更新日: 2024年3月19日

2016年9月26日 会議録

会議
午前10時1分開議
○稲葉健二議長 ただいまから本日の会議を開きます。


○稲葉健二議長 日程第1一般質問を行います。
 順次発言を許します。
 佐藤義一議員。
〔佐藤義一議員登壇〕
○佐藤義一議員 一般質問をいたします。
 この新聞の写真は、古い新聞です。これは船橋海浜公園、これはゴールデンウイーク、5日の日、1万8,000人が訪れアサリなどをとっているところ、もう人がいっぱい。この下のほうは楽しそうに潮につかっている子供、これは母の日、13日。これまた船橋海浜公園でアサリをとりながら海の水につかっているかわいい女の子2人。これは海浜公園、人工干潟。ところで、ことし平成28年2月、県議会で副知事が答弁しました。三番瀬の再生につきまして、干潟的環境の形成については県事業では行わない。すなわち、塩浜2丁目の護岸前の干潟整備を行わない、こういうことであります。今日までの県の方針をこれは根本から変えることになるわけです。市川市は40年間の長きにわたり翻弄され続けてきた三番瀬の再生、これがまたこれからも翻弄されるということになるわけです。
 簡単に経過を述べさせてもらいますと、昭和50年、一期埋立が竣工、つまり完成したんですね。この一期埋立によって、浦安側と市川側が約90度に、直角に交わる護岸が整備されたんです。このことが今日、あそこに潮が停滞してヘドロがたまって、そして赤潮、青潮、漁場が劣化、市民もあそこの海に接することができないというもとをつくったんですね。ところが、県はそのとき引き続いて第二期埋立を実は計画していたんです。その当時平成5年3月、県は第二期の埋め立て、すなわち470haの計画を発表しました。ところが、当時やっぱりそういう干潟がどんどん埋め立てられて、工場がどんどん次々につくられたという東京湾、あるいは全国、そういうものに対して反対運動が物すごい勢いで広がりまして、そしてそういうことはこの二期埋立にも影響を及ぼしました。すなわち6年後、県は470haを大幅に縮小して90haの縮小見直し案なるものを提案してきた。私どもは、ここに議会で、これで最後だな、この90haでもうこれは最終的に決まる。そうすると、これも面前に人工干潟ができますから、ああ、やっと子供たちが船橋海浜公園のように、市川の海でも夏はちょっとした海水浴というか、水で顔を洗えるとか、あるいは5月になったら潮干狩りができるなと、我々一同みんな喜んだんです。
 ところが、やっぱりにっちもさっちもいかなくて、平成13年、堂本知事が就任しました。堂本知事は、そういう埋め立て反対の機運を受けたんでしょうな、埋立計画を白紙に戻す、里海を目指すと、こう言ったんですよ。この里海というのは、堂本知事は自然の保全、住民の親しめる里海と、こう言った。私どもも里海というと、これは里山と同じように農家の人たちがそこで草を刈ったりマツタケをとったり、いい雰囲気の海ができるんだなと期待したんです。そのとおり、円卓会議、再生会議が20回、30回。これは関係者が全部集まって民主的な手法によってそういう提案がなされたんです。そういう8年間、堂本さんは結局2期8年でしたので、その間基本計画、事業計画ができて、県に提出しました。しかし、実質的には1センチメートルも動かなかった。もう全く小田原評定、何も実行できなかった。
 そうこうしているうちに、堂本さんはやめて森田知事が平成21年4月に就任しました。それで、森田知事はそういう三番瀬の地元、あるいはいろんな意見を受けてこう言った。一番大切なものは地元の考え方だ、一番大切なのは地元の考え方、つまり市川の考え方です、こう言うわけですよ。これはみんな期待感を持っちゃいましたよ。鈴木衛先生も当時市会議員で、これは我々は議会でも意見書、市長もこれは要望書等々を出して、森田知事にすごく我々は期待感を持った。ところが、森田知事は今7年目を迎えているんですか、これまたあんまり動きがよくない。
 そういう中で、昨年、平成27年3月、県は人工干潟案なる8案を作成したんですね。この案でいきますと、塩浜2丁目、陸側が100メートル、海側が50メートル、本当にちっぽけだよね。だって、船橋は1kメートルですよ。それで、私はよく行くんですよ、葛西海浜も人工干潟は500メートルとか1kメートル。これは市川は100メートルといったらもう、ゴルフをやっている人はわかるけれども、100ヤードってもうあの辺だもんね。
 そんな幅が、しかも海側50メートル、もう本当に猫の額というか、小さい小さい干潟計画なんですが、これをことしの2月、諸橋副知事が県の事業としては実施することは困難であると答弁したわけです。市当局の見解を問います。
 そして、干潟の再生について、今後の市の取り組み方を問います。
 2番目。8月1日の10時、NHK「クローズアップ現代」で、子供を追い詰めるブラック部活なるものが取り上げられていました。番組では、ボールをとり損ねただけで長時間土下座を命じられる野球部員の生徒、顔を見ていると腹が立つといった生徒の人格をも否定するような顧問の暴言など、生徒たちを追い詰める、いわゆる部活ハラスメントの実態が紹介されていました。さらに、度を超えた拘束時間の長さ、文科省は全国の中学校に対し、運動部の休養日を週2日設けるよう進めているそうですが、ある公立中学校では土日も含め1カ月にわずか3日しか休みがなく、体調を崩すほど長時間に及ぶ練習が行われている実態の報道。では、そこまで大変だったら部活をやめればいいのかと思うわけですが、さらに驚いたことは、どんなにつらくても部活をやめられない実態があるということでした。例えば、部活をやめればあの子は弱いとか逃げ出した、脱落者といった陰口が瞬く間に広がり学校の居場所を失う、推薦入学で重視される内申書に悪く書かれ進学に影響してしまうなどの実例が紹介されました。
 こうしたブラック部活というのが実際にあり、生徒が精神的に追い詰められる実態。番組でも、自殺で息子を亡くされたお母さんが取材に応じ、部活のあり方に疑問を抱き続けていると証言されました。部活は、生徒指導面などに、学校教育において大きな役割を果たしているということは十分承知しております。私は部活を否定するものでは決してありません。しかし、この番組を見て、こうした行き過ぎた部活活動には問題があると憤りを感じた次第です。
 質問1、市川市内でこのような生徒側から見た行き過ぎたブラック部活の実態はどうなのか伺います。
 次に、教師の点に視点を移します。先ほどの「クローズアップ現代」でも後半部で、生徒やその保護者から強い要望で教師の側にも相当なプレッシャーがかかっている面について指摘されておりました。専門外の指導に時間をとられて教科の準備が不足、勝てないことで保護者から厳しく批判されたなどの声。一方、「アエラ」という雑誌、これは政務活動費で買っていませんから。この「アエラ」に、先生が忙し過ぎるという特集が組まれました。この中に、やっぱり部活問題が大きく取り上げられています。この特集では、部活指導のため、朝と夕方、さらに土日が潰され、授業準備の時間の確保が厳しい。教師の半数近くは全く未経験の部活顧問についており、自腹でDVDや本を購入して勉強している。民間人校長の平川理恵さんは、特に中学校の先生を多忙化している一番の要因は部活であると、この特集の中で言っているんですよ。
 2つ目の質問、このように教師の側から見た過重負担となっている部活の実態につき、市川市はどうなっているのか伺います。
 本日は部活に焦点を当てて質問してきましたが、私の問題意識としては、この部活の問題に象徴されるように、今、学校現場の先生方が非常に忙しい。この部活の問題に限らず、いじめや不登校、子供の貧困問題、障害のある子供や外国人の子供の増加など、学校現場はさまざまかつ困難な課題を抱え、教職員は日々その対応に追われています。学校現場の多忙化の問題は、早急に解決しなければならない重要課題であります。そんな中、文科省はこうした課題に対応するため、今後10年間で約3万人の教職員定数を増とする内容の計画案を打ち出しました。この国による計画案に大いに期待するところでありますが、やっぱり国が行うという計画はなかなか遅いんです。そこで私は、今市川でもこの間の「クローズアップ現代」の実態に近い部活活動あるいは教職員の多忙化の問題が問われていると思いますので、質問します。
 教師の多忙化解消に向け、教育委員会は今後どのように取り組んでいくのかを伺います。
 以上、1回目の質問を行いました。答弁をよろしくお願い申し上げます。
○稲葉健二議長 答弁を求めます。
 行徳支所長。
〔松﨑順子行徳支所長登壇〕
○松﨑順子行徳支所長 三番瀬の再生について2点の御質問にお答えします。
 まず、県議会での答弁に関する市の認識であります。平成28年2月の県議会における副知事の答弁は、塩浜2丁目護岸前面の干潟化について、千葉県が事業主体となって実施しないものと初めて公式に表明したものと認識しております。千葉県は、当時の堂本知事が市川二期の埋立計画を中止し、その後の対応として、地元住民を初め幅広く意見を伺うと、機会を整え最善の策を講じていきたいと発言したことから、三番瀬再生計画検討会議、通称円卓会議や三番瀬再生会議が開かれ、多くの住民や漁業者、関係団体、加えて周辺自治体等がかかわってまいりました。このような体制と時間を要したにもかかわらず、地域住民が親しめる里海の再生につながる干潟化の事業化につきまして全く進展が見られなかった状況であります。このような経緯がある中で、干潟化事業化の断念に関する発言が答弁されたことは、埋め立て中止の責任や関係者の期待に応ずるものでなく大変残念であると感じているところであります。
 続きまして、今後の取り組みについてお答えします。干潟の再生につきましては、市川二期の埋め立て中止に関する経緯からも千葉県が行うものと考えており、これまで千葉県に対し干潟化に関する要望を機会のあるごとに行ってまいりました。主なものといたしましては、平成21年度や平成23年度に市民が身近に海に親しめる干潟の再生や、市民が海に親しめる親水性に配慮した護岸構造を要望してまいりました。また、平成26年度には市川市と船橋市、浦安市の3市から成る京葉広域行政連絡協議会から干潟の再生について要望しております。さらに、平成27年度には千葉県の担当者と県が提案した塩浜2丁目護岸前面の干潟化に関して協議し、事業化を求めてきました。しかしながら、千葉県はこれら市の要望に対して前向きな回答を示すことなく、県議会での発言に至りました。このため、ことし8月には市長が直接県庁に伺い知事に対して護岸整備の一環として人工干潟を整備していただくようお願いしたところでございます。
 また、本市では塩浜2丁目護岸の後背地において、土地区画整理事業によって公園が配置される計画でありますことから、公園や護岸と干潟が一体的に利用できるよう、今後とも引き続き千葉県に働きかけてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 学校教育部長。
〔永田博彦学校教育部長登壇〕
○永田博彦学校教育部長 私からは3点の御質問にお答えいたします。
 初めに、生徒側から見た部活動の実態についてでございます。部活動は、その教育的な意義から、本市でも全ての公立中学校及び義務教育学校で実施をされております。これらの部活動は、任意加入として生徒の自発的な参加により行われており、各中学校等では入学直後に部活動の内容を紹介するとともに、仮入部期間を設けて自分に合った部活動を慎重に選び加入することができるようになっております。練習時間につきましては、各校が日没を目安にした最終下校時刻を校内で統一しており、朝練習についても登校時刻が決められているなど、際限なく活動することがないように配慮されております。また、学校によって方法は異なりますが、部活動を実施しない休養日の設定も行われております。さらに、定期試験前には各校が定めた一定の活動停止期間を設けてしっかりと学習に向かい合うことができるように配慮されております。
 部活がやめられない実態があると指摘された点につきましては、各校とも生徒が部活動を続けることが難しくなった際は、保護者の意向を確認した上で、顧問と生徒で話し合う機会を持ち、部活動をやめた後の学校生活の充実を図ることに努めております。
 御質問にありました部活動と内申書の関係につきましては、調査書に部活動の実績を記載できる欄もございますが、実際は全ての学校が生徒のプラス面の評価を記載しているのが現状でございます。本市におきましては、テレビ番組で取り上げられたような状況はないと認識をしております。しかしながら、部活動に対する負担感、疲労感は一人一人で感じ方が異なるため、同じ状況下でも負担に感じる生徒もいれば、楽しみにしている生徒もいると思われます。さらに、体罰や言葉による暴力等につきましては、絶対に許されない行為として教育委員会も学校へ指導しております。学校の管理職もその点は十分理解しており、行き過ぎた指導であると思われる場合には速やかに対応していると認識をしております。負担感同様、同じ指導であっても圧迫感や追い詰められる思いを持つ生徒がいないとは限りませんので、今後もさらに各校での部活動の実態把握や生徒の思いを吸い上げられる体制づくりの構築を進め、本来部活動が持つ意義が十分発揮されるように努めてまいります。
 次に、教師側から見た部活動の実態についてでございます。
 まず、市の実情といたしましては、昨年度市川市内の抽出校の教員を対象に実施しましたアンケート結果により、部活動の指導に対してストレスを感じている教員の存在が明らかになっております。この背景といたしましては、御指摘のとおり顧問となった教員が大会での好成績や高い技術の習得など生徒や保護者のニーズに応えなければならないこと、さらに競技の未経験あるいは専門でない種目の部活動を担当しなければならないことが挙げられます。顧問教員の多くは、このニーズに応えるために休みなく部活動の指導に取り組んでいるというのが実情でございます。部活動による教員の過重負担はこのような状況に精神的なプレッシャーを感じることで生まれる多忙感、さらに部活動以外の業務を進める時間がとれないという多忙化がその要因と考えられます。このため、本市では複数顧問配置の奨励や外部指導者の招聘の支援など、教員の負担軽減を目的とした対応策を講じております。さらに、定期的な休養日を確保するために教育委員会主導で月曜日の朝練習と水曜日の放課後の部活動は行わない時間とするノー部活タイムを設定し、次年度からの完全実施に向けて準備を進めているところでございます。
 次に、教師の多忙化解消の取り組みについてでございます。教育委員会は、これまでコンピューターによる校務支援システムの全校設置や事務職員による教員への事務業務の支援など、教職員の業務の短縮化、能率化のためのさまざまな手だてを講じており、現在もさらなる業務の適正化に向けて取り組んでおります。その中で、教育委員会と学校現場の教員で構成された多忙化解消検討委員会を組織し、教職員の業務の適正化に向けての具体的な取り組みについて検討を重ねております。これまで業務改善のための対応策をまとめたリーフレットの配布や、教員を対象としたアンケートによる多忙の実態把握などの取り組みを行ってまいりました。このような経過から、多忙化解消検討委員会は来年度より教育委員会主導でノー残業デーを実施することとし、現在その施行に向けての条件整備を進めているところでございます。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 答弁が終わりました。
 佐藤義一議員。
○佐藤義一議員 それぞれ答弁いただきましてありがとうございました。
 まず、三番瀬。答弁にあるように、何ゆえ市川市は県に干潟を求めるのかというならば、直近では、直近といいますか、もう大分前ですが、平成13年に就任した堂本知事が、埋立計画を白紙に戻し自然の保全、地域住民が親しめる里海の再生を目指すと言って、我々地元に、非常に里海という言葉そのものの響きとともに期待感を持たせたんですね。当時は、確かに私もよく覚えていますけれども、全国的に湾が埋められて干潟が喪失して、そこが工場地帯になって、そして自然が破壊される、そういうことはもうこれ以上はまかりならぬという運動が日本国中に起こったんですね。そういうこともあって、結局二期埋立が中止になった。つまり、堂本さんはこれを白紙に戻して里海を再生するという発想は悪くなかったと私は思いますよ。ところが、その後が悪い。この8年間、ほとんど何も実行ができなく、無作為の8年に終わってしまった。その間、県は市川市からの要望、県議会での答弁、これは多分鈴木衛先生も質問してくれたと思うんですが、三番瀬再生の重要性は理解しており、干潟の再生についてや事業の進め方など、具体的には市川市と協議していきたい。さらに、干潟の再生はまちづくりの一環でもあるので、市川市にも主体的にかかわりをお願いしたい。これは県の公式な見解になっていると私ども市川は考えているわけですよ。ですから、そういうことからすると、副知事の答弁は、今まで積み重ねてきた県が作成した基本計画であるとか堂本知事の8年間、森田知事の7年間のいわゆる三番瀬再生計画の理念を否定したものであると言っても私は過言ではないと思うんですよ。これは物すごく地元軽視ですよ。よく沖縄県が国のやり方に不服で、沖縄県として国に訴える、僕はこれに匹敵するんじゃないかと思うな。だって、今までの20年間、はっきり言うと40年間、何だった。これは、例えて言うとわかりやすい。2階建ての家をつくろうとした。苦労して1階が建った。これから2階を建てようとするときに、何かの理由でやめざるを得なくなった。すると、屋根というのは2階にある。ところが、1階でやめちゃってそこに人が住んだ。雨が降ると屋根がないから、1階にジャージャー雨漏りがする。これが今の市川の海の実態なんですよ。
 ところが、私が議員になって30年、こういう今の暫定護岸が当たり前かのように、これが恒久護岸化のように定着しようとしているのに私は憤りを感じる。市川市のささやかな要望、陸側100メートル、海側50メートルの本当にささやかな干潟の再生ですよ。それすら県で行わないということは、全くこれはどういうことだろうな、理解できないね。結局、二期埋立という前提で一期埋立が完成しているわけですから、二期埋立が実行されて、実は東京湾の北部が丸く湾を描くように海岸になって、潮回りがよくなって、漁場の悪化も防がれた。それが一期でやめちゃったものだから、さっき言ったように直角、90度。京葉線に乗るとよくわかりますね。京葉線であそこを通ってみると、浦安側はばあっとどこまでも真っすぐ。市川側もばあっと真っすぐで、たしかにこれじゃ三番瀬という雰囲気では全然ありませんね。
 これを私は過去30年間で8回質問してきました。きょうで9回目。再質問。諸橋副知事の発言の白紙撤回を求めるべきだと私は思いますが、市の認識を伺います。
