更新日: 2012年10月5日

2012年10月5日 会議録

会議
午後1時2分開議
○加藤武央議長 ただいまから本日の会議を開きます。


〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
○加藤武央議長 鈴木議員。
○鈴木啓一議員 去る10月2日の私の東日本大震災の教訓に関しての一般質問に対し危機管理監から答弁がありましたが、その中で、東北地方太平洋沖地震の発生日を平成22年3月11日と発言していると、このように市民から指摘を受けました。私も本会議の録画中継で確認しましたが、確かに平成22年3月11日と発言しております。東北地方太平洋沖地震の発生日は、正確には平成23年3月11日であります。危機管理監には、有事の際には危機管理に関する事務を掌理し、すべての職員を指揮監督するという重大な任務があります。この重大な任務を所掌している危機管理監が未曾有の大地震の発生日を間違えることはいかがなものかと考えます。議長におかれましては、調査の上、ご報告いただき、適切に処理されるようお願いいたします。
 以上。
○加藤武央議長 ただいまの鈴木議員の議事進行に関する発言に対してお答えいたします。
 後刻調査の上、ご報告を申し上げます。
 次に移ります。


○加藤武央議長 日程第1認定第1号平成23年度市川市一般会計、特別会計及び公営企業会計決算の認定についてを議題といたします。
 本決算に関し委員長の報告を求めます。
 決算審査特別委員長、大場諭議員。
〔大場 諭決算審査特別委員長登壇〕
○大場 諭決算審査特別委員長 ただいま議題となりました認定第1号平成23年度市川市一般会計、特別会計及び公営企業会計決算の認定について、決算審査特別委員会における審査の経過並びに結果をご報告申し上げます。
 議会における決算審査は、議決した予算の目的に従って執行されているかどうか、さらに行政効果はどうであったかに主眼を置いて審査するものとされており、一方、監査委員の審査は、計算に間違いはないか、支出命令に符合しているか、収支は適法であるか等に特に重点を置いて検討すべきものと言われております。
 本特別委員会といたしましては、このような点を十二分に踏まえ、委員会の冒頭、監査委員の出席を求め、収支の適法性等について確認したところであります。
 その審査の過程で質疑応答のなされた主なものを申し上げます。
 まず、「平成23年度の審査意見によると、本決算を詳細に分析し、25年度の予算編成に生かしていくことを監査委員の総意としているが、財政運営から見た23年度決算の特徴について、監査委員としてどうとらえているのか」との質疑に対し、「平成23年度は市税収入が伸び悩み、財源の確保が難しい中、不用額を補正財源として活用し、行政課題に的確に対応してきたととらえている。歳入においては、現年課税分の収納率を22年度対比0.3ポイント向上させ、滞納をさせない努力が収入未済の抑制につながっている。さらに依存財源の確保、とりわけ国庫支出金などを活用してきたものと判断している。歳出においても、災害復旧事業や待機児童の解消等、政策課題に対し確実に執行されている。また、財政基盤を強化するため、財政調整基金からの繰り入れを取りやめ、さらに実質収支額の2分の1を財政調整基金に編入し、将来の財政運営を視野に入れた適切な措置がなされており、監査委員としては、おおむね評価をしているところである。しかし、今後は臨時財政対策債が、不交付団体の場合、24年度で発行できなくなることや、さらなる行政需要の拡大も見込まれており、財源の確保が難しくなることが予想される。課題解決を図るためにも決算を検証し、不用額が明らかになった場合には速やかに補正措置を行うなど、限られた財源を効率的かつ効果的に活用してもらいたいと考えている」との答弁がなされました。
 次に、「平成23年度は22年度に比べ財政力指数は低下し、経常収支比率も悪化している。市民サービスの向上と各種財政指数の向上は相反するものであり、市民サービスの拡大は財政力を弱めていくことにつながると思う。このことに関し、監査委員はどのようにとらえ、どう評価しているのか」との質疑に対し、「監査委員の審査は、計数が正確かどうか、予算の執行状況は適切かどうかという視点で行っている。特に歳出においては、サービスが維持されているか、総合計画や施政方針に掲げた各事業が着実に実行されているかなどが審査のポイントとなる。しかし、計数のみで財政状態を推しはかることは困難であるので、各種財政指数を詳細に分析しながら審査しているが、過剰な市民サービスを続けることは財政破綻につながりかねないため、市民サービス面、指数の両面から総体的に、財政運営のあり方も含め審査しているところである。また、現状の社会経済状況を勘案すると、市税収入の伸びが見込めず、社会保障関係経費はさらなる増加が予想されるところであり、何も手だてを講じなければ財政が悪化することは否めないが、現在のところ公債費負担比率は良好であるので、国の交付金や市債などを有効に活用し、インフラ整備を促進することで、さらなる市民満足度の向上を図ることは可能であると考えている」との答弁がなされました。
 引き続き決算書の審査に入った次第でありますが、審査に当たっては、歳入においては収入未済額及び不納欠損額の主なもの、歳出においては不用額及び流・充用の主なものについて説明を求め、疑義をただすことにより、議決どおりの執行であったか、また、どのような行政効果があったか等を中心に論議を尽くしてまいりました。
 その過程で質疑応答のありました主なものを一般会計の歳出から申し上げてまいります。
 まず、総務費について。
 初めに、市民活動団体支援金について、「平成23年7月20日現在、市内の市民活動団体は434団体あり、そのうち1%支援制度を受けているのは126団体となっている。支援対象団体は近年増加していないが、これは申請手続が煩雑であることが1つの要因として考えられる。手続の簡素化などの検討はしなかったのか。また、支援対象団体をふやすことで市民活動団体の活性化を図るべきではなかったのか」との質疑に対し、「本制度は平成17年度から運用しているが、審査会からの指摘を受け、参加できなかった団体はこれまで2団体であるので、比較的参加しやすい制度であると考えている。また、申請手続については、平成23年度においても、これを不得意とする団体に対しては職員が手伝うなど、個別に対応している状況にあった。市民活動団体の活性化については、条例を改正したことにより市民活動団体の意識が高まり、本制度への参加につながると考えている。また、NPO法人に対する寄附については、税の優遇措置制度もスタートすることから、これまで以上に活性化が図れるものと考えている」との答弁がなされました。
 次に、ネットワーク型街頭防犯カメラシステム運用等委託料について、「平成23年度に管理している防犯カメラは234台と県内でも突出して多い。また、委託料を含めた全体の維持管理費も約5,400万円と多額の経費がかかっているが、台数を減らすなど、本決算を踏まえ、費用対効果の検証はしたのか」との質疑に対し、「街頭防犯カメラは市民の体感治安の向上を目的に設置しているもので、平成23年度におけるカメラの台数、維持管理費については指摘のとおりである。平成23年度には他の機関と合同で市民及び自治会に対し、防犯カメラに関するアンケート調査を実施し、その結果、8割以上が防犯カメラの設置は必要であるとの回答であった。また、設置の効果として、見守られている安心感がある、子供の安全のために必要である等の回答を得ている。維持管理費については、23年度は約5,400万となっているが、犯罪件数が22年度と比較して856件、13.1%減少していること、また、他市においても街頭防犯カメラを設置し犯罪件数が減少していることから、市民の安心、安全や犯罪の抑止のため必要な経費であると考えている」との答弁がなされました。
