更新日: 2010年9月21日

2010年9月21日 会議録

会議
午前10時1分開議
○笹浪 保議長 これより本日の会議を開きます。


○笹浪 保議長 日程第1一般質問を行います。
 順次発言を許します。
 秋本のり子議員。
○秋本のり子議員 おはようございます。社民・市民ネットの秋本のり子でございます。通告に従いまして質問させていただきます。
 最初から申しわけないんですが、1番目の保育園の待機児童対策についてで、2番の公立保育園のところの訂正をお願いしたいと思います。私の勘違いで、「認可保育園の新設・増員計画の周知について」と伺いたいと思います。
○笹浪 保議長 訂正を許可いたします。
○秋本のり子議員 ありがとうございます。よろしくお願い申し上げます。
 では、最初に保育園の待機児童対策について、1番、認可外保育施設の現状と支援策について伺います。
 私たちは、ともすると待機児童対策として保育園の新設、そして増員、認可保育園に限ってみると、数や人数がふえることを単純に、または希望してふやしているところですが、それによって影響を受けるところがあるということを今回質問させていただきたいと思います。
 認可外保育園への対応について。市川市保育計画の22年から26年の推計を見ますと、就学前児童数は減るのに要保育児童数の占める割合は22.7%から26.3%へとふえる予想となっております。保育園をつくればつくるほど待機児童がふえるとどなたかがおっしゃっておりましたけれども、この不景気が続く中、共働き世帯の増加や、預け先があればぜひ働きたいと思う女性がふえるのは当然です。認可保育園には入れなかったけれども、どうしても子供を預けて働かなければならないという事情のおありの方、そういう方々が利用されるのが認可外保育園です。保育者の人数や資格、施設の構造や設備などが国の基準に基づいていない認可外保育園ですが、保育時間が深夜に及ぶところ、24時間対応のところもあり、さまざまです。乳幼児が長い時間を過ごす場所として市内にある認可外保育園が適切な運営をしているかチェックする必要があると思います。基準に達していないにしろ、国の待機児童の新定義では、認可外保育園に入園している子はカウントされていません。ということは、認可外でも国の判断では保育の質は担保されていると見ているのでしょうか。認可外保育園は、現在市川市内に34あり、その規模はさまざまです。認可外保育園の現状と、現在行われている支援策、そして、市は立入調査を行っていると聞きましたが、内容はどういうものか伺います。
○笹浪 保議長 答弁を求めます。
 こども部長。
○鎌形喜代実こども部長 認可外保育施設の現状と支援策及び立入調査についてお答えいたします。
 保護者の方が就労しており保育に欠ける児童の対応といたしまして、認可保育園公立、私立、また認可外保育園私立――簡易保育園とも言いますが、そこで保育に欠ける児童をお預かりしているという状況です。認可保育園につきましては、児童福祉法第35条の4項により、公立保育園以外の保育園は都道府県知事により保育士の配置数、保育面積の要件等の児童福祉施設最低基準を満たすことにより認可された保育園でございます。市川市の認可保育園への入園につきましては、保育課への入園申請により、毎月選考して入園要件の高い方からご利用いただいております。また、認可保育園につきましては、運営費にかかわる委託料、補助金、それらを補助しております。平成22年4月1日現在、58園、5,431人の入園児童数となっております。一方、今ご質問にありました認可外保育園でございますが、認可外保育園を設置するには児童福祉法第59条の2項により、施設の設置者は都道府県知事に届け出なければならないとなっており、千葉県への届け出により設置されるものでございます。認可外保育園はさまざまな形態で運営されており、入園児童数につきましては、市川市内の状況ですが、少ないところでは4人、多いところでは76人、施設面積につきましては、少ないところでは54平方メートル、16坪、多いところでは230平方メートル、70坪、保育士の人数につきましても3人から、多いところで21人、また、すべての職員が有資格者ではなく、資格のない方も保育に従事しております。入園に関しまして、保護者と園との個別の契約により入園しており、保育料も園で設定をしております。また、認可外保育園の運営につきましては、個人、企業、NPO法人等が運営主体となっております。平成22年4月1日現在では、認可外保育施設数は34園となっており、入園児童数は765人であります。その中で保育に欠ける児童は569人、74.3%となっており、保育に欠けない児童も入園し、利用しております。
 そこで、認可外保育園への本市のかかわりでございますが、認可外保育園を利用している保護者の経済的負担を軽減するために、本市の保育の要件に該当する児童を認可外保育園に預けた場合、3歳未満の児童には月額1万9,400円、3歳以上の児童には月額1万200円の補助を行っております。また、第3子以降の児童が保育を利用する場合は2万5,000円を限度に加算しております。さらに、平成18年4月からは、隣接する船橋市、松戸市、浦安市、鎌ヶ谷市及び江戸川区の認可外保育園へ通園している児童につきましても補助の対象としております。また、施設への支援といたしましては、認可外保育園を設置する際、千葉県への届け出が必要となりますことから、設置者より施設等に関して相談がある場合には、担当職員が認可外保育園に出向き、助言、アドバイス等を行っているとともに、毎年県が実施している認可外保育園への立入調査につきましても、担当職員が同行して認可外保育園の現況を確認しております。また、県の指導監督の際、使用される認可外保育施設指導監督基準につきまして、不明な点がある場合にも相談に応じ、指導、アドバイスを行っております。
 以上のように、認可外保育園が円滑で安全な保育を確保できるように直接的な支援を行っているところでございます。
 次に、立入調査についてでございます。認可外保育園につきましては、平成13年3月の厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知、認可外保育施設に対する指導監督の実施についてに基づき、効果的な指導監督を図る観点から、県が原則として、毎年1回、立入調査を行っております。この立入調査の主な目的につきましては、認可外保育施設について、児童の安全確保等の観点から、指導監督基準に基づき適正な保育内容及び保育環境が確保されているか否かを確認することでございます。立入調査の具体的な内容につきましては、保育に従事する者の数及び資格、保育室等の構造、設備及び面積、保育の内容、健康管理、安全確保などなど9項目が調査項目となっております。この立入調査に当たりましては、児童福祉法第59条の2の6に、都道府県知事は、事務の執行及び権限の行使に関し、保育の実施主体である市町村に必要な協力を求めることが規定されており、このことから、県が認可外保育園へ立入調査する際には、担当課職員――保育課でございますが、同行して現状を確認し、支援、アドバイスを行っているところでございます。また、実施後、各施設の所在地の市町村長に県より結果の通知がございます。
 以上でございます。
○笹浪 保議長 秋本のり子議員。
○秋本のり子議員 ありがとうございました。年に1度の県の立入調査に同行し、そしてその環境も市としても9項目にわたる調査項目で確認しているということと、あと、指導監督、または相談、助言ということもしっかりしているということを伺いました。
 では、保育の質の向上について伺いたいと思います。現状で結構ですが、認可外保育園に対しての保育士に対する研修等、そういったことについてやっていることがあれば教えてください。
 やはり保育の質の向上となると、規模もさまざまですし、保育士1人1人の力というのが大切だと思います。そして、船橋市では認可外保育園職員には健康診断の費用への補助金等もあると伺っています。そういったものがあれば一緒にお答えください。
○笹浪 保議長 こども部長。
○鎌形喜代実こども部長 本市では研修等に関しまして、公立、私立保育園の保育士の研修が毎年ありますので、その際に認可外保育園の保育士さんにも参加いただけるようご案内しているところでございます。昨年度は研修会に14人参加していただきました。その中では、保育園の課題、保護者への対応、遊び方、それらをテーマとして研修をしているところでございます。また、昨年のインフルエンザ、光化学スモッグ等の健康被害とか、そのようなことのお知らせも行っております。また、厚生労働省からの通知文等に関しましても情報提供を行っているところです。また、昨年、幼稚園及び保育園と子供の引き継ぎに係るガイドラインの説明会に関しましては、20園が参加していただいたという状況でございます。
 以上でございます。
○笹浪 保議長 秋本のり子議員。
○秋本のり子議員 今、保育士の研修に14人という数でよろしかったでしょうか。14人ですね。保育園の課題等、いろいろな点で研修を受ける必要はあると思うんですが、14人という数が認可外保育士の数に対してどのぐらいの割合を占めているのか、わかれば教えてください。
 認可保育園へ入るまでの待機期間だけ利用しようとする保護者も多く、どの認可外保育園も厳しい経営が続いていると聞いております。職員はパートやアルバイトが多く、その待遇改善も重要な課題です。おおむね低い賃金で働く非正規職員で、研修の機会にもなかなか恵まれないことが想像されます。本市では、保育士対象に認可保育園の研修と同じものを受けさせているという、その機会を与えているということは大切なことだと思います。これからも、その参加への機会を進めていただきたいと思います。
 研修を受けた職員、レベル向上した保育士に対しては一定の人件費補助とか、またはそれ以外のことを検討して、賃金の面でも考えることはできないでしょうか。認可外保育園で働く人の賃金を上げると同時に、保育の質を上げるということに寄与できる内容ではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○笹浪 保議長 こども部長。
○鎌形喜代実こども部長 先にありました14人がどのくらいの割合かということですが、ちょっと今、割合としてはわかりません。実際には、大体ほかの引き継ぎのガイドラインのときにも、各園から1名とか参加していただいておりますので、半分よりちょっと少ないかなというふうには思っているところです。
 また、ご質問の保育士おのおのの支援、補助ということでございますが、事業者の方からは市への要望といたしまして、施設整備であるとか運営費補助、このようなものを希望している方も多く、こちらのほうにも意見が聞かされているところでございます。ただ、保育士さん個々への支援というよりは、認可外保育園に何が必要なのかを総合的に判断する必要があるかなというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。
○笹浪 保議長 秋本のり子議員。
○秋本のり子議員 わかりました。総合的補助というのを考えている、園に補助を出せば、それが保育士の賃金のほうにかかわってくる、そういうふうに期待しておりますけれども、実際に働く保育士の方々の労働条件、それも少し考えて加えていただけたらと思っています。6月定例会では、認証制度を考えていくという答弁がありました。これをいつごろを目安に考えているのか。待機児童の解消には認証保育園という市川独自のものが早急に必要ではないかと私は考えておりますけれども、どのぐらいまで、導入はどうなっているのか、現状をお聞かせください。
○笹浪 保議長 こども部長。
○鎌形喜代実こども部長 認証制度のあり方についてまとめたいということで、6月定例会でお答えさせていただきました。実際には、今、認証制度のあり方について研究させていただいているところですが、東京都では認証制度というのが整備されてきております。千葉県では県単位での認証制度というのはまだまだ方向性等は示されておりません。現在、県内で実施しているのは柏市さんと浦安市さんでございますが、面積基準とか職員配置等につきまして、やはり施設の最低基準から比べますと緩和されているという状況があります。浦安市さんのほうでは認証保育園制度については、千葉県の定める認可外保育施設の指導監督基準を満たした保育施設を認証保育園の対象としております。面積要件も国の基準の3.3に比べ2.5平方メートルというような形になっております。それらを見まして、さまざまなことで都道府県で定められた認可保育園の要件に比べて緩和された基準でありますけれど、その地域において、いずれも待機児童の受け皿として一定の保育環境が確保された施設として運営されている。ですから、今、ご質問者がおっしゃったような保育の環境とか、そのようなことが整備されているということを確保しながら行っているという状況でございます。今さまざまな視点から検討しているところでございますが、認証保育制度の導入につきましては、今既に調査等行っているのは、認可外保育園の状況を分析しているところでございます。認可外保育園の現状を分析し、支援のあり方がどのようなあり方が必要なのだろうかということ、それと関連させながら認証保育制度の導入の是非等も含めまして検討したいと考えているところでございます。実際にはいつごろかということでございますが、それにつきましては国の動向も含めまして検討しようということで、今動いているところでございますので、いつということは、まだ今の時点でははっきりいたしません。
 以上でございます。
○笹浪 保議長 秋本のり子議員。
○秋本のり子議員 ありがとうございます。立入調査のときに市も入っているということで、やはり自治体が一定の関与をしているという認可外保育園です。責任ある共存できる対応が望まれるところで、この認証制度の導入は、やはり本市独自のものを少し強く、早く進めていただくことを希望しておりますけれども、今は認可外保育園の状況の分析、支援のあり方、それを考えているというところですが、なるべく急いでいただきまして、この認可外保育園が今どういう状況に置かれているか、経営者、保育士にしっかり話を聞いて早急に進めていただきたいと要望します。
 では、2番目に、認可保育園の新設・増員計画の周知について伺ってまいります。全体的な考え方と支援策についてお答えください。
○笹浪 保議長 こども部長。
○鎌形喜代実こども部長 市内の認可保育園の新設と増員計画ですが、まず、認可保育園の新設でございますが、妙典地区の小宮山公園の隣接地に、今工事が始まっておりますが、平成23年4月にオープンする定員100名の保育園を開園する予定でございます。また、既存の私立の保育園におきましては、定員増を伴います建てかえを含めて、23年4月には70名の定員増を図っていく予定となっております。今後も待機児童が多く発生している地区を中心に、新設園の建設とか分園の整備、定員の弾力化などの取り組みを引き続き進めていきたいと考えているところでございます。
 以上です。
○笹浪 保議長 秋本のり子議員。
○秋本のり子議員 認可保育園の新設、または増員の計画、100人、70人と伺いました。では、この地域で認可外保育園を経営なさっている方々に対する影響、そういうものについてどういうふうに考えていらっしゃるかお聞きしていきたいと思います。
 小宮山保育園、平成23年度開園予定で100人、大きな規模だと思います。この近隣保育園、特に認可外保育園には説明、または周知、そういったことを何かしたのかお伺いしたいと思います。
○笹浪 保議長 こども部長。
○鎌形喜代実こども部長 本市では、これまでも待機児童の解消を図るために市民ニーズの高い認可保育園の整備を中心に、各施設を整備する推進をしてまいっているところです。認可保育園の開設により待機児童の解消、受け入れ枠が拡大される一方で、新たな待機児童も発生するというのは先ほどもご質問者がおっしゃったとおりでございます。また、認可外保育園がその待機児童の受け皿として一定の役割を担っているということは実態として認識しているところでございます。
 また、それらの影響につきましてですが、認可保育園の整備による認可外保育園への影響ということでございますが、実際には認可外保育園には認可保育園を希望しながら待機をしている利用者も入園しておりますことから、認可保育園を整備した場合に、周辺地域の認可外保育園のほうには少なからず影響はしていると認識しております。
 以上でございます。
○笹浪 保議長 秋本のり子議員。
○秋本のり子議員 私が伺ったのは、認可外保育園に対して何か事前に説明とかなかったかという点について、もう1度お願いします。
○笹浪 保議長 こども部長。
○鎌形喜代実こども部長 失礼いたしました。認可外保育園のほうには建設に対して特に周知をするということはございませんでした。
 以上でございます。
○笹浪 保議長 秋本のり子議員。
○秋本のり子議員 私が今回この質問をするに当たりまして、妙典地区の認可外保育園の経営者の方々から多くの意見を聞くことがありましたというよりも、怒りの声を聞くことになってしまったのですが、認可保育園の建設は親の望むところなんですけれども、認可外保育園の開設状況を見ますと、平成10年に2カ所開園してから、10年以上経営しているところが5カ所、5年から10年未満が11カ所、5年以下が18カ所とふえてきました。これまで10年、5年と支えてくれました認可外保育園にどのように対応しているのかということは、認可保育園とともに共存して待機児童の解消を進めなくてはならない経営者たちにとっては、やはり情報として、この地域にどれだけの増員、または公的な新設があるかということは、経営上、つぶれるか、進められるかと大変なところだと思います。やはり規模の新設、増員にかかわらず、何かしらの形で情報を出す必要があるのではないかと思うんですけれども、もう1度ご答弁をお願いします。
○笹浪 保議長 秋本議員に申し上げますが、ただいま認可外についての周知については、本来は(1)のほうでやらなきゃいけない問題かなと思っておりますので、(2)は認可外保育園の新設・増員計画の周知ということですので、そこら辺を踏まえて……。
○秋本のり子議員 済みません。2番は認可保育園の新設・増員です。
○笹浪 保議長 ですから、認可外については(1)のところで本当は述べなきゃいけなかったことかなと思います。中項目でやっておりますので。
 こども部長。
○鎌形喜代実こども部長 それでは、認可外保育施設が保育に欠ける児童を預かっているという現状は、先ほど来話させていただいております。その現状を見ますと、569人さっき対象者がいますよということでお話しさせていただきましたが、認可外保育園の入園の申請を出されている方というのは20%、約120名程度ございます。当初より、認可外保育園の園のさまざまな保育サービスとか運営を選択して入園している方も多いのではないかというふうに思っているところもございます。また、経営者の中では幾つかの意見としましては、自由で特徴のある保育の形態を望んでいること、また、市の関与を余り望んでいない園もあるなどさまざまなご意見を伺っているところで、一律には非常に難しいところもあるのかなというふうには感じているところです。しかしながら、市の施策であります待機児童の解消、保育の質の担保、これらを基準としまして、さまざまな観点から研究、検討していきたいと思っているところでございます。
○笹浪 保議長 秋本のり子議員。
○秋本のり子議員 ありがとうございました。認可保育園の不足で待機児童解消の一翼を担っていただいている認可外保育園ですので、今、調節弁として役割を負ってもらっておりますので、今後も待機児童を解消するには時間がかかる現状です。待機児童解消を実現する前に認可外保育園の経営が危ぶまれれば、保育ニーズを持つ市民にとって不利益になるのではないかと思いますので、そこのところをお考えいただきまして、待機児童の解消に向かいましてお願いしたいと思います。
 では、次に2番目の農薬、殺虫剤散布・化学物質過敏症問題について伺ってまいります。
 私たちの生活は、科学の目覚ましい発達のおかげで便利になりました。食品、医療、住宅建材などの加工用や保存用に多量の化学物質が使用されています。その1つ1つには安全基準が設けられていますが、総合的な不安はぬぐえない状況と見られます。国は、昨年10月に化学物質過敏症を病名登録いたしました。この化学物質過敏症の成人患者は70万人とも言われております。昨年4月に化学物質審査規制法改正と基本法制定を求めるという化学物質政策基本法を求める国会内学習会に参加いたしました。超党派で基本法制定に動いている多くの国会議員を目の前にし、安全対策がとれていない、日本の規制はおくれている、産業振興ではなく人の命を守ることをこの法に入れたいという意見が多く出されました。日本の規制はおくれている、産業振興でなく人の命を守るということ、これは大切なことであります。一番基本となるところであり、いまだ昨年より進んでいません。法制化されておりません。日本の法規制は分野ごとにあり統一性を欠きます。
 国が2007年から化学物資の使用に対して多岐にわたる指導書をつくり、各自治体に指導を出しております。内容を見るととても先進的なものもあります。しかし、調査をしてみるという自治体は、この指導を守っていないところが多いです。私たちは原因不明の病に苦しむ数多くの人がいることを意識して、この環境問題に取り組まなければならないと思っています。
 化学物質の暴露による発症を防ぐことが望まれます。特に発達過程にある子供は大人以上に敏感です。微量な化学物質でも、胎児、乳児、幼児という発達期の子供の細胞に致命的な傷を残します。未来を担う子供が安心できる環境、学校施設などの安全性確保は大切です。そのためのデータ収集が必要と考えられ、2009年6月に有害化学物質から子どもの健康を守る千葉県ネットワークから、行政施設での化学物質使用状況に対する調査依頼が平成19年、20年度の2年分出されました。調査物質としては、殺菌、殺虫、除草剤などの農薬、芳香剤、漂白剤、消毒剤、床ワックスなど、調査対象施設は市有全施設、市庁舎、公民館、図書館、小中学校、給食施設、保育園、幼稚園、体育館、保育施設などと公園や街路樹などです。この調査には、本市を含め千葉県内22の市が答えております。その調査結果がまとめられ、本年3月に1回目が出されました。千葉県内主要都市の農薬等の使用実態という、その改訂版が7月にも出されました。それを見ますと、本市の化学物質使用状況と課題点が出てきます。特に有機燐剤が使われていることが問題となっております。有機燐剤は人体中毒症状を起こし、神経伝達の正常な働きを妨げ、免疫低下や自律神経症状があらわれる可能性があります。倦怠感、頭痛、めまい、吐き気、多量発汗、腹痛などなどあります。平成19年、20年度の調査でしたが、21年度に変更されたものもあるかと思いますが、農薬、薬剤散布の現状と今後の考え方について伺います。
 また、公園や街路樹の薬剤散布については回答がなされていませんでしたが、現状はどうなのか伺っていきます。公共施設における薬剤散布状況の問題点と改善策について、よろしくお願いします。
○笹浪 保議長 管財部次長。
○西島弘幸管財部次長 公共施設における薬剤散布の現状につきましてお答えいたします。
 私からは、ご質問の各施設のうち、本庁舎、行徳支所、保育園、教育委員会所管の小中学校につきまして一括して答弁させていただきます。
 初めに防除作業の考え方でございますが、各施設では、建物内で発生するネズミやゴキブリ、また、施設内の樹木に発生するアメリカシロヒトリなどの害虫による被害防除を目的として薬剤散布等を行っております。これらの害虫類につきましては、病原微生物を媒介し、人に感染症をもたらすおそれが危惧されますこと、また、施設利用者に不快感を与えますことなど、疾病予防と衛生的な環境の保持という両面から薬剤散布を行っているものであります。特に近年は建物の大型化や室内環境の向上に伴い、都市部においてネズミやゴキブリが増加傾向にあるため、害虫類の防除が重視されております。このことから、各施設でも適切に対処するよう努めているところでございます。
 また、薬剤散布を行う際の基準でございますが、小中学校につきましては、学校保健安全法及び学校衛生環境基準に基づいて、また、本庁舎、行徳支所、保育園につきましては、建物の衛生環境を保つために制定されました建築物における衛生的環境の確保に関する法律、通称ビル衛生管理法に基づいて対処しております。
 そこで、各施設における薬剤散布の現状でございます。初めに本庁舎でありますが、毎日多くの市民が利用されており、給湯室など害虫が発生しやすい場所も多数ありますことから、平成20年12月まで、8月と12月の年2回、土曜日または日曜日に事前周知を行った上で薬剤散布を実施してまいりました。しかしながら、ビル衛生管理法施行規則の一部が改正され、ネズミ等の発生場所及び侵入経路、被害の状況について、6カ月ごとに1回、定期に統一的に調査を実施し、当該調査の結果に基づきネズミ等の発生を防止するための必要な措置を講じることとされましたこと、また、薬剤散布をめぐる健康被害が問題視されるようになり、一部の市民から薬剤散布にかかわるご意見やご要望がございましたことなどにより、平成21年度からは本庁舎全体での薬剤散布は中止しております。そこで、現在の防除対策としましては、5月、8月、11月及び2月の年4回、害虫の生息状況調査を行い、害虫等が多く発生している場合にのみスポット的に薬剤を散布するという方法で対処しているところでございます。
 なお、平成21年度以降につきましては、平成21年5月に第1庁舎4階の給湯室にゴキブリが多く発生したため、スミチオン乳剤という薬剤を1度スポット散布しております。
 続きまして、行徳支所の状況についてお答えいたします。行徳支所につきましても、本庁舎同様多くの市民に利用されており、建物の衛生的環境の整備・保持のため、害虫等の発生や侵入の防止並びに駆除を実施しております。この具体的な内容でありますが、ネズミやゴキブリ等を対象として、公民館を含む支所庁舎につきましては、地下1階から地上5階までの全フロアについて、ロッカーの裏側及び壁側というふうに場所を限定して実施しております。また、行徳図書館につきましては、1階から5階までの全フロアで行っております。使用する薬剤につきましては、年2回、スミチオン乳剤を残留噴霧法により散布しております。
 なお、この薬剤につきましては、本庁舎でもスポット的に使用しておりますが、ビル衛生管理法で規定されております薬事法の承認を受けた医薬品、または医薬部外品に該当しているものであります。
 続きまして、保育園の状況でございます。ビル衛生管理法では、延べ床面積3,000平方メートル以上を対象としておりますが、衛生的環境の保持の観点から、保育園でもビル衛生管理法に準拠して防除作業を実施しております。この具体的な作業内容でございますが、室内につきましては、平成20年度まではスミチオン乳剤による害虫駆除を、また、敷地内の樹木につきましては、平成21年度まではディプテレックス乳剤による害虫駆除を年1回行ってまいりました。しかしながら、本庁舎同様、健康被害や環境に対する影響を可能な限り少なくすることとして、平成21年度より保育園室内の防除につきましては、まず的確に害虫等の発生実態を把握するため、年2回、害虫の生息調査を行い、その結果に基づいて固形の食毒剤を配置しております。また、園内の樹木につきましては、薬剤の種類、薬量等を検討し、本年度から、より毒性の低いトレボン乳剤を使用しております。