 それからもう1つ、もうこれは40年間翻弄されてきたのであれば、この際思い切って市川独自でやるという手も考えてもいいのじゃないかと思うんですよ。市川市がこれを発表しちゃうと手の内をさらけ出して、県がああ、これはいいや、市川がぜひやってくれとなっちゃうとまずいんですが、これは18億円ぐらいらしいね。そのお金は、私はそのくらいだったら市川市の子供たちが将来こうやって船橋の海浜公園で海水浴場あるいは潮干狩りのとき海の水と親しくたわむれることができるということを考えると安いものだ、私は市独自の干潟再生を考えたらどうか。それは、こんなちゃちなもの、もう少し海側は倍、100メートル、陸側は3倍、300メートルぐらい市川独自に考えたらどうだろうか。そのことが実は県のプライドを傷つけて、ああこれはえらいこっちゃといって、県がやっぱりやらなくちゃいけないという気になるかもわからない。答弁をお願いします。
○稲葉健二議長 行徳支所長。
○松﨑順子行徳支所長 再質問にお答えします。
 副知事による県議会での発言は、これまでの経緯を踏まえれば受け入れがたいものと考えております。したがいまして、三番瀬の問題については広域的な取り組みが必要ですので、先ほど申し上げた京葉広域行政連絡協議会などより再度要望し、干潟化は千葉県の責務として確実に実施していただけるよう求めてまいりたいと考えております。また、市独自の干潟化に対する方向性につきましては、あくまでも県が主体となり実施されるものと認識しておりますが、企画提案等実現に向けて、市は協力してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 佐藤義一議員。
○佐藤義一議員 あのね、実は堂本時代に環境省がシーブルー事業というのを計画したんですね。これは47ha、大きいですよ。高さ1メートル、砂の量が47万立方メートル、この覆砂計画。覆砂というのは砂を海に埋めるらしいんですがね。当時、千葉県でいろいろ円卓会議、再生会議をやっていたものだから、千葉県が実は結構ですとパスしたんですね。それで、環境省は仕方なく浦安の沖合、海の深さ七、八メートルの深いところに平成17年、18年、18億円をかけてこの覆砂計画を実行しているんですね。このことを私が平成20年12月定例会で質問したら、当時の田草川行徳支所長が非常にこれを残念がっている。国の有効な事業活用の機会を逃したと。もしこの円卓会議とか再生会議を無駄なああいうことがなくて、国のやつを実行できていれば、今ごろ100メートル、50メートルどころじゃない1kメートルの干潟、あそこは浅瀬ですからね、市川地先は。もう全く残念だったと、当時の田草川支所長が私の質問に対して答弁しているんですね。私は、少なくとも90ha案がもし完成していれば、市民が親しめるそういう海も手に入れることができたと思うんですね。私はこの堂本8年、森田7年、計15年は不作為の県の行為だったと思います。
 この8月に市長が直接県庁に赴き、知事に対して要望している。これは大きいですよ。副知事が2月に答弁したから、副市長さん、かわりにちょっと答弁してくれませんか。やっぱり市川市は無視されていますよね。だって、大久保市長が8月に言っているんですから。きょうは大久保市長はまだ治っていないから、副市長、この無視に対して市川は怒るべき。県議会議員も傍聴していますから言ってください。
○稲葉健二議長 副市長。
○佐藤尚美副市長 では、私から御答弁申し上げたいと思います。
 再三行徳支所長も申し上げましたとおり、県の対応については大きく不満を持っているところでありますし、市長も何回となくいろいろな機会をうまく活用して意向を示しているところであります。先ほど再質問で支所長が答弁いたしましたとおり、重ねて京葉広域の行政連絡協議会などを活用して、気持ちが折れることなく、何回となく県のほうには強く申し入れをしていきたいと思っております。今の階段干潟になっている、こういったこともそもそもは海に親しめるということを計画して提案されている形だと認識しております。また、後ろの後背地の区画整理事業も控えております。こういったところも材料にしながら、県としっかりと協議していきたいと、このように思っております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 佐藤義一議員。
○佐藤義一議員 市川市独自案を私が一方的にここで述べましたけれども、具体的な答弁がありませんでしたけれども、それも考えるべきときに来ているかもわかりませんよ。私は夢があります。ある晴れた日、市川版の干潟の砂浜にはだしでおりて、海の水で顔を洗うことです。ぜひ大久保市長、頑張りましょうよ。この質問はこれで終わります。
 ブラック部活。まず1点目の質問についてですが、市川市では行き過ぎたブラック部活と言われるような実態はないということで安心をしました。ただ、この問題についてはいつ起こってもおかしくないと思いますので、常日ごろから教育委員会として、くれぐれも学校現場の実態把握についてお願いします。
 実は、この間のオリンピック、シンクロの井村雅代コーチ、あれは鬼コーチだね。選手が銅メダルをとって、毎日が地獄だった、1日の練習時間が12時間、もういつやめようか、いつやめようかと思っていたけれども、結果的に銅メダルをとって、私はやっぱり先生についてきてよかった、選手がこうテレビで言っていますね。つまり、美談として取り上げられる。この間のオリンピックで逆転優勝の女子レスリングとかなんとか、みんな選手が自分は世界一厳しい練習に耐えた、こう言っているんですよね。ですから、ともするとブラック部活、やはり教える側が夢中になっちゃって、教わる側の生徒の感性というか感じ方を無視しているという場合もあるかもわからないので、この点ぜひ注意してください。
 2点目の質問についてですが、市川市の部活顧問については、過度な負担とならないよう教育委員会としてもさまざまに取り組まれているということを理解しました。ところが、さっき「アエラ」の中にも書いてありましたけれども、教師の半数近くが全く未経験の競技の顧問についているという結果があります。恐らく市川市も五十歩百歩じゃないですか。先ほどの答弁でも、アンケート調査結果でストレスを感じるという先生がいるようですので、これもぜひ教育委員会として注目しておいてください。
 この部活も含めて学校の教育活動は最終的には各学校が判断するべきことですが、全国的に問題になりつつある事柄でありますので、各学校で適切な部活の運営が行えるよう教育委員会としてしっかりと対応していただきたいと思います。
 最後の質問の3番目の質問でしたけれども、実は、これはOECDの調査、よくOECDがこういう調査をやるんですが、教員の1週間当たりの仕事時間というのは日本が圧倒的に多い。1週間で53.9、OECD平均が38。1週間に16時間も、1日平均3時間も日本の学校の先生のほうが時間が多いんですね。このOECDのもう1つの調査、課外活動、つまり部活の影響も、OECD平均2.1に対して日本は7.5、3倍以上も要は部活にとられるというか、課外にとられる先生の時間が多い。そういう中で、今度平成32年度から新学習指導要領が全面実施され、アクティブラーニング、僕も舌をかみそうですが、これを聞いてみたら、児童生徒が討論などを通じて主体的に学ぶ学習形態を授業に取り入れる、小学校では英語が教科化される、また、社会に開かれた教育課程ということで、これまで以上に地域や保護者の連携が求められるなど、とても現状の体制では対応できないのではないかと私は危惧しております。
 そこで3点目の教師の多忙化解消について質問。先ほど申し上げましたが、文科省では今後10年間で3万人の教職員定数を改善したいと申しています。また、部活動に関してそのあり方を明確化し、運営を適正化するため、さまざまな取り組みを推進していこうとしています。そこで、ちょうど国から、文科省からこちらに来ていただいている教育次長さんにお伺いをします。こうした国の動きを期待していいんだろうか、そして、市川市教育委員会としてどのように対応していくのかをお伺いします。
○稲葉健二議長 教育次長。
○松下大海教育次長 再質問にお答えいたします。
 御質問者からお話がありましたとおり、先月の8月末に文部科学省から今後10年間で約3万人の教職員定数を改善する計画案が示されました。具体的には、学習指導要領の改訂やいじめ、不登校、貧困対策、特別支援教育などへの対応のために学校の指導体制の充実を図るものでございます。教員の多忙化が全国的な問題となっている現状の指導体制では、御質問者から御指摘ありましたとおり社会に開かれた教育課程の実現ですとか、アクティブラーニングの視点による授業改善等を基本方針とする新しい学習指導要領への円滑な移行や、複雑・困難化する教育課題に適切に対応することは難しいと考えております。そのため、まずは国による教職員定数の改善が必要不可欠でございまして、その実現が図られるよう本市としても全面的に指示していきたいと考えております。
 また、部活動の問題につきましては、文部科学省において部活動の負担を大幅に軽減するため、休養日の明確な設定等を通じた部活動運営の適正化や部活動指導員の適正配置など、部活動を支える環境整備を推進するといった方針が示されたところであります。本市では、こうした国の動きに対応し、先ほど学校教育部長からも答弁申し上げましたとおり、教育委員会指導でノー部活タイムを設定し、定期的に休養日を確保することや外部指導者を配置するなど、教員の負担軽減に努めているところであります。特に外部指導者の配置につきましては、本市の独自事業として先進的に取り組んできたものであり、まさに現在国で検討が進められているチーム学校の考え方を先取りするものであると認識しております。本市といたしましては、今後とも国の動きを注視しながら、部活動の負担軽減を含め、教員の多忙化解消に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 佐藤義一議員。
○佐藤義一議員 今、次長答弁していただきましたけれども、文科省の1部門からタスクフォース報告というのが出ていまして、これは資料をいただいてありがとうございました。いろいろ資料を教育委員会からいただいて、今回この質問をすることによってすごく勉強させていただきました、感謝いたします。これは学校現場における業務の適正化についてという、やはり教員の長時間労働の実態が明らかになったとこれは認識しているわけですよね。今度新しい文科省の大臣も積極的にこれを取り上げていこうと言っていますね。いただいた資料を見ますと、もしこのとおり実行されると随分これは変わってくるなという感じが私もいたします。例えば業務改善で、学校の先生が、小学校とか何かで給食費等徴収を学校の担任がしているんですか、給食費ね。これは私は大変だと思いますよ。それが今度解放するというからね。学校の給食費って、ほら、持ってくる人、おくれてくる人とかいろいろいるでしょう。これを学校の先生がこういうこともやっているのかなと、これもよく問題になっていますけれどもね。こういうものも解放する。
 あるいは、今度は今言った部活の問題に関しては、仮称部活動指導員、これも今回新しく制度化する。つまり顧問じゃなくてね。今学校の先生が、陸上の先生が今度柔道部の顧問をやるから、急いで柔道をちょっと教わりにいって、だからけがが多かったり何かする、そういう問題があるわけですけれども、そういうことの解消も含めて、部活動指導員の制度化、こういうこともあるわけですね。ですから、これらがもし実施されるとすごく、少なくともOECDの今日の調査であるように、日本の学校の先生の非常に長時間というのが少しでも僕は改善されればいいなと、こう思います。
 この中には、長時間労働の働きかけの適正化、こういうのもありますからね。これはぜひ次長さん、市川に来て現場の実態をつぶさにごらんになっていただいて、国に帰っていただいて国の政策に反映していただきたいと思いますね。
 それから、これも資料をいただいて、学校現場が抱える問題の状況、これもすごいね。不登校児童の割合が、平成5年から平成26年で2.3倍になっちゃっている。あるいは中学校も2.2倍、学校内での暴力行為の件数も、平成9年から26年で8倍、暴力行為が8倍ですよ。中学も2倍。日本語指導が必要な外国人児童生徒も、これは平成11年から16年、この間約1.5倍、中学校も1.5倍とかね。特別支援学級に在籍する生徒数も、平成5年から平成26年、これも2倍以上。中学校も2倍。そういうように、この数字は何を示すかというと、やっぱり学校が物すごく保護者、生徒の需要に応えて苦悩している姿そのものですよ。もし先生の数が変わらないとすれば、倍数だけ忙しくなっているということの裏づけなんですね。ですから、これもぜひ私は国に、教育次長さん、お持ち帰りいただいて、現場の声を吸い上げていっていただきたいと思います。
 最後の私のまとめを述べます。迫りくる超高齢化と少子化による人口減少の日本、これは皆さん日本、きのうの「NHKスペシャル」、9時からの「縮小ニッポンの衝撃」を見た方もおられると思います。夕張です。かつて11万人の人口がいたのに今は9,000名。全国あちこちで夕張化が進んでいる。東京都もオリンピック、2020年を契機に人口が減っていく。日本のエンジンの役割をしていた東京都ですら人口が減る。夕張で、僕はきのう35歳の市長さん、東京都の職員があっちへ行って市長になったんだよね。彼の手取り、市長の手取りが15万ですよ。もうこれは夕張を、全国から夕張へ夕張へと議員が視察に行っている。これはもう何を行政にやってくれ、手当をやってくれ、あるいはここを直してくれと、こんなことは言えなくなったって、こういう感想を言っていますね。それが、夕張の姿が、もしかすると手を打たなければ将来の日本の縮図だと、そうやって締めくくっていますよ。きのうの番組では、あの東京都の豊島区ですら今後手を打たなければえらいことになる。東京都がそうであれば、市川市は言わんかなですよ。市川市がもし手を打たなければえらいことになる。私も3倍もの料金に値上げるのは、使用料、大久保市長、何だおかしいじゃないかとこう思ったけれども、きのうの番組を見たら少し考えが変わっちゃいましたね。
 将来の子供たちが今以上に住みにくくなる日本にさせないため、日本の唯一の資源である人材、すなわち人材育成こそが喫緊の課題であります。未来への先行投資である教育予算をしっかり確保していくことが重要だと考えます。また、このたびの先生の多忙化、国の予算がつくまで待つのではなく、市川市として先手先手を打って攻めの姿勢でぜひ取り組んでいただきたいと思います。市川市の売りは梨ということになっています。一方、文教都市市川も先人たちが残してくれた市川の財産であります。文化人たちが好んで住んだ環境の市川、教育に対する環境理解が深い大久保市長でありますから、どうぞ文教都市にふさわしい教育予算の充実をお願いして質問を終わります。市長、よろしくお願いします。
 以上です。
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○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 民進・連合・社民の石原よしのりです。それでは、最初のテーマである清掃行政について伺ってまいります。
 市川市は、来年4月1日より家庭ごみの収集回数の削減を発表し、また、ごみ回収の有料化も引き続き検討すると方針を打ち出しています。自治会などへも順次説明を行っていて、先月、私の自治会のほうにも清掃部の担当者が説明に来てくれました。私も出席したのですが、出席者から疑問や要望などいろいろな意見が出ていました。
 そこでまず、家庭ごみの収集回数の削減と有料化の検討及びその準備状況について御説明いただきたいと思います。
○稲葉健二議長 清掃部長。
○吉野芳明清掃部長 お答えいたします。
 家庭ごみの収集回数の削減につきましては、平成29年4月1日の実施に向けて「広報いちかわ」への掲載や自治会へのチラシの回覧のほか、7月から全自治会を対象にした説明会を順次開催しており、さらにはどなたでも参加できる説明会も8月から開催するなど、さまざまな手法を用いて周知に努めております。また、収集曜日や収集区域も変更となりますことから、それらを周知するためのリーフレットの作成なども進めているところであります。家庭ごみ有料化につきましては、本年5月に取りまとめた「さらなるごみの減量・資源化に向けた今後の進め方」において引き続き検討していく施策として位置づけております。家庭ごみ有料化は、市民に新たな費用負担を求めるものであり、有料化する前に広報や啓発を強化すべきとの市民意見があったことも考慮し、広報啓発の強化と、ごみの収集回数の削減を先行して実施した後、ごみの排出量の推移などを総合的に勘案した上で有料化の実施時期を判断することとしております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 私も昨年までごみ減量審議会の委員を4年やっておりまして、このごみ回収の削減の問題、それから有料化についての問題については検討するようにという提言をまとめて提出したほうでございます。ですからよくわかっているつもりではいるのですが、この市として家庭ごみを収集回数削減、有料化メリットについて、本市としてはこれをどう考えているのか、そのメリットをどう考えているのか聞きたいと思っています。そして、その施策を通じてどの程度のごみの削減を目標としているのか、お聞きしたいと思います。
○稲葉健二議長 清掃部長。
○吉野芳明清掃部長 御質問にお答えいたします。
 家庭ごみの収集回数の削減は、ごみの排出機会が減ることをきっかけとして、市民の皆様にごみの減量に対する意識を高めていただき、ごみの減量と雑紙などの資源物の分別を促進することが主な目的であります。また、ごみの収集効率を上げ収集コストを抑制するメリットもございます。家庭ごみの有料化は、ごみの排出量に応じてごみを排出する世帯にごみ処理費用の一部を負担していただく仕組みであることから、ごみ処理手数料の費用負担を減らそうとする動機づけが働きますので、同様にごみの減量と分別を促進することが主な目的であります。また、ごみ処理に係る受益と負担の公平性の確保にもつながるものと考えております。このような施策を進めた結果としてごみの排出量が削減できれば、ごみ処理費用が削減できるほか、クリーンセンターの建てかえ規模の縮小につながり、建設費や運営費の節減にもつながるメリットがございます。また、ごみ焼却灰などの残渣の量が減り、埋立処分への依存度が低減できるほか、ごみ処理に伴う環境への負荷が減ることで地球温暖化対策にも貢献できるものと考えております。
 ごみの削減目標については、昨年5月に改定した市川市一般廃棄物処理基本計画、通称いちかわじゅんかんプラン21において、平成36年度を目標年次として、1人1日当たり排出量、資源化率、焼却処理量、最終処分量の数値目標を設定しております。このうち、クリーンセンターでの焼却処理量については、平成25年度実績値の約11万8,000tから年間9万6,000t以下に削減することを目標に掲げております。なお、これらのごみ減量の数値目標を達成するためには、各家庭においてはごみの発生、排出抑制と資源物の分別に取り組んでいただくことにより、資源物を除くごみの排出量を1人1日当たり約100g削減することが目標の目安となります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 今回の施策の主な目的は、ごみの削減と分別の促進だとのお答えでした。また、収集コストの削減や焼却灰の削減で最終処分コストの削減、ひいては次期クリーンセンターの規模縮小といったメリットが期待できるということですが、まさにそこが一番将来的にはクリーンセンターのことに結びつくんだと私も思っています。この目標については、家庭から出る燃やすごみの量を1人1日当たり100g削減という目標ということを理解いたしました。