 次に、定期刊行物費について、「総務費における定期刊行物にかかる経費が多額となっている。経費節減を踏まえ考えると、ダブりがないようにするなど一定の見直しが必要だと思う。平成23年度の決算を踏まえ、見直すべきものは見直していくべきではないか」との質疑に対し、「定期刊行物については、例えば法制課であれば法律に関する書物等、人事課であれば労務管理の書物等、それぞれの所管課において必要な定期刊行物がある。各所管課において、最低限必要なものについて予算を計上している。平成23年度においても経費節減に努めており、今後も継続していきたいと考えている」との答弁がなされました。
 次に、民生費について。
 まず、民生費の不用額について、「民生費全体で不用額が7億円と多額になっている。監査委員からは、不用額が確実になった段階で補正財源として活用すべきとの指摘があるが、平成23年度の決算を踏まえ、今後の予算執行、次年度の予算編成にどのように生かしていくのか」との質疑に対し、「民生費の不用額は、介護保険、後期高齢者医療に対する負担金等の不用額がその多くを占めている。これは対象者が主に高齢者であることから、状態等により利用状況に変化があること、また、生活保護扶助費においては、受給者の変動などによっても大きく左右されることなど、これら変動要因の影響などにより不用額が生じてしまっている。予算計上に当たっては、毎年度、過去の実績、伸び率等を見込み積算しているが、実際の執行段階で予算との乖離がやむを得ず生じている状況である。今後も適正な予算計上に努めたい」との答弁がなされ、委員から、「予算と執行の乖離が生じることはやむを得ない面もあるが、他の費目では不用額縮減の努力の跡がうかがえる。今後の予算計上に当たっては留意してもらいたい」との指摘がありました。
 次に、高齢者支援費の扶助費について、「扶助費の見直しが行われ、平成23年度においても高齢者に対し負担増を強いることとなった。ひとり暮らし高齢者等健康入浴券も同様に見直されたが、必要なサービスは行うべきであり、市民要望もある。見直しの検討は行わなかったのか」との質疑に対し、「ひとり暮らし高齢者等健康入浴券は、市内の公衆浴場の入浴料が無料となる入浴券を年間72枚交付しているもので、平成18年度に世帯非課税制度を導入し、現在に至っている。平成23年度の決算額は約652万円、延べ使用枚数は約1万5,500枚となっているが、公衆浴場の減少により、入浴券の利用は漸減傾向にある。アンケート調査によると、制度の継続を望む声がある反面、回答者の約3割が交付された入浴券を使い切っていない状況もあった。今後とも対象者の把握に努め、入浴券の利用を促していきたい」との答弁がなされました。
 次に、衛生費について。
 住宅用太陽光発電システム設置費補助金について、「増額補正をしながら不用額を出しているが、この理由は何か。また、平成23年度決算を踏まえて今後の周知のあり方をどう考えているのか」との質疑に対し、 「平成23年度当初予算は、前年度実績を踏まえ積算し、計上した。予算執行に当たり、4月から6月の申請件数が前年同期比1.5倍強のペースで増加したことから、市民の関心の高さを踏まえ、引き続き同等分の申請があるものと考え、事業の重要性から補正を行った。しかし、8月以降の申請件数が例年並みか、それを下回ったことから、結果的に不用額が生じてしまったが、23年度の補助実績は351件、前年度の実績308件に比べ14%増となった。本補助金については、『広報いちかわ』、市のウエブサイトへの掲載等、周知を図っているが、今後はこれに加え、市民を対象とした太陽光発電システムに関する環境学習などを実施し、さらに申請者をふやすよう、対策を検討していきたいと考えている」との答弁がなされました。
 次に、労働費について。
 若年者就労支援事業委託料について、「当初予算に対し不用額が約30%生じているが、平成23年度の利用実績はどうだったのか」との質疑に対し、「平成23年度は、7月より相談日を週2回から4回にふやしたが、東日本大震災の発生以後、4月から夏ごろまで、ほぼ相談者のない状態が続いた。夏過ぎから相談者数は回復したが、結果的に85人の実績となり、前年度より減少してしまった。本事業は若年者の就労に関する悩みについて相談を行うものであり、就労支援の重要性から、今後も引き続き利用者をふやすべく努力していきたい」との答弁がなされました。
 次に、土木費について。
 狭あい道路対策補助金について、「平成23年度の施政方針にも掲げられているように、狭隘道路問題は市民にとって、交通安全という観点から非常に重要な事業である。しかし、23年度決算では、予算額300万円に対し執行は40万円となっている。実績はどうだったのか。また、この実績を踏まえ、本制度の見直しは検討したのか」との質疑に対し、「平成23年度の実績は2件だが、このほかに、年度内に工事が完了しなかったことにより3件、155万円を24年度に繰り越している。申請件数が伸びない理由として、セットバック済みは対象でないこと、市民負担が大きいこと等が考えられたため、この状況を踏まえ、24年度から制度を見直し、セットバック済みも対象とし、補助金額も最高100万円だったものを120万円に引き上げたところである」との答弁がなされました。
 次に、教育費について。
 事務局費の賃金について、「平成23年度の職員数は正規422人、非正規915人となっており、定員適正化計画の影響が如実にあらわれている。正規職員が非正規職員の約半数という状況にかんがみ、教育委員会の独自性を主張し、必要な職員数は要求すべきである。平成25年度に向け、どう検討し対応していくのか」との質疑に対し、「平成23年度の職員数は正規、非正規とも指摘のとおりである。主に現業職が非正規となった。この状況を踏まえ、現在、現業職員のあり方検討会において、市当局とともに、今後の職員の適正配置について協議しているところである」との答弁がなされました。
 次に、歳入について。
 個人市民税について、「平成23年度の収入未済額は22年度に比べ減少しているが、これは滞納対策、とりわけ差し押さえに力を入れた結果だと思う。23年度の差し押さえ件数は何件か。また、税を納められない市民へはどのように対応したのか」との質疑に対し、「平成23年度の差し押さえ執行件数は、不動産400件、生命保険、預貯金などの債権994件、株などの動産4件、計1,398件となっている。滞納処分の執行停止は、無財産757人、約2億6,500万円、生活困窮403人、約6,900万円、居所・財産不明167人、約2,700万円、計1,327人で約3億6,100万円であった。差し押さえは、督促、呼び出し等に応答がないなど納税意識が希薄な滞納者に対し、公平性を保つため執行したものだが、納められない者に対しては、生活、収入の状況を調査の上、その実態に配慮し、分割納付などで対応している」との答弁がなされました。
