更新日: 2024年2月2日

教育委員からのメッセージ

山元幸惠教育委員(職務代理者)、島田由紀子教育委員、大高究教育委員、広瀬由紀教育委員、田中大介教育委員

学校で絵を描くこと(令和2年12月) 教育委員 島田由紀子

普段は大学で小学校や幼稚園、保育所の先生をめざす学生を対象に、絵や工作の授業を担当しているのですが、「どうしたら上手く絵が描けるようになりますか?」と絵に苦手意識を持つ学生に尋ねられることがあります。同じような質問は、幼稚園や小学校の先生からも尋ねられることがあります。「上手く描けるように=本物そっくりに描く」、ということを指しているのだと思いますが、上手く描けるようになるには練習するしかありません。本物そっくりに描くことを目標にするならば、身近なものを描くことから始めてもよいと思いますし(シンプルで硬い質感のものが描いやすいと思います)、上手に描くためのメソッドやワークブックなど様々な方法が書籍やネットで紹介されている物を活用する方法もあるかと思います。

一方で、スマートフォンやデジタルカメラの普及で写真が身近になり、パソコンを使って画像を絵のように加工することが容易になると、本物そっくりに描くことの意味がどこにあるのか疑問に思うこともあります。絵を描く目的が、本物そっくりに描くことであるならば、本物そっくりに描く技術を身につけていくとよいと思いますが、自分の思いや考えを自分の言葉や文章で表現することができるように、自分の表現したいことにふさわしい色や形を選んだり組み合せたりする表現の楽しさや面白さを感じられるようになると、本物そっくりに描くことだけにこだわらなくなるように思います。

学校や幼稚園では先生が描く方法を示してくれますが、先生とのやりとりがある中で、自分の絵(表現)や描く方法(表現方法)を模索していくことになります。また、友達の絵や描く様子から自分とは異なる表現や描き方を知ることもあります。上手に描くことはひとりでもできますが、自分の表現を見つけるには導いてくれる先生と友達の存在がとても大切です。

自分の表現を見つけられるようになると、絵を描くことが楽しくなり描かなくても好きな色や形を意識するようになって生活も変化していきます。普段目にするモノの色や形、素材の持つ質感にも興味が広がり、たとえば持ち物や洋服の組み合せを考えることが楽しくなります。学校で先生や友達と絵を描くことを通して自分の表現を見出すことは、日々の生活を豊かにすることにつながっていきます。

市川の散歩道(令和2年12月) 教育委員 大高究

゛歴史と文化の街”市川にはそれに加えて豊かな自然がある。大都市東京に隣接していながら、江戸川を渡って市川にはいると空気感が一変する。長く住んでいるとついそのありがたさを忘れがちだが、市川の環境の良さは言い尽くせない。そんな市川の歴史、文化、自然を満喫できる小生お気に入りの散歩道を紹介したい。散歩と言うには距離が長く一日がかりのコースではあるが、部分的には幼稚園生の頃から慣れ親しんだ道である。

JR(昔は商線)市川駅を出発。国道14号を西に進み市川橋で江戸川土手に上がる。上流に顔を向けると素晴らしい眺望が広がる。この景色は何十年と変わっていない。比較的新しい和洋女子大学のランドマーク的な校舎も違和感なく周囲と調和していると思う。国府台方面に向かい、川面を眺めながら快適な土手歩きを楽しんで「里見公園」に上がる。それぞれの拠点の詳細はいまさら小生が説明する必要もないであろう。公園内を散策し、桜並木をくぐり抜けバス通りに出る。国府台病院を正面に見て少し松戸方面に進み右に折れる。「じゅんさい池緑地」に立ち寄り「下総国分寺」を目指す。下り登りで多少疲労感が出てくるところである。国分寺では、隠れ名所(?)の「水琴窟」の水滴音に耳を傾けたい。次に訪れるのは「真間山弘法寺」。再び下り登り。「しだれ大桜」がこれからも見事な花を咲かせ続けてくれることを願っている。「仁王門」を抜け、学生の頃トレーニングで駆け登った石段を下り「手児奈霊神堂」(我々には「手児奈さん」で親しまれている)へ。手児奈伝説を思い浮かべたり、池で亀の姿を探したり。そしていよいよ終盤。「真間の継ぎ橋」を渡り「大門通り」を南下。この通りのお店や建物には昔と今とが混在しており、眺め歩いて飽きることがない。国道14号に出るとゴールの市川駅はすぐそこである。

多くの文化財や歌人の足跡をたどり、四季折々の美しい自然を目のあたりにできる素晴らしい市川の散歩道、コロナ禍が収束し、再び大手を振って闊歩できる日を待ち望んでいる。

学校教育におけるICTの活用について(令和2年12月) 教育委員 山元幸惠

11月16日、本年度2回目の総合教育会議が開かれ、「特別な支援を要する子どもへの切れ目ない支援をどう実現するか」と「学校教育におけるICT活用をどう推進していくべきか」をテーマに、市長と教育委員が忌憚のない意見交換を行いました。その中で、学校教育における「デジタルとアナログの使い分け」さらには「それぞれの果たすべき役割」について議論となりました。それについて少し考えを述べさせていただきたいと思います。

現在、日本の学校教育におけるICT環境の整備状況は、残念ながら先進国の中で最低水準にあると言われており、国もこの現状を踏まえ、環境整備を前倒しで進めようとしています。本市においても、いち早く学校における無線LANの整備や児童生徒用のタブレットの導入など、環境の整備に全力で取り組んでおります。

しかし、ICTの活用により目指している「誰一人取り残すことのない、個別最適な学び」を実現するためには、環境整備とともに、それを活用するためのスキルを教師自身が身に付けることが欠かせない条件となります。先日訪問した中学校では、初歩的とは言え、ICTを積極的に活用し、工夫しながら授業に取り組む教師たちの姿と、授業に集中する生徒の姿を見ることができました。ICTがもたらす便利さや効率性を真の学力向上につなげるためには、教育委員会も率先して活用に関する研究や研修に取り組み、学校を支えていく必要があると強く感ました。

その一方で、「教師と子ども」「子ども同士」の直接的な触れ合いやコミュニケーション、バーチャルではない様々な実体験が、子どもの好奇心や豊かな感性を育むことも忘れてはならないと考えています。教師一人一人が「目の前の子どもをしっかり見て理解に努め、直接的なかかわりの中で認め育む」というこれまでのアナログ的教育こそが教育の原点であり、今後もその充実に資する支援を教育委員会は推進していくべきと考えています。

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