更新日: 2024年7月5日

市川市のあゆみ 第13回 昭和50年7月1日号

市川市市制施行90周年を記念して、市川市の歴史を広報いちかわで振り返る全32回の連載企画です!第13回の今回は、昭和50年7月1日号の中から選りすぐりの記事をお届けします。

市川市のあゆみ 読み方のご案内

  • 紙面から市職員が選んだ、発行当時の様子がわかる興味深い記事を2つ掲載します。
  • 古くて読み取れない場合もあるため、2つの記事にはそれぞれ職員が書き起こした文章を掲載します。
    • 古い文章については平易な文章に直している場合があります。直し方が正しくない場合もあるかと思いますが、読みやすさを優先させていただきますのでご了承ください。
    • アクセシビリティツール「FACIL'iti(ファシリティ)」をご利用いただけます。ページの見た目を、視覚・動作・認識でお困りの症状をお持ちの方にとって、見やすく、使いやすいように変換するサービスです。使い方はアクセシビリティツールをご覧ください。その他、お手元の端末での読み上げソフトをご活用いただくことで、文章の読み上げにも対応しています。
  • 市川市中央図書館にて過去の広報の全紙面をご覧いただけます。ただし、一部欠号がありますのであらかじめご了承ください。

考え直そう「使い捨て」ゴミの増加=資源の浪費

紙面の切り抜き 考え直そう「使い捨て」ゴミの増加=資源の浪費

私たちの生活の向上に伴ってゴミも増加するとよくいわれます。本号では「清潔な市川市」と題し、ゴミをめぐるいろいろな問題について市民の皆さんと一緒に考えてみたいと思います。(関連記事2面に掲載)

【リヤカー収集から自動車収集へ】
リヤカーでチリンチリンと鈴を嗚らして厨芥(台所から出たゴミ)を収集していた時代、ずい分昔のことのようですが、まだ十数年しかたっていないのです。昭和36年の記録によれば、当時自動車12台、リヤカー40台、作業員85名でゴミ収集にあたっていました。1.5トン車18台、2トン車41台など計64台の車が1日3~4往復して、市内のゴミを収集している現在からは信じられない数字です。当時の収集は、台所から出るゴミ(厨芥)を除いた雑芥をいわゆるゴミ箱に拾て、約20日に一度収集、そして厨芥はチリンチリンのリヤカーが別に別集していたのです。
しかし、節約を美徳とする時代から、使い捨てを美徳とする大量消費時代にはいったこのころ(1960年代)、もはや、このような処理方式では問に合わず、各戸がポリ容器にゴミを入れ、それを市街地で週3回、その他の地域で週2回収集する方法に変わりました。(昭和38年4月)

【処理施設も増設】
ゴミの増加は、それを処理する施設の増設を迫りました。昭和30年に一日の処理能力18トンで操業を始めた柏井の焼却楊は、37年2月には37.5トンの焼却炉を増設、さらに40年3月には、一日50トンの処理ができる第三号炉の増設をしています。こうして増設を重ねた柏井の焼却場も、操業を停止した昭和48年には市内の全ゴミのわずか6分の1しか処理できず、残りは埋立処理をしていました。しかし、咋年完成した西浜清掃工場は、燃えるゴミー日450トン、燃えないゴミ、大型ゴミ一日60トンも処理することができ、現在のところ十分余裕をもっています。

【不燃ゴミの増加】
捨てさせる。ムダ使いをさせる、早く旧式にして買い替えさせる、といったあらゆる手段で消費をあおる「消費の経済」は、単にゴミの総量を飛躍的に増やしたばかりでなく、処理しにくいプラスチックや、ビン、カンなど燃えないゴミの割合を大きくしてきました。
買物カゴをさげてのおつかい姿が見られなくなったのはいつ頃からでしょうか。ナベを持って買ったことはもう昔話になろうとしています。みんなポリ袋に入れてくれるようになりました。発泡スチロールの皿に盛られ、プラスチックのバックに入れられ・・・。そして、これらポリ袋や容器はたった一度の役目を終えると、すぐゴミとして拾てられてしまうのです。
空きカンやポリ容器の増加も大変なものです。人件費が高いのでメーカーは空きビンを回収して再利用するより、使い捨てのカンやポリ容器を使います。消費者は返却する方法もなく、また、再利用することもできないので、やむを得ずゴミとして出してしまいます。こうして、メーカーの利潤のために考え出されたカンやポリ容器(安上がりな入れ物に見えますが、メーカーはそれを処理する費用を負担していないからです。)そして、回収すれば何回も使えるビンまでもが、ゴミとして出され、清掃工場で砕かれてしまうのです。
市川市の場合、一般のゴミの約三割を、処理しにくいプラスチックや、燃えないビン、カンなどの、いわゆる「不燃ゴミ」が占めています。これらのゴミを処理するには、特別の収集方法、処理方法が必要で、市川市では昨年4月から燃えるゴミ・燃えないゴミ・大型ゴミをそれぞれ異なった方法で処理するために、分けて収集する「分別収集」の方法をとっています。