 続きまして、学校の状況でございます。学校につきましては、冒頭申し上げましたように、学校保健安全法及び学校環境衛生基準に基づいて防除作業を行っており、ピレスロイド系、アミジノヒドラゾン系の薬剤を使用しております。各学校で薬剤を使用する場合、使用時期、使用場所、使用範囲等が各校で異なりますが、その都度必要最小限にとどめて実施しているところでございます。また、一部の学校では、児童生徒が教職員と一緒にワックスがけを行っております。さらに、トイレには消臭剤が使用されておりますが、これらも薬剤散布と同様の問題がございます。そこで、ワックスがけにつきましては長期休業前に実施するなど養生する期間が確保できる時期に、窓や出入り口を開放するなど十分な環境を確保した状態で実施しております。また、トイレの消臭剤につきましては成分を確認し、健康被害が出ないよう配慮しております。
 次に、校庭等の除草につきましては、多くの学校では原則薬剤は使用せず、児童生徒等による草取りで対応しております。
 次に、敷地内の樹木の防除につきましては、業務委託により農薬散布及び剪定による防除を行っておりますが、業務委託仕様書の中で、農薬散布は千葉県農薬管理指導士の適切な指導管理のもと、農薬取り締まり法に基づいて登録された当該防除対象物等に適用のある農薬を使用回数、使用料、使用濃度等の使用方法及び使用上の注意事項を遵守して行うこと、使用農薬は非有機燐系農薬を使用することなどを遵守事項として記載し、この仕様にのっとった作業を行わせております。
 以上、各施設では施設利用者の衛生的環境の保持と疾病予防を目的として、それぞれの法令等に基づいた防除作業を行っておりますが、作業に当たりましては、今後も必要最小限の範囲で実施してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○笹浪 保議長 水と緑の部長。
○赤羽秀郎水と緑の部長 私からは公園街路樹の薬剤散布の現状についてお話をさせていただきます。
 市川市では、公園の樹木及び街路樹への薬剤散布に当たりましては、平成19年に農林水産省と環境省から出されました通達、住宅地等における農薬使用についてや、平成20年度に環境省から出されました公園・街路樹等病害虫・雑草管理暫定マニュアル、そして暫定マニュアルの改訂版として本年5月に出されました同マニュアルのほか、社団法人緑の安全推進協会により出されている樹木等の病害虫防除に関する手引きなどに沿いまして行っております。これらの害虫駆除を行う場合には、特に真間川沿いや桜土手公園など住宅密集地の中に桜並木が多くありますので、薬剤散布につきましては細心の注意を払っております。具体的には、害虫発生時期のパトロールを強化し、市民からの通報による早期発見に努めております。それとともに、発見した場合には巣の部分の枝葉を剪定いたしまして、捕殺により駆除を行っております。また、広範囲に大量に発生した場合には、捕殺が間に合いませんので、薬剤散布を行うことになります。この場合には、マニュアル等に沿いまして千葉県薬剤農薬管理指導士の資格を有しました委託業者により散布を行っておりますが、基本的には5月のゴールデンウイーク明けと8月のお盆前の年2回散布を予定しておりますが、その年の害虫の発生状況によって、その都度散布を行っているのが現状でございます。
 薬剤散布の方法ですが、まず、散布により影響の出る可能性がある範囲にお住まいの方々には、1週間前からチラシにより周知を行っており、散布中の窓の閉鎖や洗濯物の室内干し等をお願いしているとともに、散布時間も早朝から通勤通学が始まる前までに終了することとしております。また、当日、雨天や強風の場合には散布を中止し、改めて日程調整を行っております。
 また、散布する薬剤につきましては、平成19年度より人体に影響が出るおそれのあるスミチオンなどの有機燐系の薬剤をやめまして、比較的人体に影響の少ない除虫菊の成分に近いトレボン乳剤などに変えております。また、散布方法も、範囲全体にまくのではなく、害虫そのものへのスポット散布を行うことによりまして使用料を必要最低限に抑え、近隣への影響を考慮しております。
 このように害虫駆除につきましては幾つかの手法をとっておりますが、このほかにも、昨年初めて里見公園内の桜にこも巻きを実施するとともに、真間川沿いの桜並木には性誘因フェロモンを使用しましたフェロモントラップを仕掛け、害虫の発生防止に努めております。
 以上でございます。
○笹浪 保議長 環境清掃部長。
○大瀧晴夫環境清掃部長 私からは側溝等におけますユスリカ駆除の薬剤散布についてのご質問にお答えいたします。
 ユスリカにつきましては、3月ごろから秋口にかけまして発生し、特に6月ごろに大量に発生しますことから、本市では市民の方々の要望によりまして、駆除のための薬剤の配布と側溝等への薬剤散布を行っております。側溝等への薬剤散布に当たりましては、平成21年度より有機塩素系及び有機燐系の薬剤から、防疫用薬剤として安全性の高い昆虫成長制御剤のピレスロイド系の薬剤にすべて変更しております。実績といたしましては、平成21年度で391件、平成22年度は8月末までで240件でございます。また、市民へのユスリカ駆除の薬剤等の配布につきましても、同様に昆虫成長制御剤で比較的低濃度のものを発泡錠としたものを数を限定して配布してございます。
 次に、薬剤の散布の方法でございますが、周辺に拡散しないよう十分に注意を払い、噴霧器等で側溝等に散布しております。
 以上でございます。
○笹浪 保議長 秋本のり子議員。
○秋本のり子議員 ありがとうございます。先ほど申し上げたように、調査は19年度と20年度にわたった調査で、その中で指摘されたことについて多く改善されているような感じがいたしました。特に規則的に半年ごとにまいていた薬剤を、まずこの本庁舎ですけれども、年4回調査し、そしてスポットで薬剤を噴霧するということ、そういったふうに、なるべく規則的に薬剤を散布しなければいけないというのではなくて、生息調査を見て、そして必要なところに薬剤をまく、そういったことが今後も取り組みとしては正当なものになっていくと思います。
 ただ、私はこの間、行徳支所の方にヒアリングのときに伺ったときには、まだ規則的にやっているというお答えだったんですけれども、やはり調査をまずするという姿勢を全庁的にしていただきたいと思います。公民館も含め、図書館もそうなんですけれども、食べ物を置かないようにするという、そういうようなこと、お子さんが使うところは、やはりそういった食品による虫の発生もあると思いますので、そういうところに注意を促すとか、そういうことが必要ではないかと思います。
 小学校のことについてなんですけれども、今回の調査では、小学校の児童にワックスがけさせているということが、この本市の中での問題点として出されました。養生ができる環境でワックスがけをするというふうにお答えをいただきましたけれども、これは児童は入れないということで解釈していいのでしょうか。児童にもさせるということなんでしょうか。「健康的な学習環境を確保するために」という平成18年6月に文部科学省から出されました「有害な化学物質の室内濃度低減に向けて」はお読みになっていると思います。ご存じだと思うんですけれども、この中には、児童にはワックスがけはさせないということが書いてあります。守られて当然のものという、この規則なんですけれども、それに対してはどういうふうにこれから対応するのか、もう1回だけ確認させてください。
 それから、もう1つ、小学校ではトイレボール、これはパラジクロロベンゼンというものが使用されていると、この時点ではありました。これは発がん性があり、やはり今申し上げた学校環境衛生の基準の中で定められている物質であり、小学校での使用は即刻中止すべきものであるというふうに問題点として出されておりました。この2点について確認させてください。
 それから、ユスリカ対策について、環境清掃のほうからお答えいただきました。やはりこの調査をした時点ではジクロルボスというもの、有機燐剤を使っていました。そこを指摘されました。1週間から10日、そこにとどまってしまう有機燐が揮発している状況だそうです。人間に害があります。現在は、平成21年からはお薬を変えたと伺いました。ピレスロイド系の有機燐剤じゃないというものに変えていただきました。やはりスポットで当てていくということで、件数も数が減っておりますね。ですが、まだ二百何件という必要性がある。ただし、ユスリカというのは不快な虫というんですかね。害虫という判断はしていないようなんですね。ただ、やはりいっぱいいれば気持ち悪いということはわかります。ですが、薬剤の散布については十分ご注意いただきたいことと、あともう1つ、このネットワークではデミリンというものに統一したほうがいいと言っています。これは昆虫がさなぎの段階で成虫になれなくする薬だそうです。ひとつご検討いただけたらと思います。
 全体を通して部長方に立っていただきましたけれども、今まで周知というのは職員のみというのが多かったと、この19年、20年度ではありました。公園はもちろん近隣のお家にチラシをまいたり、呼びかけているというのはお聞きしましたけれども、やはりこれはどんな薬剤でも、まいてしまうと何日間かはそこに入れない方もいらっしゃいます。化学物質過敏症みたいな敏感な方もそうですし、一般の方も、お薬をまいたなと感じるようなことはあると思います。そういったときに、やはり事前広報というのは必要な問題だと思います。それについてのお考えをひとつお聞きしたいと思います。
 やはりどの部署も施設管理者がそれぞれ違い、それぞれの行動で進められているようですが、ここはやはり市庁舎が改善されているように、また、環境清掃のほうでも側溝のユスリカ対策についても前進しているように、1つのところでまとめる必要、この情報をどこかにまとめ、改善したものは、こう改善したというふうに答えられるところが必要ではないかと思いますが、それについてもご答弁いただきたいと思います。
○笹浪 保議長 学校教育部長。
○古山弘志学校教育部長 最初に、ワックスがけの件でございますけれども、平成21年2月に県教育委員会より、学校におけるシックハウス症候群・化学物質過敏症対応マニュアルに応じ、児童のいない長期休業中に実施することや、実施中の換気の励行に留意するとともに、養生期間を十分に設けるよう周知しております。また、ワックス剤の選定においても、化学物質が発生しない、または発生の少ないものを選定するように周知しております。
 続きまして、トイレの消臭剤の件でございますけれども、これも同様に通風の悪い状況での使用は学校環境衛生基準を超える可能性があるため、幼児、児童、生徒の健康被害を考え、使用の判断に当たっては外気との換気の状況を十分考慮するよう指導しております。
 以上でございます。
○笹浪 保議長 管財部次長。
○西島弘幸管財部次長 薬剤散布に当たりまして事前の周知、特に市民への周知ということだと思います。薬剤散布につきましては、先ほど申し上げましたとおり、本庁舎等ではスポット的にやっておりますけれども、確かに市民の方につきましては、その辺わからない部分があると思います。周知につきましては、掲示等の方法、何らかの方法ができないか検討はしてまいりたいと考えております。
 以上です。
○笹浪 保議長 環境清掃部長。
○大瀧晴夫環境清掃部長 今後の対応につきましてお答えいたします。
 側溝等への薬剤散布については、新たな安全性、それからご質問者お話しのように安全性の高い薬品等、また知見が得られました段階で、それらを採用するなど十分配慮してまいりたいと考えております。
 それから、今後の農薬等の窓口につきましては、先ほどから各部長が答弁いたしておりますとおり、多くの施設、また多くの部署が対象になりますことから、各所管におきまして各種法令を遵守しまして、県から示されたマニュアルや独自に作成したマニュアルを使いまして、適正に薬剤を使用しているとは考えております。それらの部署と今後協議するとともに、健康被害のお話なんかもありますと別の所管も関連してまいりますことから、これらもあわせまして検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○笹浪 保議長 秋本のり子議員。
○秋本のり子議員 小学校のワックスがけですが、児童もするという方向なんでしょうか。1つ確認させてください。
○笹浪 保議長 学校教育部長。
○古山弘志学校教育部長 児童のいない長期休業中にということで、基本的に児童のいない場所で行いたいと思っております。
○笹浪 保議長 秋本のり子議員。
○秋本のり子議員 わかりました。例えば化学物質過敏症の言葉が出てまいりましたが、子供はどういうふうに自分の体のぐあいが悪いかということをなかなか言えない状況があると思います。そんな中で、やはりこの調査で問題にされましたワックスがけ、それとトイレボールのこと、そのことを改善していただいたこと、それを進めていただきたいと思っています。
 総合計画では、まちづくりの目標を達成するために政策の横ぐしを刺すための10のいろどりアプローチというのを掲げていらっしゃいます。この環境のアプローチは、まさに今回質問させていただきましたように多くの部署にかかわっている問題です。所管でそれぞれ対応していくと言っても、やはり一般市民から見ると、ワンストップということも考えなくてはならないのではないかと思います。環境といった切り口で総括する目を持つということ、そして、その目標へ向かって実現するための指導的な部署が1つ必要ではないかと思います。例えば施設、本庁舎も行徳支所とか、または公民館等々、薬剤を同じものをどれだけこの市は使っているんだろうか。例えば教育委員会では、ワックスにしろ、薬剤にしろ、今回は総量というものは出されておりませんでした。保育園のほうは出ていました。そういうふうにばらつきがございます。そういった点で、やはり現実的に行動するデータとして、本市はどれだけの薬剤をどういったところで使っているということをまとめていく必要があるのではないかと思います。
 日本の化学物質使用の対応は欧米諸国に比べるととてもおくれています。欧米では、「疑わしいものは使わない」の予防原則を守っていますけれども、相変わらず日本では因果環境が究明されないものは使ってよいとされています。健康都市いちかわとして、率先して取り組んでほしいところであります。
 総合計画にもありますように、1つの部署でまとめて情報を集めておくということをぜひ進めていただきたいと思います。
 1つだけ、化学物質過敏症のことについて触れたいと思っています。現在、本市では化学物質過敏症の方への対応については、街づくり部建築審査課取り扱いになっております。関係各課で話し合い、調整を図った上でここで対応するということに決まったと伺いました。しかし、その内容は大きく2つです。害虫駆除をするときの事前の話し合い、化学物質過敏症の小学生に対しては、千葉県教育委員会による学校におけるシックハウス症候群・化学物質過敏症対応マニュアルに準じて各種対応を行っていく。例えば別室での個別授業、または備品の調整、インクとか、そういったものですね。そういったことがまず1点。それから、2番目に公共工事について、おおむね自宅から500メートル以内の範囲で原則事前にお知らせする。この2点だけです。では、工事中、もしその家の中でいられないような状況になったとき、避難場所ということを用意する必要はないんだろうか、これだけで済むんだろうか。
 もう1つここでも考えていただきたいことがふえてしまいましたけれども、化学物質過敏症の患者さんは、まだ市内では数名だと伺っております。しかし、私も二、三十年前、アトピーとかぜんそくというのは、数的には病気の内容もわかった時点ではそれほどではなかったのが、今では半数近い子供たちがアレルギーとしての何らかの要素を持っていると伺っております。そういう発症してからの対応ではなくて、発症させない対応とともに、この過敏症患者の方々に対する対応は1つですけれども、これからどういう新たな病気が出てくるかもしれません。そういったことに対しても、環境という1つの切り口で1つの部署をということを重ねて要望して、終わりたいと思います。
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○笹浪 保議長 戸村節子議員。
○戸村節子議員 公明党の戸村節子でございます。一般質問をさせていただきます。
 最初の保健行政についての3項目ですけれども、大項目ごとというふうに通告をさせていただきましたが、中項目でお願いをしたいと思います。
 それでは、まず初めに子宮頸がんワクチンについて伺います。
 子宮頸がんワクチンの公費助成につきましては、同僚の小林議員が2度の一般質問を行いました。また、公明党として、大久保市長には、今回、私が一般質問いたします4つのワクチンの、この公費助成について要望書を提出しています。さらには、6月定例会では市民から子宮頸がんワクチンの公費助成を要望する陳情が提出され、市議会全会一致で可決をされたところです。私ども公明党は、近年、若い女性に急増する子宮頸がんの撲滅に向けて、女性の命と健康を守るという立場から一貫して活動してきました。子宮頸がんはワクチン接種とがん検診の受診で、ほぼ100%の女性の命を救うことができます。公明党は地方と国会の連携で、おくれていたワクチンの承認を推進するとともに、両輪であるがん検診も乳がん検診とあわせた無料クーポンを発行することで検診率のアップに寄与してきました。今まで関心の低かった子宮頸がんに苦しむ女性に寄り添い、政治の光を当て、子供を産み育てる性である女性の命を守るために政策を進めることができたことをうれしく思っています。また、公明党は子宮頸がん予防法案を提出いたしました。残念ながら可決はされませんでしたが、全額国費によるワクチンの一斉接種と、細胞診とHPV検査を行う予防検診を実施し、女性を子宮頸がんから守る内容になっています。厚生労働省がことしの6月にいたしました子宮頸がんワクチンの実施状況の調査がございます。全国で114市町村が、既にこの22年度に実施をしております。そうした中、千葉県でも54市町村のうち、その後、議会答弁などで来年度実施するとの答えが出ました市町村、何と18市町村でございます。もう既に千葉県内では3分の1の市町村が実施をすると公表をしているわけです。国も、ここに来てようやく明年度予算の概算要求で子宮頸がん予防対策事業150億円が盛り込まれました。いよいよ腰を上げることになりましたけれども、本市ではいかがでしょうか。23年度からぜひとも実施をしていただきたいと思いますが、お答えをお願いしたいと思います。
 前定例会では子宮頸がんワクチンの公費助成について、市長から、急ぎ検討に入るとのお答えをいただいております。また、医師会との協議ということも部長の答弁で課題になっていたかと思います。医師会長の吉岡先生初め医師会の先生方にお会いしたときには、県内の市町村がここまでやっているのに、市川も早く実施してほしいとの感想を述べておいででした。現在までの医師会との協議の内容についても伺います。
○笹浪 保議長 答弁を求めます。
 保健スポーツ部長。
○横谷 薫保健スポーツ部長 子宮頸がんワクチンの公費助成につきまして、市の内部での検討及び関係各機関との協議はどのようになっているか、こうしたお尋ねであると思います。
 まず、市の内部における検討といたしまして、さきの6月定例会でもお答えいたしましたように、国の状況を確認しながら子宮頸がん予防ワクチンの接種による副反応などの安全性に問題はないか、接種効果の有効期間にかんがみ接種対象年齢は何歳が適当であるのか、また、接種対象年齢によっては子宮頸がんの予防に関する情報を性教育に組み入れる必要も考えられることから、市川市医師会、教育委員会などと協議するため、子宮頸がん予防ワクチンについての情報を収集しているところでございました。その後、ご質問者からもご指摘がありましたように、国から、8月末に厚生労働省から財務省に提出されました平成23年度予算概算要求、これにおきまして市町村のワクチン接種事業を助成する150億円の子宮頸がん予防対策事業が盛り込まれたところでございます。社会保険実務研究所の発刊する「週刊保健衛生ニュース」というものがございますが、これによりますと、この助成方針につきましては、子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルス、HPVでありますが、これらの感染を予防するワクチンが平成21年10月に承認、12月に販売、接種が行われることで子宮頸がんの予防効果を期待するところであります。しかしながら、3回の接種に必要な費用というものが1人当たり約5万円と高額であり、公費負担を求める要望が各方面から提出されております。
 これを受けて、市町村が実施する予防接種事業に要する費用の一部、定額3分の1相当というふうにしておりますが、これを助成する、こういう事業となっているわけであります。接種の対象年齢につきましては、10歳代にはワクチン接種、二十からはがん検診受診、こうした一貫性のある子宮頸がん予防対策を効果的かつ効率的に推進する方策を市町村がみずから検討し、10歳から19歳の間で独自に設定することができるものとされているわけであります。
 また、子宮頸がん予防接種事業の位置づけでありますけれども、国は、子宮頸がん予防ワクチンの発売から間もなく、知見が少ないため、接種事業を実施する市町村を支援することとし、国として接種を積極的に推奨するものでないことから、予防接種法により法定化されたものではなく、任意予防接種という位置づけを与えているところでございます。また、国におきましては、この事業により接種の対象年齢や教育のあり方などの知見を収集するという構想を持っております。接種対象者の考え方、接種率、接種方法、また、性教育の場における伝え方や、健康被害情報、がん検診との連携等について市町村に報告を求め、子宮頸がん対策の予防接種法上の位置づけを議論するための検討材料として活用する方向である。こういうふうに伺っております。
 本市では逆に、いち早い国のガイドラインの提示を期待しているところでありますけれども、逆に国では、市町村が先行したことで、国が市町村の動向を注視しているといったような逆転の現象かなというふうな認識もしているわけでございます。現時点においては、まだ子宮頸がん予防ワクチンの実施につきまして、ガイドライン等正式な通達は出されておりませんけれども、子宮頸がん予防接種事業が国の来年度予算概算要求に計上されましたことから、来年度からは公費助成を実施する一定の方向が示されたもの、こういうふうに考えているところでございます。
 このように、国の動向を受けまして、現在、市といたしましては市川市医師会の予防接種担当理事、また、産婦人科医会と協議を継続的に行っているところでございます。協議の内容についてでございますけれども、子宮頸がん予防ワクチンの接種対象の年齢について専門的立場から検討いただくとともに、子宮頸がん予防について、市並びに医師会としての施策の進め方、事業の進め方について全体的な方向性をまとめているところでございます。
 また、先ほども申し上げましたように、子宮頸がんについて正しい知識を普及させるためには、性教育の中に情報を組み入れていく必要もあると考えております。このために性交渉を行う前の年代をどのように定めるかということについて、また、性教育をどのような方法で行っていくかということについては、教育委員会と連携を図り、必要があれば保護者等も含めた協議を行いながら、子宮頸がんについて、より効果的に理解を深めていただくよう周知してまいりたい、このように前向きに考えているところであります。
 以上のように、本市といたしましては、子宮頸がん予防ワクチン接種の公費助成につきましては、国の支援策の情報を収集しながら、これとあわせて実施する方向で総合的に検討を行っている現状であるということをご理解いただきたいと思います。
 以上でございます。
○笹浪 保議長 戸村節子議員。
○戸村節子議員 総合的に検討しているということですけれども、国は、明年度、予算をつけるという方向でございますが、そうしますと、23年度から腰を上げていただけるというふうに解釈してよろしいんでしょうか、伺います。
○笹浪 保議長 保健スポーツ部長。
○横谷 薫保健スポーツ部長 国は、当然概算要求で出しているわけでありまして、これとあわせてやっていくということでございますので、ただいま市内部で、そのテーブルに乗せて実施に向けての検討を総合的に行っている、こういうふうにご理解をいただきたいと思います。
○笹浪 保議長 戸村節子議員。
○戸村節子議員 よくわかりませんが、23年度にやる方向でテーブルに乗せて話し合っていただいている、そういう解釈でよろしいんでしょうか。
○笹浪 保議長 保健スポーツ部長。
○横谷 薫保健スポーツ部長 そのように理解していただいて構わないと思います。
○笹浪 保議長 戸村節子議員。
○戸村節子議員 ありがとうございました。では、23年度から実施の方向ということで受けとめさせていただきました。部長、今、接種の対象も国が大枠で考えているというようなお話をされました。全国的にどんなふうかと、私も6月に厚労省が出しました資料を見てまいりましたけれども、ほとんどが小学校6年生から中学3年生というような枠でやっているようでございます。しかしながら、県内では成田市とか富里市では5年生からを対象にしている、そんな状況もございます。医師会の先生方とよく協議をしていただき、よい年齢に決定をしていただきたいというふうに要望をしたいと思います。
 また、公費助成につきましては、国では概算要求の中で3分の1の助成を考えているということでありました。県にはまだ動きはないようでございますが、国と県と市で3分の1ずつの負担で全額助成をしていただければ大変ありがたいというふうに思います。ぜひ、よりよい検討をしていただきたいと思います。多くの子供たち、望んだ子が全員接種できるようになったらいいなというふうに思っているところです。
 教育について少し部長は触れられましたけれども、このワクチンの接種については、恐らく接種の時期は学校での性教育と連動をして、大人への体の成長について学ぶ時期ということになろうかと思います。教育委員会として、ぜひこうした教育現場の対応をしっかりとやっていただきたいと思いますし、また、取り組み方の研究などもしていただきたいと思いますが、教育委員会、ご答弁を一言お願いしたいと思います。
○笹浪 保議長 学校教育部長。
○古山弘志学校教育部長 教育委員会といたしましては、病気の理解を深める基礎知識や感染経路、感染の予防方法について、性教育を含め、学校教育全体の中で発達段階に応じた教育を進めるなど協力してまいりたいと考えております。それに向けての検討ということで、まず、教職員の啓発というものを考えております。健康教育に係る教職員の研修を実施しておりますので、その中で取り上げ、啓発していくことは可能であると認識しております。今後、学校において教職員への啓発を一層進めることを通じて協力してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○笹浪 保議長 戸村節子議員。