 次に、国民健康保険特別会計について、「平成23年度の国民健康保険税の収入未済額は約83億5,000万円であり、これは一般会計の収入未済額を超える状況にある。監査委員からも、保険税の確保に鋭意努められたいとの指摘がされているが、このことについてどう認識しているのか」との質疑に対し、「平成23年度の収入未済額は、22年度対比で約1億1,000万円の削減を図っている。また、現年課税分の収納率は84.1%であり、22年度対比で1.1%の増となっている。収入未済額は、市税と比較すると確かに多くなってはいるが、医療費が増加傾向にあり、退職者の加入割合が高いなど構造的な問題もあり、国民健康保険特別会計の運営は厳しい状況にある。今後も資力がある者に対しては厳しく対応するなど、収入未済額の縮減に努めたい」との答弁がなされました。
 次に、下水道事業特別会計について、「平成23年度における公債費の利子負担は約10億9,000万円にも上る。利率の高いものについて繰り上げ償還を行うなど、負担削減の努力はされたのか」との質疑に対し、「繰り上げ償還の対象は、利率が5%以上のものとなっている。例えば利率が7%以上の繰り上げ償還に際しては、実質公債費比率が15%以上、財政力指数が0.5%以下などの指標が設けられており、本市はいずれの指標にも該当しなかったため、平成23年度においては繰り上げ償還は行っていない。しかし、高利率のものは多額の財政負担を伴うので、他市と連携し、機会を見て、県を通じ国に要望していきたい」との答弁がなされました。
 次に、地方卸売事業特別会計について、「市場基本方針に係る基礎資料作成業務を委託しているが、平成23年度は何をどう検討されたのか。また、効果についてはどう考えているのか」との質疑に対し、「市場を取り巻く環境の変化、また市場施設の老朽化が進んでいることから、市場の現状把握、将来予測、今後の整備手法等について検討するため委託したものである。効果については、本委託により作成された資料をもとに、地方卸売市場運営審議会において、今後の方向性についての調査、検討がなされ、一定の方向性が見出せたことが挙げられる」との答弁がなされました。
 次に、介護保険特別会計について、「平成23年度の介護保険支給限度額に対する利用率は、要介護度4及び5でも約65%程度でしかない。サービス内容が不足していたのではないか」との質疑に対し、「介護保険支給限度額に対する利用率は、家庭環境など、被保険者が置かれている状況により異なる。被保険者が利用しているサービスについては、ケアマネジャーが家族などと相談の上、本人や家族の意向を尊重し、その人に必要なサービスの種類、内容で決定していることから、平成23年度においても十分に賄われていたものと考えている。限度額に対し約65%の利用率であっても、サービスが不足していたとは考えていない」との答弁がなされました。
 最後に、病院事業会計について、「平成23年度末現在、現金預金は約19億円となっている。一般会計からの繰り入れがありながら預金しなければならなかった理由は何か。現金残高の適正化を図る検討はしなかったのか」との質疑に対し、「現金預金、いわゆる内部留保資金は建設改良にかかる経費に充当するもので、具体的には病院建物の老朽化による改修、企業債の償還等に充てるものである。平成23年度には、この内部留保資金を用い、メートルRI装置などを購入した。また、23年度の内部留保資金は、減価償却費が企業債の元金を上回っているため約19億円となっているが、後年度になるに従い元金償還額が増加するので、内部留保資金を用いて償還しなければならなくなる。そのため、積み立てているものである」との答弁がなされました。
 以上申し述べましたほかに、本特別委員会の審査の過程における各委員の指摘、意見等を十二分に踏まえ、平成25年度の予算編成に当たられるよう要望した次第であります。
 本特別委員会といたしましては、平成23年度決算に係る主要な施策の成果に関する報告書の内容の一部訂正を認めた上、認定第1号について採決の結果、多数をもって認定すべきものと決しました。
 以上、ご報告申し上げます。
○加藤武央議長 この際、お諮りいたします。平成23年度決算に係る主要な施策の成果に関する報告書の内容の一部訂正について、ただいまの委員長報告のとおり、決算審査特別委員会において承認されておりますので、お手元に配付の訂正表のとおり承認することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤武央議長 ご異議なしと認めます。よってお手元に配付の訂正表のとおり承認することに決定いたしました。
 これより委員長の報告に対する質疑に入ります。質疑はありませんか。――質疑がありませんので、質疑を終結いたします。
 これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、順次発言を許します。
 谷藤利子議員。
〔谷藤利子議員登壇〕
○谷藤利子議員 日本共産党の谷藤利子です。日本共産党市議団を代表して、認定第1号について反対討論を行います。
 平成23年3月11日、我が国史上最大の大地震と大津波、原発事故を引き起こした東日本大震災の被害は広範囲に及び、市川市も例外ではありませんでした。我が党市議団としては、既に提出してあった平成23年度予算要望書に加えて被災者支援及び市民の安全確保など、震災関連の緊急対策を市長に要望いたしました。自治体の仕事は言うまでもないことですが、市民の健康、暮らし、雇用を守り、安心、安全な生活環境をつくる、まさに市民福祉の向上にあります。決算審査に当たっては、この視点を最優先にして税金が使われているか、不要不急の事業に多額の税金が使われていないか、国、県に言うべきことをしっかり言っているかといった角度から質疑をいたしました。結果として、問題点を指摘しなければならない点が多く見受けられましたので、以下、主なものを指摘させていただき、改善を求めたいと思います。
 まず、民生費関連について。
 市単独扶助費についてです。行革の一環として、平成17年から19年にかけて、所得制限や年齢制限を設けて扶助費の増大を抑える見直しがされました。高齢者の医療費や差額ベッド料、入院、おむつ代などの老人医療扶助費は平成19年6月に廃止されました。健康入浴券は、市民税非課税世帯に対象を限定する前の平成17年に比べて2万8,344枚、886万8,920円減少しています。また、はり・きゅう・マッサージ費は、市民税個人非課税に限定する前の平成17年に比べて1,875人、1,568万3,800円減少しています。高齢者は税の各種控除が外され、市民税、医療費、介護保険料、利用料等、負担はふえる一方の中、福祉サービスの充実に向けて見直すことが必要です。
 介護保険事業について。平成24年1月1日の特別養護老人ホーム待機者は918人、居宅と病院に入院している方で見ると653人。そのうち、ひとり暮らしや老老介護が389人、介護度4と5の重度の方で見ても306人です。介護保険料は年金天引きでいや応なく徴収されるのに、サービスは受けたくても受けられない、こうした状態が改善されていません。また、介護度ごとの限度額に対する利用率は、重度の要介護4が60.5%、要介護5が68.6%とのことでしたが、限度額を使いたくても利用料負担が重いからと控えて老老介護をしている家庭も多くあります。利用料軽減が必要です。介護保険料の減免については、所得税非課税世帯の所得第3段階までの対象者は1万9,971人いるうち、減免を受けられたのは155人、わずか0.7%です。周知不足と言わざるを得ません。また、条件緩和などの見直しを図るべきです。
