをいたします。
 見積もりに応じた2社の提案額について、四、五倍の開きがあります。このことは、提案のボリュームと価格は通常比例すると考えられますので、提案内容にも大きく開きがあったと推測されますし、ご答弁でもあったかと思います。
 そこでまず、提案についての評価は予定価格を上回っている場合についても行うのか、お答えいただきたいと思います。
 次に、予定価格を四、五倍も上回る提案をされたことから、昨日も議論の中にあったと思いますが、本市の工事分もしくは説明書において、提案の範囲もしくは求める水準が理解されていなかった可能性があります。同じ提案の範囲、水準で競争性を発揮させなければ、今回のように2社が提案に応じながら、実際には競争になっていないような形で終わってしまいます。したがいまして、提案の範囲、要求水準等を工事説明書で明らかにしていたと判断しているのか、お答えください。
 続きまして、第4の共同企業体の入札参加についてお尋ねをいたします。
 本件は、共同企業体と単独企業が混在して入札に参加しております。そもそも共同企業体による発注は、建設事業者の施工能力、経営力の向上及び受注機会の拡大のため行うものと理解しております。当該工事についてこの要件に合致しているなら、すべての参加者は共同企業体になるものと考えます。つまり、単独企業との混在はおかしいと思います。また、市川市の共同企業体発注基準においては、3億円以上が原則共同企業体での発注となっていることから、本件は原則要件を満たしません。つまり、市長が共同企業体による共同施工を特に認める場合例外でありますが、であれば、参加資格は共同企業体のみとなり、逆に原則を適用すれば、3億円未満の工事であることから共同企業体への発注は行えないことになります。
 このことについて、どのような整理を行って単独企業と共同企業体の混在する参加資格を設けたのか、お答えください。
 変わって第5の仮契約の締結の時期についてお尋ねをいたします。
 本件は、設計と施工を一括発注する方法で請負者を募集し、契約の相手方を特定しております。このため、平成18年度に債務負担行為を設定し、これに基づき平成18年度中に予約書を交わしております。私は、この予約書の段階で市に契約義務が生じることから、予約書にかえて仮契約を締結し、議会に付すべきであると思います。このことに関してお伺いをいたします。
 まず、予約書の内容及びなぜ予約書という形式をとるのか、お答えください。
 次に、予約書を交わした時点で議会に付すことはできなかったのか、お答えください。
 以上、1回目の質疑とさせていただきまして、ご答弁によりまして再質疑させていただきます。
○松井 努議長 答弁を求めます。
 管財部長。
○中台久之管財部長 大きく5点のご質疑にお答えをいたします。
 初めに、総合評価入札を採用しなかった理由についてでありますが、ご質疑者も言われますように、プロポーザル・デザインビルド方式と総合評価競争入札方式の高度技術提案型は類似するものでありますが、高度技術提案型は、入札による設計施工一括契約であるのに対しまして、PDB方式では、技術審査選定委員会で特定された事業者と設計と施工をおのおの契約をするところに違いがございます。総合評価競争入札方式の概要については、先順位者のご質疑と重複いたしますが、この方式は価格のみの競争ではなく、価格と価格以外の要素を評価し、最も評価の高い者を落札者とするものでありますが、この方式は、大きく簡易型、標準型、高度技術提案型に分類されておりますが、現在本市で採用しておりますのは、簡易型もしくは標準型と言われるものであります。施工上の技術的な提案に対しての評価を行うものであります。
 これに対しまして高度技術提案型は、構造上の工夫や特殊な施工方法等を含む高度な技術提案を求めることによりまして、民間企業のすぐれた技術力を活用し、公共工事の品質をより高めることを期待する場合に適用するものであり、この高度技術提案型の採用では、発注者が標準案を作成することができない場合や、複数の候補者があり、標準案を作成せずに幅広い提案を求めることが適切な場合について、施工設計一括発注方式を適用し、技術提案の評価に価格の評価を加えて落札者を決定するものでございます。
 この高度技術提案型の採用は、国土交通省でもまだ実施例が少なく、ダム工事や橋梁等の高度な技術力を要求される大規模な事業に採用されているにすぎませんし、地方自治体ではほとんど実施されていないのが現状だと思われます。なお、総合評価競争入札方式は、平成17年4月に施行されました公共工事の品質確保の促進に関する法律をもとに、総合評価方式活用検討委員会が設置されまして、平成17年9月に公共工事における総合評価方式活用ガイドラインが取りまとめられております。また、高度技術提案型につきましては、平成18年4月に高度技術提案型総合評価方式の手続についてが取りまとめられ、平成19年3月に高度技術提案型の詳細なガイドラインが定められたばかりであり、まだ新しい手法でございます。
 次に、総合評価方式とプロポーザル・デザインビルド方式との採用方針についてでありますが、両方式は、評価方法に違いがございます。総合評価方式は、発注者側で評価基準の作成と評価点の採点を行い、外部、学識経験者の意見聴取を行い決定するのに対しまして、プロポーザル・デザインビルド方式では、評価基準は発注者で作成しますが、市が設置しました外部学識経験者を交えました技術審査選定委員会で検討し決定しており、評価点は委員会に所属する委員が採点して決定するところに総合評価方式との違いがございます。
 プロポーザル方式は、技術提案の内容以外に技術審査選定委員会でヒアリングを実施して、技術者の能力も評価した中で決定していこうとするものですが、耐震補強は建物の安全を確保することが最優先すべき事項でありますので、構造設計者の能力をはかることが重要と考えて採用しております。
 このように、総合評価競争入札方式とプロポーザル・デザインビルド方式ではそれぞれの特徴がございますので、総合評価競争入札方式による高度技術提案型の研究と、プロポーザル・デザインビルド方式についてもさらなる研究を重ねてまいりたいというふうに考えております。
 次に、プロポーザル・デザインビルドの事務の手続上の予定価格の設定時期についてのお尋ねでございますが、本事業は、設計業務委託契約をしようとするときと、設計業務委託完了後、工事請負契約をしようとするときに予定価格を作成いたします。なお、設計金額の事前公表はしてございません。
 次に、予定価格の設定はどのように行うのかについてでございますが、予定価格の決定につきましては、市川市財務規則98条第2項で、入札に付する事項の取引の実例価格、需給の状況、履行の難易、数量の多少、履行期間等を考慮して公正に決定しなければならないと定められておりますので、本事業では、特定された事業から提案された設計数量を精査し、また、見積単価は本市で採用しております工事標準単価と比較、精査し、その妥当性を確認した上で、この見積額を予定価格としております。
 続きまして、予定価格を上回っている場合の評価についてでございますが、事業者を決定するための評価につきましては、技術提案の評価に価格の評価を加え決定いたしますが、事業者から見積もりを聴取する時点では技術提案の評価が済んでおりますので、予定価格を上回った場合でも評価はされております。
 続きまして、要求水準についての公示、説明についてでありますが、本事業の公示に際しましては、参加事業者に求める提案内容の条件は、発注仕様書で当該建築物の安全確保を前提として、市庁舎としての特殊性を考慮した補強材の配置計画及び現状建物の機能維持、景観、環境への配慮にも留意した設計をすることの総括的な事項と、具体的な内容といたしましては、安全性の確保について、阪神・淡路クラスの地震を基準といたしております構造耐震指標値の1.5倍以上の安全性を確保すること、本建物への採用工法の条件として、施設を利用しながら施工が可能なものであり、内部改修が極力伴わない、外側から施工する耐震補強を原則とし、例外的に部分的な内部補強も認める等の記述をしております。事業参加者に比較的自由な発想で提案できる内容としております。これは、プロポーザル・デザインビルド方式が民間の保有する最新の技術力の有効活用を図ることを目的としているため、各建設業者やメーカーが種々独自に開発しております工法の採用を主眼といたしまして、さまざまな技術提案を求めようとするものでございます。
 続きまして、共同企業体の入札参加についてでございますが、本事業は、耐震補強について設計と工事を一括して請け負わせるプロポーザル・デザインビルド方式としたため、参加事業者は特殊工法を持っている事業者が単独で参加することを想定しておりましたが、このような工法を持っている事業者は全国の中堅クラス以上が多く、市内業者が参加するには難しい状況にございます。工事実績、技術の習熟、移転など、市内業者育成の観点から共同企業体の参加も可能としたものでございます。
 ご質疑者がご指摘のように、市川市特定建設工事共同企業体発注基準によりますと、原則としまして建築工事は3億円以上の技術的難易度の高い工事となっておりますが、耐震補強は今後も継続的に行われるため、経験を積むことで市内業者も単独で参加できるよう、同基準第3項第2号を適用して今回参加させたものでございます。
 続きまして、予約という形式についてでございますが、プロポーザル・デザインビルド方式は、設計と施工をおのおの契約することとしているため、事業者の特定後、設計業務委託契約を締結し、設計業務委託完了後に工事請負契約を締結するわけですが、その間空白期間が生じることになります。その空白期間を担保するため、予約書を取り交わします。これは、空白期間中に事業者に不測の事態が生じるなど、万一のときに市が不利益をこうむらないよう考えて予約書を締結するものでございます。
 最後に、予約書を交わした時点で議会に付することができないかについてでございますが、まず、予約書の有効期間についてご説明いたしますと、設計業務委託の完了検査合格通知のあった日に効力が発生しまして、工事請負締結をした日に効力を失います。このため、予約書の取り交わす時期は設計業務委託完了前に行うこととしており、本事業では平成19年7月24日に取り交わしておりますので、直近の議会に提案することから、今回の議会の提案となったものでございます。
 以上でございます。
○松井 努議長 坂下議員。
○坂下しげき議員 ご答弁ありがとうございました。前議会の質疑においても得心できなかったのは、同じ市川市の発注でありながら、総合評価競争入札方式とプロポーザル・デザインビルドという2つの契約方法を採用しているという点であります。そして、プロポーザル・デザインビルドを肯定すればするほど、総合評価を否定しているように感じることであります。さらに、市川市は工事請負について全件入札に移行する旨の報道をしている一方で、随意契約を行っているということなんです。PDBは、随意契約でも競争性、透明性を高めている点はありますが、これは総合評価をまだ採用していないときの話であります。初めの質疑で申し上げたように、総合評価の一番よいところが発揮される高度技術提案型の工事案件において総合評価を行っていないことも、市としての発注スタンスが確立していない状況をあらわしていると思うわけであります。
 プロポーザル・デザインビルドにおいて、価格に関する評価も理解に苦しむ部分であります。予定価格の設定、提案の範囲についてご答弁がありましたが、疑問が残るところであります。そして、随意契約なので見積価格は評価の一部分にすぎないということが公共工事の調達としてベストであるのかどうか、判断に迷うところであります。このようなことを踏まえて、契約方法を提案、評価、予定価格等について再質疑をさせていただきます。
 プロポーザル・デザインビルドを採用した理由として、構造設計者の能力をはかることが重要と考えて採用したということでありますが、しかし、総合評価でもより客観的に技術者の能力を評価することができます。このことについて、総合評価の技術者の評価と異なる点は何か、お答えください。
 また、構造設計者の能力をはかることがプロポーザル・デザインビルドを採用する要因とすると、技術者の能力が市の要求水準を満たさない場合には失格にするなどの資格要件もしくは評価基準が必要になると思いますが、そのような基準は設定しているのか、お答えください。
 設計と施工をおのおの契約することにプロポーザル・デザインビルドの特徴があるとのことでありますが、設計施工一括発注の本件請負契約の目的物は、設計書ではなく耐震工事そのものであります。つまり、一括発注における設計は、工事という最終成果物をつくるための過程にすぎないと思います。設計と施行を契約上も予算上も分けないで、1本で行ったほうがむしろ効率的であると思います。なぜ設計と施行部分を分離しなければならないのか、お答えください。
 それから、設計及び施工について、本件で言うと平成18年度に設計の契約をしたときに、予約書ではなく一括して仮契約を締結することができないのか、お答えをいただきたいと思います。
 そして、先順位者も質疑されておりましたが、水準についてですが、技術提案を競えるように要求水準の明確化または目安となる予算額等を事前に公表するなどの工夫を行っていただきたい、これは要望とさせていただきます。
 今後、プロポーザル・デザインビルドでの工事、これは何件あと発注するのか、お答えいただきたいと思います。
 以上です。
○松井 努議長 管財部長。
○中台久之管財部長 何点かのご質疑にお答えいたします。
 初めに、総合評価方式の技術者の評価と、プロポーザルの技術者の評価の違いについてでございますが、構造設計者の能力につきましては、客観的に評価するものとして、総合評価方式では設計者の経験、実績や資格等により評価することになろうかと思いますが、本方式においてもこの客観的評価は取り入れております。しかしながら、構造設計者の能力は、客観的評価でははかれないところがございますので、技術提案に対しての構造設計者の考え方が重要な要素となっておりますので、技術審査選定委員会でヒアリングを行った中で、構造設計者の能力をはかることとしております。
 次に、要求水準を満たさない場合の取り扱いについてでございますが、評価基準に基づきということですが、さきにご説明いたしましたように、構造設計者の能力は技術審査選定委員会のヒアリングにおいて審査することとなりますが、市が公示する際に定める発注仕様書の要求水準では、建築物の安全確保、補強材の配置計画等、要求水準を満たさない場合は失格とするとしており、技術提案や構造設計者の考え方が要求水準を満たしていないと技術審査選定委員会で判断した場合は改善を求め、その改善がなされない場合は失格となるものでございます。
 続きまして、設計と施行を分離発注しなければならないかについてでありますが、事業者を決定する際に提出させる設計図面や見積書は詳細なものでないため、この時点に設計と施工を一括で契約しようとしますと、詳細な工事費を確定し得ない段階での契約となるため、施工部分の契約は初めから変更を前提とした契約となってしまうというふうになります。
 続きまして、次に、仮契約の時期についてのご質疑ですが、予約書締結時点での仮契約は、設計完了時に提出される詳細見積もりの積算金額を予定価格としておりますので、設計業務が完了し、完了検査を受け、合格とならなければ、工事請負契約の手続に入ることができないため、仮契約要件である工事請負金額が確定できないので、仮契約の締結は難しいものと考えております。
 続きまして、プロポーザル・デザインビルドの今後の発注件数についてでございますが、プロポーザル・デザインビルド方式のメリットを生かせると判断した場合には、件数にこだわらず採用を視野に入れたいと考えますが、既にご質疑にあったように、総合評価競争入札についても研究を重ね、最少の経費で最大の効果が期待できる手法を選択してまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○松井 努議長 坂下しげき議員。
○坂下しげき議員 ご答弁ありがとうございました。
 設計と施工にかかわる一括契約についてご答弁をいただきましたが、設計委託による成果物、市が取得したいものは何でしょうか。耐震補強については、特許等に係る部分が大きいと思われるので、設計の成果物として設計図書をもらっても、設計に書かれている権限自体を譲渡されないと余り意味がないと思います。通常の設計委託は工事を別業者が行うことから、委託によって得た設計書をもとに別の発注をするので、設計書という成果物を目的とするわけであります。今回の案件の請負目的は設計図書を取得することではなく、設計図書をもとにつくられた工事目的物、つまり補強後の建物自体にあるわけであります。これが市が請負契約において成果物として望んでいると思われるわけでありますが、いかがでしょうか。ということから、契約を分ける必要性について、再度端的にお答えいただきたいと思います。
○松井 努議長 答弁求めます。
 管財部長。
○中台久之管財部長 プロポーザル・デザインビルド方式の性格上、当初に設計と施工を一括で募集して決定する、その段階ではまだはっきり詳細設計ができていませんので、最終的な価格を幾らにするかということは決められないわけです。先ほど申し上げましたように、変更契約を前提とするのであれば、そういうことも可能と思います。
