更新日: 2024年3月4日

自然環境政策専門員の観察日記(2023年度)

自然環境課の鈴木専門員が、市内の自然で見つけた生きものたちを皆さまへご紹介するコーナーです。

野鳥や昆虫、植物など、たくさんの生きものをピックアップしていきます。

皆さまの身近にも、様々な自然が広がっているかもしれません。

ぜひお楽しみください。

過去のリンク

2024年2月

ニホンアカガエル

大野町の田んぼで、ニホンアカガエルの卵塊を見つけました。この場所で見たのは初めてです。誰かが持ち込んだのかな?とも思いましたが、卵塊の数が少しずつ増えたので、ここで産卵したようです。ニホンアカガエルは2月頃に冬眠から覚めて産卵し、産卵が終わると再び土の中に戻り、5月頃まで眠ります。
県レッドリスト(2019年版)ではカテゴリーA(最重要保護生物)に掲載。

写真:ニホンアカガエル卵塊 大野町ふれあい田んぼ
最初に見つけた卵塊
写真:ニホンアカガエル 大町自然観察園
ニホンアカガエル(大町自然観察園で撮影)

2024年1月

ウソ(鷽)

大町自然観察園でウソのペアに出会いました。スズメより少し大きく、ふっくらとした体がとても可愛らしい鳥で、市内には数少ない冬鳥として飛来します。2羽のウソは仲良く、地面に落ちたカエデの種を食べていました。

鷽は“幸運を招く鳥”とされ、亀戸天神など全国のいくつかの神社では、旧年中の“凶”を祓い、新しい年の“吉運”を招く「鷽替え神事」が行われています。

ウソの写真(1)
ウソの写真(2)

2023年12月

2羽のアカゲラ

 アカゲラは中型のキツツキで、市内には冬、緑豊かな場所に飛来します。堀之内貝塚公園の調査で、2羽(雄と雌)のアカゲラを確認しました。2羽同時に確認したのは初めてです。近くに小塚山公園・じゅん菜池緑地などがあり、行動範囲の広いアカゲラの生息には好都合なのでしょう。「キョキョ」とよく通る鋭い声が聞こえたら、探してみましょう。
 千葉県レッドデータ(2019年版)ではCランク(重要保護生物)に掲載。

写真:アカゲラのオス
オスは頭が赤い
写真アカゲラのメス
メスは頭が赤くない

2023年11月

ホソミイトトンボ

里見公園の林でホソミイトトンボに出会いました。オツネントンボ、ホソミオツネントンボとともに、成虫で越冬するトンボです。
枯れ草上でじっとしていると見つけるのは困難ですが、温かい日は動き出すので、発見のチャンスです。もともと南方系のトンボで、近年は県内でも確認例が増えています。温暖化の影響とも考えられています。

千葉県レッドデータ(2019年版)ではBランク(重要保護生物)に掲載。

写真(1):ホソミイトトンボ
ほっそりとした体
写真(2):ホソミイトトンボ
じっとしていると見つけにくい

2023年9月

エナガ

「雪の妖精」と呼ばれる可愛らしいシマエナガが大人気です。シマエナガは北海道で見られるエナガの亜種ですが、市内でもシマエナガに似たエナガが見られます。通称「チバエナガ」。千葉県北西部で見られ、普通のエナガよりも眉がうっすらとしていますが、亜種シマエナガほど真っ白ではありません。チバエナガは正式な名前ではないので図鑑には載っていません。
じゅん菜池緑地で出会ったエナガの群れに2羽のチバエナガが混じっていました。

写真:エナガ じゅん菜池緑地
普通のエナガ
写真:通称チバエナガ じゅん菜池緑地
通称チバエナガ

2023年8月

ヒガシニホントカゲ

大町自然観察園でダイサギがトカゲを捕らえる光景に出会いました。嘴にくわえられたトカゲの尾が短かったので、一度は自切により危機を回避したようです。残念ながら今回は逃げられませんでした。
トカゲの正式名は、東日本に生息しているのはヒガシニホントカゲ、西日本のものはニホントカゲで、2012年までは同種とされていました。

県のレッドデータではBランク(重要保護生物)、食べていたダイサギはDランク(一般保護生物)です。

写真:ヒガシニホントカゲ 小塚山公園
幼い個体は尾が青く美しい
写真:ダイサギ 大町自然観察園
尾が生えはじめていた

2023年7月

ヒクイナ繁殖!?

国分川調節池緑地でヒクイナの幼鳥2羽に出会いました。ヒクイナは鳩より一回り小さい水鳥です。葦原に潜み、姿を見ることは稀ですが、夕方から夜にかけて、独特の声で鳴くため、その存在を知ることが出来ます。
市内では数十年前に繁殖した記録がありますが、近年の記録はありませんでした。自然の復元をテーマにした当地で、幼鳥に出会えたのは嬉しい限りです。

県のレッドデータではAランク(最重要保護生物)に指定されています。

写真:ヒクイナ幼鳥 国分川調節池
羽をバタつかせる幼鳥
写真:ヒクイナ 葛西臨海公園
緋色の成鳥(市外で撮影)

2023年6月

コムラサキ

里見公園前の道路で2頭のコムラサキに出会いました。国蝶オオムラサキを一回り小さくしたような印象の蝶です。地上のカラスの糞で何かを吸っていました。この行動は吸水行動といい、若いオスに多く見られます。体に必要な成分を補給しているようです。1頭の翅が欠損していました。鳥に襲われ、嘴で千切られものと思われます。自然は厳しいですね。

幼虫の食草はヤナギ類、県のレッドデータではCランク(要保護生物)に指定されています。

写真:吸水行動
吸水行動
写真:鳥に襲われた?
鳥に襲われた?

2023年5月

ギンランの群生

白い可愛らしい花を咲かせるギンランが、市北東部の神社の境内に群生していました。黄色いキンランに対して名付けられ、4月から5月に花を咲かせます。市内では減少傾向と感じていましたので、100株以上の群生には驚きました。鑑賞用に盗掘されることがありますが、生育には共生する菌類が必要なので庭や鉢植えでは育ちません。自然のままで楽しみたいものです。 千葉県レッドリスト カテゴリD(一般保護生物) 

写真:ギンランの群生
ギンランの群生
写真:ギンラン
ギンラン

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