【大型ゴミも増加】
一方、電気器具を中心とした大型ゴミの増加も著しいものがあります。大型ゴミの集積所には、まだ使えそうな家具や電気器具が山ほど出されています。「型がふるくなった」、「故障したが修理してもらえない」といった理由で捨てられていくのでしょう。アメリカに次ぐ世界第二の生産国となった自動車も、ゴミの予備軍であり、その処理が深刻な問題となってきています。
これら耐久消費財は、その年々の生産台数のカーブから耐用年数だけ遅れて廃棄物のカーブが描かれるわけで、今、使っている洗濯機もピアノも自動車もやがては大型ゴミとして排出されるのです。市川市では大型ゴミの収集を現在3か月に2回行っていますが、それでも収集車一台では積み残しが出るほどになっています。

【ゴミの処理=市町村の負担】
このように「生めよ、増やせよ」ならぬ「作れよ、捨てよ」の日本経済は、そのままその廃変物の処理をまかされた市町村の大きな負担となって現われてきます。ゴミが増えたから収集回数を増やし、処理場を増設する、それには収集車や作業員を増やさなければならない・・・。このようにして、市町村がゴミ処理に投じなければならない経費はゴミの量に比例してふえていきます。

【ゴミの処理=市川市の場合】
現在、市川市でゴミの収集にあたっている車は1.5トン車18台、2トン車41台、3トン車1台など計64台(うち委託が30台)、従事している職員は197名(うち委託60名)です。市内に設けられた集積所は約6千ヵ所、64台の収集車が一日3~4往復して清掃工場に運ぴます。
市内の家庭から一日に排出されるゴミは約300トン。ことし5月中に清掃工場で処理したゴミは、可燃ゴミとして処理したもの5800トン、不燃ゴミとして処理したもの2900トンの計8700トンでした。(このうち工場や商店からのゴミなど持込みゴミが1100トン)この一か月分のゴミを市川駅前の広場に積み上げると、バスの上にもう1台バスをのせた高さにもなるのです。このうち、燃えるゴミは昼夜24時間休みなしに稼働している清掃工場の焼却炉ですべて焼かれますが、燃えないゴミ、大型ゴミは破砕機(一日約4時間稼動)にかけられ、細かくされ、燃えるもの、鉄類、プラスチック類に分類されます。今年度予算に限って清掃費の額をみてみますと、ゴミを集める費用、清掃工場を一年中維持する費用、し尿処理の費用、環境美化の費用など全体で20憶7500万円で、一般会計総額の9.1%です。これはいわば街をきれいにする費用です。即ち市民の皆さんが20億7500万円を負担していることになるのです。

【物を大切に】
はたして、私たちは物を大切にしているでしょうか。買わなくても良かったもの、まだ使えるものが、ゴミの中にはないでしょうか。
かつて、私たちの生活から排出された廃莱物には再生利用の道がありました。ビンもカンも紙もボロ布も…。ナベも傘も電気器具も修繕、修理して使っていました。しかし、それらが使い捨てになり、ゴミとして集められ、焼却場で処理されてしまうこのシステムを私たちは、もう一度考え直す必要があります。
紙袋も、布も、ポリのバックも、アルミのカンも貴重な自然資源を使ったものなのに私たちの生活は「作れよ、捨てよ」のかけ声の中で燃やし、あるいは自然資源に還らないままの形で、つまり腐らないものを土に埋めているのです。
ゴミを減らそう、それは市川市全体のゴミを、いや全国のゴミをこれ以上増やさないように、いろいろ研究し、みんなで良い方法を考案することです。単に市の負担を軽くするためだけではないのです。有限の自然資源を使って生きている私たちは、それを有効に大切に使わなければならないからです。

【清潔な街へ】
以上述ぺてきたゴミは、皆さんの家庭から集積所に出され、市によって定期的に収集され、処理されています。それにもかかわらず市川市がまだまだ清潔な街といえないのはなぜでしょう。それは個人の敷地以外のところが汚れているからです。
空地の管理が不十分なための不法投菜、道路、駅、駅前広場、横断橋、公図など沢山の人々が利用するところに捨てられる紙くず、空カン、タパコの吸がら・・・。今や皆さんの家庭から出され、収集ルートに乗せられるゴミよりも、そのルートをはずれたゴミこそが問題となってきました。
市内の道路の面積150万4999平方メートル、駅前広楊(市川、本八幡)8310平方メートル、公園182ヵ所191ヘクタール、遊園地96ヵ所3.7ヘクタール、河川の延長15.94キロメートル、横断橋14ヵ所・・・。しかし、国道は国で、県道は県で・・・。こんなお願いをするやり方よりも、市がここで立ち上がらなければ、いつまでたっても街はきれいにならないでしょう。
そして、みなさんのご協力をいただいて、一日も早く清潔で美しいといわれるような市川市を作ります。