○戸村節子議員 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 では、次にHibワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの公費助成について伺いたいと思います。
 細菌性髄膜炎は日常的に存在するHib菌と、そしてまた肺炎球菌とによって発病します。発熱以外に特別な症状が見られないことが多く、早期判断が困難というふうに言われています。日本では毎年約1,000人近い5歳未満の子供が感染しているというふうに言われ、そのうち約6割がHib、3割が肺炎球菌によるものだといいます。Hibが原因の場合、死亡率は3%から5%、肺炎球菌の場合は10%から15%となっておりまして、死亡率が大変高い病気です。生存した場合でも、10%から20%に脳と神経に重大な損傷が生じまして、知的障害、難聴、脳性麻痺、精神遅滞、そしてまた、けいれんなどを引き起こす病気で、予後が非常に悪い、乳幼児にとっては最悪の感染症とも言われています。
 Hibワクチンについて言えば、2008年にはアジア、アフリカを含む世界133カ国で定期接種化され、接種率も高く、世界でも接種できない国はほんのわずかとなっています。アメリカ、イギリスなどの調査では、ワクチン接種でHib髄膜炎の発症率が100分の1に激減しており、接種による効果の大変高いワクチンで、諸外国では既に過去の病気になってきているようです。また、小児用肺炎球菌ワクチンは、世界の約100カ国で承認され、既に41カ国で定期接種が導入されているワクチンです。Hibワクチンと同時に接種することで、細菌性髄膜炎予防に非常に有効です。極めて安全性が高く、効果が高いワクチンだと言われています。日本では、本年2月、小児用肺炎球菌ワクチンの任意接種がようやくスタートいたしました。しかし、費用はHibワクチンが4回接種で3万円、また、小児用肺炎球菌ワクチンが4回接種で4万円程度かかりますので、保護者の負担が大変重いのが現状です。子供の命や健康を守ることが家庭の経済力に左右されることになります。今や世界の常識になっている、そしてまた効果が大変高いこの2つのワクチンについて、お金のあるなしにかかわらず、どの子も平等に受けられるよう、早く国が定期接種化し、費用の負担をすべきだと考えています。
 子宮頸がんワクチンもそうですが、近年は国がなかなか進まない政策について、おくれを補うように地方が先に進めて、その様子を見て、ようやく国が重い腰を上げるといったことがしばしばあります。我が市川市議会でも、昨年の6月定例会では、細菌性髄膜炎を予防するワクチンの早期定期予防接種化を求める意見書が採択されました。市川市議会の議員の皆様の見識は大変高いものがあるというふうに私は思っております。また、堀越議員が本市におけるワクチンの公費助成について質問しております。その際、検討していきたいという答弁がございました。その後、実施に向けてどのような検討がなされたのか、実施はしていただけるのかについて伺います。
○笹浪 保議長 保健スポーツ部長。
○横谷 薫保健スポーツ部長 お尋ねのHibワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチンの公費助成について、現在どのような状況になっているのかというお尋ねだと思います。
 まず、Hib、インフルエンザ菌b型でございます。保菌者のせきやくしゃみとともに体内に侵入し、鼻やのどの粘膜で繁殖いたします。通常でありますと病気を発症するというようなことはありませんが、まれにこれらの菌が血液中に侵入し、血液を介して全身に広がり、髄膜炎、肺炎、咽頭炎などさまざまな深刻な病気を引き起こすことがあります。肺炎球菌につきましても、のどなどから体に入り、大人であれば肺炎を発症することとなることが多いわけでありますが、特に2歳以下の乳幼児では細菌性髄膜炎を多く発症するものであり、肺炎球菌による髄膜炎は年間200人程度、肺炎は1万2,000人、このほか重い中耳炎、敗血症などの原因となることがあるということであります。
 Hib及び肺炎球菌が引き起こす全身感染症のうち、最も恐ろしいのは、ご指摘のとおり髄膜炎であります。髄膜炎の発症者は全国で年間500人から600人、このように推定されているそうですが、このうちHibの感染によるものが約60%を占めており、その多くは2歳未満で発症しているということであります。これらの菌が引き起こす髄膜炎がどれくらい深刻であるかということでありますけれども、Hibが原因となり髄膜炎を発症した場合の死亡率はおよそ5%、難聴や発育障害などの後遺症が残る率は20から30%と言われております。また、同様に肺炎球菌の場合は、死亡率はおよそ10%、後遺症の残る率というのは30から40%と大変高いものになっているわけであります。このHibを対象としたHibワクチンは、平成19年12月から販売されているところであります。Hibワクチンの発病予防効果は99%とも言われ、ご指摘のように小児細菌性髄膜炎の予防にはワクチンの接種が大変効果的であるわけであります。
 次に、Hibワクチンの接種の時期と回数についてでありますが、生後2カ月から7カ月未満の乳幼児を例にすると、接種の間隔は、初回の接種の後、1カ月後、2カ月後、さらに追加免疫として1年後の計4回が必要となります。また、接種にかかる費用は任意の予防接種であり、医療機関により若干異なるとのことでありますが、1回7,000円程度、4回の合計では2万8,000円から3万円程度必要であると言われているところであります。
 小児用肺炎球菌ワクチン、これは不活化のワクチンでございますが、これにつきましては、ことしの2010年2月から発売ということになりました。この接種の時期と回数についてでありますが、生後2カ月以上7カ月未満の乳幼児を例にいたしますと、初回、27日間以上の間隔をあけて2回目、3回目を接種、さらに追加免疫として3回目接種から60日以上の間隔をあけて生後12カ月から15カ月に1回の合計4回の接種が必要とのことであります。また、接種にかかる費用でございますが、任意の予防接種でもありますことから、医療機関により若干価格が異なります。しかし、それを前提として申し上げますと、1回の値段は大体8,000円から1万円程度、4回接種でありますから、約4万円程度の負担、こういうことになります。
 次に、ご質問のHib及び肺炎球菌ワクチン接種に対する公費助成について、現況どのような状況になっているのかということでございます。国におきましては、Hib及び小児用肺炎球菌予防ワクチンについては、あくまで任意接種と位置づけております。公費助成については、現時点では、国からは何ら通知のないところであります。
 次に、Hibワクチン接種に対する公費助成についての他市の現況でございます。関東近県におきましては茨城県の土浦市、栃木県大田原市、東京都では中央区、品川区、渋谷区、荒川区、昭島市などで実施されているということを伺っております。また、補助額につきましては、1回当たり2,000円、3,000円、3,500円、4,000円、5,000円、あるいは2分の1などと、自治体によりまちまちとなっている現況でございます。
 本市におきましては、Hib及び肺炎球菌ワクチンの接種が、市民が安心して子供を生み育てる子育て支援の一環として必要であるとの考え方に立ち、すべての子供が平等に接種を受けられるよう法定接種として位置づけされるよう、また、財政的な助成を行っていただけるよう、国に対して要望を行っているところであります。しかしながら、現時点では任意接種であるとして具体的な考え方が示されていないというのは、先ほど申し上げたとおりでございます。したがいまして、引き続き国の動向を見きわめながら、財政的な面も含めて強力に要請を行ってまいりたい、このように考えているところでございます。
 以上でございます。
○笹浪 保議長 戸村節子議員。
○戸村節子議員 答弁ありがとうございました。細菌性髄膜炎という病気は、高熱が出ましたら、24時間で命に及ぶような劇症型の病気です。小児科医も、熱で受診するお子さんを見るときには、まず、Hibなどのワクチンの接種がしてあるかどうかを確かめて、接種済みであれば安心して治療に当たれるというお話を小児科医から伺いました。
 また、この夏、私は1件の市民相談を受けました。ゼロ歳児の一時保育できるところの保育園を探したけれども見つからない、何とかならないでしょうかというものでした。実は、4歳になる上のお子さんが細菌性髄膜炎で重篤な状態であり、看病のために下のお子さんを預けたいとのことでした。事情を酌み、保育課長が大変早い対応で探してくださり、おかげさまで預けることができました。このお子さんは肺炎球菌による髄膜炎で、ワクチンが承認されたのは知っていたが、実は2歳のときにも軽度の肺炎球菌による髄膜炎にかかっており、大丈夫だというふうに思っていたとのことでした。現在も集中治療室に入院中でございます。市内の身近なところでの病気の発症と重症化の事実に、緊張する思いが今でもいたしております。
 この2つのワクチンの費用対効果について、少し私は調べてみました。そういたしましたら、国立病院機構三重病院の神谷先生という方が、費用対効果について、国レベルですけれども、調査をなさっておいででした。Hib髄膜炎、ワクチンを導入した場合の、その予防費用ということで332億円、そしてまた、もしこの予防接種がないとすると、医療費、後遺症への費用ということで414億円かかる。Hibワクチンの導入により、82億円の費用削減効果がある、こう書かれておりました。また、肺炎球菌によります髄膜炎では、今、小児用肺炎球菌ワクチンは7価のワクチンが市販されておりますけれども、ワクチンを導入するのに296億円かかる。そして、もしワクチンが導入されなければ、髄膜炎の発症者に対する医療費、後遺症への費用など合わせて687億円かかるということでございました。この7価のワクチンは、髄膜炎のほか、中耳炎など予防される疾病もあり、年間391億円の削減効果がある。そういう研究でございまして、費用対効果は大きいものというふうに、私はこの文書を読みまして強く感じたわけでございます。
 また、実施の自治体について、先ほども出しましたけれども、厚生労働省の6月の調査の結果がございます。22年度実施、Hibワクチンが204自治体、11.7%です。そして、肺炎球菌ワクチンが11市町村、0.6%、これはことしの2月が承認をされたところですから、無理からぬことというふうに思います。私も県内の市町村について調べてみました。千葉県内で54市町村のうち、議会答弁で来年度実施するというところも含めまして、予定も入れますと、Hibワクチンが17市町村、32%です。肺炎球菌ワクチンは8市町ということで15%、何とHibワクチンは3分の1の自治体が、もう既に公費助成するということを表明しているという、ここまで今来ているわけでございます。今後、12月定例会、また、2月定例会を通して、実施自治体はさらにふえてくると思います。地方に大きな動きが先に出てきているというのは、やはり地方自治体が市民の暮らしの現場に近くて、本当に必要なことがわかっている、そういうことだからではないかと思っています。まだなかなか23年度というふうにおっしゃっていただくような状況にはないように、先ほどのご答弁を伺いました。今後速やかに検討をしていただきまして、23年度、何とか対応していただければと強く要望をさせていただきたいと思います。
 Hibワクチンの供給について、全国的には大分供給が満ちてきているというふうな情報もありますけれども、市内の状況について、この1点、伺わせてください。
○笹浪 保議長 保健スポーツ部長。
○横谷 薫保健スポーツ部長 Hibワクチンの供給状況についてのお尋ねでございます。
 これまで、このHibワクチンにつきましては、発売から2年というようなこともありまして、ワクチンの供給量が少なく、なかなか接種ができない、こういうような現況がありました。このたび製薬会社に確認をいたしましたところ、受注量をふやしたこと、また、流通の方法について変更した、こういうことがございまして、この10月からは他のワクチン同様、各医療機関にスムーズに供給できるように改善をされてきている、こういうような情報を得たところであります。したがいまして、これからはHibワクチンを希望する方には、お待たせせずに接種することが可能となった、こういうふうな回答というふうに受けとめております。
 以上でございます。
○笹浪 保議長 戸村節子議員。
○戸村節子議員 ありがとうございました。ぜひこの子供の細菌性髄膜炎のワクチンにつきましても、前向きなご検討を、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、高齢者の肺炎球菌ワクチンの公費助成について伺わせていただきます。
 肺炎は日本人の死亡原因の第4位です。肺炎による死亡者のうち65歳以上が95%を占めています。肺炎は高齢者になるほど死亡率が高まる怖い病気です。特にインフルエンザシーズンにおいては、肺炎の55%が肺炎球菌による肺炎だと言われています。この肺炎球菌ワクチンによってすべての肺炎を防ぐことはできませんが、重症化を防ぐことが報告されています。
 肺炎球菌ワクチンで大きな成果を上げた自治体では、北海道の旧瀬棚町が有名です。私は、6月定例会終了後に同僚の笹浪議員、小林議員とともに、その取り組みの中心者であり、現在は夕張市民病院の後継である夕張希望の杜医療センター長の村上智彦医師にお話を伺ってまいりました。旧瀬棚町は、国保の老人医療費が平成元年に1人当たり、何と140万円、文字どおり日本一となり、高額医療と医療過疎が共存する町でした。その町に招かれた村上医師は、町長の信頼と協力を得て、保健師などのメディカルスタッフとともに予防医療と保健指導に取り組み、大きな成果を上げました。そのうちの1つがワクチンの公費助成です。肺炎の重症化と死亡を大きく減らすことができ、その結果、老人医療費が全国トップから818位まで下がったとのことです。劇的です。
 肺炎球菌ワクチンは、現在まで日本の国で200万人ぐらいの接種が終わっているということですけれども、高齢者の人口が2,800万というようなことで計算をいたしますと、接種率は7.75%。アメリカでは既に60%から70%の接種に至っておりまして、日本はそういう意味では、まだ途上国に近いということが言えると思います。
 政令指定都市別に調査した認知度及び接種状況についての結果が発表されています。この調査では、肺炎球菌ワクチンの公費助成がない地域では、接種率が公費助成のある地域の2分の1であることがわかりました。高齢者の肺炎球菌ワクチンの公費助成については、昨年9月と12月定例会で大場議員が質問しています。検討するという答弁でございましたけれども、その後の検討はいかがでしょうか、伺いたいと思います。
○笹浪 保議長 保健スポーツ部長。
○横谷 薫保健スポーツ部長 高齢者向けの肺炎球菌ワクチンの公費助成についてのご質問でございます。
 肺炎球菌は健康な人の鼻や咽頭にもよく見つかるものでありまして、通常は病気の症状として出ない人が多いわけでありますが、体力が落ちているときや高齢等により免疫力が弱くなっている、こうした状況になりますと、肺炎のほか、気管支炎など呼吸器系の感染症、副鼻腔炎、中耳炎、髄膜炎、敗血症などの病気を引き起こすことがあるわけであります。
 高齢者の肺炎についてでありますけれども、ただいまご質問者もご指摘のとおり、日本人の死因の第4位の疾病は肺炎となっており、このうち95%が65歳以上の高齢者となっているのが現状であります。肺炎の原因はさまざまでありますが、これらの中で、症例が最も多く重篤化しやすいのが肺炎球菌によるもの、こういうふうに聞いております。この肺炎球菌ワクチンの接種がどの程度行われているのかということでございますが、これは任意の予防接種であるため、残念ながら本市としては直接的なデータを持っていないというのが現状でございます。また、先ほど申し上げましたように、肺炎球菌ワクチンの接種は接種間隔を5年あけて追加接種することが可能となってまいりました。接種間隔が短いと副反応が強くあらわれるために、高齢者が接種間隔を確実に自己管理できるかどうか、こういうことが安全性を確保する上での1つの課題となっております。
 以上のように、高齢者の肺炎球菌ワクチンの接種につきましては、適切な管理ということが前提になりませんと安全性が確保できないということもありまして、本市といたしましては、高齢者の健康を守るという視点から、国に対して法定接種としての位置づけ並びに公費による助成を行うよう強く要望を行っているところでございます。
 以上でございます。
○笹浪 保議長 戸村節子議員。
○戸村節子議員 この肺炎球菌ワクチンも大変効果の高いワクチンでございますので、ぜひ保健スポーツ部としては、今後検討をしていただければありがたいと思います。
 それでは、この4つのワクチンについて、今質問をしてまいりましたけれども、最後に、市長にこのワクチン行政について伺いたいと思います。市長は公約では、出産、子育て世代を応援する、あるいはまた高齢者の安心、生きがいを支援ということで掲げておいででございました。費用対効果の面を考えますと、予防医学に力を入れるということが大変大事かと思います。政策判断ではないかと思っておりますが、市長のご答弁をお願いいたします。
○笹浪 保議長 戸村議員に申し上げますが、中項目でやっておりますので。4つのことについてはまとめては聞けませんので、ご理解いただければと思います。
 遠峰副市長。
○遠峰正徳副市長 副市長の私のほうから、保健部を所管しておりますので、ご答弁を申し上げさせていただきます。
 予防接種の問題につきましては、確かによい効果もたくさんあるわけでございます。ただ、しかしながら、予防接種を多くやるということになりますと、その健康被害等々も相当問題になってくる部分もございます。今回、国のほうで補助金を予算計上したものにつきましても、実施市町村につきましては、民間の損害保険に入ってやりなさいよと。要は、国のほうでは、まだこの健康被害についての確認が全然できていない状況の中で、多くの市町村がやり始めたことによって、国のほうも補助金を交付するというような形に結果的になったわけでございます。予防接種につきましては、本来、国のほうが医学的知見を持って実施するのが最も望ましいわけでございますが、なかなかそういうふうに国のほうが動いてくれないということから、それぞれの地方公共団体が先行してやっているのが現状でございます。そういう意味では、本市におきましても国の知見の出ていない状況の中で、今後、国のほうの動向を見定めながら、市民の子供さんたちにつきましては、これからの市川市の宝でございます。また、高齢者のことに関しましても健康と安全というものは非常に大事だというふうに理解はしております。そういう意味では、できる限りのことは行政としてやっていきたいというふうに考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
 以上でございます。
○笹浪 保議長 戸村節子議員。
○戸村節子議員 世界の100カ国を超える国々が、もう既に定期接種化したりなんかしながらやっている予防接種について、安全性ということを言うというのは、いかがなものかというふうに私は思います。財政的な部分でさまざま課題があるということであれば、そうだろうというふうに思うわけですけれども、ぜひ予防医学に力を入れていただいて、病気にさせないという、ちょっとシフトを変えていただくということを、今後はぜひ考えていただければありがたいと思います。
 次の質問に移りたいと思います。東山魁夷記念館の拡充についてです。
 東山魁夷記念館については、先順位者からも質問がございました。本年11月で5年を迎えますけれども、文化都市市川にふさわしいすばらしい施設で、ここまで多くの来館者が訪れています。市民の皆さんからは、お客さんを案内したら大変喜ばれ誇らしかったというような感想も聞かれているところでございます。今や記念館は文化都市市川の象徴ともなっています。
 東山邸と記念館との間の土地、購入をしていただきましたけれども、今、大型バスの駐車場として利用していて、大変もったいないというふうに思っています。さきの先順位の五関議員への答弁では、緑を少しふやすというようなことでございましたけれども、2008年から開かれている検討会がありました。この検討会では、記念館を拡充をする形で建設する建物について提言をいただいているわけで、この提言の内容について、どんなふうなものだったかということをお聞かせいただきたいと思います。そしてまた、課題についてもお話しいただきたいと思います。
○笹浪 保議長 文化国際部長。
○津吹一法文化国際部長 新たな施設建設についての現状と課題ということでご質問のありました検討会で検討された施設の内容についてお答えを申し上げます。
 先順位者にもご答弁申し上げましたが、東山芸術に造詣の深い5名の方々で構成する検討会からは、記念館と東山邸が地続きとなり、人間東山魁夷を顕彰する施設と東山作品の創作の場を一体的につなぐことが可能となったことから、東山画伯の名を冠した記念館にふさわしい施設の機能の充実や景観を保つためにも、できるだけ速やかに整備を行ったほうがよいとの基本的な考え方のもと、何点かのご意見をいただきました。主なご意見を具体的に申し上げますと、まず1点目として、展示部門については、画伯の代表作品は100号以上の大型作品が多いため、ほかの美術館からの大型作品の借用が可能となるように施設整備を行う必要がある、平面的な広さと天井高にも余裕を持った展示室を設けたほうがよい、また、記念館では、現在、教育普及活動として幅広い市民の方々が東山芸術に触れるきっかけとなるよう、ワークショップやセミナー、クラシックコンサートなどを開催しているが、特に体験活動として実施している日本画の画材などを使ったワークショップについては、館内に作業できる場所がないため、近隣の学校を借用して実施しているのが現状である。市民に親しまれる開かれた記念館として、だれもが気軽に参加できるワークショップなどの参加体験型のイベントを充実させるため、体験工房兼多目的室を設置し、体験学習の充実を図ったほうがよい、そのほか収蔵部門について、余裕スペースがなくなっている、作品の保存等のことにつきましても、資料整理の作業スペースが不足しているなどのご意見をいただいております。また、あわせて建物の構造につきましても、自然を愛した東山画伯を顕彰する施設にふさわしい緑豊かな景観を生み出すために、拡充用地の地下を有効に活用して展示室や収蔵庫などの主要な施設を整備し、地上にはエントランスなどを緑豊かな空間の中に設けて、訪れた人々の憩いの場となるよう公園的な整備を行ったほうがよいとのご提言をいただきました。
 以上が検討会で検討された施設の主な内容でございます。
 次に、課題についてでございます。平成14年3月に策定した東山魁夷記念館基本構想では、記念館は東山邸と新設館で構成するとしております。現在、私どもが一般的に記念館と呼んでおりますのは、この新設館のことでございます。構想では、東山邸の展示公開を掲げておりまして、記念館と東山邸の間の用地を取得することで、2つをつなぐ散策路を整備することが可能とはなりましたが、展示、公開するためには、東山邸敷地内の整備を行う必要もあるなど、予定していた当初の計画は完了していない状況にございます。
 記念館を運営するに当たりましては、ご意見、ご提言いただきました施設の整備は望ましいと考えておりますが、まず、アトリエの公開などを念頭に置きながら、検討会の委員の皆様にも引き続きご助言をいただきまして、1つずつ進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○笹浪 保議長 戸村節子議員。
○戸村節子議員 大変すばらしい建物の提言があったことを伺いました。しかし、このような建物を建設すると、さきの答弁では10億円程度の費用が必要になるということでございました。この提言された建物について、内部的に検討が必要だということですけれども、私は、市民が誇りにするような、この記念館の充実ですから、ぜひよりよいものにしていただきたいと思います。そのために目標年度を決めて、基金を積み立て、なるべく早い時期に建設に着手すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
○笹浪 保議長 文化国際部長。
○津吹一法文化国際部長 お答え申し上げます。
 拡充整備を行うに際しましては、議員おっしゃったように多額の経費が見込まれますことから、そのための財源確保はさまざまな角度から検討する必要があるかと思っております。そこで、ご質問にありました基金でございますが、ご案内のとおり、基金は特定の目的のために設けることができる性質のものでございまして、設置のためには事業の実施の時期や規模などを明確にする必要がございます。また、既に文化振興に係る基金としましては、市川市文化振興基金及び市川市水木洋子文化基金と2つの基金を設置しておりますことから、今のところ新たな基金の創設につきましては慎重に考えていきたいと思っているところでございます。もちろん東山画伯は国民的画家とも言われますように、画伯の絵画を愛する人々は全国に大勢いらっしゃいます。東山画伯を愛する国内外の皆様から広く寄附を募るといったことも1つのアイデアではないかとも思っております。
 いずれにいたしましても、拡充整備につきましては記念館関係者とも調整しておりまして、財源の確保につきましても関係部局とも協議を行ってまいりたいと考えております。私どもといたしましては、課題をこのように1つずつ解決しながら、市川市名誉市民第1号であります東山魁夷画伯の顕彰施設の充実を図ってまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○笹浪 保議長 戸村節子議員。
○戸村節子議員 ありがとうございました。ぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思います。財政部長に一言伺おうかというふうに思っておりましたけれども、時間の制約もございますので、強く要望いたします。この文化行政というのは、市民が市川市で暮らすことの満足度や誇りに私はしっかりとつながっているというふうに思います。大変大事な行政だというふうに思っておりますので、どうか一歩も後退させることのないように、財政部長にもくれぐれもお願いをいたしまして、この件につきましては、ここまでとさせていただきたいと思います。今後、また伺ってまいります。