 ここで再質問なんですけれども、この収集回数の削減で、先行している収集回数の削減ですね。これで燃やすごみの量が1人1日当たり100g削減という目標値を達成できた場合、この収集の有料化は行わないのでしょうか。それとも、さらなる削減を目指してやはり有料化を進めていく方針なのか、この辺についてのお考えをお聞かせください。
○稲葉健二議長 清掃部長。
○吉野芳明清掃部長 再質問にお答えいたします。
 ごみの減量は、いちかわじゅんかんプラン21に定めた目標に基づいて計画的に施策を進めていくものであります。このプランは、本市のごみ処理を取り巻く状況の変化などに応じておおむね5年ごとに見直しを行う予定としております。最終処分場を持たない本市としましては、資源循環型都市市川の実現のために、市民の皆様の御理解のもと、将来にわたってごみの発生を抑制したライフスタイルへの変革につながる取り組みの継続が求められるものと考えております。家庭ごみ有料化は、制度を導入した他市の事例から見ても、ごみの減量に大きな効果が期待できる施策であると認識しております。また、ごみ処理における受益と負担の公平性の確保にもつながる施策でもありますことから、家庭ごみ有料化の実施につきましては、ごみの排出状況等を総合的に勘案して判断することになると考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 私もそのごみ有料化を含めたさらなる施策については、できるだけ早い判断をすべきだと思っています。これによって市川市の将来、それからまさに次期クリーンセンター、ここにかなり影響が出てくるんだと思っています。
 3番目のクリーンセンターの話に進みたいと思います。現在のクリーンセンターは平成6年に稼働し、今、22年経過しています。延命化工事で耐用年数を30年に延命したとはいえ、寿命が近づいていることは間違いありません。8年後、平成36年度には新たな焼却施設に更新しなければなりません。現在、ごみの収集方法の変更でごみの発生の削減を目指しているのは、環境への負荷を減らし、また、ごみ処理のコストを削減するという目的に加えて、この新しい焼却炉の規模をできるだけ小さくする、そして建設コストを抑えたい、そしてその後の総量コストも抑えていくという目的があります。先般、クリーンセンター建てかえの基本構想を策定したとのことですが、このごみの焼却処理の方法、世の中にはたくさん、いろんな種類があるわけですが、このごみの収集方式、焼却方式、焼却灰の処理方式、どのように検討されたのかお聞かせください。
○稲葉健二議長 清掃部長。
○吉野芳明清掃部長 御質問にお答えいたします。
 老朽化が進み平成35年度末に稼動を終了する予定のクリーンセンターにつきましては、建てかえに向け、昨年度は次期クリーンセンター施設整備の基本構想を策定し、本市における廃棄物処理施設の基本的方向性を定めたところであります。今年度は、その基本構想を踏まえ、次期クリーンセンター建てかえ事業の具体的な中身である焼却処理方式や焼却炉の規模の設定のほか、災害対策や施設配置計画などを盛り込んだ基本計画を策定する予定としております。焼却処理方式につきましては幾つかの方式がありますが、それぞれに特徴があり、その内容が技術的にも専門性が高いものであります。このことから、焼却処理方式の選定に当たっては、専門的知見を有する有識者からヒアリングを行い、市川市にふさわしい焼却処理方式を選択していくこととしたものであります。この有識者ヒアリングでは、熱エネルギーの効率的な回収や施設内で消費するエネルギーの量の観点のほか、事故やトラブル、稼働実績数の観点、ライフサイクルコストなど8つの評価項目について意見をいただきました。また、次期クリーンセンター整備事業の円滑かつ適正な事業推進を図るため、今年度庁内に検討委員会を設置したところであります。この検討委員会では、有識者からのヒアリング結果も踏まえ、本市における最もふさわしい処理方式について協議を行いました。
 これらのことを踏まえ、本市では清掃工場が1カ所のみであるという特性から、安定したごみ処理ができることを最優先として、稼働実績が最も多く技術的にも成熟された現行のクリーンセンターと同じ方式のストーカ方式を最終的に選択したところであります。なお、このストーカ方式は、階段状の火格子であるストーカの上でごみを移動させながら焼却する方式であります。なお、この処理方式の選定に関しましては、市のホームページなどで先日公表しております。
 続きまして、ごみの分別方法や収集方法への影響についてでありますが、ストーカ方式は、現行の焼却処理方式と同じ方式であるため、現時点ではごみの分別方法や収集方法に影響はないものと考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 ホームページにアップしたというのを私は見せてもらいました。技術の専門家にヒアリングをして、庁内の検討委員会で焼却方式は従来型のストーカ方式に決定したということのようです。そういう答弁でしたけれども、発生する焼却灰の最終処分のことなどを長期的な視点で考えると、それでいいのかと実は疑問に思っています。年間9万6,000tのごみを従来方式で焼却すると、1万1,000t以上の焼却灰が発生します。焼却灰の最終処分場を持たない本市としては、他地域に高い料金を払って最終処分をお願いしている状況です。今後、最終処分場の確保は難しくなってきて、処分費用の増大や、ましてや出せなくなるというリスクすら心配されます。また、環境意識が高まってきて、ダイオキシンの発生はおろか焼却灰に含まれる重金属や有害物質の規制が厳しくなることも心配です。
 そのような中で、高温で焼却することによって焼却灰を大幅に削減し、焼却灰の有害物質を低減できる、そういった技術も開発されており各地で採用例がありますが、そういった検討についてはされたのでしょうか、お答えください。
○稲葉健二議長 清掃部長。
○吉野芳明清掃部長 再質問にお答えいたします。
 焼却処理方式の選定につきましては、他市の採用事例である5つの処理方式から選択し、それぞれについて評価検討したところであります。ごみを燃料と一緒に高温で溶かす方式や、焼却灰を高温で溶かす方式につきましては、高温で溶かされた焼却灰を溶融スラグ、これは溶岩のようにどろどろとなったものが冷却、固化されてガラス状の物質になったものを言いますが、それを生成しますと、一部資源化や灰の容積を減少させることができますので、最終処分場の延命に寄与するなどのメリットを有しております。しかしながら、この高温で溶かす方式は、溶融スラグを資源物として利用する処分先を確保することが困難であることや、高温による焼却炉の亀裂、変形などの事故、炉内での異常燃焼の事故、さらにはダイオキシン類の漏えいによる施設停止など、安定稼働に支障を来す複数の事故事例が新聞などで報道されております。また、この高温で溶かす方式はコークスや灯油などの燃料を使用することや、焼却施設の操業における電力消費量が多いことから、地球温暖化に対する問題点などもございます。これらを総合的に勘案した結果、ストーカ方式を選択したところであります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 今回の新クリーンセンターの基本構想策定の中での焼却方式の選定に当たっては、私はどうも操業の安定性に余りにも重きを置き過ぎて、技術的に確立していて故障リスクが少ないということで、この従来方式を踏襲するということにしたというような気がします。本来、私だったら、個人的な感想としたら流動床式ガス溶融炉などが本来もっと検討に入っていいんじゃないかと思っていたところでございました。これからは人口が減る、環境意識は高まる、ごみの最終処分場の確保は難しくなるという時代の趨勢の中で、30年後を見据えて本市にとってどのようなごみの処分方法、分別方法、ごみの収集体制、焼却方式、最終処分方式など、どれが最適なのかトータルに考えなければ本来はならないのだろうと思います。極端なことを言えば、燃やすごみとプラスチック容器を分けずに一緒に燃やしてしまったほうがいいのかもしれません。一定の前提条件をつけてこれしかないというように進めるのではなく、総合的な、長期的な視点を持ちながらさらに検討を進めていっていただきたい。まだいろいろな工夫の余地、あるいは変更の余地もあるかもしれません。こういったことを検討を進めていただきたいと御指摘して、このテーマについては終わります。
 次に行きます。下水道の老朽化について。
 最近テレビで、あるいは新聞などで報道がされています。この老朽化した下水道管の破損によって道路の陥没が頻繁に起こって、大きな事故にもつながっているというような記事です。ここにあるのは8月27日の朝日新聞の記事ですが、下水道管、近づく寿命、老朽化で道路陥没、年3,000件以上とタイトルがついています。記事では、7月に名古屋駅近くの幅7.3メートルの通りで、中央部が1.5メートル四方、深さ2メートル陥没した事故が紹介されています。そして、さらに記事は、今後、高度成長期に大量に整備した下水道管が耐用年数を迎え、被害が広がるおそれがあり、国土交通省は自治体に点検の強化を求めるとあります。
 そこで、本市の下水道管の状況はどうなっているのか、特に敷設から年数が経っているものはどの程度あるのか、老朽化の懸念についてどう考えているのかお答えください。
○稲葉健二議長 水と緑の部長。
○森川泰和水と緑の部長 お答えいたします。
 本市の下水道事業につきましては、昭和36年度に単独合流式下水道事業として菅野処理区に着手して以降、昭和47年度からは江戸川左岸流域関連公共下水道事業に着手するなど、計画的な整備により処理区域の拡大と普及率の向上を図ってまいりました。その結果、平成27年度末の整備済み管渠延長といたしましては約450kメートルとなっております。これらの管渠を材質と経過年数別に申しますと、コンクリート管につきましては50年以上経過したものが約15kメートル、40年以上50年未満が約55kメートル、30年以上40年未満が約81kメートル、20年以上30年未満が約70kメートル、20年未満が約39kメートル、そして硬質塩化ビニル管につきましてはコンクリート管に比べますとまだ比較的新しいため40年以上経過したものはなく、30年以上経過したものが約24kメートル、20年以上30年未満が約113kメートル、20年未満が約53kメートルとなっております。このように、現時点において国が示す管渠の標準耐用年数の50年を経過した管渠の延長は約15kメートルで、全体の約3%となっておりますが、今後、これらの管渠をこのまま使用し続けた場合、標準耐用年数を経過した管渠は10年後には約70kメートル、割合としましては全体の約16%、20年後には約175kメートルで約39%に増加することが見込まれます。なお、標準耐用年数50年を経過した管渠が存在している処理区は、整備時期が最も早い菅野処理区でございます。これら老朽化が進んだ管渠につきましては、管の破損やひび割れ等の発生頻度が高まり、場合によっては下水が流れづらくなるだけでなく、道路陥没等を引き起こす可能性があるため、計画的に更新する必要があると考えております。
 そこで、平成23年度と24年度の2カ年で、老朽度の高い菅野処理区において管渠と処理場ポンプ場施設を対象に調査を実施した結果、管渠については調査延長約5kメートルのうち約10%で改築が必要とされました。また、ポンプ場施設につきましては老朽化による機能障害等のリスクが懸念されるため、早期に予防保全を講じる必要があるとされたものです。このような状況を踏まえ、まずポンプ場施設の長寿命化が必要と判断し、平成25年度より長寿命化対策に着手し、現在平成31年度の完成を目指し更新工事を進めているところでございます。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 御答弁は、老朽化が最初に整備された菅野処理区で進んでいて、現在では15kメートル、10年後には50年の耐用年数を超えるものが70kメートルとなると、改築の必要が高まってくるとのことでした。
 それでは、実際に下水道管が老朽化して道路の陥没などの事故がどの程度発生しているのかお答えください。
○稲葉健二議長 水と緑の部長。
○森川泰和水と緑の部長 お答えいたします。
 道路陥没等の発生件数についてでございますが、過去5年間で見ますと、平成23年度は41件、平成24年度は57件、25年度が35件、26年度は36件、27年度は35件となり、合計204件となります。地区別では、菅野処理区で178件と集中しており、区域内の場所では真間3丁目、市川1丁目、八幡5丁目の順となります。また、陥没の規模といたしましては、道路全体に及ぶような大きなものはなく、小規模なものが大半を占めております。なお、人的及び物的な損害につきましては、平成23年8月に市川1丁目において本管と家庭を結ぶ通称取りつけ管と呼ばれる部分の破損に伴う道路陥没により、歩行者が転倒した事例の1件となっております。
 次に、陥没の主な原因でございますが、多くは取りつけ管に起因しております。陥没の多い菅野処理区では、取りつけ管が陶管製であり、かつ取りつけ管は本管に比べ道路下の浅い位置に埋設されていることから、外部からの衝撃に対して脆弱であることが知られております。このような状況のもと、近年の交通量の増加、下水道管渠に近接して行われる他工事による衝撃等によりまして、老朽化した取りつけ管が破損し道路陥没が発生する一因となっていることが考えられます。
 このような結果を見ましても、施設の老朽化と道路陥没の発生状況とは深く関連しておりますことから、老朽度の高い地区では特に定期的なパトロールを強化し、安全確保に努めているところでございます。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 わかりました。過去5年間で年間約40件ほど陥没事故があって、その大半は小規模なものであったと。ただし、1件だけ歩行者の転倒につながったことがあったというようなことでした。その答弁の中で、老朽度の高い地域では特に定期的なパトロールを強化して安全確保に努めているとの話がありました。今後の点検、対策、そして更新などについて、どのような方針で、また、どのように考えているのかお答えください。
○稲葉健二議長 水と緑の部長。
○森川泰和水と緑の部長 お答えします。
 管渠の調査方法としましては、テレビカメラによる詳細調査を順次進めております。近年は、スクリーニング調査という事前調査による詳細調査対象の抽出作業を組み込むことで、詳細調査の効率化とコスト減を図る手法が開発されております。国土交通省では、スクリーニング調査を含め、実証事業による調査コスト低減と工期短縮に効果的な最新技術の紹介が進められており、本市においても技術の動向に注視して調査方法の見直しを図っているところでございます。
 次に、対策と更新についてでございますが、実施に当たりましてはライフサイクルコストの最小化と効率的な予算投入を考慮した中長期的な対応と、道路陥没の発生要因となっている取りつけ管の破損を未然に防ぐ短期的な対応が必要と考えております。そこで、中長期的な対応といたしましては、下水道中期ビジョンに基づき、予算の平準化等を考慮した中で長寿命化対策を含めた計画的な改築を進めるものとし、現在はさきの答弁のとおり菅野・真間ポンプ場施設において長寿命化対策事業を進めているところでございます。
 一方、管渠につきましては、ポンプ場の長寿命化対策に引き続き長寿命化計画を策定し、順次対策に着手していきたいと考えております。また、短期的な対応といたしましては、緊急修繕のほかにも予防的な対策を実施する必要がありますことから、管渠の状況等の継続的な調査を実施するとともに、水道やガス工事に合わせた取りつけ管の更新工事等も計画的に進めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 計画的に進めるのは結構でございます。今後、長寿命化や更新などに向けてやらなければいけないことがたくさんあって、これは大変だなという印象を受けています。それに向けて、本市の下水道部門の体制が十分なのかどうかというのが大変気になるところです。体制、人員、予算面など、どのような状況なのかお尋ねします。
○稲葉健二議長 水と緑の部長。
○森川泰和水と緑の部長 お答えいたします。
 下水道事業につきましては、平成25年度に国から未整備地区における汚水処理の早期概成の方針が示されたところであります。これを踏まえ、本市におきましても引き続き未整備地区における下水道整備を早期に進めていくことが必要であります。その一方で、既存施設の老朽化が進展していくことから、保全や再整備にも力を入れていかなければならない時期に来ております。このように、今後の下水道事業におきましては、施設の新設と既存施設の老朽化対策や適正な維持管理を同時に進めていかなければならない非常に厳しい状況にあり、これらの業務はともに増大していくことになりますことから、体制の強化が必要であると考えております。また、予算に関しましては、さきにも述べましたとおり、今後ますます標準耐用年数を経過した管渠が増加していくことから、管渠調査及び管渠補修などは毎年継続して予算を確保することとともに、施設の改築に当たりましては、国土交通省が設けております下水道長寿命化支援制度を活用するなど、予算の平準化に努めつつ、計画的に進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 体制の話をちょっとさせていただきたいんですけれども、下水道部門の現業職員が休職や病欠で定員を割っている状況が長く続いているという話を聞きました。特に、道路陥没が発生した場合の緊急対応には、夜間、休日も含めてすぐに現場に急行して安全確保しながら応急処置を行うことができる直営の役割は大きいと思いますが、要員不足であっては心もとないのではないかと思います。この点について本市はどう考えているのかお答えください。
○稲葉健二議長 水と緑の部長。
○森川泰和水と緑の部長 お答えします。
 現在の体制は、初期対応としまして職員が現地を確認し、その規模及び緊急度等を把握し、職員で対応可能なものはその場で修繕を行い、職員での対応が困難と判断した場合は業者の手配を行うとともに、本復旧までに時間がかかる場合は必要に応じて暫定的な対応を職員が行うこととしております。これらの作業を行う職員についてでございますが、基本的には技能労務職の職員が対応することになるため、現在はこれまでの発生頻度に応じた定員数を確保しているところでございます。しかしながら、けがなどによる長期休暇などが発生したときに、経験を要する補充要員を確保することに時間を要したことがあったため、現状では一般職の職員も応援できるようにしているところでございます。また、業者につきましても、京葉建設業共同組合との基本協定の締結により、市からの緊急要請に応じて迅速な対応が図られる体制も整えられております。このように、市と業者間で密接な連携を図ることにより、これまでに大きな事故もなく適正な維持管理を行ってきたところでございます。
