更新日: 2025年4月2日

自然環境政策専門員の観察日記(2024年度)

自然環境課の鈴木専門員が、市内の自然で見つけた生きものたちを皆さまへご紹介するコーナーです。
野鳥や昆虫、植物など、たくさんの生きものをピックアップしていきます。
皆さまの身近にも、様々な自然が広がっているかもしれません。
ぜひお楽しみください。

2025年2月

シュンラン(春蘭)

市北西部の林で、シュンランが咲いていました。名前の通り、春に花を咲かせるランで、下草刈りがされているような雑木林に生育しています。
ランの仲間は雑木林の荒廃や盗掘によって、希少植物となってしまったものが多くあります。ランの仲間は地中の菌から養分を得ているので、生育するためには菌の助けが必要です。ランを守るには、樹木も土の中の共生菌も合わせ、環境ごと守ることが大切です。

シュンランの写真
シュンラン
シュンランの花の写真
シュンランの花

2025年1月

梅とメジロとウグイス

梅が咲き始めました。梅の木の近くでしばらく待っていると、メジロがやって来ました。メジロは梅の花の蜜が大好きで、数羽で飛来することが多いようです。「梅にウグイス」といいますが、ウグイスは滅多に梅にやって来ません。ウグイスは警戒心が強いため、藪の中にいることが多く、開けた場所にはなかなか出てこないのです。藪の中で「チャッチャッ」という声(地鳴き)で鳴き、単独でいることが多い鳥です。

メジロの写真
メジロ
ウグイスの写真
ウグイス

2024年11月

モズとアリスイ

モズは秋になると、木のてっぺんなどで「キィーキィーキィーキィー」とかん高い声で鳴きます。これは「モズの高鳴き」と呼ばれ、冬の間の縄張りを宣言する鳴き声です。先日、江戸川河川敷で似た声が聞こえ、声の主を探すとアリスイでした。アリスイはスズメ位の大きさのキツツキの仲間で、似た声で鳴きます。主にアリを食べることが名の由来で、市内では秋から冬に河川敷などで出会うことがあります。

モズ(メス)の写真
高鳴きをするモズ(メス)
アリスイの写真
似た声で鳴くアリスイ

2024年9月

クツワムシ

秋の気配とともに、夜の虫たちの鳴き声も賑やかになってきました。大町の梨畑沿いの道で、久し振りにクツワムシの声を聴きました。「虫の声」の歌詞に「がちゃがちゃがちゃがちゃ くつわむし」とあるように、鳴き声から「がちゃがちゃ」と呼ばれることもあります。大型のキリギリスの仲間で、緑色と褐色の個体がいます。

県レッドリスト(2019年版)ではカテゴリーC(要保護生物)に掲載。

クツワムシ(緑色個体)の写真
クツワムシ(緑色個体)
クツワムシが翅を擦り合わせて音を出している写真
翅を擦り合わせて音を出す

2024年8月

とても珍しいクラゲ

「江戸川放水路で珍しいクラゲを発見したよ!」と江戸川区子ども未来館の知り合いのスタッフから連絡がありました。場所は行徳可動堰下という所で、調査に同行させてもらうと、簡単に数十匹を採取できました。

クラゲの正体はワタゲクラゲ。2013年に新種として発表された体長1~2センチ程の小さなクラゲで、200本以上の触手があるのが特徴です。

今回の発見は、長崎県佐世保市の2例に続き3例目、本州では初めてとのことです。

ワタゲクラゲの写真
ワタゲクラゲ
網で捕まえると透明のゼリー状の写真
網で捕まえると透明のゼリー状

2024年7月

キジの幼鳥

江戸川河川敷で、柵の上に止まるキジの幼鳥に出会いました。私に気づき、直ぐに草の中に逃げ込んでしまいましたが、6~7羽いたようです。近くにはメス親も潜んでいました。

6月末に、付近で巣が確認されていたので、そこから巣立った幼鳥達だと思われます。既に鳩ぐらいの大きさになり、無事育っていることに安心しました。

「国鳥」でもあるキジは、近年の遺伝子に関する研究で、日本固有種であることがわかっています。

2羽のキジの幼鳥の写真
キジの幼鳥
キジの卵の殻の写真
巣立ち後の巣

2024年6月

アオダイショウ

大野町の水田近くで、側溝から出てくるアオダイショウに遭遇しました。側溝から出て、道路を渡っていると、何処からかカラスが飛んできて、ちょっかいを出し始めました。アオダイショウは丸まって警戒態勢、カラスは用心深く近づいてはつつく行動を繰り返していました。車が通ったためカラスが飛び去り、アオダイショウは無事、水田に移動できました。

アオダイショウは県レッドリスト(2019年版)ではカテゴリーD(一般保護生物)なので、個体数を減らさないように見守りましょう。

アオダイショウの写真
側溝の隙間から出てきた
アオダイショウとハシボソカラスの写真
ハシボソカラスにからまれる

2024年5月

タヌキの赤ちゃん

「道路の側溝に、ネコのような声で鳴くイヌのような動物の赤ちゃんがいます。」との通報があり、確認に行きました。正体はタヌキで、4匹の赤ちゃんタヌキが寄り添っていました。市街地の側溝は、タヌキがけもの道として利用しています。近くに親がいないようでも、親ダヌキは戻ってきます。このような場面に出会ったら、そっとその場を離れてあげましょう。

タヌキの赤ちゃんの写真
タヌキの赤ちゃんは全身黒色
側溝の写真
側溝はタヌキの安全な通り道

2024年4月

春の妖精「ツマキチョウ」

大町自然観察園で、春だけに現れるため「春の妖精」とも呼ばれるツマキチョウに出会いました。
モンシロチョウより一回り小さく、オスのはねの先が黄色い可憐なチョウです。飛び方が直線的で速く、滅多にとまらないので、撮影が難しいチョウです。市内のあちこちで見かけますが、大町自然観察園は最も見つけやすいスポットです。

ツマキチョウの写真(1)
オスのはねの先は黄色
ツマキチョウの写真(2)
メス

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