 以上でございます。
○松井 努議長 以上で通告による質疑は終わりました。
 これをもって質疑を終結いたします。


○松井 努議長 日程第2議案第26号美術資料の取得についてを議題といたします。
 提出者から提案理由の説明を求めます。
 文化国際部長。
〔能村研三文化国際部長登壇〕
○能村研三文化国際部長 議案第26号美術資料の取得について、提案理由をご説明いたします。
 本案は、既定予算に基づき、市川市東山魁夷記念館の展示用収蔵品として、東山魁夷画伯の作品を1点、7,875万円で取得しようとするもので、去る7月27日に相手方と物品供給仮契約を締結いたしましたことから、市川市議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第3条の規定により提案するものでございます。
 よろしくご審議のほどお願いいたします。
○松井 努議長 これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、発言を許します。
 坂下しげき議員。
○坂下しげき議員 続きまして、新政クラブの坂下しげきでございます。通告に従いまして、議案第26号美術資料の取得について、大きく4点質疑をさせていただきます。
 まず、当該美術資料の取得に至った経緯についてお答えください。
 次に、契約の相手方についてお尋ねをいたします。
 契約の相手方は清算人となっております。つまり、清算会社の代表者であります。このことについて、現在当該法人は会社の解散に向けてどのような段階にあるのか、お答えください。
 次に、設計金額及び予定価格の積算または契約金額の妥当性についてお尋ねいたします。
 当該美術資料の取得に係る設計金額及び予定価格についてお答えください。また、積算についてはどのような方法がとられているのか、お答えください。
 次に、契約内容についてお尋ねいたします。
 当該売買契約によって本市に帰属する権利はどのようなものがあるのか、お答えをください。
 以上、1回目の質疑とさせていただきまして、ご答弁によりまして再質疑させていただきます。
○松井 努議長 答弁を求めます。
 文化国際部長。
○能村研三文化国際部長 美術資料の取得についてのご質疑にお答えいたします。
 まず、取得に至った経緯についてでございます。東山魁夷記念館では、展示用収蔵作品をふやしていくために、本年度当初予算において画伯の作品購入費を措置させていただきました。東山画伯の作品は、ほとんどが美術館や企業、個人収集家などおさまるところにおさまっており、代表的な作品が市場に出回ることは非常にまれな状況にあります。特に、大型の作品は既に美術館に収蔵されております。当初、取得を予定しておりました作品は、化粧品会社のカネボウ株式会社が所有しているものであり、17年10月の東山魁夷記念館開設当初から本市に寄託され、これまで記念館の通常展や企画展で公開し、広く市民の皆様に鑑賞していただいておりましたことから、この寄託作品の購入を予定しておりました。
 相手方と作品の取得に向けて具体的な交渉を進めている中で、先方より、当社が所有している東山作品の中で一番大切にしている作品、「緑映」を手放すことになった。この作品は、特にカネボウ株式会社が画伯に依頼して製作していただいたもので、社内でも思い入れがあることから、オークション等の競売で第三者に譲るのではなく、ぜひ公立の美術館におさめて広く一般の方に見ていただきたいと考えている。ついては、条件が折り合えば、画伯との縁が深い東山魁夷記念館で購入していただけないかとの申し出がありました。
 この「緑映」は、カネボウ株式会社が研修施設の落成記念に特に画伯に製作を依頼し、1988年に製作され、長野県の蓼科高原の御射鹿池を描いた風景画です。大きさは、縦85.2㎝、横130.3㎝で、60号の作品で、画伯の代表的な色彩である青の世界で描かれており、大きな魅力が感じられる作品であります。収集するに当たり、市川市美術収集審査会を開催し、日本画の評価を専門とする審査会委員の方からご意見をいただき、購入することにしたものでございます。
 次に、契約の相手方の海岸ベルマネジメント株式会社についてでございます。今回購入する「緑映」を所有していたカネボウ株式会社は、ご承知のように6月30日に会社を解散し、7月1日に社名を海岸ベルマネジメント株式会社に変更して清算手続を進めることになりました。旧カネボウ株式会社が所有していた美術品を含む財産管理、処分等につきましては、今後同社が行うことになります。このため、今回契約の相手も同社となったものでございます。現在、同社は清算手続を進めているところですが、清算の事務が残っているため、まだ相当の期間がかかると伺っております。
 次に、設計金額、予定金額の積算及び契約金額の妥当性についてでございます。絵画作品には、そもそも定価というものはありませんので、相対契約、これはつまり売り手と買い手の合意の中で、譲渡価格の合意をもって成立することになります。今回の予定価格算出に当たっては、市川市物品購入予定価格算出事務取扱要領により、指名業者から示された事前見積価格を基本としたもので、すなわち相手から示された価格を予定価格としたものでございます。
 また、提示額は高いのか安いのかということで、美術資料の適正化、公平化を図るためには、こういった第三者機関による、専門家による市川市美術収集審査会というものをつくっておりますが、ここで各委員のご意見をいただき、この審査会で記念館にふさわしい美術品であるか、また、芸術性及び真贋を審査していただくものでございます。
 次に、契約の内容についてでございます。この契約により市に帰属する権利といたしましては、所有権は市に帰属いたしますが、他の美術館と同様に、著作権につきましては今後とも作家本人、つまり東山家に帰属することになります。
 以上でございます。
○松井 努議長 坂下議員。
○坂下しげき議員 ご答弁ありがとうございました。
 美術資料の取得に係る契約の特殊性はよくわかったわけであります。しかし、特殊な美術資料の取得とはいえ、地方公共団体の物件の調達は、地方自治法財務規則等の関係法令に基づいて行うことは当然であります。これに法令上例外はありません。また、美術資料の取得であっても公共の調達であることから、公正、透明性を発揮し、市民利益の最大化を図るために、最少の経費で最大の効果を上げるように努める必要があります。特殊なものであれば、その許す状況の範囲内で最少の経費となるよう努めるということであります。
 美術資料の取得価格については、社会状況などにより大きく変動し、契約の相手方も特定されることから、適正価格を一概に論じることも難しく、判断も難しいと思います。しかし、適正価格の判断が難しいからこそ、一層の説明責任を果たしていかなければならないと思います。
 そこで、何点か再質疑をさせていただきます。
 取得に至るまでの経緯についてご答弁をいただきましたが、契約のポイントとなる相手からの美術品の譲渡に関する申し入れの時期及び美術品収集審査会の開催の時期についてお答えいただきたいと思います。
 ご答弁にありました美術品収集審査会は、どのような機関であるのかお答えください。
 また、その審査会での意見についてお答えください。
 当該美術資料については、臨時株主総会等で財産目録にあるものまたは清算事務報告書の承認を受けたものであるのかどうか、お答えをください。
 また、ご答弁にありました予定価格算定要領について、詳しくお答えください。特に、相手方の提示価格を予定価格とすることの基準部分についてお答えをいただきたいと思います。
 また、絵画購入には定価はなく、相対で契約が成立するものであるとのことでしたが、公共調達において予定価格は作成する必要があります。そして、このような調達であっても、市場等の状況を勘案して市としての予定価格、つまり提示価格と比較する予定価格を作成するべきであると思います。このことについてどのようにお考えなのか、お答えください。
 そして、著作権が東山家に帰属するということでしたが、このことによって美術品の利用に関してさまざまな制限が加わると思います。したがいまして、市としては当該美術資料を展示するほか、どのような用途で利用することを考えているのか、お答えをいただきたいと思います。
 以上、再質疑とさせていただきます。
○松井 努議長 文化国際部長。
○能村研三文化国際部長 大きく4点のご質疑だと思いますが、私の方から3点ご質疑にお答えさせていただきます。
 まず最初の美術収集審査会についてでございますが、この審査会というのは、市の美術館等に収蔵する美術資料の収集に関して必要な事項を検討する組織であります。検討していただく内容は、取得の予定作品の評価並びに価格の評価、また、さらには東山魁夷記念館にとってふさわしい作品であるかどうかの適合性、それからまた芸術性及び真贋性を公正な判断のもとに審査していただくものでございます。
 次に、ご質疑の審査での各委員から出たご意見の主なものをご紹介しますと、まず、作品の評価につきましては、この作品は自然を讃歌していた画伯の心をよくあらわし、この作品を通じて自然を大切にするという気持ちを次世代に伝えることができる、市川市ならではの作品として代表的な作品になるでしょう、また、この図柄はほかにもないもので、どこにも発表されていないからこそ、この作品を文化資源として記念館に収蔵することは大いに意義があるというご意見をいただきました。また、価格につきましては、画伯の絵画の特徴である群青を中心とした自然を描いた作品を手に入れる機会が少なく、ほとんど市場に出回らない、この機会を大切にするべきだ、価格も、近年の落札価格から見ても破格の値段であるとのご意見をいただきました。
 次に、この美術資料が仮契約先の海岸ベルマネジメント株式会社の財産目録にあるかというご質疑でございますが、確認しましたところ、同社に登録されているということでございます。また、清算にはまだかなりの時間を要するということでございます。また、予定価格の算定につきましては、管財部のほうでお答えさせていただきます。お願いいたします。
 また、次に、この美術品資料の展示以外の用途の利用でございますが、著作権者である東山家の承諾を得て、絵はがき、クリアファイル、額絵など、記念館のオリジナルグッズを制作し、ミュージアムショップで販売が可能となります。また、美術館の展覧会を開催する際、手持ちの収蔵品だけではなく、他の美術館と作品を相互に貸し借りを行いながら実施することが日常的に行われております。記念館でも、今まで収蔵しております「夏に入る」「ツェレの家」などを貸し出すことによって、国立近代美術館や、長野にあります信濃美術館などから作品を借用して特別展を開催したところでございます。今回、著名な作品を入手することで、より市民の要望に沿った展覧会を開催することができると考えております。
 以上でございます。
○松井 努議長 管財部長。
○中台久之管財部長 私のほうから、ご質疑の提示価格を予定価格とすることの基準についてと、市としての予定価格を作成すべきではないかというご質疑にお答えさせていただきます。
 予定価格の設定につきましては、一般競争入札に関しまして、財務規則第98条と100条に規定がございます。これを受けまして、第110条の指名競争入札、第113条の随意契約におきます予定価格に関しては、一般競争入札の規定を準用するというふうになっております。物品購入についても、公共調達でありますことから、ただいま申し上げました財務規則に基づいているところでありますが、物品の場合には多種多様なため、さらに物品購入予定価格算出事務取扱要領を定めまして、購入物品の類型を実例のある物品か実例のない物品、また定価設定のある物品か定価設定のない物品に分けまして、それぞれの類型に応じて予定価格の算出が適切に行えるようにしております。本件のように、定価設定もなく非常に特殊な物品の購入に当たりましては、過去に同一の物品の購入実例がなく、仕様も違うため、購入価格の目安となるものはほかの作品における取引実例や美術年鑑の参考価格、専門家の鑑定評価価格などを考慮しまして予定価格を定めるものでございます。
 そこで、画伯の作品につきましては、最近の取引実例価格としましては、30号作品が7,200万円であったこと、美術年鑑での参考価格は、10号で8,500万円ということでありました。このようなことから、市場等の状況を勘案しまして、予定価格を作成するには、本件の場合取引実例を用いたとしましても予定価格算出の客観的な根拠が乏しく、売却申し出者からの提示価格と大きく乖離することから、事務取扱要領に基づき指名予定業者――いわゆる売却申し出者ですけれども――からの事前見積価格を予定価格として設定したものでございます。
 以上でございます。
○松井 努議長 文化国際部長。
○能村研三文化国際部長 先ほどちょっと漏れがありましたので、答弁させていただきます。
 カネボウからの申し入れの時期ということでございますが、これは本年の5月25日でございます。
 それから、審査会の開催期日でございますが、これは7月18日でございます。
 以上でございます。
○松井 努議長 坂下議員。
○坂下しげき議員 それぞれご答弁ありがとうございました。何点か伺ってまいりたいと思います。
 この美術品収集審査会について、附属機関と位置づけていないようですが、その理由についてお答えください。そして、その審査会のメンバーをお答えいただきたいと思います。
 それから、相手方からの申し入れ時期が5月25日及び美術品収集審査会の開催の時期が7月18日ということでありましたが、平成19年度に入ってからであります。予算要求は平成18年度中になっているわけであります。いわゆる申し入れ前に予算要求をしていたことになりますが、予算額の設定はどのように行ったのか、お答えください。
 それから、財産目録等の当該美術品の価格がわかれば教えてください。また、カネボウが取得したときの価格がわかれば、お答えいただきたいと思います。
 そして、今適正価格、むしろ市場価格と比べ有利な価格での取得というような説明がありましたが、契約の相手方は清算会社であり、少しでも多くの換金、処分価格にするかと思われます。今後、清算事務報告も株主等に行うわけでありますが、清算会社のさまざまな状況を踏まえた上で提案された価格についてはどのように考えているのか、お答えいただきたいと思います。
 以上でございます。
○松井 努議長 答弁を求めます。
 文化国際部長。
○能村研三文化国際部長 この附属機関に位置づけていないかということでございますけれども、この審査会については要綱がございまして、要綱に基づいてやっております。メンバーについては、中島宏さんという方で、この方は、先ほども申し上げました横浜市立美術館、福井県立美術館、東京国立博物館等の美術評価委員もなさっておりまして、この東山魁夷画伯の絵に非常に造詣の深い方でございます。もう一方は、市川市美術収集委員会の委員として川口直宜さんという方で、泉屋博古美術館の分館の館長さんを務めていらっしゃる方で、非常に東山魁夷作品に精通している方でございます。もう1人は、私、文化国際部長が務めましたが、私のほうは専門的な知識はございませんので、いろいろそういった意見を拝聴するという立場で参加をさせていただきました。
 また、清算人であるからいろんな処分に対して、非常に価格について向こうがシビアであるのではないかということでご質疑がありましたけれども、私のほうは、そういったたまたまいろいろカネボウのほうが海岸ベルマネジメントに変わったということでございますので、それについては私のほうも信頼を置いた交渉ができたというふうに認識しております。
 以上でございます。
○松井 努議長 坂下議員。
○坂下しげき議員 答弁漏れなんですが、財産目録等の当該美術品の価格がわかればお答えいただきたい。それから、カネボウが取得したときの価格がわかればお答えいただきたい、この2点について答弁漏れがありますので、まずそれを伺いたいと思います。
○松井 努議長 答えられますか。
 部長。
○能村研三文化国際部長 申しわけございませんが、財産目録についてはちょっと不明でございます。手持ちがございません。また、カネボウが最初に購入した価格についても、ちょっと不明でございます。申しわけございません。
○松井 努議長 坂下議員。
○坂下しげき議員 わかりました。絵画のような特殊な調達であっても、守るべき公共調達のスタンスというものを外してはいけないと思います。美術品の取得については、今後もあることだと思います。今回、設計金額もしくは予定価格の設定について幾つか質疑をさせていただきましたが、このようなさまざまな情報やルールの中でしっかり設計していただきたいと思うわけであります。
 また、美術品収集審査会という機関もあります。美術品取得の際の設計金額の基本的なつくり方など、契約の一定ルールをつくり進めていただきたいと思うわけであります。
 また、審査会などで著作権の制限を一部緩和できるような契約方法を検討し、取得した美術品を最大限利用できるようにしていただきたいと思います。
 以上でございます。
○松井 努議長 鈴木啓一議員。
○鈴木啓一議員 市川希望の会の鈴木啓一です。議案第26号美術資料の取得について質疑いたします。
 美術資料取得のあり方について。