 一方で、今後につきましては、施設の老朽化などによる道路陥没等の増加が予測されることから、事前対応としての予防保全策を講じるとともに、事後対策につきましても協定を締結した業者等の緊急連絡体制を強化することで、職員及び業者による緊急対応が可能となる体制を維持していきたいと考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 わかりました。まとめます。今、下水道は新たな下水道を、幹線下水道ができて敷設を一生懸命やっているところです。しかし、一方でこの老朽化問題というのはあるわけですから、維持管理のほうにもしっかり目を向けていただきたいと思います。どうしても道路陥没などこれから起こってくる事故です。素早い緊急対応が必要ですので、ぜひしっかりとした体制を整えて市民生活に支障がないように取り組んでいただきたいと思います。
 次のテーマに移ります。国府台の県営住宅の建てかえ計画についてです。
 国府台1丁目にある県営住宅は、築50年ほどの4階建て6棟、2階建てのテラスハウスから成る192戸の団地です。この住宅は、現在建てかえ計画が発表され事業が進められています。県営住宅は、本市も運営している市営住宅とともに、住宅を必要とする低所得者の市民に一定の水準の住宅を収入に応じた金額、家賃で提供する公的な住宅です。そうなると、単なる民間の開発するマンションとは違い、本市としてもその建てかえ計画などに無関心でいるわけにはいかないと思います。
 そこで伺いたいのですが、本市はこの県営住宅の建てかえ計画についてどのような情報を把握しているのでしょうか、端的にお答えください。
○稲葉健二議長 街づくり部長。
○江原孝好街づくり部長 お答えいたします。
 国府台の県営住宅の建てかえ計画につきましては、平成23年度から千葉県の住宅課と本市の建築指導課及び開発指導課との間で、現在までに複数回の打ち合わせを行っております。その内容といたしましては、一般的に計画の初期段階に行われる調査や課題整理といった打ち合わせであり、道路要件等の状況や、1つの敷地に複数の建築が可能になる一団地認定の取り扱い、そして本市における条例等の手続の方法などについて確認し合ったところであります。
 26年度には、県から基本設計を委託された設計事務所により、市川市宅地開発事業に係る手続及び基準等に関する条例、通称宅地開発条例に基づく計画相談が提出されております。また、本年8月には29年3月までの工期で建設リサイクル法に基づく通知書が提出されております。
 これまでの打ち合わせなどから把握している建てかえの計画の内容といたしましては、7棟の県営住宅と附属建物を取り壊しし、新たに2棟の5階建て県営住宅を建築すること、2つの工区に分け取り壊し及び建築がそれぞれ段階的に行われること、この秋ごろに実施設計を発注し宅地開発条例等の手続を開始する予定であること、1期工事は29年から30年度の予定で、全ての工事が完了するのは33年度末を目標としていることなどと伺っております。
 以上であります。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 既存の建物の解体工事については、もう既に事前の公園の撤去だとか、水道の切りかえなどが始まっています。先般、解体工事についての近隣住民に対する説明会が開催されました。私もその対象者ですので、参加して県側の説明を聞いてきました。解体工事の方法、アスベスト除去の公害対策、ユンボなどの重機の搬入の仕方、大型ダンプの出入り、通行、そして交通規制などについての説明がありました。当該現場周辺というのは道も狭く、近隣に住宅も近接しています。こういった場所での解体工事、いろいろな面で近隣住民の生活に影響が予想されます。市民の影響について本市はどのように認識しているのか、これも短くお答えください。
○稲葉健二議長 環境部長。
○水野雅雄環境部長 お答えします。
 解体工事に際しましては、周辺の方々の生活環境の保全並びに健康の保護を図るため、工事で使用する重機などにより法令に基づく届け出が必要となります。また、その施工者は騒音及び振動に関する規制基準を遵守する責務を負うこととなります。届け出には、解体工事の内容として作業の種類であるとか現場付近の見取り図に施工箇所を図示したもの、行程表に加えまして、現場から少なくとも30メートル範囲の方への説明の内容や対象者一覧などを添付し、作業実施の7日前までに市に提出していただくこととなります。届け出が提出されますと、内容及び添付書類等の不備や周辺への配慮計画につきまして審査し、届け出を受理いたします。その際に、工事中に苦情相談等が寄せられた際の対応窓口などにつきましても、あわせて確認いたします。
 次に、苦情相談が寄せられた際の対応であります。職員が現地に確認し、騒音、振動、粉じんの発生状況を把握した上で、施工者に対し近隣からの相談内容を伝えまして、対応を図るよう指示、指導することとなります。あわせて、相談者に対し一連の経過を説明し理解を得るよう努めております。
 最後になりますけれども、市民への影響についてであります。重機等を使用しまして解体工事を行うに当たり、その影響をできる限り軽減するために、法令等により規制基準や作業を実施するに際しての各種留意点などが定められております。当該工事に関しましても、近隣にお住まいの方々への影響は許容範囲内になるものと考えております。
 以上であります。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 御答弁は、主に工事の騒音や振動などの規制についてのお答えでした。実は、心配なのはそれだけじゃないんです。この県の解体工事の計画ですけれども、もし地域事情を知っていたらそんな計画はしないだろうというようなプランになっている。そこで、私はこの質問をしているわけです。
 まず、県道市川松戸線に大型トレーラーをとめて、建設機械を県道上でおろして狭い市道の坂を自走して県営住宅敷地まで1台ずつ運び入れるそうです。県道上の重機をおろす地点は、数年前に死亡事故を含む重大事故が連続して起こった場所です。かなり危険な行為だと思いますが、県の担当者たちはそういった事故事情を全く知りませんでした。また、重機搬入時、搬出時には、その都度一定時間市道を封鎖するそうです。その際、周辺住民、その車を迂回させるとしていますが、その迂回路は狭い道を遠回りする非現実的な経路を設定しています。もし、県が本市に事前にいろいろな相談をしながら進めていたならば、注意すべき点はわかったはずです。県と市が事前に連携して進めることはできなかったのかと私は大変疑問に思っています。
 今後、県との情報交換をしながらよりよい建てかえ計画にしていくために、また、周辺住民の生活への影響を軽減するために、どのように対応していくのかお答えください。
○稲葉健二議長 街づくり部長。
○江原孝好街づくり部長 現在計画されている県営住宅は、この規模によりますと本市の宅地開発条例と市川市中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例が適用されることになります。まずは、県から事業実施に向けた事業計画相談所の提出を受けた後に手続を進めていくことになります。その手続の中で、近隣住民の方から要望等があった場合には市から県にその内容をお伝えいたしますが、要望の内容によっては間に入って調整等も行ってまいります。また、公共公益施設等の整備についても、関係部署等と十分な協議を行い、優良な宅地開発事業となるよう誘導してまいります。
 さらに、現場周辺の特性やインフラの状況等を詳細にお知らせいたしますが、特に周辺道路につきましては生活道路として利用されており、幅員が狭いことから、既存建物の取り壊しや新築工事の際には十分な安全対策を講じていただくよう、しっかりと伝えてまいります。
 以上であります。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 しっかりとやっていただきたいというのがまずお願いでございますが、1つトピックを話します。今回の解体工事に際して、県営住宅敷地内に設置されていた郵便ポストが今週にも撤去されるそうです。このポストは、この台地の上にある当該地域では唯一の郵便ポストです。撤去後、住民は郵便物を投函するためには急な坂をおりていって、そして道路を渡って投函しなければならなくなります。近くでの移設あるいは建てかえ後の再設置など、これはされないと県の説明がありました。しかし、ここは高齢者が多い地域であり、住民から大変困るとの声を聞いています。本市としてどのような対応をされるのかお答えください。
○稲葉健二議長 企画部長。
○萩原 洋企画部長 御質問に企画部からお答えいたします。
 住民生活に関する意見や要望などにつきましては、市民の意見箱などに数多く投稿されているところでございます。御質問の郵便ポストが設置されています国府台1丁目でございますが、ここが高齢化率が高い地域であることは私どもも認識をしておりますので、例えば郵便局の担当部署に住民の要望を伝える、こういったことは協力できるのではないかと考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 伝えるだけじゃなくて、きっちりと市川市から、これは市の政策、まちづくりとして必要だということを言っていただかなければいけないんだろうと思っています。ぜひ早急に、そして強力に対応をお願いいたします。
 いずれにしろ、県営住宅の建てかえ事業は2期に分けて平成34年まで続きます。県と連絡を密にして、いつ、何が行われるのか必要な情報をしっかりとつかんで、近隣住民の生活への影響を最小限に、そして当該地域のよりよいまちづくりにつながるように御対応いただきたいと思います。それでは、この項目については終わりまして次に行きたいと思います。
 最後の4番目の項目、市の退職職員の再任用制度についてです。
 市の職員は、定年退職後、本人が希望すれば引き続き再任用という制度で職員として働き続けることができます。本市が進めてきた職員の給与制度改革の一環で、この再任用職員についてもその位置づけと給与の見直しが行われ、昨年4月から改定されています。それまでのパートタイムで補助的な業務に携わる制度から、フルタイムで責任ある業務を担う制度へと変え、それに伴って給与についても大幅に引き上げるという改定でした。私はちょうど2年前の9月定例会で、議案質疑のときに給与制度改革を取り上げ、この再任用制度の改定についてもただしたところです。新たな制度に移行して2年目となりますが、当初の狙いどおり成果を上げていっているのかどうか確認したいと思って質問します。
 まず、再任用の採用及び配置の状況についてお聞きいたします。昨年度、定年退職者のうち再任用された方の人数と配置状況はどのようになっているでしょうか。
○稲葉健二議長 総務部長。
○菅原卓雄総務部長 再任用制度についての御質問にお答えいたします。
 平成28年度の再任用職員の採用状況でございますが、定年退職者122名のうち99名を採用しております。再任用職員の配置といたしましては、週5日のフルタイム勤務と週3日の短時間勤務がございまして、本人の希望により選択することが可能となっております。平成28年度に採用いたしました99名の配置上の内訳といたしましては、週5日のフルタイム勤務が68名、週3日の短時間勤務が31名となっております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 ことしの春は122名が退職して、そのうち99名が再任用されたとの御答弁でした。大量採用ですよね。
 それでは、再任用職員の業務の実態について伺いたいと思います。先ほど言いましたように、昨年度制度が変わった、そして業務も変わっているはずです。この再任用職員は実際どのような業務についているのでしょうか、お答えください。
○稲葉健二議長 総務部長。
○菅原卓雄総務部長 再任用職員の配置先についてでございますが、職員が長年培ってきた知識と経験を有効活用するために、これまでに経験した業務を中心といたしまして、本人の希望と各課からの要望などを総合的に勘案して決定をしております。また、再任用職員は正規職員として本格的な業務を担うこととしておりますので、週5日の勤務では、基本的にはこれまでに経験してきた業務や、それに関連する業務を行う職場に配置することとしております。部局長などの役職経験者におきましては、公民館や図書館の管理者、課長・主幹級でもまちの相談直行便リーダーや各課のグループリーダーなど、管理的な業務にも携わっております。また、週3日の勤務では、市政情報センターや総合市民相談課の相談業務、保育園の調理員など、多様な専門知識や経験を踏まえましてそれぞれの勤務の中で正規職員としての役割を果たしております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 私が事前に伺ったところでは、85%程度がこれまでの経験と実績を生かした職場に配置されたということでした。そして、現役と変わらない仕事と手厚い給料が与えられたというわけですから、制度と配置はできたということになります。じゃ、残るところ、あとは本人の意欲次第、あるいは意識がどう変わったかということになると思います。再任用職員については、本格的な業務に従事する職であることをどのように意識づけしているのでしょうか。また、今度は勤務成績もしっかりと評価されることになるんでしょう。勤務成績はどのように評価しているのか、お答えください。
○稲葉健二議長 総務部長。
○菅原卓雄総務部長 再任用職員の業務に従事する際の意識づけについてであります。再任用職員を希望する職員は、まず、11月上旬に再任用職員採用希望申込書を人事課に提出いたします。その申込書の冒頭には、再任用職員が所属長の指揮命令下にあり、職位に応じた本格的な業務に従事する正規の職員であることを認識した上で再任用職員として採用されることを希望しますと明記されておりまして、その役割を理解した上で申請書を提出することとしております。さらに、再任用職員の選考の段階におきましても、希望者全員に面接をいたしまして、就労意欲と再任用職員の役割などを確認いたしますとともに、本格的業務に従事することに対する意識づけを行っております。また、再任用職員の勤務成績につきましては、正規職員と同様の基準で人事評価を年2回実施しております。再任用制度は1年更新でありますので、この評価結果が良好な場合には65歳を上限として更新することができますが、人事評価の結果が好ましくない場合には更新することができない制度となっております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 ちょっと前後しますけれども、その再任用職員というのは正規職員として本格的な業務を担うということでなっています。そこでポイントなんですけれども、再任用職員の位置づけと給与が改定され、その前後で業務の実態がどうなっているのか、それについてもお答えいただけますでしょうか。
○稲葉健二議長 総務部長。
○菅原卓雄総務部長 平成26年10月に正規職員の給料表を国の俸給表を基本とした給料表に改定いたしまして、これにあわせて国の基準と比較して差が生じておりましたので、国と同様に改正をして適正化を図ってきたところでありますが、この給与改定前後におけます業務の変化についてでありますが、これには年金制度との関連が大きくかかわっております。平成25年度までは60歳から年金の一部が支給されておりましたので、その勤務形態は週3日の勤務を原則としておりました。また、業務内容といたしましても、庁内で再任用が活用できる職場を募集いたしまして、あらかじめ設定いたしました職場を再任用希望者に提示して、希望を聴取しながら総合的に勘案して配置をしてまいりました。その後、国では25年度より年金の支給開始年齢が段階的に65歳に引き上げられまして、無年金の期間が発生いたしますことから、定年についても段階的に65歳に引き上げるという検討がなされてきましたが、若手職員の育成や職員定数などの問題から、国家公務員の定年について延長しない方針が示されたところであります。
 そこで、国は地方自治体に対し、再任用を希望する職員は年金支給開始年齢に達するまで常時勤務を要する職に当該職員を再任用するものとすることという通知をいたしました。本市におきましては、この通知を踏まえまして、平成26年度の再任用からは勤務形態を週5日の常時勤務を基本といたしまして、雇用と年金の接続を図っているところであります。再任用の業務といたしましても、平成26年度の新規に採用いたしました再任用職員からは、特別に再任用職場としての業務を設定するということではなく、既存の職場の中でこれまでの経験と実績を生かした業務に携わるといった見直しを行っております。具体的に申し上げますと、平成28年度に採用いたしました再任用職員99名のうちに、退職した職場へそのまま配置したケースが60%、資格や経験を生かした同種の職場への配置が25%となっておりまして、合わせて85%がこれまでの経験と実績を生かした職場で業務を行っているところであります。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 最後、将来についての話をします。近い将来には、再任用職員がこれからふえてくるわけです。今後の再任用制度の展開、活用についてどのように考えているのかお伺いします。
○稲葉健二議長 総務部長。
○菅原卓雄総務部長 今後の再任用職員の数の見込みについてでありますが、今後、無年金の期間が段階的に65歳まで引き上げられますことから、フルタイム再任用が増加してまいります。定年退職者の約80%が再任用職員として今後採用されました場合に、10年後の平成38年にはフルタイム勤務の職員が337人、短時間勤務の職員が84人、合計421人となります。この10年間でフルタイム勤務は5倍にふえ、定員管理上の職員数の約1割が再任用職員となるものと見込んでおります。
 次に、再任用制度の活用についてでありますが、今後も退職者の知識と経験を生かせる既存の職場に配置をいたしまして、本格的な業務に従事する職として活用してまいります。今後は、フルタイム勤務の期間が段階的に延長され、継続性のある業務にもつくことができますので、その活躍の範囲も広がってまいります。また、再任用職員は既存職場への配置を原則といたしますが、採用する際にはやる気とやりがいを持って勤務ができる業務かどうか、職員の意向を十分に把握して効果的な配置に努めてまいります。この再任用制度は組織定数や事業運営などにも関連いたしますので、関係部署とも調整を図りながら適材適所の配置に努め、効果的に制度を活用してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 だんだんに再任用職員がふえて、全体で400人程度、全職員の1割を超える程度になってくるとのことなんですね。こうなると、若者の新卒採用などに影響を与える、そして人事が活性化する、そういったところに関係してまいります。今後、こういった増加する再任用職員の受け皿、これは十分確保されるか、この辺について御見解をお尋ねします。
