2 かたち(地形)
2 かたち(地形)
長田谷津(ながたやつ)は、ほそながい「たに」です。たには、したのじめんはひくくて、まわりはたかくなっています。したのじめんは、たかさが12メートル、まわりのたかいところは25メートルくらいあります。たかいところと、ひくいところは、さかでつながっています。
こういう「ほそながい、たに」のことを「やつ」といいます。たにには、むかし、たんぼがあって、そのときは「やつだ」とよんでいました。
長田谷津は、平らな台地に切れ込んでいる細長い谷です。台地の上面が標高25メートルほど、谷底の標高が12メートル前後で、10メートルあまりの高低差があります。台地に谷が切れ込む地形は千葉県の中部から北部にかけては一般的で、下総台地と呼ばれる上面が平坦な台地にいくつもの谷が切れ込んでいます。その谷のことを「谷津」と呼び、谷底で稲作をしている時は「谷津田」と呼びました。長田谷津は、そういう谷のひとつになります。
谷津は、下流に向けて幅が広くなり、他の谷と合流しながら台地の縁の開口部から低地につながっていきます。長田谷津の場合は、大柏川が流れる幅が広い谷(大柏谷)につながり、市川市中部の低地に続きます。低地はなだらかに東京湾へと続きます。