 次に、地域猫対策について伺います。本市が地域猫対策に取り組み始めて4年になりました。それ以前から、ボランティアの方々が気の毒な猫を見るに見かねて、自分のポケットマネーで不妊・去勢手術を行い、えさやりをして面倒を見ている地域が幾つかありました。しかし、中には地域住民の理解を得ることがなく、節度のないえさやりの方もおりました。市にもそうした苦情が多く寄せられていたと思います。野良猫問題は都市部の共通の問題でもあります。折しも、一足早く東京都や神奈川県で動物愛護の立場に立った地域猫対策が少しずつ効果を上げておりました。そこで、私ども市議会公明党は、会派で先進地域に学び、また市内で現地調査もしながら、市川としてもぜひ地域猫対策を進めてほしいと議会要望をしてまいりました。平成19年、市として地域猫対策を実施することになり、不妊・去勢手術を助成して困っている地域を支援し、市と地域とボランティアが一緒になってこの問題に取り組み、野良猫問題を解決していこうということで、不妊・去勢手術の助成が始まりました。
 さて、本年は今まで個人を対象としていた手術助成を、3人以上の団体と方針を変え募集しました。その本年度の応募状況、そして課題について伺います。そして、ここまで地域猫対策を進めてきましたけれども、モデル地域ともいうべき北部の大野方面など、大変よい事例も出てきているようですので、取り組みの状況について伺います。
○笹浪 保議長 保健スポーツ部長。
○横谷 薫保健スポーツ部長 地域猫対策についての2点のご質問にお答えをしたいと思います。
 初めに現状と課題についてお答えを申し上げたいと思います。近年の少子・高齢化の進展もありまして、ペットを飼う家庭がふえ、中でも犬や猫を飼う家庭が大半を占めているわけであります。ペットとして飼われている犬や猫でありますが、犬には狂犬病予防法などにより、飼い主が明確で、かつ、つなぎとめておくことも義務づけられておるわけであります。しかしながら、猫に関しましては同様の規制がなく、飼い主が不明確であること、そして屋外を自由に歩き回れることから繁殖を抑制することも難しく、知らぬ間に子猫を生んでしまうということもあります。飼い主のいない猫の原因は、無計画で繁殖してしまった、このような子猫の遺棄や、飼い主のいない猫同士の繁殖などによりその数がふえ、生活環境に被害を及ぼしているところでございます。この被害の多くは、やはりえさやりやふん尿によるものが多いというふうに考えておりまして、市といたしましても、こうしたことに対する対応に苦慮しているのが現状でございます。
 このように飼い主のいない猫へのえさやりなどが社会問題となっている中、本年2月、環境省から、住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドラインというものが策定をされました。このガイドラインでは、飼い主のいない猫に対し、えさやふん尿を管理し、不妊・去勢手術を徹底するなど、これ以上ふやさず、1代限りの生を全うさせる猫を地域猫というふうに位置づけまして、活動のルールや役割などを定義しているところであります。本市では、このガイドラインの策定に先駆け、飼い主のいない猫から被害を減らしていくための支援として、平成19年度から地域で管理している猫に不妊等の手術を行い繁殖を抑え、その数を徐々に減らしていく活動をしている方に、その手術費用の一部助成を実施しております。今年度の助成の申請状況でございますが、8月20日に申請を締め切りましたけれども、100頭の募集に対して、申請は34頭ございました。しかし、このうち10頭が申請要件を満たしていなかったために、結果として助成対象は4団体24頭となっております。
 この助成事業は、前年度まで申請件数が募集数を上回っておりましたが、今回、適正管理を徹底させること、現況とその効果の把握のためなど、募集要件の見直しを行ったことから申請数が減少したものというふうに考えております。今回の申請結果も踏まえ、事業の周知が十分であったか、1人でも適正に管理している方の活動の評価など、まだまだ多くの課題を解決していかなければならないと考えております。特に地域猫という活動が地域住民に理解され、きちんと合意がされた形で進められているかということであります。生活環境に被害を与える飼い主のいない猫を減らしたいと思う気持ちは、だれもが同じだと思います。地域が協力して取り組むことで、徐々にではありますが、その猫の数が減り、被害も減らしていけるものと考えております。地域で理解され、協力をいただくためにはどのようなことが必要か。そのために、市はどのような援助ができるのか、地域に合った援助の方法、こうしたことも考えていく必要があります。
 次に、2点目のモデル地域の設置と対策の推進ということでございます。モデル地域とは、住民の理解のもと、活動のルールをしっかりと決め、適正に管理された地域が自治体からモデル地域の指定を受けることで、主に東京都で取り組んでいるものでございます。指定を受けますと、手術費用を初め、活動への援助などが受けられるものでございます。本市におきましては、モデル地域という位置づけはございません。指定している地域ということは特にないわけであります。しかし、地域の取り組みとして地域住民が協力し、成果を上げている例は、そうした地域はあるわけであります。
 その一例を紹介させていただきますと、ある地域で猫にえさをやっている人がいましたけれども、地域住民から、猫が集まってしまうなどの苦情が上がり、えさやりをとめてもらいました。しかし、その地域から猫は離れず、やせ細る猫を見て、地域外からこっそりえさをやりに来る人もあらわれる。こうしたことで、猫の数は一向に減らなかったわけであります。減らない猫の現状を解決しようと地域で話し合いが持たれ、その解決策として、他市で効果を上げている地域猫活動が提案をされました。しかし、地域には猫を苦手とする住民もおり、多くの意見が出されましたが、えさやりをやめても、その地域から離れず減らない猫の現状を受けとめ、話し合いを重ねた結果、地域で管理する地域猫活動に取り組むことになったそうであります。
 管理していくに当たり、えさやりやトイレ、清掃などの活動ルールを決め、不妊等の施術費用は募金などで集め、新しい飼い主探しや捨て猫の防止なども行いました。
○笹浪 保議長 答弁は簡潔にお願いいたします。
○横谷 薫保健スポーツ部長 このような活動を進めていくうちに、活動に消極的だった人も、猫が減っていくにつれて積極的に参加するようになり、活動から1年余りで3分の1ぐらいに猫が減ったというふうに伺っております。
 このほかにも地域で活動に成功した例はございますが、その反対に、地域での理解を得ないまま活動を始めたためにトラブルが生じているというケースもございます。こうした活動を推進していくためには、地域での理解と協力が不可欠であると、このように考えているところでございます。
 以上でございます。
○笹浪 保議長 戸村節子議員。
○戸村節子議員 時間がなくなりました。もう少し言いたかったのですけれども、この地域のモデル地区ということですけれども、杉並区では認定ボランティア制度というのがありますが、市川市ではぜひ、できれば認定地区制度というような制度を設けていただきまして、地域に光を当てた制度にしていただければというふうに思っております。今後のご検討、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上です。
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○笹浪 保議長 この際、暫時休憩いたします。
午前11時58分休憩


午後1時2分開議
○荒木詩郎副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第1一般質問を継続いたします。
 松永修巳議員。
〔松永修巳議員登壇〕
○松永修巳議員 緑風会の松永修巳であります。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 まず最初に、市と千葉県との協議の現状と今後についての1点目、千葉港市川航路のしゅんせつ整備に向けた経緯と見通しについてであります。
 私は、平成20年9月と12月定例会において、この問題について質問を行い、市川市の海に対する考え方を詳しく説明をいただき、県の対応のあり方について、少なからず疑義を抱いたところであります。港湾、海岸線保全等に関する業務、すなわち船舶の航行に際しての市川航路の安全を確保する仕事は、千葉県の所掌事務であるわけであります。そして、平成15年6月には、議会で行徳臨海部特別委員会設置し、その後、行政側との行動と相まって活動してきたところと理解をしているものであります。
 海を持つ本市として、海を利用、活用しての市民への恩恵は余りにも少ないのではと私は思います。前回の質問でも指摘させていただきましたが、埋め立て廃止に始まり、三番瀬の問題、さらには暫定的に施工された塩浜の直立護岸に対する県の対応姿勢については、市川市にとって、また、海にかかわりを持つ市民の方々においても納得できる内容ではないと思います。
 その後、平成21年5月に千葉前市長名で、新しく知事に就任した森田健作知事に、三番瀬の再生と行徳臨海部の環境改善に関する要望書を提出いたしました。その内容としては、具体的には10項目にわたりるる申し上げたところであり、それぞれ切実な訴えであったと評価をしております。本来、身近にあるはずの貴重な海であるにもかかわらず、昭和61年以来、市川二期埋立計画の検討に15年、埋め立て中止後の三番瀬再生計画の検討に8年かけて、ほとんど未整備のまま長い期間、放置されてきたところであります。その結果、市民は身近に海がありながらも、直接触れることができない状態を強いられてきたこと、そして、三番瀬を生活の場、糧とする漁業者や地元企業も県の施策に翻弄されてきたと指摘した内容が要望書の大要であります。
 そして、この中の1項目として、市川航路等の安全確保として船舶の航行安全を図る意味から、港湾整備計画に基づく航路を早急に整備されたいとの申し入れがあります。その後、市は1年2カ月が経た平成22年7月9日付、新たに就任した大久保市長名で、市川航路の浚渫土砂活用による干潟の再生及び覆砂に関する要望書を提出して、改めて要望してきたところであります。
 その内容を拝見いたしますと、昨年要望した地元住民、漁業者、市川市の意見として、市民が望む市民が親しめる海辺や漁業環境の改善の実現については、ほとんど進んでいないと指摘をしつつ、このたび県において市川航路のしゅんせつ事業が計画され、平成22年度、23年度に約26万立方メートルのしゅんせつ土砂が発生するという情報を得ました。そこで、三番瀬に一番身近である市川航路から発生する大量のしゅんせつ土砂を有効活用して、地元住民や漁業者が望んでいる干潟の再生及び覆砂による漁場環境の改善を進めることへの要望であります。
 そこで伺いますが、これらの経緯の中で、市当局として、県の一連の動きをどう位置づけ、どう評価をされ、要望に至った経緯、今後の見通しをどうとらえておりますか、ご答弁をください。
 県の市川航路の安全確保、誘導に資する海図記載のとおりの水深と航路幅員の確保による船の乗り揚げ海難事故の防止に役立てるのはいつごろになるのか。
 そして、船舶利用に伴う特別とん譲与税の市川市の収入金額も、平成18年度から3年間は440万円前後で推移していましたが、昨年度は388万円余と落ち込んでおり、横ばい状況から上昇を見込めない状況も残念でなりません。さらには、緊急災害時における救援物資の海上輸送にも影響が出ることも予想されますので、何としても早く整備されることを強く求めるものであります。
 続いて、2点目の塩浜の直立護岸の整備の方向性について伺います。
 本件護岸の整備対策については、昨年7月の行徳臨海部特別委員会において、所管の臨海整備課長から報告がありました。その議事録を読ませていただきました。その内容として、塩浜1丁目護岸については、県と市の主張が平行線で来ていたが、昨年、平成20年11月に市から、財政的な負担を含め協力することで県が主体となって恒久的な護岸改修に向けて取り組んでほしい旨の要望書を提出した。この要望に対して、平成21年1月、県から回答があり、市の財政的負担を得ながら県が主体となって護岸前面海側において三番瀬の再生、保全のための事業に取り組み、県として安全で親水性のある護岸整備に向けて協議調整を行う予定とのことであります。
 平成21年6月の県の補正予算で護岸の調査費として3,000万円、スケジュールとしては平成23年度工事着手で25年度完成予定との説明でありました。市が財政負担を持つという観点からは、地方財政法に照らして解せない点もありますが、かたくなな県を動かしたことに対しては評価をするものであります。
 そこで伺いますが、協議が調ってから早くも1年余が過ぎましたが、定められたスケジュール等に変更はないのか、事業計画は予定どおり進んでいるのか、市の負担額はいかほどになるのかご説明をいただきたいのであります。
 また、親水性のある護岸整備とは、具体的にどのような形で具現化されるのか、ご答弁ください。そして、市民が望む海とのかかわりとはどういうものを求めているのか、ご答弁ください。
 海の恩恵を享受する海のレジャーも近年盛んでありますが、実現し得る施策の導入など考えていると思いますが、私は、太公望が望む海釣り施設の設置はいかがか伺いたいのであります。近くには市原市五井海岸の市原海づり施設、ここは利用料金、65歳以上の方は無料でありますけれども、大人1日920円、中学生は460円、東京湾大井埠頭の若洲海浜公園海釣り施設、ここは都の施設のようで、入園料は無料でありますが、駐車料金が500円かかるようであります。また、神戸の須磨海づり公園では、大人が16歳以上で1,200円、6歳から16歳の子供が700円、これは4時間限定であります。駐車料金も4時間までが1時間400円で、以後、1時間増すごとに200円というような設計になっております。
 以上、代表的な施設でありますけれども、海の魅力を満喫し、自然をとうとび、学び場にもなり、市の収入増も見込める施策と考えますが、導入の見込みはありますか、ご所見を伺います。
 次に、2項目めの大相撲横綱の顕彰碑の建立について伺います。
 日本の国技大相撲は200年以上の歴史を積み重ねる中で国民生活の中に定着し、今日までの隆盛を誇ってきたところであります。しかしながら、現在、噴出している野球賭博や一連の不祥事で、角界はもとより、社会問題としても国民の関心事となり、各方面に大きな負の遺産を露呈しております。このようなときにこのような質問はいかがかと自分なりに悩みましたが、過去における横綱の名誉をかち得た実績、功績に思いをいたすとき、ぜひとも地元の誉れとして後世に語り継がれる価値ある郷土の英雄であり、名誉なことであったことを評価して、ここに地元の声を受け、行政当局にも協力をお願いして、2人の市川出身の横綱の顕彰碑を建立することに対して、理解と支援をお願いいたしたく質問させていただきます。
 現在のひとり横綱白鵬、昨日まで56連勝というとてつもない大記録を打ち立て、さらにまた上積みをしようとしておりますけれども、長い歴史の中で、白鵬は69代目の横綱であります。横綱の地位は、それを上り詰めるには並大抵の努力、精進に加えた天性の体力、強靭な精神力などが求められます。そういうことから、今までに千葉県が生んだ横綱はわずか4人しかおりません。そのうち2人が、何と市川の信篤地域から輩出しているのであります。
 その1人は、高谷出身の第14代横綱境川浪右衛門。1876年ですから、明治9年、今から134年前に35歳で横綱となり、在位9場所、5年間横綱として君臨しました。本名は市川浪右衛門、身長169センチメートル、体重128㎏ということでございます。もう1人は原木出身の第21代若島権四郎。本名が加藤権四郎、1905年、33歳で横綱となり、7年間、14場所綱を張り、身長178センチメートル、体重115㎏という恵まれた体で、突っ張り、けたぐりを得意として、大阪の中村部屋に席を置き、大阪では無敵であったと言われております。引退後は米子市で市議会議員を務めたとのことでもあります。つい先日わかったことなんですが、市内の香取神社に畳半畳ほどの大きさの肖像画が額に入って飾られ、奉納されておりました。
 以上、市川市出身の横綱2人のプロフィールでありますが、そのうち境川横綱の生家である高谷の飯塚さんの家の前には、縦70センチメートル、横90センチメートルの業績が書かれた案内看板が市教育委員会の名で立てられており、道行く人たちの目にとまっているのであります。しかし、昭和55年に立てられたもので、大分古くなり、ペイントの文字も薄れ、はがれたりして、ちょっとみすぼらしくなっている状況です。
 このような状況の中で、地元では両横綱の顕彰碑の建立を望む声が高まり、自治会や有志の方々がその実現に立ち上がり、浄財集めを始めようとしております。
 それと申しますのも、昨年3月に初めて開催した信篤地域の街回遊展で、横綱に関する資料等に注目が集まり、大相撲の人気の高さに驚かされたのも大きな要因となっておりまして、横綱コーナーは大変な盛況であったわけであります。
 ちなみに、顕彰碑の経費ですが、昨年度、原木西浜公園内に設置した文化功労賞作家、宮尾登美子さんの小説の代表作「きのね」の碑も約90万円かかったということであります。新年度予算の編成を控え、市川市の新しい名所づくりの一環として、官民協働で、ぜひこの第65回千葉国体記念の年でもありますので、市川市が生んだ2人の横綱の偉業をたたえる記念の顕彰碑建立を地元自治会と連携して、物心両面にわたるご協力、ご指導をお願いしたいのであります。所管のご所見を伺いたいと思います。
 続いて、最後の設問、幼児教育の振興充実策について伺います。
 幼児教育、すなわち市川市が抱える幼稚園教育の現状に照らして、教育委員会として公立8園の今後の運営をどう進めていくおつもりか。一方、市内に32園あります私立の幼稚園とどう共存し、財政支援を含め、どう協力を求め、文教都市の名声高い市川市教育の実をどう継続させ、どう振興を図り、次代を担う子供たちをどう育てようとされるのか、根本的、基本的な考え方を伺いたいのであります。
 平成21年度決算が発表されました。幼稚園費は総額5億272万円余の支出であります。そのうち人件費は合計で4億4,157万円余で、人件費の比率は87.83%という高い比率を占めております。
 そこで伺いますが、押しなべて幼稚園で働く職員の平均給与はどの程度になりますか。職員総数とあわせてお示しください。
 他方、歳入の総額は1億5,208万余円であります。保育料ですが、月額1万円で長く据え置いたままであり、私立幼稚園との差は歴然であります。これまでの質問に対しても、当局は、妥当な額であるとのことでありますが、今もその考えに変わりはございませんか、ご所見を伺います。
 このような状況が続くとなりますと、公立と私立の父母負担の格差解消もできず、果たして教育機会の平等的確保、さらには低所得世帯の児童に対する負担軽減も実現できず、その一方で、高所得世帯の適正な受益者負担も制度化できないと思いますが、検討される考えはありますか伺います。
 このたびは市長の交代もあり、新しい市長のもと、教育委員会との協議もされていることと思います。定員数を確保できない公立保育園の状況はどうなっていますか、就園状況をご説明ください。
 少子化が進み、子供の数は年を追って減少しますので、公立にせよ、私立にせよ、当該児童を定員どおり確保することは年々厳しく、難しくなることは目に見えております。その結果として、公が民間を圧迫することは避けなければなりません。今後における共存共栄を危惧するところであります。
 そして、公私における保護者負担の格差を是正するための施策も必要であります。近隣市の状況を考慮し、おくれをとらないことも肝要と考えます。例えば私立幼稚園園児補助金ですが、現在、年額3万5,000円ですが、隣の船橋市では3万7,000円です。今までいつも船橋市の後追いで、2,000円の差を市川市が追いつくと、船橋市はさらに増額するといった経緯をたどってきました。これまでの実績を見てみますと、大体2年経過で増額されております。いつも船橋市と比較されますが、来年度増額される考えをお持ちでしょうか、ご答弁ください。
 国の子ども手当の支給も制度設計が確立できず先行き不透明であり、行政としても、当該親御さんにとっても、来年度に向けた子供を取り巻く環境整備に困惑する事態に直面していると言っても過言ではないと思います。間もなく幼稚園の入園手続の時期を迎えますが、新年度予算の中で各種子育て支援策を充実されることを期待しております。この後、同じ会派の稲葉議員から具体的な項目について質問がありますので、私からは総括的な考え方として、さきの幼児教育振興審議会の答申等の意見を踏まえたご所見を伺って1問といたします。答弁、よろしくお願いいたします。
○荒木詩郎副議長 松永修巳議員にちょっと確認をさせていただきたいのですが、幼稚園の公私格差のところで、保育園というお言葉を使われたんですけれども、幼稚園の間違いではないかと思います。
○松永修巳議員 失礼しました。もし保育園と言っていたら、幼稚園に訂正してください。申しわけありません。
○荒木詩郎副議長 行徳支所長。
〔田草川信慈行徳支所長登壇〕
○田草川信慈行徳支所長 私のほうからは市と千葉県との協議の現状と今後についての2点のご質問にお答えいたします。
 初めに、市川航路のしゅんせつ整備に向けた経緯と見通しについてであります。そもそも現在の経済社会情勢を考えれば、産業振興を図ることは、地域の活性化、雇用の確保、バランスのよい財政運営などの面から、ますます大切になっていると認識しております。そうした背景のもとで、市川航路は地元企業にとって物流の海上輸送の重要な施設であり、市川市及び船橋市を初め、千葉県内や首都圏の経済効果並びに産業活動に大きく貢献をしております。また、市川航路を使用した船舶による貨物の郵送は、一度に大量輸送を可能にするとともに、岸壁における大型機械による貨物の積みおろしにより流通コストの低減にもつながっております。このことは、都市経営の面で市域に海と港湾を持つ本市の大きな優位性であると思っております。その意味で、この市川航路につきましては、産業基盤として必要な幅員や水深を確保し、船舶の安全かつ円滑な航行を実現することは基本的なことであり、重要なことであると認識しております。
 しかしながら、市川航路は昭和42年に定められた千葉県の港湾計画では、計画幅員250メートル、計画水深7.5メートルとなっているにもかかわらず、現状では幅員200メートル弱、水深6.0メートル程度の状態にとどまっております。そのため、地元工業会は、本来大型船を使うことが効率的であるにもかかわらず小型船を使用せざるを得ない、あるいは満潮時まで海上で待機するなどの対応を余儀なくされております。また、海上保安庁からは、座礁等の海難事故の危険性があることを指摘されているところであります。
 こうした現状に対して、地元工業会からは、市に対して毎年改善を県に働きかけるよう要望されているところであります。また、平成20年にはご質問者からも本会議で質問を受け、しゅんせつの実施を県に働きかけるよう求められております。
 これに対して市といたしましては、市からも働きかけを行いますが、地元工業会からも直接あらゆる機会を使って県に強く働きかけていただきたいというお願いをしてきました。これは、地元の企業と行政が一緒になって同時に訴えることが効果的と考えたからでございます。そして、実際私も県の港湾審議会や港湾を考える懇談会を初め、あらゆる会合や協議に出席した際に、毎回のように航路しゅんせつの実施を強く求めてまいりました。
 一方、工業会でも、各方面の協力を得ながら、県に強く働きかけをしてきたところであります。最近では、平成21年4月に森田新知事の就任に伴いまして、市川市塩浜協議会より市川航路等のしゅんせつを含む4項目から成る塩浜地区に関する要望書が提出されました。また、本市も平成21年5月には10項目から成る三番瀬の再生と行徳臨海部の環境改善に関する要望書を提出しておりますが、その中で、市川航路等の安全確保を要望したところであります。
 そこで、そうした関係方面の努力の積み重ねの中における市川航路のしゅんせつについての県の動向と見通しでございます。これまで、市川航路や市川泊地の維持しゅんせつにつきましては、小規模ではありますが、毎年度実施されてまいりました。しかし、今回のような大規模な市川航路のしゅんせつはこれまでなかったものであり、関係者による働きかけの結果、実現したものと考えております。
 なお、このしゅんせつ情報を得ましたのは、ことしの6月に開催されました市川航路運営協議会総会に地元の工業会が千葉県の方々を呼びまして、そこから説明を受けて初めて知ったものでございます。その後、葛南港湾事務所に確認したところ、今回のしゅんせつ事業は、港湾管理者である千葉県が平成21年度から平成23年度にかけて幅員200メートル、水深6.5メートルを確保する計画で事業が実施されるとのことでありました。特に平成22年度及び23年度に本格的なしゅんせつが行われ、約26万立方メートルのしゅんせつ土砂が発生するとのことであります。そこで、しゅんせつについては地元要望に沿うものであり、喜ばしいことでありますが、さらには、せっかく三番瀬に一番身近な市川航路から大量の土砂が発生するのでありますから、これを有効に活用すべきだと考えたところであります。そして、7月9日付で知事あてに「市川航路の浚渫土砂活用による干潟の再生及び覆砂に関する要望書」を提出したものであります。その後、市長が副知事との懇談の中でも、特にこのことを強く求めているところでもあります。
 なお、このしゅんせつが計画どおり進みますと、平成23年度内には200メートルの幅員と6.5メートルの水深が確保されることになり、確実に安全性と利便性が高まることになると考えております。
 ただし、今後の課題も残っております。現在のところ、千葉県は今回で市川航路のしゅんせつが完了するような趣旨の説明を繰り返しております。しかしながら、地元企業は県の港湾計画書において、市川航路の計画が幅員250メートル、水深7.5メートルになっていることを前提として立地していることからも、計画どおり整備することを求めているからでございます。市としても、これで完了とは考えておりませんので、今後も引き続き港湾計画に基づく整備を実施するよう求めてまいります。
 次に、塩浜1丁目直立護岸の整備の方向性についてであります。塩浜1丁目護岸につきましては、ご質問者のご指摘のとおり、県と市の協議が調い、平成21年度より事業が進んでおります。そこでまず、スケジュールについてであります。平成21年度は土質調査や護岸の予備設計を行いました。また、平成22年度は既に環境調査、護岸基本設計、環境影響評価に着手していると伺っております。さらに詳細設計の業務を行う予定でございます。そして23年度には工事に着手し、平成25年度完成を目指すものであります。現在のところ予定どおりの進捗で進んでおります。
 次に、市の負担金額についてであります。今年度、基本設計の作業において護岸構造が決定していく予定でありまして、その構造によって概算の工事金額が決定してまいります。なお、予備設計段階のおおむねの整備費用といたしましては、総額10億円程度となっております。したがいまして、市と県の負担割合は、市が3分の1、県が3分の2となっておりますので、仮に総額が10億円となった場合の市の負担額は3憶3,300万円程度になるということで考えております。