○稲葉健二議長 総務部長。
○菅原卓雄総務部長 再任用職場の設定につきましては、企画部とも調整しながら十分に職場を確保してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 石原よしのり議員。
○石原よしのり議員 おっしゃるとおりですね。今回この話をしたのは、再任用職員、要するに定年退職後に働いている職員、この働きぶりが市民のほうからは本当に変わったの、例えば、公民館長なりいろんなところで市民と接する職場があるわけですけれども、決して市民のためを向いて一生懸命働いているというふうに変わったんではないのじゃないかという声が出てきている、そういうところから聞かせていただいたわけです。しっかりとこれまでの経験と能力を生かして皆さんが働いていって、そして市民のためになることを望むわけです。
 制度改革、改定後2年目、まだ職員の意識がついていっていないというふうな気がいたしています。制度改革後に再任用になった方はいざ知らず、それ以前から再任用となっていた方には、意識や、また働き方がきちんと変わって新しい制度に移行していない方もいるかもしれません。しっかり制度を磨き上げていただきまして、成果を出して市民のためになっていただくようによろしくお願いします。
 以上、本日私の一般質問はこれにて終わります。ありがとうございました。
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○稲葉健二議長 この際、暫時休憩いたします。
午前11時49分休憩


午後1時1分開議
○稲葉健二議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第1一般質問を継続いたします。
 片岡きょうこ議員。
○片岡きょうこ議員 こんにちは。無所属の会の片岡きょうこでございます。公約に掲げた子育て支援、女性の活躍推進、持続可能な社会へ、これらの視点から通告に従い一問一答にて一般質問を行います。
 まず初めに、大項目、上下水道についてでございます。
 (1)下水道料金の算定根拠と今後の見通しについて。下水道料金は自治体によってかなり差があり、市川市の下水道料金は私が今まで住んだどこの自治体よりも一番高いという状況でございます。下水道料金というのは、人口が多いほど汚水処理の効率が上がって汚水処理原価が下がると言われています。そこで、市の人口順位を調べてみますと、関東で市川市は18番目、しかし、関東の下水道事業220のうち161位と、人口が多い割には下水道料金が高いのかなという印象を持っております。汚水処理の効率が悪いのでしょうか。それとも、別の要因があるのでしょうか。また、2005年の9月の定例会でかいづ議員が、下水道料金が高いとお知り合いの方から言われたとのことで下水道料金について質問されています。これに対し当時の千葉市長は、東京外郭環状道路や都市計画道路3・4・18号の工事のおくれが影響していると答弁なさっています。
 あれから13年経過して、東京外郭環状道路も都市計画道路3・4・18号も開通間近となりましたが、今後下水道料金はどのようになっていくのでしょうか。近隣他市の下水道料金の状況と比較を交えて、市の下水道料金算定の考え方についてお伺いいたします。
○稲葉健二議長 水と緑の部長。
○森川泰和水と緑の部長 お答えいたします。
 初めに、下水道料金算定の考え方についてでございます。下水道事業の費用負担のあり方につきましては、下水道の基本的な性格として、浸水の防除、生活環境の改善、公共水域の水質保全等の公的な役割を担うとともに、生活環境の改善の1つとなりますトイレの水洗化等の私的役割も担うことから、その費用負担につきましては、基本的に雨水は公費、汚水は私費の原則に基づくものとなります。汚水にかかわる経費は、国庫補助金及び受益者負担金徴収分にかかわるものを除いた建設費の償還部分に当たる資本費と施設維持管理費に相当するものであり、これを下水道料金が賄うこととされております。なお、下水道施設の建設に必要な財源につきましては、その整備効果が長期にわたって発揮されるため、世代間の負担の公平性の確保につながるなどの観点から、いわゆる借金である市債の活用が図られることとなっております。
 下水道事業などの公営企業の経営の考え方につきましては、地方財政法や下水道法に明記されており、特に地方財政法第6条では公営企業の経営の基本として、その経営経費については当該企業の経営に伴う収入をもって充てなければならないという独立採算制の考えが示されております。下水道法第20条第2項におきましても、下水道料金については下水の量や水質に応じて妥当であるか、適正な原価であるかなど、明確な料金体系であることが明記されております。
 このような考えのもと、昭和60年7月に出されました第5次下水道財政研究委員会の提言では、下水道料金の対象となる汚水の維持管理費、これは主に終末処理場の汚水の処理費や管渠の修繕費にかかわる経費となるものですが、この経費については全額下水道料金で賄うべきであることとされております。また、下水道を整備した際に資本費についても全額を下水道料金で賄うことが望ましいとされておりますが、下水道料金が著しく高額となるなどの事情がある場合には、こうした事情が解消されるまでは資本費の範囲を限定することが適当であるとされており、本市におきましてもこの提言に基づき資本費算入率、これは建設費に対して下水道料金で賄えている率となりますが、この率を徐々に高めていくなど、最終的には独立採算制がとれるよう下水道料金の算定を行っているところでございます。
 つぎに、近隣他市の下水道料金の比較についてであります。下水道料金の水準をはかるものとして使用料単価がございますが、これは歳入である下水道料金を処理した汚水から不明水などの下水道料金の対象とならない水量を考慮した後の実際の下水道料金の対象となる水量で除した1立方メートル当たりの単価でございます。この使用料単価の基本的な考え方としましては、平成18年3月に総務省自治財政局が示した下水道料金に対する国の方針によりますと、資本費算入率が100%を超えていない、いわゆる独立採算制がとれていない自治体については、1立方メートル当たり150円をめどに設定することとされております。本市の平成26年度決算の使用料単価につきましては1立方メートル当たり約153円となっており、国の方針には合致したものとなっております。
 また、近隣市の状況としましては、船橋市が約144円、松戸市が約163円、習志野市が約152円となっており、各市とも国の指針に近い水準となっております。これを下水道料金で比較した場合には、さきに述べました使用料単価となるよう料金体系を、基本的には大口利用者の料金単価が高くなるよう階段状に各市独自の考え方により定めていることから、例えば、月20立方メートルを使用した方の下水道料金比較では、市川市が約2,520円、船橋市が約1,940円、松戸市が約2,420円、習志野市が約2,070円となっておりますが、月50立方メートルの場合、市川市が約8,340円、船橋市が約8,690円、松戸市が約8,300円、習志野市が約8,090円となり、使用した水量によって高い安いが変わってまいります。
 また、下水道料金に各市で違いが生じる理由としましては、下水道料金で維持管理費と資本費がそれぞれどの程度賄われているかが各市で違いがあるということがございます。維持管理費につきましては、近隣市においては100%賄われておりますが、資本費につきましては各市とも下水道料金では経費全額を賄っていない状況にあります。その資本費算入率は、例えば本市は88%、船橋市が94%、松戸市が78%、習志野市が82%の負担で各市で違いが生じており、下水道料金で賄っていない分は公費で賄っているということになります。なお、本市の平成26年度の下水道料金見直しの際の試算では、平成27年度から29年度までの汚水処理に要する維持管理費の見込みが約82億800万円、資本費の見込みとして約58億5,600万円となっております。
 このように下水道事業は各市の人口規模や事業の開始年度、普及の度合い、あるいは地理的条件による整備方式の違いなどにより、維持管理費に係る経費や資本費となる市債の償還経費などに差が生じてくることから、下水道料金についても自治体により差が生じるものと考えております。
 最後に、今後の下水道料金の見通しについてでございます。外環道路や都市計画道路の整備に伴い下水道の整備が進み、終末処理場で処理する汚水量がふえることは、処理施設の効率的な稼動につながることから、下水道料金の減額となる要素となります。一方で、今後下水道未整備地区の整備を早期に進めていくことは、市債残高の増に伴う償還経費の増加につながることとなります。また、下水道施設の老朽化による更新費用や維持管理費の増加が考えられ、これに加え、人口減少による下水道料金収入の影響等も懸念されます。これらは下水道料金の増額ともなる要素であります。このような展望を踏まえ、持続的な下水道サービスを提供していくためには、経営基盤強化への取り組みを進め、効率的かつ安定した下水道経営の実現を図っていくことが必要不可欠でございます。下水道料金につきましては原則3年に1度見直しを行っておりますが、この見直しに当たっては、さきに述べましたように下水道料金に影響を及ぼすさまざまな要因を勘案し、将来的にも健全で安定した下水道経営が行えるよう、今後も適切な下水道料金の設定を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 片岡議員。
○片岡きょうこ議員 伺いました。各市の人口規模、事業開始年度、普及の度合い、地理的条件、整備方法の違い、維持管理費にかかわる経費や資本費、つまり建設費の借金などによって差が生じるとのことでございました。
 では、再質問を行いますが、適正な下水道料金の前提として経費の削減が必要であると思います。平成17年に地方公共団体における行財政改革の推進のための新たな指針の策定について国から通知がございましたが、その中で地方公営企業の経営の健全化のために、1、サービス自体の必要性の有無の検討及び公益性の確保の意義が薄れたものの民間への譲渡、2、指定管理者制度、PFI、民間的経営手法の積極導入、3、中期経営計画の策定、情報開示などの透明性の確保、4、給与、職員管理の適正化、以上の4点が柱として示されています。
 そこで伺いますが、これまでどのような手法で経費縮減を図ってきたのか。また、今後どういった分野、手法で経費削減に取り組んでいかれるのか教えてください。
○稲葉健二議長 水と緑の部長。
○森川泰和水と緑の部長 お答えします。
 下水道の収入に際しましては、未収となっている件数及び未収総額の回収実績がございます。平成26年度は約13万3,000件、約4億4,600万円であったものが、平成27年度には約12万5,000件、約4億1,200万円と減少しております。収納率といたしましては、平成26年度の約90%から平成27年度には約91%と向上しております。下水道使用料の未納者への債権回収の手続でございますけれども……。(片岡きょうこ議員「済みません、それは次の質問の御答弁だと思うんですけれども、申しわけありません。今、再質1回目です、ごめんなさい」と呼ぶ)
 失礼しました。経費の削減の取り組みについてお答えいたします。
 これまで下水道使用料の賦課徴収業務を初め、下水道施設の修繕業務、終末処理場の維持管理業務の一部などにおいて民間委託を積極的に採用し、事務の効率化を進める中で経費の縮減を図ってまいりました。また、今後の経費縮減の考え方といたしましては、現在平成30年4月をめどに公営企業への移行を目指し準備作業を進めており、その効果として、発生主義の導入に伴い民間企業と同様の貸借対照表や損益計算書等の財務諸表を作成していることにより、下水道事業の経営状況や財務状況をより正確に把握することが可能となります。この把握した経営状況や財務状況を踏まえ、より計画的な経営基盤の強化、財政マネジメントの向上等に努め、さらには経営に要する経費の的確な原価計算に基づく事業執行を進める中で、経費縮減に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 片岡議員。
○片岡きょうこ議員 御答弁伺いました。ありがとうございます。平成30年の公営企業への移行を目指し、経費縮減を引き続き進めていくとのことで了解いたしました。
 では、次に下水道事業の経営状況について3点ほどお伺いいたしたいと思います。
 1つ目、今定例会にて未接続の下水道が2,200件あるという御報告がございましたが、それとは別に、下水道を接続しているけれども料金が回収できていないものがあると思います。この下水道料金の未収について、件数、総額、回収状況、回収手続について教えてください。
 2点目、下水道事業の経営の健全性、効率性を誰もが確認できるように収益的収支比率、累積欠損金比率、流動比率、企業債残高対事業規模比率、経費回収率、汚水処理原価、施設利用率、流動比率、水洗化率などの経営指標を活用して過去5年の推移を経営比較分析表としてホームページにアップしてはいかがでしょうか。それとともに、老朽化比率も一緒にアップしていただきたいなと思っております。
 3点目ですが、経費回収率の改善のため、下水道整備に資本平準化債を積極的に活用して世代間負担の公平性を担保したほうがよいと考えておりますが、以上3点についての市の御認識をお伺いいたします。
○稲葉健二議長 水と緑の部長。
○森川泰和水と緑の部長 再質問にお答えいたします。
 未収となっている件数及び未収総額と回収実績についてであります。平成26年度では約13万3,000件、約4億4,600万円であったものが、平成27年度に約12万5,000件、約4億1,200万円と減少しております。収納率といたしましては、平成26年度の約90%から平成27年度には約91%と向上しております。
 次に、下水道使用料の未納者への債権回収の手続についてでございます。納付期限まで使用料の納付がない場合は、委託業者を通じて督促状の送付、訪問巡回、電話による納付指導などを行っております。また、督促をしても納付のない滞納者には、市において財産調査の上差し押さえを行うなどの滞納処分を執行するなどの債権管理に努めております。
 次に、経営状況の認識についてでございます。本市では、平成26年度決算から経営比較分析表を公表しております。この中では、使用料で回収するべき経費を全て使用料で賄えているかを示す経費回収率や使用料の徴収対象となる汚水水量1立方メートル当たりの汚水処理に要した費用となる汚水処理原価、単年度の収支の状況を示す収益的収支比率など、類似団体の状況や経年比較を行うことにより自治体の置かれている状況を把握するものとなっております。本市の経営状況としましては、経費回収率や汚水処理原価についてはここ数年安定的な数値であり、類似団体の水準を上回っており、汚水処理原価については全国平均も上回る水準となっております。また、収益的収支比率など一部の指標では改善に向けた取り組みが必要となるものもございますが、総体的に見た場合ではおおむね経営状況は良好であると認識しております。なお、この経営比較分析表の公開につきましては、既に千葉県のウエブサイト上で公表しておりますことから、本市のウエブサイト上におきましても公開し、市民の方々に本市の下水道の状況についてお知らせしてまいりたいと考えております。
 次に、資本費平準化債の活用についてでございます。この資本費平準化債は、通常、下水道事業債の元利償還期間が30年間であるのに対し、下水処理施設の減価償却期間が50年であることから、その期間の差から生じる金額について起債が認められているものです。本市では、これまで総務省の示した方針である使用料単価1立方メートル当たり150円を維持しながら、下水道使用料、市債、一般会計からの繰入金を財源として活用し、下水道事業を進めてまいりました。しかしながら、今後早期に下水道整備を進めていく中で、市債残高の増に伴う償還費の増加が考えられますので、より一層の資本費の平準化を考慮し、資本費平準化債の活用について検証を行い、許可等を担当する千葉県とも調整を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 片岡議員。
○片岡きょうこ議員 御答弁伺いました。ありがとうございます。
 下水道料金の未収状況は年々改善してきているということで理解をいたしました。しかし、過去5年間の平均未収額は4億8,000万とのことで、額としてはかなり多いのかなと思います。公共債権の回収には時間も手間もかかり大変だとは思いますが、5年の時効もありますし、未収金額が大きくなる前の早期の対応、初期対応というのが非常に重要になるかと思います。引き続き回収率アップに努めていただければと思います。
 また、経営指標のホームページ上の公開については、御了承いただきありがとうございます。これまでの推移が大事なので、やはり過去5年にわたる指標を掲載していただきたいと思います。きっと平成30年の公営企業の健全経営に向けてのよい指標になると思います。
 また、話はそれますが、資本費算入率が市のホームページ上は70%のままになっており、現状の88%と相違がございますので、あわせてこちらも御修正をお願いできればと思います。
 そして、最後の資本費平準化債の積極活用について、前向きな御答弁をいただきありがとうございます。こちらも国の通達のほうでも積極活用していくようにというふうに出ておりますので、ぜひ実現をお願いします。
 では、最後の再々々質問になります。下水道事業の今後についてお伺いいたします。資本費算入率を見てみますと、平成11年の39%であったものが、現在88%まで上がってきております。このままで行くと資本費算入率が100%になるのもあと少しだと思います。100%になるのはいつごろと試算されているのか。また、100%になった暁には、下水道料金の値下げというものが実現できるのか否かお伺いいたしたいと思います。
 また、平成26年2月の定例会において越川代表が行った代表質問で、多子世帯の下水道料金に緩和措置として御検討いただけないかどうかというような質問があったかと思いますが、これの検討結果についてもあわせてお願いいたします。
○稲葉健二議長 水と緑の部長。
○森川泰和水と緑の部長 お答えいたします。
 初めに、資本費算入率の向上による下水道使用料についてでございます。平成26年度の下水道使用料の見直しの際の財政収支予測によると、平成31年ごろに資本費算入率が100%を超えることを想定しております。資本費算入率が100%を超えた後の下水道料金の考え方としましては、今後下水道の早期整備による事業量の増加に伴い資本費の増加も予測され、その後、資本費算入率が再び100%を割り込むことも想定されますことから、こうした動向を踏まえ、今後の料金の見直しに当たって慎重に検討してまいりたいと思っております。