 市川市名誉市民第1号の東山魁夷画伯の偉大な業績を顕彰するため、平成17年11月に東山魁夷記念館が開館し、2年が経過しようとしています。私は、視察や研修等、地域の美術館を訪ね、地域ゆかりの作家にちなんだ美術の収蔵品を見てまいりました。そこで、今回の美術資料の取得について伺います。
 かねてから美術資料の取得について疑問を抱いています。先ほど同僚議員が言いました相対契約、関係ないけれども、市場でも競りはほとんどやらなくて、相対契約をやっているでしょう。だから疑問を抱いているわけであります。価格の妥当性について、透明性や公平性に欠けるのではないかと考えています。契約先の言い値で決定されているのではないか、客観的な評価が乏しいのではないかと思います。例えば、契約に当たって何人かのいわゆる鑑定人などを選定し、鑑定額を決定し、それを基準として契約していく方法などが考えられないか、伺います。
○松井 努議長 答弁を求めます。
 文化国際部長。
○能村研三文化国際部長 美術資料取得のあり方についてのご質疑にお答えいたします。
 作品の評価と価格の妥当性につきましては、美術専門家2人による市川美術品収集審査会のご意見を参考にして決定しているものでございます。美術品評価の専門員の1人は、今先順位者にもお答えしましたが中島宏委員で、横浜市立美術館、東京国立博物館、福井県立美術館の美術評価委員など、公立美術館の美術購入に係る審査にかかわられ、美術品評価のエキスパートであります。もう1人の方は、住友系美術館として有名な、東京にあります泉屋博古分館長の川口直宜委員で、この方は、美術品に対する高い見識をお持ちになっている方で、特に東山魁夷作品についても若いころから研究され精通していること、また、現場において美術品の購入にも何度となく携わった経験をお持ちの方でございます。今回の審査会では、「緑映」の作品としての内容の評価、市場での流通価格の評価等についていろいろご意見をいただいたところでございます。
 そこで、価格につきましては、この作品は60号であり、日展出品クラスである、また、画伯の作品60号で7,875万円は破格の値段である、もしこの作品がオークションにかけられたら、その落札価格は2億円近くにもなるだろうとのことでありました。また、昨年東山ブルーということで、30号の画伯の作品が7,200万円で購入された例もあり、それから見ても、この価格はリーズナブル、お買い得とのご意見をいただきました。
 また、今後の作品取得につきましては、第三者機関である収集審査会に諮りながら、その意見を尊重し、適正な価格での収集に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○松井 努議長 終わりました。
 鈴木議員。
○鈴木啓一議員 今の答弁なんですが、議案第26号美術資料の取得について伺ったわけですが、これは、今のやつは東山ブルーじゃないんじゃないですか。今、ブルーと言ったよね、30号、7,200万円。これは、ブルーじゃないからブルーのやつを買いたいと言ったのじゃないですか。そこのところを聞き逃したので、ちょっとそこのところだけ。東山ブルーで、30号の画伯の作品が7,200万円と今言ったので、ちょっとあれっと思ったんですけれども。
 それから、カネボウからの寄託作品、これは東山魁夷記念館に3点ありますよね。たしか平成17年から期限なしで年一、二回展示されておると思いますけれども、なぜこの3点が選定されないで、この「緑映」になったのか、伺います。
 以上。
○松井 努議長 文化国際部長。
○能村研三文化国際部長 ただいまご指摘いただいた東山ブルーではない作品だからこそ、今のご指摘のとおり、ブルーではない作品であるからこそ、7,200万円で購入されたということでございます。ちょっと訂正させていただきます。
 それから次に、カネボウからの寄託作品をなぜ選定せずに、この「緑映」になったのかということでございます。作品の選定については、当初予定していた寄託作品ではなく「緑映」の購入となりましたのは、カネボウとの交渉経過の過程でカネボウ側からお話があり、選定したものであります。また、この「緑映」は、画伯の代表的な東山ブルーということで、東山魁夷記念館へ行かれた方はご存知だと思いますけれども、1階の展示室にいろいろ岩絵の具というものが飾ってございますけれども、周りが緑や青ということで、これが東山ブルーと言われるものでございますけれども、いわゆる鮮明な群青の濃淡で描かれた60号の大作であります。
 東山魁夷記念館には、画伯の代表的な色彩である青の世界の作品は、文化会館のどんちょうの下絵となった「緑の微風」、これは40号で1点しかなく、来館者の方からも画伯の青の本画を鑑賞したいとの要望も多く、来館者の満足度を高めるためにも、この作品に大きな魅力を感じております。作品の大きさからも、公立の記念館の収蔵品にふさわしいものとして購入することになったものでございます。
 以上でございます。
○松井 努議長 鈴木議員。
○鈴木啓一議員 私はちょっと素人なものだから、7,875万か、オークションにかけると2億なんて言うんですよね。それじゃお買い得だと思いますよね、だれでも。でも、私はオークションは信用していないんですよ。オークションは、皆さんもご案内のとおり、もう値をつり上げるための場ですから、ここでオークションなんて言われちゃうと、ちょっと私のほうも。2億すれば私だって買いたいですよ、あっという間に2億じゃ。それで、「夏に入る」のときも5,000万でお買い得だと言ってね。みんなお買い得なんですよ。だから、ここのところは、同僚議員も言っていましたけれども、ここの42人の議員さんもそうですけれども、やっぱり審査会もわかりますけれども、外部の鑑定人を入れて、方法を研究してもらいたいと私は思っています。
 それから、長野県の東山魁夷館は、東山画伯から約750点の作品の寄贈を受け、平成2年4月に開館。750点ですよ。現在は約900点を収蔵。それで、長野県は、子供たちにももっと美術館を身近に感じてほしいと、学校からの申し出があれば無料で見学させてくれると。子供用のパンフレットも用意されている。それから、香川県東山魁夷せとうち美術館。坂出で、瀬戸内海のもう風光明媚なところにできましたよね。せとうちは、香川県東山魁夷画伯の祖父が坂出市出身、ご遺族より版画作品270点余の寄贈を受け、広く鑑賞していただくため、香川県立東山魁夷せとうち美術館、瀬戸大橋が眼前に広がり、万葉のロマン漂う歴史的遺産や瀬戸内海の美しい自然に囲まれ、心のいやしや憩いの場となる美術館ですと。それとまた、小さいけれども岐阜にもありますよね。中津川、これは余り作品がないですけれども、何か東山魁夷画伯の卒業証書があるということで、2回ばかりですか、市川市は借りましたよね。一、二回展示されたのを私は見たな。
 そういう中で、やはり来館者が喜んでいただけるよう工夫してほしいわけですね。長野の東山魁夷館、こんな作品があって、それからせとうちには、行ったときでも、市川市から借りているみたいですよね、二、三回だか二回だかよくあれですけれども、借りているみたいですね。貸しているのか、貸してもらっていると言ったな。長野の東山魁夷館のほうは市川市が2回借りているということ、それで、岐阜の中津川は卒業証書を借りたことがあるということなので、ぜひこの美術資料については連携してやっていただきたいと思います。
 それで、また作品が高い中、せとうち、同僚議員が行ったことがあると思いますけれども、大型液晶モニター、映像ギャラリーというんですよ。今、パナソニックもセイコーエプソンもすごいんですね。それを押すだけで、大型画面に作品が映し出されるんですよ。全く作品の現物を見ているのと同じぐらい精巧なんですね、全く。全部中に入っているんです。それも、瀬戸内のああいう光が当たっても全然ぶれない、明るいところで見られる。そういう方向でも少し考えていただいて、ただ作品がこれだけある中で、きちんと、なお一層連携してやっていただきたいと思うんですけれども、その点だけ伺って終わります。
○松井 努議長 文化国際部長。
○能村研三文化国際部長 今回、「緑映」という作品を7,875万円で購入させていただくわけですが、こういったものを本当に高いお金で買うわけでございますから、市民のためにもいろいろ幅広い活用というものも考えていきたいと思っております。
 また、今ご質疑者からご指摘がありました、瀬戸内の東山魁夷美術館とか、信濃の東山魁夷美術館とか、それから岐阜の中津川にあります美術館とか、こういったところとも、こういった作品があることで非常に連携が図りやすくなるということもございます。一層の努力をして、またこういったところと連携して、美術品を1つ展示をするというだけではなく、さらなる工夫を重ねて努力をしてまいりたいと思っておりますので、ご理解いただきたいと思います。よろしくお願いします。
○鈴木啓一議員 結構です。
○松井 努議長 並木まき議員。
○並木まき議員 市川希望の会の並木まきでございます。通告に従いまして、議案第26号美術資料の取得について質疑をさせていただきます。先順位者が質疑をなさいまして、ご答弁で出てきている部分もかなりございますので、私からの質疑は重複のないように行いたいと思います。
 まず、私は、本市は文化都市の実現に向けて、全国の自治体の中でも文化振興への取り組みを積極的に行っている自治体であると認識をしている上でお尋ねさせていただきます。こういった経緯を踏まえながらですが、本市の誇る文化勲章を受賞なさったお1人である東山魁夷画伯の記念館、これが本市に開館したことは、今後の本市のさらなる芸術文化分野での発展にとっても大変に意味のあることであると考えておりますし、今後さらにこの記念館事業というものを活性化させていくべきであると考えております。
 そこで、今回はこの「緑映」の取得契約でございますが、まず、今回のこの絵画取得の経緯について、これは先順位者による質疑とご答弁がございましたけれども、私の質疑でさらなる具体的な時系列等も含めてお答えいただきたいと思っております。
 先ほど、最初にカネボウ側からの申し入れが5月25日、そして審査会が7月18日に行われたというふうに先順位者のご答弁でいただきましたが、この「緑映」を取得するに当たって、先ほどおっしゃっていた2日間のみしか形式的な手続が行われていないのかどうか、つまり、最初にこのお話が出てから実際にこの仮契約を結ぶまでに審査会が何度開かれたのか、または、審査会でなくとも何らか内部で検討するような会議が持たれたのか、こういったようなことについても具体的にお答えをお願いいたします。
 そして、さらにこの「緑映」の取得契約経緯をお伺いしている点を踏まえた上でお尋ねいたしますが、先ほどのように文化振興を積極的に行っている本市において、この美術品を取得するということについての考え方をお答え願いたいと思います。
 それから2点目でございますが、これは1点目でお伺いをした考え方の部分にも関係いたしますけれども、先ほど先順位者の質疑の中でありましたが、予算要求が平成18年度中に行われていて、そして別で伺ったところによりますと、こういった取得のお金というのは一般会計から出ているというふうにお伺いいたしておりますが、この美術品を取得していくに当たって、本市の今後の美術品の取得の見通し、つまり記念館を芸術的な観点から見ていけば、やはり計画的にどのような作風の作品がどのぐらい必要でというような大まかな計画がございますかと思いますが、そういったものがあればお答えをお願いいたします。
 そして、それに対する予算の組み方ですとか取得の方法についても、どのようなものが選択肢として挙がっているのか、お答えをお願いいたします。
 以上、2点を最初の質疑とさせていただきます。
○松井 努議長 文化国際部長。
○能村研三文化国際部長 美術品の取得の考え方についてのご質疑にお答えいたします。先順位者にも取得の経緯についてはお答えしているところでございますけれども、さらなる時系列的にということでございますので、その観点からご答弁させていただきます。
 今年度当初からカネボウ株式会社と寄託絵画の譲渡について交渉を進める中、カネボウ側から所有している東山魁夷画伯の作品の中でも最も大切にしている「緑映」の譲渡についてお話がありました。カネボウといたしましても、ぜひ東山家とのゆかりの深い市川市の東山魁夷記念館で購入していただきたいということで、先ほど申し上げました5月28日に譲渡の提示がありました。その話を受けまして、市では美術品の収集に向けての手続を進め、7月の中旬に市川市美術収集審査会を開催し、専門家の意見をいただきました。ここでの意見を参考に、指名審査会を開催し、この指名審査会は7月27日でございます。先ほどの審査会が7月18日で、審査会は7月27日でございます。次に、7月27日付でこれについての仮契約を結んだものでございます。
 次に、本市の美術品の取得の基本的な考え方についてお答えいたします。本市には、芸術院会員で文化勲章受賞者であります東山魁夷先生、そして佐治賢使先生、それからガラス工芸の藤田喬平先生というようなお歴々の方がいらっしゃいます。また、現在ご活躍中の芸術院会員の中山忠彦先生、それから人間国宝の秋山逸生氏など、日本を代表する著名な芸術家が市川には住まわれております。そのほかにも、多くの芸術家の方々が創作活動を行っておりますことから、市民の鑑賞や公開を目的に昭和54年より計画的に美術作品の購入を行ってまいりました。これらの作品の購入に当たりましては、何らかの1つの市川とのつながりということで、市川のゆかりの作家ということを中心として収集に努めてきたところでございます。
 しかしながら、近年の財政事情の逼迫もあり、美術作品を計画的に購入することがなかなか難しい状況になりました。このような中、以前から街回遊展など行事に合わせて開催する移動美術館での公開のほか、平成16年に本市で初めて美術館仕様の吉澤ガーデンギャラリーが開設されたことから、収集した美術作品、収蔵美術作品展というような形で皆さんに公開をして、定期的に市民の皆様に公開することになっております。
 また、今後の美術資料の収集の方向性でございますが、引き続き市川ゆかりの作家を顕彰し、多くの作品を市民に公開していくために、適宜収蔵に努めてまいりたいと考えております。
 また、東山魁夷画伯の作品の今後の取得につきましては、ご案内のとおり、画伯の作品は常に市場に出回っているものではないことから、計画的に取得していくことは大変難しい面もございます。そこで、他館との情報交換といいますか、学芸員も常日ごろから専門家との情報交換、それからまた作品の希少性、画商からの情報など努めておりますし、こういった美術関係者などから作品情報の収集に努め、また、本市の記念館の収蔵にふさわしい作品、例えば市民ニーズの高いもの、あるいは画伯の著名な作品などを見きわめてから対応してまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○松井 努議長 並木議員。
○並木まき議員 ご答弁ありがとうございました。
 まず1点目でございますが、時系列を踏まえた上で、5月28日の申し入れから7月27日付の仮契約までということをご説明いただきましたが、こういった絵画というものについて、私もちょっと調べましたところ、やはりアートの専門家や関係者の方からお伺いしましたところ、その場の出会いというか、タイミングというものが非常に重要になってくるそうではございますけれども、これは自治体の美術品取得についても同じことが言えるのではないかと思っております。ただ、しかしながら、自治体が絵画を取得するということについては、個人の方が取得するのとは違って、やはり2つの面が必要でございまして、1つは、先順位者もおっしゃっておりましたが、市民から見た透明性というものが非常に重要になってくると思います。市民の方々から見て納得のできる美術品取得を行うこと、これがまず第1に来て、そして、2点目として美術の世界や慣習に即した取得の方法をとるということがよい美術品を取得することにつながっていくのだと考えております。
 そこでお尋ねいたしますが、まず、先ほどおっしゃっておりました審査会なんですが、この審査会というのは、案件が挙がるごとにメンバーをかえているのでしょうか。大筋はかわっていないにしても、例えば取得する絵画について特別に知識をお持ちの方を都度選任しているのかどうか。さらには、この審査会の構成員、委員をどのような形で選出なさっているのかについて、お答えをお願いいたします。
 そして、2点目でございますが、その透明性についての部分にもなりますけれども、美術品取得の見通しについて、市民ニーズの高いものからと先ほどおっしゃっておりましたが、それはどのようにして把握をしていくのかという点についてお答えをお願いいたします。
 以上、2点でございます。
○松井 努議長 文化国際部長。
○能村研三文化国際部長 審査会のメンバーでございますけれども、美術の世界も日本画、洋画、工芸とか書とか、いろいろ専門分野がございます。そういった点で、その専門分野にたけている人ということで、その都度美術品の購入に合った形の専門家をお願いするということで、その都度かえております。
