文化財(国指定)姥山貝塚

姥山貝塚(うばやまかいづか)

姥山貝塚
姥山貝塚公園

この貝塚は、縄文時代中期から後期(今から約5000年前から3000年前)に形成された、東西約130メートル、南北120メートルの馬蹄形貝塚です。堀之内貝塚と同様、ハマグリを主体としてアサリ、シオフキなど30種以上の貝が出土しています。

貝塚の調査は明治26年以降何度も行われていますが、とくに重要なのは大正15年に東京人類学会が行った発掘遠足会です。この調査で人骨や遺物とともに竪穴住居跡などが発見されていますが、竪穴住居跡の全容が平面的にとらえられたのは、わが国で初めてのことでした。人骨は一つの竪穴住居跡の床に、事故にあったとも思えるような折り重なった形状で、子供1体、成人女性2体、成人男性2体の計5体が発掘され、貴重な資料となりました。

出土した中期の土器

その後の発掘調査により、土器については阿玉台式、加曽利EI式、堀之内I式、加曽利BI式など縄文時代中期から後期にかけてのものが数多く発見されました。また、共同墓地と思われる場所からは、多数の人骨とともに装身具や特殊器形の土器なども見つかり、注目されました。現在までに発見された竪穴住居跡は39か所、人骨は143体にのぼります。

「でえだらぼう」と姥山貝塚

でえだらぼう

「でえだらぼう」は、「ダイダラボッチ」「だいらんぼう」「だいらぼう」「だいだら坊」「デエダラボッチ」「でいらぼっち」等とも言われ、奈良時代に編纂された「風土記」にも表されているように、古くから伝わる巨人伝説です。

古代の人たちが、海から遠く離れた台地に残る貝塚などを見て、不思議に思いながら想像した巨人であると考えられます。

市川にも姥山貝塚のある柏井周辺では、台地に湧水の池が多くあり、巨人の足跡ではないかと伝えられていたようです。県内・近県にも巨人が残した足跡の伝説が語り継がれています。

一方、日本民俗学の祖である柳田国男は、『ダイダラ坊の足跡』という論考の中で、「大人(おおひと)」を意味する「大太郎」に法師を付けた「大太郎法師」であり、一寸法師と対をなすものと解釈しています。

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姥山貝塚公園利用者用駐車場について

姥山貝塚駐車場は、令和2年3月31日をもちまして、閉鎖となりました。

アクセス

所在地
柏井町1丁目1212ほか
交通
JR武蔵野線船橋法典駅より市川市コミュニティバス(循環ルート右回り)にて、「姥山貝塚公園」下車 徒歩5分
見学
姥山貝塚公園として一般開放。

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