 次に、多子世帯に対する減免措置につきましては、兵庫県加西市において実施していることを確認しております。加西市に問い合わせたところでは、市川市の使用料単価153円に対し、加西市の使用料単価が260円と下水道料金が高額に設定されております。また、使用料単価を高く設定していることもあり、資本費算入率におきましても、市川市の88%に対し加西市は180%と既に独立採算制を確保しているところであり、そのような状況下で全市的な少子化対策、他市からの人口流入策という政策的な判断に基づいて導入したものであると伺っております。一方、本市の経営状況を見ますと、安定はしておりますが下水道料金を余り高額としないとの考えもあり、現時点では一般会計からの繰入金が行われているという実情も踏まえますと、現状では減免措置は困難であると考えたものです。しかしながら、今後の料金体系を見直す中で1つの課題として取り上げてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 片岡議員。
○片岡きょうこ議員 2件とも了解いたしました。下水道事業及び下水道料金は、毎年多数、多様、多額の資産の取得、更新が行われるほか、雨水、汚水の区別の存在など、財政制度もほかの事業に比べて複雑な仕組みになっていることが大変よくわかりました。安全な水とともに、この下水道事業が長期にわたりしっかりと運営されていることによって、私たちの快適で清潔な日常生活が保たれていることに本当に感謝を申し上げたいと思います。このような複雑な仕組みの中で粛々と経営努力をなさっていることも大変よくわかりました。しかし、この経営努力ですとか料金の発生というのはどこの自治体も同じということで、やはり人口比に対して下水道料金が161位というのは、どこが違うかというと、やはり資本費に当たる建設費の部分が高いのではないかというふうに思います。ここは2005年の当時の千葉市長も建設費が高いというふうに御答弁でおっしゃっておられました。維持管理に関する経費は縮減する方向ですが、今回触れなかったこの資本費の構成要素、発注費が適正、適切なのかということも今後よく比較検討していただいて、下水道料金に反映していただければと思っております。
 人口が多いところは汚水処理が効率化されて下水道料金が安くなる傾向にある、東京都はこれを実現していると思いますけれども、東京都に次いで市川はそのよい例であると言えるような日が来るのを楽しみにしたいと思います。
 では、次の(2)の質問に移らせていただきます。(2)ですが、市内に供給されている水道水の水質管理についてでございます。放射性物質の測定結果及び塩素、アルミニウム、鉛、農薬、塩素とメタン系農薬の化合物であるトリハロメタン等の危険物質はどの程度今検出されているのでしょうか。また、水道管のさびどめには猛毒の発がん性物質であるメチレンジアニリン――以下メートルDAとさせていただきますが――というベンゼン環を持つ芳香族系化合物が含まれております。このメートルDAはかなり強力な毒性を持って、発がん性も非常に高いというふうに言われておるものですが、最近の水道管の劣化によって水道の中に溶け出しているというふうなことが言われております。
 そこで、県の事業ではありますが、上水道の水質に関する本市の御認識についてお伺いしたいと思います。
○稲葉健二議長 環境部長。
○水野雅雄環境部長 お答えいたします。
 本市の水道水につきましては、全域千葉県水道局が所管している、そのようなことから千葉県に問い合わせた内容をもとに私のほうでお答えさせていただきます。千葉県水道局では、安全でおいしい水を安定して供給するために、毎年度定める水質検査計画に基づき、水源から浄水場、給水場を経て蛇口に至るまでの各地点について、定期的に水質検査を行っております。測定等に関することでありますが、放射性物質につきましては平成23年に発生いたしました東北地方太平洋沖地震に伴います東京電力福島第一原子力発電所の事故に関し、厚生労働省が水道水中の放射性物質に係る管理目標値を設定しておりますことから、各浄水場におきまして1週間に1度測定を継続しております。当該事故当初は放射性セシウム及び放射性ヨウ素が検出されておりましたが、平成23年4月中旬以降は放射性物質は検出されておりません。
 次に、人に有害な物質、いわゆる健康に関する項目の濃度等についてであります。市内には、南八幡、曽谷、妙典の水質検査地点があり、うち南八幡、曽谷が蛇口での検査を行っております。平成27年度の水質検査の結果によりますと、硝酸態窒素や総トリハロメタンなどが検出されていますが、いずれも水道法の基準値を大幅に下回っております。
 次に、塩素濃度についてであります。水道水は、水道法において塩素で消毒することが義務づけられており、蛇口から出る水道水中の塩素濃度を1リットル当たり0.1メートルg以上確保することと定められております。市内で塩素濃度の高い箇所についてでありますが、蛇口での水質検査を行っている南八幡と曽谷のそれぞれの測定結果には有意差は認められておりません。また、塩素の注入量の季節的な変動についてであります。浄水場により差はあるものの、栗山浄水場の次亜塩素酸ナトリウムの注入量は夏場に増す傾向にあります。これは、水温の上昇により水道管内での塩素の消費量がふえることによるものとのことでありました。塩素濃度の高い水道水の危険性につきましては、WHOの飲料水水質ガイドラインによりますと、塩素のガイドライン値は生涯にわたり水を飲んでも人の健康に影響が生じない1リットル当たり5メートルgとされています。一方、水道局では水質管理目標設定項目として1リットル当たり1メートルg以下を蛇口において常に確保できるように設定しており、利用者の多くが塩素臭を感じないレベルである1リットル当たり0.4メートルg以下を目指し取り組みが進められております。
 本市の認識でありますが、市内に供給されております水道水につきましては、千葉県水道局において法令等に基づき適切に管理されており、安全と考えております。
 以上であります。
○稲葉健二議長 片岡議員。
○片岡きょうこ議員 伺いました。ありがとうございます。現状では安全とのことでした。塩素は、少量であっても髪や肌のたんぱく質を壊し、細胞にダメージを与えます。肌の保水力や保湿力を失わせ、乾燥肌やアトピー性皮膚炎の悪化の原因、また腸内細菌の乱れとも関係すると言われておりますので、引き続き1リットル当たりの濃度の推移を見守っていきたいと思っております。
 では、次の質問です。上水道の防災対策に関する本市の認識と取り組みについてお伺いいたします。
 災害時に上水道に被害が出て使用できなくなることが考えられます。災害時の水確保は最重要課題であると思いますが、個人の備蓄には限界があります。他市の事例では、スーパーと民間と水確保の協定を結んでいるようでございますが、本市の状況についてお伺いいたします。また、災害時の水確保について市独自の工夫等がありましたら教えてください。
○稲葉健二議長 危機管理監。
○笠原 智危機管理監 災害時の飲料水の確保についてお答えいたします。
 初めに、災害時における飲料水確保のための支援協定についてであります。本市では、行政間あるいは民間企業との間で災害時支援協定を締結し、災害時における飲料水確保に努めているところであります。行政間の支援協定といたしましては、千葉県を含めた県内全ての市町村と隣接をいたします江戸川区と葛飾区、また、その他静岡県の富士市、神奈川県茅ヶ崎市、茨城県のひたちなか市、神栖市、兵庫県の明石市、宮城県の加美町等と相互の応援支援協定を締結しているところであります。また、民間企業とでは、飲料水メーカー3社のほかに、スーパーやコンビニエンスストア9つの企業や店舗と協定を締結し、飲料水の確保に努めているところであります。
 次に、本市独自の施策についてであります。本市では、飲料水の確保のために水道管直結の耐震性貯水槽を大洲防災公園と広尾防災公園に整備しております。この貯水槽は、地震による揺れで自動的に遮断弁が閉じて、今まで流れていた水を貯水できるものでありまして、大洲防災公園では100t、広尾防災公園では120tの水が確保できます。また、小学校、義務教育学校36校と中学校1校の37校の受水槽に蛇口を設置いたしまして、災害時の飲料水確保を図っているところであります。加えまして、今年度中には中学校14校の受水槽にも蛇口を設置してまいります。本市では、これらの取り組みによりまして、量的には約88万リットルの飲料水が確保できているところであります。その他、飲料水にはこれは適しておりませんけれども、市内の14カ所の井戸で生活用水としての水も確保しているところであります。今後も支援協定先をふやすなど、大規模災害により断水した場合でも最低限必要となる飲料水が確保できるよう対策に努めてまいります。
 以上であります。
○稲葉健二議長 片岡議員。
○片岡きょうこ議員 ありがとうございます。飲料水だけではなく生活用水として使えるものも検討、確保しているということで御答弁を伺いました。ありがとうございます。
 では、再質問ですが、9月1日の「県水だより」によると、松戸市や船橋市には災害時複数の給水場が整備されていますが、本市の給水場は妙典の1カ所のみとなっておりました。災害時のことを考えると複数の給水場があるのが望ましいと思いますが、1カ所しかなかったのはなぜでしょうか。市内は狭隘道路も多く、給水車が通れない道もあるかと思いますので、この辺の御事情について伺います。
○稲葉健二議長 危機管理監。
○笠原 智危機管理監 給水所に関してお答えをいたします。
 千葉県水道局の給水施設は、市川市、鎌ヶ谷市、浦安市の全域、それと千葉市や船橋市など8市の一部地域に安定的に供給するために広域的に整備をされております。また、この給水施設には、水源から取水した水を浄化し飲料水とする浄水場と、その浄化した水を適正な水圧で各家庭へ送り届ける給水場とがあります。本市では、松戸市の栗山浄水場など4つの浄水場からそれぞれ給水場を経由して各地域に供給されております。具体的には、本市の区域内におきましては、江戸川を水源といたします栗山浄水場から直接供給されるほか、船橋給水場からも供給をされております。また、江戸川以南では妙典給水場から主に利根川、印旛沼を水源といたしまして、妙典給水場から市民に供給されている、このような状況であります。千葉県水道局に確認をいたしましたが、市川市の地域は現在安定的に給水ができておりますことから、妙典給水場以外のものを市内に増設するという、このような計画はないということでありました。また、災害時におきましては、妙典給水場のほか栗山浄水場、船橋給水場が市川市には割り当てられておりまして、災害時はこの3カ所の給水場において市民に給水を行う、このような計画となっているところであります。
 以上であります。
○稲葉健二議長 片岡議員。
○片岡きょうこ議員 伺いました。市内の住所を持っている給水場は妙典の1カ所ですが、市川市を網羅できる、管轄できる給水場が複数あるという御回答で了解いたしました。ありがとうございます。
 では、(4)の質問に移ります。総務省から水道事業の広域連携について、平成28年度中に検討体制を整え、平成30年までに経営戦略の策定を推進することと通知が出ておりました。背景には、施設の老朽化に伴い、大量更新期の到来や人口減少に伴う料金収入の減少等で経営環境の厳しさが増しているということがあるようです。今後、一層経営の健全化が求められるということですが、広域連携について、国や県の動向と本市の御認識についてお伺いいたします。
○稲葉健二議長 企画部長。
○萩原 洋企画部長 お答えいたします。
 上下水道事業をめぐる国の動向といたしましては、人口減少社会の到来や東日本大震災の経験など、水道を取り巻く環境の大きな変化に対応するため、50年後、100年後の将来を見据え、水道の理想像を明示する新水道ビジョンが平成25年3月に策定されて公表されております。このビジョンでは、時代や環境の変化に対しても適切に対応し、持続的に水を受け取ることが可能な水道を目指して、災害にも対応できるよう強靱で水をおいしく飲めるよう安全な、そして給水人口や給水量が減少した状況においても運営が可能な水道サービスの持続というこの3つの観点から具体的な方策を提示し、関係者で共有することとしております。さらに、この理想像を実現するための重点的な実現の方策の1つといたしまして、関係者間の連携による水道事業の広域化が挙げられております。このような国の策定した新水道ビジョンを踏まえ、千葉県は今年度より千葉県水道ビジョンの策定に取り組むものとしておりまして、国の趣旨を踏まえ、都道府県としての立場から圏域ごとの給水実績や需要と供給の見通しを整理し、それぞれが抱える課題を明確にして、将来の目標とその実現の方策などが示される予定となっております。
 水道事業には、県営、市営、広域水道事業団などさまざまな経営形態がございますが、本市におきましては、これまで答弁にありましたとおり市の全域が県営で実施されております。そのため、水道事業者である県が主体となりまして、将来にわたって安定した事業運営が継続できる方策につきまして具体的な検討や調整がなされることとなります。今後、県営部分を含めた将来の千葉県の水道のあり方を示す千葉県水道ビジョンが県を中心に検討されることとなりますので、本市におきましては、県の動向を注視しつつ、将来の水道事業が安全、安心な市民生活の実現につながるよう協議に参加してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 片岡議員。
○片岡きょうこ議員 伺いました。まだ現在では市としては目立った動きはないとのことでしたが、迫りくる環境の変化に適応できるような水道事業の健全経営のため、進捗に注目していきたいと思っております。
 以上で最初の大項目である上下水道についての質問を終えさせていただきます。
 2つ目の大項目ですが、母子の心身の健康についてでございます。
 ちょうど6月定例会前後だったと思いますが、東京23区で過去10年間に妊産婦の自殺が63人であったとの報道がございました。これは、順天堂大学と東京都監察医務院の調査ですが、妊産婦の自殺数について本格的な調査がなされたのはこれが初めてとのことでございます。2005年から2014までの自殺者の記録を調べた結果、妊娠中の女性が23人、出産後1年未満の女性が40人という内訳でした。妊産婦の死因の第1位が、何と自殺ということでございます。これは東京都のデータですので、千葉県、そして市川市においてはどのような状況であるのか、母子の心身の健康に対する認識と実態把握の取り組みについてお伺いいたします。
○稲葉健二議長 保健部長。
○田中信介保健部長 初めに、本市の自殺者の総数ですけれども、平成23年から27年までの5年間は年間80人台から90人台で推移をしております。このうち女性は20人台から30人台で推移をしており、年代別では5年間の合計で60歳代が29人と最も多く、次いで30歳代の28人、20歳代は5番目の14人となっております。また、消防局の統計からは、リストカットなどの自尊行為による搬送者数は、同じく過去5年間の合計で40歳代が130人と一番多く、次いで30歳代の124人、そして20歳代の122人の順となっております。なお、千葉県内の自殺者数では30歳代は3番目に多く、20歳代は7番目となっております。
 御質問の20歳から30歳代、この年代は結婚や妊娠等によりライフスタイルに大きな変化が見られる年代でありまして、生活環境が変わることにより心身に過大なストレスがかかりやすい時期であると認識をしております。本市の母子健康手帳交付年齢を見てみますと、30歳から34歳までが一番多く、次いで20歳代という状況となっており、これらの年代の妊婦が多くお住いになっております。そのため、妊婦の皆さんの健康状態を把握し、支援をするために、母子健康手帳交付時に既往歴などの項目を記入した妊娠届出書を提出いただいておりますが、支援が必要とされるケースは年々増加傾向にあります。この主な要因といたしましては、母親の身体的疾患や双子などの多胎妊娠、19歳以下の妊娠等もありますが、約半数は精神的疾患となっております。また、本市の特徴となりますが、転入者が多く、地域とのかかわりも希薄で孤立した育児となりやすい傾向にあることも支援が必要な要因の1つと考えられます。
 これまではこういった妊婦の健康状態の把握は妊娠届出書のみで把握をしておりましたが、本年8月1日から新たな取り組みとして、2カ所の保健センターと本庁舎及び行徳支所の4カ所に母子保健相談窓口アイティを開設いたしました。ここでは、保健師、看護師が母子健康手帳の交付時に面接を行い、あらゆる母子の相談に対応するとともに、妊婦の心身の健康状態を把握し、一人一人の支援プランを作成しております。母親の健康状態は子供の心身の成長に与える影響が大きいので、母子の健康と子供の健やかな成長を促すために妊娠初期から母子の心身の健康状態を把握し、それぞれの状況に応じた切れ目のない支援を実施してまいります。
 以上であります。
○稲葉健二議長 片岡議員。
○片岡きょうこ議員 御答弁伺いました。ありがとうございました。やはり自殺者、そして未遂の方の統計を見てみると、東京寄りの結果が出ているのかなというふうに思います。子育て中の女性の自殺と自殺未遂がほかの年代に比べて高いということ、そして妊娠中の支援が必要と判断される方が年々増加傾向にあるということで、妊産婦を取り巻く環境には大変厳しいものがあるということが言えると思います。また、妊産婦の心身の健康について今後具体的な調査と対策が必要になってくるかと思います。東京都の調査では、妊娠2カ月が最も自殺者が多い、そして産後においては4カ月目が最も多いとのことでございました。それと、子供が双子であるとか、4人以上いるという御家族、このような御家庭のお母さんは本当に大変です。過去3年間で目黒区、八千代市、船橋市、福岡と4人の子供を育てているお母さんが自殺をするというニュースが、私が入手しているだけで4件ございました。子供も一緒に命を失っています。このことから、子育て世帯をサポートする自治体の施策がとても重要であるということが共有できるかと思います。
 では、次の質問ですが、(2)の新生児・1~2カ月児訪問についてでございます。現在、市ではどのくらいの人数の母子と直接接触できているのでしょうか。1~2カ月訪問の効果と課題、母親や保健師から上がってくる声をどのように政策に反映させているのかお伺いしたいと思います。
○稲葉健二議長 保健部長。