 次に、親水性のある護岸構造についてであります。平成20年11月に提出した要望書には、親水護岸のイメージ図を添付しております。そのイメージ図では、断面を傾斜護岸として、その中段にテラスを設けて、市民の方々が、海により近づけるようにしております。また、その先には小規模ながら干潟を設けるようにしてございます。なお、現在、この1丁目護岸につきましても、2丁目護岸と同様、県が設置しました市川海岸護岸検討委員会で検討を行っております。今年度は基本設計作業の中で護岸構造等を決定していくことになりますので、しっかりと市の主張をしてまいります。
 なお、市民が親しめる海とはどんなものかというようなことでございましたが、これにはさまざまな形態があると思っております。これまでも部分的に少しずつですが提案をしてまいりましたが、今後は東浜1丁目地先も含めて全体を考えながら、地域ごとの特色をできるだけ生かして、最も市民に望ましい利用を考えてまいりたいと思っております。
 そこで、その中の海釣り施設についてでございます。漁港内を初め、塩浜1丁目から3丁目の護岸で、現に釣り人が来られて釣りをされております。また、船橋市に隣接する市川市東浜1丁目地先にあります突堤でも釣りを楽しまれている方が見受けられます。釣りにつきましては、市民が海に親しむ方法の1つであり、その需要は高いものと認識しております。ただし、現状は利用者の安全性とか、あるいはごみ処理などの管理の面で適切な状態ではございません。
 そこで、今後、適切な釣り場を検討するに当たっての各地域の状況を見てみますと、塩浜1丁目護岸につきましては、前面が漁船等が航行する、みおとなっている場所でありますので、漁船等の航行に支障となることが予想されます。したがいまして、漁業者の理解を得ることがなかなか難しいのではないかと考えております。
 また、塩浜2丁目護岸につきましては、将来的には石積み護岸の前面を干潟化して、市民が親しめる海辺とすべきと考えて、再三、千葉県に対して要望しているところでございます。したがいまして、干潟化と釣りを両立させることができるかどうか、なかなか難しいところもあるかと思います。
 なお、塩浜3丁目につきましては、今後、県が護岸整備を予定しておりますが、まだ具体的な計画ができておりませんので、検討は可能であると思われます。また、現在、企業庁に対して移管を求めております東浜1丁目地先においては、市川航路沿いに幅4メートルから6メートル、長さ350メートルの突堤があります。この突堤は路面が舗装され、手すりもついておりますので、釣り桟橋として利用することは可能であると思います。したがいまして、釣りの需要が大きいという現実を踏まえ、地域の現状と今後の計画の中で、市民が海に親しむ施設の1つとして適切に管理される海釣り施設についても検討を進めさせていただきたいと思っております。
 以上でございます。
○荒木詩郎副議長 文化国際部長。
〔津吹一法文化国際部長登壇〕
○津吹一法文化国際部長 私からは大相撲横綱の顕彰碑の建立についてのご質問にお答え申し上げます。
 市川市は市内に豊富に存在する歴史的資産、文化的資産を発掘し、あるいは再びそこに脚光を浴びせることで地域の魅力を引き出し、それが地域ブランド力の強化や住民意識の高揚につながっていく、そうしたことを目的に、平成11年度からまちかどミュージアム都市づくりの一環として街回遊展を市内各地区で実施してまいりました。ご質問者が言われますように、千葉県から横綱に昇進された力士は、現在まで4人しかおりませんが、このうち市川市からは明治9年に千葉県から初めて横綱に昇進した境川浪右衛門と、明治29年に横綱に昇進した若島権四郎という2人の横綱を輩出しております。特にこの2人の横綱は、ともに信篤地域の出身でございまして、第14代横綱境川関と第21代横綱若島関の両横綱につきましては、平成21年3月に信篤・二俣地区街回遊展におきまして、同地区の歴史的、文化的資産を紹介する中の1つとして取り上げさせていただきました。その際、横綱境川関につきましては、高谷自治会館において、横綱の手形や本人が家族にあてた手紙などを展示するなどしまして、市民に紹介いたしました。また、横綱若島関につきましては、原木自治会館において、原木の歴史展として横綱の展示パネル数点とともに生い立ちや活躍の解説を展示しております。今回、こうしたことが地元におきまして顕彰碑の建立をという機運につながったのではないかと思っております。
 なお、この高谷自治会館のある高谷2丁目に横綱境川関の生誕の地がございまして、昭和55年3月に市教育委員会が横綱の生い立ちと活躍を記した説明板をその場所に設置いたしましたが、ご質問者が指摘されましたように、設置後30年を経過しておりますことから、確かに傷みも出ております。このことにつきましては、街回遊展の際にご案内した経緯もありますことから、私ども文化国際部からも所管の市教育委員会生涯学習部へ伝えましたところ、早速対応について検討するとの回答を得ておりますので、あわせてご報告させていただきます。
 さて、私どもが毎年実施しております街回遊展の大きな目的の1つは、こうした各地区の歴史的、文化的資産を紹介していくことが、ある意味、地元の起爆剤となり、それをきっかけとした地域住民によるまちおこしがなされることで地域の活性化が図れることにあります。こうした地域住民の活動は、現在、八幡地区や行徳地区において、地域独自の街回遊展事業という形になってあらわれております。今回の両横綱の顕彰碑につきましても、信篤・二俣地区街回遊展がきっかけとなりまして地元の機運が盛り上がり、独自のまちおこしがなされていくとするならば、私どもの目的どおり、地域の発展に大きく貢献できるのではないかと期待するところでもございます。
 そこで、ご質問者からございました物心両面からの協力についてでございます。確かに官民一体で顕彰碑を建立し、これを地域づくりのシンボルとして、また、地域のモニュメントとして活用したいという地元のお考えはよいご提案と存じます。しかし、現在のように社会経済情勢が不安定で、市を取り巻く財政状況が厳しさを増す中においては、新たな補助金の創設ということは、率直に申しまして大変厳しいと考えるのも事実でございます。また、今回対象とされる横綱2人の顕彰碑の建立ということになりますと、スポーツの所管、歴史的文化財の所管、設置場所の所管など、そして街回遊展がきっかけとなりますと、それを所管いたします文化国際部と、関係する部署も複数に及びますことから、このことにつきましては、庁内でいま一度調整を図る必要もあるのではないかと考えます。しかしながら、私どもといたしましては、文化振興施策として市内各地区でこうした街回遊展を実施してまいりますことで、将来的には各地域地域でそれぞれの魅力を引き出す独自のまちおこしが始まる、ひいては文化を通じた市川市全体の活性化という方向を目指したいと思うところでもございますので、ご質問者からございました街回遊展を行ってまいりました地域からのご要望やご提案につきましては、どのような形で実らせることができるか、1つ1つ検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○荒木詩郎副議長 教育総務部長。
〔岡本博美教育総務部長登壇〕
○岡本博美教育総務部長 私からは幼児教育の振興充実策についてお答えいたします。ご質問が多岐にわたりますので、答弁が少々長くなりますことをご了承願います。
 それでは、1点目の公立幼稚園8園の今後の運営についてでございます。初めに、市川市が抱える幼稚園教育の現状に照らして、公立幼稚園8園の今後の運営をどう進めていくのかについてでございます。公立幼稚園は、当初、私立幼稚園の補完的役割を担うものとして、昭和40年代半ばから50年代半ばにかけ配置整備されたものでございます。その後、平成に入りますと幼児人口の減少と、女性の社会進出や就労形態の多様化による保育需要の変化などを受けて、地域によっては就園率の低い園が生じていることも事実でございます。そうしたことから、これまでにも公立幼稚園の方向性については幼児教育振興審議会にお諮りしてきた経緯がございます。直近では平成18年5月に就園率の低い幼稚園のあり方について諮問をさせていただき、平成19年3月に幼児人口が減少し、今後においても園児の増加が見込まれない地域の公立幼稚園については、私立との共存も視野に置いて、存続すべきか否かを判断していく必要があるという旨の答申をいただきました。こうしたことから、市といたしましても、これまでにいただいた答申の内容を受けまして、公立幼稚園のあり方についてさまざまな検討を行ってまいりました。今後は幼稚園教育要領及び市川市幼児教育振興プログラム等に基づき、いま1度公立幼稚園の置かれている状況や果たすべき役割、また、今後の幼児教育のあり方などについて整理を行い、具体策を講じていかなければいけない時期であると認識しているところでございます。
 次に、私立幼稚園と共存し、財政支援を含めてどう協力を求め、次世代を担う子供たちをどのように育てようとするのかというご質問にお答えいたします。幼児期は、生涯にわたり人間形成の基礎が養われる重要な時期でございます。本市におきましては、家庭、地域社会、幼稚園、保育園等が相互に連携を図りながら、みんなで育てる心豊かな市川の子供を基本理念として幼児教育に努めているところでございます。中でもご質問者がおっしゃいますとおり、幼児期における幼稚園教育の重要性と本市における幼児教育の振興に果たす私立幼稚園の役割の大きさについては十分認識しているところでございます。
 私立幼稚園におきましては、公立幼稚園では取り入れにくい保護者ニーズに柔軟に対応した教育機会の提供を行っており、市内の全幼稚園、在園児の約8割が通園するという状況でございまして、本市における幼児教育の中心的役割を果たしていただいております。一方、公立幼稚園では私立幼稚園の補完的役割から、現在では知的障害児の特別支援学級での受け入れなど、公立でなければ難しいであろう公の役割を担っております。
 しかしながら、さきに申し上げましたとおり、幼児人口の減少と就労形態の多様化等による保育園需要の増大に伴い、幼稚園需要が減少傾向にございます。今後はご質問の趣旨、また、さきの幼児教育振興審議会からの答申等を踏まえまして、公立と私立幼稚園の連携や充実を視野に、公私の果たすべき役割をいま1度見直し、整理していく必要があると考えております。基本的には、現在、公立幼稚園が果たしている役割の中でも、私立幼稚園に担っていただけるものについては、財政的支援も含め十分協議させていただいた上で、民でできるものは民にお願いするということを踏まえながら、私立幼稚園にご協力をお願いしてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、幼児教育は次代を担う子供たちを育てる上で非常に重要であるということを公立、私立に限らず共通認識しておりますので、今後もさらに私立幼稚園と協力体制を保ちながら、市川市の幼児教育のさらなる振興を図ってまいりたいと考えております。
 次に、2点目の公立幼稚園教諭の平均給与の金額及び職員数についてでございます。ご指摘のとおり、平成21年度における幼稚園費の人件費の決算総額につきましては、給料が2億3,024万758円、職員手当等が1億4,036万5,099円、共済費が7,097万1,947円でございまして、合計で4億4,157万7,804円となっております。また、この人件費の対象となる幼稚園教諭の数は、平成21年4月1日現在で53人でございます。したがいまして、1人当たり人件費といたしましては約830万円でございます。
 次に、3点目の公立幼稚園保育料の適正化に関することについてお答えいたします。公立幼稚園の保育料は、ご質問者のご指摘の通り、平成15年度から現在の保育料、月額1万円となっております。公立幼稚園の保育料につきましては市川市幼児教育振興審議会で審議され、その答申に基づき保育料の改定を実施してまいりました。参考までに、保育料の改定に関する答申内容は、平成18年度に保育料を据え置くことが望ましい、そして、平成20年度も保育料を据え置くことが望ましいとの答申をいただいております。保育料の設定に関する手続の上では、答申結果を踏まえると妥当な額であると言えますが、一方では、ご質問者等が発言されたように、公立幼稚園の維持に関する経費総額からは検討すべき課題であることと認識しているところであります。本市の保育料は公立幼稚園の全国平均6,500円を大きく上回っていること、そして、県内で一番高い設定金額になっていることも事実でございます。なお、平成24年度は全庁的な使用料を見直す時期となっております。ご質問者のおっしゃられたように、公立幼稚園の保育料に関しましても、保育園保育料のように収入の多い方に適正な受益者負担の導入などを検討する余地があると考えております。したがいまして、今後、平成23年度以降の市川市幼児教育振興審議会において、公立幼稚園の保育料の設定等につきましてご審議いただきたいと考えております。
 次に、4点目の公立幼稚園の就園率につきましてお答えいたします。平成22年5月1日現在で公立幼稚園8園の定員に対する就園率の平均は60.4%となっております。就園率の最も低い園といたしましては、稲荷木幼稚園の28.8%、最も高い園は塩焼幼稚園の99.2%となっております。
 最後に、5点目の私立幼稚園園児補助金の増額に関する考え方でございます。私立幼稚園園児補助金は、私立幼稚園に在園する園児の保護者に対し経済的負担の軽減を図り、幼児教育の振興を図ることを目的に、所得制限がなく、6月1日から10月1日に在園する園児の保護者へ、一律年額3万5,000円を交付している補助金でございます。ご質問者がおっしゃられるように、近隣の船橋市では、平成21年度より2,000円を増額し年額3万7,000円を交付しております。なお、本市の補助金額の経過といたしましては、平成13年度から年額3万1,000円、平成18年度から年額3万2,000円、平成20年度から年額3万5,000円となっているところでございます。現在、本市の補助金につきましては、近隣各市を比較しても決して低いものではないと認識しております。
 しかしながら、幼稚園の役割は大変重要で、幼児期における教育は、生涯にわたる人間形成の基礎を養い、大人への依存と信頼を基礎として、情緒を安定させ、心身の発達に伴う多くの課題を乗り越えて自立に向かう大変重要なものでございます。財政状況が大変厳しい中で、各種補助事業も見直しの対象となっておりますが、将来の日本を担う子供たちへの投資として、現在の支援事業をできる限り継続できるよう努力し、幼児教育の振興に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
○荒木詩郎副議長 松永修巳議員。
○松永修巳議員 それぞれ細かい丁寧なご答弁、ありがとうございました。
 まず、1点目の港湾の関係でありますけれども、さきの20年9月ですから、ちょうど2年前の9月定例会で、行徳支所長より答弁の中身で私が感心したのですけど、千葉県との平行線の問題については、地方自治法251条の2項に基づき、総務大臣に自治体間の紛争調停の申請を行うことも視野に入れて準備を進めていきたいという大変心強い答弁があり、その結果がこのように動き出したと、私は高く評価するものであります。答弁の内容についてもおおむね了解いたしますが、2点ほど再質問させていただきます。
 まず最初に、航路のしゅんせつの関係でありますけれども、外国船の入港も多いわけでありますけれども、海図に記載されたとおりの水深、海の深さ、幅員の確保に向け、今後どのように、さらにまた強く働きかけていくおつもりか、支所長に伺っていきたいと思います。
 もう1点は、釣り場の確保について前向きなご答弁ありがとうございました。今の海の現状では、潮干狩り等は今のところ無理のようでございますので、でき得れば東浜の先でも結構です。物理的にできるものとできないものがありますけれども、ぜひひとつその中で検討していただいて、安全で親子ともども楽しめるような海釣り施設を確保していただきたい。つくっていただきたい。どのように今後、担当では検討を進めていくのか、その気持ちをお伺いいたしたいと思います。
 次に、横綱の問題でありますけれども、いろいろ難しいという点も理解できるんですけれども、官民協働で物事を進めると事あるごとによく言われますけれども、地域の望む事業等を推進するために、行政として力を注ぐことを躊躇してはいかがかと私は思います。関係する部署が複数になるとのお答えでありますけれども、関係者が相談や指導を受けるように、いっときも早く結論づけをしていただきたいなと、このように考えます。ぜひひとつ、この点は窓口をどこかに絞っていただきたい。この点、担当の遠峰副市長さん、ひとつ今の副市長としての考え方をどこかに絞っていただきたい。このように考えますが、いかがでしょう。ご答弁をいただきたいと思います。
 横綱の偉大な足跡を後世に伝承して残すのも、地域に今を生きる我々の責務であろうと考えます。ぜひ市当局のリーダーシップで地域の関係者とよく話し合いをして、まちづくりの一環としてぜひ実現をしていきたいなと、このように考えますので、その点だけ、副市長さんに今のご心境を伺いたいのであります。
 最後に、もう時間もありませんので簡潔に申し上げますが、幼児教育について、内容については、総体的には以前より一歩踏み込んだ答弁ということで評価をいたします。しかしながら、特に幼教審の答申の中から、公と私の共存を視野に入れ、それぞれが果たす役割をいま1度見直し、整理をしていく必要があると考えるとのことであります。また、私立幼稚園に担っていただけるものについては、財政的支援を含め十分協議検討した上で私立幼稚園に協力をお願いしたいとの答弁でもあります。この辺の協力体制を保ちながら振興を図るということでありますので、今後の動向を見守り、見定めてまいりたいと考えます。新年度予算における幼児教育全般の重点配分を期待しております。
 もう1点、今までの幼教審の答申内容の具現化を求めたいのでありますけれども、1つでも2つでも結果を出していただきたい、見せていただきたい。これを強く要望しておきます。今すぐ、どれをこうということではございませんので、関係する多くの人が願って期待していますので、よろしくお願いいたします。
 また、職員給与を伺いました。現下の経済情勢の厳しい中でのこの数字を見ますと、決算数値の財政構造の弾力性を示す指標であります経常収支比率は、市川市の場合ははっきりと示されているとおり、88.9%と前年よりさらに2ポイント悪化しております。これはゆゆしき状況と言わざるを得ません。その要因の一因でもあると指摘せざるを得ません。速やかに対処されることを望みます。
 先般も民間児童福祉施設の職員の方の給与と私立幼稚園で働く職員の方々の待遇改善の質問も出ておりましたが、これらとの関係も考慮する必要があると私は思っております。
 最後に、間もなく平成23年度予算編成に向けた作業も本格化してまいります。大久保市長にとって、市長就任後、実質的に初めての予算編成となりますので、幼児教育の重要性にかんがみ、振興充実に向けた施策の充実に対し適切な予算措置を期待しておりますので、特段のご配慮をお願いし、大久保カラーを強く打ち出してくださるようお願いしておきます。
 それでは、ご指摘の2問、よろしくお願いします。
○荒木詩郎副議長 行徳支所長。
○田草川信慈行徳支所長 私のほうから2点のご質問にお答えいたします。
 まず、航路のしゅんせつでございますが、これは民間の産業振興、あるいは地域の活性化のために必要な基盤施設であると思っております。したがいまして、これは行政の役割として積極的に進めるべきであると考えております。これまで地元の工業会と協力して進めてきて、やっとここまでまいりましたが、これからも地元の工業会とよく連携して、強く働きかけてまいりたいと思っております。
 また、その際に発生するしゅんせつ土砂につきましても、干潟の再生及び漁場の改善に活用が可能でありまして、三番瀬の再生も実現化していくことになると思います。まさに一石二鳥の事業であると考えておりますので、今後、そうした必要性とか効果を各方面によく説明しながら、しゅんせつを強く働きかけていきたいと考えております。
 もう1点、釣り場の検討でございますが、この検討に当たりましては、市川市の水産業の目指すべき姿を描いた水産業振興ビジョンというものがございます。これは漁業者とともに策定したもので、全国最先端の都市型の水産業を目指そうというものでございました。その中で、5つの将来像の1つに、海の自然環境を守り親水空間を提供する水産業として振興していくことをうたっております。そこでは、水産業とレクリエーションの調和を図り、水産業と一体となった親水空間を提供していくことを目指しております。つまり、潮干狩りや漁業体験、あるいは釣りなどの市民のレクリエーションも水産業の1つとして対象として検討しているところでございます。したがいまして、今後、漁業協同組合などの協力を得ながら研究、検討してまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○荒木詩郎副議長 遠峰副市長。
○遠峰正徳副市長 信篤地区から輩出いたしました横綱2名の顕彰碑の件につきまして、私のほうからご答弁申し上げます。
 この横綱2名につきましては、先ほど部長のほうからもご答弁がありましたように、本市の歴史的、文化的な資産であるというふうに考えているところでございます。そういう中にありまして、地元のほうから顕彰碑の建立をしたいというようなことは、地域の魅力を引き出し、地域住民の意識の高揚につながるものというふうに考えているところでございます。市といたしましても、その点につきましては、できるだけのご協力をしていきたいというふうに考えているところでございます。
 また、窓口の件でございますが、文化国際部におきまして街回遊展等がもう既に開催をしているところでございまして、窓口といたしましては、こちらのほうが、より適切ではないかというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。
○荒木詩郎副議長 松永修巳議員。
○松永修巳議員 それぞれありがとうございました。
 市川航路に関係する海の問題につきましても、引き続きひとつ行徳支所長、頑張っていただきたいと思います。関係する地域の人たちは首を長くして待っていますので、一日も早い要望どおりの実現を期待しております。
 また、大相撲の横綱の顕彰碑については、今、副市長から答弁いただきましたが、ぜひひとつ官民一緒になって、地域と協力してこの実現に努めていただきたい、このように考えます。窓口については文化国際部ということで理解いたしますので、また関係する人も相談に来ると思いますので、ぜひひとつ指導、よろしくお願いしたいと思います。
 幼稚園の問題につきましては、いろいろ難しい問題もあります。経費もかかることでありますので、ぜひひとつ今後も引き続き子供の未来のために教育委員会として取り組んでいただきたいと、この点強くお願い申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
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○荒木詩郎副議長 稲葉健二議員。
〔稲葉健二議員登壇〕
○稲葉健二議員 緑風会の稲葉健二でございます。通告に従いまして一般質問させていただきます。
 初めに、幼児教育についてお聞きします。
 国の方向性が確定しない状況の中、幼保一元化や認定こども園制度などいろいろな議論が行われております。また、子供を取り巻く環境も時代とともに変化も著しく、対応を考えさせられるようなケースも多くなってきたように思います。昔はこんなことはなかったというような声も聞こえますが、時代とともに新しい対応も必要ではないでしょうか。幼児教育を担う幼稚園の役割は大変大きなものであると思います。市川市の場合は、幼稚園に通う子供たちの8割が私立幼稚園に通っているのが現状です。そのような中で私立幼稚園の役割と市立幼稚園の役割はどのように考えられているのか、どうあるべきなのかお答えください。
 続いて、現在、市の補助金が出て私立幼稚園で行われている預かり保育ですが、現在の開設状況や利用状況、利用者の声などがわかりましたらお答えください。リフレッシュを目的に行われておりますが、市の方向性と利用者の受けとめ方や希望にずれはないものなのかお聞かせください。
 続いて、現在、保育園の待機人数が深刻になっていると思います。現在の待機人数と利用ニーズの調査などが行われているのでしたら、保育に要望している日数や時間帯などの部分をお示しいただき、現況をお答えください。
 また、私立幼稚園の幼児教育を推進、充実する上で、現在の預かり保育を活用する方向性は考えられないかお聞かせください。
 次に、特別支援が必要な子供たちを幼稚園に受け入れる際の考え方や支援方法についてお聞きします。
 まず、把握している現在の受け入れ状況や入園の対応について、私立と市立の場合と分けてお答えください。また、連携していく機関なども含めてお聞かせください。より多くの対応が必要とされる子供たちに対して、どのような方向性が大切なのか、公立だけで補えない部分を私立にゆだねていく場合に、連携や支援方法も含めての考え方をお願いします。
 次の項目にかかりますが、現在、障害児指導補助金というものが出ていますが、多くの私立幼稚園で障害児指導補助金をもらっていない子供たちも分け隔てなく預かっています。この補助金額が十分であるとは思えませんし、補助金の申請も専門機関の証明や障害児手帳の有無などハードルが高く、一部の保護者の方は申請に協力できないというお話もお聞きしました。それでも私立幼稚園は独自の負担で受け入れ、対応しています。以前の質問で、申請の簡素化を考えてもらえないのかお聞きしています。その後、議論されたり検討された部分をお聞かせください。
 そして、教材費補助金についてお聞きします。
 この質問も数回させていただいております。初めは4、5歳児にしか出ていなかったものでしたが、3歳児にも出していただけるようになりました。その際、単価が1人当たり2,250円から1,600円に下がりました。翌年、単価を上げる方向だったと思いますが、補助金の枠予算に余裕がないということで見送られておりますし、22年度も据え置きです。幼児教育というものは、未来を担う子供たちに、より多くの教材を与え、活用してもらうことも重要ではないでしょうか。もちろん教材費は各園保護者からも負担をしていただいていることです。その金額に少しでも足せるべく支援することは重要ではないでしょうか。現在、市立幼稚園で園児に使われている教材費の総額と単価をお答えください。
 そして、今後の教材費の金額についての考え方をお聞かせください。
 次に、特別支援学級についてお聞きします。
 私は、以前の質問でもお聞かせいただきましたが、特別支援が必要な子供たちは地域で育てていくべきであると思っています。それには地域の中に受け入れられる教室や環境がなければならないことが大前提であることは間違いありません。義務教育を安心して地域で受ける体制をつくり、加えて地域の人も、その子たちを一緒に支えて暮らしていけるまちづくりをしなければならないと思います。学校を中心としたいろいろな施策も、このように地域で子供たちを支えるから意味もあり、特別支援教育の本質にも近くなるように感じています。しかし、いろいろな事情で整っていないのが現状ではないでしょうか。自分の学区に学級がないために離れた学級へ通学することは、健常児でも大変なことを、特別支援が必要な子供たちにさせなければならないのです。現在の状況をお聞かせください。