 国民健康保険について。国民健康保険は、言うまでもなく年金生活者、無職者、非正規雇用労働者、自営業者など、低収入者が加入する保険です。そのため、年間所得300万円未満の低所得世帯が全体の84%を占めています。ところが、税の負担率は上がる一方で、例えば年収500万円の40歳代の夫と専業主婦、子供2人を扶養している家庭の税額は、平成13年度は37万200円、平成23年度は41万300円です。所得税と住民税を合わせた税の負担もふえ、国保税もふえ、可処分所得はそれだけ減っているということです。長引く不況で収入が減り、各種税の負担がふえ、滞納は2万259世帯となっています。滞納世帯への制裁措置として、年度当初に資格証明書を162世帯に、短期保険証は5,195世帯に発行し、収納対策強化では財産差し押さえによる徴収が483件、4億3,900万円となっています。生活苦、所得減少を対象とした税の減免は10件、医療費の一部負担減免は災害対象のみで、所得減に対する対象はありません。申請による減免実績は余りにも少ないと言わざるを得ません。
 公立保育園の指定管理委託では、最初から指定管理で始まった2園と、公設公営を指定管理に移行した5園がありますが、この5園のコスト削減の合計が年間約1億7,700万円、1園当たり年間3,543万2,000円、ほとんどが人件費です。市外から参入した事業者に保育の運営を移行することによる保護者、職員、子供たちへのさまざまなリスクが続きました。期限を切って最少の経費で運営を要求される民間事業者と職員へのリスクも含め、保育園の指定管理委託について検証し、見直すべきです。
 公立保育園の職員配置では、任期つき雇用13人を含む正規職員は390人、非常勤職員は127人、3分の1が非正規雇用です。ほぼ同様の仕事をしながら安上がり雇用に切りかえています。また、保育園の待機児は24年1月1日で954人、平成23年度末で1,000人を超えました。民間保育園による新築で90人、増改築で31人、合計121人分定員増は図られましたが、待機児解消には追いつきません。待機児解消の早期実現に向けた保育計画の見直しが必要です。
 衛生費について。
 保健センターの正規職員は53人、5年前に比べて24人減り、定数外職員は5年前に比べて約2倍にふえています。保健師、助産師、看護師などの専門職を安上がりの不安定雇用に切りかえています。本人の希望も聞いた上で待遇改善を図るべきです。
 成人病予防費のがん検診では、前立腺と肺がん検診の受診率が50%台ですが、あとは30%から40%台、特に胃がん検診率は7.3%と、非常に低い状態が続いています。胃がん検診は集団検診で時間がかかり、とても大変です。委託された検診車両の受け入れ体制が間に合わないなどの理由もあるとのことでした。集団検診の思い切った見直しが必要です。
 健康増進センターの使用料、賃借料5,781万6,000円について、長年の懸案事項になっています。費用対効果から早急に見直すべきです。
 じんかい処理の業務委託について。直営との業務委託のコスト比較で年間1億9,265万9,000円の削減になっています。平成23年度は入札に33社が参加し、30社が落札、5年間の長期継続契約を結んだとのことですが、収集車両を6台減らし、2t車を3t車に変えるなど効率化を図ったことで収集コースや時間が変わったり、車が大型化することで過重負担になるなど労働強化になったとの声が寄せられています。落札業者の中には、従業員を減らし、残った人も低賃金、不安定雇用で続けてもらうしかないとのこと。入札の弊害ははっきりしています。安心して仕事が続けられる公契約条例を制定することは急務です。
 商工・労働費について。
 労働費の求人情報開拓及び雇用奨励金等啓発事業について。ハローワークへの求人掲載につながったのは6件、採用は2名で効果が余り見えません。
 プレミアム商品券発行事業について。21年度、23年度限りの事業で、その後の地域経済活性化にどう生かされるのか見えてきません。市川の中小零細企業・業者を育成していける対策に本格的に取り組むべきです。
 商工業振興費のI-linkタウンA棟45階維持管理事業費6,708万円について。地域経済対策と言うには空き店舗が多く、効果が上がっているとは思えません。多額の経費の本格的な見直しが必要です。
 商工業振興費の中小企業資金融資対策事業について。市独自の融資件数は前年比139件ふえていますが、国の緊急保証制度は前年比1,009件のマイナス、県の震災復興緊急保証と合わせても483件のマイナスになっています。原因が何なのか、融資限度額と銀行への預託金の差が平成21年度から7倍に拡大されていますが、銀行の貸し渋りにつながっていないかなど、きちんと検証をするべきです。
 土木費について。
 道路橋りょう費の不用額約1億9,311万8,000円について。主に入札差金です。毎年、市議団が行っている市政アンケートでも、生活道路、側溝等、多くの市民要望が寄せられ、市当局としても多くの要望があることを承知しているとのことでした。多額の不用額を残すことなく、切実な市民要求にこたえて生活環境改善に使うべきです。
 建設事業にかかわる県事業負担金について。地方財政法における県事業負担金の位置づけはあくまでも協議によるもので、県の公共事業の一部を市町村に負担させる負担金は全国的に廃止される方向で進んでいます。23年度の市川市の県事業に対する市の負担金は、土木関係だけでも約1億417万円です。早急に廃止するよう県に働きかけるべきです。
 下水道使用料について。平均家庭の20立方メートルの使用料は近隣類似市でも最も高く、滞納世帯は2万3,340世帯となっています。今後も受益者負担の考え方を進めていくとのことでした。下水道は町の環境衛生に貢献する公益的事業で、受益者負担で使用料をふやしていくべきではありません。
 教育費について。
 教育委員会所管の職員数は正規が446人、パートなども含めた非正規は1,140人。平成10年に比べて正規が約2分の1、非正規は約2倍に逆転し、非正規の不安定雇用のほとんどが現業職員です。子供たちや市民との接点で働く専門職を継続していけるように待遇改善が必要です。
 入学準備貸付金の不用額2,570万円について。190件の見込みに対して123件、過去最低の件数によるものです。平成14年の270件をピークに減少傾向が進み、とうとう半分以下になったわけです。経済不況で私立の進学率が減少したとのことでしたが、これは全国的な傾向で生活苦がふえているということです。返せる見込みがなければ借りることもできません。返済のあり方と見直し、効果的な運用が必要です。
 30日以上の不登校は小学校で91名、中学校で272名、ともにふえています。教育相談や適応指導教室、学校へのライフカウンセラーの配置等、長い間取り組んできましたが、従来の対策では不十分だということです。子供1人1人の小さな変化を早い段階でつかみ、きめ細かい対応をするための少人数学級や教職員の多忙化の改善等、抜本的な対策、強化が必要です。
 小学校費で1億7,775万8,000円、中学校費で8,362万6,000円の不用額を残しています。老朽化した遊具や施設や事務用品も含め、学校からの要望は大変多く、十分にはこたえ切れていないことは現場から耳にすることです。多額の不用額をそのまま残すのではなく、できる限り学校現場の要望にこたえて安全対策等に使うべきです。