○田中信介保健部長 初めに、新生児・1~2カ月児訪問の現状についてです。本市では、母子保健法に基づき平成20年度から母親が抱く育児不安の軽減や産後鬱、児童虐待の予防などの支援を行うため、新生児や一、二カ月児がいる全ての家庭に保健師や助産師が訪問しております。これは、母子健康手帳の別冊につづられている出生連絡票、これを出産後すぐに保健センターに提出いただくことで、看護職が適切な時期に訪問をするものです。訪問の際には、乳児の体重測定やその結果を踏まえた授乳に関する助言、母子の健康状態についての相談、予防接種等に関する情報提供を行っております。さらに、産後の母親の精神状態を点数化することで、支援が必要な母親を客観的に把握できるエジンバラ産後鬱質問票、これを用いて産後鬱の早期発見や予防に役立てております。この事業の平成27年度の訪問対象者数は4,521人で、訪問実績は4,207人、実施率は93.1%となっております。この訪問における本市の特徴として、里帰り出産が多く、その里帰りから自宅に戻ると周囲に知り合いもなく心身の負担が急激に増すことが考えられます。そのため、厚生労働省のガイドラインでは、この事業の対象を生後3カ月までとしておりますが、本市では3カ月を過ぎても訪問を行うようにしております。
 次に、本事業の効果についてです。まず、助産師などの看護師が自宅を訪問することで、子供の体重のふえ方などを客観的に評価し、授乳の方法や生活リズムの助言、相談を行い、母親の不安の軽減につなげております。また、この時期の母親からは、赤ちゃんがよく泣く、泣きやまないとつらいなど子供の泣きについての相談が多くありますので、リーフレット等を活用しながら具体的な対応を説明して、泣きによる育児負担の軽減につなげております。さらに、先ほどのエジンバラ産後鬱質問票により支援が必要な母親の割合は、平成23年度は訪問件数に対し9.9%でありましたが、27年度は12.7%と増加をしております。このようなデータから、妊娠中の支援の強化をするなど、本事業で把握したデータを活用することで事業の見直し等に役立てております。
 最後に、本事業の課題についてです。産後鬱は、産後4週から6週に発症しやすいため、産後1カ月までに専門職員による支援が望ましいと言われております。しかしながら、出生連絡票の提出がおくれたり、里帰り中であったりと、産後鬱の予防にとって大切な時期を過ぎてしまってからの訪問も多くなっております。このような状況に対し、母子保健相談窓口アイティでは、妊娠届け出の際に母子健康手帳の活用とともに、出生連絡票の提出などについても丁寧な説明を行い、母親が必要とする適切な時期に訪問できるように取り組んでおります。
 以上であります。
○稲葉健二議長 片岡議員。
○片岡きょうこ議員 ありがとうございました。
 では、再質問ですが、この訪問の後、継続支援が必要となった方の人数と市の対応についてお伺いしたいと思います。
○稲葉健二議長 保健部長。
○田中信介保健部長 まず、新生児・1~2カ月児訪問の後に継続支援が必要となったケースですが、平成27年度出生数4,521件のうち1,536件、34.0%となっております。これらの方への市の対応ですが、電話や家庭訪問などにより支援を行っております。その内容や頻度につきましては、母親の心身の状況に応じてケース・バイ・ケースではありますが、特に産後鬱の心配があるケースにつきましては、個別支援会議で作成された支援方針に沿って継続支援を行うほか、精神科医による面接相談の実施や必要に応じて受診勧奨を行っております。さらに、虐待等のおそれがあるケースにつきましては、子育て支援を行う関係機関と連携し支援を行っております。
 以上であります。
○稲葉健二議長 片岡議員。
○片岡きょうこ議員 ありがとうございます。実に3分の1以上の母親が何らかの不調を訴えているという御答弁でございました。また、市のほうでも複数回の電話相談、家庭訪問を行っているとのことでございます。私も他市で出産した際、産後鬱を経験しました。本当に孤独で、自分で自分の心身もコントロールできず、子供のこともよくわからず、友人、知人もおらず不安な毎日で、一体いつまでこのような先が見えない状態が続くのかと本当に沈んだ毎日だったことをよく覚えております。産後のケアで家庭訪問や電話相談ももちろん有効であるかと思いますが、当時私は70を過ぎた臨床心理士の女性を囲んでセルフマッサージの会みたいなものにちょっと参加していました。これは自治体が主催していたんですけれども、そしてまた、とても親身に相談に乗ってくださった職員の方もいらっしゃいまして、本当に救われたと、そういう経験もしております。ぜひ多様な方法で心が弱っているお母さんたちに寄り添った御対応をお願いしたいと思います。と申しますのも、担当の保健師さんが自分より年下であったとか、信頼関係が構築できなかった、また、理由はないけれども何か波長が合わなかったとか、女性特有のコミュニケーションのもので御相談できない方もいらっしゃるかと思いますので、そういう方のためにも複数のアプローチ方法を御検討していただきたいと思います。
 では、再々質問ですが、訪問を行う保健師の専門職の方の研修についてです。生まれて間もない子とお母さんは常に緊張状態で、ホルモンバランスの乱れや母体の回復ぐあいもさまざま、リラックスとはほど遠い状況であるかと思います。このようなデリケートな状態のお宅に訪問するに当たり、保健師も相当な配慮、またコミュニケーション能力が求められるかと思います。また、保健師の中には契約社員でしたでしょうか、ちょっと忘れてしまったんですが、短期の方、経験が蓄積されていない方もいらっしゃるかと思いますので、どのような研修、指導をなさっているのかお伺いいたします。
○稲葉健二議長 保健部長。
○田中信介保健部長 保健師等の研修ということです。新たに採用した保健師、また経験の浅い保健師などにつきましては、地区の担当保健師が同行訪問をいたしまして、訪問の目的、実施の内容、助言方法等指導を行っております。特に、出産後間もない母親は心身が不安定になりやすいことを踏まえて、母親への対応方法の研修を行っております。また、訪問後は支援が必要なケースについて、訪問した保健師と継続支援をする地区の担当保健師がケースカンファレンスを実施し、対応が難しいケースへの支援方法など共通理解した中で対応に当たっています。さらに、年1回事業の担当者から訪問時の留意点について研修を実施しているほか、千葉県が主催する新生児妊産婦訪問従事者研修、これにも参加をしております。このように訪問先で職員によりばらつきが出ないような研修を実施しております。
 以上であります。
○稲葉健二議長 片岡議員。
○片岡きょうこ議員 ありがとうございます。理解いたしました。コミュニケーションやマナーについては終わりのないことですので、情報を集めて、ぜひ外部からも講師を招くなど、常に新しい知見を取り入れて質をどんどん上げていくことを求めたいと思います。
 では、次の(3)の4か月あかちゃん講座についてですが、(3)のこの御答弁についてはちょっとなくて大丈夫です。講座の内容をちょっと私もいろいろ聞いていまして、母親の育児不安の軽減を目的に実施している内容は、身長、体重測定……。
○稲葉健二議長 片岡議員、質問しないということを。
○片岡きょうこ議員 (3)の質問はなしで、(4)にそのまま行かせていただきたいので。
○稲葉健二議長 では(4)だけを。(3)についての説明は省いてください。(4)だけで。
○片岡きょうこ議員 (3)はなしで、(3)の内容は、体重測定とかそういう個別相談、離乳食……。
○稲葉健二議長 その説明をしてはいけない、(4)に行ってください。(3)を割愛したので、(4)に。
○片岡きょうこ議員 そういうことをやるということで、(4)の質問に移らせていただきます。
 (4)の質問ですが、私がこの4か月講座に伺ったときは、8月26日で大変暑い日でした。座布団を4つくっつけて、お相撲の升席のようになったところに赤ちゃんがごろんと寝ていて、その横にお母さんたちが大きなママバッグを持って、抱っこひももちょっとまとめながら、フローリングの床に、地べたに座るという形式で、お母さんたちはちょっと足が痛いですねというような話をされていました。そして、かなり人口密度がすごくて、お部屋が暑い。それで、お部屋は母子でほぼ埋まっていて授乳室状態だったんですけれども、でも、ど真ん中に御夫婦が座っていらっしゃったんですね。赤ちゃんのお世話を夫婦でという時代の変わりもあって、そういうお考えの方もふえてきたということは非常によいと思うんですけれども、やはり授乳室に男性が中央にいるみたいな状態で、お母さんたちが逆に気を使っちゃう、赤ちゃんはギャアギャア泣いている、そういうふうな状況でございました。そしてまた、温度設定が22度で寒いとか、逆に暑い方が直したりとか、呼ばれて4か月講座に行ったんですけれども、お母さんたちはちょっとストレスがたまってしまうような空間であったような印象を持っております。
 このようなことを踏まえて、この4か月あかちゃん講座の利用状況や、今後どのようにしてこのような講座の質を上げていくのかお伺いしたいと思います。
○稲葉健二議長 保健部長。
○田中信介保健部長 4か月あかちゃん講座は、2カ所の保健センターと5カ所の公民館などの施設で月1回開催をしております。平成27年度の対象者数は4,540人、このうち参加者は3,011人、参加率は66.3%でありました。講座の参加者からは、発育が順調で安心した、離乳食について知ることができてよかった、近くに知り合いができたという声もいただいており、知り合った母親同士連絡先を交換したり、一緒に帰宅する様子も見られ、友達づくりのきっかけになっています。このように本講座の効果といたしましては、育児に関する情報を得たり、子供の成長を確認したり、また、友達ができることで安心して楽しく子育てを行うことができ、育児不安の軽減につながっているものと考えております。
 なお、御質問者おっしゃるように、参加者からは部屋が狭かった、また暑かった、授乳しにくかった、待ち時間が長かったなどといった声も聞かれております。このような声に対しましても、できる限り過ごしやすい環境となるよう配慮するとともに、待ち時間には母親同士が交流し、育児の情報交換ができる時間となるような工夫をしてまいります。これからも安心して子育てができる環境を整えるため、母子保健事業を通して母子の心身の健康の保持、増進に努めてまいります。
 以上であります。
○稲葉健二議長 片岡議員。
○片岡きょうこ議員 ありがとうございました。4カ月の赤ちゃんとお母さんは、講座の開催場所まで大変な思いをしていらっしゃっていると思います。今定例会のシティセールスに関する質問に対して企画部長が、出会い、結婚から妊娠、出産、子育てまで切れ目のない支援により安心して子育てができるまちづくりとそのイメージの定着がこれまで以上に必要な取り組みと考えておりますというふうに御答弁されたかと思うんですけれども、実際にその4カ月広場のお母さんたちで交わされた会話の中では、母子手帳を見せ合いっこしたら健診が1回足りなかったとか、出産したら産着をもらえたんだけれどももらえましたかみたいな、そういうちょっとポジティブなイメージの定着とは逆のネガティブなイメージの定着になりかねないような会話がされておりました。やはり企画部でお考えのことを保健部の事業でアウトプットしていくために、今後企画部と保健部の連携というのが必要だと思いますが、企画部長、最後に一言御認識をお伺いしたいと思います。
○稲葉健二議長 企画部長。
○萩原 洋企画部長 やはり安心して住める、住んでみたいまちづくりのためにはいろんな連携が必要でありますので、いろいろと話し合って進めたいと思います。
 以上でございます。
○稲葉健二議長 片岡議員。
○片岡きょうこ議員 ありがとうございます。では、ぜひよろしくお願いいたします。
 これで私からの質問を終了させていただきます。ありがとうございました。
○稲葉健二議長 これをもって一般質問を終結いたします。


○稲葉健二議長 日程第2政務活動費等により切手を大量に購入した議員の調査についてを議題といたします。
 地方自治法第117条の規定により、小泉文人議員の退席を求めます。
〔小泉文人議員退席〕
○稲葉健二議長 本件に関し委員長の報告を求めます。
 政務活動費等により切手を大量に購入した議員の調査に関する特別委員長、松井努議員。
〔松井 努政務活動費等により切手を大量に購入した議員の調査に関する特別委員長登壇〕
○松井 努政務活動費等により切手を大量に購入した議員の調査に関する特別委員長 ただいま議題となりました政務活動費等により切手を大量に購入した議員の調査に関する特別委員会に付託された政務活動費等により切手を大量に購入した議員の調査について、委員会における調査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 なお、お手元に配付の本調査報告書は、文字数にして約5万8,000字、82ページに及ぶ膨大なものとなっておりますので、私からはその概要について述べさせていただきます。
 本委員会は、平成27年6月17日に全会一致で可決された発議第2号政務活動費等により切手を大量に購入した議員の調査に関する決議を受け、平成23年度に会派社民・市民ネットに、また、平成24年度及び平成25年度に会派ボランティア・新生会・市民の風に所属していた小泉文人議員及び鈴木啓一前議員が実施したとされるアンケート調査に関することを調査事件として、委員15人をもって設置されました。また、本委員会は、地方自治法第100条第1項の規定に基づく選挙人その他の関係人の出頭及び証言並びに記録の提出を請求する権限、いわゆる100条調査権を議会から委任されました。これにより、本委員会は調査事件についての事実関係を明らかにすることで市民に対する説明責任を果たすとともに、政務活動費の使途の透明性の向上へ向けた議論に役立てることを企図したものであります。
 まず、委員会の開催状況について申し上げます。
 本委員会は、平成27年6月23日から翌28年8月23日までの間、合計19回にわたり開催し、調査を進めてまいりました。この間、小泉文人議員、松永鉄兵議員及び青山ひろかず議員に対する証人尋問を行い、また、かつまた竜大議員及び湯浅止子議員から参考人として意見を聴取したほか、関係者に対し本調査事件に関する記録の提出を求めるなど、事実関係の解明に努めてきたところであります。
 次に、証人の不出頭、証言拒否、記録の不提出及び宣誓拒否についてであります。
 まず、証人の不出頭につきましては、本委員会が証人として出頭を求めた4名のうち、鈴木啓一前議員については出頭していただけませんでした。その経緯といたしましては、第10回委員会に証人として出頭を求めたところ、本人より体調不良のため出頭できない旨の申し出があり、あわせて診断書2通が提出されました。鈴木前議員に対してはその後も出頭を求めてまいりましたが、やはり体調不良により出頭できないとのことであり、本委員会といたしましては、第17回委員会において、本人より改めて2通の診断書の提出があったことも踏まえ、不出頭はやむを得ないものとして認めることと決定いたしました。
 次に、証人の証言拒否についてでありますが、出頭した3名のいずれの証人においても、証言拒否はないものとして認めることと決定いたしました。
 次に、記録の不提出についてであります。本委員会において、地方自治法第100条第1項に基づき提出を求めた記録の中には、現存しない、あるいは入手できなかったなどとして提出されなかったものもありました。これら提出されなかった記録につきましては、第17回委員会において、いずれの不提出の理由につきましてもこれを正当なものとして認めることと決定いたしました。
 次に、宣誓拒否についてであります。第6回委員会で行いました小泉文人議員に対する証人尋問の冒頭で、委員長より証人に対し宣誓を求めたところ、小泉証人は、質問には精いっぱい答えるつもりであるが宣誓をする意思はないとして宣誓を拒否した上で、その理由を疎明する文書を提出しました。なお、証人尋問自体は当日予定どおり行われました。この宣誓拒否に係る疎明について、本委員会といたしましては、第17回委員会において、本委員会に対する法的支援を依頼している弁護士の見解などを踏まえ、これを正当な理由として認めることと決定いたしました。
 次に、ここからは本調査事件に係る検証及び結果について申し上げてまいります。
 まず、検証の方法についてであります。本調査事件の対象となるアンケートは、小泉議員及び鈴木前議員が平成23年度から平成25年度にかけて実施したとされる合計8件であり、検証すべき内容も多岐にわたるものであります。そこで、本委員会では、調査により得られた証言や意見、提出された記録等に基づき、まず、各委員において検証すべき事項を抽出し、本調査事件に関する論点等につき委員共通の認識を得た上で、各委員が抽出された全ての事項について自身の見解を検証として示す作業を通して、委員会としての検証結果を得ようとしたものであります。
 具体的に申し上げますと、本委員会において顕出された全ての証拠資料及び職務上顕著な事実並びに各委員から提出された検証内容に基づき、調査の対象を大きく年度単位に分けた上でそれぞれ検証を行うこととし、その順序については、各委員から提出された検証内容が、平成24年度に実施したとされるアンケートに集中していること、平成24年度と平成25年度におけるアンケートの実施方法等の類似性が高いと考えられること等に照らし、平成24年度、25年度、23年度の順に行うことといたしました。また、前述のとおり、鈴木前議員は証人として出頭することができなかったため、その証言は得られなかったものの、鈴木前議員と小泉議員は当時同じ会派に所属していた点も踏まえ、小泉議員が証人尋問で行った証言の内容を軸として検証を進めることといたしました。
 そして、よりきめ細かな検証を行うため、8件のアンケートそれぞれにつき、政務活動費等を使用してアンケートを実施する過程、すなわち、①アンケートの企画及び立案、②アンケート回答用はがきの発注及び印刷、③切手の購入及びはがきへの貼付、④はがきの配布、⑤はがきの回収、⑥結果の集計及びアンケート調査報告書の作成及び⑦収支報告書の作成及び提出という7つのプロセスに分解した上で、各委員による検証内容等を踏まえた詳細な検証を行ったものであります。なお、①から④のプロセスについては、いずれかにおいて確定的に当該事実が否定された場合、以後の検証をまつまでもなく、アンケートの不実施そのものが認定されることとなります。
 次に、検証対象とした8件のアンケートの概要について申し上げます。
 平成23年度においては、平成24年3月に実施したとされる1件のみであります。具体的には、平成24年3月5日から同月20日までを実施期間とし、印刷したはがき及び購入した切手の枚数はいずれも6,000枚とされております。
 次に、平成24年度においては、平成24年5月及び12月並びに平成25年2月及び3月に実施したとされる合計4件であります。具体的には、平成24年5月アンケートについては、平成24年5月1日から6月1日までを実施期間とし、印刷したはがき及び購入した切手の枚数はいずれも6,000枚とされております。また、12月アンケートについては、平成24年12月15日から平成25年1月15日までを実施期間とし、印刷したはがき及び購入した切手の枚数はいずれも9,000枚とされております。また、平成25年2月アンケートについては、平成25年2月15日から3月15日までを実施期間とし、印刷したはがきの枚数は9,000枚とされております。ただし、切手の購入には政務活動費等を充てておりません。また、3月アンケートについては、平成25年3月21日から4月15日までを実施期間とし、印刷したはがきの枚数は4,000枚とされております。ただし、切手の購入には政務活動費等を充てておりません。
