13 あおしお(青潮)

13 あおしお(青潮)

あおしおは、おそろしい、できごとです。「さんそ」のない、あおい、みずが、たくさん、うまれるのです。「さんそ」がないと、いきものは、しんでしまいます。あおしおが、江戸川放水路(えどがわほうすいろ)に、ながれてくると、たくさんの、さかなや、かいが、しにます。カニも、しにます。あおしおは、しぜんの、うみを、にんげんが、こわしたから、うまれました。あおしおのない、うみになると、いいですね。

青潮は、海底から、東京湾岸の埋め立てにつかった土を取った跡の穴が原因と言われています。深い穴にプランクトンの死骸や有機物が沈殿し、それらの分解に海水中の酸素が消費されるため無酸素水になります。その無酸素水の塊が、海水の温度変化や風によって水面に浮きあがり、酸素のない水として沿岸部を覆います。無酸素水の中の成分が太陽光と反応して青くなる、と言われています。
風向きなどによって、青潮が江戸川放水路に入ってくることがあります。移動できない二枚貝は全滅します。青潮に追われて江戸川放水路に逃げ込んだ魚も、ほぼ死滅します。ふだん見ない沖の魚が何種類も死んでいます。大きなアカエイも、江戸川放水路に逃げ込んできます。
マハゼなどは水際まで移動して、なんとか生き延びようとします。水際は水深が浅いため、水の体積に対して水面の面積が広く、空気中の酸素が高い割合で溶け込みます。体が小さなマハゼの幼魚などは、なんとか生き延びられます。トビハゼやヤマトオサガニは水の外でもだいじょうぶなので、被害はでません。
何年かおきに江戸川放水路でも青潮の被害が起こりますが、二枚貝も含め、数年後には回復します。海の生態系の強さを実感します。

江戸川放水路最奥部まで達した青潮の写真
江戸川放水路最奥部まで達した青潮
青潮の写真
青潮
青潮の被害の写真
青潮の被害
死んだマハゼなどの写真
死んだマハゼなど
死んだシオフキなどの写真
死んだシオフキなど
死んだマゴチの写真
死んだマゴチ
死んだ沖の魚などの写真
干潟にいない種類も死んでいた

このページに掲載されている情報の問い合わせ

市川市教育委員会 生涯学習部 自然博物館

〒272-0801
千葉県市川市大町284 動植物園内

電話
047-339-0477