2 ふうけい(風景)
2 ふうけい(風景)
江戸川放水路(えどがわほうすいろ)は、「かわ」のすがたをしています。たいらなばしょに、「ていぼう」という「どて」があって、そのあいだを、ほってあります。
はしの、うえからは、ぜんたいを、みることができます。ていぼうの、すぐちかくは、つちと、くさと、ちいさなきが、あります。そのとなりには、どろや、すなや、みずたまりが、あります。まんなかには、みずがたくさんあります。
江戸川放水路は、大正時代、1916(大正5)年から1920(大正9)年にかけて開削された人工の水路です。江戸川が市川市域で大きく西に流路を変える位置から、東京湾までを最短距離で結んでいます。水田が広がっていた場所を掘って作りました。
景観的には、平坦な場所にある川の河口です。一般に河口は潮の満ち引きの影響を受け、水面が満潮時は広く、干潮時は狭くなりますが、江戸川放水路の場合、江戸川との分岐点近くにある閉じた水門によって江戸川とは分離されているので、東京湾の潮の満ち引きがそのまま直接的に反映されます。川の風景と海の自然がセットになった場所ということです。
堤防の外側(治水の考え方では内側)に果てしなく広がる住宅地の風景と、堤防の内側(治水の考え方では外側)の自然の風景とを合わせて眺めると、都市における河川の、空間としての重要性が改めて認識されます。