 そして、最近の設置状況や計画をお聞かせください。その中に、検討したけれどもだめだったケースも、理由も含めてお答えください。設置を希望している方たちにとって、なぜ開設できないのかお聞かせください。
 また、前段で現況の中に含まれますが、地域的な課題について、今後の方向性をお聞かせください。
 加えて、地域的な課題として、知的は数がありますが、言語や情緒の教室は少ないことにより、通級エリアが広いように感じますが、現況で問題点などはないものなのでしょうか。
 以上、1回目の質問として、お答えの後、再質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
○荒木詩郎副議長 教育総務部長。
〔岡本博美教育総務部長登壇〕
○岡本博美教育総務部長 私から幼児教育についてのうち待機解消施策を除く4項目についてお答えいたします。なお、ご質問が多岐にわたりますので、答弁が多少長くなりますが、ご了承ください。
 それでは、中項目1番目、私立幼稚園の役割と市立幼稚園の役割についてお答えいたします。
 まず、市立幼稚園設立の経緯及び現状についてご説明いたします。現在、本市には私立幼稚園32園と市立幼稚園8園の計40園がございまして、これまで相互に協力し合いながら市川市の幼児教育を担ってきたところでございます。そこで、市立幼稚園の設立経緯でございますが、市立幼稚園は昭和40年から50年代に幼児人口が急増した際、私立幼稚園に入園できない児童のために、私立幼稚園の補完的な役割を担って創設されたものでございまして、以来、今日に至っております。しかしながら、近年においては幼児人口の減少と女性の社会進出や就労形態の多様化に伴い保育園需要が増大したことに伴いまして、幼稚園需要は減少傾向にございます。また、市立幼稚園の就園率につきましては地域によって差が生じており、これは私立幼稚園においても同様の状況が見られます。このようなことから、今後は私立幼稚園と市立幼稚園の連携充実を視野に置きながら、公私の役割分担や幼児教育の仕組みなどを改めて見直す必要に迫られていると考えております。
 そこで、私立幼稚園の役割と市立幼稚園の役割についてのご質問でございますが、私立幼稚園については、ご案内のとおりそれぞれ法人の教育理念に基づいた特色のある幼児教育を実践しております。特にたゆまぬ経営努力により英語や音楽、スポーツの指導など、保護者の多様なニーズに柔軟に対応した幼児教育が提供されています。ご質問者のおっしゃいますとおり、平成22年5月1日現在の市内の全幼稚園在園児6,349人のうち約8割の5,135人が私立幼稚園に通園しているという実績からも、本市の幼児教育における私立幼稚園の果たす役割の大きさがわかります。
 一方、市立幼稚園につきましては、基本的には幼稚園教育要領に基づく標準的な教育を提供するという公教育としての役割に加え、大きく3つの果たすべき役割があると考えております。1つ目は、特別支援教育の推進として知的障害児の特別支援学級、ひまわり学級でございますが、この受け入れや、通常学級の中でも個別の配慮を必要とするお子さんに積極的に対応していくこと、それから2つ目でございますが、経験豊富な幼稚園教諭が多いという市立としての人的資源を生かしまして、特別支援教育を含めた幼稚園教育の研究と実践、さらにはその成果を市内すべての幼稚園に還元することで、幼児教育全体の質的向上を図ること、そして3つ目は、幼児期の教育に関する相談や情報提供、そして子育て支援など地域における幼児期の教育センター的な機能の充実に努めることなどが現在の公の果たす役割と考えております。今後につきましては、私立幼稚園には、本市における幼児教育においてこれまで以上の役割を担っていただけるようにと考えております。そのためには、現在公が果たしている役割の中にも私立で担っていただける部分もあると考えておりますので、どのような形や方法でそれを私立幼稚園にシフトしていくことができるのか、また、最終的に公の園の果たすべき役割は何かを見きわめながら、公私立幼稚園の役割分担についても十分協議して実践してまいりたいと考えております。
 次に、中項目2番目の市の補助を受けて私立幼稚園で行われている預かり保育の今後の方向性についてお答えいたします。
 本市の私立幼稚園の幼児教育時間を延長すること、いわゆる預かり保育に対する補助は、子育て支援の事業として平成16年度より実施しているところでございます。預かり保育の法的な位置づけとしては、平成20年に幼稚園教育要領が改正されたことに伴い、教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動として、いわゆる預かり保育が明確に位置づけされたものでございます。保護者からの要望もありますことから、預かり保育を実施する園も年々増加し、平成22年度には私立幼稚園22園で幼児教育の延長が実施されている状況でございます。平成21年度の預かり保育を実施した園で補助金の対象となっている園の開設状況といたしましては、通常の教育時間の9時から14時の前に実施している園が7園、その後に実施している園が21園、また、夏休み等の長期休業中に実施している園が6園となっております。平日の開設時間の平均では、教育時間前が1時間、後が3.5時間となっております。利用状況につきましては、年間利用者数が延べ2万6,752人となっております。把握している21園の1日当たりの園児数の平均は142人で、1園当たりに換算すると6.8人となっている状況でございます。なお、利用者からの声につきましては、私立幼稚園の園長先生からのお話では、保護者が急な用事やPTA行事への参加等で幼稚園終了後に保育ができない事情等にも対応していただける制度として大変喜ばれているとお聞きしております。
 また、文部科学省の教育要領の解説では、留意事項といたしまして、1つ、教育課程に基づく活動を考慮し、幼児期にふさわしい無理のないものとなるようにすること、2つ目として、家庭や地域での幼児の生活も考慮すること、3つ目として、家庭との緊密な連携を図るようにすること、その際、保護者が幼稚園とともに幼児を育てる意識が高まるようにすること、4つ目が、地域の実態や保護者の事情とともに幼児の生活リズムを踏まえつつ、実施日数や時間など弾力的な運用に配慮すること、最後に、適切な指導体制を整備した上で、幼稚園の教師の責任と指導のもとに行うようにすることが挙げられております。ご質問者の発言のとおり、現在の預かり保育は保護者のリフレッシュが主な目的として実施されているところでございます。文部科学省の留意事項にもございますように、本市の幼児教育の延長につきましては、子供を中心とした保育の展開を初め、子供の安全性の確保を図ることを重点に、幼児教育の一環として位置づけております。
 次に、利用者の受けとめ方でございますが、それぞれの家庭のご事情により私立幼稚園で実施されている預かり保育ではありますが、子供を中心にした保育の展開が図られております。しかしながら、利用者の中には就労を目的として利用したい保護者もいると思われるところから、預かり保育の時間や期間等において、保護者の希望に必ずしも沿えない面もあると考えられます。
 次に、中項目4番目の幼稚園の特別支援が必要な子供たちの受け入れについてお答えいたします。
 初めに、特別に支援が必要な子の現在の私立、市立別の受け入れ状況でございますが、私立幼稚園の場合は幼児教育振興補助のうちの障害児指導費補助金の該当となる数値について、そして市立幼稚園では知的障害特別支援学級の状況等について報告させていただきます。なお、市立幼稚園においては特別支援学級での支援を必要としないお子様の場合、保護者からの相談に応じ、通常クラスでの保育を受け入れております。私立幼稚園の補助金の対象となった園児数でございますが、平成21年度は21名、平成22年度は予定として24名となっております。また、市立幼稚園の場合は知的障害特別支援学級、ひまわり学級を設置しており、平成22年9月1日現在の人数は大洲幼稚園で6名、南行徳幼稚園9名、百合台幼稚園3名の合計18名の方がひまわり学級に入っております。それから、市立及び私立幼稚園の入園に関する対応といたしましては、公私ともに入園の際に実施する面接において、通常クラスでの保育が可能かどうかの判断をしております。また、何らかの事情で受け入れが困難な場合につきましては、教育センターやこども発達センターを紹介するとともに、保護者の相談にも応じているところでございます。
 近年、特別に支援が必要な子供とともに、いわゆる気になるお子様は年々増加していると思われます。公立幼稚園では、ひまわり学級など少人数クラスでの指導を主に行っているところでございますが、今後は公立及び私立幼稚園の連携のもと、ともに担っていくものと認識しているところでございます。そこで、私立幼稚園との連携の重要性、物的や財政的支援体制の強化は重要であると考えているところでございます。
 最後に、5番目の私立幼稚園振興費補助の中で、特に教材費及び障害児指導費の補助金についてお答えいたします。
 ご質問者の発言のとおり、障害児指導費補助金の申請に際しましては、必要な書類として対象となり園児が所持している障害手帳や療育手帳のコピー、または手帳等をお持ちでない場合は専門の医師による診断書の添付をお願いしているところでございます。その中で補助金の対象となる園児の保護者のお考えによっては、医師の診断書をとることに抵抗があることも認識しております。また、保護者は障害を認識して各方面への相談をしているにもかかわらず、園には相談していないケースもあると聞いております。その中で、平成20年2月定例会のご質問の後、検討した結果でございますが、何らかの支援が必要であり、私立幼稚園が受け入れている子供につきましては、ご質問者からの提案でもありましたが、こども発達センターに通園している場合に、医師の診断書にかわるものとして通園証明書等の書類を添付することで補助金の対象とさせていただいているところでございます。一方、どこにも相談されず医師の診断書がとれないケースにつきましては、補助金の適正な執行の観点から、補助の対象とはならない状況でございます。いろいろな面から特別な支援が必要なお子様は年々増加している中で、私立幼稚園で受け入れていただくことは幼児教育を拡充することにつながり、また、早い時期で対応することにより、お子様の成長を促すことも可能となり、さらには、その後の小学校、あるいは中学校との連携もスムーズに進むと考えております。これは本市の教育基本理念でもあります「つなぐ」ということにも連動してくるものでございます。今後も制度を有効に活用していただき、多様な幼児教育の拡充にご尽力をいただきたいと考えております。
 それから、教材費補助金についてでございます。市立幼稚園で園児に使われている教材費の総額と単価につきましてお答えします。市立幼稚園の園児に使われている教材費につきましては、平成21年度決算ベースで換算しますと、幼稚園で使用した消耗品費1,122万4,394円のうち、園児用の教材費は258万2,076円で、消耗品費の23%に当たります。また、園児1人当たりに換算いたしますと1,997円となります。一方、私立幼稚園の教材費補助金につきましては、平成20年度より園児1人1,600円となっている状況でございます。ご質問者の発言のとおり、幼児教育の重要性や未来を担う子供たちに質の高い多くの教材を提供することは重要であると認識しているところでございます。しかしながら、来年度以降の税収の落ち込みなど、今後の財政事情が非常に厳しい中、補助金の全体額を増額していくことはなかなか難しい状況でございますことをご理解いただきたいと思います。
 以上でございます。
○荒木詩郎副議長 こども部長。
〔鎌形喜代実こども部長登壇〕
○鎌形喜代実こども部長 私からは(3)保育園の待機児童解消施策と私立幼稚園の方向性についてのご質問にお答えいたします。
 まず、市内におけます保育園の待機児童数でございますが、平成22年9月1日現在640名でございます。利用ニーズ調査での保育に要望している現況でございますが、平成20年10月に実施いたしました市川市次世代育成支援行動計画市民ニーズ調査によりますと、就学前の児童を持つ保護者のうち母親の就労している割合が全体の27.1%あります。そのうちフルタイム就労とパート就労はほぼ同じ割合の就労形態となっております。これに対しまして、就労していない母親の状況ですが、81.4%の方が今後就労を希望しており、平均就労時間が週4日、1日5.2時間のパート就労を希望していると結果が出ております。また、今後の保育サービスの利用希望についてすべての調査対象者に聞きましたところ、全体の39.6%が認可保育園を希望し、これに続きまして28.7%の方が幼稚園の預かり保育を希望しております。中でも母親がパート等の就労を希望する場合には、幼稚園の預かり保育を41.2%の方が希望され、認可保育園を上回っております。1週間当たりの利用希望日数は5日、1日当たりの利用希望時間は4時間未満が多い結果となっております。現在、待機児童解消の主な取り組みといたしまして、待機児童解消の施策、待機児童を生み出さない施策、多様な保育サービスの施策の3つの柱を中心とする施策を進めているところでございますが、今回ご質問のありました幼稚園の預かり保育は待機児童を生み出さない施策の1つとして位置づけております。ご質問者の方もおっしゃっているとおり、利用ニーズ調査結果からも、現在の幼稚園の保育時間を見直すことによって、働いていても幼稚園を選ぶことができる選択肢をふやすことにより幼児教育の振興にも寄与し、特に保育ニーズにこたえるとともに、幼稚園利用者の増加が見込め、間接的ではありますが待機児童解消にもつながることから、これらを政策的に進めていこうと考えたものであります。
 以上でございます。
○荒木詩郎副議長 学校教育部長。
〔古山弘志学校教育部長登壇〕
○古山弘志学校教育部長 私からは市川市の特別支援学級についてのご質問にお答えいたします。
 本市における特別支援教育においては、障害のある児童生徒の能力や可能性を最大限に伸ばすとともに、自立し、社会参加に係る資質を培うために、小中学校に特別支援学級及び通級指導教室を設置し、1人1人の障害の種類や程度に合わせたきめ細かな指導を行っております。特にこの数年間におきましては特別支援教育へのニーズが年々高まってきたことや、市内全体を見渡したときに地域ごとのバランスに課題があることなどから、計画的な特別支援学級等の設置をし、改善に努めてまいりました。その結果、現在29校において特別支援学級並びに通級指導教室を設置することができ、その設置率は52.7%となっており、葛南教育事務所管内他の4市の平均39.6%より高いものとなっております。しかしながら、地域によっては児童生徒数の増加等の問題により、計画どおり新たに教室を確保することが難しい状況もございます。具体的には第六中学校や下貝塚中学校が挙げられます。また、第三中学校は校舎の一部が耐震補強できないため、取り壊しを予定しており、そのため、教室を確保することが困難であることから設置できないといった問題がございます。既に設置している学級においても、特に第二中学校の特別支援学級は4学級になり、過大規模となっている問題も発生しております。教育委員会といたしましても、ご質問者のご指摘のとおり特別支援が必要な子供たちは地域で育てていくべきであるという考え方に基づき、できるだけ居住地に近い学校を選択していただけるよう努力してまいります。
 次に、今後の設置計画、方向性についてでございますが、特別支援学級等の新規設置に当たっては、先ほど申し上げました課題を解決し、幼小中の連携、地域社会での共生などの政策面から、次の4点をねらいとして設置の検討を進めているところでございます。1つ目は、個別指導の充実や小集団での学習効果を高めるために過大規模化の解消を図ること、2つ目は、児童生徒の遠距離通学による心身の負担軽減と安全確保を図ること、3つ目は、幼稚園、保育園、小学校、中学校との連携を促進し、早期から適切な指導支援を行うこと、4つ目は、学齢期後の居住地での社会的な自立を促す環境づくりを促進すること、以上の4点でございます。
 なお、この3年間の実績を申し上げますと、平成20年度には百合台小学校、塩焼小学校、高谷中学校、福栄中学校に特別支援学級を、平成21年度には北方小学校に言語障害のための通級学級と第四中学校に特別支援学級を開設し、さらに本年度から信篤小学校に特別支援学級を開設いたしました。来年度につきましては、地域の課題を考慮した結果、東国分中学校への特別支援学級の設置を予定しているところでございます。
 最後に、このような地域的な課題の原因についてでございますが、先ほど申し上げましたとおり、多くの場合は児童数、生徒数の増加によるものが大きいと思われます。そのため、特別支援学級への入級に当たりましては、通常学級のような通学区域を設けず、できるだけ居住地に近い学級の中から、実際に見学をしていただいた上で、お子様に合った学級を選択していただいているところでございます。
 最後に、言語や情緒障害に対応した教室が少ないことにより、通級エリアが広いのではないかというご指摘でございますが、この件につきましても、今後の設置計画の方向性でご答弁申し上げましたように、児童生徒数の今後の推移を注視しながら、必要とする教室の確保に努めるとともに、地域的なアンバランス解消に向けて努力してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○荒木詩郎副議長 稲葉健二議員。
○稲葉健二議員 それぞれご答弁ありがとうございました。それでは、再質問させていただきます。
 まず、幼児教育について、市立幼稚園と私立幼稚園、その役割はそのとおりだと思いますし、ただ、一部の誤解というか、市立幼稚園は安い保育料で入園させるためにつくられた施設ではないということを、やっぱり理解してもらいたい部分があると思います。あくまでも私立幼稚園が預かり切れなかった補完の要素でつくられたものであって、今後、公立が担うべき役割、私立が担うべき役割を精査し、そして進めていく時代にちょうど来ているのかなと思います。
 川崎市の幼児教育センターを同僚の松永修巳議員と視察をさせていただきました。あそこは公立幼稚園が数園残っておりましたけれども、そこの人材をだんだんシフトして、培ったその人材を幼児教育センターの指導員にしたり、各園を回る指導員とか、そういう形で人材配置を行って、そして私立幼稚園のフォローという形で公立幼稚園をなくしたという経緯があり、市川市の将来的な方向も、しなさいというよりも、そういうことも1つの選択肢、視野に入れていろいろな検討をしていただきたいなと思っております。
 その中で、幼児教育を担う上で公から私立にシフトすべきで、どういう部分が主に重要であるか、その1点お答えください。
 続いて預かり保育です。もともとはリフレッシュ保育として進められて数年たって、いろいろな形で今22年は行われていますけれども、現況でいうと、預かり保育で行われている補助金、そして今現在行われている日数を含めて、それが待機解消なり、例えばそういう形で保育ニーズの変化に対応するには、現況の数字がちょうど中途半端な時期になっているように私は個人的に思っています。それは、現況の補助金対象が週に3日、1日2時間以上という形ですけれども、その中で本当に多く開室している園もありますし、逆にいうと利用者のすごく少ない園もあります。その辺はじゃ今後どうしたらいいか。それには、公としてそれを応援できる部分というのは、開室日が3日あいているのと、5日間ちゃんとあいているものでは、当然就労に対しての支援の形も違いますし、それによっての保護者が選ぶ際の安心感も違うわけですし、かといって保育園になれということではないと思います。ですから、保育園ニーズの7時までとか、そういう要求はアンケートでは出ていなかったように思いますし、保育園じゃなくて幼稚園に預けたいというニーズの中で、もう少し預かり保育で延長してもらえれば就労も可能だというニーズに対して幼稚園がどれだけ頑張れる、そして公がどれだけ応援ができるというところを、今後今までの預かり保育の補助金制度ではなくて、例えば固定費、水道、光熱費みたいな形で、1人預かるのも15人預かるのも同じ費用がかかるものに対して、どういう支援の仕方をする。また、例えば保護者たちが認知され、利用者が少ない間をどれだけフォローができる、そういう形を公立が応援してあげなければ、幼稚園側も二の足を踏むなり、経費が過多になって逆に首を絞めるような状態になっても、それはまた方向性としてはいけないのかなと思います。その辺を含めまして、今後の預かり保育を進め上で、要するにどのように予算とか方向性を考えていくのか、その支援方法、それについてお聞かせください。
 続いて特別支援の受け入れに関して、公立がやっていただいていること、私立がやっていただいていることはもう十分に理解はしています。ただ、現況、申請を出している子たちだけではないことも十分に多分教育委員会はご存じのことと思いますし、親として出せないのか、出しづらいのか、出したくないのか、それはいろいろ保護者の方もいらっしゃると思いますけれども、それがやっぱり先ほどの改善していただいたこども発達センターに通園しているということによって出してもらえたり、そのことによって園に対して少し気が楽になるとか、そういう形で応援できれば、その子たちも、より手を多くして見てもらえるということに対して安心ができるのかなと思います。これに対しては、今後そこの拡充、指導費なりの増額なり、そういう形は今後どのように考えていくのかお聞かせください。
 続いて教材費、公立が1,997円を1人当たりに使って、私立の子には1,600円しかないというのもちょっと寂しいものがあります。それと、その支給方法なんですけれども、例えば1人幾らというのは確かに全園平等性というのは間違いないと思いますけれども、逆に言うと、教材費というのは消耗品的に、それを全部自分で使い切ってしまう考え方と、園として例えば本を買う教材も教材費だと思います。そのような中、例えば千葉市の教材費の補助金制度というのは、まず1園に対して34万4,000円与えます。それ以外に子供1人当たり1,000円という単価で与えます。ということは、市川市と比べると、例えば市川市で150人の園があるとしたら、市川市は24万円、千葉市でいうと49万4,000円もらえるという教材費。ただ、これは金額が2倍だからすごいとかというんじゃなくて、まず基本的な補助のあり方として、1園に対してまず幾らという平等な割り方をつくった上で、子供に対して幾らという単価の設定も教材費の考え方ではないか。そうしないと、将来子供の人数が少なくなったときに、ただ教材費が少なくなってしまう。そうすると、消耗品にしか使えなくて、備品的な置いておく教材みたいなものには使えなくなってしまう。そういうことも起き得てくるのではないかというふうに感じています。この辺についての見解もお聞かせください。
 続いて特別支援で、頑張っていただいているのは非常によく理解はしているんですけれども、ただ、現況、過大規模、要するに大きな、もともと学校自体の多くの人数がいて、例えばこの近隣でいうと、先ほど出た六中、その下には鬼高小とか、大きな小学校があるということは、特別支援が必要な子供が発生する率も当然高い中で、その小学校とか中学校がもともと過大状態であるから、教室もないから開設できない。これではやっぱりいつまでたっても根本的なものが解消できないという理屈になってしまうこと。それと、先ほど現実的に、例えば校舎がこうだとか、地域的な課題とか、もちろん考えていないとは当然思わないですけれども、私が見ていた限りでは、八幡小学校に言語の学級がありますけれども、南大野から自転車で親子で一生懸命通っていた。その距離というものが、例えば正しいものなのか。じゃ今度、北方のほうに言語ができました。北方が横に近いですからということに関しては、余りそれが解消されていないようにも感じております。今後どうしたらいいか、今後何をしたらいいかということになると、具体的なものはわかりませんけれども、ただ、教育委員会が感じている将来の児童数の考え方、どのように考えているかお聞かせください。
 以上です。
○荒木詩郎副議長 教育総務部長。
○岡本博美教育総務部長 私のほうから3点の再質問についてお答えいたします。
 まず、幼児教育を私立幼稚園に担っていただく上で大事な部分はということでございますが、先ほども答弁いたしましたとおり、これまでは市立、私立の幼稚園でそれぞれ担ってきました基本的な役割がございます。それを今後は私立幼稚園の幼児教育において、これまで以上の役割を担っていただけるか、公私の役割分担について見直してまいります。そして、担っていただけるものについては、ぜひお願いをしてまいりたい。その場合、役割分担を進めることで、公側は新たな国の制度への対応とか、あるいは人材の育成、そういった役割が重要だろう。それから、もちろん私立幼稚園が実践します幼児教育をバックアップしていくというところも大変重要で、その体制づくりもしてまいりたいと考えております。この後、私立幼稚園との十分な協議等を重ねまして、施設整備、それから人的な環境整備、そういったものについて、幼児教育の充実につながるような検討、あるいは実践を進めてまいりたいというふうに考えております。
 それから、2つ目の特別支援の必要な子供たちの受け入れについてということで、費用等の具体的な補助の考え方につきましてはこども部長のほうからお願いしたいと思いますが、サポート体制ということでは、特別支援が必要な子供たちの受け入れというのは、今後ますますふえてくるというふうに考えております。そこで、その子供たちの中には、いわゆる気になる子供たちといいますか、特別支援学級に入らないような子供たちのところの多様な支援体制が必要になってくるだろうというふうに考えております。そういったことに対しまして、現在でも特別支援に関する相談員、先ほどご質問者おっしゃったとおり、その相談員の巡回等の強化とか内容についての充実を図っていきたいというふうに思います。また、それなりにこの子供たちが増加しているようであれば、その指導体制については、現在、公立保育園で実施しているような体制、多少の加配を考えた、そういう調査研究をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから、3つ目ですが、教材費に関してでございます。幼児教育におきまして備品の教材――大きなものですね。それから、多人数使用の道具、あるいは消耗品等の教材につきましては、幼児教育の魅力を増す、あるいは質を高める上で大変重要であろうというふうに考えております。今後の方向性といたしましては、幼児人口が減少していく中、現在の園児数による換算による補助制度となっていますことから、確かに園児の減少によりましては必要な補助が不足してしまうということも考えられます。近隣市のご紹介がございましたが、積算の方法は多々ございますが、園児単位、あるいは園単位、あるいはクラス単位などもございます。今後の幼児教育のあり方や就園率などにも考慮しまして、いま1度補助制度について研究、検討してまいりたいというふうに思います。