担当職員より

昭和50年頃の当市におけるゴミ処理の状況がわかる記事をご紹介しました。当時は現在稼働中の市川市クリーンセンター(平成6年度竣工)の前身施設である西浜清掃工場が竣工し稼働を始めた時期で、その処理能力にはまだ十分余裕があるものの、高度経済成長期を経て飛躍的に増加したゴミの量に危惧を感じさせる状況であったことがうかがえます。
現在は市民の皆様の意識が向上し、「清潔な市川市」を実現できているのではないかと感じます。一方で、記事中「ゴミの処理=市町村の負担」という部分に記載がある通り、ゴミの処理は現在も市の税収によってまかなわれていますので、引き続きゴミの発生抑制、分別徹底にご協力をお願いいたします。
当市ではいちかわじゅんかんプラン21を改定し、「資源循環型都市いちかわ」の実現に向けて、持続可能な循環型社会づくりに貢献する環境負荷の少ない廃棄物処理を市民や事業者との協働により推進しています。ごみの分別方法や、減量・資源化の取り組み方法については、ごみポータルサイトにてわかりやすくご案内していますので、ぜひご覧ください。
また、平成6年度竣工の市川市クリーンセンターは老朽化に伴い、建替えの時期を迎えています。今後の整備に関する方針や、現在の状況については、環境部クリーンセンター建設課より随時発信しています。

70歳以上の方にバスの回数券

紙面の切り抜き 70歳以上の方にバスの回数券

お年寄りの方のバス料金の一部補助として、年間を通じて千円綴回数券一冊を、市内に住民登録をしてある70歳以上(4月1日現在)の京成バスを利用される方にさしあげます。行徳支所、大柏出張所でも取扱っていますのでご利用ください。なお手続きの際には印鑑をお持ちください。

【「おとしよりサービスカード」が変わりました】
「おとしよりサービスカード」が変わりました。この制度はお年寄りや体の不自由な方が、サービス参加店で買物をする際、現金払いに限り5%の割引をする制度です。ただし、専売品、特売品は除きます。
ご利用なさる方は市役所老人福祉課、福祉事務所、婦人児童課、厚生課、または商工会議所お年寄りサービス係で交付を受けてください。ご利用できる方は(1)65歳以上の方、(2)母子家庭、(3)生活保護を受けている方、(4)交通遺児、(5)からだの不自由な方などです。(いずれも市内に住民登録をしていることが必要です。) (老人福祉課)

担当職員より

現在市川市は「健康寿命日本一のまち」をスローガンに、市民の誰もが健康上の問題で日常生活が制限されることなく、ハツラツと元気に暮らし、心の健康と体の健康のバランスがとれた、活力あふれる生涯を送ることができるまちを、あるべき姿として目指しています。当時の記事では「お年寄り」という表現をさせていただいていますが、現在は75歳以上の方を「ゴールドシニア」と呼ばせていただき、記事にあるような外出支援も含め、様々な取り組みにより、市民の皆様の健康寿命の延伸を後押ししています。
その一つがゴールドシニア外出支援事業「チケット75」です。75歳以上の方に市内で利用できるバス・タクシーを支給していますので、ぜひ申請しご活用ください。スマートフォンなどからWeb申請していただきますと、市役所等に一度も足を運ぶ必要なく、チケットを郵送でご自宅にお届けします。
Web申請にあたって、まだスマートフォンをお持ちでないというゴールドシニアの方には、スマートフォン購入補助金を支給しているほか、スマートフォンはお持ちであるもののまだまだ使いこなせていないという方には、各地の公民館主催講座として「シニアのためのスマホ活用講座」を開催しています。意外と使ってみると簡単なスマートフォンを使いこなしていただきますと、ご友人とのつながりを通して行動の幅が広がる方が多いようです。
これらの支援事業は、ゴールドシニアの方にとっては、申請や申し込みといった第一歩のハードルを高く感じられる場合があるかと思いますので、ぜひゴールドシニアをご家族に持つ方は、後押し手助けをお願いします。

読み上げソフトのご案内

一般的なOS(Windows、macOS、 ChromeOS 等)には、標準搭載の音声読み上げ機能(スクリーンリーダー)が用意されており、画面の情報を読み上げることができます。

Windows ナレーター

起動:Windowsロゴキーを押しながら、Ctrl+Enterキーを同時に押す
停止:もう一度 これらのキーを押す

ナレーターの詳細なガイド(Windows 11,Windows 10)(外部サイト)

macOS VoiceOver

起動:Command+F5キー
停止:いづれかのキーを押す。

VoiceOver ユーザガイド(macOS Ventura用)(外部サイト)

ChromeOS ChromeVox

起動: Ctrl+Alt+Z キー 
停止:もう一度 これらのキーを押す。
(注)タブレットの場合、音量小と音量大のボタンを同時に 5 秒以上押し続けると、ChromeVox が有効になったことを示す音声が鳴ります。そのままボタンを押し続けると ChromeVox の読み上げが開始されます。

組み込みのスクリーン リーダーを使用する(外部サイト)

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市川市 市長公室 広報広聴課

〒272-8501
千葉県市川市八幡1丁目1番1号

広報グループ
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電話 047-712-6994 FAX 047-712-8764