 学校給食の業務委託では、直営と委託のコスト比較は年間約2億800万円の削減とのこと。委託業者全体の職員は正規が32.25%、パート職員が67.75%と、パートが年々ふえています。パート職員がふえて、経験を積んだ質のよい学校給食がつくれるのか大変疑問です。学校給食調理の経験年数は、平成20年度決算のときには2年未満の経験者が45%でしたが、平成23年度は把握していないとの答弁がありました。また、異物混入は53件と、過去最高になっています。安心、安全、教育の一環としての学校給食をどのような雇用状況の中でつくっているのか、きちんと実態を把握するべきです。
 総務費関連についてです。
 行財政改革について。平成23年度の決算収支は、実質収支も形式収支もともに黒字となり、市川市の財政指数は全国でも県内でもトップクラスで交付税不交付団体となっています。また、基礎的財政収支は前年度比26億700万円増加、貸借対照表で見た純資産は前年比45億5,100万円の増加。企業会計で見ると、財政の健全化はより顕著です。市川市は勤労市民が多く、長引く不況で市民の収入が減り続けているものの、増税による税制改革の影響もあり、市税収入の割合が高いこと。また、職員定数の削減と非正規雇用、民間委託の拡大、使用料手数料等の受益者負担の強化、税の収納対策強化等々、行政改革大綱の第1次、第2次、第3次アクションプランを徹底して進めてきたことによるものです。しかし、長引く不況で市民の暮らしはますます大変になっており、この方針は各所管で述べたように、雇用、また市民福祉への影響など、少なくありません。財政的視点から見た行政改革の影響を検証し、方針の見直しを検討するべきです。
 市政戦略会議について。審査対象となる事業の抽出は行政経営会議、調整会議で決めているとのこと。その議事録の公開もありません。市民に開かれた行政運営が不十分です。
 正規職員の削減と非正規雇用、業務委託の拡大について。全体的に見ると、平成23年度の正規職員は3,315人、前年比60人の削減、平成10年比で758人削減され、一方で臨時、非常勤等の定数外職員は人数で2,028人、前年比79人増、平成10年比1,095人増、正規職員換算で598人増、指定管理委託、業務委託も増大させました。財政的には、こうした定員適正化計画が始まった平成11年度から23年度までの13年間で144億円の人件費削減になったということですが、人件費削減の対象は、るる述べましたように、保育園、保健センター、学校給食、じんかい処理など現業専門職に集中し、雇用、質、安全性など多くの課題が残されています。また、正規職員にも弊害はあらわれています。年間30日以上の病休をとった正規職員数は102人、前年比で11人ふえ、そのうち49人、約半数が精神疾患であり、定数削減に加えて年齢や学歴撤廃等、能力主義による人員配置などもストレス要因になっているものと考えます。この傾向は長い間続いており、対症療法ではない根本からの見直しが必要です。
 入札契約について。入札による低価格競争が進んで地元業者が疲弊していく中、議会での党派を超えた指摘のもと、地元業者育成の改善方針が進められていました。しかし、建設工事では4件の低入札、18件の入札不調、また、業務委託では103件の低入札、前年比34件増、29件の入札不調がありました。地元業者育成、経済活性化として本格的に改善する方針にはなっていないと言わなければなりません。
 街頭防犯カメラ234台、年間5,462万円について。船橋市25台、松戸市85台と、県内で見ても、また全国的に見ても突出しています。監視カメラ依存の防犯対策にならないよう必要最小限に見直すべきです。
 個人市民税について。平成21年、22年、23年と収納済額が減少しています。納税者1人当たりの給与収入の平均は、平成16年度に比べると年間26万3,748万円のマイナスになったということです。しかし、定率減税の廃止など、増税による税制改正が行われる前の平成16年に比べると、平成23年度は51億円も個人市民税の納税額がふえています。収入は減り続けているのに納税額はふえているということです。税制改正は所得税から地方税への税源移譲が行われたという側面もありますが、例えば年収500万円、専業主婦と子供2人を扶養している家庭の所得税と住民税を合わせた納税額は年間8万6,100円ふえています。収入は減り、税負担全体がふえている、暮らしは厳しくなっているということです。
 そんな中でも、収納対策強化で平成22年度、23年度、滞納繰越額が減っています。滞納者への財政差し押さえ件数は1,398件、納税額は16億7,569円。悪質滞納者を対象としているということですが、悪質滞納者は当然のことですが、払える見込みがないから納税相談にはとても行きづらいという市民も少なくありません。相談にはきちんと乗る、生活には配慮して納めてもらうというのであれば、そうした対応をするという周知の徹底をするべきです。また、税の減免113件のうち、収入減や生活困窮を対象にした減免はゼロでした。減免制度があるというのであれば、この適用についても周知を徹底し、実績を積むべきです。
 外環道路建設に伴う用地や代替地の固定資産税、都市計画税について。土地の買収が進み、市内中心部の住民が移転したことによる固定資産税や都市計画税の影響は大変なものと推察します。しかし、影響額も積算しておらず、国に要求もしていないとのこと。大きな問題です。かつて我が党の質問にきちんと影響額を調査して答えていました。早急に試算し、何らかの方法で応分の負担を強く求めるべきです。
 補助金、負担金の一般財源化について。補助金対象事業だったものを交付税対象として一般財源化する事業がどんどんふえて、平成23年度の影響額は22億4,900万円となり、交付税不交付団体の市川市の財政を大きく圧迫しています。長引く不況のもとで市民の収入は減少し、地域経済も停滞し続けています。市民負担強化、自主財源拡大に過大に依存するのではなく、本来負担すべきところに財源をしっかりと求めるべきです。
 以上、改善が必要と考える主なものを述べさせていただきました。市川市の来年度予算編成がこれから本格的に行われると思います。市民の暮らしはますます厳しくなっています。地方自治体の仕事として、まず、ここにしっかりと目を向けて雇用対策と市民の暮らし、福祉最優先に予算編成作業を進められることを強く希望し、平成23年度決算認定の反対討論とさせていただきます。
○加藤武央議長 岩井清郎議員。
〔岩井清郎議員登壇〕
○岩井清郎議員 会派みらいの岩井でございます。ただいま議題となっております認定第1号平成23年度市川市一般会計、特別会計及び公営企業会計決算の認定について、みらい、緑風会、自由民主党、自由クラブ、市川政友会を代表いたしまして、賛成の立場から討論をさせていただきます。
 去る9月18日から9月21日まで行われました決算審査特別委員会において、理事者から提出されました決算書などを4日間にわたり慎重に審議を行ったところであります。この決算審査特別委員会について、私なりの視点から評価を行い、意見を述べさせていただきます。
 平成23年度の我が国の日本経済は、昨年の3月11日に発生した東日本大震災により深刻な打撃を受け、2四半期にわたりマイナス成長が続くなど厳しい状況にあり、さらには欧州政府の債務危機による世界経済の減速、急速な円高などにより、景気の本格的な回復が見えない年でありました。特に東日本大震災の発生は、死者1万5,870人、行方不明者2,814人という未曾有の被害を与えるとともに、本市を含む自治体のインフラや公共施設への被害を与え、さらに福島第一原子力発電所の爆発事故は放射性物質の拡散や電力需給など、さまざまなところへ影響を及ぼしております。