 以上でございます。
○荒木詩郎副議長 教育総務部長に申し上げます。ご質問者のご質問の中で、預かり保育に対する支援方法についての考え方も含まれていたと思うんですが、これについて答弁漏れがあるのではないかと思いますが、よろしくお願いいたします。
 教育総務部長。
○岡本博美教育総務部長 失礼いたしました。今、特別支援の子供と少し混同してお答えしてしまいまして、申しわけありません。
 特に預かり保育に関しましても、やはりそれを充実させるための方法として、時間延長なり、あるいは長期休暇中の扱い、あるいは保護者の立場で考えれば、保育料の問題があるかと思います。また、これらの課題につきましては、こども部と連携して今検討しているところでございますので、こども部長のほうから、この後の詳細については答弁をお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○荒木詩郎副議長 こども部長。
○鎌形喜代実こども部長 予算等の件に関しまして、今、教育総務部長も答弁ありましたが、教育総務とこども部の合同で、今、幼稚園協会の方、あるいは実際に預かり保育をされているところの園にお話を伺う等してきております。その中で、預かり保育においては、児童が1日長い時間幼稚園で過ごすことになりますので、事業の内容、1日の流れを踏まえた上で、各児童に最適な環境を配慮する必要があると考えております。このためにも、預かり保育を利用する児童に対して責任を持って管理できる専任の職員が必要ではないかと考えているところで、その職員の人件費等について1つ考えているところでございます。
 また、光熱費、事務費等、そのようなものも必要になってくるということで、管理費についても考えているところでございますが、大変厳しい財政状況の中で、制度設計をきちっとしながら予算要求をしていきたいなというふうに考えているところです。
 以上です。
○荒木詩郎副議長 学校教育部長。
○古山弘志学校教育部長 将来の障害を持つ児童数の予測についてということでございますが、特別支援学級や通級指導教室への入級等につきましては、教育センター所管の心身障害児就学指導委員会の答申を保護者に伝え、就学について相談を受ける中で、保護者の方に決定していただいております。過去5年間の委員会の審議件数から、年々増加傾向が見られ、平成21年度は222件に上っていることから、今後も個々の障害種や程度に合った特別支援教育を求める児童生徒数は増加する傾向にあるものと予測しております。
 以上でございます。
○荒木詩郎副議長 稲葉健二議員。
○稲葉健二議員 それぞれご答弁ありがとうございました。今、幼保育児童数の推計というデータが私のところにあるのですけれども、人口は22年から少しずつ増加していく。就学前児童数としてはだんだん減っていく。そして、要保育児童数は微増していくというような感じの数字があります。それと、アンケートの中、1週間の利用希望日数というのが5日間希望している方が41%、4割ぐらいの方が5日間希望している。ただ、1日当たりの利用希望時間は55%の人が4時間未満。ですから、2時台から5時台まででほぼ5割から4割近い方がその時間を希望している。ということは、現在行われている預かり保育をもう少し充実して、そして進めていく。そして、ただ時間を延長することではなくて、現在の預かり保育の中では、例えば1人の教諭をつけて、それで15人以内だったら幾らという、そういう設定で物を見るのではなくて、当然、園があいていれば、ほかにも人が必要である。1人が全部あけて1人でやっているということはあり得ないわけですね。そういうところまでのフォローも必要だし、あと、現在がすごく稼働している園の方もいらっしゃるし、逆にこれから始めたり、そして少しじっくりやるときに、少ないから切られるような補助制度をつくられても、逆に迷惑な部分。ですから、私立にゆだねるのであれば、それだけのことを応援してあげる。そのかわり協力をしてもらいたいというシステムに進むべきであると思います。それは、今後もちろん予算措置がメーンでしょうけれども、どういう部分に幾らつけて、どういう部分を主軸に置いて応援すべきか、その辺を簡単でいいですけれども、お答えください。
 そして、教材費なんですけれども、現況厳しいのもそうですけれども、今、部長が答弁されたように、支給システムはいろいろな形で考えていただきたいと思いますけれども、その中で、預かり保育もやってもらうのに教材費はそのままなのか、今後ぜひ増額の方向で、充実の方向で進めていかれないか、再度質問させていただきます。
 そして、特別支援なんですけれども、例えば特別支援の補助金にしても現況33万円。それで足りるか、幾らならいいかというのは、もちろん議論できるものでもないんでしょうけれども、それ以上に私立の園は受け入れた際にかかっているのが事実ですよね。人によって、かかる子によっては1.何人必要なのかどうかということも含めて、今後やはりそういうところも応援してあげたり、より補助金を受け入れやすい体制をどんどん支援していただきたいと思います。これは要望で結構です。
 それと、特別支援学級なんですけれども、答弁いただきましてありがとうございました。現実、課題は見えていると思うんですよ。ただ、答弁で言われたように幼小保、幼小中という連携する上において、公立の幼稚園では絶対、賄い切れていかれるわけがないわけです。そこが、民間の幼稚園がそこをどう支援して小学校、地域の特別支援を応援して、そして中学、そして義務教育が終わったら地域でみんなでその子たちを育てていく、そしてその地域の中でその子たちがちゃんと生きていけるようなシステムをつくるのが、やっぱり私たち大人の責務であると感じています。ですから、それに関しては答弁は要りませんけれども、基本的に今後グレーの子、要するに完全にそういう形じゃない子も支援したり、3Sもそうですけれども、いろいろな形でサポートするシステムが市川市は整っていると私は思っていますけれども、それでもやっぱり現場では、もう少しという気持ちがある。ただ、予算には限りがあったり、いろんな形で予算の使い回しをしているのも事実だと思いますけれども、その辺は、今後そういう子供たちのために、より使えるように一層の努力をお願いしたいと思います。
 以上、お願いします。
○荒木詩郎副議長 教育総務部長。
○岡本博美教育総務部長 教材費に関します検討のご質問でございます。確かに今後、公から私立にシフトする、そういった幼児教育の中で、特別支援教室の関係、あるいは預かり保育の関係も大変考慮しなきゃいけない部分だというふうに考えております。他市のシステム等も検討しながら前向きに研究して、検討してまいります。
 以上でございます。
○荒木詩郎副議長 稲葉健二議員。
○稲葉健二議員 ありがとうございました。それでは、総括的に幼児教育の充実という部分、そして、本来公が行うべきもの、そして私立が行うべきものというのはどういうふうにすみ分けをすべき、そして支援をすべきという部分も含めて、その内容や現況の時代の中で、どのようにすみ分けをしていくのか、教育委員会としての考え方、そして方向性、そしてまた特別支援が必要な子供たちへのより充実した今後の支援方法や計画、方向性について、教育長からご答弁いただきたいと思います。
○荒木詩郎副議長 教育長。
○田中庸惠教育長 これまでの各部長からの答弁を超えるようなお答えはできないかもしれませんけれども、ご質問にお答えをしたいというふうに思います。
 これからは、公私立幼稚園双方がそれぞれの役割を再確認し、連携を図って市川市における幼児教育の充実に向けた協力体制を強化していくことが大事であるというふうに思っております。そのためには、今後とも公私立幼稚園の合同研修の実施や、あるいは特別な支援が必要な子供への援助のあり方等についてお互いに知恵を出し合い、十分に協議を重ね、課題解決を図っていくことが何よりも必要であるというふうに思っております。
 一歩踏み込んでお話をすれば、先ほどご質問者もおっしゃっておりましたけれども、公立幼稚園が担ったほうが望ましい内容、また、逆に私立幼稚園が担ったほうがよい内容について、やはり双方で、あるいは合同で検討、協議し、具体的な手立てを模索することが求められてこようかと思います。教育委員会といたしましては、今後とも私立幼稚園にご協力をお願いし、延長保育の拡充や子供に係る補助金等を含めた内容について検討、協議を進めてまいります。
 引き続いて、2点目のご指摘の今後の特別支援教育の方向性についてでございますけれども、これにつきましては、市川市の特別支援教育推進計画を一日も早く策定をいたしまして、推進体制と環境整備の両面から特別支援教育のさらなる充実、発展を図っていきたい、かように思っております。そういう中で、児童生徒1人1人の学習ニーズに応じた教育支援をさらに推進してまいりたい、かように考えております。
 私のほうからは以上でございます。
○荒木詩郎副議長 稲葉健二議員。
○稲葉健二議員 ありがとうございました。ぜひ進めていただきたいと思います。
 それでは、総合的にまとめますけれども、幼児教育をだれが担うのか、どういうふうに担っていくのかという、今までのやり方と今後、今からという部分においてはどのように、当然協議もされていることだろうし、市川市みたいな市立が8園で私立が32園あるというちょっと特殊な事情がある中、例えば就園率の低い幼稚園、そして就園率の高い幼稚園、先ほど松永議員の質問の中で答弁があったように、99%近い就園率を持っているのと、逆にもう本当に低い就園率の幼稚園、そういうところはどういうふうにしていくか。当然幼教審でももんでいる部分なんでしょうけれども、それを現実的に具現化することが、やっぱり一番重要なものであって、机上でそうあるべきだ――今までの答申もすべてそうでした。こうあるべきだとか、こういくべきであろうという形がずっと進んでいた中、現実に具現化しているわけではなくて、今後そういう形で進めていく上で、先ほど教育長がおっしゃられたように、公がやるべきもの、私立が引き受けていくものをちゃんとすみ分けすることによって、私たちはこれを応援するから、公はこちらをやってくださいということが公と私の連携であり、そしてお互いの力を必要とするつき合い方になっていくのだろうし、逆に子供が今後、少子化で減っていく中で、公と私立が子供のとり合いをするような地域であったり、そういうことが早く解消できるような現況が望ましいと私は思っています。かといって、公立をただつぶせということではなくて、先ほどの川崎市のように、公立だから担える、そういう統合相談とか、例えば幼児教育相談にベテランの教諭が対応したり、そういう人間の人たちが講演会や研修会を引き受けたり、あとは教育巡回相談をしたり、いろいろな活動をしていらっしゃいます。だから、そういう部分に対して、今後、公だからできる。要するに私立はそのかわり、さっき言ったようにこういうことをぜひしっかりと応援していただきたい。それは、預かり保育にしても、当然これから少子化に向けて私立の経営という部分においては、今までのようにいかない部分も当然あるかもしれませんが、それによって新しい就労支援が解決をすることによって、本当は幼稚園に行かせたいという親のニーズも十分にあるということをちゃんと理解していただいて、それをいかに掘り起こし、そして現実に使いやすい預かり保育、そして保護者の方が満足できる預かり保育を、ぜひこども部も含めて検討していっていただいて、待機解消と言うとすごく大げさな言い方になるかもしれませんけれども、いろいろな保護者のニーズに対してこたえられる選択肢を私たちがいろいろな形でつくるというのが必要であると思っております。
 以上でございます。ありがとうございました。
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○荒木詩郎副議長 この際、暫時休憩いたします。
午後2時53分休憩


午後3時40分開議
○笹浪 保議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第1一般質問を継続いたします。
 宮本均議員。
○宮本 均議員 公明党、宮本均でございます。
 それでは、まず空き家・廃屋対策についてお伺いいたします。
 私も議員になってから数年たちますが、日ごろさまざまな市民相談を受けております。その中で空き家に関する相談も多く、また、1軒の空き家に対しても相談内容は多くいろいろな問題があるわけですが、私の住んでいるところは住宅の密集という言葉が生易しい限りの超過密な場所でもあるわけですが、明らかに空き家であると思われる家や、また、雑草が生い茂ったり、窓ガラスが割れ倒壊のおそれのある、こういったところが近年非常に目立つようになっております。このような空き家、また廃屋は、核家族化と高齢化、また、県外へ出ていったお子さん方が帰ってこない、いろいろな理由で空き家の状況になっているかと思います。例えば邪魔な木が隣の空き家から枝が伸びてきて自分の家に入ってきて、また害虫の問題もございます。また、非行の温床になりやすい。そういったところで市役所に相談に来るわけですが、役所に言っても、持ち主に行政指導をするだけで、行政みずからが直接手を出すことが現状はできません。また、相談内容によっては所管する部署が異なり、役所の中を、いわゆるたらい回しにされてしまう、こういったケースもございます。これは行政が悪いとかいう話ではございません。現状では行政がなかなか手を出せないということもはっきり認識はしておりますが、そこでまず最初の質問です。市内全域の実態調査についてですが、一体どれぐらいこういった危険な家屋があるのか、市川市は一定の基準に基づいて市内全域の実態調査が必要かと思いますが、この点に関してお伺いいたします。
○笹浪 保議長 街づくり部長。
○齊藤正俊街づくり部長 倒壊のおそれのある家屋の実態調査等に関するご質問にお答えをいたします。
 ご質問者が申されますように、空き家や廃屋の存在は広く市民の生活環境に悪い影響を与えるということが多いというふうに受けとめております。特に長期間放置されたもの、あるいは老朽化が著しいものにつきましては、防犯や防災、あるいは震災面、あるいは火災予防面といった面からも、大きくは町の危機管理上の課題というふうなとらえ方もできるかと認識をしております。このようなことから、全体の実態の把握という視点で、現在私どもとしては、トータルで何か1つのことをするということではなくて、それぞれの現在の役所の体制の中で、消防職員が日常のパトロールを行っている、あるいは青色防犯パトロール等でも市内の随所をめぐっている、それから、近隣住民の皆さん等からいろいろとメール等も含めまして情報も市に寄せられているというようなこと、それから、私ども建築指導課の職員も、当然そういういろいろな情報、あるいはそうでなくても建築のパトロール等々で現地にも出ますので、こういう中で情報を持った場合には、そういうものを関係者で共有しまして実態数の把握に努めているという状況でございます。このパトロールや現地確認におきましては、建築物の管理の状況、お話もございましたけれども、窓ガラスが壊れているのか、あるいは建物本体が非常に破損がひどくて余り管理されているように見えない、あるいは危険性があるかどうかという意味では、不審火が発生するような状況になっていないか、あるいは庭の草等が枯れ草のような状態ですぐ火がついてしまうような状況になっていないかというような、そういう適切に管理がされているのかどうかというようなあたりを中心に見ているということでございます。こういう物件については、発見した記録を集計するだけでなくて、必要に応じまして所有者等を調査し、改善指導などにも取り組んでいるところでございます。
 以上でございます。
○笹浪 保議長 宮本均議員。
○宮本 均議員 確かにおっしゃるとおりで、実はこの質問は、平成20年9月定例会でも一般質問で取り上げられている内容なんです。そのときの答弁内容、当時は石川部長でしたけれども、今おっしゃったことは、既に2年前にもおっしゃっているわけです。ですから、現状、この2年間、何ら変わりはなかったというところなんですね。それで、直接、例えば建築指導課、そちらのほうでみずから足を運んで調査するというのは、現状の人数を考えればなかなか無理がある。明らかにこれは情報提供があった上で初めて出向いて調べるという形ですから、どうしても受け身の形しかとれないんじゃないかと思います。幾らかはみずから情報収集した分があるかもしれませんが、そういった状況であるということは、今の答弁でも私は強く感じております。
 次の質問に移りますが、危険な家屋に対する改善指導の状況です。
 こちらは主に建築基準法第10条についてお尋ねいたします。10条の一文を紹介しますと、著しく保安上危険であり、また著しく衛生上有害であると認める建築物に対しては、除去等を含めた改善指導を行うことができる、こうあるわけですが、しかしながら、一般住宅においても、市民に危害が及びそうな極めて危険な建物に対しては、今言ったような条文でうたわれているとおり、改善指導ということはできるわけですが、もう一歩踏み込んだ対応がない限りは、現状のまま何ら有効な手立てが打てない、そのように考えます。市川市における改善指導の状況、その成果についてお伺いいたします。
○笹浪 保議長 街づくり部長。
○齊藤正俊街づくり部長 建築基準法第10条の規定に基づく改善指導の状況というお尋ねをいただきました。今、お話も少し出ましたけれども、建築基準法の第10条では、第1項、第2項で劇場や映画館、病院、ホテル、学校、百貨店などの用途に使われる特殊建築物で、その部分の床面積の合計が100平方メートルを超えるもの、また、事務所等に用いる5階建て以上で延べ床面積が1,000平方メートルを超える建築物が保安上危険な場合には、改善措置を勧告し、または命令できる旨を規定しております。したがいまして、一般の住宅にこの条文を適用することは困難であるというふうに考えております。しかし、同条の第3項におきまして、前項の場合のほかに、著しく保安上危険であり、著しく衛生上有害であると認める場合においては、その所有者等に対して相当の猶予期間を設けた上で除却、移転、改築、増築、修繕等々の措置を命ずることができる旨の定めがございます。建築物の損傷、腐食、老朽化等が著しく、例えば道路側に倒壊して通行者等に危険を及ぼすおそれがあるなどの場合には、一般住宅でも改善措置を命ずることができることになっております。しかし、これに当たるか否かの判断ということになりますと、個々の周辺の状況等との兼ね合いによるところが大きくなりまして、この規定の適用もなかなか現実的には難しいというふうに認識をしております。また、適用させる場合におきましても、でき得る限り相手方の負担を抑える手法をとるということになりますので、初めから解体や除却を命ずるということは難しいと言わざるを得ません。
 そこで、ご指摘のような危険な家屋の改善につきましては、パトロール結果等を踏まえまして、建築基準法第8条に基づきました建築物の維持保全の観点で、個々の所有者等に対しまして是正指導に努めてきたところでございます。このようなことから、これまでこの建築基準法第10条を適用した改善措置の勧告及び命令等を行った例はございません。
 以上でございます。
○笹浪 保議長 宮本均議員。
○宮本 均議員 一般住宅には適用できないものですし、一般住宅に関しても適用しようにもなかなかできないというところなんでしょうか。この2つの質問で、一般住宅に限っては、やはり行政のほうがなかなか手を出せない状況にあるというのはよくわかりました。
 次の(3)の今後の対応策というところなんですが、危険な家屋を解体したいと所有者が思っても、お金がないからできない、そういう方もいらっしゃいますね。また、お金をかけて解体して、更地にした後、今度は固定資産税が高くなるということもあります。こういった要因から、家屋の解体、これは大きな障害が1つあるわけですね。その結果、例えば行政から指導を受けていたにしても、一向に前に進めない。個人の所有物に関してですから、今のところ限界があるんだろうとは思うんですが、今回私がこの質問をするに当たって直接のきっかけになったのは、実はことしに入りまして平田4丁目で空き家からの出火が原因で、合計7棟が被害に遭うという火災がありました。実はこの火災なんですけれども、朝の時点で何か異臭、変なにおいがする、焦げ臭いかな、そういう話が地域住民から出ていたわけです。消防も来ました。警察も来ました。その後、午後4時前後、大きな爆発音とともに空き家から出火。結果として7棟が被害に遭うという火事になっております。また、火事の後、焼け残った家屋、こちらが早急な対策は何かできないものか、近隣住民の方から多く話を聞いております。焼け跡の問題を1つの廃屋として考えた場合、自然倒壊の危険、これはもう私が見ていても、焼け残ったかわらが目の前で1枚、2枚と落ちてきている状態です。ただし、個人の所有物であるというところから一切手を加えられない。被害に遭わなかった近隣の方々、大きな音が出ると夜も眠れない、そういった状況が今も続いているわけです。
 冒頭に申し上げましたが、安全、安心の空き家対策としまして、所沢市が来月、10月1日から空き家等の適正管理に関する条例、これが施行されます。この条例の目的は、空き家などが管理不全な状態となることを未然に防ぎ、市民生活の環境保全及び防犯のまちづくりに寄与することとあります。市民要望もある、また、行政のほうでも空き家対策については何らか手を打たなきゃいけないという認識があっても、実はこの問題は10年前、20年前、30年前もそうでしょうか、一向に変わらない。例えば今の次長さん方や部長さん方、職員になられたのは30年前前後でしょうか。そのときには今のように細かいたくさんの課はなかったと思います。相談事、または要望があったときは、どこかの部署が必ず受けて、がむしゃらに仕事をやった時代だとは思いますが、今の市役所の組織が余りにも細分化されて、また、専門化に進んでしまった。この背景の1つは、市民要望が多岐にわたり、市民要望にこたえる形をとりつつ、なおかつ職員の方々が仕事をしやすい、そういった組織になってしまったわけですね。例えば自分の専門外から外れた要望に関しては、自分のところが担当しない。また、2つ、3つ、4つと多く抱えた問題に関しては、どこの部署が最初に取りかかるのかさえ順番が決まっていないわけです。これは何も市川市だけじゃなく、今回の空き家問題、私は近隣の市の状況を聞きました。市川市と全く変わりないです。市民相談があっても、結局、何カ所か回らなきゃいけない、そういった状況もあるわけです。決められたことを滞りなく大量に処理していくというのは、今の組織は多分一番最適化されているかとは思いますが、新しい問題であるとか緊急性を要する問題に関しては、実は今の組織というのは非常に不向きであると思います。そういうところから、必ずしも市民に優しい組織ではない、このように考えるわけです。所沢市の例を挙げましたが、こちらは環境と安心、安全、防犯、防火という観点から、空き家対策を一歩進めたわけですね。
 そこで、今の市川市の組織を眺めていても、どこがやってくれるのか。建築指導課が、家とつく漢字の問題でしょうから、建築のほうに回るのかと思いますけれども、今ある組織で私が期待できるのは危機管理部。その上位にいます危機管理総監のほうでこの問題を市川市全体の問題として取り上げていただきたい。そこしか残念ながら今期待するところがないんです。環境ということもありますが、残念ながら、環境も清掃と今一緒になっていますから、環境だけの問題じゃないということになれば、なかなかやりづらい面もあるかと思います。そこで、危機管理総監にこの空き家問題に関して、危機管理上どのようにとらえているのか、また、今後どうされるのかをお伺いしたいと思います。
○笹浪 保議長 宮本議員に申し上げますが、危機管理監でよろしいですね。
○宮本 均議員 済みません。失礼いたしました。
○笹浪 保議長 危機管理監。
○本島 彰危機管理監 この空き家・廃屋につきましては、ご質問者のご指摘のように、現在の法律、条例では街づくり部の所管になっておりますが、防犯とか防災、あるいは火災だとか、そういう市民の生命、財産を守り、安全、安心なまちづくりをするという観点からは、私どもも重大な関心を持って取り組まなきゃいけない問題だというふうに思っております。
 また、先ほどの平田での火災の教訓から、やはり1部署に任せて指導するとか、そういうレベルじゃなくて、本当に安全、安心なまちづくりをするという、そういう視点から、私どものほうも関係部署と十分連携をして、この問題について研究したいと思っております。
 また、ご指摘ありましたように所沢の例も参考にいたしまして、今後、市川市として安全、安心なまちづくりのために廃屋等の対応についてどうするかを検討してまいりたいと思っております。
○笹浪 保議長 宮本均議員。
○宮本 均議員 今おっしゃったように、ぜひこれは1歩も2歩も進めていただきたいと思います。かつての市川市は人口増加に伴って、いわゆる受け皿としての転入者用の空き家というのは必要なところですから、そのときは、確かに空き家も立派に機能はしていたんだとは思うんですが、これからはもうひとり暮らしの家庭もございます。やがては空き家になる、そういったところも数多くあるわけですから、これは空き家対策ということで1つ決められた部署の問題としてだけではなく、市川市全体で早く取り上げて解決策を編み出していただきたいと考えます。
 最後ですが、市への寄贈についてですが、今後の対応策は今質問をしたわけですが、1つ、市への寄贈については、すぐに対応できるのではないかと思い、別に質問をさせていただきます。
 仮に空き家や廃屋についての寄贈の申し出があった場合ですが、これは市が譲り受けて公費で解体、撤去、その跡地を公園、または地域での防災用具の置き場、小さな公園でもいいでしょう、そういった公共的な用途に利用ができないものかどうかお伺いいたします。
 これも先例市の例を1つ挙げますが、長崎市、こちらでは2006年から昨年度までの4年間で約1億円の予算をつけ、危険な空き家の解体に取り組んでおります。条件としては、土地、建物を市に寄贈する、そういう内容なんですが、それでも208件の申し込みがあり、長崎市では既に28棟を解体したとのことであります。解体後の土地は貴重な公共のスペースとなり、公共的な用途に有効活用されていると聞き及んでおります。また、国土交通省、こちらに新たに創設されました社会資本整備総合交付金事業、こういった支援制度があるわけですが、これは地域における住宅施策を自主性と創意工夫を生かしながら総合的かつ計画的に推進することを目的とした制度で、空き家となっている住宅などの活用、解体撤去などの費用についても国から支援が可能になるというものであります。このような国の支援制度の活用も視野に入れながら、市川市独自の助成制度の創設に向け、行政として所有者の背中を後押しできるような制度の創設というものができないものかお伺いいたします。
○笹浪 保議長 街づくり部長。