 それから、市民ニーズでございますけれども、こういったことについては、常日ごろからアンケートを魁夷館でもとっております。また、どういったものが魅力があるのかというようなことで、そういったところから、先ほどから東山ブルーというようなこともありましたけれども、それに対しては大変市民の方も関心を持って、人気がある作品というふうに思っております。そういった点から、今回もこういった形の市民ニーズというか、そんなものを反映させた形で購入させていただきました。
 以上でございます。
○松井 努議長 並木議員。
○並木まき議員 ありがとうございます。1点だけなんですが、審査会の構成員が案件ごとにその分野にたけている方をお選びになるというお答えだったんですけれども、ということは、今回の案件については5月28日の申し入れがあってから、そういったたけている方を探してお願いをしてというようなことでよろしいのでしょうか。―はい、わかりました。以上です、ありがとうございました。
○松井 努議長 よろしいですか、答弁は。
 文化部長、答えてください。
○能村研三文化国際部長 今のご質疑者の言われたとおり、先ほどちょっと訂正がございますけれども、価格の提示は5月25日でございます。28日と答弁したかもしれませんけれども、訂正をお願いいたします。25日以降にいろいろそういった先生方の選定を行ったということでございます。
 以上でございます。
○松井 努議長 よろしいですか。
 以上で通告による質疑は終わりました。
 これをもって質疑を終結いたします。


○松井 努議長 日程第3議案第27号市川市土地開発公社定款の一部変更についてを議題といたします。
 提出者から提案理由の説明を求めます。
 管財部長。
〔中台久之管財部長登壇〕
○中台久之管財部長 議案第27号市川市土地開発公社定款の一部変更について、提案理由をご説明いたします。
 本案は、郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律に基づき、公有地の拡大の推進に関する法律の一部改正が行われたことによりまして、市川市土地開発公社定款におきましても法との整合を図る必要があるため、所要の改正を行うものであります。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○松井 努議長 これより質疑に入りますが、ただいまのところ通告がありませんので、質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 


○松井 努議長 この際、議案第10号政治倫理の確立のための市川市長の資産等の公開に関する条例の一部改正についてから議案第27号市川市土地開発公社定款の一部変更についてまでは、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の委員会に付託をいたします。


○松井 努議長 日程第4認定第1号平成18年度市川市一般会計、特別会計及び公営企業会計決算の認定についてを議題といたします。
 お諮りいたします。会議規則第37条第3項の規定により、提案理由の説明を省略いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」「反対」と呼ぶ者あり〕
○松井 努議長 ご異議がありますので、起立により採決をいたします。提案理由の説明を省略することに賛成の方の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○松井 努議長 起立者多数であります。よって提案理由の説明を省略することは可決されました。
 これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 守屋貴子議員。
○守屋貴子議員 市川希望の会の守屋貴子でございます。平成18年度決算につきまして、監査委員の審査意見に基づきまして、本市財政の状況について質疑をいたします。
 1つ目は、財政力指数であります。
 地方公共団体の財政基盤の強さを示す指数である財政力指数は、1.10となりました。財政力指数は1を超えるほど余裕があるとされています。なお、変化のわかりやすい単年度財政力指数で見ると、17年度決算では、本市は1.089で、全国全都市順位で777市中50位、類似都市28市では第1位の財政力指数でございました。18年度は、さらにそれを上回る1.142です。さらにトップクラスの順位が想定されます。
 そこで伺います。財政の健全化方向は着実に進み、各種財政指数の改善がさらに顕著になっておりますことの評価と、その要因について具体的にお伺いいたします。
 2つ目は、財政構造の弾力性を示す経常収支比率についてです。
 平成18年度は86.4%で、前年度より0.2ポイント増となって、むしろ悪くなっています。扶助費、物件費の増が続くと思われることから、第3次財政健全化計画の最終目標値85%を達成するためには、さらなる努力が必要であると審査意見は指摘をいたしております。
 そこでお伺いいたします。経常収支比率を85%という最終目標値に定めた理由と根拠についてお示しいただきたいと思います。平成17年度は86.20%で、全国全都市順位777市中165位、類似都市では28市中7位でした。もちろん、経常収支比率はさらに数値を下げる努力をしなければならないということは論をまちません。しかしながら、現状認識は正しくしておかなければなりません。主観的には、第3次財政健全化計画の最終目標値に到達していない事実、そして、客観的には全国類似都市順位では中位から上位にあるという事実、これらの評価について率直にご見解をお伺いしたいと思います。
 3つ目は、公債費比率についてお伺いいたします。
 18年度は7.2%で、前年度の8.6%を大きく改善されました。財政の弾力性が脅かされないために、10%を超えないことが望ましいとされています。さらに、実質公債費比率は新しく導入された指標でございますが、18年度は8.8%で、17年度の10.4%から1.6ポイント改善されました。これを全国類似都市から見ますと、公債費比率全国777市中66位、類似都市28市中2位、実質公債費比率は全国69位、類似都市では第1位になっています。これら17年度を踏まえて18年度の指数をどう評価されるのか、ご見解をお伺いいたします。
 その他の指数について、経常一般財源比率、実質収支比率、単年度比率、公債費負担比率、起債制限比率、デッド・サービス・レシオ1倍、デッド・サービス・レシオ2倍、負債率、標準財政規模に対する地方債残高はすべて全国777市、類似都市28市の中で上位からトップクラスにあります。この点については、指摘をいたしておきます。
 平成18年度における当初予算の市民1人当たりの個人住民税は、7万252円です。17年度決算における個人住民税1人当たりの額は6万7,572円で、全国777市のうち実に18番目、類似都市では4番目の高い税金で、18年度はさらにそれを上回っています。この住民税で本市の財政が支えられているということも忘れてはなりません。市民に感謝の念を持ってご指摘をいたしておきます。
 4つ目は、自主財源額と自主財源構成比率、依存財源額と依存財源構成比率であります。
 18年度の自主財源額856億395万4,000円で、自主財源構成比率は72.6%、依存財源額は322億6,302万3,000円で、依存財源構成比率は27.4%です。これは、本市財政の特徴的な体質ではないかと思いますが、ご所見をお伺いいたします。
 以上が第1回目の質疑です。ご答弁をいただきまして、再質疑をさせていただきます。
○松井 努議長 答弁を求めます。
 代表監査委員。
○谷本久生代表監査委員 決算審査意見書につきまして、何点かのお尋ねにお答えいたします。
 平成18年度における財政指数のうち、主なものを17年度と比較して数値を申し上げますと、財政力指数につきましては、17年度の1.07から18年度は1.10、0.03ポイント良化しております。また、実質収支比率は5.2%から4.7、これは0.5ポイント下がっております。次に、経常収支比率は86.2%から86.4%と0.2ポイント悪化しております。次に、公債費比率は8.6%から7.2%と1.4%よくなっております。また、実質公債費比率も10.4%から8.8%と1.6ポイントよくなっております。
 このように、主な財政指数を見ますと、経常収支比率を除いてはすべて良化しているか、または適正な範囲内にあることから、決算審査意見書の中では健全な状態にあるものと評価したところでございます。
 要因としましては、過去に取り組んできました財政健全化計画による成果のあらわれであり、また、そのほか外的要因としては、三位一体改革あるいは税制改正等による影響としての収入増なども考えられるところでございます。
 次に、経常収支比率についてでございますが、これは先ほどもお話しありましたが、財政構造の弾力性を判断する指標で、一般的に都市部にあっては80%が妥当だと考えられているところでございます。18年度は86.4%で、前年度の86.2%に比べ0.2ポイント悪化したところでございます。増となった要因としましては、市税、地方譲与税、地方消費税交付金等、経常一般財源がふえたことによりまして3.2%改善されておりますが、退職手当、あるいは扶助費、物件費等の増で3.4%引き上げることとなり、結果として0.2ポイント悪化しております。
 平成18年度決算において経常収支比率を1%引き下げるためには、歳入において9億3,000万の増加をさせるか、あるいはもしくは歳出で7億9,000万減少させなければならず、このような中で、歳出で扶助費、物件費等の増が避けられない要因がある中で、最終目標値85%達成にはなかなか厳しい面もあろうかと思います。しかし、歳入歳出における見直しをさらに重ね、努力するように求めたところでございます。
 客観的評価でございますが、17年度決算指数で見ますと、類似団体28市中7位に位置しているということで、他団体との比較の中では評価できるものの、弾力性を確保するという財政構造の基本からすると、十分とは言えないものと考えておりますので、さらなる努力を求めたところでございます。
 なお、第3次財政計画の策定の中で、経常収支比率を85%に目標値を定めた理由、根拠等については、財政部長のほうから答えさせていただきます。
 次に、公債費比率、実質公債費比率の改善に対する評価と要因でございますが、公債費比率につきましては、市債の元利償還金が市財政の中でどのくらいの割合を占めているかを示す指標で、標準財政規模に対しまして地方債元利償還金に充当する一般財源の割合であらわします。第3次財政健全化計画では、適正水準である10%以内を目指しておりますが、その指数はここ数年年々低下しており、15年度の9.9%、16年度で9.4、17年度で8.6、18年度で7.2と、平成15年度以来適正な水準を維持しているところでございます。
 18年度で良化した要因としましては、今まで将来債務を累増させないよう計画的に市債の活用を図ってきたことと、元利償還の年次進行による残高の減少や市債金利が高金利から低金利へ移行し、利子負担が減少してきたことにあると考えられます。
 また、実質公債費比率は新たに平成18年度から設けられた指数でございますが、普通会計の借金返済だけではなく、特別会計や公営企業会計、病院事業等、これらを含むすべての借金返済に充当している一般財源が標準財政規模に対してどのくらい占めているかをあらわすものでございます。地方債の発行は、18年度より許可制度から協議制度に変わりましたが、この比率が18%を超えると許可が必要となりますが、本市では8.8%と良好な数値となっております。
 いずれにしましても、公債費比率、実質公債費比率につきましては適正な数値となっており、また全国順位、類似団体順位でも上位に位置しているところから、最初に述べたとおり評価できるものだと判断しているところでございます。
 最後に、自主財源、依存財源の関係ですが、18年度決算では一般会計で自主財源額が約856億で、歳入中72.6%を占めております。したがって、依存財源は27.4%となっているところでございます。過去16年度に減税補てん債の借りかえを行っておりますが、その年度のこの額を除いた場合と、その全国からのずっと、ここ数年の数値を見てみますと、第2次財政健全化計画のスタートの年である平成15年度以降、自主財源が71から約73%と高い率で推移しているところでございます。これは、歳入に占める市税収入の割合が高いことによるものが大きな要因だと考えております。これはまた本市の特徴であると考えております。
 以上でございます。
○松井 努議長 財政部長。
○遠峰正徳財政部長 私からは、経常収支比率85%を最終目標値に定めた理由と根拠につきましてご説明をさせていただきたいと思います。
 まず、経常収支比率につきましては、経常的に収入されます一般財源に対しまして、これが経常的歳出にどの程度充てられているかをあらわす指数でございます。これらのことから、財政の弾力性を示す数値と言われておりまして、言いかえますと、ある市が経常的収入する使途の定まっていない自由に使える一般財源が、その市の固定的な経費に幾ら奪われているかを示しているということになると思います。つまり、財政の自由度を示す数値とも言えるところでございます。よって、この割合が100%に近づけば近づくほど、その市の経常一般財源が固定的な経費で消費されてしまっているということでございまして、建設事業を中心とする臨時的、突発的な事態に対する対応力がそれだけ乏しくなっていくということでございます。
 そこで、この比率は何%が適切なのかということでございますが、一概には言えない側面もございますが、過去には70%ですとか80%と言われていた時代もありますが、今日都市部では80から85%程度を目標としているところが多いようでございます。この数値の性格上、地方自治体ごとの事情や時代ごとに目標とすべき数値は当然異なってくるものと考えているところでございます。
 以上のことを踏まえまして、本市におきましては、平成10年度に経常収支比率が93.6%まで悪化した状況の改善のために、平成11年度からの財政健全化緊急3カ年計画以来85%を目標値としております。つまり、経常一般財源の15%は投資的経費の財源としてまちづくりに充てていこうというふうに考えているところでございます。
 そこで、本市のインフラ整備について申し上げますと、現状では、昭和40年代後半から60年代にかけまして建設された社会資本を多く抱えているところでございます。これらにつきましては、毎年度維持補修や改修工事で対応しておるところでございますが、施設の老朽化は年々進んできておりまして、今後は維持補修の範囲にとどまらずに、改修ですとか大規模な改修の必要性が高まってきていると認識しているところでございます。
 また、建築基準法の改正による耐震度についての基準が強化されたことや、避難場所として防災公園を建設すべきであることなど、以前にはなかった社会資本に対する新たな行政ニーズが発生してきているのが現状ではないかと考えております。さらに、今後は都市計画道路3・4・18号や外環道路の進捗に伴う道路、公園、下水道など、新たなインフラ整備に多額の財源が必要となるところでございます。
 以上の認識に立ちまして、経常一般財源の15%の余力は必要であるという理由から、経常収支比率85%を目標値としているところでございます。
 以上でございます。
○松井 努議長 守屋議員。
○守屋貴子議員 公債費比率、実質公債費比率が大幅改善され、財政力指数も1.10となり、財政基盤が強化され、各種指数も改善され、着実に健全化の方向が進んでいるという監査意見が出されました。その努力については評価をいたしたいと思います。
 そこで、再質疑をいたします。
 市債の残高についても、財政好転に伴って年々減少傾向にあります。これは、先ほどもご答弁にありましたように、本市が堅実財政で健全化を図ってきました結果ではありますが、少子・高齢化対策、保健・福祉・医療の充実、市川駅の南口再開発、広尾防災公園整備事業など都市基盤整備、教育、環境、ITなど、まだ行政課題は山積いたしております。将来債務をふやさないの原則を踏まえながら、必要な市債は発行して行政課題推進を図るべきではないかと思いますが、お伺いいたします。さらに、18年度決算を踏まえて、将来債務をふやさない程度で幾らまで市債発行が可能なのかも、あわせてお答えください。
 再質疑の2つ目は、自主財源比率72.6%、依存財源比率27.4%で、依存財源が極端に低いことについてです。特に、国庫支出金の歳入に占める割合は9.8%と極めて低いということです。国庫補助対象事業について、都市基盤整備、少子化対策、保健・医療・福祉、教育、環境、ITなどに積極的に活用することで自主財源、依存財源の効果的バランスをとることになるのではないか。市民生活を踏まえて財政運営をする必要はないのか、この点についてご所見を伺いたいと思います。
○松井 努議長 答弁を求めます。
 代表監査委員。
○谷本久生代表監査委員 今年度の決算を見ますと、各種財政指数あるいは基金の状況、地方債現在高等々で、前年よりはよくなっているので着実に健全化の方向に進んでいると評価したところではございます。しかし、意見書のまとめの部分で触れておりますように、今後の財政状況を考えた場合、健全財政を確立するためになお一層の努力を要望したところでございます。