 このような状況の中、本市に視点を移してみますと、23年度予算は大久保市長が市長に就任してから全体を通して初めての予算であるとともに、また、23年度から32年度までの10年間を計画期間とした新しい基本計画と、それを支える3年間の実施計画の初年度に当たり、計画の着実な進行に取り組まれた年でもありました。これらの成果につきましては、決算審査特別委員会の席上においても、各理事者からそれぞれ1年間の取り組み内容の答弁があり、その成果を確認したところであります。
 それでは、委員会の審査の内容を踏まえて一般会計の決算から申し上げます。
 平成23年度における一般会計歳入決算額は1,346億9,715万1,377円、歳出決算額1,321億445万7,619円で、22年度に比べ歳入で1.0%、歳出では2.1%の伸びとなっており、歳入歳出とも過去最高額を示す決算内容となっております。また、これにかかわる実質収支額及び実質収支比率は23億5,145万4,000円、3.0%で望ましいとされる値を維持しており、妥当なものとなっております。
 次に、財政力指数でありますが、地方公共団体の財政基盤の強さを示す財政力指数につきましては、交付税の算定で用いる基準財政収入額と基準財政需要額で算定しますが、ここ数年、低下傾向にあり、近い将来、普通交付税の交付団体への移行も想定されるところであります。
 また、財政構造の弾力性を示す経常収支比率につきましては、3年連続上昇し、23年度決算では92.1%と、前年度より1.2ポイントの悪化となっております。経常収支比率は、10年前の13年度では、本市が目指すところの85%に近い85.2%であり、このときの建設事業など投資的経費や政策的経費に充てることができた金額、いわゆる余裕財源は100億円あったのが、23年度では63億円まで大きく減少している状況にあります。この経常収支比率の悪化の要因といたしましては、歳入におきましては長引く景気の低迷等に伴う市税収入の伸び悩み、国庫支出金の一般財源化など、歳出におきましては生活保護費や子育て支援にかかわる扶助費の増、さらには高齢化の進展に伴う社会保険関係、特別会計への繰出金の増等が要因となっております。これらの財政指数から見た23年度の財政運営は、厳しい財政環境の中で創意工夫を行い、妥当な財政運営を行ったと評価できますが、経常収支比率の悪化が示すように、将来を見据えた計画的な行政運営を行うためには抜本的な改革が必要なことは明らかであります。
 市は財政状況の変化を、人口の高齢化などの社会情勢や景気の低迷といった経済環境の変化ばかりに責任を押しつけていますが、今こそ、直面しているこの厳しい財政環境にあって、財政運営の基本に立ち返り、新たな課題を含む行財政改革を果敢に推し進める姿勢が必要であると思います。市は財政運営指針を23年度に作成し、財政構造改革に取り組んでいることは評価しますが、こうした自己責任と自浄作用の観点から、さらに改革を進めていただきたいと思います。
 次に、財政の健全化を判断する各指標につきましては、実質公債費比率は2.0%と、早期健全化基準の25%を大きく下回る結果となっており、今後、実施が計画されている庁舎の建てかえや都市計画道路の建設、下水道の整備などの膨大な事業費の財源となる地方債の手当ての拡大にも対応できる数値となっています。また、唯一のストック指標であります将来負担比率は、市の会計ほか、土地開発公社や出資法人を含めた地方債残高が市の一般財源の何倍までなっているかを示すもので、23年度は7.1%と、早期健全化基準の350%を大幅に下回っております。
 続いて財政調整基金についてでありますが、長年大きな課題であった財政調整基金条例の改正を行い、予算を介さず直接基金に編入することとしたことは、財政調整基金の保有額の確保と財政基盤の強化が図られたものと高く評価できるものであります。また、23年度末の財政調整基金の残高は、予算計上し、予定していた取り崩しを行わなかったことにより前年度の81億円を維持することができましたが、本市の財政規模からすると決して高い水準ではないことから、さらに積み増しをしていただき、東日本大震災のような大規模災害に対応できる保有額とすることを要望いたします。
 それでは、この決算につきまして、主な特徴から改めて評価を述べさせていただきたいと思います。
 まず1点目として、東日本大震災への対応として、震災による被害を受けた道路や公園、公共施設の被害をできるだけ早く復旧を図るとともに、避難者や被災者の支援、放射線対策などを行ったこと。2点目として、決算審査特別委員会監査委員からの指摘を踏まえ、確定した不用額について積極的に減額補正を行い、財源の有効を図ったこと。3点目として、財政調整基金の保有額を財政運営指針の期間目標額81億円としたこと。4点目として、待機児童の解消などの子育て支援の充実や、計画的に進めている本八幡A地区市街地再開発事業などの大型建設事業の確実な推進を図ったこと。さらに5点目として、収入未済額が、現年度分の収納強化を図った結果、一般会計全体で前年度に比べ減少していることの主に5点が特徴的な成果であると思っております。
 これらの成果は大久保市長のリーダーシップのもと、堅実な財政運営と着実な事業の推進が行われたものであると高く評価をするものであります。また、厳しい財政状況の中においても、市民に心のゆとりと潤いを与えるガーデニング・シティいちかわなど新たな事業の展開を行っておりますが、私としては、もっと広くPRすることにより参加者の拡大が図れるものも多くあるように思います。市の事業に対する取り組む姿勢に物足りなさも感じるところでありますが、総じて市民の声なき声にこたえてきたと評価するところでもあります。今後はPRの強化とともにマーケティングの視点も踏まえ、新規事業に取り組むよう要望いたします。
 続きまして、主な特別会計、公営企業会計の決算について申し上げます。
 まず、国民健康保険特別会計の状況ですが、前年度に引き続き収納体制の強化などに保険税の確保を図ってきておりますが、保険給付費の増加から、一般会計からの繰入金は前年度の40億円から41億5,000万円に増加し、依然として厳しい収支状況となっております。このことは、高齢化に伴い医療費が増加する一方で保険税の収納率が低迷しているためでもあります。今後、国民健康保険特別会計を維持していくためにはさらなる収入未済の解消に努めるとともに、払える人が払わない、いわゆる悪質滞納者には滞納処分を強化するなど、保険者として国民健康保険事業の安定化に努めるよう強く要望いたします。
 次に、下水道事業特別会計ですが、23年度の下水道普及率は、東菅野4丁目や北方町4丁目、柏井地区などにおける工事の進捗により67.6%と、昨年度より0.3ポイント引き上げられましたが、他市に比べると、まだまだ低い状況にあります。現在のところ、東京外郭環状道路や都市計画道路3・4・18号の事業進捗の関係から、普及率の伸びは大きなものではありませんが、今後は道路の事業進捗に合わせて、今まで以上に積極的な事業投資を行い、生活基盤となる公共下水道の早期普及を強く要望いたします。
 次に、介護保険特別会計ですが、保険給付費が前年度と比べ約10億円増加したことに伴い、一般会計からの繰入金も前年度と比べ約1億5,000万円の増となっております。今後も増大する保険給付費により、一般会計繰出金の増加はやむを得ないところではありますが、制度を支える介護保険料の収入未済額が増加しないよう、健全な財政運営に努めていただくよう要望いたします。