 次に、平成25年度においては、平成25年5月及び11月並びに平成26年2月に実施したとされる合計3件であります。具体的には、平成25年5月アンケートについては、平成25年5月20日から6月20日までを実施期間とし、印刷したはがき及び購入した切手の枚数はいずれも6,000枚とされております。また、11月アンケートについては、平成25年11月20日から12月20日を実施期間とし、印刷したはがき及び購入した切手の枚数はいずれも7,000枚とされております。最後に、平成26年2月アンケートについては、平成26年2月5日から3月5日までを実施期間とし、購入した切手の枚数は4,000枚とされております。ただし、はがきの印刷には政務活動費等を充てておりません。
 なお、8件のアンケートに関するはがきの印刷に係る収支報告に添付された領収書の発行者は、平成24年3月アンケートについては三立工芸株式会社、その他の7件のうち、印刷代に政務活動費を充てていない平成26年2月アンケートを除く6件は有限会社クアンであります。
 次に、検証の具体的な内容についてであります。
 まず、平成24年5月アンケートに関して、アンケートの実施プロセス①、すなわち、アンケートの企画及び立案について具体的な検証を行いました。小泉議員の証言や証拠資料等に照らすと、まず、企画及び立案した者については小泉議員及び鈴木前議員の両氏であること、アンケート項目の設定等は小泉議員が行ったこと、また、アンケートの目的は市民意識の調査にあること、また、企画立案の時期は遅くとも印刷代金領収書の記載年月日である平成24年4月24日前であることが一応推認されたところであります。しかし、これらのことを積極的に肯定するほどの根拠も見当たらなかったため、最終的な判断は一旦保留し、次のプロセスに移ることといたしました。
 実施プロセス②、すなわち、はがきの発注及び印刷に関する具体的な検証といたしましては、まず、収支報告にはクアンの領収書が添付されていたところ、小泉議員の証言によれば、実際に印刷を行ったのは三立工芸であり、クアンの領収書は政務活動費の残額等の体裁を整えるために添付したとのことでありました。
また、三立工芸からは、本件印刷に係る納品書の控えの写し及び領収書の控えの写しが記録として提出されました。しかしながら、かかる証言に至る経過や提出された記録に対し、多くの委員が違和感あるいは不自然さを感じたところであり、本委員会は、さらに三立工芸に対し、当該取引の存在を証明する帳簿等の書類の写しの提出を求めましたが、顧客情報等の保護の観点から提出できないとの回答がなされたものであります。以上のことから、クアン発行の領収書については、経済実態を伴わない架空のものと評価できるものの、三立工芸によるはがきの印刷の事実がなかったものと断定することは困難であったため、最終的な判断は一旦保留し、次のプロセスに移ることといたしました。
 アンケートの実施プロセス③、すなわち、切手の購入及び回答用はがきへの貼付における具体的な検証といたしましては、まず、切手の購入については、収支報告に添付された郵便事業株式会社が発行した領収証書に照らし、特に問題なく認められました。次に、回答用はがきへの切手の貼付については、小泉議員の証言によれば、知人らの協力も得た上で、1枚1枚をはがきに貼付したとのことであります。ただ、この証言に対しては多くの委員からさまざまな指摘がなされ、また、本委員会といたしましても、現在に至るまで切手が貼付されたアンケート回答用はがきが本委員会に1枚も提出されていない上、切手の貼付作業等を目撃したと証言する者が1人も名乗り出てこないことは極めて不自然であると、大変厳しい評価をしているところであります。しかし一方で、この時点では切手は貼付されていないと断定するまでの根拠も見当たらなかったため、最終的な判断は一旦保留し、次のプロセスに移ることといたしました。
 アンケートの実施プロセス④、すなわち、回答用はがきの配布に関する具体的な検証といたしましては、先ほどの切手の貼付についてと同様に、小泉議員は知人らに協力してもらった旨を証言しているものの、この証言に対しては、本件アンケートの規模の大きさ等にも鑑みると、目撃証言や伝聞証言の顕出、あるいは配布先リストの提出等があってしかるべきなのに、実際は全くなく、また、配布先リストの提出等は容易にできるものであるにもかかわらず何ひとつ提出されていないという現状を踏まえれば、はがきの配布について疑惑が深まるのも無理からぬことである旨の指摘が多くの委員からなされ、また、本委員会としても、前述の切手の貼付についてと同様に、大変厳しい評価をしているところであります。しかし一方で、この時点では、はがきの配布がなされていないと断定するまでの根拠も見当たらなかったため、最終的な判断は一旦保留し、次のプロセスに移ることといたしました。
 以上のように、アンケートの実施に係る各プロセスについて順次検討を行い、その他7件のアンケートについても同様に検証を行ったものであります。
 これらの検証を踏まえ、平成25年2月アンケート及び同年3月アンケート以外の6件のアンケート全てについて、実施プロセス③、すなわち切手を購入したということ、また、平成25年2月アンケートについて実施プロセス①、すなわちアンケートの企画及び立案に関して、ほかのアンケートと合同実施をしようとしたものではないこと、さらには、平成24年3月アンケートについて実施プロセス②、すなわちアンケート回答用はがきの発注及び印刷が行われたということが本委員会の判断として確定的に判明したと言えるところであります。
 なお、本委員会はこのような形で調査ないし検証を進めてまいりましたが、その過程で本調査事件に関する幾つかの重要な事実が認められました。
 その主なものを申し上げますと、平成24年度及び25年度に実施されたとされる本件アンケート回答用はがきの印刷に関し、収支報告書には有限会社クアンを発行者とする領収書が添付されていたところ、実際に印刷を行ったのは三立工芸株式会社であり、クアンの領収書は政務活動費等の残額等に合わせるために添付された架空のものであったこと、クアンの取締役には小泉議員の名前があるほか、同社は休眠状態であり、平成24年度及び25年度は決算及び税申告等を行っていないこと、アンケート調査報告書の作成において、一部集計に適正さを欠いていた可能性があると小泉議員本人も認めていること、本件アンケートのうち平成24年12月に実施したとされるものについて、回答用はがき等には青山議員の名前があるものの、実際には青山議員は関与していなかったこと、本件アンケートのうち、平成25年2月に実施したとされるものと合同で実施したとされる会派緑風会第1が平成24年10月に実施したとされるアンケート調査については、そもそも行われていなかったこと、小泉議員と青山議員との間において、政務活動費等に係る現金のやり取りが行われていたこと、また、青山議員の証言によれば、当該アンケートに使用するため購入したとされる切手は、同議員が自身の後援会の会報の送付に使用したことなどであります。
 続きまして、調査の結果について、すなわち本件アンケートは実際に実施されたのか否かについてであります。この点につきましては非常に重要な部分でありますので、調査報告書の該当箇所を読み上げさせていただきます。
 以上のとおり、本調査事項に係る8件のアンケートそれぞれにつき、できる限りの検証を行ったところである。
 しかるに、最後まで、アンケートを実施したことを示すはっきりとした痕跡は、いずれの証言、証拠その他の資料においても確認することはできなかった。
 だが、このことに関連して、次のことを指摘することができる。
 まず、小泉氏においては、証人尋問における委員からの質問内容等に照らせば、相当早い段階から、委員がどういった点に問題意識を持っているのか、あるいは、説明を求めているのかについて、これを容易に理解できたはずである。にもかかわらず、現在に至るまで、ついには、委員から理解を得ることができるだけの主張及び立証は十分にはなされなかったといわざるを得ない。また、尋問においては、印刷を実際に行った者はクアンではなく三立工芸であるという重要な事実について、委員に正確な理解を求めようとするどころか、逆に誤認を与えようとしているようにすら感じられる証言や態度をとっていたともいえる。そして、このことが、委員にさらなる疑念を抱かせることとなった大きな要因ともなっている。
 また、三立工芸においても、本委員会から(議長経由で)事実解明に資する書類のさらなる提出を求めた際、営業上の秘密や機密情報の保持のための黒塗り等様々な配慮に係る提案を併せて行ったにもかかわらず、本委員会に書類を提出しなかった対応は理解しがたい。
 したがって、上記の点、及び、これまで述べてきた小泉氏らの数々の不自然かつ不誠実といわざるを得ない態度等に鑑みて、「アンケートは本当に実施された」などとは到底考えることができないといった心証を形成している委員が多いところである。
 ただ、相当程度の疑いは差し挟まれているものの、三立工芸から、アンケート回答用はがきを受注及び印刷したということを一応示し得る書類(領収書と納品書の控えの写し)が、本委員会に顕出されているところでもある。
 そして、通常の経験則に照らすと、印刷が行われた事実が確定的に否定できず、かつ、特段の反証もできない場合には、その後のプロセス、すなわち、切手の貼付、はがきの配布、回収等に関していずれも行われたものとする主張は、一応は成り立ち得るものと考えられる。
 結局のところ、まさに(捜査機関ないし司法機関とは本質的に異なる)本委員会の調査権の限界ともいうべきところであるが、三立工芸からの書類の真正性について、これを明らかにするだけの決め手を得ることができなかったのである。
 言い方を変えれば、この書類の存在が、客観性及び公正性をも求められる本委員会の判断において、実施・不実施いずれかの結論を下すことを最後まで困難にしている最大の要因でもある。
 いずれにしても、上記のとおり、多くの委員が大変厳しい心証を形成しているところではあるが、一方で、客観性及び公正性をも求められる本委員会の判断として、「アンケートを実施していない」と断言することまでは困難であり、かかる苦渋の判断となった次第である。なお、当然ではあるが、この判断は、決して、小泉氏及び鈴木氏が「アンケートを実際に実施した」ということを積極的に首肯する趣旨のものではないことは、敢えて強調しておく。
 また、多くの委員から、本委員会の調査権の限界にも関連したものとして、今後、本件に関し、市民ないし議員の中から刑事告発等がなされる可能性が予想されるところだが、捜査機関において厳正な捜査が行われ、真実が明らかになることに期待を寄せたい旨の意見があったことを申し添える。
 以上が本調査事件に係る調査の結果についてであります。
 また、検証の過程において、政務活動費の運用面等に関する多くの問題点が判明いたしました。
 その主なものについて調査報告書から抜粋して申し上げますと、小泉氏らが政務活動費等の残額に合わせるためだけに、経済実態を伴わない架空の領収書を支出伝票に添付及び提出した行為は、極めて不適切であったと言える。政務活動費の手引きやルールに対してどのように考えているのか疑念を抱くところである。アンケートの集計に不適切な点があったにもかかわらず修正しないで処理したのであれば、当然非難されるべきである。市議会議員が、自身が取締役である会社に対して政務活動費等を使用して業務を発注したかのように装うことは、市民に誤解を与える行為であり、地方自治法第92条の2の精神に照らしても非難されるべきと言える。決算書類を作成もしていない、税務申告も行っていない、法人市民税の納付も行っていない会社に対して、政務活動費等を使用して業務を発注したかのように装うことは、市民に誤解を与える行為であり、非難されるべきと言える。青山氏がアンケート調査を実施する意思がないのにもかかわらず、アンケート調査名目で切手を購入し、政務調査費の支出を受けた行為は、条例違反の疑いが濃厚であるなどの点が指摘されたところであります。
 続きまして、本調査における総括として、調査報告書から主な部分を抜粋して申し上げます。
 縷々検証を進めた中で示してきたとおり、結局のところ、本調査事項に係るアンケートの実施の有無については、これを断言できるだけの確証を得ることはできなかった。地方自治法第100条に定める調査権は罰則を伴う強力な権限であるとされているものの、事実の有無を確信をもって論じるには、かかる権限にもやはり限界があったということを痛感している次第である。
 実際に、いざ調査がはじまると、小泉氏は、(全会一致で可決された)本委員会の設置そのものに強烈な異議を唱え、さらには、証人尋問で宣誓を拒否する、あるいは、曖昧で説得力に欠ける説明を繰り返すといった、自身がこれまでに主張してきた発言や態度とはおよそかけ離れた言動をとり、本委員会の調査にとても協力的とは思われない様子が多々見受けられたところでもある。
 このように、当初から調査が難航することが予想された中で、本委員会は、およそ1年2か月にわたり、粘り強く調査を行ってきた。実際に、この調査によって、例えば、前述のとおり、印刷を実際に行った者はクアンではなく三立工芸であったこと、平成24年10月アンケートはそもそも行われていなかったこと、また、平成24年12月アンケートに青山氏が参加していなかったこと等、調査前には全く分からなかった事実をはじめ、多くの重要な事実が明らかとなった。
 この点については、委員から、さらに調査を継続すべきとする意見が見受けられたところであり、これはもっともなことでもある。
 しかしながら、本委員会が設置されてから相当程度の期間が経過していること、また、調査にも限界が見え始めてきたこと等を考慮し、この時点で、最終的な検証を行うとともに、市民に対しその報告を行うことが肝要と判断した次第である。
 そして、小泉氏からなされた説明も、委員の疑念を払拭するまでにはついに至らなかったといわざるを得ない。検証の冒頭にも示したように、本委員会は、調査対象者においても、本件アンケートが確実に実施されていたことを説明する場でもあったのであるが、これが積極的になされなかったと認められる点は、本委員会としてもやはり残念なことである。小泉氏は、当初クアンで印刷を行った旨を述べていたところ、証人尋問では委員から厳しい質問が続いた結果、ついに、実際には三立工芸に印刷を依頼しており、クアンの領収書は体裁を整えるためのものであったと証言を変えるに至った。このことに加え、8件のアンケートの実施を直接証明するはがきの現物が最後まで示されなかったこと、あるいは、鈴木氏から結局証言を得ることができなかったことも含め、調査対象者の側からアンケートの実施に係る証明が積極的になされなかったことが、ひいては、迅速な調査の進行を阻害し、本調査をここまで長引かせる要因ともなったといえるのである。
 これらのことに対する小泉氏らの責任は決して軽いものではない。
 なお、先般、本委員会が設置されるに至った経緯等も踏まえ、政務活動費の交付に関する条例が全部改正されるとともに、運用手引きの大幅な改正が行われたところである。
 例えば、運用手引きにおいては、会報、アンケート等の郵送料には料金別納郵便等を利用することとし、切手あるいは料額印面が印刷されたはがき等の購入に政務活動費を充てることは認めない旨を定め、再発防止のための制度的担保が講じられたほか、万が一、アンケートの実施について疑義が生じた場合でも、客観的な資料に基づいて説明責任を十分に果たすことができるよう、回収したアンケート用紙を5年間保管しなければならないとも定められたところである。
 いずれにしても、本委員会の調査を通じて、本市議会における政務活動費の使途に対し、市民から極めて厳しい視線が注がれていることがより明らかとなった。今後は、政務活動費に関わる一人ひとりが、このことを一層肝に銘じ、使途の透明性を確実に担保するため、制度の厳格な運用及び使途に関する一層の説明責任を果たし続けていくことが、切に求められていることを、改めてここで述べておく。
 以上が、本調査に関する総括であります。
 次に、調査経費についてであります。
 本調査事件に係る経費といたしましては、平成27年6月17日、本委員会の設置が議決された際に100万円以内とされましたところ、その後の調査の進捗に伴い、同年12月11日に100万円、さらに、平成28年3月17日、28年度分の経費として100万円を追加する議会の議決を経て、合計300万円以内とされました。
 また、決算見込額といたしましては、証人の出頭及び参考人の招致に係る費用弁償、会議録の調製、配付資料等の印刷や用紙に係る費用、弁護士への法的支援業務委託に係る費用など、平成27年度分として130万6,820円、平成28年度分として66万4,814円、合計197万1,634円とするものであります。
 本委員会といたしましては、以上のとおり申し上げてきた内容をもって調査報告書案として、平成28年8月23日の第19回委員会においてこれを全会一致で可決いたしました。
 最後になりましたが、報告を終えるに当たり、約1年2カ月にわたる本調査に積極的かつ真摯に取り組んでこられた委員各位及び本委員会の法的支援をお引き受けいただいた本多教義弁護士並びに関係各位に対し、厚く御礼を申し上げます。
 以上、御報告申し上げます。
○稲葉健二議長 これより委員長の報告に対する質疑に入ります。質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○稲葉健二議長 質疑はありませんので、質疑を終結いたします。
 これより討論に入ります。討論はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○稲葉健二議長 討論がありませんので、これをもって討論を終結いたします。
 これより政務活動費等により切手を大量に購入した議員の調査に関する特別委員会調査報告書を採決いたします。
 本調査報告書を委員長の報告のとおり決することに賛成の方は賛成のボタンを押してください。――ボタンの押し忘れはありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○稲葉健二議長 ないものと認めます。
 集計いたします。
 賛成者全員であります。よって本調査報告書は委員長の報告のとおり可決されました。
 以上をもって政務活動費等により切手を大量に購入した議員の調査を終了いたします。
 お諮りいたします。議事の都合により、明9月27日から9月28日まで、2日間休会することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稲葉健二議長 ないものと認めます。よって、明9月27日から9月28日まで2日間休会することに決定いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後2時41分散会

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