 今後の財政運営で、先ほど市債、国庫補助金等をもっと活用した方策を図るべきではないかというようなお尋ねでございましたが、財政運営の今後のあり方については監査委員として申し上げる立場ではございませんが、ただ、考えられることを申し上げますと、今後は人口減少の中、市税収入の確保は厳しく、また、歳出では少子・高齢化の進展で、保健・医療・福祉分野の経常的経費の増加が続くことや、建設事業においても、先ほど財政部長もお答えしておりますが、既に着手している事業として都市計画道路3・4・18号の整備あるいは市川駅南口再開発事業、広尾防災公園の整備、あるいは公共施設の耐震改修事業、さらにまた今後事業としまして、第一終末処理場のコミュニティゾーンの整備、あるいは本八幡A地区再開発、外環道路の進捗に伴う関連事業等々、大規模事業がメジロ押しとなっております。これらの事業に対応するためには、国庫補助金、市債等依存財源に頼らざるを得ない状況になってくるものと思います。
 また、先ほど来お答えしていました財政指数が現在はいいということでお話ししていますが、この数値を維持することもなかなか難しくなってくるのではないかと予測されるところでございます。そのためにも、今はより健全な財政運営を行い、将来に備えた強い財政力を維持する必要があるという観点から、さらに一層の努力を要望するとしたところでございます。
 なお、将来債務をふやさないで幾らまで市債発行が可能かという点につきましては、財政部長のほうからお答えさせてもらいます。
 以上でございます。
○松井 努議長 財政部長。
○遠峰正徳財政部長 私のほうからは、2点のご質疑についてお答えさせていただきたいと思います。
 初めに、18年度決算を踏まえまして、将来債務をふやさない前提で幾らまで市債発行が可能なのかという点のご質疑でございます。これにつきましては、償還期間や借入利息等の発行条件によって数字そのものが変化いたしますので、あくまで特定の条件下におけるシミュレーションとしてご理解をいただきたいと思います。試算の内容といたしましては、市債の発行額を毎年度70億円、80億円、90億円、100億円の場合の4パターンについてシミュレーションを行ってみましたので、それでご報告させていただきます。
 まず、70億円とした場合の結果でございますが、公債費比率は現在の7.2%より31年度では5.4%となりまして、年々減少していく傾向にございます。ただ、現債額は18年度742億円、31年度では754億円となり、ほぼ750億円前後で推移するところになります。次に、80億円でございますが、公債費比率は7%で推移いたしまして、現債額は18年度が742億円でございます。それで、31年度は856億円と13年間で100億円程度累増するという状況になります。次に、90億円とした場合でございますが、公債費比率は8.0%でございまして、現債額は毎年度10億円程度増加いたしまして、31年には957億円と200億円程度累増するということになります。次に、100億円のケースでございます。公債費比率は9.0%程度となりまして、現債額は毎年度20億円程度増額いたしまして、31年度では1,059億円と300億円を超える累増額となるところでございます。
 このような状況になりますので、毎年度の市債発行額につきましては、おおむね70億円程度であれば、将来債務をふやさず市債発行が可能な状況にあるというところでございます。
 次に、依存財源の積極的な活用ということでございますが、市税を初めとする自主財源の確保はもとより、依存財源につきましても、現在活用できるものは積極的に活用し、依存財源の確保を行いながら、市民要望にこたえられる財政運営を行ってまいりたいというふうに考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
 以上でございます。
○松井 努議長 守屋議員。
○守屋貴子議員 それぞれ再質疑にお答えをいただきました。財政需要として、既に進行している3・4・18号の整備や、市川駅南口の再開発、本八幡A地区再開発などの事業、そして20年度以降も大規模な事業がメジロ押しで、それらに対応するためには国庫補助金や市債等依存財源に頼らなくちゃならない状況となる。それを踏まえて、今はより健全な財政運営を行い、強い財政力を維持する必要があるというご答弁がありました。代表監査委員の現状認識と将来見通しについては、そのとおりだと思います。今後、その認識と将来見通しに基づいて、一丸となって審査意見を踏まえて財政運営に当たっていただきたいと思います。
 終わります。
○松井 努議長 この際、暫時休憩いたします。
午後2時57分休憩


午後3時33分開議
○小林妙子副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第4認定第1号の議事を継続いたします。
 坂下しげき議員。
○坂下しげき議員 新政クラブの坂下しげきでございます。通告に従いまして、認定第1号平成18年度市川市一般会計、特別会計及び公営企業会計決算の認定について質疑をいたします。
 通告第1の自主財源についてお尋ねをいたします。
 平成18年度の自主財源は856億395万4,172円で、前年度比3.6%増になっています。中でも、市税が前年度比で23.2%増加しています。今後、市が政策的に事業を展開するに当たっては、より一層の自主財源の確保が必要になると思います。自主財源の確保についての姿勢、依存財源とのバランスをどのように考えているのか、お答えをいただきたいと思います。
 次に、不納欠損及び収入未済額についてお尋ねをいたします。
 不納欠損額は4億円以上という多額に上り、増加の傾向にあります。不納欠損処理は、本来市の収入となるべきものが損なわれるという重大な処分であります。また、時効については、大半の納税義務者が納税している中で、一部の納税義務者が長期にわたって支払いを滞らせ、さらには時効等による不納欠損処理により支払わなくても済むというのでは、著しく公平性を欠くと言えます。したがいまして、法の適正な適用が望まれるところであります。
 そこで、地方税法第15条の7第4項同条第5項における滞納処分の停止の要件を満たしているかどうかの事務手続について、不納欠損調書の記載内容等の精査をどのように行っているのか、お答えください。また、今後の取り組みについてお答えをください。
 次に、将来不納欠損処理される可能性がある滞納は、未然に防ぐことが肝要であります。そのための取り組みについて、大変ご努力されていると思います。決算審査意見書では、収入未済について、マルチペイメントネットワークの活用が挙げられておりますが、この取り組みによる効果は実数としてどれぐらいあるのか、お答えください。また、今後について、収納率の向上のために取り組むことはあるのか、お答えください。
 次に、自主財源に係る今後の推移、見通しについてお答えください。
 続きまして、通告第2の将来にわたる財政負担についてお尋ねをいたします。
 本市の財政状況は、平成18年度決算の各種指数または数字を見ると、良好であると言えます。しかし、将来に対する財源の確保には不安があります。したがいまして、将来の借金となる市債の発行等は慎重に判断する必要があります。そこで、本市では財政健全化計画に基づき公債費の縮減に努めておりますが、今後の公債費の考え方についてお答えください。
 次に、債務負担行為の設定についてお尋ねをいたします。
 将来の財政負担を把握する上では、政策上もしくは事業運営上必要なものについてはきっちり債務負担行為を設定して、将来にわたる財政負担を明確にする必要があると思います。補正予算の情報関連予算で質疑させていただきましたが、債務負担を設定しても問題ないものについて単年度予算で行っているように見受けられます。このように、複数年度継続する事業について債務負担行為を設定するなど、将来の財政負担を明確化することについてどのようにお考えであるのか、お答えください。
 次に、世代間負担の公平性についてお尋ねいたします。
 公債費は、借金として将来に負担を残します。しかし、公債費を削減し過ぎると、かえって将来に負担をつくることになります。例えば、道路、下水道などのライフラインは、将来にわたって継続的に提供されるものであり、これらの維持改修などは現在から将来に向けて計画的に行っていかないと、将来に莫大な維持費を押しつけることになります。したがいまして、将来の基盤整備と将来の公債費に係る収支のバランスを考えた政策及び財政運営が重要となります。
 このような世代間負担の公平性についてどのような計画で臨むのか、お答えください。
 続きまして、通告第3の経常収支比率についてお尋ねをいたします。
 平成18年度決算においても85%を超え、86.4%と依然として高い水準にあり、財政の硬直化が懸念されます。昨日も債務負担行為の設定について質疑いたしましたが、債務負担行為を設定していない予算であっても、実態としては将来の予算を拘束するケースがあります。実際に政策的経費に充てられる予算は、かなり余裕がない状況と言えます。このような中でも、将来に備えた財源の確保を行い、また、多様な市民ニーズにこたえ、必要な都市基盤整備等を順次政策的に行っていく必要があります。
 そこで、これまでの本市の経常収支比率を踏まえ、今後の多様な市民ニーズや普通建設事業に与える影響についてどのように考えているのか、お答えください。また、今後の目標についてお答えください。
 続きまして、通告第4の一般会計からの繰入金についてお尋ねをいたします。
 下水道事業及び地方卸売市場特別会計を除き、各特別会計の繰入額は増加の傾向にあります。特別会計は、法令や国の繰り出し基準に基づいて一般会計で負担する部分を除いては原則的に独立採算であり、一般会計を圧迫しないように努めなければなりません。そこで、平成18年度決算において赤字補てん的な基準外の繰入金の規模と、平成19年度以後見込まれる繰り入れの想定についてお答えください。
 次に、第5の補助金及び扶助費の見直しについてお尋ねをいたします。
 平成17年度決算のときに補助金の見直しについて質疑をいたしました。補助金は、1度認められると既得権化し、恒常的な予算措置につながるおそれがあります。補助金もしくは扶助費は、その時々の市民ニーズにこたえられるように、不必要となったものは削減し、新たなニーズについては迅速に対応して予算化し、効果を上げるようにしなければなりません。このため、客観的な見直しを定期的に行う必要があります。
 そこで、補助金及び扶助費の見直しについてどのように行っているのか、お答えください。
 続きまして、第6の執行率及び不用額についてお尋ねいたします。
 執行率は、前年度と同じ96.3%とおおむね良好であります。しかし、流用や予算消化的な執行により執行率が下げどまっているおそれがあります。本市として各目の執行率をどのように評価しているのか、お答えください。
 次に、不用額の扱いについてお尋ねをいたします。
 平成18年度決算における事業等の未執行による不用額についてお答えください。財政課における不用額の把握についてお答えください。
 続きまして、基金についてお尋ねをいたします。
 将来の負担に備えて計画的に基金を活用することが、財政の健全運営上重要なことであると考えます。そこで、将来大きな負担が生じる可能性がある財政調整基金、職員退職手当基金、国民健康保険事業財政調整基金、介護保険事業財政調整基金について、どのような運用を考えているのか、お答えください。
 次に、決算剰余金との関係についてお尋ねをいたします。
 平成17年度決算において、基金の財源を確保するために決算剰余金の一部を基金に繰り入れすることを質疑いたしました。このことについて、平成18年度決算ではどのような措置が行われたのか、お答えください。
 次に、基金の有効な運用方法についてどのように進めているのか、お答えください。
 続きまして、予備費の考え方についてお尋ねをいたします。
 平成18年度では20件について充用されております。緊急に必要となった経費は、迅速に予備費を充用すべきことは言うまでもありません。しかし、計画的に予算化し、未然に防げる改修等は、市民の方の安全を考えれば予備費を充用するまでもなく当初予算等で措置し、適切に行う必要があります。したがいまして、予備費を充用したものについて緊急対応になった理由についてお答えください。
 また、本市の施設はほとんど老朽化しており、修繕計画も定まっておりません。このような状況で予備費が毎年度1億円は適当であるのか、お答えください。
 以上、1回目の質疑とさせていただきまして、ご答弁によりまして再質疑をさせていただきます。
○小林妙子副議長 財政部長。
○遠峰正徳財政部長 決算に関係するご質疑にお答えをいたします。ご質疑が多岐にわたっておりますので、できるだけ簡潔にお答えさせていただきたいと思います。だけれども、若干時間はいただくようになると思いますので、その辺、ご了解いただきたいというふうに思います。
 初めに、自主財源の確保についての姿勢また依存財源とのバランスをどのように考えているかということのお尋ねでございます。自主財源の確保につきましては、その多くを占めます市税の収納率向上は当然のことといたしまして、寄附金や広告料収入などの確保にも引き続き積極的に努めてまいりたいというふうに考えております。
 また、依存財源とのバランスにつきましては、過去の決算及び19年度の予算を見てみますと、15年度の依存財源は28.3%、16年度は36.2%、17年度27.3%、18年度27.4%となっておりまして、19年度の当初予算では24.9%と大きく減少しているところでございます。これにつきましては、国の税源移譲に伴い生じたものでございますが、今後におきましても基本的に19年度と同様な率で推移していくものと考えているところでございます。いずれにいたしましても、自主財源の確保を図り、さらに依存財源の確保も積極的に行いながら、市民要望にこたえられる財政運営を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
 次に、不納欠損にかかわる執行停止及び即時欠損処分の精査をどのように行っているかということについてのお尋ねでございます。ご質疑の滞納処分の要件の判断とその事務手続についてでございますが、15条の7第4項の要件は、生活保護受給及びこれに準ずる生活状況の方や行方不明などでございまして、その状況が3年間変わらない場合に納付義務の消滅をするものでございます。また、同条第5項におきましては、死亡し、財産もなく、相続人もいない場合に徴収できる見込みがないことから、即時に納付義務の消滅を行うものでございます。これらの事務手続につきましては、滞納整理を進める過程で納税者との面談を十分に行った上で納付ができるか否かの判断や財産の有無などの調査を行っておるところでございます。また、今後の取り組みでございますが、滞納とならないよう早期の納税指導等を行い、税負担の公平公正性を確保してまいりたいと考えております。
 次に、マルチペイメントネットワークによる成果でございますが、18年度における実績といたしましては、窓口納付件数では全体で115万件で、そのうちATMですとかインターネットバンキング、モバイルバンキングでの納付件数は2万件で、全体の2%となっているところでございます。また、前年度と比較いたしました納期内納付件数では、4%程度の向上が見られたところでございます。今後の取り組みにつきましては、マルチペイメントの拡大を図るとともに、口座振替の促進、収納嘱託員の活用、水曜、夜間、日曜日における電話連絡及び個別納税指導、個別出張徴収などに努めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、自主財源に係る今後の推移、見通しについてでございますが、平成19年度当初予算では、景気の回復や国の税源移譲などによりまして市税の高い伸びがあり、自主財源比率は75.1%となっております。20年度以降につきましても、国は真の地方分権の確立として税源における地方の自立性を高めるため、税源移譲を含めた税源配分の見直しの検討を行うとしておりますので、制度的要因といたしましては、今後も自主財源の比重が高まるものと考えているところでございます。なお、現時点での市の中期財政計画上では、自主財源比率はおおむね75%前後で推移していくものと判断しているところでございます。
 次に、今後の公債費についての考え方でございます。市債の活用につきましては、計画的な財政運営というものと世代間の負担の公平という2点からその活用を考えてまいりまして、将来にわたって維持しなければならない道路や学校、公民館などの社会資源の整備などについては、むしろ積極的に活用し、財政負担の平準化と世代間負担の公平性を確保してきたところでございます。なお、市債の発行につきましては、後年度公債費として償還いたします元金、利子が義務的経費となりますことから、財政構造の硬直化を招くことのないよう、1件1件につきまして慎重に検討し、計画的に発行してまいりたいと考えております。