 続いて公営企業会計である病院事業会計でありますが、一般会計からの負担金は前年度と比べ約2,900万円の増となっておりますが、これは入院や外来患者数がふえたことなどにより医業収益が増加した反面、医業費用において職員給与費や減価償却費などが増となったことによるものであります。現在、病院事業会計では、病院改革プランに基づき経営改善に努めているところであり、今後、抜本的な経営改革に努められるよう要望いたします。
 最後になりますが、一部の特別会計において、一般会計からの赤字補てん的な繰り入れが常態化していることから、独立採算制の理念にのっとり、一層の経営改善を行うことを要望いたします。
 次に、収入未済の状況について申し上げます。23年度の収入未済額は全会計で約148億3,000万円となっており、前年度に比べ約6億9,000万円の減となっております。これを会計別に見てみますと、一般会計の収入未済額は約57億3,000万円で、前年度と比べ約5億7,000万円の減となっております。これは市税において約5億9,000万円の減となっていることが主な要因であり、財政部において徴収プロジェクトチームを立ち上げたことによるものであり、また、特別会計全体では未収入額は約90億9,000万円で、前年度に比べ約1億2,000万円の減となっており、これは国民健康保険特別会計において、徴収専門業務に当たる滞納整理チームを創設したことなどによるものであります。収入未済額については、一般会計では2年連続の減少、特別会計においては、ここ10年間では初めて減少していることから、その取り組みについて一定の評価はいたしますが、負担の公平性の観点から、収入未済額の解消に向けて引き続き対策を講じられるよう、強く要望いたします。
 次に、決算にかかわる資料として提出された貸借対照表や行政コスト計算書などの財務書類4表につきまして意見を申し上げます。この財務書類4表は昨年と同様、他市に先駆けて、決算審査特別委員会の前に全議員に公表されたこと、また、施設別行政コスト計算書が公表されたことは高く評価するものであります。今後も市民に活用していただくためにも、本市の資産や負債などについて、よりわかりやすく示していただきたいと思います。
 以上、平成23年度市川市一般会計、特別会計、公営企業会計決算につきまして、評価や要望等を申し上げました。
 これからの市川市の財政を予測してみますと、歳入面では高齢化と人口減少に伴い生産年齢人口が減少し、歳入の根幹である市税収入の低迷が想定される中、歳出面では都市計画道路や下水道の面的整備、庁舎の建てかえ、公共施設の再整備、さらには社会保険関係経費の自然増加など、現時点で想定できる事業でも膨大な費用がかかる行政課題が山積しております。このため、今後とも内部管理経費などは歳出抑制、効率化ということは避けられないことから、先ほど来申し上げておりますように、これまでにも増して大胆かつ注意深く行財政改革を進め、時宜にかなった施策を厳選し戦略的に展開するとともに、入るをはかりて出るを制すという財政規律を基本とする財政構造の確立に取り組んでいくことが重要であります。
 大久保市長を初め理事者の皆様におきましては、変化のスピードが猛烈に速く、経済状況の行き先の不確実性が高い現代社会にあっては、すべての職員が知恵を出し合い工夫し、変革を恐れることなく、常に前進することを念頭に積極的にアプローチをしていただき、有効な投資事業を見きわめ、市民が真に必要とするサービスを向上させるよう、本会議や決算審査特別委員会における議論や指摘などを真摯に受けとめ、次年度以降の予算編成に反映させていただきたいと要望し、平成23年度決算の認定に対する賛成の討論とさせていただきます。
○加藤武央議長 以上で通告による討論を終わります。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより認定第1号平成23年度市川市一般会計、特別会計及び公営企業会計決算の認定についてを採決いたします。
 本決算に対する委員長の報告は認定すべきであるとするものであります。本決算は委員長の報告のとおり認定することに賛成の方は賛成のボタンを押してください。――ボタンの押し忘れはありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤武央議長 ないものと認めます。
 集計いたします。
 賛成者多数であります。よって本決算は委員長の報告のとおり認定することに決定いたしました。


○加藤武央議長 日程第2発議第11号地球温暖化対策に関する「地方財源を確保・充実する仕組み」の構築を求める意見書の提出についてから日程第11発議第20号尖閣諸島・竹島の領土問題は冷静な外交努力での解決を求める意見書の提出についてまでを一括議題といたします。
 お諮りいたします。会議規則第37条第3項の規定により、提案理由の説明を省略することにいたしたいと思います。これに賛成の方の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○加藤武央議長 起立者多数であります。よって提案理由の説明を省略することは可決されました。
 これより質疑に入りますが、ただいまのところ通告がありませんので、質疑なしと認めます。
 これをもって質疑を終結いたします。
 お諮りいたします。会議規則第37条第3項の規定により、委員会の付託を省略することにいたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤武央議長 ご異議なしと認めます。よって委員会の付託を省略することに決定いたしました。
 これより討論に入りますが、ただいまのところ通告がありませんので、討論なしと認めます。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより発議第11号地球温暖化対策に関する「地方財源を確保・充実する仕組み」の構築を求める意見書の提出についてを採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の方は賛成のボタンを押してください。――ボタンの押し忘れはありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤武央議長 ないものと認めます。
 集計いたします。
 賛成者全員であります。よって本案は原案のとおり可決されました。
 これより発議第12号「脱法ドラッグ」とりわけ「脱法ハーブ」に対する早急な規制強化等を求める意見書の提出についてを採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の方は賛成のボタンを押してください。――ボタンの押し忘れはありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤武央議長 ないものと認めます。
 集計いたします。
 賛成者全員であります。よって本案は原案のとおり可決されました。
 これより発議第13号気象事業の整備拡充を求める意見書の提出についてを採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の方は賛成のボタンを押してください。――ボタンの押し忘れはありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤武央議長 ないものと認めます。
