教育長室からのお知らせNo.1

　日本の社会は激動の時代を迎えています。政治・経済の変動や、地球規模での環境の変化など、いまだかつてない急速な変化が進んでいます。「最近の子どもは変わった」とよく聞きますが、子どもを取り巻く環境がこれだけ大きく変化しているのですから、当然といえば当然です。
　しかし、子どもたちが学習や運動、文化活動に熱心に取り組むひとつひとつの場面にめぐり合うと、「より良くなりたい」と願う一心な眼差しと素直な向上心に、今の子どもたちも昔と何ら変わらないと私の胸はだんだん熱くなってきます。
　この激動の時代に、社会のさまざまな問題に対応しより良く解決しようとする主体的・創造的な人間の育成が求められています。学校でも情報教育や環境教育などさまざまな取り組みを進めていますが、今後も急激な社会変化に対応する教育の必要性はいっそう増してくることでしょう。しかし、いっぽうでどんなに社会が変わろうと人間が身につけていなければならないものがあります。基礎的基本的な内容や、命を大切にするなどの豊かな人間性、たくましい体などは、教育の本質的な部分としていつの時代にあっても必要なことです。
　「不易と流行」という言葉がありますが、教育においても時代のニーズにあわせた「流行」の部分と、いつの時代にあっても普遍的な「不易」の部分があります。いずれも大切なものですが、子どもたちの実態に合わせて「不易と流行」をバランスよく行っていくことが必要です。
市川市教育委員会では、時代のニーズと市川市の実態にあわせ、教育の「不易と流行」をバランスよく進めていきます。平成21年3月には市川市教育振興基本計画を策定し、市川市の教育の基本方向を明らかにしたところです。子どもたちを取り巻く環境は絶えず変化していますが、子どもたちが素直にまっすぐ努力する本性に変わりはないと考えています。子どもたちの夢を実現できるよう、私たち教育委員会が努力することはもちろん、市民のみなさんと手を携え協力しあって市川市の教育を前進させていきたいと考えています。

教育長　田中　庸惠