 次に、複数年度継続する事業に対する債務負担行為の設定の件でございます。将来の財政負担を明確にすることについてどのように考えているかということでございますが、債務負担行為の財政上のメリットといたしましては、都市基盤整備にかかわります用地の取得などは一時に多額の財源を必要といたしますので、例えば、土地開発公社に先行取得を依頼いたしまして、数カ年に分けて買い戻すことで負担を平準化することができること、また、公社から買い戻しをするときに補助金が見込める場合があることなどが挙げられるところでございまして、これら債務負担行為の長所を活用することで財政運営を円滑に進めているところでございます。このようなことから、1件1件について慎重に検討し、将来債務が過大とならないよう設定しているところでございます。
 次に、基盤整備と公債費に係る世代間負担の公平性についてのお尋ねでございます。本市では、これまで財政健全化計画を策定いたしまして、その目標の1つといたしまして、公債費比率10%以内という目標を設定し、市債の計画的な活用を図ってきたところでございます。道路や下水道、学校など長期にわたって使用する社会基盤整備事業につきましては、積極的に市債を活用し、世代間の公平な負担を計画的に進めているところでございます。今後も将来世代に負担のみを残すことがないように、中長期の視点から市債や債務負担行為などを活用した財政運営に努めてまいりたいと考えております。
 次に、普通建設事業と経常収支比率についてのお尋ねでございます。経常収支比率につきましては、税源移譲などによる市税の伸びによりまして歳入面で0.2ポイント改善いたしましたが、退職手当や扶助費、物件費の増によりまして、歳出面で0.4%上昇いたしまして、平成18年度決算といたしましては86.4%となり、平成17年度決算より0.2ポイント上昇したところでございますが、第3次健全化計画の18年度の目標でございます87%以内は達成をしたところでございます。
 多様な市民ニーズ、普通建設事業に与える影響はとのご質疑でございますが、経常収支比率の値につきましては、ほぼ適正な範囲内ととらえており、それらへの影響はないものと考えているところでございます。
 次に、赤字補てん的な繰り入れの規模と平成19年度以降見込まれる繰り入れの想定についてでございます。平成18年度におきます一般会計から特別会計への繰出金の合計額は131億4,325万1,000円となっておりまして、お尋ねの赤字補てん的な繰り入れの規模につきましては、繰出金全体の50.3%となる66億1,153万3,000円となっているところでございます。また、平成19年度以降における基準外繰り出しの想定額につきましては、19年度70億円、20年度114億円と急激な増加が見込まれるものの、21年度以降につきましては21年度71億円、22年度70億円、23年度69億円と低減していくものと見込まれているところでございます。
 次に、補助金、扶助費の見直しについてのお尋ねでございます。補助金の見直しにつきましては、平成15年度に制定いたしました市川市補助金の交付に関する基準において、同一の団体等への交付はすべて3年をもって見直すことと定められているところでございます。交付基準の制定から3年を経過したことから、全庁的な見直し状況の把握を行うため、平成19年度当初予算に予算計上を行った全補助金を対象とした全件調査に着手したところでございます。これらの結果を分析の上、問題点があれば平成20年度予算編成に向けて見直しを進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。また、扶助費の見直しにつきましては、18年、19年度の2カ年間で見直しを行ったところでございます。
 次に、各目の執行率をどう評価しているかということのご質疑でございます。予算科目の目レベルでのご説明をさせていただくことになりますと膨大な時間を要することになってしまいます。その点から、款レベルでのお答えをさせていただきたいと思います。土木費以外につきましては、おおむね例年並みの執行率かやや改善している結果というふうに理解をしているところでございます。土木費につきましては90.7%の執行率で、昨年の92.9%に対して2.2%低下しているところでございます。執行率が下がる要因になります事業の繰越額が昨年に比べまして6億6,000万円も増加したこと、また、平成18年度より1,000万円以上の入札案件につきましては、原則といたしまして一般競争入札としましたことから、競争原理が働き、落札率の低下が不用額の増につながったものと考えているところでございます。
 次に、未執行による不用額の内容についてのお尋ねでございます。18年度決算における事業等の未執行による主な不用額の内容を申し上げますと、食の自立支援事業におきましては、配食サービスの対象となる特定高齢者がいなかったことなどによりまして、委託料及び通信運搬費で2,652万6,000円が、また、塩浜護岸整備事業におきましては、台風等による護岸への被害が生じなかったことによりまして改修工事費2,000万円が、障害者更生台帳イメージファイル化事業におきましては、他の実施事業との事業進捗の兼ね合いによりまして委託料、賃借料など1,092万円などがあるところでございます。また、財政課における不用額の把握につきましては、財政課の各款予算担当者が随時に各課予算担当者と情報交換等を行うとともに、各定例議会前に所管課に対しまして補正要因、決算見込み額の調査を行いまして、その把握に努めているところでございます。
 次に、将来大きな負担が生じる可能性がある基金についてどのような運用を考えているかということでございます。これらの基金につきましては、年度間の財源の不均衡を調整するためのものでございまして、予期しない収入減や支出増加に備え、長期的な視野に立った計画的な財政運営を行うためにも積み立てを行うことが必要であるというふうに認識しているところでございます。
 次に、決算剰余金の一部を基金に繰り入れることについてのお尋ねでございますが、平成18年度におきましては財政調整基金におきましては今後の財政状況に対応するために10億円、職員退職手当基金では将来的に増加する退職手当支給額を考慮して3億円、一般廃棄物処理施設建設等基金では、東京外郭環状道路建設用地にかかわる物件移転補償金1,784万5,000円、市川駅南口地区市街地再開発事業財政調整基金では13億7,754万2,859円をそれぞれ基金へ積み立てを行ったところでございます。
 次に、基金の有効な運用方法についてということでございます。法令及び市の基準に従いまして、安全性、確実性を前提に、大口定期預金ですとか譲渡性預金や国債などの金融商品で運用を行っているところでございます。今後につきましても、利率の動向、各基金の取り崩し額、取り崩し時期などを勘案しながら計画的に運用し、運用益の増額に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 最後に、予備費の充用についてのお尋ねでございますが、平成18年度に一般会計において充用を行いました全20件の内容でございますが、市有車の交通事故、自転車転倒事故などにかかわる損害賠償金及び和解金関係で11件、係争事案にかかわる弁護士報酬で3件、その他6件でございまして、いずれも早急な対応が必要であったことにより充用を行ったものでございます。なお、18年度の充用金額は総額3,613万円余りとなっており、過去5年間の充用額を見てみましても、年度ごとのばらつきはございますが、平均5,000万円程度であることから、予備費の設定額につきましては適切なものと考えているところでございます。
 以上でございます。
○小林妙子副議長 坂下議員。
○坂下しげき議員 ご答弁ありがとうございました。財政の健全化に向けた前向きなご答弁がいただけたんだと思います。
 しかし、中期的な財政見通しを考えると、今後の財政運営、将来的な負担について厳しい認識を持たざるを得ません。また、重要なことですが、単年度収支は赤字でありました。今後も着実に財政健全化計画に沿った財政運営をしていただきたいと思います。
 その中で重要と思うことは、本市の予算は毎年シーリング一律何%カットというように、ここ数年同じ手法を踏襲していますが、この手法は、新たな行政課題や市民ニーズ、そして老朽化した施設の修繕などを行っていく上で、行政目的の最大化を阻害する可能性もあります。シーリングカット方式は、財政が硬直している時期であれば緊急避難的に有用ですが、ある程度持ち直した今の状況では、別の視点から予算の削減、財源の確保を行う必要があると思います。したがいまして、厳しい認識を持って決算結果を最大限活用し、ゼロベースで事業を抜本的に見直し、本当にどの事業が必要なのかを見きわめ、必要であれば一律カット方式ではなく、経済性、効率性、有効性について総合的に検証し、その事業に係る必要経費をしっかり見込んで着実な市民サービスを提供していかなければなりません。
 監査委員事務局においても積極的に行政監査等を行って、事業の精査、効率化を図っていただきたいと思います。そして、事業の効率化によって得られた余剰財源は、少子・高齢化対策等の将来に向けた備えとして確保し、市民の方が将来にわたって公平なサービスの提供を受けられるよう財政的措置を講じて、基金等の積み立てをふやし、活用していく必要があります。決算を一過性のものとしてとらえるのではなく、将来の市川市のあるべき姿を描き、今現在の決算状況からして何をやらなければならないのかということをしっかり見きわめて、長期的に安定した財政運営を行っていただきたいと思います。
 そこで、何点か伺います。
 中期財政計画上、自主財源比率を75%前後と想定したときの収納率はどれぐらいで想定しているのか。また、第3次財政健全化計画の目標数値で想定しているのか、お答えください。
 それから、将来にわたる財政負担についてでありますが、市債の発行については元金利子が義務的経費となりますが、利子を抑えるために市債発行条件について入札等を推進していくのかお答えください。
 以上、お願いします。
○小林妙子副議長 財政部長。
○遠峰正徳財政部長 中期財政計画上の収納率ということでございますが、中期財政計画の作成基準といたしました市税の収納率につきましては、具体的に申しますと19年度が93.5%でございます。20年度は93.8%、21年度は94.1%、22年度が94.3%となっておりまして、税部門の試算に基づく数値となっておるところでございます。この値につきましては、いずれも第3次財政健全化計画の目標値を上回る数値として計算をさせていただいているところでございます。
 続きまして、公債費の入札ということでございます。公債費の入札につきましては、今現在も縁故債の関係につきましては当然のことながら銀行において入札に準じた見積もり合わせという形で行っているところでございます。今後におきましても、入札に準じた見積もり合わせを行いながら利子の軽減に努めていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○小林妙子副議長 よろしいでしょうか。
 金子貞作議員。
○金子貞作議員 日本共産党の金子です。認定第1号市川市国民健康保険特別会計決算について質疑をさせていただきます。
 昨年は、定率減税の半減、そして年金控除等の廃止、また、高齢者の医療費が昨年10月から現役並の所得者は2割から3割に負担が引き上げられました。市民負担が強まり、職員も対応に大変苦労されたと思います。
 それでは、大きく3点質疑をいたします。
 1点目は、収支の状況と今後の見通しについてです。
 決算剰余金が約19億5,700万円発生しております。この発生理由について、まずお答えください。また、この剰余金を今後どのように活用していくお考えなのか、伺います。
 2点目は、滞納について伺います。
 15年度は約53億円、16年度は61億円、17年度は67億円、そして18年度は71億円と、前年度と比べても約4億円ふえております。そして、15年度と比べても18億円増であります。134%。滞納がなぜこんなにふえているのか、滞納理由ごとの滞納額や世帯数について、具体的にお伺いをいたします。滞納がふえているということは、税金を払っている人に対し不公平感になってしまいます。滞納者に対する悪質な人に対しては、これは厳しく対応せざるを得ないと思います。しかし、やはりいろんな滞納世帯がおります。そういう点では納税相談はきめ細かく行っていく必要があると思いますが、本市での取り組みの状況、効果についてお伺いをいたします。
 3点目は、資格証明書、そして短期保険証についてですが、今回は資格証明書のみについて伺います。
 市は、滞納者への納税相談の機会として、短期保険証や資格証明書を発行しております。しかし、資格証明書はこれまでほとんど発行されていませんでした。ところが、年々ふえてきております。18年度末現在では288世帯発行しております。16年度は45件、17年度は53件です。資格証では病院に行った場合、窓口で一たん全額自己負担となります。保険証がないのと同じで、その結果、受診がおくれ、命にかかわる重大な問題となっております。市川市でふえてきた理由は何でしょうか。また、これまでほとんど発行してこなかったわけですけれども、これまでとの違いはどういうことなのか、交付する基準について具体的に伺います。そして、資格証明書による受診率の影響をどのように本市は認識しているのか。
 また、子供のいる滞納世帯への対応についてであります。市川市では、子供のいる世帯に対し20世帯の資格証を発行しておると伺っております。厚生労働省も、乳幼児のいる世帯は対象外とすべきだと見解を示しています。県内でも、習志野市が中学校まで発行しないとの見解を示し、政令市でも札幌、仙台、埼玉、広島市などは乳幼児世帯には正規保険証が発行されております。
 以上、第1回目の質疑といたします。
○小林妙子副議長 保健スポーツ部長。
○岡本博美保健スポーツ部長 国民健康保険特別会計についてのご質疑にお答えいたします。なお、ご質疑の内容が多岐にわたりますので答弁が少し長くなりますが、ご了承をお願いいたします。
 まず、国民健康保険における収支の状況と今後の見通しについてお答えいたします。
 初めに、決算剰余金19億円が発生した理由についてでございますが、平成18年度の国民健康保険特別会計の決算の状況は、歳入総額378億9,000万9,681円、歳出総額359億3,273万4,462円、差し引き19億5,727万5,219円となっております。差引額の内訳といたしましては、歳入において予算現額に対して13億2,492万9,681円が歳入増となっております。
 この歳入増の主な理由といたしましては、療養給付費等交付金において一般被保険者から退職被保険者へ資格の切りかえを行ったことに伴い、社会保険診療報酬支払基金から支払われる療養給付費等交付金が予算現額に対して約9億9,000万円の増額となったものであります。また、国庫支出金において経営姿勢が良好な市町村に対して国より交付されます特別調整交付金が交付されたことなどから、約3億円が増額となったものであります。
 歳出におきましては、予算現額に対して6億3,234万5,538円の不用額が生じております。この主な理由でございますが、保険給付費においては、18年度はインフルエンザ等感染症の流行がなかったこと及び診療報酬の改定がマイナス3.86%となったことなどから、例年より保険給付費の伸びが抑えられ、約4億5,000万円の不用額が生じたものであります。また、国保連合会に支払う共同事業拠出金では、交付対象となる県内全体の医療費見込みが下がったことから、約1億円の不用額が生じたものであります。
 続きまして、決算剰余金を今後どのように使っていくのかということですが、剰余金約19億円につきましては、療養給付費等交付金において概算交付のため、社会保険診療報酬支払基金に約9億8,338万円を返還しなければならないため、今回9月補正予算にて計上させていただいたところでございます。また、療養給付費等負担金において概算交付であるため約5億3,000万円を平成20年3月末までに国に返還する予定であります。これらを合わせた約15億円を19億円から差し引いた残り、約4億円が実質的な余剰金となります。この分については、今後の医療費の動向を見据えながら、1つ、19年度の歳入に編入し医療費の補てん財源とする、1つ、基金に積み立てるなど、そのときの状況において総合的な判断をしていく考えでございます。
 次に、滞納についてにお答えいたします。
 国保税の滞納額は、3年間の決算額で申しますと、平成16年度61億4,856万4,000円、対前年比15.8%増、平成17年度66億9,908万1,000円、対前年度比9.0%増、平成18年度71億6,389万9,000円、対前年6.9%増となっております。また、滞納世帯数で申し上げますと、平成16年度2万8,429世帯、3.6%の増、平成17年度2万8,597世帯、0.6%の増、平成18年度2万9,692世帯、3.8%の増となっております。滞納につきましては、税額、世帯数のいずれも年々増加しているところでございます。
 次に、平成18年度の滞納を現年度と過年度に区分いたしますと、現年度分は1万245世帯、16億6,570万円で、平成17年度と比較いたしますと70世帯、2,399万円の増となっております。また、過年度、これは滞納繰り越し分ですが、1万9,447世帯、54億9,819万円で、平成17年度と比較いたしますと1,025世帯、4億4,082万円の増となっております。