 集計いたします。
 賛成者多数であります。よって本案は原案のとおり可決されました。
 これより発議第14号税制全体の抜本改革の確実な実施を求める意見書の提出についてを採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の方は賛成のボタンを押してください。――ボタンの押し忘れはありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤武央議長 ないものと認めます。
 集計いたします。
 賛成者多数であります。よって本案は原案のとおり可決されました。
 これより発議第15号中小企業の成長支援策の拡充を求める意見書の提出についてを採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の方は賛成のボタンを押してください。――ボタンの押し忘れはありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤武央議長 ないものと認めます。
 集計いたします。
 賛成者多数であります。よって本案は原案のとおり可決されました。
 これより発議第16号自治体における防災・減災のための事業に対する国の財政支援を求める意見書の提出についてを採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の方は賛成のボタンを押してください。――ボタンの押し忘れはありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤武央議長 ないものと認めます。
 集計いたします。
 賛成者全員であります。よって本案は原案のとおり可決されました。
 これより発議第17号オスプレイの沖縄配備と日本各地での飛行訓練に反対する意見書の提出についてを採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の方は賛成のボタンを押してください。――ボタンの押し忘れはありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤武央議長 ないものと認めます。
 集計いたします。
 賛成者少数であります。よって本案は否決されました。
 これより発議第18号共通番号制度(マイナンバー)法案の撤回を求める意見書の提出についてを採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の方は賛成のボタンを押してください。――ボタンの押し忘れはありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤武央議長 ないものと認めます。
 集計いたします。
 賛成者少数であります。よって本案は否決されました。
 これより発議第19号「原発ゼロ」の政治的決断を求める意見書の提出についてを採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の方は賛成のボタンを押してください。――ボタンの押し忘れはありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤武央議長 ないものと認めます。
 集計いたします。
 賛成者少数であります。よって本案は否決されました。
 これより発議第20号尖閣諸島・竹島の領土問題は冷静な外交努力での解決を求める意見書の提出についてを採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の方は賛成のボタンを押してください。――ボタンの押し忘れはありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤武央議長 ないものと認めます。
 集計いたします。
 賛成者多数であります。よって本案は原案のとおり可決されました。
 お諮りいたします。ただいま意見書案が議決されましたが、その条項、字句、数字その他の整理を要するものにつきましては、その整理を議長に委任されたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤武央議長 ご異議なしと認めます。よって条項、字句、数字その他の整理は議長に委任することに決定いたしました。


○加藤武央議長 日程第12委員会の閉会中継続審査の件を議題といたします。
 各委員会において審査中の事件につき、委員長から、会議規則第103条の規定により、お手元に配付いたしました申出書のとおり閉会中の継続審査の申し出があります。
 お諮りいたします。委員長から申し出のとおり閉会中の継続審査に付することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤武央議長 ご異議なしと認めます。よって委員長から申し出のとおり閉会中の継続審査に付することに決定いたしました。


○加藤武央議長 日程第13委員会の閉会中継続調査の件を議題といたします。
 各委員会において調査中の事件につき、委員長から、会議規則第103条の規定により、お手元に配付いたしました申出書のとおり閉会中の継続調査の申し出があります。
 お諮りいたします。委員長から申し出のとおり閉会中の継続調査に付することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤武央議長 ご異議なしと認めます。よって委員長から申し出のとおり閉会中の継続調査に付することに決定いたしました。


○加藤武央議長 この際、先ほどの鈴木啓一議員の議事進行に関する発言に対しお答えいたします。
 議長において調査いたしましたところ、鈴木啓一議員ご指摘のとおりでありました。
 この際、危機管理監より発言を求められておりますので、これを許可いたします。
 危機管理監。
○古賀正義危機管理監 貴重な時間をおかりしまして申しわけありませんが、発言の訂正をお願いいたします。
 去る10月2日の鈴木啓一議員の一般質問に対する答弁中、東北地方太平洋沖地震の発生日を「平成23年3月11日」と発言すべきところを「平成22年3月11日」と発言してしまいました。「平成22年」を「平成23年」に訂正をお願いいたします。ご迷惑をおかけいたしまして申しわけございませんでしたが、よろしくお願いいたします。
○加藤武央議長 ただいまの申し出のとおり発言の訂正を許可いたします。
 鈴木啓一議員におかれましては、以上のとおりでありますので、ご了承願います。
 この際、危機管理監に申し上げます。今後の発言に当たりましては正確を期されるよう、議長において注意をいたします。


○加藤武央議長 次に移ります。
 以上をもって本日の会議を閉じます。
 これをもって平成24年9月市川市議会定例会を閉会いたします。
午後2時30分閉議・閉会

会議録を検索したい方はこちらから検索できます。

このページに掲載されている
情報の問い合わせ

市川市 議会事務局 議事課

〒272-8501
千葉県市川市八幡1丁目1番1号

議事グループ
電話 047-334-3759 FAX 047-712-8794
調査グループ
電話 047-712-8673 FAX 047-712-8794