○齊藤正俊街づくり部長 寄附制度を活用しました廃屋等の対応というような、その制度化をできないかというようなお尋ねをいただきました。現在、市川市の、特に土地建物等の寄付を受ける場合の制度を申し上げますと、何らかの事情で寄附をしたいというふうなお話をいただきますと、その土地、建物が公共的な活用ができるか、そういうことを庁内で検討する、そのための組織として市川市公有地有効活用協議会という組織を庁内に設けております。ここで寄附を受けるかどうかという判断をしております。お話のございましたように、寄附の申し出のあった土地、あるいは建物もしっかりしていて、避難場所とか何か公的な利用に非常に効果的である、有効に使えるというような位置であり、形状であり、規模であり、また安全性といいましょうか、そういうものもあるわけですが、そういう場合には、当然、寄附を受けましょうということになります。その後に予算措置等の手続を経て、必要であれば建物等を壊して、本来のといいましょうか、市が使おうとした目的に供するということになっていくんだろうということでございます。そういう制度になっているということでございます。
 こういうときに、今国の支援制度というお話がございましたけれども、国の交付金の制度が最近いろんな形で変わってきてはおりますけど、そういう中へこういう制度が使えるということであれば、当然私どもはそういうものを使っていくことが、財政的に見ても、事業を円滑化するという、そういう意味で見てもいいことだというふうには認識しておりますので、こういうものも当然使うことになってくるということになってまいります。
 ただ、これまでの実績で申しますと、これまで複数といいましても、そんなに数は多くないと思いますが、幾つかこの物件をというようなお話もいただいたようなこともあっても、なかなかその場所は公的利用に適しているというふうに限らない。そこへ行くまでの道が非常に狭かったり、かえってそういうところへ人を呼んでしまうことが、周りに対しての迷惑も含めていろいろ問題を起こすというようなケースの土地もあります。こういう場合には市としてはお断りせざるを得ないという形でございます。いずれにしても、本来、土地や建物の管理というのは所有者や管理者の責務でございますので、こういう部分から見ますと、行政側が建物の解体をすることを前提とした寄附を設けるということについては慎重に考えていかなければいけないのではないかというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、安全、安心のまちづくりを掲げております本市にとりまして、ご質問者がおっしゃられるように空き家や廃屋の存在というのは、防犯面、防災面等からも課題であるということでは間違いございませんので、今お話もございましたように、ほかの自治体でもいろいろな取り組みをしているということでございます。また、同じような課題が生じているというのも、最近のテレビなどを見ていましても全国的な話になってきておりますので、私のほうもこういう全国各市の取り組み状況なども調査をしまして、関係部署とも一緒に検討してみたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○笹浪 保議長 宮本均議員。
○宮本 均議員 この点もぜひよろしくお願いいたします。
 現在は所有者の責務が果たされていないがために、ここで私、一般質問として取り上げているわけです。また、当然民間ではなかなかできないものですから、民間でできないものは行政にお願いするしかないわけです。市川市役所は1つしかありませんから、もう1つ市川市に市役所があれば、そちらにも話を持っていきたいところです。ただ、いかんせん民間でできないものですから、行政にお願いするしかございません。この点については、ぜひ前向きに進んでいってもらいたいものです。
 それでは、次の質問に移ります。
 リース物件についてですが、今回、車両については既に前に質問を行いましたので、車両を除くリース物件についてお伺いいたします。
 まず現在、市川市が使用している、契約をしているリース物件、当然ソフトウエアを含めた情報関連機器が一番多く中心かとは思いますが、近年、リース業界のほうを見ますと、官公庁向けリース取扱高の構成比というのは、徐々にではありますが、伸びている状況にございます。こういった背景は、行政事務の電子化の動き、予算削減に伴うリースへの切りかえ、リースのメリットのうち初期投資、負担の軽減、これが一番大きいのではないかと思います。また、リース期間の設定で計画的に更新ができる。つまり、予算要望のときに現業部門が財政部門に対して、リース満了に伴う機種変更、または更新、これ以上の理由はないわけですが、明確な理由づけが可能になる。そういった面も多分にあるかと思います。
 最初の質問ですが、リース契約に至る経緯、市川市がリース物件の利用を始めた理由。当然、市川市がリースというものをどう定義しているかという話にもなるかと思いますが、この点についてお伺いいたします。
○笹浪 保議長 財政部長。
○小川隆啓財政部長 リースに至った経緯ということでありますが、やはりリースの持っているメリットというところに着目してリースが選ばれてきたということが言えるのではないかと思います。メリットといたしましては、今ご質問者がおっしゃられていたように、予算の平準化を図るということであります。物件を購入した場合との比較でありまして、単年度の予算への影響度が少ないということで、そういう着眼で選ばれてきたということであります。2点目は、やはり更新の明確化ということを今おっしゃられていましたけれども、耐用年数を迎えたときに、購入ですと使い切るというか、使えるまで使おうというようなこともあろうかと思いますけれども、リースですと新しいものへの更新が一括で済むというようなところがあろうかと思います。3点目は、これはコンピューター機器関係だと思いますけれども、これも購入して長い間使っておりますと、技術の進歩によりましてソフトウエア等が対応が時代おくれになってしまう。リースであれば、その点、リース満了時に更新が容易になるという、大きくはその3つの理由からリースが選ばれてきているのではないか、そのように思うところであります。
 以上であります。
○笹浪 保議長 宮本均議員。
○宮本 均議員 始めた理由というのは、当然そのような形になるかと思います。では、そのメリットをどのように生かしてきたのかというところで、(2)の現在のリース契約件数、総額も含めて残高についてお伺いしますが、実はリース契約の中で、今、大きく分けるとファイナンスとオペレーティングの2つになるかとは思いますが、多分オペレーティングリースは今現在ないと思うわけで、今後の質問に関してはすべてファイナンスリース契約、こういう形で進めたいと思います。まず確認で、オペレーティングリースはこの中にあるのかどうか教えていただきたいと思います。
 さて、リース契約件数についてはすぐわかるのですが、実は残高についてですけれども、平成20年度末の時点で幾らかというのを教えていただきたいんです。というのも、ことしの5月に財務書類4表というのができ上がったわけですが、今回、リース物件という形で質問をしております。今まではどうしても予算、決算の中で各部に分かれた部分での中身しか把握できなかったということがあります。市川市全体でリースがどのように動いているのかという資料に関してはほとんどなかった状態です。今回、財務書類が出たわけですから、この中のバランスシート上、または資金収支計算書、それぞれ資産、負債、費用に占める割合も含めて、リース物件がどのような位置を占めているのか、ちょっと詳細にわたるかと思いますが、その点についてお伺いいたします。
○笹浪 保議長 管財部次長。
○西島弘幸管財部次長 現在のリース契約、残高についてお答えいたします。
 まず初めに、オペレーティングリースの有無でございますけれども、リース契約にはファイナンスリース、オペレーティングリース、メンテナンスリース、レンタルと複数ございますけれども、本市では、現在、ファイナンスリースとメンテナンスリース、レンタルの3つの方法で物件を調達しております。ご質問のオペレーティングリースによる調達は行っておりません。
 次に、2点目の平成20年度末現在のリース契約の件数とリース料の総額及び残高についてお答えさせていただきます。初めに、長期継続契約によるものでございますが、全体で164件、リース料総額は35億2,844万1,231円、また、支払い残高につきましては22億8,661万9,429円でございます。次に、債務負担行為によるものが25件、リース料総額につきましては47億6,187万764円、支払い残高は36億6,858万4,580円でございます。債務負担行為と長期継続契約を両方合わせますと、全体で189件でリース料総額82億9,031万1,995円、また、支払い残高につきましては59億5,520万4,009円でございます。
 次に、これらのリース物件の主な内容でございます。長期継続契約につきましては、パソコンとサーバー関係の契約件数が87件、リース料総額が27億5,830万3,008円、また、支払い残高につきましては17億4,593万165円でございます。これらは学校も含めましたパソコン9,293台とさまざまな情報システムで使用しております402台のサーバーに係る契約でございます。次に、コンピューターソフトやプリンター等の電算関連機器につきましては、26件の契約で、リース料総額が2億1,826万6,091円、支払い残高は1億6,991万765円。これらにつきましては、契約ごとにさまざまな機器が混在しておりますことから、現在個別の集計は行っておりません。また、そのほかにつきましては、ファクシミリ、印刷機などの事務用機器、また、公共施設に設置されておりますAEDなどでございますが、合わせて51件の契約で、リース料総額が5億5,187万2,132円、また、支払い残高は3億7,077万8,499円でございます。
 次に、債務負担行為で調達しているものの主なものでございます。まず、小中学校の校舎、保育園、放課後保育クラブ等の仮設建築物の契約件数でございますが、18件で、リース料総額が15億3,698万900円、支払い残高は8億5,215万860円でございます。
 次に、小中学校54校の冷暖房設備、こちらが1件の契約でリース料総額が25億3,890万、支払い残高は23億9,242万5,000円でございます。そのほかにつきましては、行徳公会堂の立体駐車場、また文化会館の舞台照明装置などでございますが、合わせて6件の契約で、リース料総額が6億8,598万9,860円、支払い残高は4億2,400万8,720円となっております。
 続きまして、財務諸表におけるリース契約の計上区分等についてお答えさせていただきます。
 本年5月、平成20年度決算に係る財務書類4表を公表いたしましたが、答弁につきましては、本市の全会計を集計しております単体ベース100万円単位でお答えさせていただきます。初めに、バランスシートと資金収支計算書におけるリース物件の勘定科目の計上区分でございます。平成19年3月にリース取引に関する会計基準が改正され、所有権の移転が生じないファイナンスリース取引につきましては、通常の売買取引に準じて会計処理を行うこととされております。この改正を受けまして、リース取引につきましては、バランスシート上ではリース料総額を資産と負債の双方に計上し、年度末現在の残高を明示しているところでございます。そこで、具体的な計上項目を申し上げますと、まず、リース資産につきましては、バランスシートの市債の部の各項目のうち、非金融資産の内訳の事業用資産その他に、また、リース負債につきましては、同じくバランスシートの負債の部の関係項目のうち、流動負債の内訳のその他及び非流動負債の内訳のその他にそれぞれ計上されております。次に、各年度のリース料支払い額につきましては、1年間の資金の流れをあらわしております資金収支計算書に計上しておりますが、財務的支出の項目のうち元本償還支出の内訳のその他の元本償還支出に計上されております。これは国の新地方公会計制度実務研究会報告書の中で、財務的収支につきましては地方自治体の負債の管理に係る資金収支を表示する項目とすることとされているところによるものでございます。
 続きまして、リース資産、リース負債、リース料のそれぞれがバランスシート及び資金収支計算書に占める割合でございます。まず、1点目のリース資産が資産総額に占める割合でございますが、資産総額1兆396億2,600万円に対しまして、リース資産額は23億9,700万円、構成比0.2%でございます。また、2点目のリース負債が負債総額に占める割合につきましては、負債総額1,656億1,100万円に対しまして、リース負債額は23億9,100万円で、構成比は1.4%、3点目のリース料が支出総額に占める割合につきましては、支出総額2,323億6,500万円に対しまして、リース料支払い額は7億800万円で、構成比は0.3%でございます。
 以上でございます。
○笹浪 保議長 宮本均議員。
○宮本 均議員 ありがとうございました。答弁の中で、リース会計基準が変わったという話がございましたが、こちらは原則を言いますと総額300万円を超える契約は資産計上するということになっておりますが、市川市の場合、これは遵守するということで、必ずしもこうしなければいけないというものではないので、300万円を超えない部分のリースはどのように扱っているのか、再度お尋ねします。
○笹浪 保議長 管財部次長。
○西島弘幸管財部次長 市川市におきましては、300万円以下のものにつきましても計上させていただいております。
 以上です。
○笹浪 保議長 宮本均議員。
○宮本 均議員 実はこの点が非常に心配だったわけで、市川市の場合はそのように行っているということであれば、1つ私の不安というものは消えるわけですが、全体の構成比でいいますと、思ったよりは少ない数字になっているかとは思うんですが、先ほど一番最初に聞きましたリースのメリットを生かし切れているかといえば、必ずしもそうはならない。別の見方をすれば、市川市はまだまだリース契約をする余裕があるということも1つ言えるのではないかと思うのですが、今後、いわゆる歳入が減ってくる、そういった中で、このリースの扱いというのは、今後、市川市としてふえていくのか、また、ふやそうと思っているのか、この点について、残高に関しては、おおむね毎月支払いに困ることなく払っていけるんだろうとは思うんですが、これは今の感じで結構です。今後、リース契約というのは市川市はふえていく要素は十分にあるんでしょうか。
○笹浪 保議長 管財部次長。
○西島弘幸管財部次長 今後のリース契約の物件の推移ということでございますけれども、リース取引につきましては予算の平準化を目的の1つとしております。しかしながら、後年度の財政負担というものも当然伴ってまいります。特にリース契約が確定いたしますと後年度負担も確定いたします。このため、財政運営に支障を来すことのないよう、債務残高の動向に注意した上でリースのメリットを使いまして活用させていただきたいと思っております。
 以上でございます。
○笹浪 保議長 宮本均議員。
○宮本 均議員 わかりました。4番目の質問で取り扱いたいと思います。
 (3)の契約の手順についてお伺いいたします。
 市川市は平成18年に長期継続契約を締結することができる契約に関する条例と施行規則を設けたわけですが、これにより債務負担行為の設定なしに複数年のリース契約の締結が可能になった、そのようにとらえるわけですが、リース契約の手順、現在どのように行っているのか。調達方法の選択肢としてのリースか購入かということになるかと思います。それ以外でも、例えば競争契約なのか随意契約なのか、単独購入か共同購入か、また、一括発注なのか随時発注なのか、さらに、サービスを内部で行うのか外部委託とするのか、両者の組み合わせなのか、当然、物件見積もり、リース見積もり、その辺も含めて手順についてお伺いいたします。
○笹浪 保議長 管財部次長。
○西島弘幸管財部次長 リース購入の契約の手順ということでございます。初めに物件の調達に当たり、購入とするかリースとするかの決定ということでございますけれども、これにつきましては、当然、予算の策定段階の中で、どちらのほうがメリットがあるかということを判断した上で決定させていただいております。
 次に、リース契約の手順ということでございますけれども、具体的な事務手続につきましてお答えさせていただきます。まず、予算担当課のほうでリース物件や契約期間を設定しまして、このような内容で予算執行、あるいは入札事務等を進めてよいかという、そういう執行伺を起案して、その後で予算執行、契約方法、契約期間等を財政部と管財部のほうで審査して、執行伺の決定後、基本的には一般競争入札の公告を行って入札を執行しております。
 以上でございます。
○笹浪 保議長 宮本均議員。
○宮本 均議員 当然その時点で物件見積もりだのリース見積もりだのをとるかとは思うんですけれども、リース契約の物件の価格、リース料、リース料率の比較、こういったことが当然されるかとは思うんですが、1つ一括見積もりというのがあるんですね。物件とリース料両方合わせたリース料1本の見積もりというのは、基本的には物件価格が幾らなのか、リース料率が幾らなのかというのは、これは全くわからない。最終的には入札をかけて金額の問題にはなるんでしょうけれども、これが実は予算をとる上での概算にしかならないというところになるわけですね。こういったことを考えますと、一括見積もりというのは予算をとる段階では、概算のさらにその上の大概算とでもいいましょうか、はっきりした金額はまだ確定ではない。もともと予算というのは概算どまりというのは今の行政のやり方ですから、やむを得ないかとは思うんですけれども、この点についても、ちょっとリース見積もりのとり方自体、私は今非常に疑問に思うところです。
 最後に、今後の課題としまして幾つか質問させていただきます。
 今言ったようにリース契約、債務負担行為もそうですけれども、この時点で将来世代の負担というのは、もう確定するわけで、現在行われている単年度の予算、決算の繰り返し、また積み上げというのでは、どうしても長期的な判断というのはとりづらい、そのように考えます。書類の中にも、初年度のみ、または初年度だけこういう契約を今後何年間続けていきますという説明があっても、翌年度、翌々年度になれば単年度の金額しか、私たちはやっぱり目に映らない、そういう状況があるかと思います。これを解決する1つが、今回5月に出ました財務書類4表ということになるかと思うんですが、1点、リース資産をわかるようにこの財務諸表を一部手直しをしていただきたいと思うんですが、その点についてはどのように考えているでしょうか。これが1点目です。
 もう1つ、冒頭に述べたとおり、初期投資負担の軽減、これは大変に魅力のあるもので、今後、当然、市川市がリース契約を続けていくんだろうとは思うんですが、いわゆるリースの乱用になりはしないか。先ほど、余裕があると言いましたが、リース会計基準が改定になる前は簿外処理が可能だったリース契約なんですね。それまで被害がさほど大きくない契約件数しか今ありませんから、この点はいいかとは思うんですけれども、市川市のリース契約限度額、こういった設定というものは今後できないものか。いわゆる市川市全体としてリース契約の統制というものを今後とっていく、そういう必要が今後出ないとも限りません。今後、例えば5年、または10年のリース契約の見込みというのは長期契約を皆さんそれぞれお持ちでしょうから、出るかとは思うのですが、その際に各年度の具体的な予算配分をした場合、ある単年度が非常に大きな支払い額になるというのは、これはもう簡単に計算ができるかと思います。そういった予算管理、予算配分に参考とするような資料づくりを今後していただきたいと考えております。
 今、私たちが数字をもとに質問なり審議なりするのは財務会計のデータだけです。実はもう1つ管理会計というものがあるわけですが、管理会計の部分に関しては、もしかしたら私どもが触れる必要がないものかもしれません。ただ、このように長期にわたる案件に関しては、そういった部分からも、実はしっかりと気をつけていかないと、今後、財政部だけの責任というわけには私はいかないと思います。そのために、この4表をどうやって使っていくのかが非常に重要になってくると思うわけですが、実はことし出されたのが平成20年度の財務諸表です。今、平成21年の決算を行っております。財務諸表を見る限りでは、ことしに入って去年のカレンダーを見ているようなもので一致しないんですね。常に1年おくれの状態ということになれば、せっかく苦労してつくり上げたものが、実は有効に活用できないという状況にあります。今の仕事の流れの中では、これが精いっぱいなのかもしれませんが、できれば決算と同じ年度の財務諸表をつくって、それを議会で活用する、ひいては会計監査のほうにも私は有効に使えるのではないかと思います。この点について財政のほう、スケジュール的に可能なものかどうか、また、1年おくれで出してどういう意味があるのか、教えていただければと思います。
○笹浪 保議長 財政部長。
○小川隆啓財政部長 まず、1点目の財務諸表の中のリース資産の手直しということでありますけれども、先ほど管財部の次長のほうから答弁がございましたように、今、リース資産、リースの負債につきましては、リース資産、リース負債ともにバランスシートの中のその他の部分に入っていまして、特にリースの資産、負債として区分けをしてお示しをしていませんので、21年度の決算からはリースの資産と負債につきましては項目を抜き出しましてお示しをして、わかりやすくしてまいりたいと思います。
 2点目の、今後、リースの乱用にならないかということと、限度額を設けてというお話でございましたけれども、今、全体的に負債の中でリースにかかわる負債という比率は、長期継続契約、債務負担を合わせましても3%ちょっとということで、比率は低いわけでございます。ですので、直ちに限度額として幾らを設定していくということは難しいかと思いますけれども、やはり将来負担をふやさないということでは、小まめに見ていく必要があろうかと思います。今回、財務書類4表をつくるに当たりまして、役所の総資産をくまなく網羅的に把握をしてございます。リース物件につきましても、すべて把握をしているところでございますので、今後データを用いまして、どこの年度に負担が大きくなるか、あるいは大丈夫なのかというようなところで見てまいりたいと思います。
 あと、決算と同じ時期ということでございますけれども、市川市の場合の財務書類は国の基準モデルを使っておりまして、これは詳細に負債、あるいは資産の動きを把握した上で、また、行政コストの動きを把握した上で策定をしているところでありまして、やはり出納閉鎖になった時点でのデータを把握していく必要があるということで、どうしても直ちにというわけにならなかったというところであります。20年度の決算につきましても、ことしの5月に公表いたしましたので、出納閉鎖後1年かかっているわけでありまして、これは初めての作成ということでございましたので、当初の目標よりも遅くはなりましたけれども、今後につきましては、今の作業プロセスを見直すような形で、できるだけ早い時期に公表をいたすように、それを1つの目標として作業を進めてまいりたいと思います。ことしに限っては決算審査が約1カ月ほど早まりましたので、今後同じような状況で続くということになりますと、直ちに9月までに財務書類をつくるという、そこも難しいかと思いますが、現状ではできるだけ早い時期に公表できるように努めてまいりたいと思います。
 あと、リースを選択するということにつきましては、やはり予算の平準化ということもございますが、購入したほうが一般的にはリースよりも安いわけでございますので、やはり比較においては、購入した場合とリースにした場合ということの、それが1つの判断の基準になろうかと思います。そのためには、リースの料率、あるいは金利の動向とか、そういうものも見ていかなければならないわけでありますし、あるいは緊急的に一気に導入したいという場合には、やはりどうしてもリースのほうが高くても、そちらのほうを選択せざるを得ないという場合もございますので、1つの基準みたいな物の見方というのは必要だというふうに考えておりますので、今後もそういうどちらが有利かというような見方で判断をしてまいりたいと考えているところであります。
 以上であります。
○笹浪 保議長 宮本均議員。
○宮本 均議員 総額で比べればリースが不利だというのは、これはもう計算しなくても当然のことなんですね。それを承知の上でリースのメリットの予算の平準化というのをとって今、リース契約を進めているわけです。その時点で将来世代の負担、これは確定なわけですね。負担するのがどちらかしかないわけですから、将来世代の負担を少なくしようということは、現役世代の負担を多くしようということですよね。私は、今後、リース物件、リース契約というのは、市川市でもふえていくものだと思っております。どうしても歳入不足を乗り切るには、当面リースでしのごうという考えが必ず出てくるはずなんです。これはもう民間企業でもそうです。当然リース会計基準、これからまた大きく変わろうとしているのは、先ほど申しましたオペレーティングリースも含めて、リースは一切合財資産計上しましょうという国際基準、これを間もなく日本もそれに倣う時期がやってくるわけです。どうしてもリースというのは初年度の契約が過ぎれば、毎月の支払い、毎年の予算の分だけにしかもうほとんど注目されないというものにもなってしまいます。この点に関して、最後に小川部長のほうでどのような制限を加えて、なおかつリースのメリットを最大限生かす方法、今考えられているもので構いません。何かございましたら、お答え願えればと思います。
○笹浪 保議長 財政部長。
○小川隆啓財政部長 リースの利点につきましては先ほど述べたとおりでありますので、やはり購入したほうがいいのかどうかという、あくまでもそれが1つの判断の基準になろうかと思います。ただ、現状のように低金利が続いている場合においては、長い目で見ればリースの選択ということもあるのではないのかなということもあります。特に今のように予算状況が厳しい、財政状況が厳しいというときにおいては、予算の平準化を図るという意味において、リースを我々も選択していくという、そのような判断になろうかと思います。
 また、先ほど申し上げましたように、今回、財務書類を作成するに当たりまして、リース資産の状況というものがデータとして詳細にまとめられましたので、今後はこのデータを活用しながら、後年度への過度な負担が生じないような形での判断というものもしてまいりたいと考えているところであります。
 以上であります。
○笹浪 保議長 宮本均議員。
○宮本 均議員 ありがとうございました。ということは、やはり最初に戻って、今後、リースは非常に魅力のあるもので、少しずつでもふえていくのではないかと考えております。ただ、その際、やはり注意点は幾つかございますので、その点も配慮の上、考えていただければと思います。終わります。
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○笹浪 保議長 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後4時40分散会

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