 次に、滞納を原因で分別いたしますと、主なものとしましては、事業の不振、そして所得の減少、そして失業がございます。それぞれの世帯数と滞納額をご説明いたしますと、事業の不振3,655世帯、滞納額で10億8,167万4,000円、所得の減少7,446世帯、滞納額で20億2,208万8,000円、失業5,025世帯、滞納額で11億980万5,000円となっております。
 このように多額の保険税の滞納が生じている原因といたしましては、景気は回復傾向にあるとされていますが、事業や所得はまだ回復しない状況も続いていることが挙げられます。また、国民健康保険は被傭者保険に加入できない人が加入していることから、定年後の高齢者が多い、あるいは低所得者の割合が高いといった構造的な問題もございます。
 次に、滞納者への納税相談などの対応ですが、納税者へは督促、催告等の文書による通知、それから収納嘱託員による戸別訪問、そして短期被保険者証の交付のため、担当者が直接窓口でお話を伺い対応しているところでございます。その中で、相談の内容ですが、納期限どおりに納付することが難しいときには、納付回数を本来の8回から12回にふやしたり、1回の期別税額を分割するなどの納税相談を実施しております。また、納税相談の場所については、本庁の国民健康保険課に加えまして、平成18年1月より行徳支所に職員を派遣し、短期被保険者証の更新時に納税相談窓口を開設しているところでございます。しかしながら、納税相談の機会をふやしても応答や更新に来庁しない無関心の世帯は、現年分、過年分と合わせまして1万1,439世帯、滞納額で24億8,511万5,000円となっております。無関心世帯への対応につきましては、収納嘱託員による戸別訪問や、毎年6月の前年度課税分全額を滞納している方について、特別納税相談の機会を設けて減少に努めております。
 次に、資格証明書、短期保険証についてお答えいたします。
 初めに、短期被保険者証の交付につきましてご説明させていただきます。短期被保険者証につきましては、国民健康保険施行規則第7条の2で、保険税を滞納している場合には、短期被保険者証を交付することができるとされております。短期被保険者証の交付につきましては、再三の文書による催告、あるいは徴収嘱託員による戸別訪問あるいは休日、夜間の相談窓口を開設しても納税相談に応じていただけない方に対して、納税者との接触の機会を図る目的として交付しております。交付する基準といたしましては、納税相談もしくは納税指導に全く応じない、納税誓約をしてもそれらに従った納付をしないで1年以上の保険税を滞納している場合としております。また、資格証明書につきましては、国民健康保険法第9条第3項及び国民健康法施行規則第5条の6の規定により、1年以上の滞納がある場合交付することが義務づけられております。資格証明書の交付は、短期被保険者証で納税相談に全く応じない納税者に弁明書の提出を促し、納付計画をきちんと立てるよう指導する機会としているところでございます。しかし、定期的な収入がありながら、特別な事情がないにもかかわらず弁明書を提出しない、納付計画を全く立てないような場合には、残念ながら被保険者証にかえて被保険者資格を証する資格証明書を交付せざるを得ないところでございます。
 資格証明書を交付する基準といたしましては、短期被保険者証交付者のうち、納税相談に一向に応じようとしない場合、十分な負担能力があるにもかかわらず、保険税を滞納している場合、また、納税誓約をしても誠意を持って履行しない場合としております。資格証明書の交付手順といたしましては、短期被保険者が納税誓約した後、分納を履行しているかどうかの確認を毎月しております。分納誓約を何度も履行できなかった場合には、相談の際になぜ履行できなかったか、なぜ何度も不履行になっているか等状況を伺い、弁明書を提出してもらいます。その後、窓口で対応した職員も含め、滞納対策チームで審査を行い、資格証明書を交付するかどうかを決定しております。
 資格証明書の交付がふえてきた理由についてお答えいたします。滞納世帯は増加していることから、滞納事案の見直しを行い、平成17年度より50万円以上の滞納がある3,900世帯の案件の見直しを順次行った結果、増加となったものであります。交付基準につきましては、変更しておりません。
 次に、資格証明書の交付による受診率への影響についてでございます。平成18年度中に保険給付分を請求されたのは、資格証明書288世帯のところ26件、15万8,225円となっております。しかし、資格証明書で受診した方でも特別療養費の申請をなさらない方がいらっしゃると思われるため、すべての受診状況を把握することが困難であります。このため、受診率への影響については把握できないところでありますが、療養費の件数から少ないことは認識しております。ご理解いただきたいと思います。
 次に、子供のいる滞納世帯への対応につきましては、国民健康保険法第9条第3項及び国民健康法施行規則第5条の6の規定により、保険税を1年以上滞納している世帯と同様に、災害その他の政令で定める特別な事情を慎重に判断して資格証明書を交付しております。子供のいる資格証明交付世帯につきましては、入院等により被保険者証が必要となったときには納税相談を行い、一部納付あるいは分納誓約をすることにより、短期の被保険者証を交付しているところでございます。
 以上でございます。
○小林妙子副議長 金子議員。
○金子貞作議員 答弁ありがとうございました。それでは、再度質疑をさせていただきます。
 国民健康保険制度は、退職者や無職の方など低所得者の方が本市でも多く加入されています。そして、事業主負担がないため、国の責任として国保に対する国庫負担が行われております。ところが、国が1984年に国庫への補助率を45%から38.5%に引き下げました。そのことが保険料負担がふえる、こういう事態を全国で招いているわけであります。本市でも、その影響を受けております。所得300万円の40代の夫婦の場合、子供がいる場合、4人家族ですけれども、保険税の負担は15年間で約2倍になっております。それで、私もいろいろ過去の医療費の賦課分を調べてみました。平成15年度は市川市は7万1,994円、これは1人当たりです。1人当たりの平均額ですね。16年度は8万3,674円、17年度は8万7,910円、18年度は8万9,648円、このように15年度と比較して約1万7,654円、125%にふえています。滞納世帯も、15年度と比較して18億円増、これも134%増ですから、保険税がふえた、このことがやはり滞納額の増額にも反映していると私は見ざるを得ません。
 お隣の船橋市とは、あそこは保険料であります。それから、所得割も9.13%と本市より高いんですが、ここの場合は15年度は8万694円、16年度は7万8,345円、17年度は7万7,572円、18年度は若干上がって8万749円ということで、これは単純な比較でありますけれども、市川市と比べますと1万円年間負担額が船橋市は少ない。滞納世帯についても、18年度は市川市は2万9,000世帯ですけれども、船橋は1万8,318世帯ということで、船橋の方が世帯数は多いんですけれども、1万ぐらい少ない、こういう結果であります。
 そこで、やはり今部長も、この市川市だけを私は責めているわけではありません。やはり谷藤議員もこれまでるる言ってきましたけれども、国保の抱える構造的な問題があると思います。市長会を通じて、これまでも再三言ってきているのかなというふうに思いますが、この辺の構造的な問題についてどう考えているのか。それから、市川市の国保税、これは高いという認識があるのかないのか、この点についてまず伺いたいと思います。
 次に、滞納について。これは、今の部長の答弁で大体わかりました。無関心層というのがまだ1万1,439世帯、24億円、この点についてはやはり納税相談になかなか来ないというような部分が相当あるのかなと思いますが、払いたくても払えない人がふえているのが現実だと思います。そして、差し押さえについて本市も行っておりますけれども、この差し押さえの基準についてお伺いいたします。私は、やはり最低の生活費はきちんと保障すべきだと思いますが、この関係との問題についてもお答えください。
 それから次に、資格証明書についてです。部長は今、受診抑制になっていると、このように理解しているという見解を示しました。この点は了としたいと思います。やはり県が調べた調査資料では、正規保険証の人は年間受診率が年6回に対して、資格証の人の受診率は年0.3回になっています。受診抑制になっているということは、県の資料ではっきりとこれが出されました。市川でも、資格証の人が受診を控えたために肺炎を起こしたという、こういう例も私は聞いています。事は命にかかわる重大な問題です。低所得者で払えない人が支払いの相談に出向かないと、悪質滞納者、こういうレッテルを張って資格証を発行する、こういう市の対応の見直しが私は必要ではないかと思います。この点についてお伺いをいたします。
 それから、子供のいる世帯で資格証の発行は、やはりやめるべきだ、こういうふうに思います。県内でも、私も調べましたら四街道市、ここは資格証明書発行はゼロです。滞納世帯率も、市川32.26%に対して、四街道市は5.38%です。なぜこういう違いが出るのか、ここをしっかり市川市としても勉強していただいて、納税相談のあり方、発想の転換をやはり行っていくことが必要ではないか、こういうふうに思います。再度伺います。
○小林妙子副議長 保健スポーツ部長。
○岡本博美保健スポーツ部長 まず、船橋市等との比較におきまして、保険税が高いという認識があるかというご質疑でございます。船橋市の場合は市川市と違いまして、料で求めているところもありますので、時効が2年という、そこが市川市と少し違うところがありますので、滞納額につきましてはそこら辺の差が出ているというふうには考えております。まず、加入者が世帯で1人または2人のときは、船橋市のほうが負担が少ない状況となっておりますが、実はこれをもう少し詳しく見てまいりますと、夫婦、子供2人の4人世帯で、所得が例えば100万円の場合につきましては、市川市は11万3,700円、船橋の場合は11万3,800円の税ということで、所得が増加してまいりますと船橋市のほうが負担が高くなっていくという傾向になっております。また、国民健康保険におきましては、療養の給付に要する費用を国、県の負担金、加入者の一部負担金を除いた額を国民健康保険税の賦課総額としております。本市におきましては、加入者が本来負担すべき賦課総額とするのではなく、一般会計より法定外繰り入れで補てんしまして、賦課総額を抑制しているところでございます。
 次に、国保が抱えています構造的な問題についてでございますが、健康保険組合、政府管掌保険共済組合等、他の保険制度と比較いたしまして、高齢者あるいは低所得者が多く加入していることから、国民健康保険の財政はいまだ脆弱であります。このため、加入者の負担を軽減するため、一般会計から多額の繰り入れをしているところでございます。
 次に、差し押さえでございますが、まず、基準でございますが、これは地方税法第728条によりまして、督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納しない場合は差し押さえをしなければならないとされております。しかしながら、期間の経過のみによりまして差し押さえ処分を執行することは、納め忘れの方、納付したくてもできない方、納付する意思がない方かの判定ができないところもございます。本市におきましては、督促状の発送、その後催告書、特別催告書の送付、そして特別納付相談の実施、そして収納嘱託員の訪問等によりまして滞納者との接触の機会を図り、事情を把握するように努めております。
 なお、最低の生活の保障の観点からということでございますが、確かに最低の生活費が幾らであるか、あるいはそれぞれの生活の中でどのような状況になっているのか、これはなかなか判断が難しいところでございますが、生活保障につきましては、生活状態に配慮いたしまして納税相談を受けまして、分割納付などを行っております。払う人と払わない人の公平性や、制度を維持する上ではやむを得ない措置であるというふうに考えております。
 それから、資格証明書の受診抑制についてでございますが、やむを得ず資格証明書を交付いたしました子供のいる世帯等で通院等が必要になったことで納税相談があったときには、一部納付あるいは分割納付の誓約をしていただくことによりまして、資格証明書を解除して被保険者証を交付するなど対応しているところでございます。
 それから、市の対応です。低所得者で払えない人への資格証明書の発行の見直しについてでございますが、先ほどもご説明いたしましたように、資格証明書の交付手順といたしましては、分納誓約を何度も履行できなかった場合には、相談の際にどうしてできなかったかとか、そういったことで状況を伺って弁明書を提出いただいております。その後、滞納対策チームが審査を行いまして、資格証を交付するかを決定しております。したがいまして、支払いの相談に出向いていただいていない場合には、相談していないことだけで悪質滞納者としていないところでございます。
 それから、最後に子供のいる世帯のことでございますが、資格証明書の相談時は弁明書を提出してもらいます。その後、対策チームで慎重に審査しております。この手続の中で生活状況を判断する際において配慮することができるというふうに考えております。
 以上でございます。
○小林妙子副議長 谷藤利子議員。
○谷藤利子議員 認定第1号につきまして質疑をさせていただきます。
 参考資料、平成18年度各会計決算の概要をもとに順次お聞きしたいと思います。この概要の5ページ、6ページにまず市税のことが載っております。歳入の市税について、平成18年度は定率減税が半減される、そのほか各種控除が次々と外されて、税制改革による増税が本格的に始まった年です。市税の収入済額は前年度比22億3,000万円の増となっており、個人市民税だけを見ますと6ページ、31億円の個人市民税の前年度比の増となっています。増税による影響が大変大きいというふうに思うわけなんですが、税制改革による個人市民税への影響額と人数についてお聞かせください。
 次に、市民税の滞納も大変大きいものがあります。さらに歳入の負担金、分担金、使用料、手数料の滞納についても多額になっておりますけれども、その内容と理由についてお聞かせください。
 次は、概要の13ページ、介護保険特別会計についてお聞きいたします。
 平成18年度は、介護保険料も値上げをしました。同時に、税制改革で65歳以上の高齢者非課税限度額が廃止されるなど、年金収入が変わらないのに課税所得が増になることによって介護保険料の負担増が、増税に合わせてさらにこれも行われました。介護保険料の収入済額は予算を大きく上回っていることからも、その負担増が伺われます。一方で、滞納も多額になっています。その滞納の理由と人数、影響額について、まずお聞かせください。
 次は、介護保険料の税制改革による影響額と人数、また、介護保険料の減免対象人数と減免数について。また、介護認定者の障害者控除の対象人数と控除を受けた人数についてお聞かせください。
 最後に、決算審査意見書をもとに伺います。
 27ページに真ん中辺ぐらいから、歳入面では、少し省略しまして、税制改正の影響さらに収納率の向上により市民税が増収となり、歳出面では人件費の抑制、事務事業の統廃合、少し省略しまして、経費の節減に努めた。その結果、本市の財政状況は、各種財政指数がさらに改善され、着実に健全化の方向に進んでおり、その努力は評価に値するとあります。
 その一方で、次の28ページ、29ページのほうには、さらなる市民負担ですね、税の負担の公平性、適正化など、こういう市民負担増を的確にすること、あるいは扶助費や補助金の見直しなどなど、経費の削減をするというような手法によって、経常収支比率を目標の85%を達成するためにさらなる努力が必要であるというふうに削減、経常収支比率の向上を求めております。この意見に対して、先順位者の質疑もありましたけれども、市川市として改めてどのように考えているのか、簡潔にお答えいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○小林妙子副議長 この際、お諮りいたします。本日の会議時間は議事の都合により延長いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林妙子副議長 ご異議なしと認めます。よって本日の会議時間は延長することに決定いたしました。
 答弁を求めます。
 財政部長。
○遠峰正徳財政部長 私のほうからは、18年度の決算に係るご質疑のうち、(1)及び(3)についてお答えをいたします。
 まず、税制改革によります個人市民税への影響と人数についてでございますが、この主な影響の内容について申し上げますと、第1点目といたしましては、定率減税が2分の1に縮小されたこと、第2点目といたしましては、老年者控除が廃止されたこと、第3点目といたしましては、公的年金等控除が見直しされたことでございます。その影響額でございますが、全体で19億48万1,000円でございます。
 まず第1点目の定率減税は、景気浮揚対策の一環といたしまして平成11年度から実施してきたものでございますが、所得割の税額から15%、限度額4万円を控除しておりましたが、景気が回復傾向にあることから、平成18年度からその2分の1の7.5%、限度額2万円に縮小されたものでございます。その対象人数でございますが、22万7,324人でございまして、影響額につきましては13億9,167万2,000円でございます。
 続きまして、2点目の老年者控除の廃止でございますが、これは平成17年度まで65歳以上の方で合計所得金額が1,000万円以下の方が対象となっておりました48万円の所得控除が廃止されたものでございます。その対象人数でございますが、1万8,889人でございまして、影響額は2億7,200万1,000円となっております。
 次に、3点目の公的年金等控除の見直しについてでございますが、公的年金等を受給する65歳以上の方に対する公的年金等控除について見直されたものでございます。その対象人数でございますが、2万682人でございまして、その影響額は1億6,928万5,000円でございます。
 続きまして、平成18年度の個人市民税の滞納者数、滞納額についてお答えいたします。平成18年度につきましては、滞納者3万3,127人、滞納額は27億485万4,435円でございます。
 次に、分担金及び負担金、使用料及び手数料の滞納のうち主なものといたしまして、児童福祉費負担金の保育園保育料で、平成18年度は滞納世帯数636世帯、滞納額は1億3,609万1,714円でございます。
 次に、使用料及び手数料の滞納のうち主なものといたしまして、社会福祉使用料の市営住宅使用料でございますが、18年度は滞納者171人、滞納額は8,446万7,328円でございます。また、滞納となっている主な理由といたしましては、リストラによる失業や病気などによる所得の減少、事業不振などでございます。
 続きまして、(3)のご質疑の決算審査意見書の評価、意見に対しまして、市川市としてどのように考えるかということでございます。この経常収支比率85%以内につきましては、平成11年度からの財政健全化緊急3カ年計画で取り上げて以来、現在の第3次になります財政健全化計画まで一貫して取り組んでまいったところでございます。この結果、経常収支比率の推移を見てみますと、平成10年度の93.6%をピークに、総じて改善傾向が続いていると言えるものと考えております。これまでの財政健全化計画で定めた経常収支比率抑制のための取り組みの成果であるというふうに考えております。しかしながら、現在の緩やかな景気回復や人口減少下で少子・高齢化が進展することから、市税を中心とした本市歳入の伸びは今後も期待ができないと見込まれることや、団塊世代が退職時期を迎えることなどによる退職者への増や、何回も申し上げておりますが、保健・医療・福祉や教育などの経常的経費の増加が見込まれることなど、多種多様な市民ニーズに的確にこたえていくためには、まず委託化の推進や競争入札の推進などによりまして徹底した事務事業の見直しを行いながら、経常的経費の抑制に努めるとともに、市税収入など自主財源の確保を図り、財政健全化計画で取り上げております経常収支比率抑制のための取り組みを今後も継続していくことが必要であると認識しているところでございます。
 以上でございます。
○小林妙子副議長 福祉部長。
○林 忠彦福祉部長 答弁がご質疑と若干前後するかもしれませんけれども、お許しいただきたいと思います。
 (2)の介護保険特別会計に関するご質疑につきまして、まず、税制改正に伴う介護保険料の負担増の人数と影響額についてお答えいたします。平成18年度からの介護保険料は、保険給付費の増加や税制改正の影響により、低所得者層の負担増が懸念されております。そこで、65歳以上の高齢者に係る非課税措置の廃止により、介護保険料の所得段階が上昇する方につきましては、平成18年度と平成19年度の2カ年間において、介護保険料の負担増を緩和する特例の保険料を定めているところでございます。
 お尋ねの税制改正に伴う平成18年度介護保険料の負担増の人数と影響額でございますが、税制改正により市民税が課税されることとなった方と同世帯の方では、介護保険料の所得段階第4段階となった方は912人、負担増となった額は約480万円でございますので、1人当たりでは約5,260円の負担増となっております。また、税制改正により本人の市民税が課税となり第5段階となった方は5,258人、負担増の額は約2,971万円で、1人当たりでは約5,650円の負担増となっております。したがいまして、平成18年度は合わせて6,170人の方が税制改正の影響を受けており、負担増の総額は約3,451万円でございますので、1人当たりでは約5,590円の負担増となっております。
 次に、介護保険料の収入未済についてお答えいたします。現年度分普通徴収保険料の被保険者数は1万3,584人で、完納者数は1万14人、未納者数は3,570人で、収入未済額は9,145万170円でございますので、1人当たりでは約2万5,600円の未納となっております。また、滞納繰越分、普通徴収保険料の被保険者数は3,768人で、完納者数は1,129人、滞納者数は2,639人で、収入未済額は7,110万4,320円でございますので、1人当たりでは約2万6,900円の滞納となっております。
 お尋ねの収入未済の原因でございますが、ご案内のとおり、介護保険料は収入がない方や低収入の方に対しても賦課されておりますので、本人が市民税非課税の方などの納付困難によるものや、居所不明、死亡、転出により未納となっているものなどでございます。
 次に、介護保険料の減免対象人数と減免実績の推移についてお答えいたします。介護保険料の減免制度は、世帯全員が市民税非課税により介護保険料の所得段階が生活保護受給者を除く第1段階と第2段階及び第3段階の方で、生計を維持することが困難な方を対象に、被保険者からの申請に基づき介護保険料の一部を減額するものでございます。
 お尋ねの減免対象人数と減免実績の推移でございますが、平成18年度から介護保険料基準額の増額や税制改正がありましたので、平成17年度の実績と比較してみますと、平成17年度の減免対象人数は預貯金、資産等があり要件を満たさない方も含みますが、世帯全員が非課税の方については2万1,190人で、減免人数は114人、減免した保険料は約274万円でございます。また、平成18年度は同じく世帯全員が非課税の方は1万6,558人で、減免人数は108人、減免した保険料は約224万円でございます。税制改正の影響により、減免対象者は4,632人の減となり、減免人数は6人の減となったところでございます。
 次に、要介護認定者の障害者控除対象者認定書の交付人数と障害者控除等を受けた人数についてお答えいたします。本市では、要介護状態区分が要介護1から要介護5までの方で、寝たきり高齢者や認知症の高齢者に対して介護認定資料をもとに、障害者または特別障害者に準ずる者と判断し、障害者控除対象者認定書を交付しております。平成18年12月31日現在の要介護1から要介護5までで非課税の方から課税の方まですべて含んでおりますが、障害者または特別障害者に準ずるものと判断できた方は7,035人であり、平成19年5月31日までの障害者控除対象者認定書の交付人数は376人でございました。
 そこで、お尋ねの障害者控除対象者認定書を税申告に添付したことによる効果を見てみますと、1つには、本人の所得が125万円以下のために平成18年度の市民税は非課税となった方は34人でございます。もう1つにつきましては、本人の所得が125万円以上のために、平成18年度の市民税は課税ではあるが、障害者または特別障害者控除により市民税が減額となった方は121人でございます。
 以上でございます。
○小林妙子副議長 谷藤議員。
○谷藤利子議員 ありがとうございました。それでは、順次再質疑をさせていただきます。
 市民税ですけれども、税制改革による影響額、個人市民税だけで約20億ということですね。また、その滞納についてもわかりましたけれども、内容についてはもう少しあったんではないかなというふうに思います。税制改革、控除を外されて増税になった内容ですね。もう少しあったかと思いますが、それもできればお聞かせください。
 それと、大変な増税が本格的に始まった年なんですが、この市民負担増に対する当局の認識をまずお聞かせいただきたいと思います。
 それから、生活困窮者、あるいは子供や高齢者などのいる世帯、滞納、保育料、市営住宅も含めて失業、リストラなどの所得減ということなんですが、一方で収納対策も相当に強化しているわけですが、その辺の配慮をどのようにされたのかお聞かせください。
 それから次は、介護保険料のことです。この特別会計13ページを見ますと、介護保険料の滞納額は2億円以上もありながら、予算に対する収入済額は102%で2億7,600万円も増額になっています。歳出のほうを見ますと、保険給付費と地域支援事業費の支出済み合計額は、予算に対して94.8%の執行で7億7,350万円もマイナスになっているんですね。これは、1つは私、この理由についてお聞きしたいんですが、私はやはり介護保険料値上げをした年ですから、相当に給付が伸びることを見越して値上げをしたかと思いますけれども、給付が伸びなかったということが1つありますが、やはり見込みが非常に適当ではなかった、保険料を値上げし過ぎたというふうに私は思うんですが、そういうことではないでしょうか。
 それから、この残った分ですね。介護保険料の積立基金に加えたかと思いますけれども、積立金はそのことによって幾らぐらいにふえたのかお聞かせください。
 それから減免の件ですが、保険料の減免については114人というお答えがありましたけれども、対象が1万6,000人ぐらいいらっしゃるうちのわずかな方々しかこの対象になっていない、その理由はどう考えているのか。もっときちんと、相当な負担増になっている中で、きちんと周知する努力をしたのかどうか、ちょっとお聞かせください。
 それから、要介護者の税の減免が7,035人の対象のうち376人が受けられた、これは大変努力をしてこういう結果になったという経過はわかりますけれども、それでもまだまだ少ないわけなんですね。全国では、介護保険制度が去年改定されたことによって、要介護から要支援に軽度認定されてしまった方が56万人いらっしゃるということなんですが、要介護から要支援に移ったことによって税の控除の対象から外されてしまうということにもなるわけなんですが、そういう影響はなかったかどうか、その辺お聞かせください。
 それから、最後に財政健全化に対する考え方なんですが、意見審査、監査の方と、それから財政当局、いずれも市川市の財政は非常に健全化しているということを十分に認めていらっしゃり、また、経常収支比率も目標の85%まで下げたいとは言いながらも、下げるためにさらなる努力をしなければいけないと言いながらも、一番高かった93.6%に比べれば86.4%で非常に健全化に向かっているわけなんですよね。ですから、この辺ちょっと数値的に、類似団体の全国平均から比べると相当にいい状況なのかなと思いますが、その辺ちょっとお聞かせください。
 それから、県内の類似自治体の中で、先ほど何番目というのはありましたけれども、時間の関係でちょっとこれは結構です。類似自治体の全国平均と比べてどれくらいいい状況なのかということをちょっとお聞かせください。
 それから、今後の考え方なんですが、さらにこれからの財政見通しの中で健全化がまだまだ必要だということをおっしゃいましたけれども、その健全化は必要ないという言い方をするつもりはありませんが、その手法ですね。改めて今、ここで本当に昨年、ことしにかけて、先ほどからありました国の税制改革ですね。大変な市民負担増、それから介護保険制度の見直しによる利用料などの負担増、それから来年からは後期高齢者医療制度が始まり、65歳から70の前期高齢者も介護保険から国保税は天引きされる、高齢者医療制度で、これも介護保険料から天引きされる、それから税の激変緩和も終了する、あれもこれも、さらに来年度以降高齢者を中心にした負担増がふえるわけです。これから扶助費の見直しの中心がやっぱり高齢者になって、市川市独自にもさらなる扶助費サービスの見直し、負担の公平という名のもとに歳入ですね、負担をさらに強化していくという、さらなる徹底ということで、国、市両面から徹底した市民の痛みを求めているというところに今本当に立っているのじゃないかなと思うんです。そういう視点をやっぱりもう1度、国がこれだけ構造改革の中で市民の暮らしに影響するようなことを想像された健全化計画でしょうか。その辺、もう1度見直しをしていく、国の動向、市民の生活実態を改めて検証し直して、特に扶助費ですね。補助金の見直し、扶助費、福祉関係のところ、市民負担増の関係のところをもう1度市民の暮らしに影響がないかどうかというところをきちんと検証する時期に来ているのじゃないかなと思うんですが、その辺の見直す計画そのものの手法ですね。もう1度認識をお聞かせいただきたいと思います。
 それから歳入面でも、税制改革、三位一体改革で、市川市は歳入が大変伸びている。これも財政健全化計画の中では見通しがなかった。
○小林妙子副議長 申し上げますが、答弁の時間がなくなりますので、簡潔に質疑をお願いいたします。
○谷藤利子議員 はい。よろしくお願いいたします。
○小林妙子副議長 財政部長。
○遠峰正徳財政部長 質疑が多岐にわたっておりますので、ちょっと整理しながらご説明させていただきたいと思います。
 まず、税制の改正に伴いますこれ以外のケースがあるかということでございますが、具体的に申し上げますと、配偶者均等割非課税の廃止というものがございます。それから、65歳以上の非課税措置の廃止ということがございます。これによりまして、おおむね3万6,000人くらいの方々が影響を受けているというような状況でございます。
 続きまして、認識ということでございます。これら滞納税の関係での認識ということでございますが、確かに増税ということの制度そのものにつきましては、地方税法の規定に基づき改正されたりしたようなものでございまして、市川市がそれについて独自に自分たちの形で行動がとれるというものではございませんので、その辺は前提としてご理解をいただきたいと思いますが、具体的に65歳以上の方のケースで申し上げますと、前年まで非課税だった方が新たに課税されてしまうとか、それから、前年とほぼ同程度の収入にもかかわらず、税金の課税額がふえるとか、そういうことにつきましては十分認識をしているところでございます。
 このようなことから、市といたしましては、市民の立場になりまして、納入については十分な話し合いをさせていただくとか、生活状況の把握を詳細にするとか、徴収の猶予や分割納付などの対応も十分行っておりますので、ご理解をいただきたいというふうに思います。
 それから、滞納の収納対策の関係が今お話をさせていただいたような内容になっておりますので、それから、この収納対策の配慮につきましては、当然のことながら納税者の立場に立った十分な話し合い、生活状況を勘案しながら対応しているというふうにご理解いただきたいと思います。
 それから、財政健全化の考え方ということでございますが、全国平均と、ちょっと今数値を持っておりませんので後ほどご報告させていただきます。
 それから、健全化の扶助費の見直しの問題でございますが、前任者に答弁しましたように、17年度、18年度で扶助費の見直しを行ったところでございまして、今現在この見直しのことにつきましては検討していないところでございます。
 以上でございます。
○小林妙子副議長 福祉部長。
○林 忠彦福祉部長 それでは、4点のご質疑にお答えさせていただきます。
 まず、予算に対して執行率が、歳入が上がっているのは値上げの影響ではないかということなんですが、これにつきましては、予算には制度改正の部分も含んでおります。したがいまして、この増額した理由は被保険者数がふえたためでございます。
 次に、基金は幾らふえたのかというご質疑にお答えします。これは、18年度に約1億円強増額しております。
 次に、減免の分で1万6,000いるのに減免を受けた人数が少ないということですが、これは先ほど私、ご答弁の中で申し上げましたが、預貯金、資産等の要件を満たさない方たちもこの中に含まれておりますので、これが約1万6,000人の対象者というふうにご答弁申し上げさせていただきました。
 以上でございます。
○小林妙子副議長 谷藤議員。
○谷藤利子議員 先ほど後でご答弁いただけるということだったんですが、お願いします。
○小林妙子副議長 財政部長。
○遠峰正徳財政部長 18年度の比較につきましては、まだ類団のほうが全国的に統計的に出ていないものですから、その辺の比較がちょっとできないという状況でございますので、ご理解いただきたいと思います。
 以上でございます。
○小林妙子副議長 谷藤議員。
○谷藤利子議員 終わります。
○小林妙子副議長 お諮りいたします。本日はこれをもって延会することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林妙子副議長 ご異議なしと認めます。よって本日はこれをもって延会することに決定いたしました。
 本日はこれをもって延会いたします。
午後5時3分延会
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